JP2704364B2 - 金属条材の増肉加工方法及び装置 - Google Patents
金属条材の増肉加工方法及び装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一定断面の鋼材等の金
属条材(H形材、I形材、丸パイプ、各パイプ等)の長
手方向の少なくとも1ヶ所を、強度を上げるために増肉
させる金属条材の増肉加工方法及び装置に関する。
属条材(H形材、I形材、丸パイプ、各パイプ等)の長
手方向の少なくとも1ヶ所を、強度を上げるために増肉
させる金属条材の増肉加工方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、建築構造物の柱や梁等として、
長手方向に一定断面を有する鋼材等の金属条材(以下単
に条材という)が広く用いられている。これらの条材を
柱として使用する場合、梁を取り付ける部分には強度確
保のために各種の補強部材を設けていた。
長手方向に一定断面を有する鋼材等の金属条材(以下単
に条材という)が広く用いられている。これらの条材を
柱として使用する場合、梁を取り付ける部分には強度確
保のために各種の補強部材を設けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように条
材に補強部材を設けることは作業工数を増大させるとい
う問題を有していた。そこで、本発明者らは、この問題
点を解決すべく検討の結果、条材の長手方向の一部領域
の肉厚を局部的に増大させてほぼ一様な厚さの増肉部分
を形成し、その領域を梁の取付部分とすれば、従来用い
ていた補強部材を省略できることを見出した。
材に補強部材を設けることは作業工数を増大させるとい
う問題を有していた。そこで、本発明者らは、この問題
点を解決すべく検討の結果、条材の長手方向の一部領域
の肉厚を局部的に増大させてほぼ一様な厚さの増肉部分
を形成し、その領域を梁の取付部分とすれば、従来用い
ていた補強部材を省略できることを見出した。
【0004】そして、条材の局部増肉を行うため、図6
に示すように、増肉加工すべき条材1(図面ではパイプ
形態の条材を示している)の一端を定位置に設けられて
いるストッパ2に押し付けて固定し、その反対端を油圧
シリンダ等の圧縮装置3で押圧して条材1に圧縮力を作
用させた状態で、環状の高周波加熱コイル等の加熱装置
4によって条材1の長手方向の小領域を局部的に塑性変
形可能温度に加熱し、その加熱した部分すなわち加熱部
5に圧縮力による増肉を生じさせ、その加熱装置4を条
材1に沿って一定速度で移動させ、それによって加熱部
5を条材1に対して長手方向に移動させると共に加熱装
置4から冷却媒体6を加熱部5の後端部分に吹き付けて
増肉直後の部分を冷却、固化し、これにより条材1を長
手方向に次々と連続的に増肉してゆくという方法及びそ
の方法に使用する装置を開発した。なお、図中8はガイ
ドローラである。
に示すように、増肉加工すべき条材1(図面ではパイプ
形態の条材を示している)の一端を定位置に設けられて
いるストッパ2に押し付けて固定し、その反対端を油圧
シリンダ等の圧縮装置3で押圧して条材1に圧縮力を作
用させた状態で、環状の高周波加熱コイル等の加熱装置
4によって条材1の長手方向の小領域を局部的に塑性変
形可能温度に加熱し、その加熱した部分すなわち加熱部
5に圧縮力による増肉を生じさせ、その加熱装置4を条
材1に沿って一定速度で移動させ、それによって加熱部
5を条材1に対して長手方向に移動させると共に加熱装
置4から冷却媒体6を加熱部5の後端部分に吹き付けて
増肉直後の部分を冷却、固化し、これにより条材1を長
手方向に次々と連続的に増肉してゆくという方法及びそ
の方法に使用する装置を開発した。なお、図中8はガイ
ドローラである。
【0005】ところが、この増肉方法では、条材1の加
熱部5に圧縮力を作用させて増肉させる際、その加熱部
5の横断面上に加熱むら、冷却むら等によって温度差が
生じており、このため、均等な圧縮力を作用させても熱
応力差が生じ、条材1をガイドローラ8で拘束していて
も、条材1の増肉されている部分が微妙に曲がり、その
結果、加熱部5及びその近傍が二点鎖線1′で示すよう
に曲がり、増肉領域の長さが長くなるにつれてその曲が
りが拡大され、結局湾曲した条材となってしまうという
問題のあることが判明した。
熱部5に圧縮力を作用させて増肉させる際、その加熱部
5の横断面上に加熱むら、冷却むら等によって温度差が
生じており、このため、均等な圧縮力を作用させても熱
応力差が生じ、条材1をガイドローラ8で拘束していて
も、条材1の増肉されている部分が微妙に曲がり、その
結果、加熱部5及びその近傍が二点鎖線1′で示すよう
に曲がり、増肉領域の長さが長くなるにつれてその曲が
りが拡大され、結局湾曲した条材となってしまうという
問題のあることが判明した。
【0006】本発明は、かかる問題点に鑑みて為された
もので、条材に曲がりを生じることなく増肉加工を行う
ことの可能な金属条材の増肉加工方法及びその方法に用
いる装置を提供することを目的とする。
もので、条材に曲がりを生じることなく増肉加工を行う
ことの可能な金属条材の増肉加工方法及びその方法に用
いる装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明方法は、上述の問
題を解決するため、増肉加工すべき条材の長手方向の小
領域を局部的に加熱して加熱部を形成し、該加熱部を前
記条材の長手方向に相対的に移動させながら圧縮力を付
与して増肉させ、前記加熱部の後端部分を増肉直後に冷
却することによって、条材を連続的に増肉加工する際に
おいて、前記加熱部若しくはその近傍の前記条材軸心に
対する直角方向の変位を検出し、該変位に応じて前記条
材に、前記加熱部若しくはその近傍が変位した方向とは
逆方向に移動するように荷重若しくは曲げモーメントを
加えて、前記変位を小さくし、前記加熱部若しくはその
近傍の変位をあらかじめ設定してある許容値内に保ちな
がら増肉加工することを特徴とする。
題を解決するため、増肉加工すべき条材の長手方向の小
領域を局部的に加熱して加熱部を形成し、該加熱部を前
記条材の長手方向に相対的に移動させながら圧縮力を付
与して増肉させ、前記加熱部の後端部分を増肉直後に冷
却することによって、条材を連続的に増肉加工する際に
おいて、前記加熱部若しくはその近傍の前記条材軸心に
対する直角方向の変位を検出し、該変位に応じて前記条
材に、前記加熱部若しくはその近傍が変位した方向とは
逆方向に移動するように荷重若しくは曲げモーメントを
加えて、前記変位を小さくし、前記加熱部若しくはその
近傍の変位をあらかじめ設定してある許容値内に保ちな
がら増肉加工することを特徴とする。
【0008】本発明装置は、上記本発明方法の実施に用
いるためのものであって、増肉加工すべき条材の長手方
向の小領域を局部的に加熱して加熱部を形成する加熱装
置と、該加熱装置が前記条材の長手方向に相対的に移動
するよう、前記加熱装置及び条材の一方若しくは双方を
移動させる移動装置と、前記条材の加熱部に軸線方向の
圧縮力を作用させる圧縮装置と、前記加熱部若しくはそ
の近傍の条材軸心に対する直角方向の変位を検出する変
位検出手段と、前記加熱部若しくはその近傍が条材軸心
に対して直角方向に変位するよう前記条材に荷重若しく
は曲げモーメントを加える曲がり矯正手段と、前記加熱
部若しくはその近傍の変位をあらかじめ設定してある許
容値内に保つよう、前記変位検出手段により検出した変
位に応じて前記曲がり矯正手段を制御する制御装置とを
有することを特徴とする。
いるためのものであって、増肉加工すべき条材の長手方
向の小領域を局部的に加熱して加熱部を形成する加熱装
置と、該加熱装置が前記条材の長手方向に相対的に移動
するよう、前記加熱装置及び条材の一方若しくは双方を
移動させる移動装置と、前記条材の加熱部に軸線方向の
圧縮力を作用させる圧縮装置と、前記加熱部若しくはそ
の近傍の条材軸心に対する直角方向の変位を検出する変
位検出手段と、前記加熱部若しくはその近傍が条材軸心
に対して直角方向に変位するよう前記条材に荷重若しく
は曲げモーメントを加える曲がり矯正手段と、前記加熱
部若しくはその近傍の変位をあらかじめ設定してある許
容値内に保つよう、前記変位検出手段により検出した変
位に応じて前記曲がり矯正手段を制御する制御装置とを
有することを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明方法及び装置は上記の構成であるので、
増肉加工中、加熱部の横断面内に熱応力差が生じ、その
熱応力差によって条材の加熱部及びその近傍が条材軸心
に対して直角方向に変位すると、その変位を変位検出手
段が検出し、検出した変位に応じて曲がり矯正手段が条
材に荷重若しくは曲げモーメントを加え、その加熱部及
びその近傍を元の位置の方向に戻して曲がりを矯正で
き、このため、加熱部及びその近傍の変位をあらかじめ
設定してある許容値内に保つことができ、従って、曲が
りのほとんどない増肉加工条材を得ることができる。
増肉加工中、加熱部の横断面内に熱応力差が生じ、その
熱応力差によって条材の加熱部及びその近傍が条材軸心
に対して直角方向に変位すると、その変位を変位検出手
段が検出し、検出した変位に応じて曲がり矯正手段が条
材に荷重若しくは曲げモーメントを加え、その加熱部及
びその近傍を元の位置の方向に戻して曲がりを矯正で
き、このため、加熱部及びその近傍の変位をあらかじめ
設定してある許容値内に保つことができ、従って、曲が
りのほとんどない増肉加工条材を得ることができる。
【0010】ここで、増肉加工中に条材に生じる条材軸
心に直角方向の変位は、加熱部及びその前後(増肉終了
側及び未増肉側)のいずれにも生じるので、変位の検出
位置としては加熱部、或いはその前後の近傍位置のいず
れでもよいが、変位は加熱部直後の増肉終了部(冷却媒
体を吹き付けている位置)に最も大きく発生するので、
この位置の変位を検出し、その変位が許容範囲内になる
ように制御することが好ましい。
心に直角方向の変位は、加熱部及びその前後(増肉終了
側及び未増肉側)のいずれにも生じるので、変位の検出
位置としては加熱部、或いはその前後の近傍位置のいず
れでもよいが、変位は加熱部直後の増肉終了部(冷却媒
体を吹き付けている位置)に最も大きく発生するので、
この位置の変位を検出し、その変位が許容範囲内になる
ように制御することが好ましい。
【0011】本発明の実施に際して条材の変位の検出方
向及び曲がり矯正方向は、曲げ加工時に条材に生じる変
位の方向に応じて定めるものであるが、条材軸心に直角
方向に生じる変位は、条材断面が一般的軸対称形の場合
には任意の方向に発生するため、変位の発生方向を特定
できない。従って、このように任意の方向に変位が発生
する場合には、条材軸心に直角な面内において、互いに
直角なX軸方向、Y軸方向の変位を測定し、それぞれの
方向の変位に応じて、条材をそれぞれX軸方向、Y軸方
向に変位させて曲がりを矯正することとなる。また、条
材の断面形状によっては、条材の変位が特定の方向のみ
に生じる場合があり、その場合には、その方向の変位の
みを測定し、その方向のみに条材を変位させて曲がりを
矯正すればよい。
向及び曲がり矯正方向は、曲げ加工時に条材に生じる変
位の方向に応じて定めるものであるが、条材軸心に直角
方向に生じる変位は、条材断面が一般的軸対称形の場合
には任意の方向に発生するため、変位の発生方向を特定
できない。従って、このように任意の方向に変位が発生
する場合には、条材軸心に直角な面内において、互いに
直角なX軸方向、Y軸方向の変位を測定し、それぞれの
方向の変位に応じて、条材をそれぞれX軸方向、Y軸方
向に変位させて曲がりを矯正することとなる。また、条
材の断面形状によっては、条材の変位が特定の方向のみ
に生じる場合があり、その場合には、その方向の変位の
みを測定し、その方向のみに条材を変位させて曲がりを
矯正すればよい。
【0012】前記したように曲がり矯正手段は、曲がり
矯正のために条材に荷重若しくは曲げモーメントを加え
るものである。そのうち、荷重を加える場合においては
その荷重を加える位置は、加熱部及びその近傍に生じた
変位を矯正しうる位置であれば任意であるが、加熱部に
近い方が効果的である。このため、増肉加工継続中、加
熱部の近傍で且つ加熱部に対して一定距離だけ離れた位
置に荷重を加える構成とすることが好ましい。曲げモー
メントを加える場合には、その曲げモーメントは条材の
端部に加えてもよいし、条材の中間位置に加えてもよ
い。
矯正のために条材に荷重若しくは曲げモーメントを加え
るものである。そのうち、荷重を加える場合においては
その荷重を加える位置は、加熱部及びその近傍に生じた
変位を矯正しうる位置であれば任意であるが、加熱部に
近い方が効果的である。このため、増肉加工継続中、加
熱部の近傍で且つ加熱部に対して一定距離だけ離れた位
置に荷重を加える構成とすることが好ましい。曲げモー
メントを加える場合には、その曲げモーメントは条材の
端部に加えてもよいし、条材の中間位置に加えてもよ
い。
【0013】
【実施例】以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例による増肉加工装置の
概略構成を示す概略垂直断面図、図2はその増肉加工装
置において水平にセットされている条材の垂直方向(以
下Y軸方向という)の曲がりを矯正するためのY軸矯正
装置を示す概略構成図であり、図6に示す装置と同一部
品又は部分には同一符号を付している。図1、図2にお
いて、1は増肉加工すべき条材であり、本実施例では角
パイプを示している。1aはその条材1の増肉を終了し
た増肉部分、1bは未増肉部分、1cは増肉部分1aの
うち、加熱部5に近接した増肉直後の部分、Oは、所定
位置にセットされた条材1の、且つ曲がりの無い状態で
の条材軸心である。2は条材1の一端を定位置に固定、
保持するストッパ、3は条材1の反対端を押圧して条材
に圧縮力を作用させる油圧シリンダ等の圧縮装置であ
る。
明する。図1は本発明の一実施例による増肉加工装置の
概略構成を示す概略垂直断面図、図2はその増肉加工装
置において水平にセットされている条材の垂直方向(以
下Y軸方向という)の曲がりを矯正するためのY軸矯正
装置を示す概略構成図であり、図6に示す装置と同一部
品又は部分には同一符号を付している。図1、図2にお
いて、1は増肉加工すべき条材であり、本実施例では角
パイプを示している。1aはその条材1の増肉を終了し
た増肉部分、1bは未増肉部分、1cは増肉部分1aの
うち、加熱部5に近接した増肉直後の部分、Oは、所定
位置にセットされた条材1の、且つ曲がりの無い状態で
の条材軸心である。2は条材1の一端を定位置に固定、
保持するストッパ、3は条材1の反対端を押圧して条材
に圧縮力を作用させる油圧シリンダ等の圧縮装置であ
る。
【0014】4は、条材1の長手方向の小領域を局部的
に塑性変形可能温度に加熱して加熱部5とすることの可
能な環状の加熱装置であり、本実施例では高周波加熱コ
イルが用いられている。この加熱装置4は、内部に冷却
水等の冷却媒体の通路を備えると共に、冷却媒体6を加
熱部5の移動方向に関して後端となる部分に吹き付ける
吐出穴を備えている。8は条材1の位置を拘束するガイ
ドローラである。なお、ガイドローラ8としては、水平
に配置されている条材1の上下面を案内するように水平
に設けられたものと、条材の両側面を案内するように垂
直に設けられたものがあるが、図面ではその一方のみを
示している。11は、加熱装置4を条材1の長手方向に
移動させるための移動装置であり、加熱装置4を保持し
て移動する移動台12と、その移動台12を移動させる
ねじ軸13と、そのねじ軸13を回転駆動する駆動モー
タ14等を備えている。
に塑性変形可能温度に加熱して加熱部5とすることの可
能な環状の加熱装置であり、本実施例では高周波加熱コ
イルが用いられている。この加熱装置4は、内部に冷却
水等の冷却媒体の通路を備えると共に、冷却媒体6を加
熱部5の移動方向に関して後端となる部分に吹き付ける
吐出穴を備えている。8は条材1の位置を拘束するガイ
ドローラである。なお、ガイドローラ8としては、水平
に配置されている条材1の上下面を案内するように水平
に設けられたものと、条材の両側面を案内するように垂
直に設けられたものがあるが、図面ではその一方のみを
示している。11は、加熱装置4を条材1の長手方向に
移動させるための移動装置であり、加熱装置4を保持し
て移動する移動台12と、その移動台12を移動させる
ねじ軸13と、そのねじ軸13を回転駆動する駆動モー
タ14等を備えている。
【0015】16a、16bは、条材1の増肉直後の部
分1cの上下面に対向するように配置され、それぞれの
対向する面のY軸方向の変位を検出する変位計であり、
加熱装置4と一緒に条材1に沿って移動するよう、加熱
装置4に取り付けられるか、又は移動台12に取り付け
られている。二つの変位計16a、16bは、それぞれ
に対向する条材1の面の変位を検出しているので、両変
位計16a、16bの検出信号の差を取ることにより、
その条材1の増肉直後の部分1cの条材軸心Oに対する
直角方向の且つY軸方向の変位ΔY(即ち増肉直後の部
分1cの軸心Oが、図2にO′で示す位置に変位したと
すると、その位置O′と条材軸心OとのY軸方向の距
離)を検出できる。従って、この二つの変位計16a、
16bは、条材の増肉直後の部分の条材軸心に対する直
角方向の変位を検出する変位検出手段を構成する。
分1cの上下面に対向するように配置され、それぞれの
対向する面のY軸方向の変位を検出する変位計であり、
加熱装置4と一緒に条材1に沿って移動するよう、加熱
装置4に取り付けられるか、又は移動台12に取り付け
られている。二つの変位計16a、16bは、それぞれ
に対向する条材1の面の変位を検出しているので、両変
位計16a、16bの検出信号の差を取ることにより、
その条材1の増肉直後の部分1cの条材軸心Oに対する
直角方向の且つY軸方向の変位ΔY(即ち増肉直後の部
分1cの軸心Oが、図2にO′で示す位置に変位したと
すると、その位置O′と条材軸心OとのY軸方向の距
離)を検出できる。従って、この二つの変位計16a、
16bは、条材の増肉直後の部分の条材軸心に対する直
角方向の変位を検出する変位検出手段を構成する。
【0016】なお、この変位ΔYの検出は、一方の変位
計16a又は16bのみでも可能であるが、増肉加工の
際の増肉量にはばらつきが生じやすく、このばらつきが
変位ΔYに誤差として入るので、図示実施例のように、
条材1の増肉直後の部分1c上下両面の変位を検出する
ように二つの変位計16a又は16bを設けた方が、検
出精度を高めることができ、好ましい。ここで使用する
変位計としては、公知の任意のものを使用可能であり、
例えば、非接触式のレーザ距離計、渦電流測定を応用し
た距離計、接触式の電気マイクロメータ、差動トランス
等を挙げることができる。
計16a又は16bのみでも可能であるが、増肉加工の
際の増肉量にはばらつきが生じやすく、このばらつきが
変位ΔYに誤差として入るので、図示実施例のように、
条材1の増肉直後の部分1c上下両面の変位を検出する
ように二つの変位計16a又は16bを設けた方が、検
出精度を高めることができ、好ましい。ここで使用する
変位計としては、公知の任意のものを使用可能であり、
例えば、非接触式のレーザ距離計、渦電流測定を応用し
た距離計、接触式の電気マイクロメータ、差動トランス
等を挙げることができる。
【0017】加熱部5の横断面上の熱応力差による微少
変位は、加熱部5(加熱装置4の直下〜冷却媒体6の吹
き付け位置)に集中して発生し、特に増肉後の部分に大
きく生じる。このため、変位計16a、16bの取付位
置は、冷却媒体6の吹き付け位置或いはその位置から5
cm程度の範囲内とすることが好ましい。18は、条材
1に条材軸心に対して直角方向の且つY軸方向の荷重を
加える曲がり矯正手段であり、条材1の未増肉部分1a
の上下面をはさむように配置された加圧ローラ19と、
その加圧ローラ19を保持した移動フレーム20と、移
動フレーム20をY軸方向に移動させる加圧シリンダ2
1等を備えている。この曲がり矯正手段18は、移動台
12に保持されており、従って、加熱装置4に対して一
定の距離を保って、加熱装置4と共に移動可能である。
この加圧ローラ19の取付位置は、加熱部5に極力近い
ことが好ましく、従って、加熱装置4に干渉しない限
り、極力加熱装置4に近接した位置に配置される。な
お、曲がり矯正手段18を加熱装置4を保持した移動台
12に保持させる代わりに、別の移動台に保持させ、そ
の移動台を加熱装置4の移動に同調させて移動させる構
成としてもよい。
変位は、加熱部5(加熱装置4の直下〜冷却媒体6の吹
き付け位置)に集中して発生し、特に増肉後の部分に大
きく生じる。このため、変位計16a、16bの取付位
置は、冷却媒体6の吹き付け位置或いはその位置から5
cm程度の範囲内とすることが好ましい。18は、条材
1に条材軸心に対して直角方向の且つY軸方向の荷重を
加える曲がり矯正手段であり、条材1の未増肉部分1a
の上下面をはさむように配置された加圧ローラ19と、
その加圧ローラ19を保持した移動フレーム20と、移
動フレーム20をY軸方向に移動させる加圧シリンダ2
1等を備えている。この曲がり矯正手段18は、移動台
12に保持されており、従って、加熱装置4に対して一
定の距離を保って、加熱装置4と共に移動可能である。
この加圧ローラ19の取付位置は、加熱部5に極力近い
ことが好ましく、従って、加熱装置4に干渉しない限
り、極力加熱装置4に近接した位置に配置される。な
お、曲がり矯正手段18を加熱装置4を保持した移動台
12に保持させる代わりに、別の移動台に保持させ、そ
の移動台を加熱装置4の移動に同調させて移動させる構
成としてもよい。
【0018】23は加圧シリンダ21を制御する油圧サ
ーボ弁、24は油圧源、25は加圧ローラ19を保持し
た移動フレーム20のY軸方向の位置を検出する位置セ
ンサ、26は変位計16a、16bからの信号を変換す
る信号変換器、27は比較演算器である。この比較演算
器27は、信号変換器26から条材1の増肉直後の部分
のY軸方向の変位ΔYを示す信号を入力し、その変位Δ
Yが許容値を越えた時に、その変位ΔYが所定の許容値
となるように、サーボ弁23に、加圧ローラ19を変位
ΔYとは逆方向に移動させる移動信号を出力し、位置セ
ンサ25からの位置信号をフィードバックしながらサー
ボ弁23を制御して、加圧シリンダ21を操作するもの
である。従って、これらの比較演算器27、サーボ弁2
3等は、曲がり矯正手段18を制御する制御装置を構成
する。
ーボ弁、24は油圧源、25は加圧ローラ19を保持し
た移動フレーム20のY軸方向の位置を検出する位置セ
ンサ、26は変位計16a、16bからの信号を変換す
る信号変換器、27は比較演算器である。この比較演算
器27は、信号変換器26から条材1の増肉直後の部分
のY軸方向の変位ΔYを示す信号を入力し、その変位Δ
Yが許容値を越えた時に、その変位ΔYが所定の許容値
となるように、サーボ弁23に、加圧ローラ19を変位
ΔYとは逆方向に移動させる移動信号を出力し、位置セ
ンサ25からの位置信号をフィードバックしながらサー
ボ弁23を制御して、加圧シリンダ21を操作するもの
である。従って、これらの比較演算器27、サーボ弁2
3等は、曲がり矯正手段18を制御する制御装置を構成
する。
【0019】以上に説明した変位計16a、16b、曲
がり矯正手段18、その曲がり矯正手段18を制御する
制御装置等は、条材のY軸方向の曲がりを矯正するため
のY軸矯正装置を構成する。なお、図面には示していな
いが、Y軸矯正装置の近傍には、条材1の水平方向(以
下X軸方向という)の曲がりを矯正するためのX軸矯正
装置も設けられている。このX軸矯正装置も、前記した
Y軸矯正装置と同様な機構のものである。
がり矯正手段18、その曲がり矯正手段18を制御する
制御装置等は、条材のY軸方向の曲がりを矯正するため
のY軸矯正装置を構成する。なお、図面には示していな
いが、Y軸矯正装置の近傍には、条材1の水平方向(以
下X軸方向という)の曲がりを矯正するためのX軸矯正
装置も設けられている。このX軸矯正装置も、前記した
Y軸矯正装置と同様な機構のものである。
【0020】次に、上記構成の増肉加工装置による増肉
動作を説明する。増肉加工すべき角パイプ状の条材1の
一端をストッパ2に固定、保持させ、その反対端を油圧
シリンダ等の圧縮装置3で押圧して条材1に圧縮力を作
用させた状態で、加熱装置4によって条材1の長手方向
の小領域を局部的に塑性変形可能温度に加熱して加熱部
5とし、その加熱部5に圧縮力による増肉を生じさせな
がら、その加熱装置4を条材1に沿って移動させ、同時
にその加熱装置4から冷却媒体6を加熱部5の後端部分
に吹き付けて増肉直後の部分を冷却、固化し、これによ
り条材1を長手方向に次々と連続的に増肉してゆく。
動作を説明する。増肉加工すべき角パイプ状の条材1の
一端をストッパ2に固定、保持させ、その反対端を油圧
シリンダ等の圧縮装置3で押圧して条材1に圧縮力を作
用させた状態で、加熱装置4によって条材1の長手方向
の小領域を局部的に塑性変形可能温度に加熱して加熱部
5とし、その加熱部5に圧縮力による増肉を生じさせな
がら、その加熱装置4を条材1に沿って移動させ、同時
にその加熱装置4から冷却媒体6を加熱部5の後端部分
に吹き付けて増肉直後の部分を冷却、固化し、これによ
り条材1を長手方向に次々と連続的に増肉してゆく。
【0021】この増肉加工の際、加熱部5の横断面内に
は加熱むら、冷却むら等による温度むらが生じ、それに
伴って熱応力差が生じ、条材1の加熱部5及びその近傍
が条材軸心Oに対して直角方向に変位する。なお、この
変位は、ストッパ2側に配置したガイドローラ8で増肉
を終了した側の部分1aを変位の無い位置に拘束し且つ
加圧ローラ19で未増肉部分1bを変位の無い位置に拘
束していても防止できない。何故なら、ガイドローラ8
と加熱部5との間隔は増肉の進行につれて離れてゆき、
又、加圧ローラ19は設置スペースの関係から加熱部5
から或る程度離れた位置(例えば15〜20cm程度離
れた位置)にしか設置できず、このため、ストッパ2側
のガイドローラ8と加熱部5との間の条材部分及び加熱
部5と加圧ローラ19との間の条材部分にたわみを生じ
るためである。
は加熱むら、冷却むら等による温度むらが生じ、それに
伴って熱応力差が生じ、条材1の加熱部5及びその近傍
が条材軸心Oに対して直角方向に変位する。なお、この
変位は、ストッパ2側に配置したガイドローラ8で増肉
を終了した側の部分1aを変位の無い位置に拘束し且つ
加圧ローラ19で未増肉部分1bを変位の無い位置に拘
束していても防止できない。何故なら、ガイドローラ8
と加熱部5との間隔は増肉の進行につれて離れてゆき、
又、加圧ローラ19は設置スペースの関係から加熱部5
から或る程度離れた位置(例えば15〜20cm程度離
れた位置)にしか設置できず、このため、ストッパ2側
のガイドローラ8と加熱部5との間の条材部分及び加熱
部5と加圧ローラ19との間の条材部分にたわみを生じ
るためである。
【0022】今、加熱部5及びその近傍の部分が上方に
変位し、そのため増肉直後の部分1cも図2に示す正常
な位置から上方に、その軸心が位置O′となる位置にΔ
Yだけ変位したものとすると、その変位ΔYを変位計1
6a、16bが検出し、信号変換器26を経て比較演算
器27に出力する。比較演算器27は入力したY軸方向
の変位ΔYがあらかじめ設定している許容値を越えた時
に、その変位ΔYが許容値内となるように、サーボ弁2
3に、加圧ローラ19を下方に移動させる移動信号を出
力し、位置センサ25からの位置信号をフィードバック
しながらサーボ弁23を制御する。サーボ弁23は比較
演算器27からの信号に応じて圧油を加圧シリンダ21
に送って操作し、加圧ローラ19を下方に変位させる。
これにより、加圧ローラ19が条材1の未増肉部分1b
を押し下げ、それに伴い、増肉直後の部分1cが下方に
変位し、変位ΔYが減少し、許容値内に復帰する。変位
が逆の場合には、加圧シリンダ21が条材1を押し上
げ、変位ΔYを許容値内に戻す。かくして、増肉加工が
継続される際、常に、増肉直後の部分1cのY軸方向の
変位が所定の許容値内に保たれ、曲がりのきわめて小さ
い増肉加工が行われる。
変位し、そのため増肉直後の部分1cも図2に示す正常
な位置から上方に、その軸心が位置O′となる位置にΔ
Yだけ変位したものとすると、その変位ΔYを変位計1
6a、16bが検出し、信号変換器26を経て比較演算
器27に出力する。比較演算器27は入力したY軸方向
の変位ΔYがあらかじめ設定している許容値を越えた時
に、その変位ΔYが許容値内となるように、サーボ弁2
3に、加圧ローラ19を下方に移動させる移動信号を出
力し、位置センサ25からの位置信号をフィードバック
しながらサーボ弁23を制御する。サーボ弁23は比較
演算器27からの信号に応じて圧油を加圧シリンダ21
に送って操作し、加圧ローラ19を下方に変位させる。
これにより、加圧ローラ19が条材1の未増肉部分1b
を押し下げ、それに伴い、増肉直後の部分1cが下方に
変位し、変位ΔYが減少し、許容値内に復帰する。変位
が逆の場合には、加圧シリンダ21が条材1を押し上
げ、変位ΔYを許容値内に戻す。かくして、増肉加工が
継続される際、常に、増肉直後の部分1cのY軸方向の
変位が所定の許容値内に保たれ、曲がりのきわめて小さ
い増肉加工が行われる。
【0023】また、上記したY軸方向の曲がり矯正と並
行して、X軸矯正装置によるX軸方向の曲がり矯正も同
様に行われる。かくして、得られた増肉条材はX軸方
向、Y軸方向共に曲がりがきわめて小さくなっている。
行して、X軸矯正装置によるX軸方向の曲がり矯正も同
様に行われる。かくして、得られた増肉条材はX軸方
向、Y軸方向共に曲がりがきわめて小さくなっている。
【0024】以上の説明では、条材に対して長手方向の
1ヶ所の増肉加工を行う場合を示したが、複数ヶ所の増
肉加工を行う場合にも同様に曲がりを矯正しながら増肉
加工を行えばよい。その場合、初回増肉部の曲がり量
を、次回増肉加工で相殺することができ、より精度の高
い条材を提供できる。
1ヶ所の増肉加工を行う場合を示したが、複数ヶ所の増
肉加工を行う場合にも同様に曲がりを矯正しながら増肉
加工を行えばよい。その場合、初回増肉部の曲がり量
を、次回増肉加工で相殺することができ、より精度の高
い条材を提供できる。
【0025】なお、上記実施例では、増肉直後の部分1
cの変位を検出し、未増肉部分1bを曲がり矯正手段1
8の加圧ローラ19で変位させる構成としているが、本
発明はこの構成に限らず、変位検出位置及び加圧位置は
種々変更可能である。例えば、変位検出位置は、図3
(a)に示すように、加熱部5近傍の未増肉部分1bを
変位計16aで検出するように変更可能である。この場
合、未増肉部分1bは比較的精度良く作られているの
で、両面を測定する必要はなく、一方の面のみを検出す
ればよい。また、加圧ローラ19による加圧位置は、図
3(b)に示すように、増肉部分1aとしてもよい。な
お、この場合、増肉部分1aの上下面の間隔は、増肉む
らによって若干変動するので、上下の加圧ローラ19の
間隔を若干大きくしておくことが必要である。更に、図
3(c)に示すように、増肉部分1aに加圧ローラ19
を配置した場合において、未増肉部分1bの位置を常に
一定位置に規制するよう補助ガイドローラ30を加熱部
5の近傍に位置するように且つ加熱装置4と一緒に移動
するように設けることも可能である。この構成とすると
加熱部5及びその近傍の変位が生じにくく、且つ変位が
生じても加圧ローラ19で矯正できるので、きわめて曲
がりの少ない増肉を行うことが可能となる。
cの変位を検出し、未増肉部分1bを曲がり矯正手段1
8の加圧ローラ19で変位させる構成としているが、本
発明はこの構成に限らず、変位検出位置及び加圧位置は
種々変更可能である。例えば、変位検出位置は、図3
(a)に示すように、加熱部5近傍の未増肉部分1bを
変位計16aで検出するように変更可能である。この場
合、未増肉部分1bは比較的精度良く作られているの
で、両面を測定する必要はなく、一方の面のみを検出す
ればよい。また、加圧ローラ19による加圧位置は、図
3(b)に示すように、増肉部分1aとしてもよい。な
お、この場合、増肉部分1aの上下面の間隔は、増肉む
らによって若干変動するので、上下の加圧ローラ19の
間隔を若干大きくしておくことが必要である。更に、図
3(c)に示すように、増肉部分1aに加圧ローラ19
を配置した場合において、未増肉部分1bの位置を常に
一定位置に規制するよう補助ガイドローラ30を加熱部
5の近傍に位置するように且つ加熱装置4と一緒に移動
するように設けることも可能である。この構成とすると
加熱部5及びその近傍の変位が生じにくく、且つ変位が
生じても加圧ローラ19で矯正できるので、きわめて曲
がりの少ない増肉を行うことが可能となる。
【0026】また、上記実施例では、条材1に曲げ矯正
のための荷重を加える曲がり矯正手段18が加熱装置4
と一緒に条材1に沿って移動する構成としているが、こ
の曲がり矯正手段18は必ずしも移動させる必要はな
く、定位置に配置することも可能である。更に、例え
ば、ガイドローラ8を適当な駆動手段によって条材軸心
に直角方向に移動させる構成とし、それを曲がり矯正手
段の加圧ローラとして使用してもよい。
のための荷重を加える曲がり矯正手段18が加熱装置4
と一緒に条材1に沿って移動する構成としているが、こ
の曲がり矯正手段18は必ずしも移動させる必要はな
く、定位置に配置することも可能である。更に、例え
ば、ガイドローラ8を適当な駆動手段によって条材軸心
に直角方向に移動させる構成とし、それを曲がり矯正手
段の加圧ローラとして使用してもよい。
【0027】曲がり矯正手段18に用いている加圧ロー
ラ19の形状も、図示実施例では単に円筒状としている
が、条材1の断面形状に応じて適宜変更可能である。例
えば、丸パイプの場合には、鼓状の加圧ローラとすると
か、H形や溝形のような形材の場合にはその形状に応じ
た環状溝或いは環状突起を備えた加圧ローラとする等の
変更を行うことができる。
ラ19の形状も、図示実施例では単に円筒状としている
が、条材1の断面形状に応じて適宜変更可能である。例
えば、丸パイプの場合には、鼓状の加圧ローラとすると
か、H形や溝形のような形材の場合にはその形状に応じ
た環状溝或いは環状突起を備えた加圧ローラとする等の
変更を行うことができる。
【0028】更に、上記実施例では、条材1の加熱部5
の後ろ側に位置する増肉部分1aを動かないように固定
し、前側に位置する未増肉部分1b及び加熱装置4を移
動させることにより、加熱部5を条材1に対してその長
手方向に移動させると共にその加熱部5を圧縮している
が、本発明はこの構成に限らず、未増肉部分1bを動か
ないように固定しておき、加熱装置4及びその後ろ側に
位置する増肉部分1aを移動させる構成としてもよい
し、更には加熱装置4を停止させておき、その両側に位
置する条材1の部分1a、1bを共に移動させる構成と
してもよい。
の後ろ側に位置する増肉部分1aを動かないように固定
し、前側に位置する未増肉部分1b及び加熱装置4を移
動させることにより、加熱部5を条材1に対してその長
手方向に移動させると共にその加熱部5を圧縮している
が、本発明はこの構成に限らず、未増肉部分1bを動か
ないように固定しておき、加熱装置4及びその後ろ側に
位置する増肉部分1aを移動させる構成としてもよい
し、更には加熱装置4を停止させておき、その両側に位
置する条材1の部分1a、1bを共に移動させる構成と
してもよい。
【0029】上記実施例では、曲がり矯正手段18が条
材1に対して条材軸心に直角方向の荷重を付与して曲が
りを矯正しているが、この代わりに条材1に曲げモーメ
ントを付与して曲がり矯正を行うことも可能である。図
4はその場合の実施例を示すものである。この実施例で
は、条材1の一端を保持するストッパ2Aが回転軸31
に固定され、且つその回転軸31にはそれを正逆方向に
回転させうる駆動装置32が連結されており、条材1に
曲げモーメントMを作用させることが可能となってい
る。このストッパ2A及び駆動装置32等は曲がり矯正
手段18を構成するもので、加熱部5の近傍の変位を検
出するように設けられた変位計16a、16bの信号に
応じて制御装置33により制御されるようになってい
る。従って、いま、条材1の加熱部5及びその近傍が熱
応力差によって変位した場合には、その部分が変位した
方向とは逆方向に移動するように、ストッパ2Aが条材
1に曲げモーメントを作用させ、それによって加熱部5
及びその近傍の変位を小さくすることができ、曲がりの
小さい状態で増肉加工を継続することができる。
材1に対して条材軸心に直角方向の荷重を付与して曲が
りを矯正しているが、この代わりに条材1に曲げモーメ
ントを付与して曲がり矯正を行うことも可能である。図
4はその場合の実施例を示すものである。この実施例で
は、条材1の一端を保持するストッパ2Aが回転軸31
に固定され、且つその回転軸31にはそれを正逆方向に
回転させうる駆動装置32が連結されており、条材1に
曲げモーメントMを作用させることが可能となってい
る。このストッパ2A及び駆動装置32等は曲がり矯正
手段18を構成するもので、加熱部5の近傍の変位を検
出するように設けられた変位計16a、16bの信号に
応じて制御装置33により制御されるようになってい
る。従って、いま、条材1の加熱部5及びその近傍が熱
応力差によって変位した場合には、その部分が変位した
方向とは逆方向に移動するように、ストッパ2Aが条材
1に曲げモーメントを作用させ、それによって加熱部5
及びその近傍の変位を小さくすることができ、曲がりの
小さい状態で増肉加工を継続することができる。
【0030】なお、条材1に曲げモーメントを作用させ
る位置は、ストッパ2Aに接触する側の端部に限らず、
圧縮装置3側の条材端部としてもよい。また、図5に示
すように、定位置に設けられているガイドローラ8に関
して加熱部5とは反対側に加圧ローラ19、移動フレー
ム20、加圧シリンダ21等を備えた曲がり矯正手段1
8を配置し、この加圧ローラ19で条材1に軸心Oに直
角方向の且つ加熱部5及びその近傍の変位とは逆方向の
荷重を加えることにより条材1に曲げモーメントMを作
用させ、加熱部5及びその近傍を変位が減少する方向に
移動させる構成とすることもできる。
る位置は、ストッパ2Aに接触する側の端部に限らず、
圧縮装置3側の条材端部としてもよい。また、図5に示
すように、定位置に設けられているガイドローラ8に関
して加熱部5とは反対側に加圧ローラ19、移動フレー
ム20、加圧シリンダ21等を備えた曲がり矯正手段1
8を配置し、この加圧ローラ19で条材1に軸心Oに直
角方向の且つ加熱部5及びその近傍の変位とは逆方向の
荷重を加えることにより条材1に曲げモーメントMを作
用させ、加熱部5及びその近傍を変位が減少する方向に
移動させる構成とすることもできる。
【0031】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明方法及び
装置は、増肉加工中に加熱部或いはその近傍の条材軸心
に対する直角方向の変位を検出し、その変位に応じて、
その部分が変位とは反対方向に移動するように前記条材
に荷重若しくは曲げモーメントを加える構成としたこと
により、増肉加工中の加熱部に熱応力差が生じ、その熱
応力差によって条材の加熱部及びその近傍が条材軸心に
対して直角方向に変位しても、直ちに条材に荷重若しく
は曲げモーメントを加えてその加熱部及びその近傍を元
の位置の方向に戻して曲がりを矯正でき、従って、曲が
りのほとんどない増肉加工条材を得ることができるとい
う効果を有している。
装置は、増肉加工中に加熱部或いはその近傍の条材軸心
に対する直角方向の変位を検出し、その変位に応じて、
その部分が変位とは反対方向に移動するように前記条材
に荷重若しくは曲げモーメントを加える構成としたこと
により、増肉加工中の加熱部に熱応力差が生じ、その熱
応力差によって条材の加熱部及びその近傍が条材軸心に
対して直角方向に変位しても、直ちに条材に荷重若しく
は曲げモーメントを加えてその加熱部及びその近傍を元
の位置の方向に戻して曲がりを矯正でき、従って、曲が
りのほとんどない増肉加工条材を得ることができるとい
う効果を有している。
【図1】本発明の一実施例による増肉加工装置の概略構
成を示す概略垂直断面図
成を示す概略垂直断面図
【図2】図1に示す装置に設けているY軸矯正装置の概
略構成図
略構成図
【図3】(a)、(b)、(c)はそれぞれ本発明の変
形例を示す要部の概略断面図
形例を示す要部の概略断面図
【図4】本発明の他の実施例による増肉加工装置の概略
構成を示す概略垂直断面図
構成を示す概略垂直断面図
【図5】図4の実施例の変形例の要部を示す概略垂直断
面図
面図
【図6】条材の局部増肉を行うために開発した装置の概
略構成を示す概略垂直断面図
略構成を示す概略垂直断面図
1 条材 1a 増肉部分 1b 未増肉部分 1c 増肉直後の部分 2 ストッパ 3 圧縮装置 4 加熱装置 5 加熱部 6 冷却媒体 8 ガイドローラ 11 移動装置 12 移動台 16a、16b 変位計 18 曲がり矯正手段 19 加圧ローラ 21 加圧シリンダ O 条材軸心
フロントページの続き (72)発明者 永野 敏雄 神奈川県川崎市川崎区殿町2丁目17番8 号 第一高周波工業株式会社 技術部内 (72)発明者 福田 章 大阪府大阪市西区阿波座1丁目5番16号 大和ハウス工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−30444(JP,A) 特開 昭60−9541(JP,A) 特開 昭60−9542(JP,A) 特開 昭61−199540(JP,A) 特開 昭62−84850(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】 増肉加工すべき金属条材の長手方向の小
領域を局部的に加熱して加熱部を形成し、該加熱部を前
記金属条材の長手方向に相対的に移動させながら圧縮力
を付与して増肉させ、前記加熱部の後端部分を増肉直後
に冷却する金属条材の増肉加工方法であって、前記加熱
部若しくはその近傍の前記金属条材軸心に対する直角方
向の変位を検出し、該変位に応じて前記金属条材に、前
記加熱部若しくはその近傍が変位した方向とは逆方向に
移動するように荷重若しくは曲げモーメントを加えて、
前記変位を小さくし、前記加熱部若しくはその近傍の変
位をあらかじめ設定してある許容値内に保ちながら増肉
加工することを特徴とする金属条材の増肉加工方法。 - 【請求項2】 増肉加工すべき金属条材の長手方向の小
領域を局部的に加熱して加熱部を形成する加熱装置と、
該加熱装置が前記金属条材の長手方向に相対的に移動す
るよう、前記加熱装置及び金属条材の一方若しくは双方
を移動させる移動装置と、前記金属条材の加熱部に軸線
方向の圧縮力を作用させる圧縮装置と、前記加熱部若し
くはその近傍の金属条材軸心に対する直角方向の変位を
検出する変位検出手段と、前記加熱部若しくはその近傍
が金属条材軸心に対して直角方向に変位するよう前記金
属条材に荷重若しくは曲げモーメントを加える曲がり矯
正手段と、前記加熱部若しくはその近傍の変位をあらか
じめ設定してある許容値内に保つよう、前記変位検出手
段により検出した変位に応じて前記曲がり矯正手段を制
御する制御装置とを有することを特徴とする金属条材の
増肉加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29782794A JP2704364B2 (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 金属条材の増肉加工方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29782794A JP2704364B2 (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 金属条材の増肉加工方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0899143A JPH0899143A (ja) | 1996-04-16 |
JP2704364B2 true JP2704364B2 (ja) | 1998-01-26 |
Family
ID=17851676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29782794A Expired - Fee Related JP2704364B2 (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 金属条材の増肉加工方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2704364B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103256877B (zh) * | 2012-12-26 | 2016-06-15 | 浙江工业大学 | 介质球间静态料层厚度检测装置 |
-
1994
- 1994-09-28 JP JP29782794A patent/JP2704364B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0899143A (ja) | 1996-04-16 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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