JP2710363B2 - 燃料油の切替供給方法 - Google Patents

燃料油の切替供給方法

Info

Publication number
JP2710363B2
JP2710363B2 JP26872988A JP26872988A JP2710363B2 JP 2710363 B2 JP2710363 B2 JP 2710363B2 JP 26872988 A JP26872988 A JP 26872988A JP 26872988 A JP26872988 A JP 26872988A JP 2710363 B2 JP2710363 B2 JP 2710363B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
temperature
viscosity
switching
fuel oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26872988A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02115614A (ja
Inventor
省三郎 小林
秀樹 板東
Original Assignee
株式会社國際テクニカルズ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社國際テクニカルズ filed Critical 株式会社國際テクニカルズ
Priority to JP26872988A priority Critical patent/JP2710363B2/ja
Publication of JPH02115614A publication Critical patent/JPH02115614A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2710363B2 publication Critical patent/JP2710363B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23NREGULATING OR CONTROLLING COMBUSTION
    • F23N1/00Regulating fuel supply
    • F23N1/002Regulating fuel supply using electronic means

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Feeding And Controlling Fuel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ディーゼル機関やボイラで使用される燃料
油の供給システムに関し、詳しくは動粘度の異る二種の
燃料油を切替えるときの混合燃料油が噴射燃焼される場
合に、その燃料油の希望噴射粘度を常に適正に保持する
ために該燃料油を希望粘度に見合う温度に自動制御して
供給するシステムに関する。
(従来の技術) 近年ディーゼル機関の性能は著しく向上された。なか
でも、従来大型・低速ディーゼル機関にしか焚けなかっ
た低質重油(例えば粘度3,500秒、レッドウッドNo.1、
標準温度100゜F)が、近年では回転数600〜1,200RPM、
シリンダー径180mm程度の中速・小型エンジンに於ても
使用が可能となってきている。また大型・低速ディーゼ
ルエンジンでは上記低質重油より更に粗悪な7,000秒レ
ッドウッド(RW.)No.1、標準温度100゜Fの低質重油を
も燃やすことが出来るようになってきた。
このような高粘度の低質重油は、そのまヽでは噴射燃
焼させることが出来ないから、燃料油を加熱して粘度を
低下させ、噴射条件に見合う適正粘度にしなければなら
ない。
同様にボイラに於て低質重油を燃料として噴射燃焼さ
せる場合にも同じことが云える。
一般的に、噴射燃焼のための燃料油の適正粘度は、 中速ディーゼル:60秒 RW.No.1前後 低速ディーゼル:80秒 RW.No.1前後 ボ イ ラ:80秒 RW.No.1前後 である。
そして、燃料油を加熱して適正粘度を得ようとする場
合、第2図に示すような国際的にも標準化されている重
油の動粘度−温度線図を利用して必要な重油の温度を求
める。一例を挙げるとRW.No.1、標準温度100゜Fに於て
粘度10,000秒の油をRW.No.1、60秒の粘度にするには156
℃に、80秒の粘度にするには142℃に加熱しなければな
らない。この油の質と動粘度−温度の関係を列記すると
次の如くである。RW.No.1 100゜F 60秒 80秒 10,000秒 156℃ 142℃ 7,000秒 150℃ 136℃ 6,000秒 148℃ 134℃ 5,000秒 145℃ 131℃ 3,000秒 136℃ 122℃ ところで、こヽで云うディーゼル機関の燃料系統の概
略フローは、第3図の如きで、冷間起動用良質油(以下
A油とす)サービスタンク10と、低質油(以下B油と
す)サービスタンク11と、から供給される夫々の燃料油
を三方切替弁12を介して切替えて、燃料油循環ポンプ13
に供給し循環ポンプ13より吐出される燃料油が油加熱器
14を経てディーゼルエンジン15に供給され、該エンジン
が噴射燃焼した残りの燃料油を循環管路16を介してリタ
ーンチャンバー17に保留し、再び循環ポンプ13の吸込側
に戻すのが一般的である。
A油により起動したディーゼルエンジン15は、所定の
標準運転が終了すると、A油からB油(実際には通称C
重油)に切替える。逆にエンジン15を停止させる場合
は、事前に上記循環管路16中の管路、機器内に保有する
B油をA油に置換させ次の起動に備えるのが一般であ
る。
起動又は停止時点で使用するA油は、常温に於て40秒
RW.No.1程度の粘度であるから噴射燃焼のために加熱す
る必要はない。一方、前述のように例えば標準温度100
゜F(約38℃)に於て、3,000秒RW.No.1のB油は、噴射
適正粘度60秒にするには136℃に、80秒にするには122℃
に加熱しなければならない。A油からB油に切替え消費
される燃料油の希望噴射粘度に相当する温度調整をする
上で考慮すべきは、循環管路16内の燃料油がA油からB
油に切替り途中にある時点では、その混合割合は連続的
に変化するため、これに応じて粘度も変化を続けるので
この変化する粘度に対応した最も適切な温度調節がなさ
れなければならないことである。
燃料油を前述の油噴射温度の適正粘度(例えば60秒R
W.No.1)に保持するための温度管理をするため、従来は (i)使用するB油の標準温度100゜Fでの粘度を基準と
して、第2図に示すような動粘度−温度線図を用いて適
正粘度となる燃料油の加熱温度を求めて人為的に管理す
る方法。
(ii)粘度計18を燃料油加熱器14の出口に設置して、連
続的に燃料油粘度を計測し乍ら油粘度/温度調節器19に
よって燃料油加熱器14の加熱量を調整し適正粘度を保持
する自動制御方法を採っている。
(発明が解決しようとする課題) 前記(i)方法においては、手作業によって燃料油加
熱器出口の加熱温度を線図から求め、これを燃料油加熱
温度調節の設定温度とするものであり、線図から読みと
り、更に設定すると云う煩わしい操作を伴なうだけでは
なく、前記した油の切替過渡時における粘度管理はほと
んど不可能に近い。
(ii)の方法は、粘度計18を利用した粘度の直接的な
自動制御であるため、燃料油の標準温度での粘度を調べ
る必要がなく理想的な方法と云える。しかし、問題は燃
料油加熱器14出口側に設置される粘度計18が、正確な粘
度を計測し得ないと云う根本的な欠陥があり、実際には
理想的な噴射粘度の管理にはならない。
その理由は、作動中のディーゼルエンジンの燃料噴射
機構から伝播する複雑な衝撃波によって粘度計18に大き
な外乱作用を与えその計測値に大きな誤差を発生させる
ためである。昨今、ディーゼルエンジンの燃料噴射圧力
は、低質高粘度の燃料を焚くため、1,000気圧以上にも
なっており、このため燃料噴射機構から伝播される衝撃
波はオシログラフによる計測で50気圧以上にも達してい
る。このパルス状の衝撃波の影響によって粘度計の計測
値は、実際値と違ったものになっている。この誤差によ
り燃料油の加熱温度及び噴射粘度が不正確なものとな
り、致命的な欠陥となる。
例えば、136℃が適正な燃料油加熱温度である場合、
エンジンが停止している時は136℃であっても、負荷が
作動して定常回転になると噴射機構の発する衝撃波によ
る計測誤差の結果、油温度は150℃にもなる。136℃は略
標準温度100゜F 3,000秒の油の粘度に対応するが、150
℃になるとおどろくなかれ標準温度100゜F 7,000秒の
油に対する加熱温度に相当することになる。
このような実測動粘度の不適正は、現在実用化されて
いる粘度計にあっては、避け難いのが実状である。
更に、加えて(ii)方法では、A油からB油に切り替
わる際、粘度計制御ループのもつ特性が設定粘度(例え
ば、60秒RW.No.1以上)にならないと燃料油加熱器の加
熱を開始しない。その理由は、A油は常温で40秒RW.No.
1程度の粘度であるため、循環管路の加熱器出口の油温
度は、B油が混入しているにもかかわらず最初の段階で
は上昇せず、或る段階、即ちB油が30%程度混入し、そ
の粘度が60秒近くまで増加した時点でやっと燃料加熱器
14が作動し始め、その後は急速に上昇すると云う特性を
有している。このことは、ディーゼルエンジンにとって
は好しからぬ状況である。
A油とB油の切替り時に於ては、時間の経過と共に燃
料油加熱温度も一定勾配で変化し、それに伴って粘度も
40秒から60秒に変化するのが理想と云える。
(課題を解決するための手段) 本発明は上述した従来技術の問題点を改善したもので
あって、概略的に云うと、希望噴射粘度を自動制御する
に当って実測粘度を制御メディアから除外し、温度を制
御メディアとして取り入れ希望噴射粘度を制御管理する
こと、並びに燃料油切替過度時に時々刻々に変化する混
合油の粘度変化に追従する適切な温度変化が行なわれる
ため、不釣合な温度変化によって生起する不都合を回避
し得る。このように切替時間を制御メディアの中に取り
込み制御目的である希望噴射粘度を時間メディアで補正
した温度制御によって実施しようとするものである。
上記目的を達成するための本発明燃料油の切替供給シ
ステムを更に詳しく実施例図に基づき述べる。
第1図は、本発明の一実施例であるディーゼル機関燃
料油供給管路・油温度制御系統図、第2図は重油の動粘
度−温度線図、第3図は燃料油系概略フローシート、第
4図は循環管路におけるB油の混合率線図、第5図は広
く用いられている混合油の粘度推定図である。
第6図は温度上昇係数−q・t/Q(タイムベースのB
油の交換率=λ)線図、第7図は第6図の各λにおける
混合油の粘度推移線図である。
図より本発明の燃料油の切替え供給システムは、粘度
の比較的低い良質燃料油Aと粘度が比較的高い低質燃料
油Bとを夫々供給タンク10,11より途中切替弁12及び加
熱器14を介して負荷15にON,OFF切替自在に供給して燃焼
消費せしめ未消費油を循環管路16により、上記負荷15に
循環供給せしめる燃料油の切替供給システムに於て、A
油よりB油に燃料油を切替る際に; (i) T=αloglogV−γ ……(1) を満足する目標温度Tを求めること、 但し、α;B油の粘度指数に関連して求められる粘度勾
配定数 V ;B油の標準温度Toにおける粘度 γ;希望噴射粘度に基づいて決定される温度換
算定数 T ;希望噴射粘度におけるB油の目標温度 の範囲内にあるλe値を選定して、 但し、Q ;循環管路内に保有する燃料油の量 q ;B油切替時における負荷の単位時間当たりの
平均燃料油消費量 t ;B油の切替開始からの時間 te;B油の切替開始からB油の目標温度Tに達す
るまで時間 時間tにおける温度上昇係数kを 但し、0≦t<teで0≦k<1 t≧teでk=1 から逐次求めること、 (iii) 時間tにおける循環管路内の油温度T′を T′=k(T−h)+h ……(3) から逐次求めること、 但し、h;切替え前のA油の温度 (iv) 上記計算T′を温度調節部に逐次入力するこ
と、 (v) 前記負荷入口前の油温度を検出して温度調節部
に入力して、T′と比較して比較値を求めること、及
び、 (vi) 上記の比較値に基づいてフィードバック制御に
より加熱器の温度制御をすること、 以上(i)〜(vi)工程より成ることを特徴とするも
のである。
上記(1)〜(3)式について説明する。
(1)式は国際的にも標準化されている燃料油の
(動)粘度−温度線図を用いB油の標準温度Toに対する
粘度Vから希望噴射粘度に相当するB油の(加熱)温度
Tを求める方法を数式化したものであって、式中のα及
びγは上記線図から求めた値をベースとして単純な一次
比例を函数式より求められるもので、具体的には後記の
実施例より明らかとなろう。(1)式はこのように切替
えようとするB油の標準温度T0における粘度Vの値に対
応する最終的制御目標値であるTを得る方法、つまり最
初と最後の関係を定立したものであるが、切替開始より
完了に至る間のA油に対するB油の混合割合、各割合に
対応した混合油の粘度は時々刻々と変化しており、特に
切替の際に加熱を伴なう本発明システムに於ては、上記
の粘度の推移は理論値では推し測り得ない結果となるこ
とを想定して温度Tに至る間の途中に於て噴射粘度に不
都合を与えないような加熱温度勾配を見出す必要があ
る。先づこの配慮の中で流動するA油に対しB油を流動
下で混合する場合、時間の推移に関するB油の混合割合
Dbを知るには良く知られている所の、 (但し、eは自然対数2.71818,Dbは%表示B油の混合割
合である。) より容易に求められる。
この(2−1)式よりB油の混合割合はqt/Qの指数函
数であり、Q及びqは用いるシステムの管路の保有油量
及びB油の補給量、即ち対応的には負荷の消費量によっ
て個有であるから、別云するとDbはtの指数函数関係と
なる。(2−1)式より混合途中上のA,B混合油の混合
割合が決まり、システム系の中に加熱とか冷却を伴なわ
ない限り、その混合油の粘度は通常用いられている混合
油の粘度推定図(第5図)より容易に求められるが、本
発明では加熱を伴なうことを必須とするので、上記のよ
うに粘度推定図から単純に粘度を探知する手法では実際
の粘度値を知悉出来ない。そこで加熱時の時間変化に対
する温度増加率(以下単に、温度勾配という)をどのよ
うに採るのかと云う重大な課題が残る。これを解決する
ために発明者は、qt/Qと温度上昇係数k(温度勾配)と
を関係づけて、qt/Qと、混合開始後の時間tに対応する
混合油の温度上昇係数kと、をX−Y軸上で直線的関係
で表した。第6図は、この関係の例を7種類の温度勾配
直線〜で表してある。ここに、温度上昇係数kと
は、目標温度TとA油温度hとの温度差(T−h)に対
するB油混合開始後の時間tにおける混合油温度T′と
A油温度hとの温度差(T′−h)の割合(T′−h)
/(T−h)を言う。温度上昇係数kは時間tにより時
々刻々増加し、目標温度Tに到達した時間teでk=1と
なる。そこで、温度上昇係数0〜1.0の範域はB油への
切替え開始から混合油の油温が最終的にTに到着する間
の時刻的な温度勾配を意味する。例えば、第6図右欄は
A油が切替が40℃で開始され、B油が140℃の最終到達
温度(T)に至るまでの時間、若しくはB油の交換率と
の関係を表わしている。qt/QはタイムベースのB油の交
換率とも云える。
次に、各種の温度勾配直線〜をもってA油をB油
に切替え開始した後の実際の混合油の粘度推移をqt/Q
(X軸),粘度(Y軸)にとって示したものが第7図で
ある。この図では標準温度100゜F下で40秒の粘度のA油
と、同3,000秒のB油を用いて、最終的に60秒の希望噴
射粘度とする典型的な例にとってある。同図よりカーブ
′′経由Piのものは比較的長時間にて加熱するあま
り混合油の粘度が60秒を超える高粘度域への推移を示し
望ましなく、一方カーブ′経由のものは混合が比較的
短時間で加熱するあまり混合初期に於ける粘度が急激に
低下し35秒以下となるので、これまた望ましくない。望
ましいのはカーブ′′′′経由Piのものであ
り、これを、qte/Qについてみると、λe=qtq/Q1.0〜
2.5を満足する時間teで目標温度Tに到達する温度勾配
のものである。
本発明に於ける(2)式の限定根拠はこヽにある。つ
まり、(2)式を充足し得るような温度勾配範囲を選定
する限り加熱下で切替開始よりB油への切替完了時に至
る途中の混合油の粘度が希望噴射粘度に過不足なく推移
し得ると云うことになる。そこで、λe(=qte/Q)を
1.0〜2.5の範囲内で特定して温度勾配直線を定めると、
温度上昇係数kが、B油への切替え開始からの時間t
と、次のように関係づけられるので、 時間tに対応するk値を時々刻々算出し、最終目標温
度Tに至る時間teまで、時間tにおける循環管路内の油
温度T′を(3)式に基づいて時々刻々算出して温度制
御をすることにより、A油−B油切替の過渡状態にある
混合油の適正粘度も含めて最終目標温度での適正粘度の
調整が達成されることとなる。
次に、本発明を実施する装置について実施例の第1図
を参照して説明する。
A油供給タンク10と、B油供給タンク11とから供給さ
れるA,B油は、切替弁12によって夫々ON−OFFに切替えら
れて油循環ポンプ13吸込側の循環管路16に供給される。
循環管路16には、循環ポンプ13、油加熱器14、負荷15
(図例ではディーゼルエンジン)、リターンチャンバ17
が設置され燃料油が循環されている。この循環燃料油の
一部を負荷15が噴射燃焼している。加熱器14は図外の装
置からの熱源(図例では蒸気)により、該加熱器通過燃
料油を加熱している。
上記構成の装置によって運転中の負荷(ディーゼル機
関)は、次の本発明に係る装置によって燃料油をA油か
らB油に切替られ運転が継続される。
低質B油燃料の標準温度の粘度と負荷に適した希望噴
射粘度を設定することにより基本になる噴射加熱温度を
算出する手段(I)と、温度勾配を定める温度勾配直線
又はλeを選定して、A油からB油への切替え開始後の
時間tに対応する温度上昇係数kを逐次算出して出力す
る温度勾配設定手段(11)と、上記手段(1)からの加
熱温度Tと手段(II)からの温度上昇係数kとを乗算し
てA油の温度hを加算し、時間tにおける加熱温度T′
信号を逐次出力する手段(III)と、この加熱温度T′
信号を基準信号として負荷入力燃料油の温度信号を比較
して、この温度差により循環している燃料油の負荷入口
の加熱温度を制御する信号を出力する加熱温度調節部
(IV)より成っている。
(作用) 上記の手段の項後段に述べたような構成装置による本
発明の燃料油切替供給システムを、A油(A重油)から
B油(C重油)に切替えて負荷(船舶ディーゼル機関)
15を連続作動させる場合の要領を以下に説明する。
今、A油供給タンク10から三方切替弁12を経たA油
は、循環ポンプ13により加熱作動を初めていない燃料油
加熱器14を経て負荷15に送給され、負荷に於て噴射燃焼
して消費された残りのA油は循環管路16を通じてリター
ンチャンバ17に戻され、そしてこのチャンバ17内のA油
は再び循環ポンプ13に吸引されて、閉回路内を循環され
ている。また、負荷15が消費した燃料油量をA油供給タ
ンク10から補給されている。
このA油噴射燃焼の状態から燃料油をB油に切替える
のであるが、予めB油粘度設定器1aにはB油の標準温度
100゜Fに於ける粘度RW.No.1秒(例えば3,000秒)がセッ
トされ、また適正噴射油粘度設定器1bには負荷に適した
適正粘度および温度(例えばRW.60秒およびA油の温度h
40℃がセットされている。
燃料切替器2aをB油に切替えると操作源(図例では空
気)により三方切替弁12が12B側に切替り、この時より
負荷が消費した量だけのB油が循環管路16に供給され、
時間の経過と共に管路16内のA,B混合油のB油割合は増
加してゆき、やがてB油のみとなる。
上記のA油からB油に切替えるとき、前記の(2)式 を満足する時間内切替が完了するような温度上昇係数信
号kを出す温度勾配設定手段(II)と、手段(I)によ
るB油の粘度設定値(例えば6,000秒、RW.No.1標準温度
100゜F)を1Cがloglog計算し、更に希望噴射粘度(例え
ば60秒、RW.No.1に対する温度減算定数γ)値とA油の
温度h値とを減算(1d)してB油の加熱温度の基本とな
る信号T−hを得、これを出力する手段(I)と、前記
手段(II)とを、手段(III)による乗算器3aと、A油
の温度hを加算する加算器3bとによって、時々刻々変化
するA油とB油の混合割合に見合った加熱温度〔k・
(T−h)+h〕の信号T′が加熱温度調節部(IV)に
対し出力される。
このT′信号と負荷入口の混合油実測温度信号との差
を手段(IV)の偏差器4aで求め、これを加熱温度調節計
4bに入力して加熱温度制御信号が得られる。この制御信
号によって温度調節操作部20を調節し加熱器14に供給さ
れる熱源(図例では蒸気)の加熱量が制御される。
(実施例) 本発明を舶用ディーゼル機関の実施例図に基づき説明
する。
構成機器は第1図に示す如きで、関係諸元は次の通
り。
負荷として定格出力3,000P.S、回転数600R.P.M程度の
舶用ディーゼルエンジン。
使用する燃料油 A油:粘度40秒RW.No.1標準温度100゜F(説明を簡単
にするため40℃において40秒RW.No.1標準温度100゜Fの
良質燃料油とする)A重油 B油:粘度3,000秒RW.No.1標準温度100゜F(低質燃料
油)C重油。
実施例適用条件 燃料油切替時のエンジン 平均燃料消費量q:3.3/min 燃料油循環管路系内の保有油量Q:150 B油の適正噴射粘度(RW.No.1): 60秒RW.No.1標準温度 B油の粘度を算出勘案して、基本となる噴射加熱温度
を算出する手段(I)の算出(1)式は、次の如くして
案出される。
T=αloglogV−γ ……(1)式 第2図に示す重油・の動粘度−温度線図を参照して述
べる。縦軸をY軸、横軸をX軸として、 図なかほどの縦軸のRW.No.1秒目盛にV値である6,000
秒を採り、この点をa点とする。図中に既に記入済の燃
料油(F油とする)の特性線Fと平行なa点を通る直線
を斜め下方向に引きおろし、B油の特性線B油線とす
る。上記縦軸のRW.No.1目盛上の60秒にあたる上記B油
線上の点をb点とする。b点のX軸上の温度をみると、
148℃を得る。これがB油のRW.No.1;60秒になる加熱温
度である。別言すれば(1)式の希望(適正)噴射粘度
に於ける加熱温度Tである。
こヽで(1)式のα,γを求めるにつきV値が115秒
の油(仮にE油とする)を噴射粘度60秒にする場合の加
熱温度をみるに、第2図によりV=6,000秒のときと同
様に加熱温度63℃を得る。
B油線とE油線をxy座標に採り、 y=loglogV x=Tとすると、 これは、 T=323 loglogV−38.4 同様にx軸の噴射粘度を70秒,80秒とするとき、夫々
は、 70秒のとき これは、 T=323 loglogV−46.38 80秒のとき これは、 T=323 loglogV−52.42となり、 加熱温度Tはxであるから、粘度を60秒,70秒,80秒の
夫々にするときのT60,T70,T80は、 T60=323 loglogV−38.4 T70=323 loglogV−46.4 T80=323 loglogV−52.4となり、(1)式のαが32
3、γが噴射粘度が60秒のとき38.4、70秒のとき36.4、8
0秒のとき52.4を得る。
次に、循環管路16中のA油を混合するとき、そのB油
の混合割合は、エンジン15の燃料消費量に従って、時間
の経過と共に変化する。その変化の状態は次の(2−
1)式により表わされる。
但し Dbは循環管路内混合油のB油の割合 % eは自然対数で2.71818 Qは循環管路内の保有油量 qは切替時の単位時間当り平均燃料 消費量 /min tは経過時間で燃費を/minとすると min こヽで(2−1)式を用いB油の混合割合Dbをq・t/
Qに関して計算すると、 となり、第4図に於けるプロット点◎〜を得る。
混合油の粘度は「混合油の粘度推定図(第5図)」か
ら簡単に求められる。例えば標準温度100゜Fで40秒のA
油と3,000秒のB油との上記混合割合での各粘度は、上
記列記の如くとなる。
今(2)式に於て、λ=q.t/Q=2によって定義される
温度勾配直線を選択しq=3.3/min、Q=150を代入
すると、 3.3t/150=2 ∴t=2×150/3.3≒90(min) 第6図中の温度上昇係数kは切替開始から同図の直
線に沿って上昇を続け90分後に1.0の値をとり、それ以
後はk=1を保持する。即ち、加熱温度は切替開始時の
40℃から1分間当り1.11℃(100℃÷90min)の割合で上
昇し、90分後には140℃に到達する。それ以後はB油の
加熱温度140℃を維持する。時間の経過と、λ、混合比
(Db)、温度上昇係数(k)、加熱温度(T′)および
噴射粘度(秒RW.No.1)の関係は次のようになる。
即ち、時間の経過と共に噴射粘度は第7図点0から曲
線′を経てP3に至り、P3−P4−P5−P6−Pi曲線に沿っ
て漸次適正噴射粘度60秒RW.No.1に近づく。
また、q.t/Q=1.5を選択した場合には、第7図点0か
ら曲線′を経てP2に至り、以下q.t/Q=2.0の場合と同
じようP3−P4−P5−P6−Pi曲線に沿って漸次適正噴粘度
度に近づく。
以上で明らかなごとく、B油の加熱温度はq.t/Q=2
の場合、温度は1.11℃/minと一定の割合で上昇し、且つ
粘度は40秒から円滑な曲線を経過しながら60秒に漸近す
る。このような制御特性は、粘度計を利用して加熱温度
制御する従来の方法では、たとえ粘度計が正確に作動し
たとしても達成は不可能である。
第7図が示すような実際噴射粘度を40秒〜60秒に抑え
る事を目標とするならば温度勾配直線としては、曲線
′〜′を含むλ=1.0〜2.5を選択することが望まし
く、曲線′を含むλ=0.8以下では粘度が下がり過
ぎ、また曲線′を含むλ=3.0以上では途中で噴射粘
度が高くなり過ぎて、適正な噴射に支障を生じることに
なる。
このようにλの値を1.0〜2.5、即ちq・t/Qを1.0〜2.
5の時間te内に選んで混合油の加熱温度T′を制御する
ことにより、混合油の粘度は温度の上昇と適度にバラン
スされて噴射燃焼されることになる。
なお、第1図中の加熱温度調節部(IV)の4Cは燃料油
温度指示計である。
B油粘度設定器1aに設定するB油のマニュアル設定に
換えて第1図に示す如きエンジン作動によるパルス衝撃
波の影響のないB油供給管路に、標準温度に換算可能な
粘度計8から直接、粘度設定器1aに入力信号を与えるよ
うにすれば最も好都合と云える。
(発明の効果) 本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記
載する効果を奏する。
噴射粘度の管理を粘度メディアによらず温度メディア
により制御しているので、圧力変動などの影響を全く受
けず噴射粘度が適正に保持出来、その正確さはインライ
ン型の粘度計に対し、比較にならない程正確なものとな
る。また粘度計の様な複雑な機構を持たないため調整や
故障がなくなる。
燃料油の温度による動粘度の変化を線図読みとりの手
作業によらず、燃料種別による標準温度における粘度の
設定により、負荷に適した任意の噴射燃料油の加熱温度
を制御機器(loglog変換器,減算器)により算出してい
るから、煩わしいマニュアル操作が不要である。
燃料油を非加熱の良質油から、加熱し乍ら低質油に切
替える場合、切替過渡期の時々刻々変化する混合油の粘
度に見合った上昇温度係数(温度勾配)を求めることに
より適正な噴射燃料油の粘度が保持出来、負荷にサーマ
ルショックなどの悪影響を与えない。qte/Q=1.0〜2.5
に選ぶことにより、これが達成される。
負荷入口の燃料油温度を同じメディアの加熱温度制御
部にフィードバック制御しているから常に適正噴射粘度
を保持出来る。
B油粘度設定器に負荷作動時のパルス衝撃波の影響な
い管路に、標準温度換算された粘度計からの直接入力が
なされる場合には、供給燃料油(B油)の標準粘度が異
なった異種のB油の負荷作動中に変更されても、自動的
に適正噴射温度が算出され、連続して適正噴射粘度にて
負荷を作動させることが出来るので、謂ゆるノーマンコ
ントロールとすることも出来る。
以上により、負荷の噴射粘度調節は極めて合理化され
ることになり、経済効果も大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例であるディーゼル機関燃料
油供給管路・油温度制御系統図、第2図は重油の動粘度
−温度線図、第3図は燃料油系概略フローシート、第4
図は循環管路におけるB油の混合率線図、第5図は広く
用いられている混合油の粘度推定図である。 第6図は温度上昇係数−q・t/Q(タイムベースのB油
の交換率=λ)線図、第7図は第6図の各λにおける混
合油の粘度推移線図である。 (符合の説明) (I)……B油粘度−加熱温度算定部 ……(1)式 (II)……温度勾配設定部 ……(2)式 (III)……加熱温度設定部 ……(3)式 (IV)……加熱温度調節部 10,11……A油,B油供給タンク、12……切替弁、14……
加熱器、15……負荷、16……循環管路、20……温度調節
操作部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘度の比較的低い良質燃料油Aと粘度の比
    較的高い低質燃料油Bとをそれぞれの供給タンクより途
    中切替弁と加熱器とを介して負荷にON,OFF切替え自在に
    供給して燃焼消費せしめ、未消費油を循環管路により、
    上記負荷に循環供給せしめる燃料油の切替供給方法にお
    いて、 A油よりB油に切替える際に、 (i)T=αloglogV−γ ……(1) を満足する目標温度Tを求めること、 但し、α;B油の粘度指数に関連して求められる粘度勾配
    定数 V ;B油の標準温度Toにおける粘度 γ;希望噴射粘度に基づいて決定される温度換算
    定数 T ;希望噴射粘度におけるB油の目標温度 の範囲内にあるλe値を選定して、 但し、Q ;循環管路内に保有する燃料油の量 q ;B油切替時における負荷の単位時間当たりの平
    均燃料油消費量 te;B油の切替開始からB油の目標温度Tに達する
    まで時間 B油の切替開始からの時間tにおける温度上昇係数k
    を、 但し、0≦t<teで0≦k<1 t≧teでk=1 から逐次求めること、 (iii)時間tにおける循環管路内の油温度T′を T′=k(T−h)+h ……(3) から逐次求めること、 但し、h;切替え前のA油の温度 (iv)上記計算T′を温度調節部に逐次入力すること、 (v)前記負荷入口前の油温度を検出して温度調節部に
    入力して、T′と比較して比較値を求めること、及び、 (vi)上記の比較値に基づいてフィードバック制御によ
    り加熱器の温度制御をすること、 以上の(i)〜(vi)の工程より成ることを特徴とする
    燃料油の切替供給方法。
  2. 【請求項2】(i)工程を、標準温度To及び粘度Vを取
    り込んで、loglog変換器及び減算器により実施し、(i
    i)工程のλe値と温度上昇係数が温度勾配設定器に記
    憶して出力自在とされ、(iii)工程が上記減算器の目
    標温度出力と温度勾配設定器の温度上昇係数出力とを乗
    算する乗算器とA油の温度を加算する加算器とにより実
    施し、(iv)と(v)との工程を温度調節部の比較器に
    より実施し、(vi)の工程が加熱器の組対された自動制
    御弁機構により実施する請求項1記載の燃料油の切替供
    給方法。
  3. 【請求項3】loglog変換器へのb油の標準温度Toに対す
    る粘度Vをマニュアルによって入力される請求項2記載
    の燃料油の切替供給方法。
  4. 【請求項4】loglog変換器へのB油の標準温度Toに対す
    る粘度Vが、負荷作動時のパルス衝撃波の影響のないB
    油供給管路に設けられた標準温度To換算可能な粘度計か
    らの直接入力によってなされる請求項2の燃料油の切替
    供給方法。
  5. 【請求項5】A油がA重油であり、B油がC重油であ
    り、負荷がディーゼルエンジン若しくは重油焚きボイラ
    ーである請求項1ないし4何れかに記載の燃料油の切替
    供給方法。
  6. 【請求項6】C重油がレッドウッド100゜Fを標準温度と
    する粘度単位である場合のαがα=323であり、同C重
    油の希望噴射粘度が60秒の時γ=38.4であり、70秒の時
    γ=46.4及び80秒の時γ=52.4である請求項1ないし5
    何れかに記載の燃料油の切替供給方法。
JP26872988A 1988-10-25 1988-10-25 燃料油の切替供給方法 Expired - Fee Related JP2710363B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26872988A JP2710363B2 (ja) 1988-10-25 1988-10-25 燃料油の切替供給方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26872988A JP2710363B2 (ja) 1988-10-25 1988-10-25 燃料油の切替供給方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02115614A JPH02115614A (ja) 1990-04-27
JP2710363B2 true JP2710363B2 (ja) 1998-02-10

Family

ID=17462538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26872988A Expired - Fee Related JP2710363B2 (ja) 1988-10-25 1988-10-25 燃料油の切替供給方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2710363B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7428893B2 (en) * 2004-11-12 2008-09-30 Caterpillar Inc Electronic flow control valve
JP6703461B2 (ja) * 2016-08-27 2020-06-03 株式会社鷺宮製作所 流体供給装置の動粘度制御装置、および、流体供給装置の動粘度制御方法
JP6988465B2 (ja) * 2017-12-27 2022-01-05 三浦工業株式会社 燃焼システム
JP6823747B2 (ja) * 2020-05-08 2021-02-03 株式会社鷺宮製作所 流体供給装置の動粘度制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02115614A (ja) 1990-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9689320B2 (en) Fuel supply apparatus and fuel supply method
RU2621932C2 (ru) Устройство подачи горячей воды и способ подачи горячей воды
US11592430B2 (en) Method for estimating a combustion characteristic of a gas that may contain dihydrogen
CN110469412B (zh) 基于滑模变结构控制的船用柴油机粘温控制系统
JP2710363B2 (ja) 燃料油の切替供給方法
US4393854A (en) Mixing unit
KR101724958B1 (ko) 차량용 냉각시스템 제어방법
CN112393433B (zh) 一种零冷水燃气热水器的预热保温控制方法
CN106839447A (zh) 一种热水机、水温控制装置与方法
KR20010050134A (ko) 잠열 회수형 급탕기의 제어방법
KR100647503B1 (ko) 디젤기관의 에멀션연료 공급장치
CN115183473B (zh) 一种热水出水装置的控制方法
CN111928489A (zh) 燃气热水器循环启停温升自适应方法
JPH1114145A (ja) 給湯装置
JPH0827028B2 (ja) 加熱媒体の供給温度の平均値をセットする方法及びこの方法を実行する回路
CN113883715B (zh) 一种冷热混合式恒温燃气热水器及其控制方法
CN218446495U (zh) 一种满足-20℃到200℃的恒温供油控制系统
SU1025730A1 (ru) Способ управлени нагревом блока воздухонагревателей доменной печи
JP2018031757A (ja) 流体供給装置の動粘度制御装置、および、流体供給装置の動粘度制御方法
JPH11193956A (ja) 風呂保温装置及び風呂保温方法
CN115095986A (zh) 一种即热出水机的控制方法
JPS6226366A (ja) 燃料油供給装置
SU941639A1 (ru) Способ регулировани температуры пара
JP2000310445A (ja) 風呂装置及び追い焚き前温度の推定方法
CN117742405A (zh) 一种航空发动机控制附件试验台燃油温控系统及方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees