JP2703896B2 - 溶融炭酸塩燃料電池の起動方法 - Google Patents
溶融炭酸塩燃料電池の起動方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
(産業上の利用分野)
本発明は,溶融炭酸塩燃料電池の起動方法に係り,特
に運転開始に先立ってパージガス通流ライン,燃料ガス
通流ラインおよび酸化剤ガス通流ラインの圧力を上昇さ
せる方法に関する。 (従来の技術) 近年,次世代の燃料電池として溶融炭酸塩燃料電池の
開発が進められている。溶融炭酸塩燃料電池は,アルカ
リ炭酸塩からなる電解質を高温下で溶融状態にして電極
反応を生起させるもので,電解質としてリン酸や固体電
解質等を使用した他の燃料電池に比べて電極反応が起こ
り易く,発電効率が高いうえ,高価な貴金属触媒を必要
としない等の特徴を有している。 溶融炭酸塩燃料電池は,通常,アルカリ炭酸塩を電解
質とする電解質層を金属多孔質体で形成された燃料極と
酸化剤極とで挟んで単位電池を構成している。そして,
これらの単位電池を両面に燃料ガス案内路および酸化剤
ガス案内路を備えた導電性のセパレータを介して複数積
層して燃料電池積層体を構成し,この燃料電池積層体の
対向する2つの側面に燃料ガスの供給排出を行なうため
の燃料ガス供給用マニホールドを取付けるとともに残り
の2つの側面に酸化剤ガスの供給排出を行なうための酸
化剤ガス供給用マニホールドを取付けたものとなってい
る。なお,各単位電池の周縁部には,両反応ガスが燃料
電池積層体内部において交差混合するのを防止するため
に溶融炭酸塩によるウエットシールが施され,また,燃
料電池積層体と各マニホールドとの間にも上記両反応ガ
スの漏洩を防止するためにウエットシールが施されてい
る。そして,実際に発電させるに当たっては,電解質層
を構成するアルカリ炭酸塩を500〜700℃に加熱して溶融
状態にするとともにウエットシールも形成し,この状態
で前記各マニホールドを介して燃料ガスおよび酸化剤ガ
スを供給するようにしている。なお、実プラントに設置
するときには,通常,各マニホールドの取付けられた燃
料電池積層体を格納容器内に収容し,この格納容器内に
窒素ガスで代表されるパージガスを通流させるようにし
ている。 ところで,上記のように構成される溶融炭酸塩燃料電
池では,発電運転開始に先立って燃料電池積層体を上述
した温度まで昇温させて電解質であるアルカリ炭酸塩を
溶融状態にするとともにウエットシールを形成し,この
状態で燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給する必要があ
る。燃料電池積層体を昇温させる手段としては,通常,
燃料ガス通流ラインと酸化剤ガス通流ラインおよびパー
ジガス通流ラインに所定の昇温率で温度上昇する低圧の
ガスを共通に通流させるようにしている。そして,アル
カリ炭酸塩を溶融させた時点で,燃料ガス通流ラインを
燃料ガス供給源に,酸化剤ガス通流ラインを酸化剤ガス
供給源に,またパージガス通流ラインをパージガス供給
源に切換え接続し,各ラインの圧力を運転圧力まで昇圧
させた後,定常運転に移行させるようにしている。この
場合,各ラインの圧力を運転圧力まで昇圧させる手段と
しては,一般に燃料ガス通流ライン,酸化剤ガス通流ラ
インおよびパージガス通流ラインの下流にそれぞれ圧力
制御弁を設け,これら制御弁を各ライン毎に設けられた
圧力制御器でコントロールして各ライン間に圧力差が生
じないようにして昇圧させている。 しかしながら,上記のような昇圧方法であると,各ラ
インの圧力測定の誤差および各ラインの時定数の違いか
ら各ライン間の差圧が大きくなったり,変動したりし,
これが原因して溶融した炭酸塩が反応ガスの通路へ押出
されて起電性能が低下したり,ウエットシール部のシー
ル性能が低下したりする問題があった。 (発明が解決しようとする問題点) 上述の如く,従来の起動方法であると,各ガス通流ラ
インの圧力を運転圧力まで昇圧させるとき,各ライン間
の差圧が大きくなたり,変動したりする問題があった。 そこで本発明は,運転開始させるに先立って各ガス通
流ラインの圧力を運転圧力まで昇圧させるに際して,複
雑な制御を伴うことなく,各ライン間に差圧が生じない
状態で昇圧させることができる溶融炭酸塩燃料電池の起
動方法を提供することを目的としている。 (問題点を解決するための手段) 本発明によれば,格納容器内に収容された溶融炭酸塩
燃料電池を運転開始させるに先立ち,上記格納容器内に
パージガスを通流させるパージガス通流ラインの上流側
と上記溶融炭酸塩燃料電池内の燃料ガス用マニホールド
に燃料ガスを通流させる燃料ガス通流ラインおよび上記
溶融炭酸塩燃料電池内の酸化剤ガス用マニホールドに酸
化剤ガスを通流させる酸化剤ガス通流ラインの各上流側
とを二酸化炭素供給源に共通に接続するとともに各ライ
ンの下流側を合流させ,上記各ラインに所定の上昇率で
温度上昇する二酸化炭素を共通に同時に通流させて上記
溶融炭酸塩燃料電池を運転温度まで昇温させた後,各ラ
インの下流側合流路に介挿された圧力制御弁を制御して
各ラインの圧力を共通に同時に運転圧力まで上昇させ,
その後に上記パージガス通流ラインにはパージガスを,
上記燃料ガス通流ラインには燃料ガスを,上記酸化剤ガ
ス通流ラインには酸化剤ガスをそれぞれ切換通流させる
ようにしている。 (作用) 3つのガス通流ラインの圧力が共通に制御されるた
め,各ラインは同一の圧力で昇圧されることになる。こ
のため,昇圧時に起こり易い溶融炭酸塩のガス通路への
流れ出しやウエットシール部のシール性能低下が防止さ
れることになる。また,3つのガス通流ラインに共通に二
酸化炭素を同時に通流させることによって,昇圧・昇圧
過程において電解質である炭酸塩が分解するのを抑える
ことができる。なお,運転時に用いる燃料ガスおよび酸
化剤ガスにもある割合で二酸化炭素を含ませているの
で,上記のように二酸化炭素を供給する系を設けても,
システム全体が高価格化するようなことはない。 (実施例) 以下,本発明の起動方法を図面を参照しながら説明す
る。 まず,本発明起動方法を実施する全体構成を説明する
と,図中1は溶融炭酸塩燃料電池であり,この溶融炭酸
塩燃料電池1は格納容器2内に収容されている。溶融炭
酸塩燃料電池1は,燃料電池積層体3と,この燃料電池
積層体3内に燃料ガスを供給および排出する燃料ガス用
マニホールド4と,同じ酸化剤ガスを供給および排出す
る酸化剤ガス用マニホールド5とで構成されている。 燃料ガス用マニホールド4のガス導入口は,配管6お
よび3方弁7の第1,第2の接続口を介して二酸化炭素供
給管8に接続されている。また,酸化剤ガス用マニホー
ルド5のガス導入口は,配管9および3方弁10の第1,第
2の接続口を介して二酸化炭素供給管8に接続されてい
る。さらに,格納容器2のガス導入口は,配管11および
3方弁12の第1,第2の接続口を介して二酸化炭素供給管
8に接続されている。そして,二酸化炭素供給管8は図
示しない二酸化炭素供給系に接続されている。3方弁7
の第3の接続口は燃料ガス供給管13に,3方弁10の第3の
接続口は酸化剤ガス供給管14に,3方弁12の第3の接続口
はパージガス供給管15に接続されている。 一方,燃料ガス用マニホールド4のガス排出口は,配
管16および3方弁17の第1,第2の接続口を介して排出管
18に接続されている。また,酸化剤ガス用マニホールド
5のガス排出口は,配管19および3方弁20の第1,第2の
接続口を介して排出管18に接続されている。さらに,格
納容器2のガス排出口は,配管21および3方弁22の第1,
第2の接続口を介して排出管18に接続されている。そし
て,3方弁17,3方弁20および3方弁22の第3の接続口はそ
れぞれ排出管23,24,25に接続されている。 排出管18には圧力制御弁26が介在させてあり,この圧
力制御弁26は圧力制御器27によって制御される。圧力制
御器27は,排出管18内の圧力を検出し,この圧力が定め
られた昇圧率で運転圧力まで上昇するように圧力制御弁
2を制御するように構成されている。 次に,本発明に係る起動方法を説明すると以下の通り
である。すなわち,配管6,9,11を3方弁7,10,12を介し
て二酸化炭素供給管8に共通に接続するとともに配管1
6,19,21を3方弁17,20,22を介して排出管18に共通に接
続する。そして,それぞれの配管に同時に供給する二酸
化炭素を所定の上昇率で温度上昇させて燃料電池積層体
3を運転温度まで上昇させ,アルカリ炭酸塩を溶融させ
るとともにウエットシールを形成する。次に,圧力制御
器27を動作させ,これによって圧力制御弁26を制御して
燃料ガス通流ライン,酸化剤ガス通流ラインおよびパー
ジガス通流ラインの圧力を同時に,徐々に上昇させる。
そして,上記圧力が運転圧力に至った時点で,3方弁7,1
0,12,17,20,22を切換え,燃料ガス用マニホールド4に
は燃料ガスを,酸化剤用マニホールド5には酸化剤ガス
を,格納容器2内にはパージガスを通流させて定常運転
に移行させる。 このような起動方法であると,各ガス通流ライン内を
昇圧させるとき,各ガス通流ラインに共通のガス源から
の共通に二酸化炭素を流し,各ガス通流ラインの圧力を
圧力制御弁26で共通に制御しているため,各ガス通流ラ
イン間には圧力差が生じない。このため,昇圧時に各ガ
ス通流ライン間の圧力差で起こり易い溶融炭酸塩のガス
通路への流れ出しやウエットシール部のシール性能低下
を確実に防止することが可能となる。 [発明の効果] 以上述べたように本発明によれば,運転開始に先立っ
て各ガス通流ラインの圧力を運転圧力まで昇圧させるに
際して,複雑な制御を伴うことなく,各ライン間に差圧
が生じない状態で昇圧させることができ,起電性能の低
下やシール性能の低下を防止することができる。また,
運転開始に先立って3つのガス通流ラインに共通に二酸
化炭素を同時に通流させて昇温・昇圧させており,この
二酸化炭素は電解質である炭酸塩の分解を抑制する作用
を呈するので,昇温・昇圧過程での炭酸塩の分解を抑え
ることができる。なお,一般に,運転時に用いる燃料ガ
スおよび酸化剤ガスにもある割合で二酸化炭素を含ませ
ているので,上記のように二酸化炭素を供給する系を設
けても,システム全体が高価格化するようなことはな
い。
に運転開始に先立ってパージガス通流ライン,燃料ガス
通流ラインおよび酸化剤ガス通流ラインの圧力を上昇さ
せる方法に関する。 (従来の技術) 近年,次世代の燃料電池として溶融炭酸塩燃料電池の
開発が進められている。溶融炭酸塩燃料電池は,アルカ
リ炭酸塩からなる電解質を高温下で溶融状態にして電極
反応を生起させるもので,電解質としてリン酸や固体電
解質等を使用した他の燃料電池に比べて電極反応が起こ
り易く,発電効率が高いうえ,高価な貴金属触媒を必要
としない等の特徴を有している。 溶融炭酸塩燃料電池は,通常,アルカリ炭酸塩を電解
質とする電解質層を金属多孔質体で形成された燃料極と
酸化剤極とで挟んで単位電池を構成している。そして,
これらの単位電池を両面に燃料ガス案内路および酸化剤
ガス案内路を備えた導電性のセパレータを介して複数積
層して燃料電池積層体を構成し,この燃料電池積層体の
対向する2つの側面に燃料ガスの供給排出を行なうため
の燃料ガス供給用マニホールドを取付けるとともに残り
の2つの側面に酸化剤ガスの供給排出を行なうための酸
化剤ガス供給用マニホールドを取付けたものとなってい
る。なお,各単位電池の周縁部には,両反応ガスが燃料
電池積層体内部において交差混合するのを防止するため
に溶融炭酸塩によるウエットシールが施され,また,燃
料電池積層体と各マニホールドとの間にも上記両反応ガ
スの漏洩を防止するためにウエットシールが施されてい
る。そして,実際に発電させるに当たっては,電解質層
を構成するアルカリ炭酸塩を500〜700℃に加熱して溶融
状態にするとともにウエットシールも形成し,この状態
で前記各マニホールドを介して燃料ガスおよび酸化剤ガ
スを供給するようにしている。なお、実プラントに設置
するときには,通常,各マニホールドの取付けられた燃
料電池積層体を格納容器内に収容し,この格納容器内に
窒素ガスで代表されるパージガスを通流させるようにし
ている。 ところで,上記のように構成される溶融炭酸塩燃料電
池では,発電運転開始に先立って燃料電池積層体を上述
した温度まで昇温させて電解質であるアルカリ炭酸塩を
溶融状態にするとともにウエットシールを形成し,この
状態で燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給する必要があ
る。燃料電池積層体を昇温させる手段としては,通常,
燃料ガス通流ラインと酸化剤ガス通流ラインおよびパー
ジガス通流ラインに所定の昇温率で温度上昇する低圧の
ガスを共通に通流させるようにしている。そして,アル
カリ炭酸塩を溶融させた時点で,燃料ガス通流ラインを
燃料ガス供給源に,酸化剤ガス通流ラインを酸化剤ガス
供給源に,またパージガス通流ラインをパージガス供給
源に切換え接続し,各ラインの圧力を運転圧力まで昇圧
させた後,定常運転に移行させるようにしている。この
場合,各ラインの圧力を運転圧力まで昇圧させる手段と
しては,一般に燃料ガス通流ライン,酸化剤ガス通流ラ
インおよびパージガス通流ラインの下流にそれぞれ圧力
制御弁を設け,これら制御弁を各ライン毎に設けられた
圧力制御器でコントロールして各ライン間に圧力差が生
じないようにして昇圧させている。 しかしながら,上記のような昇圧方法であると,各ラ
インの圧力測定の誤差および各ラインの時定数の違いか
ら各ライン間の差圧が大きくなったり,変動したりし,
これが原因して溶融した炭酸塩が反応ガスの通路へ押出
されて起電性能が低下したり,ウエットシール部のシー
ル性能が低下したりする問題があった。 (発明が解決しようとする問題点) 上述の如く,従来の起動方法であると,各ガス通流ラ
インの圧力を運転圧力まで昇圧させるとき,各ライン間
の差圧が大きくなたり,変動したりする問題があった。 そこで本発明は,運転開始させるに先立って各ガス通
流ラインの圧力を運転圧力まで昇圧させるに際して,複
雑な制御を伴うことなく,各ライン間に差圧が生じない
状態で昇圧させることができる溶融炭酸塩燃料電池の起
動方法を提供することを目的としている。 (問題点を解決するための手段) 本発明によれば,格納容器内に収容された溶融炭酸塩
燃料電池を運転開始させるに先立ち,上記格納容器内に
パージガスを通流させるパージガス通流ラインの上流側
と上記溶融炭酸塩燃料電池内の燃料ガス用マニホールド
に燃料ガスを通流させる燃料ガス通流ラインおよび上記
溶融炭酸塩燃料電池内の酸化剤ガス用マニホールドに酸
化剤ガスを通流させる酸化剤ガス通流ラインの各上流側
とを二酸化炭素供給源に共通に接続するとともに各ライ
ンの下流側を合流させ,上記各ラインに所定の上昇率で
温度上昇する二酸化炭素を共通に同時に通流させて上記
溶融炭酸塩燃料電池を運転温度まで昇温させた後,各ラ
インの下流側合流路に介挿された圧力制御弁を制御して
各ラインの圧力を共通に同時に運転圧力まで上昇させ,
その後に上記パージガス通流ラインにはパージガスを,
上記燃料ガス通流ラインには燃料ガスを,上記酸化剤ガ
ス通流ラインには酸化剤ガスをそれぞれ切換通流させる
ようにしている。 (作用) 3つのガス通流ラインの圧力が共通に制御されるた
め,各ラインは同一の圧力で昇圧されることになる。こ
のため,昇圧時に起こり易い溶融炭酸塩のガス通路への
流れ出しやウエットシール部のシール性能低下が防止さ
れることになる。また,3つのガス通流ラインに共通に二
酸化炭素を同時に通流させることによって,昇圧・昇圧
過程において電解質である炭酸塩が分解するのを抑える
ことができる。なお,運転時に用いる燃料ガスおよび酸
化剤ガスにもある割合で二酸化炭素を含ませているの
で,上記のように二酸化炭素を供給する系を設けても,
システム全体が高価格化するようなことはない。 (実施例) 以下,本発明の起動方法を図面を参照しながら説明す
る。 まず,本発明起動方法を実施する全体構成を説明する
と,図中1は溶融炭酸塩燃料電池であり,この溶融炭酸
塩燃料電池1は格納容器2内に収容されている。溶融炭
酸塩燃料電池1は,燃料電池積層体3と,この燃料電池
積層体3内に燃料ガスを供給および排出する燃料ガス用
マニホールド4と,同じ酸化剤ガスを供給および排出す
る酸化剤ガス用マニホールド5とで構成されている。 燃料ガス用マニホールド4のガス導入口は,配管6お
よび3方弁7の第1,第2の接続口を介して二酸化炭素供
給管8に接続されている。また,酸化剤ガス用マニホー
ルド5のガス導入口は,配管9および3方弁10の第1,第
2の接続口を介して二酸化炭素供給管8に接続されてい
る。さらに,格納容器2のガス導入口は,配管11および
3方弁12の第1,第2の接続口を介して二酸化炭素供給管
8に接続されている。そして,二酸化炭素供給管8は図
示しない二酸化炭素供給系に接続されている。3方弁7
の第3の接続口は燃料ガス供給管13に,3方弁10の第3の
接続口は酸化剤ガス供給管14に,3方弁12の第3の接続口
はパージガス供給管15に接続されている。 一方,燃料ガス用マニホールド4のガス排出口は,配
管16および3方弁17の第1,第2の接続口を介して排出管
18に接続されている。また,酸化剤ガス用マニホールド
5のガス排出口は,配管19および3方弁20の第1,第2の
接続口を介して排出管18に接続されている。さらに,格
納容器2のガス排出口は,配管21および3方弁22の第1,
第2の接続口を介して排出管18に接続されている。そし
て,3方弁17,3方弁20および3方弁22の第3の接続口はそ
れぞれ排出管23,24,25に接続されている。 排出管18には圧力制御弁26が介在させてあり,この圧
力制御弁26は圧力制御器27によって制御される。圧力制
御器27は,排出管18内の圧力を検出し,この圧力が定め
られた昇圧率で運転圧力まで上昇するように圧力制御弁
2を制御するように構成されている。 次に,本発明に係る起動方法を説明すると以下の通り
である。すなわち,配管6,9,11を3方弁7,10,12を介し
て二酸化炭素供給管8に共通に接続するとともに配管1
6,19,21を3方弁17,20,22を介して排出管18に共通に接
続する。そして,それぞれの配管に同時に供給する二酸
化炭素を所定の上昇率で温度上昇させて燃料電池積層体
3を運転温度まで上昇させ,アルカリ炭酸塩を溶融させ
るとともにウエットシールを形成する。次に,圧力制御
器27を動作させ,これによって圧力制御弁26を制御して
燃料ガス通流ライン,酸化剤ガス通流ラインおよびパー
ジガス通流ラインの圧力を同時に,徐々に上昇させる。
そして,上記圧力が運転圧力に至った時点で,3方弁7,1
0,12,17,20,22を切換え,燃料ガス用マニホールド4に
は燃料ガスを,酸化剤用マニホールド5には酸化剤ガス
を,格納容器2内にはパージガスを通流させて定常運転
に移行させる。 このような起動方法であると,各ガス通流ライン内を
昇圧させるとき,各ガス通流ラインに共通のガス源から
の共通に二酸化炭素を流し,各ガス通流ラインの圧力を
圧力制御弁26で共通に制御しているため,各ガス通流ラ
イン間には圧力差が生じない。このため,昇圧時に各ガ
ス通流ライン間の圧力差で起こり易い溶融炭酸塩のガス
通路への流れ出しやウエットシール部のシール性能低下
を確実に防止することが可能となる。 [発明の効果] 以上述べたように本発明によれば,運転開始に先立っ
て各ガス通流ラインの圧力を運転圧力まで昇圧させるに
際して,複雑な制御を伴うことなく,各ライン間に差圧
が生じない状態で昇圧させることができ,起電性能の低
下やシール性能の低下を防止することができる。また,
運転開始に先立って3つのガス通流ラインに共通に二酸
化炭素を同時に通流させて昇温・昇圧させており,この
二酸化炭素は電解質である炭酸塩の分解を抑制する作用
を呈するので,昇温・昇圧過程での炭酸塩の分解を抑え
ることができる。なお,一般に,運転時に用いる燃料ガ
スおよび酸化剤ガスにもある割合で二酸化炭素を含ませ
ているので,上記のように二酸化炭素を供給する系を設
けても,システム全体が高価格化するようなことはな
い。
【図面の簡単な説明】
図は本発明起動方法の一実施形態を説明するための図で
ある。 1……溶融炭酸塩燃料電池,2……格納容器,3……燃料電
池積層体,4……燃料ガス用マニホールド,5……酸化剤ガ
ス用マニホールド,8……二酸化炭素供給管,18……排出
管,26……圧力制御弁。
ある。 1……溶融炭酸塩燃料電池,2……格納容器,3……燃料電
池積層体,4……燃料ガス用マニホールド,5……酸化剤ガ
ス用マニホールド,8……二酸化炭素供給管,18……排出
管,26……圧力制御弁。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.格納容器内に収容された溶融炭酸塩燃料電池を運転
開始させるに先立ち,上記格納容器内にパージガスを通
流させるパージガス通流ラインの上流側と上記溶融炭酸
塩燃料電池内の燃料ガス用マニホールドに燃料ガスを通
流させる燃料ガス通流ラインおよび上記溶融炭酸塩燃料
電池内の酸化剤ガス用マニホールドに酸化剤ガスを通流
させる酸化剤ガス通流ラインの各上流側とを二酸化炭素
供給源に共通に接続するとともに各ラインの下流側を合
流させ,上記各ラインに所定の上昇率で温度上昇する二
酸化炭素を共通に同時に通流させて上記溶融炭酸塩燃料
電池を運転温度まで昇温させた後,各ラインの下流側合
流路に介挿された圧力制御弁を制御して各ラインの圧力
を共通に同時に運転圧力まで上昇させ,その後に上記パ
ージガス通流ラインにはパージガスを,上記燃料ガス通
流ラインには燃料ガスを,上記酸化剤ガス通流ラインに
は酸化剤ガスをそれぞれ切換通流させるようにしたこと
を特徴とする溶融炭酸塩燃料電池の起動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62015140A JP2703896B2 (ja) | 1987-01-27 | 1987-01-27 | 溶融炭酸塩燃料電池の起動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62015140A JP2703896B2 (ja) | 1987-01-27 | 1987-01-27 | 溶融炭酸塩燃料電池の起動方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63184266A JPS63184266A (ja) | 1988-07-29 |
JP2703896B2 true JP2703896B2 (ja) | 1998-01-26 |
Family
ID=11880510
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62015140A Expired - Fee Related JP2703896B2 (ja) | 1987-01-27 | 1987-01-27 | 溶融炭酸塩燃料電池の起動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2703896B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58163182A (ja) * | 1982-03-23 | 1983-09-27 | Mitsubishi Electric Corp | 燃料電池 |
JPS58163183A (ja) * | 1982-03-23 | 1983-09-27 | Mitsubishi Electric Corp | 燃料電池発電システム |
JPS59165376A (ja) * | 1983-03-10 | 1984-09-18 | Hitachi Ltd | 燃料電池発電システム |
JPS61135065A (ja) * | 1984-12-06 | 1986-06-23 | Toshiba Corp | 燃料電池の均圧装置 |
-
1987
- 1987-01-27 JP JP62015140A patent/JP2703896B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63184266A (ja) | 1988-07-29 |
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