JP2708484B2 - 同期発電機用チヨツパ制御自動電圧調整器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は同期発電機用チヨツパ制御自動電圧調整器に
係り、特に中小容量同期発電機用の高周波制御器を用い
た自動電圧調整器に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に同期発電機用チヨツパ制御自動電圧調整器の直
流チヨツパ制御器は、従来0.5〜1KHz程度の低周波キャ
リア周波数で制御され、出力矩形波電圧の立上り，立下
り時間も比較的長い為、通常のケーブルを経て負荷に出
力を供給する場合、特別の技術的対策をする必要がなか
つた。

第２図は従来使用されている回路図で、１は同期発電
機、２は同期発電機１の界磁コイル、３は界磁コイル１
と自動電圧調整器５との間を接続しているケーブルで、
自動電圧調整器５の直流出力電流を界磁コイル２に供給
するもので、４はケーブルの分布容量を集中定数として
表したコンデンサである。自動電圧調整器５はチヨツパ
制御方式のもので、電圧偏差検出器6,信号増幅器7,直流
チヨツパ制御器８とよりなり、電圧偏差検出器６により
設定電圧と発電機電圧との偏差を検出出力し、信号増幅
器７を経て、直流チヨツパ制御器８を制御して、直流出
力をケーブル３を通して同期発電機１の界磁コイル２に
供給し、同期発電機１の出力電圧を一定値に負帰還自動
制御する。直流チヨツパ制御器８は、パルス幅制御器9,
チヨツパ用電子スイツチ10,AC/DC用整流器11,フイルタ
用コンデンサ12,転流ダイオード13とよりなり、整流器1
1の交流入力側は同期発電機の出力電圧に接続され、コ
ンデンサ12と共に直流電源（＋，−）を作り、パルス幅
制御器９はキヤリア周波数の三角波基準電圧と、信号増
幅器７の出力よりの入力と比較して、入力電圧の大きさ
に応じてon−offデユーテイー比率の異なるキヤリア周
波数のパルス出力を出す。チヨツパ用電子スイツチ10は
その入力に応じて、対応するon−offデユーテイ比率の
直流矩形波電圧を出力し、ケーブル３を経て界磁コイル
２に供給する。

直流チヨツパ制御器の負荷である界磁コイル２はイン
グクタンスが大きいので、出力電流は第３図（ｂ）に示
す波形のリツプルの少ない直流電源Ｉとなる。尚、矩形
波出力電圧が零の区画（Ｔ_offの区画）は転流ダイオー
ド13を電流は転流し、負荷に電流を供給し続けている。
尚、この種の装置としては特開昭53-6819号公報を挙げ
ることができる。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記の従来使用されてきた直流チヨツパのキヤリア周
波数は低周波数で0.5〜1KHz 程度であって、矩形波電圧の立上り，立下り時間も比較
的長く、ケーブル３の容量４程度では技術的に何ら問題
がなかつた。例えば、立上り，立下り時間が５μｓ、ケ
ーブルの分布容量が5,000PF（ケーブル長約40m程度の場
合）、直流矩形波電圧の高さ150Vとしても、ケーブル容
量を充放電する電流は、 充放電電流＝容量×dV/dt ≒5,000×10^-12×150/5×10^-6 ＝
0.15A 程度であり、チヨツパ制御器の定格出力電流が数Ａ以上
の場合、電子スイツチ10のスチツチング損失などの増加
分も極めて少なく、問題とならず、何ら特別高技術的な
対策を必要としなかつた。

しかしながら、電子スイツチ10はon−offすると、そ
れに応じてノイズＩ₁が直流電流Ｉに重畳して、スチツ
チング損失を生じる。

本発明の目的は同期発電機用チヨツパ制御自動電圧調
整器のキヤリア周波数を従来の10倍程度以上の高周波と
した場合も、出力ケーブルの分布容量による振動電流を
抑制し、チヨツパ用電子スイツチのスチツチング損失の
増加を極少に抑えた小形で制御特性の良いチヨツパ制御
自動電圧調整器を供給することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成する為に、高周波制御直流チヨツパ制
御器を用いた同期発電機用自動電圧調整器において、直
流リアクトルと抵抗とを並列に接続したものを直流チヨ
ツパ制御器の出力回路に直列に接続したものである。

〔作用〕

上記直流リアクトルと抵抗とを並列に接続したものを
直流チヨツパ制御器の出力回路に直列に接続し、そのイ
ンダクタンス（Ｌ）とチヨツパ出力回路のケーブルの分
布容量（Ｃ）とから決まるサージインピーダンス を適正値にすることにより、出力ケーブルの分布容量に
よる充放電電流を抑え、チヨツパ用電子スイツチのスイ
ツチング損失の増加を抑制する。従つて、小形で制御特
性の良いチヨツパ制御自動電圧調整器とすることができ
る。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図により説明する。

１〜9,11〜13は第２図で説明したものと同一で、101
は高速形のチヨツパ用電子スイツチであり、これらは第
２図の説明と同一の制御動作をするが、パルス幅制御器
９のキヤリア周波数、従つて直流チヨツパ制御器８の矩
形波直流出力電圧の周波数も、第２図で説明したものの
20倍程度以上の高周波であり、キヤリア周波数は10数KH
z以上の可聴周波上限、ないし可聴周波を超えた高周波
としている。高周波化することにより、フイルタコンデ
ンサ12の必要容量が周波数に反比例して小さくなり、制
御応答速度が速くなるので、直流出力電流のリツプルが
小さく、可聴騒音が減少するなどの効果がある。ただ一
方チヨツパ用電子スイツチ101の開閉頻度も比例して増
加し、スイツチング損失を増加させるので、電子スイツ
チ101のスイツチング速度を高める必要があり、従つて
チヨツパ制御器８の出力矩形波電圧の立上り，立下り時
間も極めて小となり、100〜300ns程度と第２図の従来方
式に比し1/20〜1/50に小さくなる。

この為、出力ケーブル３の容量４の充放電電流も数Ａ
を超える値となり、その為、高速電子スイツチ101のス
イツチング損失の増加が甚だしくなり、実用に耐えなく
なる。また、ピーク電流の過大化により、ノイズの発生
も過大となり、制御系の特性，安定性を害する結果とな
る。従つてケーブル３の分布容量の充放電電流を抑制す
る必要があり、その手段として直流チヨツパの出力回路
に直流リアクトル14を挿入し、そのインダクタンス
（Ｌ）とケーブル容量（Ｃ）から決まる を適正値にして充放電電流を抑制する。直流リアクトル
14のインダクタンス値としては、前記分布容量5,000PF
程度のケーブルの場合0.1〜1mH程度となる。またさら
に、直流リアクトルを挿入しても、ケーブルの分布容量
と共振して振動を続け、損失の増加、制御の不安定化と
なるので、抑制抵抗15を直流リアクトル14と並列に接続
する。

従つて、本実施例によれば、出力ケーブル分布容量に
よる充放電電流を抑制した高周波制御直流チヨツパ形の
同期発電機用自動電圧調整器を実現でき、従来の低周波
形のものに比べ、直流回路フイルタコンデンサ12の小形
化、制御応答速度の向上，直流出力電流のリツプルの減
少，可聴周波騒音の減少などの効果があり、スイツチン
グ損失の増加を極小に抑えた、小形で制御特性の良い、
チヨツパ制御自動電圧調整器の実現が可能となる。ま
た、直流リアクトル14と振動抑制用抵抗16を並列とした
ものの代りに高周波損失の多い鉄心を使用した直流リア
クトルを使用し、鉄損により振動抑制効果をもたせれ
ば、抵抗15を省くことにより、さらに小形で同一効果の
チヨツパ制御自動電圧調整器を実現することが可能とな
る。

〔発明の効果〕

本発明によれば、同期発電機用チヨツパ制御自動電圧
調整器において、高周波制御形とし、スイツチング損失
の少ない、小形で軽量なものとする効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す同期発電機用チヨツパ
形自動電圧調整器の回路図、第２図は従来のチヨツパ形
自動電圧調整器の回路図、第３図はその出力電圧，電流
の説明図である。 １……同期発電機、２……界磁コイル、３……ケーブ
ル、５……自動電圧調整器、６……電圧偏差検出器、８
……直流チヨツパ制御器、９……パルス幅制御器、10…
…チヨツパ用電子スイツチ、14……直流リアクトル、15
……振動抑制用抵抗、101……高速形のチヨツパ用電子
スイツチ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】界磁コイルを有する同期発電機と、同期発
   電機の出力電圧を検出する電圧偏差検出器と、電圧偏差
   検出器の検出電圧に応じてチェッパの出力電圧を制御す
   る比例制御器と、比例制御の制御信号に応じて開閉し、
   かつ界磁コイルに流す直流励磁電流を制御するスイッチ
   とを備えた自動電圧制御器において、直流リアクトルと
   抵抗とを並列に接続したものを直流チェッパ制御器の出
   力回路に直列に接続することを特徴とする同期発電機用
   チョッパ制御自動電圧調整器。