JP2704806B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents

エンジンの冷却装置

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JP2704806B2
JP2704806B2 JP8847092A JP8847092A JP2704806B2 JP 2704806 B2 JP2704806 B2 JP 2704806B2 JP 8847092 A JP8847092 A JP 8847092A JP 8847092 A JP8847092 A JP 8847092A JP 2704806 B2 JP2704806 B2 JP 2704806B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの冷却装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンの冷却装置では、エンジ
ンおよびラジエータ間を結ぶ冷却水循環回路に配設され
る水ポンプをエンジンのクランク軸に連結し、一定の温
度で開閉するサーモスタットによりラジエータを流通す
る冷却水量を制御するようにしており、このような冷却
装置では、エンジンを流通する冷却水量がエンジンの回
転数により一義的に定まるので、暖機時や低負荷時にお
いてもエンジン回転数が大きい状態では冷却水量が多
く、したがって暖機時間が長くなったり、過冷却状態と
なったりして、燃費低減および排ガス性状向上の観点か
らは好ましくないことがある。また前記サーモスタット
は、エンジン負荷の急激な増減時に応答遅れを生じ、エ
ンジン温度のオーバーシュートやアンダーシュートを生
じてエンジンの安定的な運転を損なうおそれがある。
【0003】そこで、たとえば特公昭64−571号公
報で開示されるように、冷却水循環回路に流量可変の制
御弁を設け、その制御弁の開度制御によりエンジンを流
通する冷却水量を調節するようにして、上記問題を解決
するようにしたものも実現されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、暖機時間の
短縮および過冷却状態の回避を図るためには、エンジン
出口水温の目標値を比較的高い値に設定しておき、エン
ジン出口水温が前記目標値に達するように前記制御弁の
開度を制御するようにすればよく、上記特公昭64−5
71号公報で開示された先行技術は、通常の運転状態で
はシリンダ壁温度が所定範囲となるようにエンジン負荷
およびエンジン回転数に応じて制御弁の開度を制御する
が、エンジン暖機時には、エンジン出口水温が120℃
程度になるように制御弁の開度(全閉状態)を制御する
ようにしている。しかるに、エンジン出口水温のみで冷
却水量を制御したのでは、エンジンが過熱状態となるお
それがあり、上記先行技術では、シリンダ壁温度を直接
検出し、その検出値によって制御弁の開度を補正してシ
リンダ壁温を所定範囲内に維持するようにしており、制
御回路の構成が複雑となる。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、簡単な構成により暖機時にはその時間の短縮
および過冷却を回避するとともに暖機後には過熱状態と
なることを回避するようにし、しかもエンジンの安定的
な運転を確保するようにしたエンジンの冷却装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明に従う装置は、エンジンおよび
ラジエータを結ぶ冷却水循環回路に設けられる可変流量
制御弁と、エンジン入口水温を検出する入口水温検出器
と、エンジン出口水温を検出する出口水温検出器と、エ
ンジン入口水温が低水温域に在るときにエンジン出口水
温を目標出口温度とすべく可変流量制御弁の開度を制御
する状態とエンジン入口水温が高水温域に在るときにエ
ンジン入口側水温を目標入口温度とすべく可変流量制御
弁の開度を制御する状態とを切換可能な制御手段とを備
える。
【0007】また請求項2の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の構成に加えて、低水温域および高水温域
間に中水温域が設定され、制御手段は、エンジン入口水
温が中水温域に在る状態でのエンジン低負荷時にエンジ
ン出口水温を目標出口温度とすべく可変流量制御弁の開
度を制御する状態と、エンジン入口水温が中水温域に在
る状態でのエンジン高負荷時にエンジン入口水温を目標
入口温度とすべく可変流量制御弁の開度を制御する状態
とを切換可能に構成される。
【0008】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載の発明の構成に加えて、エンジンのノッキングを
検出するノッキング検出器が制御手段に接続され、制御
手段は、中水温域でのエンジン高負荷時にノッキングが
検出されるのに応じて目標入口温度を低減するとともに
エンジン出口水温およびエンジン入口水温間の温度差を
低減する側に可変流量制御弁の開度を制御すべく構成さ
れる。
【0009】さらに請求項4記載の発明によれば、上記
請求項1記載の発明の構成に加えて、可変流量制御弁
は、エンジンの出口側およびラジエータ間を結んで冷却
水循環回路の一部を構成する通路の途中に設けられる。
【0010】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。
【0011】先ず図1において、エンジンEおよびラジ
エータRを結んで冷却水循環回路1が構成されており、
この冷却水循環回路1は、エンジンEの出口およびラジ
エータRの入口間を結ぶ通路1aと、ラジエータRの出
口およびエンジンEの入口間を結ぶ通路1bとを備え
る。また通路1a,1b間は、スロットルバルブ(図示
せず)を迂回する空気量を水温に応じて自動的に制御す
るファーストアイドル弁2、前記スロットルバルブを迂
回する空気量を制御信号により制御する空気制御弁3、
スロットルバルブを備えるスロットルボディ4、ならび
にブリザー通路5を直列に結んでラジエータRを迂回す
るライザー通路6で接続される。
【0012】冷却水循環回路1における通路1aの途中
で、前記ライザー通路6の接続点よりもラジエータR側
には、開度を無段階に変化させ得る電磁式可変流量制御
弁7が配設される。また通路1bのエンジンE寄りの部
分には、エンジンのクランク軸(図示せず)に連結され
る水ポンプ8が配設される。
【0013】冷却水循環回路1における通路1aには、
切換弁9を介して通路10,11の一端が接続されてお
り、両通路10,11の他端は冷却水循環回路1におけ
る通路1bの水ポンプ8よりもラジエータR側に接続さ
れる。而して、一方の通路10の途中にはヒータユニッ
ト12が介装され、他方の通路11の途中には、その上
流側から順に制御弁13およびトランスミッションオイ
ルウォーマ14が介設される。
【0014】ラジエータRに付設されたラジエータファ
ン15は、ラジエータRの出口側に配設されたファンス
イッチ16によりオン・オフ制御されるものであり、ラ
ジエータRの出口水温が所定値以上となったときにラジ
エータファン16が作動せしめられる。
【0015】可変流量制御弁7は、コンピュータから成
る制御手段18により制御されるものであり、この制御
手段18には、冷却水循環回路1におけるエンジン出口
水温TWOを検出する出口水温検出器19、冷却水循環回
路1におけるエンジン入口水温TWIを検出する入口水温
検出器20、エンジン回転数NE を検出する回転数検出
器21、エンジン吸気圧PB を検出する吸気圧検出器2
2、ならびにエンジンEの振動によりノッキングを検出
するノッキング検出器23がそれぞれ接続される。
【0016】而して、制御手段18は、上記各温度
WO,TWI,、エンジン回転数NE 、エンジン吸気圧P
B 、およびノッキング検出器23の出力に応じて可変流
量制御弁7の作動を制御する。
【0017】図2〜図5は、可変流量制御弁7の作動を
制御すべく制御手段18で設定されている制御手順のフ
ローチャートであり、先ず図2において、第1ステップ
S1では、エンジンEが始動後に安定した状態になった
かどうかをエンジン回転数N E が設定回転数NESTDを超
える値となったかどうかにより判断し、NE ≦NESTD
あったときにはエンジン始動状態であるとして第2ステ
ップS2に進み、この第2ステップS2でフラグFが
「1」と設定された後、第3ステップS3に進む。また
E >NESTDであることが第1ステップS1で確認され
たときには、第2ステップS2を迂回して第3ステップ
S3に進む。
【0018】第3ステップS3では、パラメータとして
エンジン回転数NE 、エンジン吸気圧PB 、エンジン出
口温度TWOおよびエンジン入口温度TWIが読込まれ、次
の第4ステップS4では、エンジン入口温度TWIが第1
設定温度TWIS1を超える(T WI>TWIS1)かどうかが判
断される。この第1設定温度TWIS1は、エンジンEが暖
機を完了したと判断し得る温度たとえば60℃に設定さ
れるものであり、第4ステップS4でTWI≦TWIS1であ
ると判断されたときには、第5ステップS5でフラグF
を「1」と設定した後に、第13ステップS13(図3
参照)に進む。また第4ステップS4でTWI>TWIS1
あると判断されたときには第6ステップS6に進む。
【0019】第6ステップS6では、エンジン入口温度
WIが第2設定温度TWIS2未満(T WI<TWIS2)である
かどうかが判断される。この第2設定温度TWIS2は、エ
ンジンEが過熱状態にあると判断し得る温度たとえば9
0℃に設定されるものであり、第6ステップS6でTWI
≧TWIS2であると判断されたときには、第7ステップS
7に進んでフラグFを「0」と設定した後に、第22ス
テップS22(図4参照)に進む。また第6ステップS
6でTWI<TWIS2であると判断されたときには、第8ス
テップS8に進む。
【0020】この第8ステップS8では、フラグFが
「1」であるか否かが判断され、F=1であった場合に
は第9ステップS9に、またF=0であった場合には第
10ステップS10にそれぞれ進む。
【0021】第9ステップS9では、図6で示すマップ
(1)によってフラグFを検索するとともに、その検索
結果に基づいてフラグFを書替え、また第10ステップ
S10では、図7で示すマップ(2)によってフラグF
を検索するとともにその検索結果に基づいてフラグFを
書替える。而して、両マップ(1),(2)は、エンジ
ン回転数NE とエンジン吸気圧PB とに基づいてフラグ
Fを「0」である領域と、「1」である領域とに定めた
ものであり、マップ(1)において「0」である領域と
「1」である領域とを分ける境界線A1 は、マップ
(2)において「0」である領域と「1」である領域と
を分ける境界線A2 よりも吸気圧PB が高い方に設定さ
れる。すなわちエンジン回転数NE およびエンジン吸気
圧PB に基づいてフラグFの書替えを行なうにあたって
ヒステリシスが設定されていることになる。
【0022】第9および第10ステップS9,S10の
処理終了後には、第11ステップS11において、フラ
グFが「1」であるか否かが判断され、F=1であると
きには第13ステップS13に、またF=0であるとき
には第12ステップS12に進む。
【0023】第12ステップS12では、フラグFが
「0」となってから所定時間TSTD が経過した否かが判
断され、所定時間TSTD が経過していないときには、上
記第13ステップS13に、また所定時間TSTD が経過
したときには第22ステップS22に進む。
【0024】図3において、第13ステップS13で
は、エンジン回転数NE およびエンジン吸気圧PB に基
づいて予め設定してあるマップに基づき、目標出口温度
WOOが検索され、次の第14ステップS14で、エン
ジン出口温度TWOが目標出口温度TWOO よりも低い(T
WO<TWOO )と判断されたときには、第15ステップS
15で可変流量制御弁7の開度が全閉に定められ、第1
6ステップS16で可変流量制御弁7が作動せしめられ
る。
【0025】また第14ステップS14で、TWO≧T
WOO と判断されたときには第17ステップS17〜第2
1ステップS21でフィードバック制御が実行されるこ
とになり、先ず第17ステップS17では、目標出口温
度TWOO に対応して予め設定されているマップから基準
デューティ比DBOが検索される。すなわち、電磁式であ
る可変流量制御弁7の開度は、ソレノイド励磁のデュー
ティ比を制御することにより変化するものであり、第1
7ステップS17では、基準となるデューティ比DBO
得られることになる。次の第18ステップS18では、
エンジン出口水温TWOおよび目標出口温度TWOO の水温
差ΔTWO(=TWO−TWOO )が算出され、第19ステッ
プS19で、フィードバック制御値DF が(DBO+K・
ΔTWO)として算出される。ここで、Kはゲインであ
る。
【0026】第20ステップS20では、第19ステッ
プS19で得られたフィードバック制御値DF が許容最
小値DFM1 未満であるかどうかが判定され、DF <D
FM1 であったときには第21ステップS21でDF =D
FM1 とされた後、第16ステップS16に進み、DF
FM1 であったときには第21ステップS21を迂回し
て第16ステップS16に進む。
【0027】図4において、第22ステップS22で
は、エンジン回転数NE およびエンジン吸気圧PB に基
づいて予め設定してあるマップに基づき、目標入口温度
WIOが検索され、第23ステップS23では、ノッキ
ング現象が発生していないかどうか、すなわちノッキン
グ検出器23がノッキングを検出していない状態かどう
かが判断され、ノッキング発生時には、第29ステップ
S29(図5)に、またノッキングが発生していない状
態では第24ステップS24に進む。
【0028】第24ステップS24〜第28ステップS
28では、目標入口温度TWIO に応じたフィードバック
制御が実行されるものであり、第24ステップS24で
は、目標入口温度TWIO に対応して予め設定されている
マップから基準デューティ比DBIが検索される。次の第
25ステップS25では、エンジン入口水温TWIおよび
目標入口温度TWIO の水温差ΔTWI(=TWI−TWIO
が算出され、第26ステップS26で、フィードバック
制御値DF が(DBI+K・ΔTWI)として算出される。
【0029】第27ステップS27では、第26ステッ
プS26で得られたフィードバック制御値DF が許容最
小値DFM2 未満であるかどうかが判定され、DF <D
FM2 であったときには第28ステップS28でDF =D
FM2 とされた後、第16ステップS16(図3参照)に
進み、DF ≧DFM2 であったときには第28ステップS
28を迂回して第16ステップS16に進む。
【0030】図5において、第29ステップS29〜第
39ステップS39は、ノッキング発生時の制御手順を
示すものであり、第29ステップS29では、目標入口
温度TWIO が一定値(たとえば3℃)だけ低減され、第
30ステップS30では、低減された目標入口温度T
WIO に基づいて基準デューティ比DBIが検索される。次
の第31ステップS31では、エンジン入口水温TWI
よび目標入口温度TWIOの水温差ΔTWI(=TWI−T
WIO )が算出され、第32ステップS32では前記水温
差ΔTWIが正(ΔTWI>0)であるかどうかが判定さ
れ、ΔTWI≦0であるときには第33ステップS33で
ΔTWI=0とされた後に第34ステップS34に進み、
ΔTWI>0であったときには第33ステップS33を迂
回して第34ステップS34に進む。
【0031】第34ステップS34では、エンジン出口
水温TWOとエンジン入口水温TWIとの水温差ΔTW (=
WO−TWI)が算出され、次の第35ステップS35で
は、前記水温差ΔTW が一定値を超えるかどうかが判断
される。而してΔTW ≦一定値であったときには第36
ステップS36でΔTW =0とされた後に第37ステッ
プに進み、ΔTW >一定値であったときには第36ステ
ップS36を迂回して第37ステップS37に進む。
【0032】第37ステップS37では、フィードバッ
ク制御値DF が(DBI+K・ΔTWI+K′・ΔTW )と
して算出される。ここで、K′はゲインである。
【0033】第38ステップS38では、第37ステッ
プS37で得られたフィードバック制御値DF が許容最
小値DFM2 未満であるかどうかが判定され、DF <D
FM2 であったときには第39ステップS39でDF =D
FM2 とされた後、第16ステップS16(図3参照)に
進み、DF ≧DFM2 であったときには第39ステップS
39を迂回して第16ステップS16に進む。
【0034】このような制御手順を纏めると次のように
なる。すなわちエンジン始動後において、エンジン入口
水温TWIが第1設定温度TWIS1(たとえば60℃)以下
の低水温域では、第13ステップS13〜第21ステッ
プS21の手順により、エンジン回転数NE およびエン
ジン吸気圧PB で定まる目標出口温度TWOO を目標値と
した制御が実行される。すなわちエンジン出口水温TWO
が、エンジン回転数N E およびエンジン吸気圧PB で定
まる目標出口温度TWOO 未満のときには可変流量制御弁
7が全閉状態とされ、エンジン出口水温TWOが目標出口
温度TWOO 以上となったときには目標出口温度TWOO
目標値としたフィードバック制御により可変流量制御弁
7の開度が定められる。
【0035】またエンジン入口水温TWIが第2設定温度
WIS2(たとえば90℃)以上の高水温域においてノッ
キング現象が生じていない状態では、第22ステップS
22〜第28ステップS28の手順により、エンジン回
転数NE およびエンジン吸気圧PB で定まる目標入口温
度T WIO を目標値としたフィードバック制御が実行され
る。
【0036】さらに第1設定温度TWIS1を超えて第2設
定温度TWIS2未満の中水温域が設定されており、この中
水温域において、低負荷状態では上述の第13ステップ
S13〜第21ステップS21の手順による目標出口温
度TWOO を目標値とした制御が実行され、高負荷状態で
かつノッキングが発生していないときには、上述の第2
2〜第28ステップS28の手順により、エンジン回転
数NE およびエンジン吸気圧PB で定まる目標入口温度
WIO を目標値としたフィードバック制御が実行され
る。目標入口温度TWIO を目標値としたフィードバック
制御実行中にノッキングが生じた場合には、第29ステ
ップS29〜第39ステップS39の手順に従って、一
定値だけ低減した目標入口温度TWIO を目標値とすると
ともにエンジン出口温度TWOおよびエンジン入口温度T
WI間の温度差ΔTW が小さくなるようにした可変流量制
御弁7のフィードバック制御が実行されることになる。
【0037】しかも上記中水温域において、低負荷〜高
負荷間の切換時にはヒステリシスが設定されているだけ
でなく、低負荷から高負荷への切換時には高負荷状態と
なってから一定時間TSTD が経過した後でなくては、目
標入口温度TWIO を目標値とした制御には入れない。
【0038】次にこの実施例の作用について説明する
と、エンジン入口水温TWIが第1設定温度TWIS1未満で
あるエンジンの暖機過程では、目標出口温度TWOO を目
標値として可変流量制御弁7の開度が制御されるもので
あり、エンジン出口水温TWOが目標出口温度TWOO に達
するまでは可変流量制御弁7が閉弁されることになる。
この際、冷却水がライザー通路6を流通することは許容
されているが、ライザー通路6の流通抵抗が比較的大き
いことにより、水ポンプ8から吐出される水量はごく小
量となり、したがってエンジンEを流通する水量が極小
となって水温および油温の早期昇温を図り、暖機時間の
短縮を図るとともに冷却損失の低減およびフリクション
損失の低減を図ることがができる。
【0039】エンジン出口水温TWOが或る程度まで昇温
したときに制御弁13の開弁によりトランスミッション
の油温昇温が図られ、これによりフリクション損失をよ
り一層低減することができる。而して可変流量制御弁7
の開度が漸次増大することにより、ラジエータRからの
水導入量も増大していくことになる。
【0040】この際、目標出口温度TWOO を比較的高い
値たとえば110℃に設定しておくことにより、冷却損
失の低減に伴い、図8および図9で示すように正味燃料
消費率および図示燃料消費率を低減することができると
ともに、図10で示すようにフリクション損失を低減す
ることができ、また排ガス中の未燃炭化水素を減少させ
て排ガス性状を向上することができる。
【0041】またエンジン出口温度TWOが目標出口温度
WOO を一旦超えた後には、可変流量制御弁7の最小開
度が保持されることになり、エンジンEを流通する水量
が大幅に変化することはなく、図11の実線で示すよう
に水温が時間経過とともに安定的に変化することによ
り、エンジンの安定的な運転が可能となる。これに対
し、可変流量制御弁7の最小開度が定められていない場
合には、図11の破線で示すように水温が大幅に変動し
てエンジンの安定的な運転が困難となるものである。
【0042】エンジンの暖機完了後においてエンジン入
口温度TWIが第1設定温度TWIS1を超えて第2設定温度
WIS2未満である中水温域が設定されており、この中水
温域では、エンジン低負荷時にエンジン出口水温TWO
目標出口温度TWOO とすべく可変流量制御弁7の開度を
制御する状態と、エンジン高負荷時にエンジン入口水温
WIを目標入口温度TWIOとすべく可変流量制御弁7の開
度を制御する状態とが切換えられる。これによりエンジ
ン低負荷時には、上述のエンジン暖機時と同様にして燃
費低減を図るとともに良好な排ガス性状を得ることがで
きる。またエンジン高負荷時には、エンジン回転数NE
および負荷に応じて定めた目標入口温度TWIO に基づい
た制御を行なうことにより出力向上を図ることができ
る。すなわち、高エンジン回転数でかつ高負荷時には、
目標入口温度TWIO をたとえば80〜90℃に定めてお
くことにより、図12で示すように出力向上を果たすこ
とができ、低〜中エンジン回転数でかつ高負荷時には、
目標入口温度TWIO をたとえば60℃程度に設定してお
くことにより、図13で示すように出力トルクの向上を
果たすことができ、エンジン運転状態に応じてより精密
な制御を実行することができる。
【0043】ところで、エンジンが高負荷状態となった
ときには、図14で示すように、エンジン入口水温TWI
が低く、かつエンジン出口水温TWOおよびエンジン入口
水温TWI間の温度差ΔTW が少ない方がノッキングが発
生し難いことが知られている。而して、ノッキング検出
器23がノッキングを検出したときには、目標入口温度
WIO が低減されるとともに、エンジン出口水温TWO
よびエンジン入口水温TWIおよび間の温度差ΔTW を減
少させるように可変流量制御弁7の開度が制御されるの
で、ノッキングが生じ難くなるものであり、点火時期の
リタードや混合気の濃厚化を図ることなく、一旦発生し
たノッキング現象を速やかに解消することができる。
【0044】さらに中水温域において、図15(a)で
示すようにエンジン負荷が変動したときには、可変流量
制御弁7の開度が図15(b)で示すように変化し、そ
れに応じて水温が図15(c)で示すように変化するも
のである。而して、エンジン負荷が低負荷から高負荷に
変化したときには、可変流量制御弁7が電磁式であって
応答性が優れていることから、図15(c)で示すよう
にオーバーシュート等の問題が発生することはなく、ま
た高負荷から低負荷への変化時にはヒステリシスを設定
していることにより、可変流量制御弁7の開度が遅れて
閉じ側に変化することになり、急激なアンダーシュート
が生じることもない。ただし、中水温域におけるエンジ
ン低負荷時に目標出口温度TWOO を目標値とした制御を
実行中に、エンジン負荷が低負荷から高負荷に変化する
のに応じて可変流量制御弁7の制御を目標入口温度T
WIO を目標値とした制御に速やかに変化させると、エン
ジンEに低温の冷却水が導入され、復帰するまでに時間
がかかることになる。そこで、図2の第12ステップS
12において、低負荷から高負荷に変化してから所定時
間TSTD が経過した否かを判断し、所定時間TSTD が経
過するまでは目標入口温度TWIO を目標値とした制御に
は入らないようにしている。これによりエンジンEの温
度が若干昇温するが、その昇温を許容するように図6の
マップ(1)ならびに図7のマップ(2)を設定してお
くことにより対処することができる。
【0045】しかも、この冷却装置では、可変流量制御
弁7は、エンジンEの出口側およびラジエータR間を結
んで冷却水循環回路1の一部を構成する通路1aの途中
に設けられているので、ラジエータRを迂回するように
して従来設けられていたバイパス通路を不要とすること
ができ、冷却水循環回路1での水保有量を減少させて暖
機性能向上および重量低減を図ることができる。
【0046】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の小設
計変更を行なうことが可能である。
【0047】たとえば、ライザー通路6を省略すること
も可能であり、その場合には、図3のフローチャートに
おいて、第14ステップS14および第15ステップS
15が不要となり、第13ステップS13から第17ス
テップS17に進むことになる。
【0048】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明に従う
装置は、エンジンおよびラジエータを結ぶ冷却水循環回
路に設けられる可変流量制御弁と、エンジン入口水温を
検出する入口水温検出器と、エンジン出口水温を検出す
る出口水温検出器と、エンジン入口水温が低水温域に在
るときにエンジン出口水温を目標出口温度とすべく可変
流量制御弁の開度を制御する状態とエンジン入口水温が
高水温域に在るときにエンジン入口側水温を目標入口温
度とすべく可変流量制御弁の開度を制御する状態とを切
換可能な制御手段とを備えるので、簡単な構成により暖
機時にはその時間の短縮および過冷却を回避するととも
に暖機後には過熱状態となることを回避することができ
る。
【0049】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、低水温域および高水
温域間に中水温域が設定され、制御手段は、エンジン入
口水温が中水温域に在る状態でのエンジン低負荷時にエ
ンジン出口水温を目標出口温度とすべく可変流量制御弁
の開度を制御する状態と、エンジン入口水温が中水温域
に在る状態でのエンジン高負荷時にエンジン入口水温を
目標入口温度とすべく可変流量制御弁の開度を制御する
状態とを切換可能に構成されるので、エンジン負荷に応
じた制御が可能であり、エンジンの運転状態に応じたよ
り精密な制御が可能となる。
【0050】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載の発明の構成に加えて、エンジンのノッキングを
検出するノッキング検出器が制御手段に接続され、制御
手段は、中水温域でのエンジン高負荷時にノッキングが
検出されるのに応じて目標入口温度を低減するとともに
エンジン出口水温およびエンジン入口水温間の温度差を
低減する側に可変流量制御弁の開度を制御すべく構成さ
れるので、一旦生じたノッキングを速やかに解消するこ
とが可能となる。
【0051】さらに請求項4記載の発明によれば、請求
項1記載の発明の構成に加えて、可変流量制御弁は、エ
ンジンの出口側およびラジエータ間を結んで冷却水循環
回路の一部を構成する通路の途中に設けられるので、バ
イパス通路を不要とし、保有水量を低減させて暖機性能
向上および重量低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの冷却装置の全体系統図である。
【図2】可変流量制御弁の制御手順の一部を示すフロー
チャートである。
【図3】可変流量制御弁の制御手順の一部を示すフロー
チャートである。
【図4】可変流量制御弁の制御手順の一部を示すフロー
チャートである。
【図5】可変流量制御弁の制御手順の一部を示すフロー
チャートである。
【図6】エンジン回転数およびエンジン吸気圧に応じた
フラグの設定マップ(1)を示す図である。
【図7】エンジン回転数およびエンジン吸気圧に応じた
フラグの設定マップ(2)を示す図である。
【図8】エンジン出口水温に応じた正味燃料消費率を示
すグラフである。
【図9】エンジン出口水温に応じた図示燃料消費率を示
すグラフである。
【図10】エンジン出口水温に応じたフリクション馬力
を示すグラフである。
【図11】水温の変化過程の一例を示す図である。
【図12】エンジン入口水温に応じた出力特性を示す図
である。
【図13】出口/入口水温差に応じたトルク特性を示す
図である。
【図14】水温に応じたノッキング発生点火時期特性図
である。
【図15】負荷変動に応じた可変流量制御弁の開度およ
び水温の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 冷却水循環回路 1a 通路 7 可変流量制御弁 18 制御手段 19 出口水温検出器 20 入口水温検出器 23 ノッキング検出器 E エンジン R ラジエータ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(E)およびラジエータ(R)
    を結ぶ冷却水循環回路(1)に設けられる可変流量制御
    弁(7)と、エンジン入口水温を検出する入口水温検出
    器(20)と、エンジン出口水温を検出する出口水温検
    出器(19)と、エンジン入口水温が低水温域に在ると
    きにエンジン出口水温を目標出口温度とすべく可変流量
    制御弁(7)の開度を制御する状態ならびにエンジン入
    口水温が高水温域に在るときにエンジン入口側水温を目
    標入口温度とすべく可変流量制御弁(7)の開度を制御
    する状態を切換可能な制御手段(18)とを備えること
    を特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 【請求項2】 低水温域および高水温域間に中水温域が
    設定され、制御手段(18)は、エンジン入口水温が中
    水温域に在る状態でのエンジン低負荷時にエンジン出口
    水温を目標出口温度とすべく可変流量制御弁(7)の開
    度を制御する状態と、エンジン入口水温が中水温域に在
    る状態でのエンジン高負荷時にエンジン入口水温を目標
    入口温度とすべく可変流量制御弁(7)の開度を制御す
    る状態とを切換可能に構成されることを特徴とする請求
    項1記載のエンジンの冷却装置。
  3. 【請求項3】 エンジン(E)のノッキングを検出する
    ノッキング検出器(23)が制御手段(18)に接続さ
    れ、制御手段(18)は、中水温域でのエンジン高負荷
    時にノッキングが検出されるのに応じて目標入口温度を
    低減するとともにエンジン出口水温およびエンジン入口
    水温間の温度差を低減する側に可変流量制御弁(7)の
    開度を制御すべく構成されることを特徴とする請求項2
    記載のエンジンの冷却装置。
  4. 【請求項4】 可変流量制御弁(7)は、エンジン
    (E)の出口側およびラジエータ(R)間を結んで冷却
    水循環回路(1)の一部を構成する通路(1a)の途中
    に設けられることを特徴とする請求項1記載のエンジン
    の冷却装置。
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