JP2704159B2 - 導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法 - Google Patents

導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法

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JP2704159B2 JP3372897A JP3372897A JP2704159B2 JP 2704159 B2 JP2704159 B2 JP 2704159B2 JP 3372897 A JP3372897 A JP 3372897A JP 3372897 A JP3372897 A JP 3372897A JP 2704159 B2 JP2704159 B2 JP 2704159B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は導電性メタライズ層
を有する窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法に
関し、さらに詳しくは、窒化アルミニウム焼結体母材と
の接合強度が高い導電性メタライズ層を有する窒化アル
ミニウム焼結体とこのメタライズ層を窒化アルミニウム
焼結前駆体を焼結すると同時に形成する製造方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】窒化アルミニウム焼結体は熱伝導性が良
好で放熱性に優れ、かつ電気絶縁性を有するので、半導
体用の基板材料として注目を集めている。この窒化アル
ミニウム焼結体は概ね次のようにして製造される。すな
わち、窒化アルミニウム粉末にイットリア(Y2
3 ),サマリア(Sm23 ),カルシア(CaO)の
ような焼結助剤を所定量配合し、更に必要に応じてアク
リル系樹脂バインダーなどを添加して全体を充分に混合
し、得られた混合体を例えば加圧成型して所定形状の窒
化アルミニウム焼結前駆体(生成形体)としたのち、こ
れを例えば窒素雰囲気中にて所定温度で焼結する。 【0003】ところで、半導体用の基板として窒化アル
ミニウム焼結体を用いる場合には、この窒化アルミニウ
ム焼結体の表面に導電性の薄層を形成することが必要と
なる。従来、この薄層は窒化アルミニウム焼結体の表面
にDBC法(DirectBond Cupper法)
や厚膜法を適用して形成された銅(Cu)、金(A
u)、銀−パラジウム(Ag−Pd)のメタライズ層で
あった。 【0004】しかしながら、従来のこの基板においては
次のような問題がある。その第1は、形成された上記メ
タライズ層と窒化アルミニウム焼結体表面との接合強度
が低く往々にして両者間に剥離現象が発生して基板の信
頼性が低いということである。 【0005】第2の問題は、形成したメタライズ層に所
定の半導体素子もしくはワイヤーをろう付けしたり高温
はんだ付けをしたりする際に生起する問題である。すな
わち、例えばろう付けの場合は水素−窒素混合ガス中に
おいて約800℃近辺の温度で行われるが、上記メタラ
イズ層焼付け処理時の温度は通常600〜1000℃程
度の低温であるため、このろう付け時にメタライズ層と
窒化アルミニウム焼結体表面との接合強度が著しく低下
してしまい、事実上ろう付けが不可能になるということ
である。また高温はんだ付けの場合も同様の問題が発生
する。 【0006】第3の問題は、窒化アルミニウム焼結体と
メタライズ層との熱膨張率の差異に基づく問題である。
すなわち、ろう付け、高温はんだ付けの場合もそうであ
るが、シリコンウェハーのような半導体素子をマウント
させた基板はその使用時に過酷な加熱−冷却の熱サイク
ルを経験する。その結果、窒化アルミニウム焼結体−メ
タライズ層−ろう付け層(またははんだ層)−半導体素
子のそれぞれの接合面では、各層の熱膨張率の差異に基
づく熱応力が発生してそれぞれを剥離させる作用が生ず
る。 【0007】上記したメタライズ層の場合、窒化アルミ
ニウム焼結体(熱膨張率は約4.6×10-6/℃)の熱
膨張率よりもその値が約2〜4倍大きく、またろう付け
層(またははんだ層)と同等の値から1/2位の値であ
って窒化アルミニウムとの差が大きいので、熱サイクル
時にメタライズ層またはろう付け層(またははんだ付け
層)と窒化アルミニウムの界面に微小なクラックが発生
しやすい。その結果、熱サイクルが加重されるにつれて
この微小クラックは徐々に発達し、最終的にはマウント
した半導体素子の剥離を招くことがある。 【0008】このような問題は半導体素子をマウントさ
せた基板を実装した装置の信頼性を低下させて極めて不
都合である。第4の問題は、上記メタライズ層と窒化ア
ルミニウム焼結体との高温下における接合強度が小さ
く、第2の場合と同様に高温使用時の信頼性が低いとい
うことである。 【0009】第5の問題は、完成された基板からその製
作工程を逆視した場合、熱エネルギー使用の面で不経済
であるということである。すなわち、完成基板を得るた
めには、窒化アルミニウム焼結前駆体を焼結し、その上
でこの焼結したものをメタライズ層形成のために再び焼
成するということである。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記したよう
な課題を解決し、メタライズ層と窒化アルミニウム焼結
体表面との接合強度が高く剥離現象が発生せず、またろ
う付けやはんだ付けを行う際に不都合が発生せず、また
熱サイクルにも強く信頼性の高い導電性メタライズ層を
有する窒化アルミニウム焼結体の提供を目的とし、かつ
窒化アルミニウム焼結前駆体を焼結すると同時にその表
面に窒化アルミニウム焼結体と熱膨張率が近似してお
り、耐熱性も高く、しかも接合強度が高い導電性メタラ
イズ層を形成する製造方法の提供を目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、後述する2つの群
から選ばれた成分でメタライズ層を形成すればこの目的
を達成できることを見出だし、本発明の導電性メタライ
ズ層を有する窒化アルミニウム焼結体を完成した。 【0012】すなわち本発明の導電性メタライズ層を有
する窒化アルミニウム焼結体は、モリブデン,タングス
テンおよびタンタルよりなる群(第1の群)から選ばれ
た単体またはそれらの化合物から選ばれた1種または2
種以上、ならびに希土類元素,チタン,ジルコニウムお
よびハフニウムよりなる群(第2の群)から選ばれた単
体またはそれらの化合物から選ばれた1種または2種以
上により構成された導電性メタライズ層を窒化アルミニ
ウム焼結体母材の表面の少なくとも一部に有し、かつ前
記導電性メタライズ層と前記窒化アルミニウム焼結体母
材とが同時に焼結されていることを特徴とする。 【0013】ここで第1の群であるモリブデン(M
o),タングステン(W)およびタンタル(Ta)はい
ずれも高融点を有する金属であり、耐熱性に優れ、かつ
窒化アルミニウム焼結体母材の熱膨張率とほぼ近似した
熱膨張率を有するものであり、メタライズ層の耐熱性お
よび耐熱サイクル特性の向上に資する成分である。 【0014】なお第1の群としてはMo,Wが好まし
く、特に単体が好ましい。また第2の群である希土類元
素(スカンジウム(Sc),イットリウム(Y),ラン
タン(La),セリウム(Ce),プラセオジム(P
r),ネオジム(Nd),プロメチウム(Pm),サマ
リウム(Sm),ユウロピウム(Eu),ガドリニウム
(Gd),テルビウム(Tb),ジスプロシウム(D
y),ホルミウム(Ho),エルビウム(Er),ツリ
ウム(Tm),イッテルビウム(Yb),ルテチウム
(Lu)),チタン(Ti),ジルコニウム(Zr)お
よびハフニウム(Hf)は、窒化アルミニウム母材との
ぬれ性が良く、メタライズ層・中間層の反応を保護し、
強固なメタライズ層を形成する成分であり、また導電性
メタライズ層と窒化アルミニウム焼結体母材との密着性
の向上に資する成分である。この第2の群に属する元素
のうち、好ましいものはY,Ce,Pr,Nd,Dy,
Sm,Ti,Zrなどであり、特に好ましいものは、
Y,Dy,Sm,Ti,Zrなどである。 【0015】なお第2の群の各元素のうちでも窒化物,
酸化物が特に好ましいが、その中でもTiの窒化物,酸
化物であるTiN,TiO2 は特に好ましい。導電性メ
タライズ層としては、第1の群であるモリブデン,タン
グステンおよびタンタルよりなる群から選ばれた単体ま
たはそれらの化合物から選ばれた1種または2種以上
が、導電性メタライズ層全体の50〜95重量%である
と、上記した耐熱性および耐熱サイクル特性の点で好適
である。 【0016】また本発明の導電性メタライズ層を有する
窒化アルミニウム焼結体は、半導体用基板として特に好
適である。さらに本発明者らは第5の問題とした点につ
いても鋭意研究を重ねた結果、焼結前の窒化アルミニウ
ム成形体に後述するペーストを塗布し、両者を同時に焼
結すると優れたメタライズ層を窒化アルミニウム焼結体
の表面に形成することができることを見出だし、本発明
の導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体
の製造方法を完成した。 【0017】すなわち本発明の導電性メタライズ層を有
する窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、窒化アルミ
ニウム焼結前駆体に、モリブデン,タングステンおよび
タンタルよりなる群(第1の群)から選ばれた単体また
はそれらの化合物から選ばれた1種または2種以上、な
らびに希土類元素,チタン,ジルコニウムおよびハフニ
ウムよりなる群(第2の群)から選ばれた単体またはそ
れらの化合物から選ばれた1種または2種以上とを含む
ペーストを塗布し、ついで全体を同時に焼結することを
特徴とする。 【0018】第1の群および第2の群の各成分について
は上述したとおりである。なお第1の群については耐熱
性および耐熱サイクル特性などの特性を最もよく示す単
体を用いるのが好ましい。また第2の群については窒化
アルミニウムとのぬれ性などの特性を最もよく示す窒化
物および/または酸化物を用いるのが好ましい。 【0019】なお導電性メタライズ層となるペーストと
しては、第1の群であるモリブデン,タングステンおよ
びタンタルよりなる群から選ばれた1種または2種以上
が、第1の群および第2の群の総量の50〜95重量%
であると、上記した耐熱性および耐熱サイクル特性の点
で好適である。 【0020】まず本発明に適用される窒化アルミニウム
焼結前駆体は、例えば所定粒度の窒化アルミニウム粉末
と、Y23 、YF3 、Sm23 、CaCO3 のよう
な焼結助剤の粉末とワックス系またはプラスチック系の
ようなバインダー成分とを所定量比で混合し、この混合
体を室温下において加圧成形またはドクターブレードに
よりシート状に成形した成形体である。窒化アルミニウ
ム粉末、焼結助剤粉末の粒度、混合比、または成形圧な
どは目的とする窒化アルミニウム焼結体の特性との関係
で適宜選定される。 【0021】また本発明の製造方法においては、この窒
化アルミニウム焼結前駆体は焼結後にその熱伝導率が5
0W/m・K以上となるようなものであることが好まし
い。この窒化アルミニウム焼結前駆体に、後述する組成
のペーストが塗布される。塗布方法としては、例えばス
クリーン印刷、刷毛塗り、スピンローラー塗りなど周知
の方法を適用すればよい。 【0022】本発明の製造方法にかかるペーストは、焼
結後メタライズ層に転化する2つの群とそれらを分散せ
しめる媒体とで構成される。ここで第1の群としては、
モリブデン,タングステンおよびタンタルよりなる群か
ら選ばれた単体またはそれらの化合物から選ばれた1種
または2種以上である。 【0023】具体的には次のような成分である。すなわ
ち、モリブデン,タングステンまたはタンタルの単体金
属;これらの各種酸化物;これらの各種窒化物;これら
の各種炭化物;これらの各種ホウ化物;これらの各種ケ
イ化物;これらの各種酸窒化物;これらの各種炭窒化
物;これらの各種ハロゲン化物;これらの各種水素化
物;これらの各種水酸化物;これらの各種亜硝酸塩,硝
酸塩,亜硫酸塩,硫酸塩,ホウ酸塩,炭酸塩,ケイ酸
塩,リン酸塩,亜リン酸塩,塩酸塩,塩素酸塩,シュウ
酸塩,アンモニウム塩のような各種の塩;アトロンNT
a/700(商品名:日本曹達(株)製)などのアルコ
キシド,ゾルーゲルのような各種の有機金属化合物;な
らびに上記した成分の2種以上を適宜に混合した混合物
をあげることができる。これらの成分はそれぞれ単独で
用いてもよいし、また適宜に選定した2種以上を組み合
わせて用いてもよい。 【0024】形成するメタライズ層の導電性を高めると
いう点では、特にMo,W,Taの各単体金属であるこ
とが好ましい。また融点が高く、メタライズ層の高温に
おける安定性が優れている点でW,Moが特に好まし
い。 【0025】次に第2の群としては、希土類元素,チタ
ン,ジルコニウムおよびハフニウムよりなる群から選ば
れた単体またはそれらの化合物から選ばれた1種または
2種以上である。 【0026】希土類元素としては、Sc,Y,La,C
e,Pr,Nd,Sm,Gd,Dyなどをあげることが
できる。このうち、Y,Ce,Pr,Nd,Sm,Dy
が効果的であり、Y,Smは特に好適である。 【0027】またチタン,ジルコニウムおよびハフニウ
ムとしては、Ti,Zrは特に好適である。具体的には
次のような成分である。すなわち、希土類元素,チタ
ン,ジルコニウムおよびハフニウムのそれぞれの単体金
属;これらの各種酸化物;これらの各種窒化物;これら
の各種炭化物;これらの各種ホウ化物;これらの各種ケ
イ化物;これらの各種酸窒化物;これらの各種炭窒化
物;これらの各種ハロゲン化物;これらの各種水素化
物;これらの各種水酸化物;これらの各種亜硝酸塩,硝
酸塩,亜硫酸塩,硫酸塩,ホウ酸塩,炭酸塩,ケイ酸
塩,リン酸塩,亜リン酸塩,塩酸塩,塩素酸塩,シュウ
酸塩,アンモニウム塩のような各種の塩;アトロンNT
i(商品名:日本曹達(株)製)などのアルコキシド,
ゾルーゲルのような各種の有機金属化合物;ならびに上
記した成分の2種以上を適宜に混合した混合物をあげる
ことができる。これらの成分はそれぞれ単独で用いても
よいし、また適宜に選定した2種以上を組み合わせて用
いてもよい。 【0028】これら第1の群の成分および第2の群の成
分を媒体に均一分散させて本発明にかかるペーストを調
製する。用いる媒体としては、例えばエチルセルロー
ス、ニトロセルロースとそれらの溶剤としてテレピネオ
ール、テトラリン、ブチルカルビトールなどをあげるこ
とができる。 【0029】このとき第1の群の成分と第2の群の成分
の重量比は、それぞれに選定された成分の種類によって
変動するが、通常、第1の群:第2の群=1:100〜
100:1であればよい。特に95:5〜50:50で
あれば耐熱性および耐熱サイクル特性の点で好適であ
る。 【0030】第1の群の成分が第2の群の成分よりもあ
まりに多すぎる場合、すなわち第1の群/第2の群>9
5/5の場合には形成されたメタライズ層の強度が低下
するため好ましくない。また少なすぎる場合、すなわち
第1の群/第2の群<50/50の場合にはその導電性
が低くなり、やはり好ましくない。 【0031】第1の群の成分および第2の群の成分の媒
体への分散量は、得られたペーストの粘稠性との関係で
適宜決められる。第1の群の成分が過多量である場合
は、得られたペーストが高粘稠となり窒化アルミニウム
焼結前駆体の表面への均一塗布が困難となる。また、そ
の逆に第1の群の成分が過少量である場合は、ペースト
の粘度が低くなり過ぎ、塗布したペーストは窒化アルミ
ニウム焼結前駆体の表面から流化してしまう。通常、ペ
ースト粘度が1.0×105 〜2.5×105 ポイズと
なるように第1の群の成分を分散させればよい。 【0032】本発明の製造方法は、上記したペーストを
窒化アルミニウム焼結前駆体の表面に塗布したのち全体
を同時に焼結する。この同時焼結に先立ち、窒化アルミ
ニウム焼結前駆体のバインダ成分およびペーストの媒体
を除去するために、例えば50〜700℃というような
温度で脱脂処理を施してもよい。 【0033】焼結は非酸化性雰囲気中で行うが、窒素雰
囲気中で行うのが好ましい。焼結温度,焼結時間は、焼
結後の窒化アルミニウム焼結体が所望の特性、例えば熱
伝導率50W/m・k以上となるような条件として設定
される。具体的には、焼結温度1600〜2000℃、
好ましくは1700〜1800℃であり、焼結時間は
0.2〜5時間、好ましくは0.5〜1.5時間であ
る。 【0034】このようにして、窒化アルミニウム焼結体
の表面には塗布されたペーストが変化したメタライズ層
が導電性の薄層として形成される。本発明の導電性メタ
ライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体によれば、母
材である窒化アルミニウム焼結体との接合強度が高く、
かつ耐熱性に優れ、熱膨張率も窒化アルミニウム焼結体
と近似したメタライズ層が得られる。さらに本発明の導
電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体の製
造方法によれば、熱経済的に有利であり、製造工程の簡
素化も実現できる。 【0035】 【発明の実施の形態】 (実施例)以下、本発明の実施例を説明する。 ・実施例1 (1)ペーストの調製 第1の群の成分として粒径0.5〜1.0μmのモリブ
デン単体の粉末を用意し、第2の群の成分として粒径
1.0〜2.0μmの窒化チタン粉末を用意した。 【0036】そして重量比でモリブデン:窒化チタン=
1:1(50:50)で混合した。得られた混合粉10
0重量部に対してエチルセルロース7重量部を分散させ
て粘度2.0×105 ポイズのペーストとした。 (2)メタライズ層の形成 焼結助剤として酸化イットリウムを3重量%含有する窒
化アルミニウムのグリーンシートの片面に、(1)で調
製したペーストを厚さ15μmでローラー塗布した。 【0037】ついで700℃の窒素雰囲気中で3時間焼
成して脱脂処理を施したのち、全体を窒素気流中、18
00℃で約1時間焼結した。得られた窒化アルミニウム
焼結体シートの表面には、メタライズ層が形成されてい
た。このメタライズ層の構成相はMoとTiNであるこ
とがX線回折によって確認された。 (3)メタライズ層と窒化アルミニウム焼結体シートと
の接合強度 (2)で得られたメタライズ層の上に無電解めっき法に
よって厚み約3〜5μmのニッケルめっき層を形成し
た。ついで、800℃のホーミングガス中でめっき層を
アニールしたのち、ここに線径0.5mm、引張り強度
55kg/mm2のコバール線を銀ろうを用いてろう付
けした。ろう付け温度は800℃、雰囲気は水素50V
ol%、窒素50Vol%の混合ガス雰囲気であった。 【0038】その後、窒化アルミニウム焼結体シートを
固定し室温(20℃)下でコバール線を引張り、メタラ
イズ層の剥離状態を観察した。引張り強さ5kg/mm
2 のときにメタライズ層とコバール線のろう付け部分が
引きちぎられた。すなわち、窒化アルミニウム焼結体シ
ートとメタライズ層との接合強度は5kg/mm2 以上
であることが判明した。 【0039】・実施例2〜15 第1の群の成分および第2の群の成分をそれぞれ表1に
示したように選定し、他は実施例1と同様に各種のペー
ストの調製、窒化アルミニウムグリーンシート表面への
塗布、脱脂処理を行い、表1に示した条件で焼結した。 【0040】得られた各種の焼結体シートにおけるメタ
ライズ層と窒化アルミニウム焼結体シートとの接合強度
を実施例1と同様の方法で測定した。その結果をまとめ
て表1に示す。 【0041】 【表1】 【0042】・比較例1 熱伝導率が70〜130W/m・kである3枚の窒化ア
ルミニウム焼結板の表面に厚膜法を適用してそれぞれ
金,銅,銀−パラジウム層を焼き付けた。 【0043】得られたメタライズ層のそれぞれにニッケ
ルメッキを施した銅ピンをはんだ付けしたのち、このピ
ンを引っ張ってメタライズ層と窒化アルミニウム焼結板
表面との接合強度を測定した。いずれの場合にも、約1
kg/mm2 であった。 【0044】・比較例2 熱伝導率が70〜130W/m・kである窒化アルミニ
ウム焼結板の表面に実施例2で用いたペーストを塗布し
1700℃で焼き付けた。得られたメタライズ層に70
0〜800℃でコバールピンをろう付けし、このピンを
引張ることによって接合強度を測定したところ、2kg
/mm2 であった。 【0045】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体
は、窒化アルミニウム焼結体表面にそれとの接合強度
が高い導電性メタライズ層が形成できた。またそのメ
タライズ層はモリブデン,タングステンおよびタンタル
などの高融点金属を含有しているために耐熱性が優れて
おり、かつ熱膨張率も窒化アルミニウム焼結体と近似し
た値であるため熱衝撃層としての機能も有するものであ
る。 【0046】さらに本発明の導電性メタライズ層を有す
る窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、窒化アルミ
ニウム焼結前駆体を焼結するのと同時に塗布したペース
トをメタライズ層に転化させるので、熱経済的に有利と
なった、などの効果を奏するものである。 【0047】そして本発明の導電性メタライズ層を有す
る窒化アルミニウム焼結体は上記した効果を奏すること
から、イグナイター,高周波トランス,コンデンサーの
ような基板部材;レーザ管用絶縁管,電力管用絶縁外囲
器,高周波電磁波進行波管の窓,高エネルギービーム照
射用窓,マグネトロンのような部材,チューブヒータ
ー,面ヒーター,シーズヒーター,はんだごて,アイロ
ンのプレス板,灸用器具,コーヒーメーカー用のヒータ
ー,ズボンプレッサー,ホットプレート,便座,調理用
なべ,熱転写プリンターのヘッド,プラグ,熱電対の保
護管,るつぼばさみの先端部,金属溶融用るつぼ,単結
晶引上げ用るつぼなどの部材に適用することができ、大
変有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 俊一郎 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜金属工場内 (56)参考文献 特開 昭61−291480(JP,A) 特開 昭61−286287(JP,A) 特開 昭55−51774(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.モリブデン,タングステンおよびタンタルよりなる
    群(第1の群)から選ばれた単体またはそれらの化合物
    から選ばれた1種または2種以上、ならびに希土類元
    素,チタン,ジルコニウムおよびハフニウムよりなる群
    (第2の群)から選ばれた単体またはそれらの化合物か
    ら選ばれた1種または2種以上により構成された導電性
    メタライズ層を窒化アルミニウム焼結体母材の表面の少
    なくとも一部に有し、かつ前記導電性メタライズ層と前
    記窒化アルミニウム焼結体母材とが同時に焼結されてい
    ることを特徴とする導電性メタライズ層を有する窒化ア
    ルミニウム焼結体。 2.前記第1の群から選ばれるのは単体である請求項1
    記載の導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼
    結体。 3.前記第2の群から選ばれるのは窒化物および/また
    は酸化物である請求項1記載の導電性メタライズ層を有
    する窒化アルミニウム焼結体。 4.前記第2の群から選ばれるのはチタンまたはジルコ
    ニウムである請求項1または3記載の導電性メタライズ
    層を有する窒化アルミニウム焼結体。 5.前記第2の群から選ばれるのはTiNまたはTiO
    2 である請求項1,3または4記載の導電性メタライズ
    層を有する窒化アルミニウム焼結体。 6.前記第1の群は前記導電性メタライズ層の50〜9
    5重量%である請求項1または2記載の導電性メタライ
    ズ層を有する窒化アルミニウム焼結体。 7.前記導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム
    焼結体が、半導体用基板である請求項1ないし6記載の
    導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体。 8.窒化アルミニウム焼結前駆体に、モリブデン,タン
    グステンおよびタンタルよりなる群(第1の群)から選
    ばれた単体またはそれらの化合物から選ばれた1種また
    は2種以上、ならびに希土類元素,チタン,ジルコニウ
    ムおよびハフニウムよりなる群(第2の群)から選ばれ
    た単体またはそれらの化合物から選ばれた1種または2
    種以上とを含むペーストを塗布し、ついで全体を同時に
    焼結することを特徴とする導電性メタライズ層を有する
    窒化アルミニウム焼結体の製造方法。 9.前記第1の群から選ばれるのは単体である請求項8
    記載の導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼
    結体の製造方法。 10.前記第2の群から選ばれるのは窒化物または酸化
    物である請求項8記載の導電性メタライズ層を有する窒
    化アルミニウム焼結体の製造方法。 11.前記第2の群から選ばれるのはチタンまたはジル
    コニウムである請求項8または10記載の導電性メタラ
    イズ層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。 12.前記第2の群から選ばれるのはTiNまたはTi
    2 である請求項8,10または11記載の導電性メタ
    ライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。 13.前記第1の群は前記ペースト全体の50〜95重
    量%である請求項8または9記載の導電性メタライズ層
    を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。 14.前記導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウ
    ム焼結体が、半導体用基板である請求項8ないし13記
    載の導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結
    体の製造方法。
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