JP2704094B2 - 光ファイバアレイの結合方法 - Google Patents

光ファイバアレイの結合方法

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JP2704094B2
JP2704094B2 JP5066657A JP6665793A JP2704094B2 JP 2704094 B2 JP2704094 B2 JP 2704094B2 JP 5066657 A JP5066657 A JP 5066657A JP 6665793 A JP6665793 A JP 6665793A JP 2704094 B2 JP2704094 B2 JP 2704094B2
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隆 太田
暢嗣 福山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバアレイと相
手側部材とを光学的に結合する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光ファイバと相手側部材(例えば導波
路)とを光学的に結合する場合には、光ファイバのコア
中心と相手側部材の光学的中心とを一致させる必要があ
る。このためにまず光ファイバをV溝基板と固定基板と
の間に固定して光ファイバアレイを作製したうえ、この
光ファイバアレイと相手側部材との間で位置合わせを行
っている。この位置合わせを正確に行わせるために、従
来から次のような方法が開発・検討されている。
【0003】第1の方法は、光ファイバアレイと相手側
部材とを別のステージに載せた状態で入力用光ファイバ
アレイから光を入れ、相手側部材からの出射光のパワー
が最大となるようにステージを細かく動かしながら調心
し結合する方法である。この方法は現在行われている最
も一般的かつ現実的な方法であるが、複雑なシステムが
必要であるうえ、結合完了までの煩雑さやコストが大き
な問題となっている。
【0004】第2の方法は、光ファイバアレイにガイド
溝を形成しておき、相手側部材にもこれに対応するガイ
ド溝を形成しておき、両者間にガイドピンを差し込んで
位置合わせを行う方法である。しかしこの方法はガイド
溝の形成に手間がかかるという問題があり、特に相手側
部材が導波路基板である場合にはその上面を研削するこ
となくガイド溝を形成しなければならないため、精度を
出すことが非常に難しいという問題がある。
【0005】第3の方法は、光ファイバアレイと相手側
部材の外側のいずれかの面どうしを基準として互いの位
置合わせを行う方法である。この方法はあるパッケージ
に両者を挿入するだけで自然に位置合わせができる可能
性がある点で、非常に魅力的な方法である。しかしこの
第3の方法の工業的な実施に成功したメーカーは未だな
く、現在開発が進行中である。
【0006】そこでこの第3の方法を実現化するため
に、本発明者等はV溝基板のV溝中に光ファイバを固定
するための固定基板の外側の面を基準面とし、相手側部
材との位置合わせを行う方法を先に発明し、特願平5-24
159 号として特許出願した。図7はその原理を説明する
もので、1はV溝基板、2は固定基板であり、固定基板
2の外側の面(図中の下側の面)3を基準面として相手
側部材4との位置合わせを行っている。しかしこの場合
には、Bとして示されている固定基板2の厚さをAとし
て示される相手側部材4の厚さと正確に一致させねばな
らない。この厚さ精度を例えば1μm以下で揃えようと
することは現在の技術水準で十分に可能ではあるが、若
干の歩留りの低下を招くおそれがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決して、V溝基板や固定基板の厚さ精度に
依存することなく、光ファイバアレイと相手側部材とを
面を基準として正確に位置合わせすることができる光フ
ァイバアレイの結合方法を提供するために完成されたも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、V溝基板のV溝中に光ファイバ
を挿入し、光ファイバの頂点をV溝基板の上面より上方
に突出した状態でV溝に接置し、固定基板により固定し
た光ファイバアレイを相手側部材と光学的に結合するに
当り、V溝を形成するV溝基板の上面を結合基準面と
し、この結合基準面を基準として相手側部材との結合を
行うことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明においては、V溝を形成するV溝基板の
上面を結合基準面として相手側部材との結合を行うの
で、V溝基板や固定基板の厚さ精度に全く影響されるこ
となく正確な位置合わせが可能である。また、面を基準
として位置合わせを行う前記した第3の方法であるの
で、第1の方法のような複雑なシステムや、第2の方法
のようなガイド溝等が不要となる利点がある。
【0010】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例によって更に詳
細に説明する。図1と図2は第1の実施例を示すもので
あり、図1に示すようにV溝基板1のV溝5の内部に光
ファイバ6を挿入し、固定基板2で固定して光ファイバ
アレイを構成している。なお、本発明で結合される光フ
ァイバアレイは、図3や図5に示すように光ファイバ6
の頂点をV溝基板1の上面より上方に突出した状態でV
溝5に接置し、固定基板2で固定したものである。本発
明では、この光ファイバアレイを構成しているV溝基板
1のV溝形成面を横方向に延長して結合基準面7として
ある。そして相手側部材4である導波路基板の導波路8
が形成されている基準面9と、このV溝基板1の結合基
準面7とを密着させることにより、両者の位置合わせを
行う。
【0011】具体的には、図2に示すように真空チャッ
ク用孔10を備えた治具11の上に光ファイバアレイの結合
基準面7と相手側部材4の基準面9とを載せ、真空を利
用して両方の基準面を治具11の表面に密着させる方法を
取ることができる。これによって上下方向の位置合わせ
は容易に行われるので、いずれかを治具11の上で水平方
向に移動させながら調心を行えばよい。
【0012】このように本発明では、V溝基板1のV溝
形成面を横方向に延長して結合基準面7とした。通常、
V溝基板1にV溝5を加工する際には、未加工のV溝基
板1を加工治具に貼り付けたうえでその貼り付けのバラ
ツキを除去するためにV溝基板1の上面を薄く切削して
加工治具の底面との平行出しを行う。その後、研削機械
のテーブルに加工治具をセットすれば、V溝基板1の上
面からの深さを±0.3μm 以下に正確に揃えたV溝5を
加工することができる。
【0013】一方、導波路8はフォトリソの技術により
導波路基板上に形成されるので、基準面9に対する導波
路8の深さ精度は±0.3 μm 以下となる。従ってV溝基
板1の上面(V溝形成面)と同一面である結合基準面7
と、相手側部材4の基準面9とを密着させれば、両者は
高い精度で位置合わせされることとなる。なお、SM導
波路では伝播光のフィールドの中心は導波路上面よりも
2μm程度下にあるので、相手側部材4が導波路である
場合には、図3に示すようにV溝基板1のV溝5の深さ
を調節し、結合基準面7と光ファイバ6のコア中心まで
の距離を結合する導波路に合わせて2μm程度としてお
くものとする。
【0014】図4に示す第2の実施例においては、相手
側部材4である導波路基板を凹状に形成し、この突出さ
せた部分を相手側部材4の基準面9としてV溝基板1の
結合基準面7を密着させる。この方法によれば第1の実
施例のような治具11を用いる必要がない。またこれとは
逆に、光ファイバアレイ側を凹状とすることも可能であ
る。図4の場合には、相手側部材4が図2の姿勢から反
転しているので、V溝基板1のV溝5の深さを調節し、
結合基準面7と光ファイバ6のコア中心までの距離を図
5のようにしておくものとする。
【0015】図6は本発明に使用される光ファイバアレ
イの種々の変形例を示したもので、Aは第1の実施例に
示したもの、BはV溝基板1を長手方向に延長したも
の、CはV溝基板1を長手方向に延長して段部を形成す
るとともに、固定基板2を分割型としたものである。い
ずれの形態を採用した場合にも、V溝基板1のV溝形成
面を延長した結合基準面7を利用し、前記したように相
手側部材4との結合を行うことができる。
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の光ファ
イバアレイの結合方法によれば、V溝基板のV溝形成面
を延長して結合基準面とし、この結合基準面を基準とし
て相手側部材との結合を行うので、V溝基板や固定基板
の厚さ精度に依存することなく両者を正確に位置合わせ
することができる。また本発明の結合方法によれば、従
来の第1の方法のような複雑なステージ移動システム
や、第2の方法のようなガイド溝等が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明する斜視図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施例を説明する斜視図であ
る。
【図3】第1の実施例におけるV溝と光ファイバのコア
中心との関係を説明する正面図である。
【図4】第2の実施例を説明する斜視図である。
【図5】第2の実施例におけるV溝と光ファイバのコア
中心との関係を説明する正面図である。
【図6】本発明に使用される光ファイバアレイの種々の
変形例を示す斜視図である。
【図7】先願の光ファイバアレイの結合方法を説明する
斜視図である。
【符号の説明】
1 V溝基板 2 固定基板 4 相手側部材 5 V溝 6 光ファイバ 7 結合基準面 9 相手側部材の基準面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 V溝基板のV溝中に光ファイバを挿入
    、光ファイバの頂点をV溝基板の上面より上方に突出
    した状態でV溝に接置し、固定基板により固定した光フ
    ァイバアレイを相手側部材と光学的に結合するに当り、
    V溝を形成するV溝基板の上面を結合基準面とし、この
    結合基準面を基準として相手側部材との結合を行うこと
    を特徴とする光ファイバアレイの結合方法。
JP5066657A 1992-06-03 1993-03-25 光ファイバアレイの結合方法 Expired - Lifetime JP2704094B2 (ja)

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