JP2702842B2 - ブレーキ性能向上方法 - Google Patents

ブレーキ性能向上方法

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JP2702842B2
JP2702842B2 JP4056396A JP5639692A JP2702842B2 JP 2702842 B2 JP2702842 B2 JP 2702842B2 JP 4056396 A JP4056396 A JP 4056396A JP 5639692 A JP5639692 A JP 5639692A JP 2702842 B2 JP2702842 B2 JP 2702842B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の摩擦ブレーキの
ブレーキ性能を向上させる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地上を移動する物体には、その運動を停
止または減速させるために何らかの形で摩擦を利用した
装置が装備されている。鉄道車両にも必ず踏面制輪子ま
たはディスクブレーキが取り付けられている。踏面制輪
子は車輪の踏面に制輪子を押し付けてブレーキ力を得る
方式で、制輪子材料は、鋳鉄系、レジン系、焼結合金系
の3種類に大別される。ディスクブレーキは、車軸また
は車輪側面に取り付けたディスクにライニングを押し付
けてブレーキ力を得る方式で、ディスク材は鋳鉄や鍛
鋼、ライニング材にはレジン系や焼結合金系のものが使
用されている。
【0003】踏面制輪子方式は在来線車両で採用されて
おり、高速化を行う際にはどの様な場合にも600m以
内で停止する条件を満足する必要があり、ブレーキ性能
の優れた制輪子の開発が要求される。鋳鉄制輪子に比較
してレジン制輪子や焼結合金制輪子はブレーキ性能が高
いが、湿潤条件、特に降積雪条件下ではブレーキ性能が
安定して確保できない場合や車輪への攻撃性等で改善の
余地があり、鋳鉄系でブレーキ性能の高い制輪子、また
は、レジン系や焼結合金系でも湿潤条件下でのブレーキ
性能が安定している制輪子の出現が望まれていた。
【0004】この改善策として、鋳鉄にPやCrを添加
して耐摩耗性や高速域でのブレーキ性能を改善した特殊
鋳鉄制輪子が開発された。合金元素の添加により、基地
組織よりも硬さの高いステダイト(Fe−P系三元共
晶)、セメンタイトや炭化物を分散析出させることによ
りブレーキ性能を改善している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法でも
合金添加量によるブレーキ性能改善の効果に上限があ
り、ブレーキ初速度135km/hから600mで停止
させるのが限界となっている。ブレーキ性能を改善する
ために鋳鉄中にセラミックス粒子を分散させる方法につ
いても検討しているが、比重差が大きい等の理由によ
り、目的とする材料が製造できていない。また、レジン
系の耐雪制輪子の開発も行われてきているが、十分な
レーキ性能が得られていない。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、従来は制輪子材料中に硬い物質を分散させてブレ
ーキ性能の向上を行っていたものをブレーキ時に摩擦
する2物質間にセラミックス粒子を外部から供給し、従
来のブレーキ材料の組合せのままで、制輪子材料の改良
だけでは達成できない更に高いブレーキ初速度からのブ
レーキ性能を向上する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に係る本発明のブレーキ性能向上方法は、
高いブレーキ力が必要とされる高速域、即ち車輪踏面が
滑り摩擦によって温度が上昇し、軟化している状況にお
ける車両の摩擦ブレーキ作動時において、ブレーキ力を
発生させるための車輪踏面と制輪子の間に、重力落下ま
たは噴射させてセラミックス粒子を供給することを特徴
とする。 そして、請求項2に係る本発明のブレーキ性能
向上方法は、高いブレーキ力が必要とされる高速域、即
ち車輪踏面が滑り摩擦によって温度が上昇し、軟化して
いる状況における車両の摩擦ブレーキ作動時において、
セラミックス粒子をブロック状に成形加工した部材を車
輪踏面に押し付け、ブレーキ力を発生させるための車輪
踏面と制輪子の間に、セラミックス粒子を供給すること
を特徴とする。 そして、請求項3に係る本発明のブレー
キ性能向上方法は、高いブレーキ力が必要とされる高速
域、即ち車輪踏面が滑り摩擦によって温度が上昇し、軟
化している状況における車両の摩擦ブレーキ作動時にお
いて、ブレーキ力を発生させるためのブレーキディスク
とパッドの間に、重力落下または噴射させてセラミック
ス粒子を供給することを特徴とする。 そして、請求項4
に係る本発明のブレーキ性能向上方法は、高いブレーキ
力が必要とされる高速域、即ち車輪踏面が滑り摩擦によ
って温度が上昇し、軟化している状況における車両の摩
擦ブレーキ作動時において、セラミックス粒子をブロッ
ク状に成形加工した部材をブレーキディスク表面にパッ
ドとは別に押し付け、 ブレーキ力を発生させるためのブ
レーキディスクとパッドの間に、セラミックス粒子を供
給することを特徴とする。
【0008】ブレーキ時に摩擦する2物質間にセラミッ
クス粒子を供給する方法として、粒子状のまま摩擦する
2物質の接触部分に落下または噴射させる方法、セラミ
ックス粒子をブロック体に成形し回転体(車輪またはデ
ィスク)に押し付け、回転体の表面にセラミックス粒子
を付着させる方法がある。
【0009】
【作用】本発明は、特殊鋳鉄制輪子の開発やレジン制輪
子及び焼結合金制輪子の実用化で明らかになった摩擦係
数向上に寄与している硬い物質を高いブレーキ力が必要
とされる高速域、即ち車輪踏面が「滑り摩擦」によって
温度が上昇し、軟化している状況において、摩擦界面に
強制的かつ有効に必要な量だけ存在させてブレーキ力を
高めている。
【0010】
【実施例】図1は、制輪子にセラミックス粒子を供給す
る場合の概念図である。1は車輪,2は制輪子であり、
粒子が摩擦界面に入りやすいように進入端側を斜めに切
り落としてある。3はセラミックス粒子,4はセラミッ
クスブロックである。制輪子2が車輪1に押し付けられ
てブレーキ力が生じる。セラミックス粒子3はブレーキ
開始と同時に漏斗より供給を開始される。セラミックス
ブロック4はブレーキ開始と同時に車輪踏面に押し付け
られる。
【0011】図2は実際の車両のブレーキ条件を再現し
たベンチ試験機でおこなった試験結果のブレーキ開始か
ら停止までの摩擦係数の一例である。ブレーキ初速度は
125km/hで普通鋳鉄制輪子を使用した場合の粒子
を供給した時としない時の結果である。なお、使用した
粒子は炭化けい素(SiC)である。
【0012】図3は高速車両用の特殊鋳鉄制輪子を用い
て同様の試験を実施した結果の一例である。いずれの場
合においても摩擦係数が明らかに向上しており、普通鋳
鉄制輪子の場合だけではなく、制輪子材質としてブレー
キ性能を向上させた特殊鋳鉄制輪子の場合においても更
にブレーキ性能を改善することが明らかになった。
【0013】図4は、ディスクブレーキにセラミックス
粒子を供給する場合の概念図である。3はセラミックス
粒子,4はセラミックスブロック,5はブレーキディス
ク,6はライニングである。ブレーキ時にブレーキディ
スク5とライニング6の間にセラミックス粒子3が重力
落下や噴射による供給装置またはディスクに押し付けら
れたセラミックスブロック4から供給される。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明の外部から強
制的にセラミックス粒子を供給する方法は、制輪子材料
の改良だけでは達成できない高いブレーキ力が必要とさ
れる高速域、即ち車輪踏面が「滑り摩擦」によって温度
が上昇し、軟化している状況において、摩擦界面に強制
的かつ有効に必要な量だけ存在させてブレーキ力を高め
ることにより、高いブレーキ初速度からのブレーキ性能
を向上することができる。また、従来の制輪子やディス
クブレーキではブレーキ性能が不足する場合にだけ働か
せることができるため、ブレーキ条件に応じてセラミッ
クス粒子を無駄に使用しないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】踏面制輪子におけるセラミックス粒子供給方式
の実施例を示した説明図である。
【図2】本発明を使用しない従来のブレーキと本発明を
用いた場合の普通鋳鉄制輪子のブレーキ試験結果の一例
である。
【図3】本発明を使用しない従来のブレーキと本発明を
用いた場合の高速車両用特殊鋳鉄制輪子のブレーキ試験
結果の一例である。
【図4】ディスクブレーキにおける粒子供給方式の実施
例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 車輪 2 制輪子 3 セラミックス粒子 4 セラミックスブロック 5 ブレーキディスク 6 ライニング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−22176(JP,A) 実開 昭57−77739(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高いブレーキ力が必要とされる高速域、
    即ち車輪踏面が滑り摩擦によって温度が上昇し、軟化し
    ている状況における車両の摩擦ブレーキ作動時におい
    て、ブレーキ力を発生させるための車輪踏面と制輪子の
    間に、重力落下または噴射させてセラミックス粒子を供
    給することを特徴とするブレーキ性能向上方法。
  2. 【請求項2】 高いブレーキ力が必要とされる高速域、
    即ち車輪踏面が滑り摩擦によって温度が上昇し、軟化し
    ている状況における車両の摩擦ブレーキ作動時におい
    て、セラミックス粒子をブロック状に成形加工した部材
    を車輪踏面に押し付け、ブレーキ力を発生させるための
    車輪踏面と制輪子の間に、セラミックス粒子を供給する
    ことを特徴とするブレーキ性能向上方法。
  3. 【請求項3】 高いブレーキ力が必要とされる高速域、
    即ち車輪踏面が滑り摩擦によって温度が上昇し、軟化し
    ている状況における車両の摩擦ブレーキ作動時におい
    て、ブレーキ力を発生させるためのブレーキディスクと
    パッドの間に、重力落下または噴射させてセラミックス
    粒子を供給することを特徴とするブレーキ性能向上方
    法。
  4. 【請求項4】 高いブレーキ力が必要とされる高速域、
    即ち車輪踏面が滑り摩擦によって温度が上昇し、軟化し
    ている状況における車両の摩擦ブレーキ作動時におい
    て、セラミックス粒子をブロック状に成形加工した部材
    をブレーキディスク表面にパッドとは別に押し付け、ブ
    レーキ力を発生させるためのブレーキディスクとパッド
    の間に、セラミックス粒子を供給することを特徴とする
    ブレーキ性能向上方法。
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