JP2708087B2 - 厨芥の処理方法 - Google Patents
厨芥の処理方法Info
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- JP2708087B2 JP2708087B2 JP5230534A JP23053493A JP2708087B2 JP 2708087 B2 JP2708087 B2 JP 2708087B2 JP 5230534 A JP5230534 A JP 5230534A JP 23053493 A JP23053493 A JP 23053493A JP 2708087 B2 JP2708087 B2 JP 2708087B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E50/00—Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
- Y02E50/30—Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel
Landscapes
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Treatment Of Sludge (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は厨芥の処理方法に関し、
とくに厨芥をメタン発酵により処理する方法に関する。
とくに厨芥をメタン発酵により処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来台所や調理場などから廃棄される厨
芥は焼却するか又は埋立処分されている。しかし厨芥は
含水分が約80%と高いため焼却する際に補助燃料が必要
になるなどエネルギーの損失が大きく、また腐敗・変質
し易いため埋立処分場の安定化が悪くなる問題があっ
た。
芥は焼却するか又は埋立処分されている。しかし厨芥は
含水分が約80%と高いため焼却する際に補助燃料が必要
になるなどエネルギーの損失が大きく、また腐敗・変質
し易いため埋立処分場の安定化が悪くなる問題があっ
た。
【0003】焼却や埋立処分に替る技術として、例えば
工業技術院の大型プロジェクト「スターダスト'80」が
エネルギー回収型のメタン発酵処理を提案している。従
来メタン発酵処理は廃水処理などにおいて用いられてお
り、メタン発酵処理の被処理液はスラリー状である必要
があること、現行技術では被処理液中の固形物濃度が2
〜5%程度がよいこと、固形物濃度の高い場合はメタン
発酵処理前の可溶化を促進させるため酸発酵とメタン発
酵とを順次別槽で行なう二相式処理が効果的であること
等が報告されている。図5は従来の二相式厨芥処理方法
の一例を示し、スラリー状にした厨芥を酸発酵用の第1
槽11で可溶化した後、別槽であるメタン発酵用の第2槽
12に移し処理している。廃水の場合は固形物濃度が数%
であるのに対し、厨芥では固形物濃度が約20%と高いた
め、厨芥のメタン発酵処理においては固形物の処理が問
題となる。
工業技術院の大型プロジェクト「スターダスト'80」が
エネルギー回収型のメタン発酵処理を提案している。従
来メタン発酵処理は廃水処理などにおいて用いられてお
り、メタン発酵処理の被処理液はスラリー状である必要
があること、現行技術では被処理液中の固形物濃度が2
〜5%程度がよいこと、固形物濃度の高い場合はメタン
発酵処理前の可溶化を促進させるため酸発酵とメタン発
酵とを順次別槽で行なう二相式処理が効果的であること
等が報告されている。図5は従来の二相式厨芥処理方法
の一例を示し、スラリー状にした厨芥を酸発酵用の第1
槽11で可溶化した後、別槽であるメタン発酵用の第2槽
12に移し処理している。廃水の場合は固形物濃度が数%
であるのに対し、厨芥では固形物濃度が約20%と高いた
め、厨芥のメタン発酵処理においては固形物の処理が問
題となる。
【0004】上記「スターダスト'80」プロジェクトで
は二相式のメタン発酵処理を採用し、破砕度の高い破砕
機で厨芥を細かく破砕したり、化学的処理によって発酵
有効成分の抽出、蛋白や脂肪の加水分解、セルロース系
物質の膨潤・分散を行っている。また、破砕後の厨芥に
水を加えて濃度の低いスラリー状とし、一次分解槽で有
機酸にまで分解した後、発酵槽で中温菌によりメタン発
酵を行なっている。
は二相式のメタン発酵処理を採用し、破砕度の高い破砕
機で厨芥を細かく破砕したり、化学的処理によって発酵
有効成分の抽出、蛋白や脂肪の加水分解、セルロース系
物質の膨潤・分散を行っている。また、破砕後の厨芥に
水を加えて濃度の低いスラリー状とし、一次分解槽で有
機酸にまで分解した後、発酵槽で中温菌によりメタン発
酵を行なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記処理方法
は、破砕度の高い機器を使用するので破砕のために大き
なエネルギーを必要とすることや、加えた薬品を中和す
るために更に薬品が必要になる等の問題がある。また希
釈水などにより被処理液容量が増加するので大きな反応
槽が必要となり、建設コストが高くなるだけでなく、加
熱に必要な顕熱エネルギー量も増大してエネルギー回収
率が低下する不都合がある。この希釈は、また、供給汚
泥濃度を低くするので、同じ有機物質負荷での滞留時間
が短くなり有機物除去率が低下する不都合を招く。更に
二相式で処理するので、反応槽の設置容積が増大すると
共に煩わしいpH調整が必要となる問題がある。
は、破砕度の高い機器を使用するので破砕のために大き
なエネルギーを必要とすることや、加えた薬品を中和す
るために更に薬品が必要になる等の問題がある。また希
釈水などにより被処理液容量が増加するので大きな反応
槽が必要となり、建設コストが高くなるだけでなく、加
熱に必要な顕熱エネルギー量も増大してエネルギー回収
率が低下する不都合がある。この希釈は、また、供給汚
泥濃度を低くするので、同じ有機物質負荷での滞留時間
が短くなり有機物除去率が低下する不都合を招く。更に
二相式で処理するので、反応槽の設置容積が増大すると
共に煩わしいpH調整が必要となる問題がある。
【0006】そこで本発明の目的は、比較的粒度の大き
い高濃度の厨芥を一相式で処理する厨芥の処理方法を提
供するにある。
い高濃度の厨芥を一相式で処理する厨芥の処理方法を提
供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、一相式の厨
芥処理実現のため、比較的高い温度(50〜60゜C)で活性を
示す高温菌に注目した。高温菌は、中温度(36〜38゜C)で
活性を示す中温菌に比し処理速度及びガス発生率が共に
高いことが知られている。しかし高温菌はプラスチック
製担体など表面が平滑なものには付着し難いため、多孔
質セラミックスや多孔質ガラスなど非常に高価な担体を
使用しなければならない問題があった。また厨芥など固
形物の多い処理液の場合は、この固形物が多孔質担体の
開口部を閉塞して被処理液の流動を妨げるおそれがあっ
た。本出願人は、廃水処理の分野において高温菌をガラ
ス繊維製担体に保持して廃水処理を行なう方法を開発
し、これを特開平4-200700号公報に開示した。上記特開
平4-200700号公報に開示したガラス繊維製担体を本発明
の理解に必要な程度において説明するに、例えば図4に
示すようにガラス繊維製の多孔質周壁3を有する中空筒
体2を枠体4に保持してガラス繊維製担体1を形成す
る。ガラス繊維製担体1は従来の担体に比し低価格であ
り、また中空筒体2の径の大きさを調節して閉塞を避け
ることができ、また高温菌を高濃度に固定化できるの
で、固形物の多い厨芥の処理に適している。
芥処理実現のため、比較的高い温度(50〜60゜C)で活性を
示す高温菌に注目した。高温菌は、中温度(36〜38゜C)で
活性を示す中温菌に比し処理速度及びガス発生率が共に
高いことが知られている。しかし高温菌はプラスチック
製担体など表面が平滑なものには付着し難いため、多孔
質セラミックスや多孔質ガラスなど非常に高価な担体を
使用しなければならない問題があった。また厨芥など固
形物の多い処理液の場合は、この固形物が多孔質担体の
開口部を閉塞して被処理液の流動を妨げるおそれがあっ
た。本出願人は、廃水処理の分野において高温菌をガラ
ス繊維製担体に保持して廃水処理を行なう方法を開発
し、これを特開平4-200700号公報に開示した。上記特開
平4-200700号公報に開示したガラス繊維製担体を本発明
の理解に必要な程度において説明するに、例えば図4に
示すようにガラス繊維製の多孔質周壁3を有する中空筒
体2を枠体4に保持してガラス繊維製担体1を形成す
る。ガラス繊維製担体1は従来の担体に比し低価格であ
り、また中空筒体2の径の大きさを調節して閉塞を避け
ることができ、また高温菌を高濃度に固定化できるの
で、固形物の多い厨芥の処理に適している。
【0008】高温菌による従来の廃水処理の場合におい
て、70%のCOD除去率が確保できる廃水温度と廃水中の
最大負荷との関係を表1に示す。表1から分かるよう
に、廃水温度を50゜Cないし60゜Cに保てば廃水処理の負荷
を大きくすることができる。高温菌による厨芥処理にお
いても、高温菌と接触する厨芥の温度を高温菌が活性を
示す温度、例えば50゜Cないし60゜Cに保持すれば、廃水処
理の場合と同様の高効率処理が期待できる。
て、70%のCOD除去率が確保できる廃水温度と廃水中の
最大負荷との関係を表1に示す。表1から分かるよう
に、廃水温度を50゜Cないし60゜Cに保てば廃水処理の負荷
を大きくすることができる。高温菌による厨芥処理にお
いても、高温菌と接触する厨芥の温度を高温菌が活性を
示す温度、例えば50゜Cないし60゜Cに保持すれば、廃水処
理の場合と同様の高効率処理が期待できる。
【0009】
【表1】
【0010】また、従来図5に示す二相式の廃水処理を
行なう場合は、酸発酵を行なう第1槽11のpHを4.5〜6.0
の範囲に調整し、メタン発酵を行なう第2槽12のpHを7.
2〜7.8の範囲に調整していた。この場合、第1槽11では
酸発酵に適したpHを維持するためアルカリを投入する必
要があるが、第2槽12ではpH調整剤を加えずともメタン
発酵に適したpHが得られていた。これは、酸生成過程で
pH調整のために投入したアルカリが塩となって影響して
いるためと考えられる。
行なう場合は、酸発酵を行なう第1槽11のpHを4.5〜6.0
の範囲に調整し、メタン発酵を行なう第2槽12のpHを7.
2〜7.8の範囲に調整していた。この場合、第1槽11では
酸発酵に適したpHを維持するためアルカリを投入する必
要があるが、第2槽12ではpH調整剤を加えずともメタン
発酵に適したpHが得られていた。これは、酸生成過程で
pH調整のために投入したアルカリが塩となって影響して
いるためと考えられる。
【0011】本発明者は、図5に示す従来の廃水処理と
同様に、pH4.5〜6.0の範囲に調整した第1槽11とpH7.2
〜7.8の範囲に調整した第2槽12とを用いた二相式によ
り厨芥の処理実験を行なったところ、厨芥のCOD容積負
荷を15kg/(m3・日)にまで高めても80%以上の高いCOD除
去率を得ることができた。この場合、メタン発酵を行な
う第2槽12のpH調整を行なわず無調整で厨芥処理を行な
ったときは、第2槽12のpHが8より大きくなりCOD除去
率が減少する問題が発生した。
同様に、pH4.5〜6.0の範囲に調整した第1槽11とpH7.2
〜7.8の範囲に調整した第2槽12とを用いた二相式によ
り厨芥の処理実験を行なったところ、厨芥のCOD容積負
荷を15kg/(m3・日)にまで高めても80%以上の高いCOD除
去率を得ることができた。この場合、メタン発酵を行な
う第2槽12のpH調整を行なわず無調整で厨芥処理を行な
ったときは、第2槽12のpHが8より大きくなりCOD除去
率が減少する問題が発生した。
【0012】そこで本発明者は、高温菌による厨芥の酸
発酵処理に適するpHを調べるため、それぞれpH4、6、
7、8に調整した4種類の厨芥試料を調製し、これらを
用いて有機酸生成量の測定実験を行った。図3はその実
験結果を示し、横軸は経過日数、縦軸はVFA生成量(低
級脂肪酸の総量)を示す。図3から分かるように、この
実験から厨芥処理の酸発酵処理の至適pHは7〜8の範囲
にあり、メタン発酵の至適pHとほぼ同じ範囲にある旨の
知見が得られた。本発明者はこの知見に基づき、酸発酵
を行なう高温菌とメタン発酵を行なう高温菌の活性を同
じpH条件で発揮させる一相式の厨芥処理を完成させた。
発酵処理に適するpHを調べるため、それぞれpH4、6、
7、8に調整した4種類の厨芥試料を調製し、これらを
用いて有機酸生成量の測定実験を行った。図3はその実
験結果を示し、横軸は経過日数、縦軸はVFA生成量(低
級脂肪酸の総量)を示す。図3から分かるように、この
実験から厨芥処理の酸発酵処理の至適pHは7〜8の範囲
にあり、メタン発酵の至適pHとほぼ同じ範囲にある旨の
知見が得られた。本発明者はこの知見に基づき、酸発酵
を行なう高温菌とメタン発酵を行なう高温菌の活性を同
じpH条件で発揮させる一相式の厨芥処理を完成させた。
【0013】図1を参照するに、本発明の厨芥の処理方
法は、厨芥を破砕し、前記破砕後の芥粒が通過できる大
きさの中空筒状であって且つ酸発酵とメタン発酵とを行
なう高温菌群が付着したガラス繊維製担体1を設けた嫌
気槽5へ前記破砕後の厨芥を送り、高温菌群が活性を示
す温度で前記破砕後の厨芥と高温菌群とを接触させてな
るものである。
法は、厨芥を破砕し、前記破砕後の芥粒が通過できる大
きさの中空筒状であって且つ酸発酵とメタン発酵とを行
なう高温菌群が付着したガラス繊維製担体1を設けた嫌
気槽5へ前記破砕後の厨芥を送り、高温菌群が活性を示
す温度で前記破砕後の厨芥と高温菌群とを接触させてな
るものである。
【0014】
【作用】ガラス繊維製担体1は内部に数μmないし数百
μmの径の無数の空隙を有し、高温菌がこの空隙に容易
に入り込み増殖するので、高温菌を効率よく担持するこ
とができる。しかもガラス繊維を材料とするので、従来
の多孔質セラミックスや多孔質ガラスなどに比べて著し
く安価である。
μmの径の無数の空隙を有し、高温菌がこの空隙に容易
に入り込み増殖するので、高温菌を効率よく担持するこ
とができる。しかもガラス繊維を材料とするので、従来
の多孔質セラミックスや多孔質ガラスなどに比べて著し
く安価である。
【0015】図1の実施例を参照するに、本発明は酸発
酵とメタン発酵とを行なう高温菌群を付着させたガラス
繊維製担体1を一相式の嫌気槽5内に配置し、例えばデ
ィスポーザー8でスラリー状に破砕した高濃度の厨芥を
嫌気槽5へ送る。ここにディスポーザー8とは台所や調
理場からでる厨芥を破砕する機械であって、破砕度の高
い破砕機に比し破砕した厨芥の粒度が大きいものであ
る。図示例ではディスポーザー8として、株式会社ブリ
ジストン製の型式BS-5371を使用している。破砕後の厨
芥(COD=120g/lit、SS=60g/lit)を嫌気槽5に送り、そ
の後嫌気槽5の温度を高温菌群が活性を示す範囲に維持
した。本発明者は、嫌気槽5の温度を54゜C〜56゜Cに保て
ば高い処理効率が得られることを実験により見出した。
尚、図示例では厨芥を下向きに流しながらガラス繊維製
担体1に接触させているが、厨芥の流れは上向きであっ
ても差支えない。
酵とメタン発酵とを行なう高温菌群を付着させたガラス
繊維製担体1を一相式の嫌気槽5内に配置し、例えばデ
ィスポーザー8でスラリー状に破砕した高濃度の厨芥を
嫌気槽5へ送る。ここにディスポーザー8とは台所や調
理場からでる厨芥を破砕する機械であって、破砕度の高
い破砕機に比し破砕した厨芥の粒度が大きいものであ
る。図示例ではディスポーザー8として、株式会社ブリ
ジストン製の型式BS-5371を使用している。破砕後の厨
芥(COD=120g/lit、SS=60g/lit)を嫌気槽5に送り、そ
の後嫌気槽5の温度を高温菌群が活性を示す範囲に維持
した。本発明者は、嫌気槽5の温度を54゜C〜56゜Cに保て
ば高い処理効率が得られることを実験により見出した。
尚、図示例では厨芥を下向きに流しながらガラス繊維製
担体1に接触させているが、厨芥の流れは上向きであっ
ても差支えない。
【0016】図2に、図1の嫌気槽5による厨芥処理結
果を示す。各グラフの横軸は経過日数を示し、図2(A)
の縦軸はCOD容積負荷(kg/(m3・日))の変化、図2(B)の
縦軸はCOD除去率(%)、図2(C)の縦軸はSS除去率(%)
をそれぞれ示す。図2に示すように、本発明の厨芥処理
方法によれば、COD容積負荷が15kg/(m3・日)である高負
荷の厨芥処理においてもCOD除去率80%以上、SS除去率7
0%以上の高い処理効率を実現することができる。この
場合、嫌気槽5内のpHは調整せずとも7.4〜7.7の範囲で
安定して維持されていた。格別の調整をすることなくpH
が上記値に維持されるのは、嫌気槽5内では酸発酵とメ
タン発酵とが同時に進行するため、酸発酵で生成された
酸が生成とほぼ同時にメタン発酵に供されメタン化して
消費され、酸/アルカリ比のバランスを自律的に調整し
ているからと考えられる。
果を示す。各グラフの横軸は経過日数を示し、図2(A)
の縦軸はCOD容積負荷(kg/(m3・日))の変化、図2(B)の
縦軸はCOD除去率(%)、図2(C)の縦軸はSS除去率(%)
をそれぞれ示す。図2に示すように、本発明の厨芥処理
方法によれば、COD容積負荷が15kg/(m3・日)である高負
荷の厨芥処理においてもCOD除去率80%以上、SS除去率7
0%以上の高い処理効率を実現することができる。この
場合、嫌気槽5内のpHは調整せずとも7.4〜7.7の範囲で
安定して維持されていた。格別の調整をすることなくpH
が上記値に維持されるのは、嫌気槽5内では酸発酵とメ
タン発酵とが同時に進行するため、酸発酵で生成された
酸が生成とほぼ同時にメタン発酵に供されメタン化して
消費され、酸/アルカリ比のバランスを自律的に調整し
ているからと考えられる。
【0017】従って、本発明の目的である「比較的粒度
の大きい高濃度の厨芥を一相式で処理する厨芥の処理方
法」の提供を達成することができる。
の大きい高濃度の厨芥を一相式で処理する厨芥の処理方
法」の提供を達成することができる。
【0018】
【実施例】図1の実施例は、内径80mm、高さ1000mmの嫌
気槽5の中に、長さ600mmの4本のガラス繊維製担体1
を縦向き並列に充填した実験用の厨芥処理装置を示す。
ガラス繊維製担体1として、図4に示すように、繊維径
10μmのガラス繊維をエポキシ樹脂バインダーで結合し
て厚さ0.6mmの不織布とし、この不織布を径30mmで長さ6
00mmの中空円筒2に成形して多孔質周壁3とし、これを
ビニル樹脂製の枠体4に固定したものを用いた。中空筒
体2の径は、小さ過ぎると閉塞するおそれがあり大き過
ぎると菌付着面積が不足するので、多孔質筒壁3の性質
を勘案して適当に選択することができる。
気槽5の中に、長さ600mmの4本のガラス繊維製担体1
を縦向き並列に充填した実験用の厨芥処理装置を示す。
ガラス繊維製担体1として、図4に示すように、繊維径
10μmのガラス繊維をエポキシ樹脂バインダーで結合し
て厚さ0.6mmの不織布とし、この不織布を径30mmで長さ6
00mmの中空円筒2に成形して多孔質周壁3とし、これを
ビニル樹脂製の枠体4に固定したものを用いた。中空筒
体2の径は、小さ過ぎると閉塞するおそれがあり大き過
ぎると菌付着面積が不足するので、多孔質筒壁3の性質
を勘案して適当に選択することができる。
【0019】嫌気槽5の上部からディスポーザー8でス
ラリー状に破砕した高濃度の厨芥Sを送り、処理後の処
理水Eは嫌気槽5の底部から排出した。また嫌気槽5内
部の厨芥が均一になるように、循環水ポンプ6によって
嫌気槽5の底部から上部へ厨芥を戻して循環させた。嫌
気槽5内の分解反応により生成されたメタンガスGは、
必要に応じて脱硫機7で脱硫した後、処理系外へ排出し
た。メタンガスGは嫌気槽5の加熱用燃料その他の用途
に供することができる。
ラリー状に破砕した高濃度の厨芥Sを送り、処理後の処
理水Eは嫌気槽5の底部から排出した。また嫌気槽5内
部の厨芥が均一になるように、循環水ポンプ6によって
嫌気槽5の底部から上部へ厨芥を戻して循環させた。嫌
気槽5内の分解反応により生成されたメタンガスGは、
必要に応じて脱硫機7で脱硫した後、処理系外へ排出し
た。メタンガスGは嫌気槽5の加熱用燃料その他の用途
に供することができる。
【0020】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の厨
芥の処理方法は、酸発酵とメタン発酵とを行なう高温菌
群が付着したガラス繊維製担体を設けた嫌気槽へ破砕後
の厨芥を送り、高温菌群が活性を示す温度で厨芥と高温
菌群とを接触させる構成を用いるので、以下に述べる顕
著な効果を奏する。
芥の処理方法は、酸発酵とメタン発酵とを行なう高温菌
群が付着したガラス繊維製担体を設けた嫌気槽へ破砕後
の厨芥を送り、高温菌群が活性を示す温度で厨芥と高温
菌群とを接触させる構成を用いるので、以下に述べる顕
著な効果を奏する。
【0021】(1)固形物濃度の高い状態の厨芥を直接
に処理するので嫌気槽の小形化が可能であり、従来の希
釈水注入を要する処理に比べて嫌気槽の保温費及び設備
費を削減することができる。 (2)一相式で処理するので、二相式に比しpHの調整が
簡単である。また嫌気槽が1つで済むので、厨芥処理の
設備費を低く抑えることができる。 (3)台所や調理場で用いられるディスポーザーによる
破砕程度の粒度の厨芥処理が可能であるので、破砕度の
高い高価な破砕機を必要とせず、厨芥処理の設備費の低
減が期待できる。 (4)従来の高温菌担体よりも安価なガラス繊維製担体
を使用するので、消耗品費などの運転費を節減すること
ができる。 (5)高い有機物除去率が得られるので残滓が非常に少
ない。また発生したメタンガスを回収してエネルギーと
して利用することができる。
に処理するので嫌気槽の小形化が可能であり、従来の希
釈水注入を要する処理に比べて嫌気槽の保温費及び設備
費を削減することができる。 (2)一相式で処理するので、二相式に比しpHの調整が
簡単である。また嫌気槽が1つで済むので、厨芥処理の
設備費を低く抑えることができる。 (3)台所や調理場で用いられるディスポーザーによる
破砕程度の粒度の厨芥処理が可能であるので、破砕度の
高い高価な破砕機を必要とせず、厨芥処理の設備費の低
減が期待できる。 (4)従来の高温菌担体よりも安価なガラス繊維製担体
を使用するので、消耗品費などの運転費を節減すること
ができる。 (5)高い有機物除去率が得られるので残滓が非常に少
ない。また発生したメタンガスを回収してエネルギーと
して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の一実施例の説明図である。
【図2】は、本発明の厨芥処理結果を示すグラフであ
る。
る。
【図3】は、厨芥の酸発酵処理の結果を示すグラフであ
る。
る。
【図4】は、ガラス繊維製担体の説明図である。
【図5】は、従来の二相式処理方法の説明図である。
1 ガラス繊維製担体 2 中空筒体 3
多孔質周壁 4 枠体 5 嫌気槽 6
循環ポンプ 7 脱硫機 8 ディスポーザー 11
第1槽 12 第2槽 S 厨芥 G
メタンガス E 処理水。
多孔質周壁 4 枠体 5 嫌気槽 6
循環ポンプ 7 脱硫機 8 ディスポーザー 11
第1槽 12 第2槽 S 厨芥 G
メタンガス E 処理水。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12M 1/00 B09B 3/00 C (72)発明者 坂本 育子 東京都調布市飛田給2丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 畑野 玉衣 東京都調布市飛田給2丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 平2−307599(JP,A) 特開 昭58−11100(JP,A) 特開 平4−200700(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】厨芥を破砕し、前記破砕後の厨芥が通過で
きる大きさの中空筒状であって且つ酸発酵とメタン発酵
とを行なう高温菌群が付着したガラス繊維製担体を設け
た嫌気槽へ前記破砕後の厨芥を送り、前記高温菌群が活
性を示す温度で前記破砕後の厨芥と前記高温菌群とを接
触させてなる厨芥の処理方法。 - 【請求項2】 請求項1の処理方法において、前記厨芥
をディスポーザーによってスラリー状に破砕した厨芥と
してなる厨芥の処理方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2の処理方法において、前
記高温菌群と接触する前記厨芥の温度を54゜Cないし56゜C
に保持してなる厨芥の処理方法。 - 【請求項4】 請求項1、2又は3の処理方法におい
て、前記ガラス繊維製担体を樹脂製型枠に保持した中空
筒体のガラス繊維製周壁としてなる厨芥の処理方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP5230534A JP2708087B2 (ja) | 1993-09-16 | 1993-09-16 | 厨芥の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP5230534A JP2708087B2 (ja) | 1993-09-16 | 1993-09-16 | 厨芥の処理方法 |
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---|---|
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Family
ID=16909260
Family Applications (1)
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JP5230534A Expired - Lifetime JP2708087B2 (ja) | 1993-09-16 | 1993-09-16 | 厨芥の処理方法 |
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JP (1) | JP2708087B2 (ja) |
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-
1993
- 1993-09-16 JP JP5230534A patent/JP2708087B2/ja not_active Expired - Lifetime
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