JP2705643B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JP2705643B2
JP2705643B2 JP7139071A JP13907195A JP2705643B2 JP 2705643 B2 JP2705643 B2 JP 2705643B2 JP 7139071 A JP7139071 A JP 7139071A JP 13907195 A JP13907195 A JP 13907195A JP 2705643 B2 JP2705643 B2 JP 2705643B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波送受波方向を機
械的に変更させながら被検体内に超音波信号を送受波
し、反射信号を用いて被検体の周囲方向または前方扇形
方向または両方の超音波断層像を得る特に、血管のよう
な極めて細い生体の体腔内に挿入可能な超音波診断装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、血管内の狭窄や閉塞などの疾患に
対し、血管内に挿入可能な柔軟性材料、例えば高分子材
料、で構成された中空管先端部に微小超音波振動子を配
置し、外部にある駆動部で発生した回転力によりこの微
小超音波振動子を機械的に2次元走査、または中空管先
端外周部に複数の微小超音波振動子を配置し電子的に2
次元走査させ、中空管軸に対し直交する面の周囲方向の
超音波断層像を得るものがある。また血管の狭窄や閉塞
部の血管内部からの治療法としては、狭窄部位で風船を
膨らますバルーン拡張法(バルーン アンギオプラステ
イ:Balloon Angioplasty)、機械
的に切除する手法(アセレクトミー:Atherect
omy)、ヤグ、CO、エキシマレーザ等の照射による
熱的除去、蒸散法(レーザ アンギオプラステイ:La
ser Angioplasty)、拡張用部品の患部
への放置法(ステンツ:Stents)などがある。
【0003】前述の超音波を用いた診断法は、X線透過
診断法や可視光による血管内視鏡手法に対し、超音波の
有益な特徴の一つである被検体内部の情報取得が可能と
なるため、治療前においては、治療法の選択に対し有用
な情報をもたらし治療効果を向上させることが可能とな
り、治療後では術後経過診断が行え次の治療に対し早期
見極めができるなど極めて有用な診断手法であり注目さ
れている。この血管内部から超音波の送受波を行い診断
する超音波診断装置としては、例えば米国特許5、04
9、130号公報に「システム アンド メソード フ
ォー プレッシャー ファイリング キャセター:SY
STEM AND METHOD FOR PRESS
URE FILLING OF CATHETERS」
として記載されている構成が知られている。
【0004】以下、図51を用いて従来の血管内の2次
元超音波診断装置に関して説明する。図51は、血管内
の2次元超音波断層像を得るための超音波プローブ16
1の断面図である。
【0005】図51において、超音波プローブ161は
先端側162と後端側163に大きく分けられる。先端
側162において、164は柔軟性の例えば高分子材料
で構成された中空構造のカテーテルで、血管内に挿入す
ることを想定した場合その外径は3Fから12F(F:
1/3ミリ)程度の太さにする必要がある。165はカ
テーテル164内に伸延され外部にある図示してない駆
動部で発生した回転力を伝達する可撓性のトルク伝達
軸、166はトルク伝達軸165先端部に固定され一体
に回転され超音波を反射させるミラー、167はミラー
166の反射面、168は軸受部材、169は超音波を
送受波する超音波振動子、170は図示してない外部に
ある送受信部と電気的に接続する信号線、171は薄い
膜からなる音響窓、172はガイドワイヤ、173は伝
搬空間、174は排液口、175は後端側163にある
Y型分岐、176はトルク伝達軸165後端側に固定さ
れた接続部で使用時は図示してない駆動部と接続され
る。177はY型分岐175で分岐された伝搬媒体注入
口である。
【0006】以上のように構成された超音波プローブ1
61について、以下その動作について説明する。
【0007】まず、先端側162を血管内に挿入し目的
とする部位にガイドワイヤ172を挿入させる。その
後、先端側162をガイドワイヤ172に沿うように患
部に挿入させる。先端側162が患部に到達したら、駆
動部で回転力を発生させ接続部176を介しトルク伝達
軸165を回転させる。トルク伝達軸165は、駆動部
で発生した回転力を先端側に伝達させ、結果として軸受
部材168に対しミラー166を回転させる。このよう
にミラー166を回転させている状態で外部にある送信
部で発生させた送信電気信号は信号線170を通し超音
波振動子169に供給される。送信電気信号を受けた超
音波振動子169は、電気信号を超音波に変換し送波さ
せる。
【0008】超音波振動子169から送波された超音波
は、伝搬空間173に充満された伝搬媒体、例えば生理
食塩水内を伝搬しミラー166の反射面167に到達す
る。反射面167に到達した超音波は、送波方向とミラ
ー166の傾斜角に応じた方向に、図では矢印で示した
カテーテル163軸に対して直交する方向に反射され、
血管壁に伝搬する。血管壁に到達した超音波は、血管壁
表面または内部の音響インピーダンスの差から順次反射
され、送波時と逆の経路を伝搬し、超音波振動子169
で受波され電気信号に変換され信号線170を通じ受信
部に転送される。
【0009】この受信信号の取得をミラー166の回転
中に複数回行い、画像構成処理を施し図示してないモニ
タ上に表示することで、超音波断層像を得ることが可能
となる。超音波断層像を構成する上で必要となるミラー
166の走査角情報は、駆動部において、例えばエンコ
ーダを用いることで測定することが可能となる。伝搬媒
体は、後端側163にある伝搬媒体注入口177より伝
搬媒体を注入することでカテーテル164とトルク伝達
軸165との隙間を通り、伝搬空間173内を充満させ
ることが可能となる。ここで余分な伝搬媒体は、排液口
174を介し外に排出される。
【0010】ガイドワイヤ172は、先端側162に固
定されているため使いづらい面があるが、米国特許5、
024、234号公報に記載のモノレール方式などより
実用的なものが知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来構成では、血管軸に対して直交する平面の周囲方向の
断層像しか得られないと言う課題を有していた。特に病
変部位では、血管が細くなっており、このような状態で
上記超音波プローブの先端側を患部まで挿入しようとす
る場合には、先端側の径を更に細くしなければならな
い。
【0012】このような細径化は、各構成要素の縮小化
に通じ、加工が極めて困難になり現実的ではないし、ま
た超音波振動子の小径化に伴う感度劣化も無視できない
ものとなる。
【0013】また、周囲方向走査型では完全閉塞病変に
はまったく適応不可能となる。また、レーザ光を照射す
る治療法での照射位置の決定に従来方式を用いる場合に
は、前述の周囲方向の断層像では有用な情報を得ること
ができないという大きな課題を有していた。
【0014】また別の課題として、超音波断層像を構成
するのに必要となる走査角情報を外部の駆動部により得
る方式では、先端側に位置するミラーの走査形態と異な
るという課題を有していた。
【0015】即ち、複雑な形状である血管に柔軟に対応
させるため、トルク伝達軸はトルク伝達性を犠牲にし可
撓性を持たせる必要があり、このため駆動部で発生した
回転力がトルク伝達軸で吸収され、先端側に精度良く伝
達できない。
【0016】よって、実際の走査形態と超音波断層像の
関係がずれるといういわゆる画像歪が生じてしまう。
【0017】この場合、先端側に例えばエンコーダのよ
うな角度測定器を配置させれば解決する問題であるが、
超音波プローブの大きさが制限されているため、先端側
の径の増加を許容しないで角度測定器を構成することは
極めて困難である。
【0018】また、別の走査角情報取得法の構成として
は米国特許US5、054、492号に開示されている
マーカがあるが、貴重なる画像領域を制限してしまい、
有用な方式とはいえない。
【0019】更に、従来例で開示されているトルク伝達
軸に関しては、適応しようとする血管形状の特性、例え
ば冠状動脈に挿入する場合は先端側ほど可撓性を必要と
する等、を利用し、回転安定性を向上させようとする思
想がなく、回転安定性が良くないという課題を有してい
た。
【0020】また、超音波診断法において有益な情報の
一つは、得られた超音波断層像から生体の音速や反射信
号の送信電気信号からの時間差により計算することが可
能な距離情報が有り、本超音波診断装置においても通常
の超音波診断装置で用いられているいわゆるキャリパ機
能を応用できるが、トルク伝達軸の特性により容易に画
像歪を引き起こすこのような装置では、計算結果に対し
信頼性が良くないと言う課題を有していた。
【0021】更に、このような装置に用いられる超音波
振動子は、形状が極めて小さくなり、感度等の特性が悪
いという課題を有していた。
【0022】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、血管のような極めて複雑な形状かつ細径の体腔内か
ら優れた超音波断層像を得る超音波診断装置を提供する
ことを目的とする。
【0023】
【0024】
【0025】
【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するため
に、本発明は、 超音波プローブと本体部とを有する超音
波診断装置であって、前記本体部は、前記超音波プロー
ブに伝達される回転力を発生する駆動部を有し、前記超
音波プローブは、超音波振動子と、前記超音波振動子の
送波方向を前記回転力を用いて走査する走査機構と、前
記駆動部と前記走査機構との間に接続されかつ素線の側
面に突起部または切り込み部を任意の間隔毎に設け、複
数の角線形状の素線を並列に配置した状態で外層を構成
した多層スプリング構造であるトルク伝達軸と、前記ト
ルク伝達軸を内包した可撓性の中空細管であるカテーテ
ルとを有し、前記超音波プローブは、体腔細管に挿入可
能である超音波診断装置である
【0026】そして、以上の構成において、更に、超音
波プローブの中間部分に位置されて、カテーテルの先端
側と後端側を固定し、信号線または伝搬媒体を通過させ
る微小ルーメンが形成され、中空部にトルク伝達軸を通
過させた中間軸受を有していてもよい。
【0027】また、超音波プローブは、更に、カテーテ
ルの先端側に固定された中空構造のシャフトと、前記シ
ャフトに固定された摩擦係数の小さいフッ素系樹脂で構
成された中空構造の軸受と、前記シャフトおよび軸受の
中空構造の部分に挿入された第1の回転軸と、前記第1
の回転軸の先端側に固定され内部に周囲方向用超音波振
動子と超音波反射ミラーを対向させて設置させ超音波出
射側に開口を持つ円管構造の回転子と、前記回転子の先
端側に固定された偏心軸と、後端側の溝に前記偏心軸が
挿入されピボットシャフトにより動作方向が前方扇形走
査に制限される振動子ホルダと、前記振動子ホルダに内
包される前方方向用超音波振動子と、前記ピボットシャ
フトを固定するための軸受に固定されたキャップと、少
なくとも前記シャフトより先端側にかぶせられた保護膜
と、前記第1の回転軸の後端側に固定され本体部で発生
した回転力を伝達するための可撓性を有する多層スプリ
ング構造のトルク伝達軸と、前記カテーテルのルーメン
を通り電気的に前記前方方向用超音波振動子に接続され
た第1の信号線と、前記トルク伝達軸内を通り電気的に
前記周囲方向用超音波振動子に接続された第2の信号線
と、前記カテーテルの後端側の2つの分岐部の一方に対
応し前記トルク伝達軸の後端側に接続されたプローブ側
コネクタと、前記プローブ側コネクタと前記本体部間の
オイルシール材と、前記カテーテルの後端側の2つの分
岐部の他方である伝搬媒体注入口との構成要素を含み、
本体部は、更に、前記超音波プローブに設けられたプロ
ーブ側コネクタに勘合するように設けられた本体側コネ
クタと、前記第2の信号線と電気的に接続された信号コ
ンタクト部と、前記本体側コネクタに接続された第2の
回転軸と、前記第2の回転軸を回転させるモータと、前
記モータの回転状態を検出する位置検出器と、前記信号
コンタクト部に接続された周囲方向用送受信部と、前記
周囲方向用送受信部に接続された周囲方向用画像構成部
と、前記第1の信号線に接続された前方方向用送受信部
と、前記前方方向用送受信部に接続された前方方向用画
像構成部と、前記周囲方向用画像構成部と前記前方方向
用画像構成部に接続された画像メモリ部と、前記画像メ
モリ部に接続されたモニタと、指令を入力するオペレー
ション部と、前記オペレーション部に接続され少なくと
も前記本体部の電気的タイミング信号、画像静止制御お
よび/または画像構成に必要なデータを発生する制御部
との構成要素を含む構成であってもよい。
【0028】この場合、画像メモリ部に接続されたプリ
画像メモリ部と、前記プリ画像メモリ部と前記画像メモ
リ部に接続され制御部に出力が接続された相関比較部
と、前記制御部に接続された距離計算部を備え、相関比
較部の結果によりオペレーション部からの画像静止指令
を無視する機能を制御部に持たせた構成でもよい。
【0029】または、本体側コネクタに孔を設け、前記
孔に球およびスプリングを挿入してスプリング押さえで
固定し、プローブ側コネクタに前記球に勘合するヘコミ
と溝とを設けた構成であってもよい。
【0030】または、周囲方向用超音波振動子および前
方方向用超音波振動子の少なくとも一方を、電極、高分
子圧電膜、電極、圧電素子、電極および背面負荷材を順
次積層した多層構造とし、前記高分子圧電膜の表面の電
極を中心軸に対し対称な形状で複数に分割し、前記分割
された複数の電極に対応して前記高分子圧電膜の分極方
向を中心軸に対し対称になるように反転させ、前記圧電
素子で送波し前記高分子圧電膜で受波させて差動方式の
受信を行う構成であってもよい。
【0031】
【作用】本発明は、上記構成によって、駆動部で発生し
た回転力がトルク伝達軸を介し超音波プローブ先端部の
回転子を軸受に対し回転させ、かつ回転子先端側に設け
られた偏心軸を中心軸に対して回転させる。
【0032】振動子ホルダは、この偏心軸の回転動作の
内上下動作のみを選択的に取り出し、ピボットシャフト
を中心に振動子ホルダを扇形走査させる。
【0033】この動作中に、周囲方向用超音波振動子を
送受波させることで周囲方向の超音波断層像を、また前
方方向用超音波振動子を送受波させることで前方扇形方
向の超音波断層像が、一方または同時に取得され表示さ
れる。
【0034】また、位置検出用圧電振動子により、トル
ク伝達軸の特性による伝達力の位相遅れに影響すること
なく、振動子ホルダの位置を同定することができ、実際
の状態と整合した超音波断層像を取得し表示する。
【0035】また、適応する患部、例えば大動脈から冠
状動脈、の特性に対し、トルク伝達軸の後端側の層数が
先端側に対して内側部分で多い構成にし、後端側では伝
達性を高め、先端側では柔軟性を高めた特性を持たせる
ことにより、患部の形状に対し適するトルク伝達軸を構
成することができ、駆動部で発生した回転力を精度良く
超音波プローブの先端部に伝達する。
【0036】また、トルク伝達軸の形を後端側に対して
先端側を細くすることで、後端側では伝達性を高め、先
端側では柔軟性を高めた特性を持たせ、患部の形状に対
し適するトルク伝達軸を構成し、駆動部で発生した回転
力を精度良く超音波プローブの先端部に伝達する。
【0037】また、トルク伝達軸の最外層に隙間を持た
せるようにし、その隙間を構成する素線の側面に突起部
また切り込み部を構成することで、後端側から注入した
伝搬媒体が、トルク伝達軸の回転にともない、前記突起
部または切り込み部により発生する水流により先端側に
伝搬媒体を送られる。
【0038】また、カテーテルの途中に中空構造の中間
軸受を設け、その中空部にトルク伝達軸を設けると共
に、先端部のカテーテルと後端部カテーテルを接続し、
この軸受部に設けられて微小ルーメン中に超音波振動子
と本体部とを電気的に接続する信号線を通すことで、回
転中にカテーテル内壁とトルク伝達軸との空隙で生じる
トルク伝達軸の捻れや振動による伝達性の劣化を防ぎ、
駆動部で発生した回転力を精度良く超音波プローブの先
端部に伝達する。
【0039】また、本体部の画像メモリ部にプリ画像メ
モリ部を接続し、プリ画像メモリ部に記憶してある画像
が、画像メモリ部に記憶されている画像に対して過去の
画像であるように制御部が制御し、画像メモリ部とプリ
画像メモリ部に接続された相関比較部において、両画像
の一部または全部から相関関係を計算し、設定したスレ
ッシュホールド値に対して両画像が異なると判断した場
合に、制御部が画像静止機能を無視することで、トルク
伝達軸の特性による画像歪を自動的に検出し誤診断を低
減する。
【0040】また、超音波プローブ後端側と本体部の駆
動部との接続において、トルク伝達軸後端側に固定され
球形のヘコミを有するプローブ側コネクタと、駆動部に
設けられた前記接続部のヘコミに勘合し一定の応力で押
し付ける球を持つ本体側コネクタを設けることで、駆動
部で発生する回転力をヘコミとコンタクト部によりトル
ク伝達軸の伝達すると共に、トルク伝達軸が何等かの異
常で回転不可能になった時には、球を押し付ける応力に
応じた力以上の回転力が発生した場合に、ヘコミと球が
外れ、トルク伝達軸に駆動部で発生する回転力を伝達さ
せない。
【0041】また、超音波プローブ先端側に配置された
周囲方向用超音波振動子、前方方向用超音波振動子の一
方または両方を、背面負荷材、圧電セラミックまたは圧
電結晶、高分子圧電膜の多層構造で構成し、送波時には
圧電セラミックまたは圧電結晶を使用し、受波時は中心
軸に対し対称形状で分極方向を逆にしてある高分子圧電
膜を使用することで、受信感度特性の優れた高分子圧電
材料で受波できると共に、差動型の受信によりランダム
ノイズを低減でき、S/Nを向上する。
【0042】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0043】図1は本発明の第1の実施例における超音
波診断装置の概略ブロック図である。
【0044】図1において、1は被検体である例えば血
管内に挿入する超音波プローブ、2は本体部で、本発明
の超音波診断装置は大きく、超音波プローブ1、本体部
2に分けられる。3は超音波プローブ2の先端側、4は
後端側,5は駆動力を発生するモータや位置検出器から
なる駆動部、6は駆動部5に接続された周囲方向用送受
信部、7は周囲方向送受信部に接続された周囲方向用画
像構成部、8は駆動部5に接続された前方方向用送受信
部、9は前方方向用送受信部に接続された前方方向用画
像構成部、10は周囲方向用画像構成部7と前方方向用
画像構成部9に接続された画像メモリ部、11は画像メ
モリ部10に接続された超音波断層像を表示するモニ
タ、12は各種制御指令を入力するキーボードやマウス
またはスイッチからなるオペレータ部、13はオペレー
タ部12に接続された制御部、14は制御部13に接続
された距離計算部、15は血管等の被検管であり、駆動
部5、周囲方向送受信部6、周囲方向画像構成部7、前
方方向用送受信部9、前方方向用画像構成部10、画像
メモリ部11、オペレータ部12、制御部13、距離計
算部14により本体部2は構成されている。
【0045】図2(a)は図1における超音波プローブ
1の先端側3の透視図、図2(b)は同2B線の断面図
である。
【0046】図2において、15は可撓性を有する中空
管構造(例えばポリエチレン、テフロン、ナイロン等の
高分子系樹脂)で構成されたカテーテル、16はカテー
テル15先端側に固定された中空構造のシャフト、17
はシャフト16中空部分に差し込まれた中空構造の軸
受、18は本体部2内の駆動部5で発生した回転力を先
端側3まで伝達させる多層スプリング構造の可撓性を有
するトルク伝達軸、19は軸受17中空部に挿入されト
ルク伝達軸18先端に固定された回転軸、20は回転軸
19先端側に固定され音波出射方向が開口された円筒形
状の回転子、21は回転子20内に配置され音波出射方
向が超音波プローブ1軸方向である周囲方向用超音波振
動子、22は回転子20内の周囲方向用超音波振動子2
1と対向し周囲方向用超音波振動子21から送波された
超音波が回転子20の開口された方向に反射するような
反射角度、例えば45゜に反射面が構成されたミラー、
23は回転子20先端側に一体成形、または挿入された
偏心軸、24は偏心軸23との接触面に勘合する溝59
をもつ振動子ホルダ、25は振動子ホルダ24の扇形走
査中心軸を持ち軸受17に梁27で接続固定されたキャ
ップ、26はキャップ25前面に設けられた前方方向用
超音波の音響窓、28は振動子ホルダ24に固定された
前方方向用超音波振動子、29は振動子ホルダ24の扇
形走査中心軸であるピボットシャフト、30は先端側3
の少なくともシャフト16より先端側にかぶせられた保
護膜、31は保護膜30の内側に構成された空隙部、3
2はカテーテル15肉厚部に構成された複数のルーメ
ン、33はルーメン32内に配置された前方方向用超音
波振動子28用信号線、34はトルク伝達軸内側に配置
された周囲方向用超音波振動子21用信号線である。
【0047】図3は、図1における超音波プローブ1の
後端側4と本体部6の駆動部5との接続部分の透視図で
ある。
【0048】図3において、35はY字型に分岐したカ
テーテル15のトルク伝達軸18の内包されたない分岐
側で伝搬媒体注入口、36はプローブ側取付部、37は
駆動部5に固定された本体側取付部、38はトルク伝達
軸18に接続固定されたプローブ側コネクタ、39はプ
ローブ側コネクタ38に勘合し回転力を伝達する本体側
コネクタ、40はモータ、41はモータ40の回転形態
を得るため例えばエンコーダからなる位置検出器、42
はモータ40の回転軸に接続された第1のプーリ、43
は本体側コネクタ39を回転させる第2の回転軸、44
は第2の回転軸43に接続された第2のプーリ、45は
第1のプーリ42の回転力を第2のプーリ44に伝達さ
せる駆動ベルト、46は第2の回転軸43に設けられた
いわゆるスリップリング方式の信号コンタクト部、47
本体側取付部37内の設けられ超音波プローブ内に充満
している伝搬媒体が駆動部5内に流入してくるのを防止
するオイルシール材である。
【0049】図4は、超音波プローブ1を冠状動脈に挿
入した時の様子を示す透視図である。
【0050】図4において、48は心臓、49は大動
脈、50は冠状動脈、51は冠状動脈内の病変部である
狭窄部、52はガイドカテーテルである。
【0051】以上のように構成された超音波診断装置に
関し、図1から図4、更には図4から図7を用いその動
作を説明する。
【0052】まず、ガイドカテーテル52を大動脈から
挿入し冠状動脈50の入り口に引っかけ固定する。この
ガイドカテーテル52内に超音波プローブ1を挿入し、
超音波プローブ1を冠状動脈内に挿入する。このように
ガイドカテーテル52を用いることで、安全かつ迅速に
超音波プローブ1または治療用カテーテルを患部に配置
させることが可能となる。
【0053】患部近傍に先端部3が位置したら、オペレ
ータ部12より制御部13を介し、駆動部5内のモータ
40を駆動させる。モータ40の回転力は、第1のプー
リ42、駆動ベルト45、第2のプーリ44、第2の回
転軸43を回転させる。後端側4は治療前に、プローブ
側取付部36と本体側取付部37を用い接続され、本体
側コネクタ39とプローブ側コネクタ38で第2の回転
軸43の回転力はトルク伝達軸18に伝達される。ま
た、カテーテル15内は伝搬媒体、例えば生理食塩水
を、伝搬媒体注入口35より注入され、先端側3の空隙
部31内に充満されている。
【0054】トルク伝達軸18に伝達された回転力は、
先端側3内部のカテーテル15にシャフト16と共に固
定された軸受17に対し、回転軸19、回転子20を回
転させる。軸受17は、ボールベアリングやロットベア
リングなどが望ましいが、冠状動脈50に先端側3を挿
入させる場合にはカテーテル15外径を9F(F:1/
3ミリ)以下、更に望めば6F以下にする必要があり、
このような小さな形状のベアリングを構成することは非
常に困難である。従って軸受17は、摩擦係数の小さな
フッ素系のプラスチック材料等を用いて構成する。
【0055】回転子20が回転している間に、周囲方向
用送受信部6で送信電気信号を発生し信号線34を介し
周囲方向超音波振動子21に伝え、周囲方向超音波振動
子21で電気信号を超音波に変換する。周囲方向超音波
振動子21は、図5に示すような構成からなる。
【0056】図5は超音波振動子の断面図であり、超音
波振動子は背面負荷材53、電極55、56に挟まれた
圧電セラミックまたは圧電結晶または高分子圧電膜で形
成された圧電素子54、想定する超音波の周波数に対し
1/4λ厚みの複数の層からなる音響整合層57と、電
極55、56に接続された信号線58から構成されてい
る。音響整合層57は、圧電素子56で発生した超音波
を効率良く伝搬媒体中に送受波させることを目的に、通
常圧電素子56と伝搬媒体との中間の音響インピーダン
スを持つ材料で構成される。
【0057】周囲方向超音波振動子21で送波されて超
音波は、空隙部31内に充満された伝搬媒体内を伝播
し、ミラー22により図2に示した超音波プローブ1軸
に直交する方向に反射され回転子20の開口より保護膜
30を透過し、血管壁方向に送波される。保護膜30
は、超音波に対し反射物体にならないように、薄く音響
インピーダンスが伝搬媒体や血液に近く、減衰の少ない
材料、例えばポリエチレンやシリコン等で構成されてい
る。信号線34は、駆動部5内の信号コンタクト部46
で回転に対し捻れることなく周囲方向用送受信部と接続
されている。
【0058】血管壁方向に送波された超音波は、血管壁
表面や内部で順次反射されその一部は送波と同じ伝搬経
路を辿り、周囲方向超音波振動子21で受波され周囲方
向用送受信部6で所望の処理、例えば増幅、検波等を受
け、その出力は周囲方向用画像構成部7に出力される。
この送受波動作を回転子20の回転中に繰り返し行うこ
とで周囲方向の走査が可能となる。位置検出器41の出
力を用い、いわゆる通常の超音波診断装置で構成されて
いるデジタルスキャンコンバージョン手法により周囲方
向の画像を構成し、画像メモリ部10に記憶させ、モニ
タ11に表示する。
【0059】一方、トルク伝達軸18で回転されて回転
子20は、その先端に位置する偏心軸23を回転させ、
偏心軸23をはさみ込む溝59を有する振動子ホルダ2
4をピボットシャフト29に対して扇形走査させる。こ
の動作をより詳細に図6を用い説明する。
【0060】図6は、偏心軸23と振動子ホルダ24を
拡大した斜視図で、実際には偏心軸23は、振動子ホル
ダ24に構成された溝59に挿入され、振動子ホルダ2
4はピボットシャフト29により図示してないキャップ
25に固定される。偏心軸23は、矢印に示すように回
転され、溝59およびピボットシャフト29によりこの
回転動作の内図6の上下方向だけの動きを抜き出し、振
動子ホルダ24を扇形走査させ、振動子ホルダ24先端
に固定されて前方方向用超音波振動子28から送波され
る超音波を2次元走査させる。この扇形走査時に、周囲
方向の断層像の取得と同等の処理を、前方方向用送受信
部8、前方方向用画像構成部9で行うことにより、先端
側3に対し前方の扇形走査用断層像を画像メモリ10に
記憶させモニタ11に表示することができる。信号線3
2は、カテーテル15とトルク伝達軸18の間に配置し
ても良い。
【0061】この扇形走査は、偏心軸23の回転を振動
子ホルダ24の溝59で接触しながら行うため、偏心軸
23と溝59との接触部での摩擦抵抗が、扇形走査の精
度を左右する。従って偏心軸23と振動子ホルダ24の
両方または、一方を摩擦抵抗の少ない例えばフッ素系樹
脂材で構成しても良い。
【0062】また図7(a)に示すように、偏心軸23
に対し中心軸に孔を設け、円筒状の回動軸受60をピン
61で、偏心軸23に対し回動軸受60が回転するよう
に圧入または接着することで、図7(b)に示すように
振動子ホルダ24の溝59内で回動軸受60が回転しな
がら偏心軸23が回転され、より滑らかな走査変換が可
能となる構成としても良い。
【0063】なお、周囲方向と前方扇形走査方向の2種
類の断層像の取得表示は制御部13により容易に、同時
またはどちらか一方の制御が可能である。更に、制御部
13より画像静止機能、いわゆるフリーズ機能を働か
せ、静止画像に対し距離計算部14で例えば血管壁厚み
を測定した定量評価値も超音波断層像から得られる形態
診断と合わせて重要な情報となる。
【0064】以上のように先端側3の周囲方向、前方扇
形走査方向の超音波断層像を判断しながら、操作者は超
音波プローブ1を患部である狭窄部51に対し移動させ
種々の断層像を得、例えば治療手法の選択に必要な情報
を得ることで、治療効果を向上させることが可能とな
る。よって、周囲方向走査のみの超音波プローブ1で
は、不可能であった完全閉塞や、非常に細い狭窄部の診
断も前方方向用超音波振動子28で行える。
【0065】従って、以上の構成により、周囲方向用超
音波振動子21とミラー22を対向させ一体に回転させ
る回転子20で周囲方向の周囲方向超音波断層像を、キ
ャップ25の梁27による画像取得不可能領域を多少有
するものの得ることができ、同時にその欠点を補うに十
分な回転子20の先端に固定された偏心軸23と振動子
ホルダ24およびピボットシャフト29により前方扇形
走査方向の超音波断層像を得ることができることにな
る。
【0066】さて、次に、図8は、超音波プローブ1の
先端側3の断面図、図9は同偏心軸23と振動子ホルダ
24の拡大断面図であり、そのより好適な構成を開示し
ている。
【0067】図8において、20は回転子、21は周囲
方向用超音波振動子、22はミラー、23は回転子20
先端側に設けられた偏心軸、24は振動子ホルダ、25
はキャップ、28は前方方向用超音波振動子、29はピ
ボットシャフト、30は保護膜、62は偏心軸23に挿
入された回動軸受、61はピンである。
【0068】そして、図9に示すように、回動軸受62
は図7に示した回動軸受62に対して外形が球面形状し
たもので、摩擦係数の小さいフッ素系樹脂材料で構成す
ることが望ましい。
【0069】図1から図7までに示した偏心軸23と振
動子ホルダ24の関係による前方扇形走査方向走査にお
いては、走査角の変化に対し偏心軸23と振動子ホルダ
24との接触位置が変わることと、走査角が0゜近傍で
偏心軸23と振動子ホルダ24との間に生じる隙間が最
大となり、走査角が正確に同定できないと言う現象が存
在する。
【0070】図10に示す実施例1における偏心軸23
と振動子ホルダ24との各走査状態での位置関係を示す
概念図を用い説明すると、図10(a)に示すように、
走査角度がθ(min)の最小値では、偏心軸23と振
動子ホルダ24とがA点で接触しているのに、同図
(b)に示す走査角度がθ(max)の最大値では接触
点がB点に変化する。
【0071】この変化は、走査角度が0゜(接触点が変
化する走査角度)で、走査状態が変化することを示し、
前方扇形走査方向の超音波断層像を取得するのに、具体
的には走査角度を同定するのにはあまり望ましくない特
性である。
【0072】また、図11(a)に示すように走査角度
0゜近傍での偏心軸23と振動子ホルダ24との隙間6
3は最大になり、偏心軸23と振動子ホルダ24は同図
(b)に示すような走査角度θ1か、同図(c)に示す
ような走査角度θ2になる2つの場合が存在する。これ
らの原因は、偏心軸23が円筒形状をしていること、振
動子ホルダ24の溝59の偏心軸23側から見た見かけ
上の幅が、走査角度に依存して変化することによる。
【0073】取得する超音波断層像に対する要求として
それほど高精度なものを要求しないなら、冠状動脈50
に挿入可能な微細な先端側3に内包する要素として偏心
軸23が円筒形状である構成は、加工の面から容易であ
るという利点を有するが、公精度な断層像が要求される
ので有れば、改善が必要である。
【0074】以下、図8と図9を用いその動作について
説明する。まず、トルク伝達軸18で回転された回転子
20は、その先端に位置する偏心軸23を回転させ、偏
心軸23をはさみ込む溝を有する振動子ホルダ24をピ
ボットシャフト29に対して扇形走査させる。偏心軸2
3には、外形が球面形状でその直径が溝59幅と等しい
か小さい回動軸受62がピン61により脱落しないよう
にかつ回動軸受62は偏心軸23に対し回転可能状態に
止めてある。
【0075】よって、振動子ホルダ24の溝59に挟み
込まれた偏心軸23は、回動軸受62を回転させながら
動作するため、容易に振動子ホルダ24を扇形走査させ
ることが可能となる。
【0076】また、回動軸受62の外形が球面形状して
いるため走査角度の変化に対しても、ほぼ一定の部分で
偏心軸23と溝59が常に接触し、安定した走査形態を
得ることが可能となる。
【0077】そして、扇形走査時に、前方方向用送受信
部8、前方方向用画像構成部9で超音波の送受波と画像
構成を行うことにより、先端側3に対し前方の扇形走査
方向断層像を画像メモリ10に記憶させ、モニタ11に
表示することができる。
【0078】次に、図12に安定した前方扇形走査方向
走査形態を示す別な構成を示す。図12は、第2の実施
例における超音波プローブ1先端側3の別な構成の断面
図である。
【0079】図12において20は回転子、21は周囲
方向用超音波振動子、22はミラー、23は偏心軸、2
4は振動子ホルダ、25はキャップ、28は前方方向用
超音波振動子、29はピボットシャフト、30は保護
膜、64は振動子ホルダ24後端側に設けられた接触部
位が球形の接触子、65は接触子64が常に偏心軸64
に接触するように設けられたバネである。
【0080】以上のような構成におけるその動作を以下
に説明する。振動子ホルダ24はバネ65によりその後
端部に固定された接触子64が常に偏心軸23に接触す
るように制限され、前方に対し前方方向用超音波振動子
28を接触子64、バネ65、偏心軸23できまる方向
に向ける。
【0081】そして、トルク伝達軸18で回転された回
転子20は、その先端に位置する偏心軸23を回転さ
せ、接触子64を図12(a)の上下方向に動作させ、
振動子ホルダ24を扇形走査させることになる。
【0082】なお、所望の走査形態、例えば滑らかな変
化を得るため、偏心軸23の断面形状を図12(b)に
示すように非円形の形状にしてもかまわない。
【0083】よって、図8から図12に示す構成を付加
することにより、偏心軸23に挿入された球面形状回動
軸受62を、ピン61で回動可能に止めることで、トル
ク伝達軸18の回転による走査角度の変化に対しても、
ほぼ一定の部分で偏心軸23(回動軸受62)と溝59
が常に接触し、高精度な超音波断層像の取得表示にに対
して、安定した走査形態を得ることが可能となる。
【0084】次に、図13は、超音波プローブ1の先端
側3の断面図を示し、図13において、24は振動子ホ
ルダ、25はキャップ、26は音響窓、28は前方方向
用超音波振動子、29はピボットシャフト、30は保護
膜、66は位置検出センサ、67は位置検出センサに接
続された信号線、68は位置検出センサ66をキャップ
25内側に固定し保護するための絶縁材料からなるコー
ト材である。
【0085】図13の構成は位置検出センサ66が付加
されたもので、この位置検出センサ66は、振動子ホル
ダ24の走査に伴い走査角度が最大になる時点で、振動
子ホルダ24後端部が接触するキャップ25内側にコー
ト材68で固定されている。
【0086】そして、図14は、位置検出センサ66が
付加された本体部2の構成を示したもので、記載されて
ない部分に関しては、図1に示した構成と同様である。
【0087】図14において、69は位置検出部、70
は駆動部5に接続され信号線67に電気的に接続された
受信部、71はスレッシュホールド値発生部、72はス
レッシュホールド値発生部と受信部69に接続された比
較部、73は比較部72に接続された位置検出信号発生
部で、受信部70、スレッシュホールド値発生部71、
比較部72、位置検出信号発生部73で位置検出部69
は構成されている。
【0088】図1から図12までを用いて説明した前方
扇形走査方向型超音波断層像の取得表示において、前方
方向用超音波振動子28の走査角度の測定は、駆動部5
内のモータ40に接続された、例えばエンコーダからな
る位置検出器41で行っている。
【0089】しかし、トルク伝達軸18は可撓性を有す
る多層スプリング構造であるため、モータ40で発生し
た回転力を先端側3に伝達するした場合、駆動部5側と
先端側3で位相遅れを生じる。
【0090】この位相遅れが、常に一定であるならこの
値で補正することで前方方向用超音波振動子28の走査
角度を同定することが可能であるが、超音波プローブ1
の状態を変化させる、例えばより複雑な形状の被検管に
挿入した場合など、この位相遅れも変化していまい、前
述の補正を用いることが不可能となり、モニタ11に表
示した前方扇形走査方向型超音波断層像は実際のものと
異なる。
【0091】この変化は、トルク伝達軸18の特性に依
存する。トルク伝達軸18の特性とは、前述の可撓性と
伝達性で、多層スプリング構造の場合、可撓性を持たす
と伝達性が犠牲になり、また逆に伝達性を増加させるこ
とで可撓性が低下する。
【0092】即ち、位相遅れが生じないように、または
生じにくくするためにトルク伝達軸18の伝達性を増加
させると、可撓性が低下し複雑な、例えば冠状動脈50
に柔軟に対応できなくなるため、ある程度伝達性を犠牲
にする必要がある。
【0093】以下、図13と14を用い、その動作を説
明する。まず、振動子ホルダ24は、図1から図12ま
でで説明したように扇形走査され、1回の扇形走査で、
振動子ホルダ24後端部が位置検出センサ66に1回接
触する。
【0094】位置検出センサ66は、接触による衝撃を
応答性良く電気信号に変換するもので、例えば圧電性材
料で構成されている。
【0095】この圧電性材料としては、強誘電体のセラ
ミック材を分極処理したものでは衝撃に弱く破壊される
可能性があり、対衝撃性が優れ柔軟に形状を変化でき微
小に構成できる、例えばPVDFやPVDF共重合体等
の圧電性を有する高分子圧電材料で構成されている。
【0096】図15に位置検出センサ66の詳細構造を
示す。図15において、74は高分子圧電材料、75は
高分子圧電材料の両面に設けられている電極で、2本の
信号線67は、表面、裏面に形成されて電極75にそれ
ぞれ電気的に接続されている。位置検出センサ66のキ
ャップ25内側面への固定は、エポキシ樹脂等の絶縁性
を有する接着性の材料を塗布またはコーティングさせた
コート材68で可能となる。
【0097】なお、キャップ25が金属のような導電性
材料である場合には、コート材68で位置検出センサ6
6との絶縁を行う必要がある。
【0098】位置検出センサ66は、振動子ホルダ24
との接触により、衝撃に応じ、電気的パルス信号を発生
する。
【0099】図16に位置検出センサ66の出力の一例
を示す。図16(a)に示すように、位置検出センサ6
6は、扇形走査に回数に応じ1回のパルス信号を発生す
る。
【0100】この出力は信号線67を介し、駆動部5よ
り位置検出部69の受信部70に入力される。一方、受
信部70では、このパルス信号を用い図16(b)に示
すように受信部70の出力である包絡線検波波形を、ス
レッシュホールド値発生部71で生成したスレッシュホ
ールド値と比較部72で比較し、位置信号発生部73で
図16(c)に示すような位置検出センサ66と振動子
ホルダ24の接触に伴う衝撃に対する位置信号を発生
し、制御部13に出力する。
【0101】そして、制御部13では、この位置検出信
号を基に、各種タイミング信号を生成し、周囲方向用送
受信部6、周囲方向用画像構成部7、前方方向用送受信
部8、前方方向用画像構成部9、画像メモリ部10に出
力する。
【0102】但し、前方扇形走査方向超音波断層像を構
成する場合には、前方方向用超音波振動子28の送信毎
の走査角度情報があればより正確な画像を構成できる
が、トルク伝達軸18の回転が1回転中ではほぼ一定速
度と仮定できることから上記のような基準位置での位置
信号だけでも、画像構成は可能となる。
【0103】なお、この位置信号は、前方扇形走査方向
超音波断層像の構成だけでなく、周囲方向用超音波断層
像の構成にも用いることが可能である。
【0104】よって、以上のように、振動子ホルダ24
後端部が接触するキャップ25内側にコート材68で位
置検出センサ66を固定し、接触による衝撃に応じた出
力より、比較部72でスレッシュホールド値発生部71
で発生したスレッシュホールド値と比較し位置検出信号
発生部73で位置信号を発生することで、超音波プロー
ブ1の状態変化に対するトルク伝達軸18の位相遅れに
影響せず、振動子ホルダ24の基準位置を得ることがで
き、高精度な画像を構成することができる。
【0105】次に、位置検出センサ66を用いた場合
の、他の本体部2の構成例について説明をする。
【0106】この場合も、超音波プローブ1は図13に
示すものと同じ構成要素からなる。
【0107】但し、位置検出センサ66は、振動子ホル
ダ24の走査に伴い走査角度が最大になる時点で、振動
子ホルダ24後端部が接触するのではなく、走査角度が
最大になる時点で、振動子ホルダ24後端部が接触しな
いようにキャップ25内側にコート材68で固定されて
いる。
【0108】図17は、本体部2における具体的構成を
示したもので、記載されてない部分に関しては、図1に
示した実施例1の本体部2と同様である。
【0109】図17において、76は位置検出部、77
はタンミング信号発生部、78はタイミング信号発生部
77に接続された送受信部、79は送受信部78に接続
された検波部、80は検波部79に接続されたパルス生
成器、81はパルス生成器80に接続されたカウンタ
部、82は基準値生成部、83はカウンタ部81と基準
値生成部82に接続された比較部、84はタイミング信
号発生部77に接続された基準ゲート発生部、85は基
準ゲート発生部84で発生したゲート信号により、比較
部83の出力を一時保持するラッチで出力は、制御部1
3に接続される。
【0110】また、タイミング信号発生部77、送受信
部78、検波部79、パルス生成器80、カウンタ部8
1、基準値生成部82、比較部83、基準ゲート発生部
84、ラッチ部85により位置検出部76は構成されて
いる。
【0111】以上のような構成において、以下、その動
作を説明する。まず、振動子ホルダ24は、図1から図
12までで説明をしたように扇形走査される。
【0112】この扇形走査の間に、位置検出部76のタ
イミング信号発生部77が発生するタイミングにより、
送受信部78は、位置検出センサ66に送信電気信号を
供給する。
【0113】そして、送信電気信号を受けた位置検出セ
ンサ66は、超音波に変換し送波させる。位置検出セン
サ66より出力された超音波は、キャップ25内に充満
している、例えば生理食塩水などの伝搬媒体中を伝搬
し、位置検出センサ66から最も近い振動子ホルダ24
の外壁部で反射され、反射超音波は位置検出センサ66
で受波される。
【0114】位置検出センサ66の出力である反射信号
は、送受信部78で適当に増幅されたのち検波部79で
検波される。
【0115】この検波信号よりタイミング信号発生部7
7が出力する送信電気信号から反射信号までの時間を測
定することで、振動子ホルダ24の位置を同定すること
ができ、実施例3のような基準位置を求めることが可能
となるが、冠状動脈50のような細管への挿入を想定し
た場合には、先端側3は6F以下の径にする必要があ
り、振動子ホルダ24と位置検出センサ66との距離の
変化は極めて小さい。
【0116】そこで、高い測定精度を要求され、位置検
出センサ66の高周波数化が必要となる。
【0117】しかし、周波数を高くすることは位置検出
センサ66の加工が困難になることや、高周波化のた
め、位置検出部76内の各構成要素を高周波特性に優れ
たものにする必要があり、複雑、高価なものとなる。
【0118】このため、図17に示すように位置検出部
76を構成することが好適で、図18は、この場合の位
置検出部76の各構成要素の出力波形を模式的に示した
ものである。
【0119】図18(a)に示すように、振動子ホルダ
24からの反射信号は、位置検出センサ66から極めて
近くかつ伝搬媒体が減衰の小さなものを用いているた
め、振動子ホルダ24と位置検出センサ66との距離に
対応した多重反射成分が多数得られる。
【0120】この検波部79出力信号より、パルス生成
部80は、図18(b)、(c)に示すように多重反射
信号を基にパルス波を生成する。
【0121】このパルス生成部80の出力をクロックと
して、カウンタ部81はパルス数を数える。
【0122】但し、カウンタ部81は、タイミング信号
発生部77が出力する送信電気信号でリセットさせる。
【0123】カウンタ部81の出力は、常に比較部83
で基準値発生部82が生成する基準値と比較し、例えば
基準値未満ではLowレベルを、それ以上ではHigh
レベルを出力する。この比較部83の出力は、タイミン
グ信号発生部77が出力する送信電気信号に同期した基
準ゲート発生部84が発生させる一定の幅である基準ゲ
ート信号の例えば立ち上がりで、ラッチ部85でラッチ
され、制御部13に転送する。
【0124】図18(b)は、振動子ホルダ24と位置
検出センサ66とが離れているため多重反射信号の間隔
が長い場合を示し、基準ゲート信号の立ち上がり時はカ
ウンタ部81の出力が、基準値発生部82が生成する基
準値に比較し小さく、比較部83出力はLowレベルと
なり、ラッチ部85出力も、Lowレベルが保持され
る。
【0125】これに対して、図18(c)は、振動子ホ
ルダ24と位置検出センサ66とが図18(b)に比べ
近いため多重反射信号の間隔が短くい場合で、基準ゲー
ト信号の立ち上がり以前に、カウンタ部81の出力が基
準値発生部82が生成する基準値より大きくなり、比較
部83出力はHighレベルに変化し、ラッチ部85出
力はHighレベルに保持される。基準値発生部82の
出力である基準値と基準ゲート信号発生部84の出力で
ある基準ゲート信号を調整することで、振動子ホルダ2
4が位置検出センサ66に最も近づいた時を知ることが
でき、画像構成に必要な振動子ホルダ24の基準位置を
得ることができる。
【0126】よって、以上のように、振動子ホルダ24
の後端部に接触しないようにキャップ25内側にコート
材68で位置検出センサ66を固定し、多重反射信号か
らパルスを生成するパルス生成部80と、パルス生成部
80の出力をクロックとしてカウントするカウンタ部8
1と、カウンタ部81の基準ゲート信号生成部84で生
成するゲート信号幅に対応したカウンタ部81出力を比
較部83で判定することで、位置検出センサ66や位置
検出部76に高い測定精度を要求することなく、振動子
ホルダ24と位置検出センサ66との距離を高精度に測
定でき、高精度な画像を構成することができる。
【0127】さて、次に、図19は、本実施例における
超音波診断装置の超音波プローブ1で使用する多層スプ
リング構造のトルク伝達軸18のより好適な構成を示し
たものである。
【0128】図19において、86はトルク伝達軸18
の100から500ミリ程度の長さを有する先端側、8
7はトルク伝達軸の後端側であり、後端側87の内側層
88は先端側86まで巻かれてない構成、即ち先端側8
6は後端側87に対して層数が少ない構成である。
【0129】トルク伝達軸18としては、捻り剛性の強
い棒状の細径軸、例えばピアノ線などが可能であるが、
可撓性が十分ではないため、多層スプリング構造のトル
ク伝達軸18が用いられることが一般的である。
【0130】但し、細管内挿入を想定した微細な超音波
プローブ1では1層のスプリング構成では伝達特性に欠
け、各層の巻き方向が逆である多層化されたスプリング
構成が用いられている。
【0131】また、スプリングを構成する素線90の断
面が円形の材料でも、伝達特性に欠けるため四角形の角
線を用いたりしている。
【0132】しかし、この多層スプリング構造のトルク
伝達軸18は可撓性を持たせるがため、伝達性を犠牲に
しており、駆動部5で発生する回転力を安定して先端側
3に伝達できず、得られた超音波断層像が歪んだり、リ
アルタイム表示時に揺れや歪を生じたりする。
【0133】例えば、図4に示すように冠状動脈50に
超音波プローブ1を適応させる場合、後端側4は比較的
直線形状の大動脈49に位置し、先端側3は複雑な屈曲
部を有する冠状動脈50に挿入されていることになる。
【0134】図19に示したトルク伝達軸18は、10
0から500ミリ程度の長さを有する先端側86が、後
端側87に比べ層数が少ないため、伝達性は悪いものの
可撓性に優れる。
【0135】逆に後端側87は先端側86に比べ伝達性
が優れ、前述の大動脈49や冠状動脈50の形状的特性
に適する可撓性と伝達性を持つ構成であり、高精度な超
音波断層像を取得、表示することが可能となる。
【0136】なお、先端側85の伝達特性の劣化は、そ
の長さが最大500ミリ程度と短いため、大きな画像劣
化要因とはならない。
【0137】図19に示すようなトルク伝達軸18の加
工としては、層数の異なる2本の多層スプリングをジョ
イント部材等で結合することが容易に考えられるが、加
工性や信頼性、例えば使用時に外れる、などの問題から
好ましいものではない。
【0138】図20を用いて、図19に示すトルク伝達
軸18の作製について説明する。図20において、88
は内側層、89は心材、90は素線である。
【0139】まず、図20(a)に示すように、内側層
88を素線90を用い後端側87から必要となる後端側
87の長さでまで巻く。
【0140】次に、図20(b)に示すように、後端側
87から、素線90を用い内側層88構成時と逆の方向
で、トルク伝達軸18として必要となる全長分巻き、最
後に心材89を抜くことで加工でき、先端側86が後端
側87に比して1層少ない構造となる。
【0141】このように構成された多層スプリング外形
は、先端側86から後端側87まで一つの層で構成され
ているため、2本を結合する方式に対し滑らかな特性を
持ち、回転に対し阻害要因を低減できる。
【0142】なお、先端側86が1層のスプリング構造
となっているため伝達性が十分でない場合には、更に同
じ工程を繰り返し層を重ねていくことが望ましい。
【0143】素線90の巻き方としては、図20(c)
に示すように素線90を複数本、例えば3本並べて巻い
ても良く、この場合は、加工時間が低減できる。
【0144】以上のような方法により、図19に示すト
ルク伝達軸18を一体的に構成できる。
【0145】適応患部としては、心冠状動脈50につい
て説明したが、一般的に患部に近づくほど、例えば消化
管である胆臓、すい臓内の細い体腔管を食道から挿入す
る場合など先端側は複雑な形状になることが想定され、
多くの適応部位で高精度な超音波診断が可能となる。
【0146】以上ようなトルク伝達軸18によれば、後
端側87の内側層88が先端側86まで巻かれてない構
成、即ち先端側86は後端側87に対して層数が少なく
構成した多層スプリング構造を有するため、適応部位の
形状に合わせ駆動部5で発生した回転力を安定して超音
波プローブ1先端側3に伝達でき、高精度な超音波断層
像を得ることが可能となる。
【0147】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
を図面を用いて説明する。
【0148】図21は、超音波プローブ1で使用するト
ルク伝達軸18の別の構成を示したもので、全体の層数
は同じであるが、先端側86の外径が後端側87の外径
に比べ、細く構成されたものである。
【0149】多層スプリング構造のトルク伝達軸18の
トルク伝達特性は、素線90形状や層数が同じであるな
ら、構成する軸の径に依存し、大きくなる。
【0150】これは、多層スプリング構造のトルク伝達
軸18が、ある径の領域内では円筒管と同じような特
性、即ち管径が増加するとトルク伝達力が向上する特性
を有するためである。
【0151】従って、図21のようなトルク伝達軸18
は、後端側87での伝達力が先端側86に比して優れて
おり、実施例1で説明したように、適応患部の形状的特
性に一致したものとすることができる。図21のような
トルク伝達軸18の加工方法としては、図22(a)、
(b)に示すように心材89を後端側87が先端側86
に対して太い構成として、これに素線90を多層に巻き
付けることで、構成できる。
【0152】以上ように本実施例によれば、トルク伝達
軸18を先端側86の外径が後端側87の外径に比べ、
細く構成することで、適応部位の形状に合わせ駆動部5
で発生した回転力を安定して超音波プローブ1先端側3
に伝達でき、高精度な超音波断層像を得ることが可能と
なる。
【0153】なお、適応患部として、心冠状動脈50に
ついて説明したが、一般的に患部に近づくほど、例えば
消化管である胆臓、すい臓内の細い体腔管を食道から挿
入する場合など、複雑な形状になることが想定され、多
くの適応部位で高精度な超音波診断が可能となる。
【0154】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0155】図23は本発明の第3の実施例における超
音波診断装置の要部であるトルク伝達軸18の一部分の
拡大図である。
【0156】図23において、91は外層、92は隙
間、93は隙間に設けられた突起部である。
【0157】図23に示したトルク伝達軸18は、図2
0(c)に示す方法でかつ隙間92を持つように構成さ
れたものである。
【0158】隙間92に突起部93を配置させる方法と
しては、図24に示すように外層91を構成する素線9
0の内1本に、突起部93を任意の間隔で構成しておく
ことで可能となる。
【0159】以上のような構成で、以下その動作を説明
する。超音波プローブ1内には、実施例1で示すように
後端側4の伝搬媒体注入口35より伝搬媒体、例えば生
理食塩水を注入し、先端側3内部に充満させる。この
時、駆動部5のモータ40を回転させ、トルク伝達軸1
8を回転させる。
【0160】そして、トルク伝達軸18の回転により、
超音波プローブ1とトルク伝達軸18との隙間に注入さ
れた伝搬液は、突起部93により積極的に回転方向の水
流が発生し、この水流により伝搬媒体を先端側3に移動
させることが可能となる。
【0161】なお、他の構成として、図25(a)に示
すように素線90に切り込み部94を設け、図25
(b)の示すようにトルク伝達軸18を構成することで
図21と同じ効果を得ることができる。
【0162】以上のように本実施例によれば、トルク伝
達軸18の外層91を構成する素線90の内1本に、突
起部93または切り込み部94を設け回転させること
で、注入した伝搬媒体に水流を発生させ、伝搬媒体を先
端側3に移動させ充満させることが可能となる。
【0163】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0164】図26は本発明の第8の実施例における超
音波診断装置の要部である超音波プローブ1の先端側3
と後端側4との中間部の断面図である。
【0165】同図において、15はカテーテル、18は
トルク伝達軸、32はカテーテル15に複数個設けられ
たルーメン、33はルーメン32に挿入された先端側3
に位置する前方方向用超音波振動子28と前方方向用送
受信部8とを電気的に接続する信号線、95は円筒形状
の中間軸受、96は中間軸受95に複数個設けられた微
小ルーメンである。
【0166】なお、中間軸受95は摩擦係数の小さい材
料、例えばフッ素系樹脂から構成され、一方を先端側3
カテーテル15と他方を後端側4カテーテル15と固定
されている。信号線33はカテーテル15内のルーメン
32から中間軸受95近傍で、カテーテル15内面側に
出、中間軸受95に設けられたルーメン96により反対
側のカテーテル15内のルーメン32に接続されてい
る。
【0167】また、他のルーメン96は後端側4の伝搬
液注入後35から注入された伝搬媒体の通過管として用
いられ、先端側3への供給を可能としている。
【0168】なお、図26に記載されてない部分は、以
上の実施例で示した構成と同様である。
【0169】さて、トルク伝達軸18の回転安定性は、
得られる超音波断層像の画質を左右するが、このトルク
伝達軸18の安定性を劣化させる要因の一つに、トルク
伝達軸18とカテーテル15との間の空間部分におけ
る、回転時のトルク伝達軸18の捻れや振動がある。
【0170】この場合、空間部分を少なくすることで、
捻れる空間がなくなり防止することができるように思わ
れるが、トルク伝達軸18外面とカテーテル15内面と
の接触による摩擦で、安定性が逆に悪化する。
【0171】そこで、図26に示されるように、超音波
プローブ1中間部に位置する中間軸受95により、中空
部分に挿入されるトルク伝達軸18の捻れや長さ方向の
振動が抑制され、駆動部5で発生した回転力を先端側3
に安定して伝達させることが可能となる。
【0172】以上のように、本実施例によれば、中空部
分にトルク伝達軸18を挿入した中間軸受95と、カテ
ーテル15先端側3と後端側4を中空軸受95の両端に
接続固定したことにより、トルク伝達軸18が安定して
先端部3に駆動部5で発生した回転力を伝達でき、高精
度な超音波診断が可能となる。
【0173】(実施例5)以下、本発明の第5の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0174】図27は、本発明の第5の実施例における
超音波診断装置の要部である超音波プローブ1の先端側
3の断面図である。
【0175】第5の実施例は実施例1で示した周囲方向
用走査方式の別の構成を示したものである。
【0176】図27において、15はカテーテル、32
はカテーテル15に構成されたルーメン、16はカテー
テル15先端側に固定された中空構造のシャフト、17
はシャフト16中空部分に差し込まれた中空構造の軸
受、18は本体部2の駆動部6で発生した回転力を先端
に伝達させるトルク伝達軸、19はトルク伝達軸18先
端側に固定されて回転軸、97は先端側側面に構成され
た高分子圧電膜、98は高分子圧電膜97内側に構成さ
れた複数の短冊形状の内側電極、99は高分子圧電膜9
7外側に構成された一面形状の外側電極、100は回転
軸19に接続された絶縁材料から構成された円盤電極、
101は円盤電極100側面の一部に構成された導電性
の電極、30は先端側3にかぶせられた保護膜、102
は外面電極99に接続されルーメン32内に挿入され本
体部2と電気的に接続された信号線、103は電極10
1に接続され円盤電極100内部からトルク伝達軸18
内部に挿入され本体部2と電気的に接続された信号線で
ある。
【0177】図28に、高分子圧電膜97の詳細構成を
示す。この高分子圧電膜97は強誘電性を示す高分子材
料、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)やPVD
Fの共重合体例えばP(VDF−TrFE)を分極処理
して圧電性を持たせた高分子圧電膜で、この一方の面に
外側電極99を、例えばスパッタや蒸着で構成する。
【0178】一方、他方の面には、短冊状の内側電極9
8を複数構成する。一般的に高分子圧電膜97は、高周
波特性に優れているという、微細管構造を診断する本発
明のような超音波プローブ1では有用な特性を持つ。
【0179】なお、高分子圧電膜97の分極処理は、こ
の内側電極98と外側電極99で行ってもよいし、また
内側電極98面に一面の電極を設け分極処理し、その後
この一面電極を除去し、短冊状の内側電極98を複数構
成しても良い。
【0180】この図28に示す高分子圧電膜97からな
る超音波振動子を、図29に示すように、内側電極98
の長手方向を軸に円筒状に巻き、超音波プローブ1の先
端側3に配置させる。
【0181】図30は、図27における円盤電極100
の拡大図で、回転軸19内に配置された信号線103
が、回転軸19と円盤電極100との接触部分より、円
盤電極100内に入り、電極101裏面に電気的に接続
されている。
【0182】この円盤電極100を先端側3内に配置
し、円周側面が内側電極98に接触するように配置す
る。
【0183】以上のような構成において、以下にその動
作を説明する。まず、駆動部5で発生した回転力により
トルク伝達軸18は回転され、この回転により回転軸1
9は軸受17に対して回転され、回転軸19の先端側3
に固定された円盤電極100は、内側電極98に接触し
ながら回転する。
【0184】本体部2内の制御部13は、位置検出器4
1の出力より、円盤電極100の円周上に構成された電
極101が丁度内側電極98の一つの電極に接するタイ
ミングを求め、周囲方向用送受信部6から送信電気信号
を信号線102と103に発生させる。
【0185】横方向に対する結合が弱い高分子圧電膜9
7の特性より、外側電極99と電極101により電気的
に周囲方向用送受信部6と接続された内側電極98と挟
まれた領域だけが、この送信電気信号を超音波に変換し
被検体内に伝搬させ、伝搬方向に位置する種々の反射体
の位置関係に応じた時間差でもって、反射信号は受波さ
れる。
【0186】この受波された反射信号は、実施例1に記
載された手法で画像構成されモニタ11に超音波断層像
として表示される。
【0187】ここで、高分子圧電膜97に構成されて内
側電極98に対し、円盤電極100が接触しながら回転
するため、例えばスパッタや蒸着で構成した内側電極9
8は強度的に弱くはがれる可能性がある。
【0188】よって、図31に示すような、リング電極
104で、円盤電極100が内側電極98に直接接触し
ないような構成にしても良い。
【0189】図31においてリング電極104は、例え
ば樹脂からなる絶縁部105と内側電極98の幅や間隔
に対応した位置に構成された、例えば金属からなる導電
性部106から構成されている。
【0190】この導電性部106は、絶縁性部105の
表面から裏面まで構成されたもので、この導電性部10
6に内側電極98が合致するように高分子圧電膜97を
接着させ、リング電極104内側で、円盤電極100を
接触させながら回転させる。
【0191】以上のように本実施例によれば、トルク伝
達軸18の回転を伝える回転軸19に接続された円盤電
極100と複数の短冊形状の内側電極98を有する高分
子圧電膜97を設けることで、円盤電極100の回転に
より、円盤電極100に構成された電極101が順次短
冊形状の内側電極98に接し、超音波を周囲方向に走査
させることができ、伝搬媒体を超音波プローブ1内に注
入することなく周囲方向の超音波断層像を得ることがで
きる。 (実施例6)以下、本発明の第6の実施例について図面
を用いて説明する。
【0192】図32(a)は本発明の第6の実施例にお
ける超音波診断装置の要部である円盤電極107の斜視
図である。
【0193】図32において、107は実施例5におけ
る円盤電極100と同じ機能を有する円盤電極、108
は円盤電極107円周側面の一部にピッチ109で構成
された複数の電極、103は電極107に電気的に接続
された信号線で、図32(a)に記載されていないその
他の構成は、図27のものと同じである。
【0194】なお、ピッチ109は図28に示した超音
波振動子の内側電極98の間隔に対応している。
【0195】図32(b)は、円盤電極107の電極1
08と信号線103の電気的接続を示したブロック図
で、円盤電極107に構成された電極108の位置を考
慮し、複数の電極108に対応した高分子圧電膜97か
ら送波される超音波を所望の位置に集束させる、いわゆ
るフェーズドアレイ法を実現するための遅延素子110
により、電極108と信号線103は接続されている。
【0196】具体的には、複数の電極108の中央に位
置する電極108に接続された遅延素子110の遅延量
が端のそれらに比して大きな構成とする。
【0197】これらの遅延素子110は、円盤電極10
7内に構成する。図31では、3つの電極108の場合
について示しているが、この場合には中央に位置する電
極108のみ遅延素子110が接続されている。
【0198】以上のような構成で、実施例5に示した方
法で動作させることで、高分子圧電膜97から送波され
た超音波は遅延素子110に応じた位置に集束される。
【0199】以上のように、本実施例によれば、回転軸
19に接続された円盤電極107と複数の短冊形状の内
側電極98を有する高分子圧電膜97を設けることで、
円盤電極107の回転により、円盤電極107に構成さ
れた電極108が内側電極98の間隔に応じたピッチ1
09で構成されているため、順次隣接する複数の内側電
極98を駆動し、遅延素子110に応じた位置に超音波
を集束させながら、超音波を周囲方向に走査させること
ができ、伝搬媒体を超音波プローブ1内に注入すること
なく、集束効果による高分解能な周囲方向の超音波断層
像を得ることができる。
【0200】(実施例7)以下、本発明の第7の実施例
について、図面を用いて説明する。
【0201】図33は、本発明の第7の実施例における
超音波診断装置の要部である超音波プローブ1の先端側
3の断面図であり、実施例1で示した周囲方向走査機構
の別の構成を示したものである。
【0202】図33において、15はカテーテル、32
はカテーテル15に構成されたルーメン、16はカテー
テル15先端側に固定された中空構造のシャフト、17
はシャフト16中空部分に差し込まれた中空構造の軸
受、18は本体部2の駆動部6で発生した回転力を先端
に伝達させるトルク伝達軸、19はトルク伝達軸18先
端側に固定されて回転軸、111は回転軸19先端側に
固定された表面形状が平面または凹面形状で、かつ円周
方向を向いている回転電極部、112は先端側側面に構
成された高分子圧電膜、113は高分子圧電膜112外
側に構成された一面形状の電極、30は先端側3にかぶ
せられた保護膜、102は電極113に接続されルーメ
ン32に挿入されている信号線、103は回転電極部1
11に接続され回転軸19およびトルク伝達軸18中空
部に挿入された信号線である。
【0203】図34は、回転電極部111の斜視図を示
す。回転電極部111の表面114は、平面はたは凹面
形状に構成され、表面114部分または回転電極部11
1全体が導電性材料から構成され、信号線103に接続
されている。
【0204】ここで、表面114を凹面形状にした場
合、高分子圧電膜112から送波される超音波は、被検
体内でこの形状に応じた位置に集束される。
【0205】また、回転電極部111の材料としては高
分子圧電膜112の背面負荷材としての特性を有するも
ので構成しても良い。
【0206】図35に、高分子圧電膜112の構成を示
す。この高分子圧電膜112は、強誘電性を示す高分子
材料、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)やPV
DFの共重合体例えばP(VDF−TrFE)を分極処
理して圧電性を持たせた高分子圧電膜で、この一方の面
に電極113を、例えばスパッタや蒸着で構成する。
【0207】この高分子圧電膜112の分極処理は、電
極113と反対面に一面の電極を設け、これらの2つの
電極を用い行い、図35に示す構成は分極処理後この一
面電極を除去することで得られる。
【0208】これを、電極113が外面を位置するよう
に円筒状に構成し、超音波プローブ1の先端側3に配置
させる。
【0209】以上のような構成において、以下その動作
を説明する。駆動部5で発生した回転力によりトルク伝
達軸18とトルク伝達軸18に固定された回転軸19は
軸受17に対して回転される。
【0210】ついで、回転軸19に接続固定された回転
電極部111は、表面114を高分子圧電膜112に接
触しながら回転される。
【0211】この回転動作中に、本体部2の周囲方向用
送受信部6から送信電気信号を信号線102と信号線1
03に発生させる。
【0212】そして、横方向に対する結合が弱い高分子
圧電膜112の特性より、電極113と高分子圧電膜1
12との接触面である回転電極部111の表面114に
挟まれた領域だけが送信電気信号を超音波に変換し、被
検体内に送波する。種々の時間差で得られた反射信号
は、高分子圧電膜112で受波され、実施例1に記載さ
れたと同様に画像構成され、モニタ11に超音波断層像
として表示する。また、表面114の形状を凹面にする
ことで、集束効果を持たすことも可能であり高い分解能
の断層像を得ることができる。
【0213】回転電極部111の表面114を高分子圧
電膜112の内側に接触させ送信電気信号を供給すると
いう本実施例の構成では、表面114と高分子圧電膜1
12の内側を密着させる必要があり、先端側3内に比し
て外側の圧力が高い部位、例えば血管内での適応は有効
である。
【0214】以上のように、本実施例によれば、トルク
伝達軸18の回転を伝える回転軸19に接続された回転
電極部111と電極113を外側に有する高分子圧電膜
112を設けることで、回転電極部111の回転によ
り、表面114と電極113に挟まれた高分子圧電膜1
12が励振され、超音波を周囲方向に走査させることが
でき、伝搬媒体を超音波プローブ1内に注入することな
く、高分解能な周囲方向の超音波断層像を得ることがで
きる。
【0215】(実施例8)以下、本発明の第8の実施例
について図面を参照しながら説明する。
【0216】図36は本発明の第8の実施例における超
音波診断装置の要部である高分子圧電膜112の斜視図
であり、記載していないその他の部分は実施例7に示し
たものと同じである。
【0217】図36において、112は高分子圧電膜、
113は高分子圧電膜112の一方の面に構成された一
面形状の電極、115は回転電極部111の表面114
の大きさに対して非常に小さな面積で、隣接した電極間
どうしで電気的に絶縁されており、全体の面積に対して
電極部分の合計面積の比率が大きな形状、例えば四角
形、からなる複数の微小電極である。
【0218】この微小電極115は、分極処理用の電極
を外した高分子圧電膜112の面に、形成したい電極の
形状を加工したマスクを用いて、スパッタや蒸着により
構成できる。
【0219】本実施例における送波超音波の周囲方向走
査と超音波の送受波法は、実施例8と同じであるが、微
小電極115により、回転電極部111の表面114と
高分子圧電膜112との接触抵抗が低減でき、効率良く
電気的エネルギーを高分子圧電膜112に入力させるこ
とができる。
【0220】以上のように本実施例によれば、高分子圧
電膜112の回転電極部111との接触面に、微小かつ
複数の微小電極115を設けることで、接触抵抗を低減
でき効率よく電気信号を回転電極部111から高分子圧
電膜112に入力させることができ、総合的な感度を向
上させることができ、高精度な超音波断層像を取得する
ことができる。
【0221】(実施例9)以下、本発明の第9の実施例
について図面を参照しながら説明する。
【0222】図37は、本発明の第9の実施例における
超音波診断装置の要部である回転電極部111の斜視図
であり、記載していないその他の部分は実施例7、8に
示したものと同じである。
【0223】図37において、111は回転電極部、1
03は回転電極部111に接続された信号線、114は
回転電極部111の高分子圧電膜112との接触面であ
る表面、116は表面114に設けられた複数の極めて
小さな微小孔で回転電極部111内で一つにまとめられ
ている。
【0224】また、117は回転電極部11内でまとめ
られた微小孔116に接続された微細中空管で、118
は本体部2内で微細中空管116に接続された吸引制御
部である。
【0225】本実施例における送波超音波の周囲方向走
査と超音波の送受波法は、実施例11と同じであるが、
回転電極部111の回転走査中に、吸引制御部118か
ら微弱に微細中空管117を介し吸引する。この吸引に
より微細中空管117に接続された微小孔116は、高
分子圧電膜112を引きつけ、表面114と高分子圧電
膜112との密着性を高める。
【0226】以上のように本実施例によれば、回転電極
部111の表面114に、微小かつ複数の微小孔116
を設け、吸引制御部118で微弱な力で高分子圧電膜1
12を引きつけることで、表面114と高分子圧電膜1
12との密着性を高め接触抵抗を低減でき効率よく電気
信号を回転電極部111から高分子圧電膜112に入力
させることができ、総合的な感度を向上させることがで
き、高精度な超音波断層像を取得することができる。
【0227】(実施例10)以下、本発明の第10の実
施例について図面を参照しながら説明する。
【0228】図38は、本発明の第10の実施例におけ
る超音波診断装置の要部である超音波プローブ1の先端
側3の断面図である。
【0229】図38において、15は中空構造の可撓性
を有する高分子材料からなるカテーテル、32はカテー
テル15に設けられたルーメン、16はカテーテル15
先端側に固定されたシャフト、17はシャフト16に固
定された軸受、18は駆動部5で発生する回転力を先端
側3に伝達するための可撓性を有するトルク伝達軸、1
9はトルク伝達軸18に固定され軸受17中空部に挿入
された回転軸、119は軸受17先端側3に固定された
キャップ、120は回転軸19に固定された傘歯車A、
121は傘歯車Bに勘合された傘歯車B、122は傘歯
車Bの中心軸である回転軸A、123はキャップ25内
側に設けられた回転軸A122用の2つの軸受A、12
4は回転軸Aに設けられたプーリA、125は回転軸
B、126は回転軸Bに設けられたプーリB、127は
キャップ25内側に設けられた回転軸B126用の2つ
の軸受B、128は回転軸B125の中心に設置された
回転電極部、129はプーリA124の回転をプーリB
126に伝達する駆動ベルト、130は回転電極部12
8に設けられたリング電極133に接するような導電性
材料からなるブラシ、131は図35または図36に示
した構造の高分子圧電材料からなる超音波振動子、30
は先端側3にかぶせられた保護膜である。
【0230】なお、超音波振動子1の電極113は、先
端側3の外側になるように配置されている。
【0231】また、信号線102はこの電極113に信
号線103はブラシ130に接続され、ルーメン32内
を通り本体部2に接続されている。
【0232】図39は、図38における回転電極部12
8の斜視図である。図39において、回転電極部128
は絶縁性材料で構成され、円周上の一部に導電性の電極
132が構成されている。
【0233】また、側面上には円管状のリング電極13
3が構成され、回転電極部128内で、電極132とリ
ング電極133は接続されている。
【0234】このリング電極133は、回転電極部12
8の回転時に常にブラシ130に接触し、信号線103
を捻ることなく電気的に信号線103と電極132を接
続させる、いわゆるスリップリングの働きを有する。
【0235】本実施例は、実施例7から9に示した回転
電極部111による周囲方向走査を、回転電極部111
の回転方向を90゜変化させ、前方方向の走査を可能と
したものであり、かつ本体部2内の構成は、実施例1に
記載した構成を同じである。
【0236】図40に先端側3の斜視図を示す。図40
によれば、キャップ25は回転電極部128の動作を阻
害しない形状に構成されている。
【0237】以上のような構成において、以下、その動
作を説明する。駆動部5の発生する回転力により、トル
ク伝達軸18、回転軸19、傘歯車A120は回転さ
れ、傘歯車A120の回転により傘歯車B121、回転
軸A122、プーリA124は回転される。
【0238】なお、傘歯車A120と傘歯車B121の
勘合部分は、摩擦力の大きなゴム性の材料でも良い。
【0239】ついで、プーリA124の回転は、駆動ベ
ルト129によりプーリB126、回転軸B125、電
極132を超音波振動子131裏面に接触させながら回
転電極部128を回転させる。
【0240】この動作中に、信号線102と103を用
い本体部2が実施例11に示す方法で超音波の送受波を
行い、回転電極部128の一回転の内、前方方向の反射
信号を用い超音波断層像を構成することで、図40に示
した扇形の走査領域134に対応した超音波断層像をモ
ニタ11上に表示することができる。
【0241】図41(a)は、回転電極部128の別な
構成を示したもので、複数の電極132が角度の異なる
円周平面上に中心軸に対し異なった方向、例えば図41
(a)では3個の電極構成であるため120゜毎に構成
され、それに応じた3個のリング電極133が、一方の
側面または両面に構成されたものである。
【0242】この回転電極部128を用い、順次電極1
32を切り替え送受波を行うことで、図41(b)に示
すように前方方向に対して、角度の異なる複数の扇形走
査領域134を走査することが可能となる。
【0243】なお、中心軸に対して異なった方向に電極
を構成させることで、送受信をシーケンシャルに行える
ことができ、また別の電極から送波された超音波の反射
信号を受波することによる偽像を避けられる。
【0244】以上のように、本実施例によれば、外側に
電極113を有する高分子圧電膜112からなる超音波
振動子131の内側に回転電極部128の電極132を
接触させながらトルク伝達軸18の回転軸方向と90゜
異なる方向を軸とし回転させ、電極132と電極113
に挟まれた高分子圧電膜112を励振させ反射信号を得
ることで、伝搬媒体を超音波プローブ1内に注入するこ
となく、高分解能な周囲方向の超音波断層像を得ること
ができる。
【0245】(実施例11)以下、本発明の第11の実
施例を図面を用いて説明する。
【0246】本実施例は、実施例7から9の回転電極部
111の別の構成に関するものであり、図42は、本発
明の第11の実施例における超音波診断装置の要部であ
る回転電極部111の斜視図である。
【0247】図42において、111は回転電極部、1
14は回転電極の表面、135は表面114上に設けら
れて高分子圧電膜、136は高分子圧電膜135上に設
けられた電極である。
【0248】図43は、回転電極部111が高分子圧電
膜112に接触している部分の電気的な接続法を示すの
に用いる概念図である。
【0249】図43において、112は高分子圧電膜、
113は高分子圧電膜112外側面に構成されて電極、
137は高分子圧電膜112の分極方向を示す矢印、1
11は回転電極部、135は回転電極部111表面11
4上の構成された高分子圧電膜、136は高分子圧電膜
135上に設けられた電極、138は高分子圧電膜13
5の分極方向を示す矢印、139は駆動回路、30は保
護膜である。
【0250】なお、高分子圧電膜112の電極113と
反対面には、図35に示す微小電極115を設けてもよ
い。
【0251】また、電極113と回転電極部111表面
114は電気的に接続され、駆動回路139の一端に、
また電極136は駆動回路139の他端に接続される。
【0252】さて、高分子圧電膜の特徴として低周波数
化や小面積化は、電気的インピーダンスの増加を招き、
駆動回路139のインピーダンスとの不整合により効率
的な電気エネルギーの供給が阻害され、総合的な感度低
下から超音波断層像の劣化につながる。
【0253】超音波プローブ1は、例えば冠状動脈50
のような体腔内の細管への適応を想定しているため、回
転電極部111に許容される面積は小さく、想定する周
波数を、例えば20MHzと実用レベル内で高めても、
上記影響が発生する。
【0254】本実施例では、この影響を低減させるため
励振される部分の高分子圧電膜を常に二層化し、等価的
に電気インピーダンスを低減させることができる。
【0255】但し、電極136と電極136に接触する
高分子圧電膜112の面とは等電位になるため、2つの
高分子圧電膜112、135の分極方向を矢印137、
138に示すように逆にすることで、各々の高分子圧電
膜112、135に逆極性の駆動電圧がかかったとして
も、同じ方向の振動形態を行うようになる。
【0256】この構成による超音波断層像の取得表示に
関しては、実施例7に記載しているため省略する。
【0257】以上のように本実施例によれば、回転電極
部111表面114に高分子圧電膜135を構成し、高
分子圧電膜135の分極方向138を高分子圧電膜11
2の分極方向137と逆にし、各々の高分子圧電膜11
2、135に逆極性の駆動電圧をかけることで、小面積
による電気インピーダンスの増加を低減でき、送受信感
度を高めることが可能となり、高精度な超音波断層像を
取得できる。
【0258】(実施例12)本発明の第12の実施例を
図面を用いて説明する。
【0259】図44は本発明の第12の実施例における
超音波診断装置の要部である本体部2のブロック結線図
を示したものである。
【0260】図44において、5は駆動力を発生するモ
ータや角度検出器からなる駆動部、6は駆動部5に接続
された周囲方向用送受信部、7は周囲方向送受信部に接
続された周囲方向用画像構成部、8は駆動部5に接続さ
れた前方方向用送受信部、9は前方方向用送受信部に接
続された前方方向用画像構成部、10は周囲方向用画像
構成部7と前方方向用画像構成部9に接続された画像メ
モリ部、11は画像メモリ部に接続された超音波断層像
を表示するモニタ、12は各種制御指令を入力するオペ
レータ部、13はオペレータ部に接続された制御部、1
4は制御部に接続された距離計算部、140は画像メモ
リ部10に接続されたプリ画像メモリ部、141は画像
メモリ部10とプリ画像メモリ部140に接続された相
関比較部であり、相関比較部141の出力は制御部13
に接続されている。
【0261】なお、図44に記載されていない超音波プ
ローブ1は、例えば実施例1等に示す周囲方向の超音波
断層像が取得表示できる構成を持つものであれば良い。
【0262】以上のような構成において、以下その動作
を説明する。画像メモリ部10取り込まれた周囲方向の
超音波断層像のすべてまたは一部を、n回転に一回、プ
リ画像メモリ部140と相関比較部141に転送する。
【0263】ここで、nは周囲方向の走査回転数に依存
するが、例えば30rpsの回転数の場合、n=1から
30(1/30秒から1秒)等が望ましい。
【0264】ついで、プリ画像メモリ部140は、画像
メモリ部10からの上記画像転送タイミングに同期に
て、記憶されている超音波断層像を相関比較部141に
転送する。
【0265】即ち、相関比較部141では、画像メモリ
部10から転送された超音波断層像と、この超音波断層
像取得時に比してnフレーム前の超音波断層像がプリ画
像メモリ部140から転送される。
【0266】そして、相関比較部141では、これらの
2つの画像より相関演算を行い、あらかじめ設定してあ
るスレッシュホールド値と比較して結果を制御部13に
出力する。
【0267】この計算結果により、2つの画像が似てな
い場合には、制御部13はオペレータ部12からの画像
静止指令が転送されたとしても、2つの画像が似ている
と言う結果になるまでこの指令を無視する。
【0268】画像静止機能は、実施例1でも記載した
が、取得画像を静止画にし、この画像より距離計算部1
4で定量的な値を求め、診断に役たてることを主要の目
的にしている。
【0269】この時の画像が歪んでいると、操作者に誤
った情報を与え誤診断を引き起こすが、トルク伝達性を
犠牲にし可撓性与えたトルク伝達軸18を用いる限り画
像歪を引き起こす可能性が少なからず存在する。
【0270】時間差のある2つの超音波断層像の相関関
係を求める本実施例の動作により、同一部位で同じよう
な動作で得られた場合のみ、画像静止機能を許容させる
ことができ、異なった部位の場合は当然として、同一部
位でも異なる動作、例えば駆動部5で発生した回転力を
安定して先端側3に伝達できなかった場合でも、画像静
止機能を制限でき、人間では判断不可能な先端側3の回
転動作形態を自動的に判断でき、誤診断の可能性を低減
できる。
【0271】図45は周囲方向超音波断層像の概念図で
ある。図45において、142は回転中心、143は血
管壁、144は血管壁内部の構造であるスペックルパタ
ーン、145は領域A、146は領域Bである。
【0272】ここで、相関比較部141で比較する画像
の領域としては、図45に示す周囲方向超音波断層像の
領域全体でも良いが、計算量の低減のため限られた領
域、例えば領域A145でも良い。
【0273】また、計算領域としては、血管壁内部のス
ペックルパターン144が望ましく、血管壁143内部
の領域B146は、血液中の断層像を示し構造物がない
ため暗い画像となり、比較するには好ましくない領域と
なる。
【0274】よって、比較領域が領域A145になるよ
うにあらかじめ相関比較部141に設定しておくか、制
御部13から設定する。
【0275】以上のように本実施例によれば、本体部2
内に画像メモリ部10に接続されたプリ画像メモリ部1
40と、プリ画像メモリ部140と画像メモリ部10に
接続された相関比較部141を設け、相関比較部141
の結果に応じ制御部13がオペレータ部12からのフリ
ーズ指令を制御することができ、操作者の誤診断の可能
性を低減することができる。
【0276】(実施例13)以下、本発明の第13の実
施例を図面を用いて説明する。
【0277】図46は、本発明の第13の実施例におけ
る超音波診断装置の超音波プローブ1の後端側4の斜視
図である。
【0278】本実施例は、実施例1等に示すような構成
における超音波プローブ1と本体部2の接続部における
別な構成に関するものである。
【0279】図46において、18はトルク伝達軸、3
8はプローブ側コネクタ、36はプローブ側取付部、4
5はオイルシール材、46は信号コンタクト部、39は
本体側コネクタ、147はプローブ側コネクタ38先端
部に設けられた溝、148はスプリング、149は球、
150はスプリング押さえである。
【0280】図47に、図46における本体側コネクタ
39の詳細な斜視図を示す。図47において、151は
本体側コネクタ39に設けられた孔、152は本体側コ
ネクタ39の中空部で、プローブ側コネクタ38が挿入
される。
【0281】また、球149、スプリング148は孔1
51に挿入されスプリング押さえ150で押さえられ
る。
【0282】図48は、プローブ側コネクタ38先端の
図で、円周上に設けられた溝147は、途中に球149
形状に応じたヘコミ153を有している。
【0283】以上のような構成において、以下、その動
作を説明する。まず、超音波プローブ1後端側4を本体
部2に接続する場合、プローブ側取付部36と図示して
ない本体側取付部37で全体を接続するとともに、トル
ク伝達軸18の接続は、プローブ側コネクタ38を本体
側コネクタ39の中空部152、球149とヘコミ15
3の位置を合わせて挿入することで完了する。
【0284】そして、駆動部5で発生した回転力は本体
側コネクタ39を回転させ、球149とヘコミ153に
よりプローブ側コネクタ38ならびにトルク伝達軸18
を回転させ、先端側3に伝達させ超音波の2次元走査が
可能となる。
【0285】ここで、トルク伝達軸18を回転するの
に、スプリング148の押し付け力に応じた応力以上が
必要になった場合には、球149はヘコミ153から外
れ溝147に沿って回転する。
【0286】よって、本体側コネクタ39の回転はトル
ク伝達軸18に伝達されない。例えば、回転に必要な力
が、スプリング148に応じた応力以上に必要にるな場
合とは、先端側3に何らかの問題が生じた時で、このよ
うな状態でトルク伝達軸18を回転させ続けることは、
回転に伴う力をトルク伝達軸18に蓄積させ更に重大問
題の発生原因になる。
【0287】以上のように本実施例によれば、プローブ
側コネクタ38に溝147とヘコミ153を設け、本体
側コネクタ39にスプリング148、球149とスプリ
ング押さえ150を設けることで、駆動部5の回転力を
トルク伝達軸18に伝達させる共に、先端側3に何等か
ら問題が発生しトルク伝達軸18を回転させることが不
可能になった場合には、本体側コネクタ39がプローブ
側コネクタ38に対して回転され、回転力が伝達しない
ようにでき、重大な問題発生を防ぐことが可能となり、
安全な接続方法を構成することができる。
【0288】(実施例14)本発明の第14の実施例を
図面を用いて説明する。
【0289】図49は、第14の実施例における超音波
振動子の斜視図である。本実施例は、実施例1等に示す
ような構成における周囲方向用超音波振動子21や前方
方向用超音波振動子28の別な構成に関するものでる。
【0290】図49において、53は背面負荷材、15
5は電極A、54は圧電素子、156は電極B、154
は高分子圧電膜、157は電極C、158は電極A15
5に接続された信号線、159は電極B156 に接続
された信号線、160は電極Cに接続された信号線であ
る。
【0291】ここで、電極C157、高分子圧電膜15
4、電極B156、圧電素子54、電極A155、背面
負荷材53の層構造で超音波振動子は構成されている。
【0292】更に、図50に示すように、高分子圧電膜
154の矢印で示す分極方向は中心軸に対し対称な形状
で逆方向に分極処理され、電極C157は分極形状に合
わせ分割されている。
【0293】さて、超音波プローブ1を冠状動脈50に
適応させる場合には前述のように外径を、例えば6F以
下にしなければならないが、この大きさの制限により周
囲方向用超音波振動子21や前方方向用超音波振動子2
8は、必然的に小さくならざるおえない。
【0294】このことは超音波振動子21や28の有効
面積の縮小に伴う感度低下を引き起こし、超音波断層像
の劣化につながる。
【0295】特に、高分子圧電材料は、無機系圧電材料
に比して、受信特性や高周波特性に優れている反面、低
周波や小面積化に対し電気的インピーダンスの増加をも
たらし、送信特性は良くない。
【0296】ここで、以上のような構成において、その
動作を説明する。まず、超音波送波時は信号線158と
159を用い駆動電気信号を圧電素子54に供給する。
【0297】ここで、圧電素子54は、圧電セラミック
や圧電材料等の送信特性の優れたもので構成されてい
る。
【0298】この圧電素子54表面の高分子圧電膜15
4は音響整合層の役目をはたし、圧電素子54から送波
された超音波を効率良く伝搬媒体中に伝搬させられる。
【0299】そして、受波時は、受信特性の優れた高分
子圧電膜154の応力変化に対する変換された電気信号
を信号線156と160を用いて取得し、高分子圧電膜
154の分極方向に応じた信号をそれぞれ受信する。
【0300】分極方向が逆である各々の出力は、応力変
化に対し電気的に逆な特性となり、この2つの受信信号
をいわゆる差動増幅型の受信方式で得ることで電気的な
ノイズを相殺し、小面積による感度劣化を補うことが可
能となる。
【0301】以上のように、本実施例によれば、電極C
157、高分子圧電膜154、電極B156、圧電セラ
ミック等から構成される圧電素子54、電極A155、
背面負荷材53の層構造で超音波振動子を構成し、更に
高分子圧電膜154の矢印でしめす分極方向は中心軸に
対し対称ないくつかの形状に分割し逆方向に分極処理す
ることで、小面積による感度劣化を補い、S/N特性の
優れた超音波振動子を構成することが可能となる。
【0302】
【発明の効果】以上のように本願発明は、トルク伝達軸
の先端側が後端側に対し層状態を少なくすることで、先
端側が複雑な形状である適応部位でも回転力を安定して
伝達させることができ、高精度な超音波断層像を取得表
示することができる超音波診断装置を実現できる。
【0303】また、周囲方向用超音波振動子とミラーを
対向させ一体に回転させる回転子により周囲方向の超音
波断層像を、回転子先端に設けられた偏心軸と振動子ホ
ルダとピボットシャフトにより前方方向の扇形走査超音
波断層像を一方または両方同時に取得表示することがで
きる優れた超音波診断装置を実現できる。
【0304】また、本体部の画像メモリ部に接続された
プリ画像メモリ部と、画像メモリ部とプリ画像メモリ部
に接続された相関比較部を設けることで、相関比較部の
計算結果に応じ画像静止機能を制限させることができ、
誤診断の少ない超音波診断装置を実現できる。
【0305】また、プローブ側コネクタに溝およびヘコ
ミを設け、本体側コネクタに一定の応力で押される球を
設けることで、安全性の高い超音波診断装置を実現でき
る。
【0306】さらに、電極、高分子圧電膜、電極、圧電
セラミック等から構成される圧電素子、電極、背面負荷
材の層構造で超音波振動子を構成し、中心軸に対し対称
な複数の領域に分割し、この分割されて領域を中心軸に
対し対称になるように高分子圧電膜の分極方向を逆方向
にし、差動型の受信を行うことでることで、小面積によ
る感度劣化を補い、S/N特性の優れた超音波振動子を
構成でき、高精度な超音波断層像を取得表示できる超音
波診断装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における超音波診断装置
の概略ブロック結線図
【図2】同実施例における超音波診断装置の要部である
超音波プローブの透視、及び断面図
【図3】同実施例における超音波診断装置の要部である
超音波プローブ後端側の透視図
【図4】同実施例における超音波診断装置の要部である
超音波プローブ適応状態を示す概念図
【図5】同実施例における超音波診断装置の要部である
超音波振動子の断面図
【図6】同実施例における超音波診断装置の要部である
振動子ホルダと偏心軸の関係を示す斜視図
【図7】同実施例における超音波診断装置の要部である
偏心軸の構成要素を示す斜視図
【図8】同実施例における超音波診断装置の要部である
超音波プローブ先端側の断面図
【図9】同実施例における超音波診断装置の要部である
偏心軸の構成要素を示す斜視図
【図10】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る振動子ホルダの走査形態を示す概念図
【図11】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る振動子ホルダの走査形態を示す概念図
【図12】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る超音波プローブ先端側の別構成の断面図
【図13】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る超音波プローブ先端側の斜視図
【図14】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る本体部のブロック結線図
【図15】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る位置センサの断面図
【図16】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る位置検出部の出力波形図
【図17】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る本体部のブロック結線図
【図18】同実施例における超音波診断装置の要部の出
力波形図
【図19】同実施例における超音波診断装置の要部であ
るトルク伝達軸の斜視図
【図20】同実施例における超音波診断装置の要部であ
るトルク伝達軸の伝達軸加工法を示す斜視図
【図21】本発明の第2の実施例における超音波診断装
置の要部であるトルク伝達軸の斜視図
【図22】同実施例における超音波診断装置の要部であ
るトルク伝達軸の伝達軸加工法を示す斜視図
【図23】本発明の第3の実施例における超音波診断装
置の要部であるトルク伝達軸の部分斜視図
【図24】同実施例における超音波診断装置の要部であ
るトルク伝達軸を構成する素線形状を示す斜視図
【図25】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る素線形状の別構成及びトルク伝達軸の別構成を示すを
示す斜視図
【図26】本発明の第4の実施例における超音波診断装
置の要部である超音波プローブの断面図
【図27】本発明の第5の実施例における超音波診断装
置の要部である超音波プローブ先端側の断面図
【図28】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る高分子圧電膜の斜視図
【図29】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る高分子圧電膜の超音波プローブ側面への形成を示す斜
視図
【図30】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る円盤電極の構成を示す斜視図
【図31】同実施例における超音波診断装置の要部であ
るリング電極の構成を示す斜視図
【図32】本発明の第6の実施例における超音波診断装
置の要部である円盤電極の構成及びその電極と遅延素子
の電気的接続法を示す図
【図33】本発明の第7の実施例における超音波診断装
置の要部である超音波プローブ先端側の断面図
【図34】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る回転電極部の構成を示す斜視図
【図35】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る高分子圧電膜の構成図
【図36】本発明の第8の実施例における超音波診断装
置の要部である高分子圧電膜の構成図
【図37】本発明の第9の実施例における超音波診断装
置の要部である回転電極部の斜視、及びブロック結線図
【図38】本発明の第10の実施例における超音波診断
装置の要部である超音波プローブ先端側の断面図
【図39】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る回転電極部の構成を示す斜視図
【図40】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る超音波プローブ先端側の斜視図
【図41】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る回転電極部、及び超音波プローブ先端側の別な構成を
示す図
【図42】本発明の第11の実施例における超音波診断
装置の要部である回転電極部の構成を示す斜視図
【図43】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る電気的接続を説明するのに用いる概念図
【図44】本発明の第12の実施例における超音波診断
装置の要部である本体部のブロック結線図
【図45】同実施例における超音波診断装置の超音波断
層像の概念図
【図46】本発明の第13の実施例における超音波診断
装置の要部である超音波プローブ後端側の透視図
【図47】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る本体側コネクタの構成を示す斜視図
【図48】同実施例における超音波診断装置の要部であ
るプローブ側コネクタの構成を示す斜視図
【図49】本発明の第14の実施例における超音波診断
装置の要部である超音波振動子の構成を示す斜視図
【図50】同実施例における超音波診断装置の要部であ
る高分子圧電膜の構成を示す概念図
【図51】従来の超音波プローブの断面図
【符号の説明】
1 超音波プローブ 2 本体部 3 先端側 4 後端側 5 駆動部 6 周囲方向用送受信部 7 周囲方向用画像構成部 8 前方方向用送受信部 9 前方方向用画像構成部 10 画像メモリ部 11 モニタ 12 オペレータ部 13 制御部 14 距離計算部 15 カテーテル 16 シャフト 17 軸受 18 トルク伝達軸 19 回転軸 20 回転子 21 周囲方向用超音波振動子 22 ミラー 23 偏心軸 24 振動子ホルダ 25 キャップ 26 音響窓 27 梁 28 前方方向用超音波振動子 29 ピボットシャフト 30 保護膜 31 空隙部 32 ルーメン 33 信号線 34 信号線 35 伝搬媒体注入口 36 プローブ側取付部 37 本体側取付部 38 プローブ側コネクタ 39 本体側コネクタ 40 モータ 41 位置検出器 42 第1プーリ 43 第2の回転軸 44 第2のプーリ 45 駆動ベルト 46 信号コンタクト部 47 オイルシール材 48 心臓 49 大動脈 50 冠状動脈 51 狭窄部 52 ガイドカテーテル 53 背面負荷材 54 圧電素子 55 電極 56 電極 57 音響整合層 58 信号線 59 溝 60 回動軸受 61 ピン 62 回動軸受 63 隙間 64 接触子 65 バネ 66 位置検出センサ 67 信号線 68 コート材 69 位置検出部 70 受信部 71 スレッシュホールド値発生部 72 比較部 73 位置検出信号発生部 74 高分子圧電材料 75 電極 76 位置検出部 77 タイミング信号発生部 78 送受信部 79 検波部 80 パルス生成器 81 カウンタ部 82 基準値生成部 83 比較部 84 基準ゲート発生部 85 ラッチ部 86 先端側 87 後端側 88 内側層 89 心材 90 素線 91 外層 92 隙間 93 突起部 94 切り込み部 95 中間軸受 96 微小ルーメン 97 高分子圧電膜 98 内側電極 99 外側電極 100 円盤電極 101 電極 102 信号線 103 信号線 104 リング電極 105 絶縁部 106 導電性部 107 円盤電極 108 電極 109 ピッチ 110 遅延素子 111 回転電極部 112 高分子圧電膜 113 電極 114 表面 115 微小電極 116 微小孔 117 微細中空管 118 吸引制御部 119 キャップ 120 傘歯車A 121 傘歯車B 122 回転軸A 123 軸受A 124 プーリA 125 回転軸B 126 プーリB 127 軸受B 128 回転電極部 129 駆動ベルト 130 ブラシ 131 超音波振動子 132 電極 133 リング電極 134 走査領域 135 高分子圧電膜 136 電極 137 分極方向を示す矢印 138 分極方向を示す矢印 139 駆動回路 140 プリ画像メモリ部 141 相関比較部 142 回転中心 143 血管壁 144 スペックルパターン 145 領域A 146 領域B 147 溝 148 スプリング 149 球 150 スプリング押さえ 151 孔 152 中空部 153 ヘコミ 154 高分子圧電膜 155 電極A 156 電極B 157 電極C 158 信号線 159 信号線 160 信号線 161 超音波プローブ 162 先端側 163 後端側 164 カテーテル 165 トルク伝達軸 166 ミラー 167 反射面 168 軸受部材 169 超音波振動子 170 信号線 171 音響窓 172 ガイドワイヤ 173 伝搬空間 174 排液口 175 Y型分岐 176 接続部 177 伝搬媒体注入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 利春 神奈川県川崎市多摩区東三田三丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−270140(JP,A) 特開 昭62−27928(JP,A) 特開 昭55−122526(JP,A) 特開 平3−155847(JP,A) 特開 昭57−45835(JP,A) 実開 昭61−133011(JP,U) 実開 昭62−78910(JP,U) 実開 昭60−86311(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波プローブと本体部とを有する超音
    波診断装置であって、前記本体部は、前記超音波プロー
    ブに伝達される回転力を発生する駆動部を有し、前記超
    音波プローブは、超音波振動子と、前記超音波振動子の
    送波方向を前記回転力を用いて走査する走査機構と、前
    記駆動部と前記走査機構との間に接続されかつ素線の側
    面に突起部または切り込み部を任意の間隔毎に設け、複
    数の角線形状の素線を並列に配置した状態で外層を構成
    した多層スプリング構造であるトルク伝達軸と、前記ト
    ルク伝達軸を内包した可撓性の中空細管であるカテーテ
    ルとを有し、前記超音波プローブは、体腔細管に挿入可
    能である超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 更に、超音波プローブの中間部分に位置
    されて、カテーテルの先端側と後端側を固定し、信号線
    または伝搬媒体を通過させる微小ルーメンが形成され、
    中空部にトルク伝達軸を通過させた中間軸受を有する請
    求項1記載の超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 超音波プローブは、更に、カテーテルの
    先端側に固定された中空構造のシャフトと、前記シャフ
    トに固定された摩擦係数の小さいフッ素系樹脂で構成さ
    れた中空構造の軸受と、前記シャフトおよび軸受の中空
    構造の部分に挿入された第1の回転軸と、前記第1の回
    転軸の先端側に固定され内部に周囲方向用超音波振動子
    と超音波反射ミラーを対向させて設置させ超音波出射側
    に開口を持つ円管構造の回転子と、前記回転子の先端側
    に固定された偏心軸と、後端側の溝に前記偏心軸が挿入
    されピボットシャフトにより動作方向が前方扇形走査に
    制限される振動子ホルダと、前記振動子ホルダに内包さ
    れる前方方向用超音波振動子と、前記ピボットシャフト
    を固定するための軸受に固定されたキャップと、少なく
    とも前記シャフトより先端側にかぶせられた保護膜と、
    前記第1の回転軸の後端側に固定され本体部で発生した
    回転力を伝達するための可撓性を有する多層スプリング
    構造のトルク伝達軸と、前記カテーテルのルーメンを通
    り電気的に前記前方方向用超音波振動子に接続された第
    1の信号線と、前記トルク伝達軸内を通り電気的に前記
    周囲方向用超音波振動子に接続された第2の信号線と、
    前記カテーテルの後端側の2つの分岐部の一方に対応し
    前記トルク伝達軸の後端側に接続されたプローブ側コネ
    クタと、前記プローブ側コネクタと前記本体部間のオイ
    ルシール材と、前記カテーテルの後端側の2つの分岐部
    の他方である伝搬媒体注入口との構成要素を含み、本体
    部は、更に、前記超音波プローブに設けられたプローブ
    側コネクタに勘合するように設けられた本体側コネクタ
    と、前記第2の信号線と電気的に接続された信号コンタ
    クト部と、前記本体側コネクタに接続された第2の回転
    軸と、前記第2の回転軸を回転させるモータと、前記モ
    ータの回転状態を検出する位置検出器と、前記信号コン
    タクト部に接続された周囲方向用送受信部と、前記周囲
    方向用送受信部に接続された周囲方向用画像構成部と、
    前記第1の信号線に接続された前方方向用送受信部と、
    前記前方方向用送受信部に接続された前方方向用画像構
    成部と、前記周囲方向用画像構成部と前記前方方向用画
    像構成部に接続された画像メモリ部と、前記画像メモリ
    部に接続されたモニタと、指令を入力するオペレーショ
    ン部と、前記オペレーション部に接続され少なくとも前
    記本体部の電気的タイミング信号、画像静止制御および
    /または画像構成に必要なデータを発生する制御部との
    構成要素を含む請求項1または2に記載の超音波診断装
    置。
  4. 【請求項4】 画像メモリ部に接続されたプリ画像メモ
    リ部と、前記プリ画像メモリ部と前記画像メモリ部に接
    続され制御部に出力が接続された相関比較部と、前記制
    御部に接続された距離計算部を備え、相関比較部の結果
    によりオペレーション部からの画像静止指令を無視する
    機能を制御部に持たせた請求項3記載の超音波診断装
    置。
  5. 【請求項5】 本体側コネクタに孔を設け、前記孔に球
    およびスプリングを挿入してスプリング押さえで固定
    し、プローブ側コネクタに前記球に勘合するヘコミと溝
    とを設けた請求項1から4のいずれかに記載の超音波診
    断装置。
  6. 【請求項6】 周囲方向用超音波振動子および前方方向
    用超音波振動子の少なくとも一方を、電極、高分子圧電
    膜、電極、圧電素子、電極および背面負荷材を順次積層
    した多層構造とし、前記高分子圧電膜の表面の電極を中
    心軸に対し対称な形状で複数に分割し、前記分割された
    複数の電極に対応して前記高分子圧電膜の分極方向を中
    心軸に対し対称になるように反転させ、前記圧電素子で
    送波し前記高分子圧電膜で受波させて差動方式の受信を
    行う請求項1から5のいずれか記載の超音波診断装置。
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