JP2709953B2 - 塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塩化ビニル樹脂組成物に関するものであ
る。詳しくは熱および光に対し安定な透明性の良い塩化
ビニル樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
塩化ビニル樹脂は熱履歴により脱塩酸反応を起こし着
色現象が顕われる。さらに劣化反応が進むと物性の低下
が見られるようになる。塩化ビニル樹脂組成物の熱安定
性が弱いと成形加工中の熱履歴により経時的に着色が進
み、成形品は「色むら」や「焼け」により著しく商品価
値を低下させる。
従来よりこれらの熱による変色劣化を防ぐために種々
の添加剤が提案され実用化されて来た。周期率表第IV族
元素のすず及び鉛化合物、第II族元素のアルカリ土類金
属の亜鉛、カドミウム、マグネシウム、カルシウム、バ
リウムあるいはストロンチューム等のカルボン酸塩、フ
ェノール塩あるいはメルカプタイドが主安定剤として使
用されて来た、鉛化合物は熱安定性に優れ、かつコスト
的にも有利であるが、無機塩が多く透明性のある塩化ビ
ニル樹脂組成物を得ることが出来ず、すず化合物はコス
トの面で添加量の制約がある。
一方アルカリ土類金属のカルボン酸塩、フェノール塩
はすず化合物、鉛化合物に比べて熱安定性向上効果が低
く、各種の相乗効果を有する助安定剤と併用して実用に
供せられて来た。
又、ハイドロタルサイトは塩化ビニル樹脂の脱塩酸反
応を抑制する効果が大きく、従来から塩化ビニル樹脂用
の安定剤として使われてきたアルカリ土類金属のカルボ
ン酸塩やフェノール塩にくらべ、必要な熱安定性を得る
ための塩化ビニル樹脂への添加量が少なくて済み、また
ハイドロタルサイト自身の屈折率が塩化ビニル樹脂に近
いために透明性の良好な成形品が得られる事が知られて
いた。しかしハイドロタルサイトを配合された塩化ビニ
ル樹脂組成物は熱履歴により容易に着色する欠点があ
る。それらを改善し、成形品が着色するのを防ぐ策とし
ては亜鉛化合物の増量添加やβ−ジケトン化合物の添加
がなされてきた。亜鉛化合物の増量添加は、いわゆる
「亜鉛焼け」を増長させ熱劣化が早まり加工性を低下さ
せ、β−ジケトン化合物は着色防止能を有するが、それ
自体近紫外線を吸収するためβ−ジケトン化合物を添加
した塩化ビニル樹脂組成物は太陽光中の近紫外線を透過
しにくくなる。
このような塩化ビニル樹脂組成物をビニールハウス用
の農業用フィルムに使用するとビニールハウス内の近紫
外線が少なくなり、近紫外線を成長のために必須とする
作物や授粉のために放飼されている昆虫の育成に悪い影
響が出てくる。また、状況によっては育成が停止される
こともある。ハイドロタルサイトを添加した塩化ビニル
樹脂組成物は近赤外線吸収効果によりビニールハウス内
の温度の夜間における低下を減少させることが知られ、
農業用フィルム特に「保温農ビ」への用途が拡がった。
〔発明が解決しようとする課題〕
かかる現状において本発明の解決しようとする課題
は、近紫外線を吸収することなく、熱履歴による着色の
少ない、熱安定性の優れた塩化ビニル樹脂組成物を提供
するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、かかる問題を鋭意検討した結果、塩化
ビニル樹脂に対して 一般式(I) Mg1-x・Alx(OH)2(CO3)x/2・mH2O(I) (ただし、0<x<1,0≦m) で表わされるハイドロタルサイト、 一般式(II) (ただし、R1は1〜4価のカルボン酸残基であり、lは
1〜4の整数を表わす。)で示される有機酸ホルミルヒ
ドラジド、 一般式(III) (ただし、R2は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル
基または炭素数6〜15のアリール基、アラルキル基であ
り、X、Y及びZは炭素数2〜18の脂肪酸カルボン酸残
基、炭素数7〜15芳香族カルボン酸残基、炭素数4〜24
のモノアルキルエステル飽和二塩基カルボン酸残基で表
わされ、mはlあるいは2、X、Y及びZは同一又は異
なった基であっても良く、PとQとSの和は4−mであ
る。) で示される有機すずカルボキシレート、及び 亜鉛化合物 を添加することにより前記課題を達成する優れた塩化ビ
ニル樹脂組成物が得られることを見い出し本発明を完成
させた。
以下本発明をより詳細に説明する。
本発明で用いられる塩化ビニル樹脂は、塩化ビニルの
単独重合体、塩化ビニルを主成分とする共重合体、これ
らの塩化ビニル重合体の相互の混合体又は上記重合体と
他の重合体との混合物等である。具体的にはポリ塩化ビ
ニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩
化ビニル共重合体、プロピレン−塩化ビニル共重合体、
エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合体、
アクリル酸エステル−塩化ビニルグラフト共重合体等で
あり、塩化ビニルを含まない重合体の例として、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸
化炭素共重合体、アクリルエステル重合体、メタアクリ
ルエステル−ブダジエン−スチレングラフト共重合体、
あるいは特殊ウレタン樹脂等である。
本発明で用いる一般式(I) Mg1-x・Alx(OH)2(CO3)x/2・mH2O(I) (ただし、0<x<1,0≦m) で表わされるハイドロタルサイトは天然品であっても良
く、合成品であっても良い。その具体例としては協和化
学工業(株)のアルカマイザー I、アルカマイザー
II、DHT−4A 、DHT−4A −2等がある。本発明におい
てハイドロタルサイトは塩化ビニル樹脂の熱安定性が要
求される程度により添加されるが一般に塩化ビニル樹脂
100重量部に対して1重量部以上塩化ビニル樹脂組成物
の物性を損わない限度において添加される。
本発明で用いる一般式(II) (ただし、R1は1〜4価のカルボン酸残基であり、lは
1〜4の整数を表わす。) で示される有機酸ホルミルヒドラジドは例えばカルボン
酸エステルにヒドラジンを適当な溶剤中で加熱縮合せし
め、生じたカルボン酸残基を含むヒドラジドに蟻酸を作
用せしめることによって合成することが出来る。
有機酸ホルミルヒドラジドの具体的な例としては、N
−サリチル酸−N′−ホルミルヒドラジド、N−安息香
酸−N′−ホルミルヒドラジド、N−トルイル酸−N′
−ホルミルヒドラジド、N−パラ第三級ブチル安息香酸
−N′−ホルミルヒドラジド、−N−クロロ安息香酸−
N′−ホルミルヒドラジド、N−メトキシ安息香酸−
N′−ホルミルヒドラジド、N−オクチル酸−N′−ホ
ルミルヒドラジド、N−ステアリン酸−N′−ホルミル
ヒドラジド、N−安息香酸−N′−ホルミルヒドラジ
ド、N−メタトルイル酸−N′−ホルミルヒドラジド、
N−サリチル酸−N′−ホルミルヒドラジド、N,N−マ
ロン酸ビス(N′−ホルミルヒドラジド)、N,N−アジ
ピン酸ビス(N′−ホルミルヒドラジド)、N,N−フタ
ル酸ビス(N′−ホルミルヒドラジド)、N,N,N−トリ
メリット酸トリス(N′−ホルミルヒドラジド)、N,N
−テトラヒドロフタル酸ビス(N′−ホルミルヒドラジ
ド)、N,N,N,N−ピロメリット酸テトラキス(N′−ホ
ルミルヒドラジド)等である。
好ましくは、一般式(IV)で示される化合物 (ただし、R3は水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素
数1〜18のアルコキシ基、水酸基又は塩素である。) で、N−安息香酸−N′−ホルミルヒドラジド、N−ト
ルイル酸−N′−ホルミルヒドラジド、N−パラ第三級
ブチル安息香酸−N′−ホルミルヒドラジド、N−クロ
ロ安息香酸−N′−ホルミルヒドラジド、N−メトキシ
安息香酸−N′−ホルミルヒドラジド、N−サリチル酸
−N′−ホルミルヒドラジド等であり、特に好ましくは
N−サリチル酸−N′−ホルミルヒドラジドである。
本発明において有機酸ホルミルヒドラジドは塩化ビニ
ル樹脂100重量部に対し、0.001〜0.5重量部好ましくは
0.005〜0.1重量部を添加する。0.001重量部以下ではそ
の着色抑制効果は見られず0.5重量部以上では熱履歴に
よって赤褐色を与える傾向が見られる。
本発明で用いる一般式(III) (ただし、R2は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル
基または炭素数6〜15のアリール基、アラルキル基であ
り、X、Y及びZは炭素数2〜18の脂肪族カルボン酸残
基、炭素数7〜15の芳香族カルボン酸残基又は炭素数4
〜24のモノアルキルエステル二塩基飽和カルボン酸残基
で表わされ、mは1又は2、X、Y及びZは同一又は異
なった基であっても良く、PとQとSの和は4−mであ
る。) で示される有機すずカルボキシレートの例としては、ジ
メチルすずジオクトエート、ジブチルすずジデカネー
ト、ジブチルすずジラウレート、ジブチルすずジイソト
リデカネート、ジオクチルすずジ2−エチルヘキサノエ
ート、ジオクチルすずジイソデカネート、ジベンジルす
ずジオレート、モノブチルすずトリラウレート、モノオ
クチルすずトリス(第三級ブチルベンゾエート)、モノ
ベンジルすずトリイソステアレート等であり、好ましく
は一般式(III)のR2が炭素数1〜8のアルキル基であ
り、その例としてはジブチルすずジラウレート、ジブチ
ルすずビス(パラ第三級ブチルベンゾエート)、モノブ
チルすずトリスステアレート、ジオクチルすずジイソス
テアレート、モノオクチルすずトリスベンゾエート、ジ
オレイルすずジオクトエート、ジフェニルすずジイソス
テアレート等である。
本発明において有機すずカルボキシレートは塩化ビニ
ル樹脂100重量部に対し0.01重量部〜5重量部、好まし
くは、0.5重量部〜1重量部添加する。0.01重量部以下
では熱安定性、耐候性に効果が見られず、5重量部以上
ではコストが大きくなり実用性に問題が出る。
本発明において有機酸ホルミルヒドラジドと有機すず
カルボキシレートとの錯化合物は、大過剰の有機すずカ
ルボキシレートを50℃〜150℃好ましくは80℃〜110℃に
過熱し、撹拌下に有機酸ホルミルヒドラジドを加えると
有機酸ホルミルヒドラジド−有機すずカルボキシレート
錯化合物の有機すずカルボキシレート溶液が得られる
(以後単に「錯化合物」と言う)。この錯化合物は塩化
ビニル樹脂に対して出発物質である有機酸ホルミルヒド
ラジドと有機すずカルボキシレートと同様塩化ビニル樹
脂に添加することが出来るが0.01重量部〜5重量部好ま
しくは0.5重量部〜1重量部添加する。
本発明で用うる亜鉛化合物はカルボン酸亜鉛であり、
その例を具体的に示す。カプロン酸亜鉛、カプリン酸亜
鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、イソデカン酸亜鉛、ラ
ウリン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、
オレイン酸亜鉛、リシノレイン酸亜鉛、エルカ酸亜鉛、
ベヘニン酸亜鉛、2−エチルヘキシルフタル酸亜鉛、ベ
ンジルマロン酸亜鉛、ブチルアジピン酸亜鉛等を上げる
ことが出来る。これら亜鉛化合物は塩化ビニル樹脂100
重量部に対し0.05重量部〜2重量部、好ましくは0.1重
量部〜1重量部である。0.05重量部以下では着色防止効
果が無く2重量部以上であると「亜鉛焼け」による熱安
定性低下を起し易い。
本発明に係る塩化ビニル樹脂組成物は、その使用目的
に応じた量の可塑剤、エポキシ化合物、有機亜リン酸エ
ステル、高級脂肪酸及びそのエステル、あるいは金属塩
を含む滑剤、防曇剤、高分子改質剤、高分子加工助剤、
紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、粘着防止剤、難
燃剤、帯電防止剤、着色剤等が併用される。
本発明で用うる可塑剤は、一般にジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレー
ト、ジトリデシルフタレート、ジ(炭素数10〜13アルキ
ル)フタレートなどのフタル酸系可塑剤、ジ−2−エチ
ルヘキシルアジペート、ジイソオクチルアジペート、ジ
−n−オクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、
ジトリデシルアジペート等のアジピン酸系可塑剤、又ア
ルキレングリコールとアジピン酸とのエステル等のポリ
エステル系可塑剤である。
本発明において、さらに2次可塑剤として塩素化パラ
フィン、リン酸エステル系可塑剤、あるいはアゼライン
酸系可塑剤を使用することもできる。これらの可塑剤
は、適量添加されるが、一般に塩化ビニル樹脂100重量
部に対し、5〜200重量部添加される。
本発明に用いられるエポキシ化合物としては、オキシ
ラン酸素を構造中に持つ化合物で、窒素を含有しないも
のが好ましい。例えば動植物不飽和油脂のエポキシ化
物、不飽和脂肪酸エステルのエポキシ化物、芳香族及び
脂肪族のグリシジルエーテルあるいは不飽和脂環化合物
のエポキシ化物等である。動植物不飽和油脂のエポキシ
化物としては、エポキシ化亜麻仁油等であり、不飽和脂
肪酸エステルのエポキシ化物としては、エポキシ化ステ
アリン酸オクチルエステル、エポキシ化ステアリン酸ブ
チルエステル等である。芳香族のグリシジルエーテルと
しては、フェノール、p−第三級ブチルフェノール、o
−フェニルフェノール、レゾルシン、クレゾールノボラ
ック、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノ
ール化合物のグリシジルエーテルである。脂肪族のグリ
シジルエーテルとしてはジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ベン
タエリスリトール、ジベンタエリスリトール、ソルビタ
ン、マンニット等のポリオールのグリシジルエーテルで
ある。不飽和脂環化合物のエポキシ化物の例としては3,
4−エポキシヘキサヒドロフタル酸ジステアリル、3,4−
エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2−エチルヘキシル、
3,4−エポキシヘキサヒドロフタル酸ビス(9′,10′−
エポキシオクタデシル)、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ
ート、エチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロ
ヘキサカルボキシレート)、リモネン−ジオキサイド等
が上げられる。エポキシ化合物は1種又は2種以上の混
合物を塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.5重量部〜10
重量部添加される。0.5重量部未満の場合には添加した
効果が発揮されず10重量部を超えても特に効果はない。
本発明に用いられる高級脂肪酸及びそのエステルある
いは金属塩を含んだ滑剤の例としては、高級脂肪酸は炭
素数12個以上のものであり、具体的に示せばラウリン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
オレイン酸、リシノレイン酸、12ヒドロキシステアリン
酸、エポキシステアリン酸、ベヘニン酸、エルカ酸及び
モンタンワックス、米糠ワックス、カルナバワックス等
の天然ワックスの部分あるいは全部加水分解物等であ
る。それらとエステルをつくるアルコールとしては、例
えばn−ブタノール、ブチルセルソルブ、3−メトキシ
ブタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、C1
2〜15混合アルコール、ラウリルアルコール、ステアリ
ルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルア
ルコール、エチレングリコールおよびその重合体、プロ
ピレングリコールおよびその重合体、1,3あるいは1,4−
ブタンジオールおよびその重合体、グリセリンおよびそ
の重合体、トリメチロールプロパンおよびその重合体、
ペンタエリスリトールおよびその重合体、ソルビタン、
マンニット等である。
高級脂肪酸の金属塩としては上記高級脂肪酸とアルカ
リ金属、アルカリ土類金属および周期率表第IV族元素と
の塩であり、具体的にはナトリウム、カリウム、マグネ
シウム、カルシウム、バリウム、ストロンチューム、亜
鉛、すず、鉛等である。
本発明で用いられる防曇剤としては、非イオン系、ア
ニオン系及びカチオン系の界面活性剤が使用され、例え
ばポリオキシアルキレンエーテル、多価アルコールの部
分エステル、多価アルコールのアルキレンオキサイド付
加物の部分エステル、高級アルコール硫酸エステルアル
カリ金属塩、アルキルアリールスルホネート、四級アン
モニウム塩、脂肪族アミン誘導体が挙げられる。具体的
にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリエチレングライコールモノパ
ルミテート、ポリエチレングライコールモノステアレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポ
リオキシポリエチレンソルビタンモノパルミテート、グ
リセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテー
ト、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレ
ート、ペンタエリスリトールモノラウレート、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソル
ビタンジステアレート、ジグリセリンモノオレート、ト
リグリセリンジオレート、ナトリウムラウリルサルフエ
ート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ブチル
ナフタレンスルホン酸ナトリウム、セチルトリメチルア
ンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアン
モニウムクロライド、ドデシルアミン塩酸塩、ラウリン
酸ラウリルアミドエチル燐酸塩、トリエチルセチルアン
モニウムイオダイド、オレイルアミノジエチルアミン塩
酸塩、ドデシルピリジニウム硫酸塩の塩基性ピリジニウ
ム塩などがあげられる。中でも炭素数14〜22の脂肪族酸
と、ソルビタン、ソルビトール、グリセリン、ポリグリ
セリン、プロピレングリコールなどの多価アルコールと
のエステル、あるいはそのアルキレンオキサイド付加物
を主成物とする非イオン界面活性剤等が好ましいものと
してあげられる。
〔実施例〕
本発明の優れたる効果について実施例をもって説明す
るが、本発明は以下に示す実施例によって限定されるも
のではない。
実施例1.N−サリチル酸−N′−ホルミルヒドラジドの
合成 泡水ヒドラジン11.3gに90〜95℃でサリチル酸メチル2
7.4gを滴下し、その後95〜100℃に保温し、生成するメ
タノールを除く。得られた固形物を水洗、濾過、キシレ
ン洗浄した後、90〜100℃で蟻酸10.6gを滴下し、還流後
冷却、濾過しケーキを乾燥して、N−サリチル酸−N′
−ホルミルヒドラジド(No.1−1)29.0g(収率87.3
%)を得た。
融点177.5〜179.0℃、元素分析値:炭素52.6%(理論
値52.9%)、水素5.7%(理論値5.5%)、窒素15.6%
(理論値15.4%)。
実施例2.N−安息香酸−N′−ホルミルヒドラジドの合
成 実施例1において、サリチル酸メチルの代りに安息香
酸メチル30.6gを用い、N−安息香酸−N′−ホルミル
ヒドラジド(No.1−2)34g(収率92%)を得た。
融点171.5〜172.5℃、元素分析値:炭素59.1%(理論
値58.3%)、水素5.5%(理論値5.4%)、窒素16.8%
(理論値17.0%)。
実施例3.有機カルボン酸ホルミルヒドラジドと有機すず
カルボキシレートとの錯体の合成 予めジブチルすずオキサイド1モルとイソデカン酸2
モルを脱水反応させ合成しておいたジブチルすずイソデ
カネート90重量部(0.129モル)とサリチル酸ホルミル
ヒドラジド10重量部(0.056モル)を加え、撹拌下に100
〜110℃で1時間加熱する。
この時気泡は発生せず、冷却しても二相に分離しない
微黄色粘稠な液体(No.2−1)100重量部を得た。
2つの出発物質と生成物(No.2−1)について島津赤
外分光光度計IR−460を用い赤外吸収スペクトルを測
定、比較をした。生成物はサリチル酸ホルミルヒドラジ
ドの3,000cm-1〜3,500cm-1、1,610、1,650、1,680、1,6
90cm-1の吸収が消失し、ジブチルスズジイソデカネート
の1,595cm-1と1,360cm-1の吸収が小さくなるか消失し、
逆に1,700cm-1、1,600cm-1、1,570cm-1、1,500cm-1に顕
著な吸収帯が発現することから錯体が生成していること
が分かる。
実施例4. 実施例3において、ジブチルすずオキサイドの代りに
ジオクチルすずオキサイド、イソデカン酸の代りにラウ
リン酸を用いて合成せるジオクチルすずジラウレート
と、安息香酸ホルミルヒドラジド(No.1−2)を90対10
の重量比で混合し、100〜110℃にて1時間撹拌して得ら
れた微黄色粘稠液体(No.2−2)は、ほぼ同様な赤外吸
収スペクトルの変化が見られた。
実施例5. ポリ塩化ビニル樹脂(住友化学工業(株)製:スミリ
ット SX−11FA)100重量部、ジオクチルフタレート30
重量部、エポキシ化大豆油2重量部に第1表に示す安定
剤を配合した組成物を170℃のテストロールにて5分間
加熱混練し、厚さ0.2mmのフィルムを作製した。このフ
ィルムのギアオーブン中での熱による着色性を評価し、
その結果を第1表に示した。
第1表〜第5表の評価の欄の記号は着色の程度を示
す。その順位は次のとおりである。
実施例6. ポリ塩化ビニル樹脂(三井東圧化学(株)製:ビニク
ロン 2000M)100重量部、ジオクチルフタレート30重量
部、ジノニルアジペート10重量部、エポキシ化亜麻仁油
2重量部に第2表に示す安定剤を配合した組成物を170
℃のテストロールにて5分間加熱混練し、厚さ0.2mmの
フィルムを作製した。このフィルムのギアオーブン中で
の熱による着色性を評価し、その結果を第2表に示し
た。
実施例7. エチレン−塩化ビニル共重合体(東ソー(株)製:リ
ューロン E−1300)100重量部、エチレン−酢酸ビニ
ル−一酸化炭素共重合体(三井デュポンポリケミカル
(株)製:エルバロイ742)25重量部、ジオクチルフタ
レート5重量部、エポキシ化大豆油2重量部に第3表に
示す安定剤を配合した組成物を175℃のテストロールに
て5分間加熱混練し、厚さ0.2mmのフィルムを作製し
た。このフィルムのギアオーブン中での熱による着色性
を評価し、その結果を第3表に示した。
実施例8. 塩化ビニル樹脂(日本ゼオン(株)製:ゼオン 103E
P−8)100重量部、ジオクチルフタレート7重量部、エ
ポキシ化大豆油2重量部に第4表に示す安定剤を配合し
た組成物を180℃のテストロールにて5分間加熱混練
し、厚さ0.2mmのフィルムを作製した。このフィルムの
ギアオーブン中での熱による着色性を評価し、その結果
を第4表に示した。
実施例9. 塩化ビニル樹脂(鐘淵化学工業(株)製:カネビニー
S−1001)100重量部、ジオクチルフタレート50重
量部、ソルビタンモノパルミテート(東邦化学工業
(株)製:ソルボン S−40)1重量部、ソルビタンモ
ノステアレート(東邦化学工業(株)製:ソルボン
−60)1重量部に第5表に示す安定剤を配合した組成物
を170℃のテストロールにて5分間加熱混練し、厚さ0.2
mmのフィルムを作製した。このフィルムのギアオーブン
中での熱による着色性を評価し、その結果を第5表に示
した。
実施例10. 塩化ビニル樹脂(住友化学工業(株)製:スミリット
SX−11FA)100重量部、ジオクチルフタレート45重量
部、ソルビタンモノパルミテート(東邦化学工業(株)
製:ソルボン S−40)1重量部、ソルビタンモノステ
アレート(東邦化学工業(株)製:ソルボン S−60)
1重量部、エポキシ化大豆油2重量部に第6表に示す安
定剤を配合した組成物を170℃のテストロールにて5分
間加熱混練し、厚さ0.1mmのフィルムを作製した。この
フィルムを島津自記分光光度計UV−240((株)島津製
作所製)により250nm〜500nmの透過率スペクトルを測定
し、透過性の比較を350nmの透過率をもって第6表に示
した。
〔発明の効果〕 本発明により、近紫外線を吸収することなく、熱履歴
による着色の少ない、且つ、亜鉛焼けのない、透明性、
耐候性に優れた塩化ビニル樹脂組成物を得ることが出来
る。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル樹脂に対して 一般式(I) Mg1-x・Alx(OH)2(CO3)x/2・mH2O(I) (ただし、0<x<1,0≦m)で示されるハイドロタル
    サイト、 一般式(II) (ただし、R1は1〜4価のカルボン酸残基であり、lは
    1〜4の整数を表わす。)で示される有機酸ホルミルヒ
    ドラジド、 一般式(III) (ただし、R2は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル
    基または炭素数6〜15のアリール基、アラルキル基であ
    り、X、Y及びZは炭素数2〜18の脂肪族カルボン酸残
    基、炭素数7〜15の芳香族カルボン酸残基、炭素数4〜
    24のモノアルキルエステル二塩基飽和カルボン酸残基で
    表わされ、mは1または2、X、Y及びZは同一又は異
    なった基であっても良く、PとQとSの和は4−mであ
    る。)で示される有機すずカルボキシレート、及び 亜鉛化合物 を添加することを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】有機酸ホルミルヒドラジドと有機すずカル
    ボキシレートが、有機酸ホルミルヒドラジドと有機すず
    カルボキシレートとの錯化合物である特許請求の範囲第
    1項記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】有機酸ホルミルヒドラジドが一般式(IV)
    で示される化合物である特許請求の範囲第1項又は第2
    項記載の塩化ビニル樹脂組成物。 (ただし、R3は水素、炭素数1〜4のアルキル基、水酸
    基、炭素数1〜18のアルコキシ基又は塩素を表わす。)
  4. 【請求項4】有機酸ホルミルヒドラジドがN−サリチル
    酸−N′−ホルミルヒドラジドである特許請求の範囲第
    1項又は第2項記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】有機すずカルボキシレートのR2が炭素数1
    〜8のアルキル基である特許請求の範囲第4項記載の塩
    化ビニル樹脂組成物。
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