JP2703927B2 - 超音波モータの駆動方法 - Google Patents

超音波モータの駆動方法

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JP2703927B2
JP2703927B2 JP63149726A JP14972688A JP2703927B2 JP 2703927 B2 JP2703927 B2 JP 2703927B2 JP 63149726 A JP63149726 A JP 63149726A JP 14972688 A JP14972688 A JP 14972688A JP 2703927 B2 JP2703927 B2 JP 2703927B2
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武志 井上
貞行 上羽
貞行 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は超音波振動によりロータを回転して、駆動力
を発生させる超音波モータの駆動方法に関するものであ
る。
(従来の技術) 縦一捩り複合圧電振動子をステータとし、ステータの
端面にロータを圧接してこれを回転させる構成の超音波
モータは例えば熊田による特開昭61−121777号で開示さ
れている。
ここでは捩り振動励振用圧電素子と縦振動励振用圧電
素子とを円柱あるいは円筒状超音波振動体ではさみ一体
化したものをステータとし、捩り振動励振用圧電素子と
縦振動励振用圧電素子とに交流電圧を印加してステータ
の端面に楕円振動を誘起し、この楕円振動を利用してス
テータ端面に圧接したロータに回転運動を与えるもので
ある。
(発明が解決しようとする課題) ところで横波の音速は縦波の音速の約6割であるため
上記構成になるステータにおいて捩り振動の共振周波数
と縦振動の共振周波数とを一致させることは困難であ
る。従って特開昭61−121777号の構成ステータでは捩り
振動を共振駆動させれば縦振動は非共振駆動となり、逆
に縦振動を共振駆動させれば捩り振動は非共振駆動とな
る。周知の如く非共振駆動は共振駆動と比較して同一電
力で駆動する場合には極端に得られる振動振巾が小さく
なってしまう。その結果、この構成のステータの端面に
誘起される楕円振動の振巾は縦方向あるいは横方向いず
れか一方の振動振巾が極端に小さくなってしまうために
効率の高いモータを実現することはあり得ない。
一方、この構成のステータにおいて捩り振動励振用圧
電素子と縦振動励振用圧電素子とに互いに異なった周波
数の交流電圧を印加して2種類の振動を共振駆動するこ
とも可能ではあるが、この場合には共振周波数が異なる
ためにステータの端面に規則的に楕円振動を誘起するこ
とができないため、ロータを安定して回転させることは
不可能である。
(課題を解決するための手段) 本発明は、ロータの締着圧で共振周波数を調整するこ
とが可能であることを見出してはじめて可能となったも
のであって、中心軸のまわりに回転対称の形状の縦−捩
り複合振動子よりなるステータ単体での縦振動共振周波
数を、ステータ単体での捩り振動共振周波数よりも高く
なるように設定した後、ステータ端面にステータの中心
軸と平行な方向にロータを圧接し、その締着圧を調整す
ることでロータを含む超音波モータ全体の縦振動共振周
波数と捩り振動共振周波数を一致させ、その周波数で駆
動することを特徴とする超音波モータの駆動方法であ
る。
本発明による超音波モータの構成例を第1図に示す。
捩り振動励振用圧電セラミックス1と縦振動励振用圧電
セラミックス2とを2つの円柱あるいは円筒状金属部材
3と4とではさみ、ボルト5を用いて強固に締めつけ一
体化してステータを構成する。この場合ステータの縦振
動半波長共振周波数は捩り振動半波長共振周波数の約1.
6倍である。上記ステータの端面に金属製ロータ6をベ
アリング7、樹脂性弾性体8、ナット9及びボルト10を
用いて圧接し超音波モータを構成し、ロータとステータ
との締付圧を調整して略ステータ単体で決まる捩り振動
半波長共振周波数とモータ全体の構成で決まる縦振動共
振周波数(ステータのみの周波数より大幅に低下してい
る。)とを一致させる。
上記構成の超音波モータにおいて捩り振動励振用圧電
セラミックスと縦振動励振用圧電セラミックスとに独立
に交流電圧を印加し、2つの交流電圧に90゜の位相差を
与えるとロータは高高率で回転する。
(作用) 本発明による超音波モータでは、第1図に示すように
1〜5からなる中心軸の回りに回転対称な形状のステー
タの一方の端面にロータ6を配置し、ボルト10、ナット
9、弾性体8によってロータはステータに対し圧接され
る構造になっている。
第1図では圧電セラミックスI、2及び金属部材3、
4の径が全て等しい。この場合、振り振動を伝える横波
の音速が縦振動を伝える縦波の音速より遅いためステー
タ単体の縦振動1次モードの共振周波数はステータ単体
の捩り振動1次モードの共振周波数よりも容易に高く設
定することが可能である。又、第1図とは異なり、場所
あるいは部材によって半径を違った構造にすれば縦振動
や捩り振動の共振周波数を調整できるが、ステータ単体
の縦振動1次モードの共振周波数をステータ単体の捩り
振動1次モードの共振周波数よりも高く設定していれば
これ以降同様の作用が得られるのは言うまでもない。
このようなステータにロータ6を圧接させると、それ
ぞれの共振周波数は次のように変化する。縦振動では中
心軸と平行な変位を持ち、ロータとステータは接触・非
接触を繰り返し、その度にステータからするとロータを
弾き飛ばすような運動を繰り返す。これは比較的軟らか
い弾性体を介して質量を付加した形と等価になるので、
共振周波数は大きく低下する。これに対し、捩り振動で
は円周に平行な変位を持つため、ロータの接触により摩
擦力の抵抗は受けるが質量が付加した場合ほど大きな影
響は受けない。そのため捩り振動の共振周波数はさほど
大きな低下がない。従って、ロータを圧接することによ
り、ロータを含む超音波モータ全体の縦振動の共振周波
数は捩り振動の共振周波数以下まで下げることが可能と
なる。
ここでロータの圧接力を上昇させた状態を記述する。
圧接力を強くするということはロータとステータ間の弾
性的な結合を強くすることであり、これは比較的固い弾
性体を介してロータという質量を付加した形と等価であ
る。そのため、圧接力が弱い場合に比べて共振周波数が
上昇する。一方、捩り振動では先程と同様で縦振動ほど
大きな変化がない。従って、適当な圧接力に調整するこ
とにより、ロータを含む超音波モータの縦振動と捩り振
動の共振周波数を一致させることが可能となる。
既に周知のように、共振状態にある振動子では非共振
状態の変位の数倍から数十倍の変位が容易に得られる。
最大振動速度は変位に比例し、振動子が瞬間的に蓄えら
れるエネルギーは変位の二乗に比例する。そのため、縦
振動と捩り振動をともに共振状態で使用する本発明の超
音波モータは、従来の超音波モータに比べ小型で高トル
クかつ高速度の状態を高効率で得ることができる。
(実施例) 以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明
する。
第1図は本発明の実施例を示す図で、原理と構成は先
に述べた通りである。捩り振動励振用圧電セラミックス
1は外径20mm、内径10mm、厚さ0.5mmの周方向に分極し
たセラミック板を8枚積層して構成されている。各セラ
ミックスの上下面はメタライズされ、間に金属薄板を挾
んで極性が互いに逆になるように積層されている。そし
て金属薄板は外部で電気的に並列接続されている。一
方、縦振動励振用圧電セラミックス2は厚み方向に分極
した圧電セラミックス板を12枚積層したもので寸法や構
成は上記捩り振動励振用に準じる。金属部材3、4、
5、6、9、10はすべてステンレスとした。ロータ6は
ベアリング7、樹脂弾性体8、ナット9、ボルト10を用
いてステータの金属部材4に圧接されている。8はコイ
ルバネでもよい。寸法はモータの全長が約60mmである。
第2図は上記実施例モータのロータとステータとの境
界面における縦振動振巾の測定値である。印加電圧は10
0Vとした。ロータとステータとの締付圧を変えると振巾
最大となる周波数即ち縦振動の共振周波数が変化するこ
とがわかる。本例では締付圧が42kgfの時縦振動の共振
周波数が24.5kHzとなり捩り振動と縦振動との共振が正
確に一致した。
なお、ステータのみの捩り振動半波長共振は略24kHz
であり締付圧による変化は無視できる程度に小さい。
第3図は本実施例モータの特性を示す図である。捩り
振動及び縦振動励振用圧電セラミックスには位相が90゜
異なる周波数24.5kHz、電圧100Vの正弦波が印加され
た。無負荷回転速度220r.p.m、最大トルク4.6kgf.cmと
いう従来にない高性能を実現できた。
(発明の効果) 本発明は上述のようにモータ全体の構成で共振周波数
が決まる縦振動と略ステータで決まる捩り振動半波長共
振を利用したものであり、かつ縦振動の共振周波数のみ
ロータとステータとの締付圧で変化する構成となってい
るため、容易に2つの共振周波数を一致させることがで
きる。
従って高効率な実用性の高い超音波モータが実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例モータの構成を示す図。第2図は
本発明実施例モータの縦振動振巾の周波数及び、ロータ
とステータとの締付圧依存性を示す図。第3図は本発明
実施例モータの特性を示す図である。 図中1は捩り振動励振用圧電セラミックス、2は縦振動
励振用圧電セラミックス、3、4は金属部材、6は金属
製ロータ、7はベアリング、8は弾性体、9はナット、
5、10はボルト、をそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冥加 修 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 井上 武志 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 上羽 貞行 東京都町田市金森1793番635 (72)発明者 高橋 貞行 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 加々谷 勲 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 内川 忠保 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−149278(JP,A) 特開 昭62−238101(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心軸のまわりに回転対称な形状の縦−捩
    り複合振動子よりなるステータ単体での縦振動共振周波
    数を、ステータ単体での捩り振動共振周波数よりも高く
    なるように設定した後、ステータ端面にステータの中心
    軸と平行な方向にロータを圧接し、その締着圧を調整す
    ることでロータを含む超音波モータ全体の縦振動共振周
    波数と捩り振動共振周波数を一致させ、その周波数で駆
    動することを特徴とする超音波モータの駆動方法。
JP63149726A 1988-06-17 1988-06-17 超音波モータの駆動方法 Expired - Lifetime JP2703927B2 (ja)

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