JP2709347B2 - 鉄基焼結合金 - Google Patents

鉄基焼結合金

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JP2709347B2 JP61305242A JP30524286A JP2709347B2 JP 2709347 B2 JP2709347 B2 JP 2709347B2 JP 61305242 A JP61305242 A JP 61305242A JP 30524286 A JP30524286 A JP 30524286A JP 2709347 B2 JP2709347 B2 JP 2709347B2
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章義 石橋
和俊 武村
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株式会社 リケン
日産自動車 株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、焼結合金、特に耐摩耗性に優れかつ比較的
安価な内燃機関のバルブシート用鉄基焼結合金に関す
る。 従来の技術 近年、内燃機関の小型高出力化及び無鉛ガソリンの使
用に伴い、高回転、高温、高面圧等の過酷な条件で稼動
される従来のバルブシートに対して一層の耐摩耗性の向
上が要求されている。また、過給器の採用によりバルブ
シートの受ける熱的、機械的負荷は更に増大の傾向にあ
る。 前記内燃機関の趨勢に対応するため、内燃機関用バル
ブシートの原材料は、溶製材から焼結合金材に転換しつ
つある。焼結合金材では、クロム、ニッケル、コバル
ト、タングステン、モリブデン等の合金元素を添加し基
地に硬質相として分散させて、バルブシートの耐摩耗
性、高温強度、耐酸化性を向上させている。 発明が解決しようとする課題 前記合金元素を添加すると耐摩耗性を改善できる反
面、製品コストが高騰する欠点がある。また、実際には
前記合金元素の添加に見合うだけの耐摩耗性効果が得ら
れるか否かについては不明の点が多い。 従来の耐摩耗性に優れたバルブシート用焼結合金の一
部には、フェロモリブデン粒子として添加されかつ硬質
粒子を構成するモリブデンを含む材料を使用した。しか
しながら、フェロモリブデンを添加すると、モリブデン
が鉄基地中に拡散し難いため、フェロモリブデン粒子の
周囲の耐摩耗性は強化されるものの、他の部位は強化さ
れなかった。このため、全領域にわたり耐摩耗性を改善
するには、フェロモリブデンを大量に添加するか、基地
強化用合金元素を別途添加しなければならず、結果的に
最終製品が高価となる欠点があった。他面、フェロモリ
ブデン粒子は鉄基地との結合が弱いため、摺動面ではフ
ェロモリブデン粒子が脱落しやすい問題があった。 問題点を解決するための手段 本発明による鉄基焼結合金は、モリブデン3〜8重量
%、炭素0.8〜1.5重量%、残部が鉄及び不可避不純物よ
りなり、マルテンサイトにより構成される多数の結晶粒
が互いに焼結され、結晶粒間には微細化された(Fe・M
o)nC炭化物が析出すると共に空孔が形成され、結晶粒
の鉄基地中にモリブデンが均一に固溶されている。マル
テンサイトは焼戻しマルテンサイトである。 作 用 鉄基焼結合金の鉄基地(マトリックス)は体心正方晶
系又は体心立方晶系の組織を有するマルテンサイト(焼
戻しマルテンサイト)により構成されるので、鋼の焼入
れ組織中で最も硬さが大きく、耐摩耗性が高い特徴があ
る。また、結晶粒界に析出する(Fe・Mo)nC炭化物及び
結晶内に固溶されるモリブデンも耐摩耗性を向上する作
用がある。 本発明者らは、耐摩耗性に及ぼす合金元素の影響に関
する基礎的な研究を重ねた結果、合金元素の最小添加に
より優れた耐摩耗性を維持し且つ安価で高性能のバルブ
シート材が得られる合金成分を開発した。本発明では、
モリブデンを鉄基地中に均一に固溶させた材料粉末を使
用し、モリブデン3〜8重量%、炭素0.8〜1.5重量%、
残部が鉄及び不可避不純物よりなる組成を有する鉄基焼
結合金が得られる。この鉄基焼結合金では、モリブデン
を鉄基地中に均一に分散させて、モリブデンの持つ耐摩
耗作用を十分に活用することができる。 高温強度、耐熱性、耐摩耗性を向上するモリブデンの
含有量は3〜8重量%がよい。3重量%未満ではバルブ
シートに要求される耐摩耗性の改善が得られず、また8
重量%を超えると加工性を阻害する炭化物の生成量が多
くなりかつ脆くなると共に、高価なモリブデンによりコ
ストも上昇する。基地組織中に固溶して強度及び耐摩耗
性を向上させる炭素の含有量は0.8〜1.5重量%がよい。
炭素の含有量は、共析組成となるようFe−Mo−C三元系
状態図よりモリブデンの含有量に対応して添加する必要
がある。 炭素が0.8%よりも低いと、フェライトを生じ強度及
び耐摩耗性が劣化し好ましくない。また、逆に1.5%よ
り高いと炭化物を生じ加工性を阻害すると共に材料が脆
化すると共に、また、焼結時に液相を多量に生じ寸法変
化が大きくなり、好ましくない。従って、炭素含有量は
Fe−Mo−C三元系状態図で示される共析範囲内に調製す
ることが重要である。しかし、実際には完全な共析組成
とすることは難しいのでFe−Mo−C三元系状態図で示さ
れる共析範囲より更に0.2%ずつ広い範囲の炭素量%ま
で許容する。目安としては、0.6+0.06×Mo%〜1.0+0.
06×Mo%で表せられる炭素量である。3〜8重量%のモ
リブデンに相当する炭素量%は0.8〜1.5重量%である。 実 施 例 以下、本発明による鉄基焼結合金の実施例を第1図〜
第6図について説明する。 本発明による鉄基焼結合金を製造するため、150〜200
メッシュのピーク粒度を持つ5重量%のモリブデンを均
一に固溶する鉄粉に、325メッシュアンダーの黒鉛を最
終組成で1.1%になるように加えた。次に、金型成形の
際に型抜けを良くするために潤滑剤としてステアリン酸
亜鉛を0.6%加えた混合粉を金型に入れ、プレスにて7t/
cm2の成形圧力で成形した。この成形体を650℃で1時間
加熱して潤滑剤を除去した後、1200℃で1時間真空中で
焼結して900℃まで炉冷し、続いて軟化防止のため900℃
から不活性ガスを炉内に導入して冷却し、外径46mm×内
径30×高さ7.5mmのテストピースを作成した。硬度をHRB
(ロックウェルBスケール)95前後に調整してテストピ
ースに熱処理を行った後、外径41mm×内径34mm×厚さ7.
4mmに加工し、内周面の一端に1.2Cの面取りを施したバ
ルブシートを得た。第3図は得られたバルブシートの金
属組織の顕微鏡組織(400倍)の写真、第4図はそのス
ケッチ図、第5図は第3図と同様であるが100倍の金属組織の写真
を示す。金属組織は白色に見える焼戻しマルテンサイト
と熱処理によって微細化された(Fe・Mo)nC炭化物より
なる。黒色に見える部分は空孔である。 次に、第1表に示す本発明材の6種類のバルブシート
(試料番号1〜6)について第6図に示す単体摩耗試験
機を用いて耐摩耗性試験を行った。吸気バルブシート1
の使用条件を想定して、試験条件は、バルブ材質:SUH−
3、バルブ表面温度:450℃、バルブシート温度200℃、
回転数:3000rpm、試験時間:5時間であった。 第6図に示す単体摩耗試験機では、カム2の回転及び
バルブシステム4の下部に設けられたスプリング5の弾
力により、垂直方向に往復運動を行うバルブ3は、吸気
バルブシート1を衝撃的に叩く動作を反復する。カム2
は図示しない駆動装置によって回転され、ノズル8から
シリンダヘッド7に圧縮空気が吹き付けられる。またバ
ルブ3の上方に設けられたガスバーナ6によりバルブ3
が加熱される。図示しない制御装置によってガスバーナ
6に供給されるプロパンガスの供給量とノズル8の風量
が調節され、バルブ3の表面温度が一定に保持される。
図示の摩耗試験機を用いて、基準バルブの沈み量から吸
気バルブシート1の摩耗量を測定した。 また、第1表に示す試料番号7〜12の6種類の材料を
用いて、本発明材と同形状のバルブシートを比較材とし
て作り、単体摩耗試験機を用いて同様な試験を行なっ
た。第1図はバルブシート及びバルブの摩耗量を示すグ
ラフで、第2図はモリブデン含有量と摩耗量との関係を
示すグラフである。 第1図及び第2図から下記の試験結果が判明した。 (1) 試料番号7に見られるように、モリブデン量が
本発明より少ない3重量%未満では、摩耗が促進され耐
摩耗性の改善効果が認められない。また試料番号8に見
られるように、モリブデン量が本発明より多く8重量%
を超えると、摩耗が増大し炭化物が多くなり耐摩耗性が
劣化する現象が認められる。 (2) 試料番号9に見られるように、本発明より少な
い0.7%以下の炭素量では、フェライトを生じ耐摩耗性
が著しく劣化する。また、試料番号10では炭素量が本発
明より多く1.5%を超えると、炭化物を生じ加工性が阻
害されるため、加工不能となり本試験を中止した。 (3) 従来使用される鉄粉にフェロモリブデンを加え
た試料番号11では、本発明材と同一成分でも耐摩耗性が
劣化し、相手のバルブに対する攻撃性が大きく本発明材
のモリブデンが鉄基地に均一に固溶した効果が認められ
る。 (4) 本発明材の摩耗量は、モリブデン量の請求の範
囲の境界付近のモリブデンを含む試料番号1及び6で
は、摩耗量は多くなるが、試料番号12の従来材に比して
耐摩耗性が著しく改善される。 発明の効果 本発明の鉄基焼結合金は、合金成分として炭素のほか
合金元素としてモリブデンを含むだけで製作が容易であ
るほか、高価なモリブデンを少量鉄基地中に均一に分散
させることにより耐摩耗性は従来材に比して著しく改善
されており、過酷な条件に充分対応できる内燃機関用バ
ルブシートが安価に提供することができる工業的効果は
極めて大である。
【図面の簡単な説明】 第1図は摩耗試験結果を示すグラフ図、第2図はモリブ
デン量と摩耗量との関係を示すグラフ図、第3図は本発
明に係るバルブシートの金属組織を示す顕微鏡写真(倍
率400倍)、第4図は第3図のスケッチ図、第5図は本
発明に係るバルブシートの金属組織を示す顕微鏡写真
(倍率100倍)、第6図は単体摩耗試験機の概要図であ
る。 1……バルブシート、2……カム、3……バルブ、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−86605(JP,A) 特公 昭51−30843(JP,B2) 特公 昭35−17103(JP,B1)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.モリブデン3〜8重量%、炭素0.8〜1.5重量%、残
    部が鉄及び不可避不純物よりなり、 マルテンサイトにより構成される多数の結晶粒が互いに
    焼結され、結晶粒間には微細化された(Fe・Mo)nC炭化
    物が析出すると共に空孔が形成され、結晶粒の鉄基地中
    にモリブデンが均一に固溶されていることを特徴とする
    鉄基焼結合金。 2.マルテンサイトは焼戻しマルテンサイトである特許
    請求の範囲第1項記載の鉄基焼結合金。
JP61305242A 1986-12-23 1986-12-23 鉄基焼結合金 Expired - Fee Related JP2709347B2 (ja)

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JPS5386605A (en) * 1977-06-20 1978-07-31 Toyota Motor Corp Sintered alloy having wear resistance at high temperature

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