JP2706007B2 - 望遠鏡ドームの換気装置 - Google Patents

望遠鏡ドームの換気装置

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JP2706007B2
JP2706007B2 JP19611191A JP19611191A JP2706007B2 JP 2706007 B2 JP2706007 B2 JP 2706007B2 JP 19611191 A JP19611191 A JP 19611191A JP 19611191 A JP19611191 A JP 19611191A JP 2706007 B2 JP2706007 B2 JP 2706007B2
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泉 三神
昇 伊藤
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、望遠鏡に発生する陽
炎(シーイング)を抑制する望遠鏡ドームの換気装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来は、この種の望遠鏡ドームの換気装
置は存在していなかった。図7は従来の望遠鏡ドームを
示す上面図であり、図において、1は望遠鏡、1aは望
遠鏡1の主鏡、1bは望遠鏡1の副鏡、2は望遠鏡1を
挾むように並設された望遠鏡ドームの側壁、3は望遠鏡
ドームの前方ウィンドスクリーン、4は後方ウィンドス
クリーンである。また、図8は従来の望遠鏡ドームを示
す断面図であり、図において、5は望遠鏡1を支持する
フレーム、6は望遠鏡1の設置台、7は望遠鏡1から発
生するシーイングである。
【0003】次に動作について説明する。図9に示すよ
うな環境下では、望遠鏡1の観測時において、望遠鏡1
の温度と雰囲気温度(望遠鏡1の周囲温度)に差がある
ため、図8に示すように、望遠鏡1にはシーイング7が
発生する。ここで、「シーイング」とは、機器の温度と
の周囲温度の差によって生ずる陽炎をいうが、このシー
イングの発生は望遠鏡1の分解能劣化の原因となるもの
である。従って、高分解能な望遠鏡1を得るためには、
このシーイング7の発生を抑制又はシーイングの除去が
必要である。このシーイング7を除去する方法として
は、望遠鏡1を換気することによってシーイングを吹き
払うものがあり、また、このように換気することによっ
て、望遠鏡1の温度と雰囲気温度の差が小さくなり、シ
ーイング7の発生も減少する。
【0004】従来の望遠鏡ドームでは、図7に示すよう
に、前方から風が吹いてくる場合には、前方ウィンドス
クリーン3から望遠鏡ドーム内に風が取り入られて後方
ウィンドスクリーン4から出ていくため、上記の如くシ
ーイングが風に吹き払われるが、横から風が吹いている
場合には、風が望遠鏡ドームの側壁2に衝突し、望遠鏡
ドーム内に風が取り入られないため、シーイングの除去
ができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の望遠鏡ドームは
以上のように構成されているので、望遠鏡ドームの横か
ら風が吹いてくる場合には、望遠鏡ドーム内に風を取入
れることができないため、シーイングを除去することが
できず、望遠鏡の分解能が劣化するなどの課題があっ
た。
【0006】この発明は上記のような課題を解消するた
めになされたもので、望遠鏡ドームの横から風が吹いて
くる場合でも望遠鏡ドーム内に風を取り入れてシーイン
グを除去することができる望遠鏡ドームの換気装置を得
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る望遠鏡ドームの換気装置は、望遠鏡ドームの一対の側
壁のそれぞれに、望遠鏡の設置位置に対して前方側及び
後方側に窓を開閉自在に取り付け、制御装置にて、風観
測計に観測された望遠鏡ドームの周囲の風向及び風速並
びに回転計に計測された望遠鏡ドームの回転角に基づい
てその各窓の開閉を決定し、その決定に従って各窓の開
閉を制御するものである。
【0008】また、請求項2記載の発明に係る望遠鏡ド
ームの換気装置は、望遠鏡ドームの一対の側壁のそれぞ
れに、望遠鏡の設置位置に対して前方側及び後方側に窓
を開閉自在に取り付け、制御装置にて、風観測計に観測
された望遠鏡ドームの周囲の風向及び風速並びに回転計
に計測された望遠鏡ドームの回転角に基づいてその各窓
の開閉を決定し、その決定に従って各窓の開閉を制御す
るとともに、その各窓のうち開く窓についてはその望遠
鏡ドーム内の風速が予め設定された風速になるように望
遠鏡ドーム内の風速計に観測された風速に基づいてその
窓の開度量を調整するようにしたものである。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明における望遠鏡ドームの換
気装置は、一対の側壁に取り付けられた各窓の開閉を決
定し、その決定に従って各窓の開閉を制御する制御装置
を設けたことにより、望遠鏡ドームの横から風が吹いて
くる場合でも望遠鏡が換気され、望遠鏡に発生するシー
イングが除去される。
【0010】また、請求項2記載の発明における望遠鏡
ドームの換気装置は、一対の側壁に取り付けられた各窓
の開閉を決定し、その決定に従って各窓の開閉を制御す
るとともに、予め設定された風速になるように窓の開度
量を調整する制御装置を設けたことにより、望遠鏡が適
した風速で換気され、望遠鏡に発生するシーイングが除
去される。
【0011】
【実施例】
実施例1.以下、請求項1記載の発明の一実施例を図に
ついて説明する。図1は請求項1記載の一実施例による
望遠鏡ドームの換気装置を示す構成図であり、図におい
て、1は望遠鏡、2は望遠鏡1を挾むように並設された
望遠鏡ドームの一対の側壁、8A・8B・8C・8Dは
一対の側壁2のそれぞれに、望遠鏡1の設置位置に対し
て前方側及び後方側に開閉自在に取り付けられた窓(図
3参照)、9は望遠鏡ドームの周囲の風向θw 及び風速
W を観測する風観測計、10は望遠鏡ドームの回転角
θd を計測する回転計、11は風観測計9に観測された
風向θw 及びVw 並びに回転計10に計測された回転角
θd に基づいて、一対の側壁2に取り付けられた各窓8
A〜8Dの開閉を決定し、その決定に従って各窓8A〜
8Dの開閉を制御する制御装置である。
【0012】次に動作について図5のフローチャートを
用いて説明する。
【0013】まず、ステップST1にて、望遠鏡ドーム
の周囲(ドームの外)の風速Vw を風観測計9で観測
し、風速Vw が所定値(この例では、2m/s)より大
きいか否かを判断する。もし、風速Vw が所定値より小
さいときは、ドーム内に出来るだけ風が取り込まれやす
い条件を作りだす必要があるため、ステップST2に
て、制御装置11が窓8A〜8Dを全開にする。逆に風
速Vw が所定値より大きければ、ステップST3以下の
条件に従う。
【0014】次に、ステップST3にて、ドーム外の風
向θw を風観測計9で観測するとともに、ドームの回転
角θd を回転計10で計測し、その差(θw −θd )か
らドームに相対する風向θを求め(図4参照)、その風
向θが所定角度範囲にあるか否かを判断する。例えば、
風向θが90°であれば所定角度範囲外であると判断さ
れ、ステップST4にて、制御装置11が窓8A〜8D
を全開にする。即ち、風向が90°(所定角度範囲外)
であれば、風が前方ウィンドスクリーン3からドーム内
に取り入れられて後方ウィンドスクリーン4から出てい
くようになるため、各窓8A〜8Dを開けなくともドー
ム内を換気できるからである。逆に風向θが所定角度範
囲内であれば、ステップST5以下の条件に従う。
【0015】次に、ステップST5にて、風向θの値に
基づいて、窓の開閉パターンを決定する。例えば、風向
θが5°であればパターン2が選択される。そして、ス
テップST6にて、選択されたパターンに従って、制御
装置11が各窓8A〜8Dを開閉制御する。
【0016】実施例2.以下、請求項2記載の発明の一
実施例を図について説明する。図2は請求項2記載の一
実施例による望遠鏡ドームの換気装置を示す構成図であ
り、図において、図1と同一符号は同一又は相当部分を
示すので説明を省略する。12は望遠鏡ドーム内に設置
され、その望遠鏡ドーム内の風速Vd を観測する風速
計、13は風観測計9に観測された風向きθw 及び風速
w 並びに回転計10に計測された回転各θd に基づい
て各窓8A〜8Dの開閉を決定し、その決定に従って各
窓8A〜8Dの開閉を制御するとともに、その各窓8A
〜8Dのうち開く窓については望遠鏡ドーム内の風速が
予め設定された風速になるように風速計12に観測され
た風速Vd に基づいてその窓の開度量を調整する制御装
置である。
【0017】次に動作について図6のフローチャートを
用いて説明する。なお、ステップST1からステップS
T6については実施例1で説明した図5と同様であるた
め説明を省略する。
【0018】ステップST7では、ドーム内の風速Vd
が所定値(この例では、2m/s)になるように、窓の
開度量を調整する。即ち、ドーム内の風速Vd が所定値
より大きい場合には、その風によって望遠鏡が揺れてし
まう不具合が生じ、逆に所定値より小さい場合には、十
分にシーイングを除去できないため、窓の開度量を調整
してドーム内の風速を、適した風速にしようとするもの
である。
【0019】具体的に、各窓8A〜8Dの開度量の調整
方法について説明すると、例えば、ステップST5でパ
ターン2が選択されていれば、風速計12で観測された
風速Vd が所定値(2m/s)になるように、その風速
d に基づいて窓8Aの開度量をフィードバック制御す
ることにより調整する。このとき、窓8Cについても開
度量を調整するようにしてもよいが、風の出口側は通常
全開としておく。
【0020】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば風観測計に観測された風向及び風速並びに回転計に
計測された回転角に基づいて、一対の側壁に取り付けら
れた各窓の開閉を決定し、その決定に従って各窓の制御
する制御装置を設けたので、望遠鏡ドームの横から風が
吹いてくる場合でも望遠鏡が換気されるため、望遠鏡に
発生するシーイングを除去することができるなどの効果
がある。
【0021】また、請求項2記載の発明によれば風観測
計に観測された風向及び風速並びに回転計に計測された
回転角に基づいて、一対の側壁に取り付けられた各窓の
開閉を決定し、その決定に従って各窓の開閉を制御する
とともに、その各窓のうち開く窓については望遠鏡ドー
ム内の風速が予め設定された風速になるように風速計に
観測された風速に基づいてその窓の開度量を調整する制
御装置を設けたので、上記請求項1記載の発明の効果に
加え、例えば望遠鏡ドーム内の風速が速すぎて望遠鏡が
揺れてしまう等の不具合が生じても速やかに対処でき、
より精度の高い換気制御ができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の一実施例による望遠鏡ド
ームの換気装置を示す構成図である。
【図2】請求項2記載の発明の一実施例による望遠鏡ド
ームの換気装置を示す構成図である。
【図3】窓を取り付けた望遠鏡ドームを示す上面図であ
る。
【図4】風向を示すベクトル図である。
【図5】図1の望遠鏡ドームの換気装置の動作を示すフ
ローチャートである。
【図6】図2の望遠鏡ドームの換気装置の動作を示すフ
ローチャートである。
【図7】従来の望遠鏡ドームを示す上面図である。
【図8】従来の望遠鏡を示す断面図である。
【図9】望遠鏡の温度と雰囲気温度の特性を示す特性図
である。
【符号の説明】
1 望遠鏡 2 側壁 8A〜8D 窓 9 風観測計 θw 風向 Vw 風速 10 回転計 θd 回転角 11 制御装置 12 風速計 Vd 風速 13 制御装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 望遠鏡を挾むように並設された望遠鏡ド
    ームの一対の側壁と、上記一対の側壁のそれぞれに、該
    望遠鏡の設置位置に対して前方側及び後方側に開閉自在
    に取り付けられた窓と、上記望遠鏡ドームの周囲の風向
    及び風速を観測する風観測計と、上記望遠鏡ドームの回
    転角を計測する回転計と、上記風観測計に観測された風
    向及び風速並びに上記回転計に計測された回転角に基づ
    いて上記各窓の開閉を決定し、その決定に従って各窓の
    開閉を制御する制御装置とを備えた望遠鏡ドームの換気
    装置。
  2. 【請求項2】 望遠鏡を挾むように並設された望遠鏡ド
    ームの一対の側壁と、上記一対の側壁のそれぞれに、該
    望遠鏡の設置位置に対して前方側及び後方側に開閉自在
    に取り付けられた窓と、上記望遠鏡ドームの周囲の風向
    及び風速を観測する風観測計と、上記望遠鏡ドームの回
    転角を計測する回転計と、上記望遠鏡ドーム内に設置さ
    れ、その望遠鏡ドーム内の風速を観測する風速計と、上
    記観測計に観測された風向及び風速並びに上記回転計に
    計測された回転角に基づいて上記各窓の開閉を決定し、
    その決定に従って各窓の開閉を制御するとともに、その
    各窓のうち開く窓については上記望遠鏡ドーム内の風速
    が予め設定された風速になるように上記風速計に観測さ
    れた風速に基づいてその窓の開度量を調整する制御装置
    とを備えた望遠鏡ドームの換気装置。
JP19611191A 1991-07-11 1991-07-11 望遠鏡ドームの換気装置 Expired - Lifetime JP2706007B2 (ja)

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JPH0519178A JPH0519178A (ja) 1993-01-29
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