JP2703800B2 - 押出し加工により均質単層プラスチック管を製造する装置 - Google Patents

押出し加工により均質単層プラスチック管を製造する装置

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Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、押出し加工により均質単層プラスチック管
を製造する装置に関する。
［従来の技術］ 配管には通常、軽量化、取付け及び接続の容易性並び
に耐蝕性のためにプラスチック管が使用される。
数十年来知られているこれらのプラスチック管は今で
も、第１図に示すような装置を用いる元来の原理に従っ
て製造されている。
ヘッドが押出し軸上に固定された押出し機により溶融
プラスチック材料が供給される本押出しヘッド装置は、
二つの主要部品から形成されており、溶融物質はその主
要部品間を循環してダイスの出口に達する。
ポンチ及びマンドレルを備えており、管の内部ブラン
クを形成する中心部品は、概略的には互いに底面でつな
がった二つの円錐部分からなる。ポンチは押出し機の吐
出口に向かって拡大する円錐であり、マンドレルはダイ
ス出口に向って収束する部分である。
このマンドレルは、押出し機の吐出口から前述した装
置のダイスの出口までの二つの部品間に自由な管状ダク
トを画定するように、装置の外側部分を形成する部品に
フランジを介して固定される。
［発明が解決しようとする課題］ この装置は昔からあまり改良されていないが、一方、
この装置が接続されるべき押出し機はますます高性能と
なり、材料の流量も次第に増加した。
このことから、管製造装置メーカーの配慮にもかかわ
らず、これらの押出し機から吐出される溶融プラスチッ
クに周方向に関する著しい温度差が生じ、装置の異なる
箇所間でプラスチックの粘性に大きな差を惹起してい
た。この粘性の変化は流量の変動を引き起こし、完成し
た管の厚みに著しい差を生じていた。
この不具合を是正するために装置メーカは、温度差を
小さくすべく装置内に収容される材料の容量を増加させ
たり、様々な自動心出し装置によりダイスに対するポン
チ及びマンドレルの位置を機械的に相対移動させたり、
又は、ダイス周辺を異なる温度に設定することによっ
て、管における厚みの差を装置出口で是正している。
しかし、このような修正装置は、完成した管周囲の厚
みを連続的に測定するための精巧な測定手段を必要とす
る。
本発明の目的は、壁厚にばらつきがなく、優れた機械
特性を有しており、外観の非常に良い均質単層管を、特
別な装置を必要とすることなく製造することができ、し
かも、材料を有効に使用して生産効率を向上させること
ができる、押出し加工により均質単層プラスチック管を
製造する装置を提供することにある。
［課題を解決するための手段］ 本発明によれば、前述の目的は、分配ヘッドとマンド
レル及びダイスを含む押出し工具とからなるアセンブリ
を備えている、押出し加工により均質単層プラスチック
管を製造する装置であって、分配ヘッドが、押出し機の
吐出口に接続される供給ダクトを備えており、供給ダク
トは、装置の押出し工具内に位置する合流点まで互いに
接近するほぼ同軸的な二つの環状ダクトに材料を供給す
べくほぼ完全に分岐する二つのダクトに分割されてお
り、二つの分岐供給ダクトは、二つの流れがほぼ等しい
流量で流れるように形成されていると共に、装置の周方
向に関してほぼ対向している、押出し加工により均質単
層プラスチック管を製造する装置によって達成される。
［作用］ 本発明の押出し加工により均質単層プラスチック管を
製造する装置によれば、そのアセンブリが分配ヘッドと
マンドレル及びダイスを含む押出し工具とからなり、こ
の分配ヘッドが、押出し機の吐出口に接続される供給ダ
クトと、この供給ダクトを分割してほぼ完全に分岐する
二つのダクトと、装置の押出し工具内に位置する合流点
まで互いに接近しており、二つのダクトから夫々材料が
供給されるほぼ同軸的な二つの環状ダクトとを有してお
り、しかも、二つの分岐供給ダクトは、二つの流れがほ
ぼ等しい流量で流れるように形成されていると共に、装
置の周方向に関してほぼ対向している。これにより、押
出し機から供給される溶融プラスチック材料は、周方向
に対向してほぼ等しい流量で流れるほぼ完全な二つの分
岐流に分割された後、二つの環状ダクトに夫々送り込ま
れる。送り込まれた二つの分岐流は夫々、環状ダクト内
で周方向に広がってほぼ同軸的な二つの環状流を形成
し、これら二つの環状流は周方向に関してばらつきのな
いほぼ同じ速度で押出し工具に向かって送り込まれて互
いに接近しつつ押出し工具内の合流点で合流する。従っ
て、押出し機から供給される溶融プラスチック材料の局
所的な温度変化を、この溶融プラスチック材料が分配ヘ
ッドの二つの環状ダクトを通過する間に、材料の周方向
に関して分散あるいは相殺させて効果的に吸収し得、温
度差によって生起される材料流れの速度差に起因した完
成管の壁厚のばらつきを防止してその厚みを周方向に関
してほぼ一定にすることができる。その結果、壁厚にば
らつきがなく、優れた機械特性を有しており、かつ外観
の非常に良い均質管を製造することができ、又、生産ラ
イン立上げ時の初期調整を除けば、溶融プラスチック材
料の温度変化に応じてその都度押出し工具を心出し調整
する必要もなく、そのための特別な装置あるいは手段も
いらない。更に、壁厚の差がほとんどない均質単層管を
製造できるため、材料の無駄がなく、生産効率が向上さ
せることができる。
本発明による装置の好ましい特徴によれば、厚み調整
手段が、中心部材からのマンドレルの距離を増減させる
のがよい。
尚、押出し機から材料が供給される本発明の装置は、
多層管製造装置の場合と同様、押出し機の吐出口に分配
ヘッドを有している。この分配ヘッドは、多層管の製造
においては異なる材料の流れを統合すべく作用し、均質
管の製造には無用のものである。しかしながら、以下で
述べるように、本発明の分配ヘッドは、押出し機に起因
する局部温度の変動を溶融プラスチック全体に吸収させ
ることができる。
本発明は、押出し機から吐出される主な流れを二つの
流れに分割する加熱及び調整手段を有する分配ヘッドを
備えており、これらの流れは、夫々環状ダクトに供給さ
れる。溶融状態の材料流は、かくして二つの環状ダクト
に分かれ、マンドレル及びダイスからなる押出し工具内
で再び合流する。
従来技術による装置においては、外部の修正手段がな
ければ、押出し機から吐出される溶融材料の温度差が押
出し装置の軸方向に関してダイスの出口まで伝わり、結
果的に不具合が指摘されるということから、このような
装置の重要性が埋解されよう。本発明の装置によれば、
ダクト内での温度の乱れが無くなる。流れが二つに分か
れるため、温度差はまず一つの流れで軸方向に伝わる
が、材料が二つの環状ダクトの一方に入ったとき、その
温度差は放射状に散逸する。
更に、この温度差は各流れの分配に対して影響を及ぼ
すが、この分配は環状形に行われるため、二つの流れは
互いに対向し、温度差は二つの環状ダクトの合流点で相
殺される。又、ダクトの二方向への分岐により装置内で
の溶融材料の広がり面積をかなり増大させることができ
るため、温度異常は、前もってかなり軽減される。
以上述べてきたように、本装置は、押出し機から供給
される材料流を分配ヘッドにより、押出し工具で合流す
る二つの独立した環状ダクトで二つの材料流に分岐させ
ることを特徴とする。分岐された二つの材料流は、実際
の流量がほぼ等しくなるように計算され、周方向に関し
てほぼ反対側に案内される。
［実施例］ 以下、本発明を第２図に示す好ましい実施例を用いて
詳述する。
この図は、本発明の一実施例における断面を示してお
り、この装置は、分配ヘッド全体Ａ及び押出し工具Ｂか
ら構成される。
分配ヘッドは、好ましくはほぼ工具の軸線上に置かれ
ており、図示しない押出し機の吐出口に接続される供給
ダクト１を有している。前記供給ダクトは、好ましくは
ほぼ押出し工具の高さに位置する合流点まで互いに接近
する二つの環状ダクト４、５に向かってかなり広がる二
つの供給ダクトに分岐される。押出し工具は、従来のマ
ンドレル６及びダイス７装置を用いるものが公知であ
る。
本装置のもう一つの利点は、ポンチ及びマンドレルか
らなる従来技術の中心部品の支持フランジを削除できる
ことである。
本発明によれば、環状ダクトは、押出し機の吐出口と
は直接接触せず、この吐出口とは二つの分岐ダクトを介
して接続される。この配置により、押出し工具のマンド
レルを保持する中心部材８を、フランジを介さず工具に
外側に直接固定することが可能になる。
マンドレルを中心部材に対して移動させることができ
る厚み調整手段９、10は、接近領域11、12における環状
ダクトの容積の増減に役立つ。これらのダクトの容積を
操作することによって分岐ダクト２、３内の材料の流れ
を調整し得る。
本発明の装置は、優れた機械特性を有しており、かつ
壁の厚みにほとんど差のない、非常に外観の良い均質単
層管の製造を可能とする。溶融プラスチックの温度変動
に応じて押出し工具を再度心出し調整する必要もなく、
壁の厚みが一様な管が得られる。
尚、本発明の装置によれば、均質単層管は次のように
して製造される。
・押出し機吐出口に接続される供給ダクト１を有する分
配ヘッドＡに押出し機から溶融プラスチックを供給す
る。二つの分岐ダクト２、３に分岐される供給ダクト
は、好ましくはほぼ押出し工具の高さに位置する合流点
まで互いに接近する二つの重なり合った環状ダクト４、
５内にプラスチックを溶融状態で通過させる。
・前記合流点、好ましくは押出し工具のマンドレル６及
びダイス７間で二つのプラスチックの流れを合流させ
る。
従来の押出し方法と同様、本装置は、使用するプラス
チックの供給に適した温度に維持される。
この方法によれば、管は厚さが一様であるだけでなく
完全に均質となる。予想に反して、二つの環状ダクト出
口で材料が合流した痕跡は、完成した管において全く観
察することはできない。押出し工具通過時に二つの流れ
は完全に一体化する。各プラスチックに適した押出し条
件下で本発明の装置を用いることにより、あらゆるタイ
プの既知のプラスチック管を製造することができる。
［発明の効果］ 上述したように本発明の押出し加工により均質単層プ
ラスチック管を製造する装置によれば、壁厚にばらつき
がなく、優れた機械特性を有しており、外観の非常に良
い均質管を、特別な装置を必要とすることなく製造する
ことができ、しかも、材料を有効に使用して生産効率を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第１図は従来装置の断面図、第２図は本発明による装置
の一実施例の断面図である。 １……供給ダクト、２、３……分岐ダクト、４、５……
環状ダクト、６……マンドレル、７……ダイス、８……
中心部材、９、10……厚み調整手段、Ａ……分配ヘッ
ド、Ｂ……押出し工具。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】分配ヘッド（Ａ）とマンドレル（６）及び
    ダイス（７）を含む押出し工具（Ｂ）とからなるアセン
    ブリを備えている、押出し加工により均質単層プラスチ
    ック管を製造する装置であって、 前記分配ヘッドが、押出し機の吐出口に接続される供給
    ダクト（１）を備えており、該供給ダクトは、前記装置
    の押出し工具（Ｂ）内に位置する合流点まで互いに接近
    するほぼ同軸的な二つの環状ダクト（４、５）に材料を
    供給すべくほぼ完全に分岐する二つのダクト（２、３）
    に分割されており、 前記二つの分岐供給ダクト（２、３）は、二つの流れが
    ほぼ等しい流量で流れるように形成されていると共に、
    前記装置の周方向に関してほぼ対向していることを特徴
    とする、押出し加工により均質単層プラスチック管を製
    造する装置。
  2. 【請求項２】厚み調整手段（９、10）が、中心部材
    （８）からの前記マンドレル（６）の距離を増減させる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の装置。
JP1111943A 1988-05-04 1989-04-28 押出し加工により均質単層プラスチック管を製造する装置 Expired - Fee Related JP2703800B2 (ja)

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