JP2709015B2 - ナトリウム−硫黄電池における固体電解質管と絶縁リングとの接合構造及びナトリウム−硫黄電池 - Google Patents

ナトリウム−硫黄電池における固体電解質管と絶縁リングとの接合構造及びナトリウム−硫黄電池

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JP2709015B2
JP2709015B2 JP5074611A JP7461193A JP2709015B2 JP 2709015 B2 JP2709015 B2 JP 2709015B2 JP 5074611 A JP5074611 A JP 5074611A JP 7461193 A JP7461193 A JP 7461193A JP 2709015 B2 JP2709015 B2 JP 2709015B2
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electrolyte tube
insulating ring
glass
peripheral surface
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敏之 美馬
直樹 磯村
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Tokyo Electric Power Co Inc
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NGK Insulators Ltd
Tokyo Electric Power Co Inc
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ナトリウム−硫黄電
池にける固体電解質管と絶縁リングとの接合構造及びナ
トリウム−硫黄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、β−アルミナ製の固体電解質管と
α−アルミナ製の絶縁リングとの接合においては、ガラ
スを介在させた接合構造が知られている。例えば、本発
明者らは先に、固体電解質管又は絶縁リングの少なくと
も一方に、ガラス溜まりを形成するためのテーパ部を設
けたものを提案した(特開平3−291860号公
報)。そして、このテーパ部の形状や表面状態などによ
ってガラス溜まりのガラス半田中に残留する応力を少な
くして、ガラス接合部におけるクラックの発生を抑制し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ナトリウム
−硫黄電池は300〜350℃で作動する高温電池であ
り、作動、停止の繰り返しによる温度変化が大きく、ま
た電池の作動に伴い活物質であるナトリウムイオンが固
体電解質管を介して移動し、固体電解質管の内部の活物
質容量が増減する。そして、上記ガラス接合部に対し、
前記温度変化による固体電解質管や絶縁リングの膨張、
収縮の相違に基づく熱的応力や、外力に基づく機械的応
力が加わりやすい。そのため、このガラス接合部にクラ
ックが発生したり、ガラス接合部が破損したりするおそ
れがある。
【0004】しかしながら、前記従来の接合構造におい
ては、テーパ部によってガラス溜まりを設けただけの構
造であることから、接合部における機械的強度のばらつ
きが大きい。従って、熱的応力や機械的応力に対する接
合の信頼性が不足するという問題があった。
【0005】また、前記従来の接合構造においては、固
体電解質管はその外周面において絶縁リングと接合され
ているのみである。このため、両者の位置関係が絶縁リ
ングの軸方向にずれ易く、製造にあたってはこのずれが
生じないように治具の使用を余儀無くされた。従って、
従来の接合構造では製造が面倒であるという問題もあっ
た。
【0006】しかも、異常時において固体電解質管が破
壊するおそれがあるが、その破壊部分が固体電解質管と
絶縁リングとの接合部などで起きると、固体電解質管内
のナトリウムが漏出して、発火などの危険性があるとい
う問題があった。
【0007】この発明は上記従来の問題に鑑みてなされ
たものである。その第1の目的は、接合強度を確保でき
るとともに、熱的応力や機械的応力に対する接合の信頼
性が高く、しかも製造が容易なナトリウム−硫黄電池に
おける固体電解質管と絶縁リングとの接合構造を提供す
ることにある た、第2の目的は、異常時における固
体電解質管の破壊位置を特定してナトリウムの漏出を防
止し、安全性を向上させることができるナトリウム−硫
黄電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明では有底筒状の陽極容
器の端部に絶縁リングを接合するとともに、この絶縁
リングの内周面に有底円筒状をなす固体電解質管の上側
口部を配置して、絶縁リングの内周面と固体電解質管
の開口部近傍の外周面との間をガラスを介在させて接合
したナトリウム−硫黄電池における固体電解質管と絶縁
リングとの接合構造であって、前記絶縁リングの内周面
には、固体電解質管の開口部近傍の外周面及び開口端面
に近接対向するL字状の第1の対向面と、前記第1の対
向面に一体的に連続し、前記第1の対向面よりも固体電
解質管の開口端面から見て遠い位置に位置し、前記固体
電解質管外周面対向し、前記第1の対向面と前記固
体電解質管の外周面との間隙よりも広い状態に設けられ
第2の対向面とが設けられていて、前記固体電解質管
の外周端縁に面取り部を設けるとともに、この面取り部
に対向する第1の対向面のコーナ部を弧状面とし前記
固体電解質管と前記絶縁リングとの間にガラスの薄肉充
填部と、コーナ充填部と厚肉充填部とが一体的に形成さ
れていることを特徴とする。
【0009】また、請求項2に記載の発明では前記絶縁
リングの内周面には、固体電解質管の開口部近傍の外周
面及び開口端面に近接対向するL字状の第1の対向面
と、 前記第1の対向面に一体的に連続し、前記第1の対
向面よりも固体電解質管の開口端面から見て遠い位置に
位置し、前記固体電解質管の外周面と対向し、前記第1
の対向面と前記固体電解質管の外周面との間隙よりも広
い状態に設けられた第2の対向面とが設けられていて、
前記固体電解質管の開口端面に対向する第1の対向面の
端部に端部面取り部が設けられ、 前記固体電解質管と前
記絶縁リングとの間にガラスの薄肉充填部と、厚肉充填
部と端部ガラス溜まりとが一体的に形成されていること
を特徴とする。
【0010】さらに、第2の目的を達成するために、請
求項に記載の発明では、有底筒状の陽極容器の上端部
に絶縁リングを接合するとともに、この絶縁リングの内
周面に有底円筒状をなす固体電解質管の開口端部を配置
して、絶縁リングと固体電解質管との間をガラスを介在
させて接合し、陽極容器と固体電解質管との間に硫黄を
含浸した陽極用導電材のマットを収容し、かつ固体電解
質管内にナトリウムを収容したナトリウム−硫黄電池に
おいて、前記固体電解質管の開口端部における肉厚を電
池の通電部における肉厚より厚くし、前記固体電解質管
の開口端部と通電部とを所定の傾斜面で形成するととも
に、この傾斜面の通電部側端部を陽極用導電材のマット
の存在する位置に設定したことを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明では、固体電解質管の開口
端部が絶縁リングのL字状をなす第1の対向面と、この
第1の対向面に一体的に連続する第2の対向面との間に
介在されたガラスの薄肉充填部及び厚肉充填部で一体的
に接合される。そのため、固体電解質管の位置決めがな
されるとともに、接合強度が確保される。特に、請求項
1記載の発明では、固体電解質管の外周端縁に面取り部
を設けるとともに、この面取り部に対抗する第1の対向
面のコーナ部を弧状面として尖鋭部分をなくしたことか
ら、この部分に一体的に介在されたコーナ充填部りガラ
スに応力集中は作用しない。
【0012】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載の第1の対向面と第2の対向面を備え、固体電解質
管の開口端面に対向する第1の対向面の端部に端部面取
り部が設けられ、固体電解質管と前記絶縁リングとの間
にガラスの薄肉充填部と、厚肉充填部と端部ガラス溜ま
りとが一体的に形成されているので、ナトリウムに対す
る耐食性を向上することができる
【0013】さらに、請求項3記載の発明は、次のよう
に作用する。固体電解質管の開口端部における肉厚を電
池の通電部における肉厚より厚く形成することにより、
固体電解質管と絶縁リングとの接合部における機械的強
度を高めることができる。従って、固体電解質管に余分
な外力が加わっても、その力は固体電解質管の肉厚に形
成された開口端部で受け止められ、接合部への力は緩和
されるため、この接合部における接合の信頼性を確保す
ることができる。
【0014】また、固体電解質管の開口端部と通電部と
を所定の傾斜面で形成し、かつこの傾斜面の通電部側端
部を陽極用導電材のマットの存在する位置に設定するこ
とにより、異常時における固体電解質管の破壊位置が特
定される。すなわち、固体電解質管の破壊は固体電解質
管の厚みが変化する位置、つまり上記傾斜面の通電部側
端部で起こる。このとき、破壊部分はその外周からマッ
トで覆われていることから、クラックなどの破壊の進展
が抑えられる。しかも、この場合破壊によって固体電解
質管内からナトリウムが流出しても、この流出したナト
リウムは、マット中の硫黄と反応して多硫化ナトリウム
となるため、ナトリウムの外部への流出を防止すること
ができる。
【0015】
【実施例】(第1実施例)以下に、請求項1及び2の発
明を具体化した一実施例について、図面に従って説明す
る。
【0016】図3に示すように、円筒状に形成された陽
極容器1には、下端部に陽極蓋2が取付けられるととも
に、上部外面に陽極端子3が取着されている。絶縁リン
グ4はα−アルミナにより形成され、陽極容器1の上端
部に接合されている。有底円筒状をなす固体電解質管5
は、β−アルミナにより形成され、その上端部が絶縁リ
ング4の内周面にガラス24を介在させてそのガラス2
4により接合されている。陽極室6は陽極容器1と固体
電解質管5とで形成され、陽極作用物質としての硫黄が
含浸されたグラファイトマットからなる陽極用導電材7
が収納されている。
【0017】陰極蓋8は絶縁リング4の上端面に取付け
られ、その上面には陰極端子9が取着されている。陰極
室10は絶縁リング4、固体電解質管5及び陰極蓋8に
よって形成され、陰極室10内には陰極作用物質である
ナトリウム11が収容されている。
【0018】さて、図1,2は固体電解質管5と絶縁リ
ング4とのガラス接合構造を示す部分断面図で、上下逆
に図示されている。両図に示すように、前記固体電解質
管5の開口である上部(図中下部)は厚肉部12とさ
れて強度の向上が図られるとともに、その上部外周端縁
には面取り部13が設けられている。この実施例では固
体電解質管5の開口部近傍の開口端面は符号5aで、同
外周面は符号5bで表される。
【0019】一方、絶縁リング4の内周面にはL字状を
なす第1の対向面としての係止部14が固体電解質管5
と近接対向するように設けられ、その内頂面14a及び
内周面14bにより固体電解質管5が垂直位置に位置決
めされる。前記係止部14の内周面14bと固体電解質
管5の外周面5bとの間の間隙に、厚さ50〜200μ
m程度のガラスの薄肉充填部19が形成されている。な
お、固体電解質管5の外周面5bは表面研削により滑ら
かに仕上げられているので、薄肉充填部19を形成する
隙間が一定レベルに保持され、ガラスの薄肉充填部19
の厚さは一定である。
【0020】また、前記内頂面14aと内周面14bの
境界部(コーナ部)には、前記固体電解質管5の面取り
部13と対向するように弧状面15が形成されている。
これら面取り部13と弧状面15との間には、ガラスが
充填されてコーナ充填部16が形成されている。そし
て、面取り部13と弧状面15とを設けたことにより、
このコーナ充填部16が応力集中を受けるのを回避して
いる。
【0021】さらに、前記内頂面14aの端部には端部
面取り部17が設けられ、固体電解質管5の上面との間
に端部ガラス溜まり18が形成され、この部分に接触す
る陰極作用物質であるナトリウムに対する耐食性を向上
させている。
【0022】また、絶縁リング4の下端内周面には傾斜
面21を有し、固体電解質管5の外周面5bと対向する
第2の対向面としてのガラス充填用切欠き20が形成さ
れている。この切欠き20と固体電解質管5の外周面5
bとの間の間隙は前記係止部14と固体電解質管5との
間の間隙よりも十分に広く、従ってこの部分はガラスの
厚肉充填部22となり、十分な接合強度が得られる。
【0023】固体電解質管5と絶縁リング4とをガラス
接合する場合には、図2に示すように、絶縁リング4の
ガラス充填用切欠き20と固体電解質管5の外周面5b
との間の空間に、予め成形したガラスリング23を配置
してこれを加熱溶融させる。すると、図1に示すよう
に、溶融したガラスは図中下方へ流れ、絶縁リング4の
係止部14の内周面14bと固体電解質管5の外周面5
bとの狭い間隙を経て、端部面取り部17へ至る。この
端部面取り部17と固体電解質管5の開口端面としての
上端面5aとの間で、表面張力によるガラス溜まり18
が形成される。
【0024】このようにして、固体電解質管5と絶縁リ
ング4との間にガラスによる端部ガラス溜まり18と、
コーナ充填部16と、薄肉充填部19と、厚肉充填部2
2とが一体的に形成される。そして、これらガラス接合
部により固体電解質管5と絶縁リング4とが接合され
る。
【0025】上述のように、この実施例においては、固
体電解質管5の上端部外周面5b及び上端面5aに近接
対向するL字状の係止部14が形成されている。従っ
て、固体電解質管5の軸方向及びそれに直交する方向の
位置決めが係止部14によってなされ、位置決めのため
の治具が不要になって製造が容易になる。しかも、絶縁
リング4と固体電解質管5との接合強度は多量のガラス
24が充填された厚肉充填部22で確保され、十分な接
合強度を得ることができる。その上、ガラス接合部は全
体としてL字状をなしているため、各方向からの外力に
耐えることができ、熱的応力や機械的応力に対して信頼
性を向上できる。
【0026】また、コーナ充填部16においては、固体
電解質管5に面取り部13が設けられ、絶縁リング4に
弧状面15が設けられているので、尖鋭部分や鋭いコー
ナ部分がなくなって、固体電解質管5や絶縁リング4に
応力が加わったときに、応力が分散されて部分的な応力
集中が緩和され、クラックが入るおそれがない。
【0027】ナトリウム−硫黄電池の作動時には、端部
ガラス溜まり18に高温のナトリウムが接触するが、上
述のようにガラス溜まり18の接合部分が広く、かつ表
面積が大きく形成されているので、この部分において十
分な耐薬品性と耐久性が発揮される。
【0028】また、固体電解質管5自体は絶縁リング4
との接合部において厚肉部12とされているため、この
部分の機械的強度が高く、固体電解質管5が損傷を受け
るおそれが少ない。さらには、固体電解質管5の外周面
5bが表面加工により滑らかに仕上げられているので、
この外周面5bと切欠係止部14の内周面14bとの狭
い隙間を所定値に保持できるとともに、ガラスの流通性
と充填性が確保される。 (第2実施例) 次に、請求項3に記載の発明を具体化した実施例につい
て、図4及び5に従って説明する。
【0029】固体電解質管5は電池の通電部25から絶
縁リング4の接合部の間において、その厚みが絶縁リン
グ4側ほど厚くなるような一定の傾斜面26を有してい
る。そして、通電部25の肉厚D1 に対して開口端部2
7の肉厚D2 が最も厚くなっている。このように、固体
電解質管5と絶縁リング4との接合部における固体電解
質管5の厚みを厚くすることにより、この部分における
固体電解質管5の機械的強度を高めて、接合の信頼性を
向上させる。
【0030】また、上記傾斜面26の通電部25側端部
の境界線Bが陽極用導電材7のグラファイトマット7a
の部分に位置している。このため、この円周状をなす境
界線Bの部分が固体電解質管5の最も弱い部分となり、
異常時などにおいて固体電解質管5に外力が加わったと
き、ここにクラックが入ったりして破損しやすい。従っ
て、固体電解質管5の破壊部分が特定される。そして、
この部分で破損が起きても、その外周部が陽極用導電材
7で被覆されていることから、破損の進展が防止され
る。
【0031】なお、固体電解質管5の開口端部27側の
肉厚部の長さに対する通電部25の長さの比率は4〜8
の範囲であることが、開口端部27の強度保持と通電部
25の領域の確保の点から望ましい。
【0032】さて、この実施例では、固体電解質管5の
開口端部27における肉厚D2 を電池の通電部25にお
ける肉厚D1 より厚く形成したことにより、固体電解質
管5と絶縁リング4との接合部における固体電解質管5
の機械的強度を高めることができる。このため、固体電
解質管5に余分な外力が加わっても、その力はこの肉厚
に形成された固体電解質管5の開口端部27で支持さ
れ、接合部への力が緩和される。その結果、この接合部
における接合の信頼性を確保することができる。
【0033】加えて、接合部における固体電解質管5の
肉厚を厚くすれば、通電部25の肉厚D1 を通常の肉厚
より薄くすることができる。この場合、通電部25にお
ける固体電解質管5の電気抵抗を低減させることができ
る。従って、電池の充放電の効率を向上させることがで
き、充放電に伴う温度制御も容易に行うことができる。
【0034】また、固体電解質管5の開口端部27と通
電部25とを所定の傾斜面26で接続して形成し、しか
もこの傾斜面26の通電部25側端部の境界線Bをマッ
ト7aの存在する位置に設定した。そのため、異常時に
おける固体電解質管5の破壊位置が特定される。すなわ
ち、固体電解質管5の破壊は固体電解質管5の厚みが変
化する位置、つまり上記傾斜面26の通電部25側端部
である境界線Bで発生する。
【0035】このとき、マット7aは圧縮状態で収容さ
れているため、マット7aの圧力により固体電解質管5
は内方へ付勢されている。そのため、固体電解質管5の
破壊部分はその外周からマット7aで支持されているこ
とになり、クラックなどの破壊が他の部分へ進展するこ
とが抑えられる。しかも、破壊によって固体電解質管5
内から流出したナトリウムは、マット7a中に含浸され
た硫黄と反応して多硫化ナトリウムとなるため、ナトリ
ウム自体の外部への流出を防止することができる。従っ
て、電池の安全性を高めることができる。
【0036】次に、通電部25の肉厚D1 に対する開口
端部27の肉厚D2 を厚くなるように変化させて、固体
電解質管5の強度を測定した。その結果を表1に示す。
なお、強度は片持曲げ強度測定方法により測定した。す
なわち、絶縁リング4に接合した固体電解質管5が水平
方向に延びるように絶縁リング4の位置で支持し、固体
電解質管5の長さの90%先端部に所定の荷重をかけ、
この荷重を次第に大きくして固体電解質管5及びガラス
22が破壊するまでの強度として求めた。
【0037】
【表1】 表1の試験例2〜6に示したように、固体電解質管の通
電部の肉厚に対する開口端部の肉厚をより厚くした場
合、すなわちその比率を1.2〜2.4にした場合、肉
厚を変えない試験例1に比べて強度は向上する。
【0038】なお、この発明は上記実施例に限定される
ものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で例え
ば次のように構成を変更して具体化してもよい。 (a)絶縁リング4の端部面取り部17の傾斜角度を変
えて、端部ガラス溜まり18の厚みや表面積を変化させ
ること。 (b)固体電解質管5の面取り部13や絶縁リング4の
弧状面15の大きさを変化させて、ガラスのコーナ充填
部16の大きさを変え、応力集中の緩和の程度を変える
こと。 (c)固体電解質管5の面取り部13を円弧状の曲面に
したり、絶縁リング4の弧状面15を所定角度の傾斜面
にしたりすること。 (d)ガラスの厚肉充填部22と薄肉充填部19との間
を、連続的に階段状に形成したりして、厚みの異なるガ
ラス層の段数を変えること。 (e)固体電解質管5の厚肉部12の厚みを、ナトリウ
ム−硫黄電池の大きさなどに応じてさらに厚くしたり、
又は少し薄くしたりして適宜調整すること。 (f)傾斜面26を滑らかな円弧面とすること。 (g)固体電解質管5をマット7aの存在する位置で段
差状に形成し、段差部のコーナ部を滑らかな円弧状に形
成すること。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、製造が容易で、接合強度を確保でき、熱的
応力や機械的応力に対する接合の信頼性が高く、固体電
解質管の面取り部と絶縁リングの弧状面との間に充填さ
れるガラスに加わる応力集中が緩和され、ガラス接合の
耐久性が向上するという効果が得られる。
【0040】また、請求項2記載の発明によれば、ナト
リウムに対する耐食性を向上することができる。さら
に、請求項3に記載の発明によれば、固体電解質管と絶
縁リングとの接合部における機械的強度を高めることが
でき、この接合部における接合の信頼性を確保すること
ができ、異常時における固体電解質管の破壊位置を特定
して、ナトリウムの漏出を防止し、安全性を向上させ
という優れた効果を奏する。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した第1実施例の固体電解質
管と絶縁リングとの接合構造を示す要部拡大断面図であ
る。
【図2】固体電解質管と絶縁リングとの接合構造を示す
部分拡大断面図である。
【図3】ナトリウム−硫黄電池の構造を示す断面図であ
る。
【図4】第2実施例の固体電解質管と絶縁リングとの接
合構造を示す部分拡大断面図である。
【図5】ナトリウム−硫黄電池の構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…陽極容器、4…絶縁リング、5…固体電解質管、
a…固体電解質管の開口部近傍の開口端面としての上端
面、5b…固体電解質管の開口部近傍の外周面、13…
固体電解質管の面取り部、14…第1の対向面としての
係止部、15…絶縁リングの弧状面、16…コーナ充填
部、17…端部面取り部、18…端部ガラス溜まり、1
9…薄肉充填部、20…第2の対向面としてのガラス充
填用切欠き、22…厚肉充填部、25…通電部、26…
傾斜面、27…開口端部、D1 …通電部の肉厚、D2
開口端部の肉厚。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底筒状の陽極容器の端部に絶縁リン
    グを接合するとともに、この絶縁リングの内周面に有底
    円筒状をなす固体電解質管の上側口部を配置して、絶
    縁リングの内周面と固体電解質管の開口部近傍の外周面
    との間をガラスを介在させて接合したナトリウム−硫黄
    電池における固体電解質管と絶縁リングとの接合構造で
    あって、 前記絶縁リングの内周面には、固体電解質管の開口部近
    の外周面及び開口端面に近接対向するL字状の第1の
    対向面と、前記 第1の対向面に一体的に連続し、前記第1の対向面
    よりも固体電解質管の開口端面から見て遠い位置に位置
    し、前記固体電解質管外周面対向し、前記第1の対
    向面と前記固体電解質管の外周面との間隙よりも広い状
    態に設けられた第2の対向面とが設けられていて、 前記固体電解質管の外周端縁に面取り部を設けるととも
    に、この面取り部に対向する第1の対向面のコーナ部を
    弧状面とし前記固体電解質管と前記絶縁リングとの間にガラスの薄
    肉充填部と、コーナ充填部と厚肉充填部とが一体的に形
    成されている ことを特徴とするナトリウム−硫黄電池に
    おける固体電解質管と絶縁リングとの接合構造。
  2. 【請求項2】 有底筒状の陽極容器の上端部に絶縁リン
    グを接合するとともに、この絶縁リングの内周面に有底
    円筒状をなす固体電解質管の上側開口部を配置して、絶
    縁リングの内周面と固体電解質管の開口部近傍の外周面
    との間をガラスを介在させて接合したナトリウム−硫黄
    電池における固体電解質管と絶縁リングとの接合構造で
    あって、 前記絶縁リングの内周面には、固体電解質管の開口部近
    傍の外周面及び開口端面に近接対向するL字状の第1の
    対向面と、 前記第1の対向面に一体的に連続し、前記第1の対向面
    よりも固体電解質管の開口端面から見て遠い位置に位置
    し、前記固体電解質管の外周面と対向し、前記第1の対
    向面と前記固体電解質管の外周面との間隙よりも広い状
    態に設けられた第2の対向面とが設けられていて、 前記固体電解質管の開口端面に対向する第1の対向面の
    端部に端部面取り部が 設けられ、 前記固体電解質管と前記絶縁リングとの間にガラスの薄
    肉充填部と、厚肉充填部と端部ガラス溜まりとが一体的
    に形成されている ことを特徴とするナトリウム−硫黄電
    池における固体電解質管と絶縁リングとの接合構造。
  3. 【請求項3】 有底筒状の陽極容器の端部に絶縁リン
    グを接合するとともに、この絶縁リングの内周面に有底
    円筒状をなす固体電解質管の開口端部を配置して、絶縁
    リングと固体電解質管との間をガラスを介在させて接合
    し、陽極容器と固体電解質管との間に硫黄を含浸した
    極用導電材のマットを収容し、かつ固体電解質管内にナ
    トリウムを収容したナトリウム−硫黄電池において、 前記固体電解質管の開口端部における肉厚を電池の通電
    部における肉厚より厚くし、 前記固体電解質管の開口端部と通電部とを所定の傾斜面
    で形成するとともに、この傾斜面の通電部側端部を陽極
    用導電材のマットの存在する位置に設定し たことを特徴
    とするナトリウム−硫黄電池。
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