JP2704051B2 - 配管結合クランプ - Google Patents

配管結合クランプ

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JP2704051B2
JP2704051B2 JP3008611A JP861191A JP2704051B2 JP 2704051 B2 JP2704051 B2 JP 2704051B2 JP 3008611 A JP3008611 A JP 3008611A JP 861191 A JP861191 A JP 861191A JP 2704051 B2 JP2704051 B2 JP 2704051B2
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和雄 酒巻
俊二 八木
祥一 折井
俊男 金子
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、狭い空間に林立状に配
設される複数の配管を、同時にかつ容易に結合クランプ
できるようにした配管結合クランプに関する。
【0003】
【従来の技術】一般に、発電所の建屋内や原子炉、ボイ
ラ等の各機器では、内部に多数の配管が狭い空間に林立
状に配設され、相互に干渉しないようにスペーサ等を用
いて結合し、配管相互の間隔を保持するようにしてい
る。
【0004】例えば、図4に示すように多数の配管が敷
設されている沸騰水型原子炉において、原子炉1は、密
閉されている円筒状の圧力容器2内に、上方から蒸気乾
燥器3,気水分離器4,燃料集合体5,制御棒6および
制御棒駆動機構7を設けている。周知のように燃料集合
体5は、その内部に燃料を封入した多数の柱状部材であ
り、これらがその長手方向に適宜互いに隙間を設けて配
列されている。そして更に、これらの隙間にはその長手
方向に移動自在に制御棒6が挿入されている。この制御
棒6は、ロッド7aを介して圧力容器2の下部に設けら
れた制御棒駆動機構7によって上下方向に移動するよう
になっている。
【0005】圧力容器2内には、燃料集合体5の適宜上
方まで炉水8が満たされており、この炉水8は原子炉1
の減速材および冷却材の機能を有している。そして核分
裂によって発生した熱は、炉水8に伝達される。この炉
水8は、沸騰し、気水分離器4で水蒸気と液体に分離さ
れた後、蒸気出口2aを介して図示しない蒸気タービン
へ送られる。また、制御棒6は、核分裂によって放出さ
れた中性子を適宜(制御棒6を制御棒駆動機構7で出し
入れして行う)吸収することによって原子炉1の出力を
制御している。
【0006】ところが、この原子炉1を長期間連続して
運転していると、圧力容器2内に林立状に設けられてい
る配管が何らかの原因により振動が発生する。そしてこ
れを放置しておくと、それが更に進行し、配管に亀裂を
生ずる恐れの有ることも考えられる。原子炉1内でその
ような状態になることは望ましいことではなく、配管を
互いに結合クランプして振動を少なくする必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数の
配管の結合クランプにおいて、空間が狭い場合や高所や
水中等のように結合場所が遠隔の場合には作業がきわめ
て困難となるばかりでなく、また、水中で結合すべく水
中溶接をするときの配管の保持には多大の不便が発生
し、多くの作業時間が必要となっていた。原子力プラン
ト等においては、作業者が多量の放射線を被曝する恐れ
もある。
【0008】本発明は、上記した事情を考慮してなされ
たもので、その目的とするところは狭い空間に配設され
る複数の配管を同時にかつ容易に結合クランプし、配管
類の振動等を防止することが可能な配管結合クランプを
提供することにある。[発明の構成]
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸部を有し
複数の第1の配管クランプ部を設けた保持用クランプ
と、前記軸部の軸方向に移動自在に係合し前記複数の
第1の配管クランプ部にそれぞれ対向するように複数の
第2の配管クランプ部を設けた移動用クランプと、前記
軸部の端部に係合し前記移動用クランプを前記軸の
定位置に固定する固定部材とを備え、前記複数の第1の
配管クランプ部と前記複数の第2の配管クランプ部で少
なくとも3個の配管を固定すると共に、これらの配管固
定箇所全てが同一直線上に配置しないように構成したこ
とを特徴とする配管結合クランプ。
【0010】
【作用】移動用クランプを広げた状態とし、複数の第1
の配管クランプ部をそれぞれ複数の配管の一側に当接さ
せて保持用クランプをセットし、この後移動用クランプ
を狭めて複数の第2の配管クランプ部をそれぞれ複数の
配管の他側に当接させ、しかる後固定部材を介してこの
移動用クランプの位置を固定することにより、複数の配
管を同時に、かつ容易に結合クランプすることができ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1は、本発明の一実施例を示す斜視図であ
る。
【0012】図1において、配管結合クランプ10は、保
持用クランプ11と、この保持用クランプ11に移動自在に
係合する移動用クランプ12と、この移動用クランプ12が
配管13をクランプした状態を固定させる固定部材14,ス
ペーサ15で構成されている。しかして、保持用クランプ
11は、保持用クランプ本体17と、この保持用クランプ本
体17の手前側(同図で左側)に一体に設けられる軸部18
で構成され、保持用クランプ本体17には逆V状とした配
管クランプ部17aが先端側に2箇所とこれより手前側に
1箇所の合計3箇所に設けられており、軸部18には移動
用クランプ12の回動は阻止し軸方向の移動のみを許容す
るガイド部、固定部材14の挿入部、この固定部材14の挿
入部の端部に配管結合クランプ10の施工時の保持および
配管13の締付時に用いる図示しない治具の嵌着用の溝18
aが設けられている。また、移動用クランプ12は、保持
用クランプ11の配管クランプ部17aにそれぞれ対向しV
状とした配管クランプ部12aを3箇所設け、手前側の部
分を上記した保持用クランプ11の軸部18に設けたガイド
部に移動自在に係合させる。ここで、手前側の配管クラ
ンプ部12aは中空部に設けられるので、配管13の軸方向
(同図では上下方向)に沿って2箇所に形成される。
【0013】そして、狭い空間に林立状に配設された配
管13の内一直線上に配置されてない3個の配管を1つ
の配管結合クランプ10で容易かつ確実に結合クランプ
することができる。なお、上記した固定部材14は、円
筒状の形状記憶合金で、あらかじめ内径を周方向に拡張
変形(内径を大きく)させておき、これを軸部18の端
部側に挿入し、移動用クランプ12が所定位置になった
ときに適宜手段により加熱し、内径を縮小させて軸部1
8に固着させる。
【0014】次に、以上のように構成された実施例の作
用を説明する。まず、移動用クランプ12を手前側に移動
させ、配管クランプ部12aと対向する配管クランプ部17
a間を広げた状態にする。この状態で図示しない治具を
用いて配管13に横方向からセットし、固定部材14と共に
徐々に移動用クランプ12を狭めていき、配管13を3本同
時に結合クランプする。この後、固定部材14を加熱し内
径の小さな元の状態に復帰させることにより、移動用ク
ランプ12と保持用クランプが一体に固定される。
【0015】したがって、以上のように構成された実施
例は、固定部材14を記憶合金としているので、軸部に対
する固着力は装着時に比べ周囲温度の上昇により強固と
なり、通常のねじ止めに比べ高温や温度変化によりゆる
みを生じる恐れがなく、確実に3本の配管13を結合クラ
ンプする。
【0016】なお、本発明は、上記した実施例(以下、
第1の実施例という)に限定されるものではなく、種々
変形実施できる。図2は、本発明の第2の実施例を示す
平面図である。この実施例は、5本の配管13を同時にク
ランプできるようにしたものである。すなわち、図2に
おいて、配管結合クランプ20は、保持用クランプ21と、
この保持用クランプ21に移動自在に係合する移動用クラ
ンプ22と、この移動用クランプ22が配管13をクランプし
た状態を固定させる固定部材14,スペーサ15およびナッ
ト16で構成されている。しかして、保持用クランプ21
は、保持用クランプ本体23と、この保持用クランプ本体
23の手前側(同図で下側)に一体に設けられる軸部24で
構成され、保持用クランプ本体23には逆V字状とした配
管クランプ部23が、先端側に2箇所、中間側に2箇所お
よび手前側に1箇所の合計5箇所に設けられており、軸
部24には移動用クランプ22の回動は阻止し軸方向の移動
のみを許容するガイド部、固定部材14の挿入部、ナット
17をねじ込むねじ部が設けられ、ねじ部の端部に第1の
実施例と同様に図示しない治具の嵌着用の溝24aが設け
られている。また、移動用クランプ23は、保持用クラン
プ21の配管クランプ部23aにそれぞれ対向しV状とした
配管クランプ部23aを5箇所設け、手前側の部分を上記
した保持用クランプ21の軸部24に移動自在に係合させ
る。この第2実施例も配管13を結合クランプする場合に
は、ナット16で固定部材16を位置決めする以外は第1の
実施例とほぼ同様の手順により、5本の配管13を同時に
結合クランプすることができる。なお、この第2の実施
例の場合、ナット16がゆるんでもクランプ力には影響し
ない。
【0017】また、図3は、本発明のさらに異なる第3
の実施例の平面図である。この実施例も第1の実施例と
同様に3本の配管13を同時に結合クランプするものであ
る。すなわち、図3において、配管結合クランプ30は、
保持用クランプ31と、この保持用クランプ31に移動自在
に係合する移動用クランプ32と、この移動用クランプ32
が配管13を結合クランプした状態を固定させる固定部材
14,スペーサ15で構成されている。しかして、保持用ク
ランプ21は、保持用クランプ本体33と、この保持用クラ
ンプ本体33の手前側(同図で下側)に一体に設けられる
軸部34で構成され、保持用クランプ本体33には逆V状と
した配管クランプ部33aが、先端側に2箇所、手前側に
1箇所の合計3箇所に設けられており、軸部34には移動
用クランプ32の回動は阻止し軸方向の移動のみを許容す
るガイド部、固定部材14の挿入部、この挿入部の端部に
第1の実施例と同様に図示しない治具の嵌着用の溝34a
が設けられている。また、移動用クランプ32は、保持用
クランプ31の配管クランプ部33aに対向しV状とした配
管クランプ部32aを3箇所設け、これらの配管クランプ
部32aの略中間位置にはピン35を固定し、手前側の部分
を保持用クランプ31の軸34に移動自在に係合する。ここ
で、ピン35は、保持用クランプ本体33に設けた長孔33b
に摺動自在に挿入され、移動用クランプ32の移動時にお
ける案内をする。この実施例も配管13を結合クランプす
る場合には、第1の実施例と同様の手順により、3本の
配管13を同時に結合クランプすることができる。
【0018】さらに、以上説明した各実施例は配管13が
同じ直径のものを対象としたが、配管の直径が異なった
場合またはピッチが異なった場合でも、各部の寸法や形
状を対応させておけば上記した各実施例と同様に配管ク
ランプすることができる。
【0019】以上説明したように本発明によれば、複数
の第1の配管クランプ部をもった保持用クランプに対し
て複数の第1の配管クランプ部をもった移動用クランプ
が、保持用クランプの軸方向に移動自在構造でありかつ
固定部材で所定位置に固定できるようにしているので、
空間に林立状に配設された配管の少なくとも3個の
配管を同時に容易かつ確実に結合クランプすることが
き、かつ固定部材はスライド自在構造であるため移動用
クランプと保持用クランプによって固定される配管にガ
タがなく、配管類の振動を防止することができ、さらに
遠隔操作も可能である配管結合クランプを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】本発明の他の実施例を示す平面図。
【図3】本発明のさらに異なる他の実施例を示す平面
図。
【図4】複数の配管が狭い空間に林立状に配設されてい
る状態の一例を示す説明図。
【符号の説明】
11,21,31…保持用クランプ、12,22,32…移動用クラ
ンプ、12a,17a,22a,23a,32a,33a…配管接触
部、13…配管、14…固定部材、18,24,34…軸部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 折井 祥一 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番 地 株式会社東芝 京浜事業所内 (72)発明者 金子 俊男 東京都港区芝大門1丁目4番4号 アイ テル技術サービス株式会社内 (56)参考文献 実開 昭60−178684(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部を有し複数の第1の配管クランプ
    部を設けた保持用クランプと、前記軸部の軸方向に移動
    自在に係合し前記複数の第1の配管クランプ部にそれ
    ぞれ対向するように複数の第2の配管クランプ部を設け
    た移動用クランプと、前記軸部の端部に係合し前記移
    動用クランプを前記軸の所定位置に固定する固定部材と
    を備え、前記複数の第1の配管クランプ部と前記複数の
    第2の配管クランプ部で少なくとも3個の配管を固定す
    ると共に、これらの配管固定箇所全てが同一直線上に配
    置しないように構成したことを特徴とする配管結合クラ
    ンプ。
JP3008611A 1991-01-28 1991-01-28 配管結合クランプ Expired - Lifetime JP2704051B2 (ja)

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JPH04244690A JPH04244690A (ja) 1992-09-01
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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