JP2702015B2 - 力制御作業機械の重量・重心位置補正装置 - Google Patents

力制御作業機械の重量・重心位置補正装置

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JP2702015B2 JP27977491A JP27977491A JP2702015B2 JP 2702015 B2 JP2702015 B2 JP 2702015B2 JP 27977491 A JP27977491 A JP 27977491A JP 27977491 A JP27977491 A JP 27977491A JP 2702015 B2 JP2702015 B2 JP 2702015B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、力制御作業機械の重量
・重心位置補正装置に関し、特に、力制御によって作動
する作業機械に力センサを介して装着される作業ツール
について、このツールの重量及び重心位置の各パラメー
タを求め、これらのパラメータで作業時に力センサの検
出値が重力補正される重量・重心位置補正装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】グラインダがけ装置、バリ取り装置、嵌
め合わせ装置等の如く、力センサを介して作業ツールを
装置機構部のアーム先部に取付け、力制御に基づいて機
構部全体の姿勢を変化させて作業ツールに作業を行わせ
るように構成された力制御作業機械では、力センサに固
定した作業ツール及びそのホルダ等(以下ツールと記
す)の重量及び重心位置をパラメータとして設定するこ
とが必要である。その理由は、次の通りである。
【0003】ツールがワークに対して所定作業を行うと
き、力センサで検出される力データは、力センサの検出
中心位置に加わる力である。これに対して、本来、知り
たい力情報は、ツールとワークが接触する箇所でのワー
クからツールに対し作用する力である。またツールが空
中に存在し、いかなる外力も受けない状態を想定する
と、ツールには、その重心位置に重力が加わり、重量を
有する。従って、ワークに接触して作業を行っているツ
ールには、作業に伴って生じる前記接触箇所での作用力
とツール自身の重量による力が複合された状態で、この
複合力が加わっている。力センサは、かかる複合力を検
出していることになる。そこで、ツールの接触箇所にお
ける作業に関連する力情報のみを検出するためには、ツ
ールの重量とツールの重心位置に関するパラメータを予
め用意し、力センサで検出された力データを補償しなけ
ればならない。そのために、ツールの重量及び重心位置
を重力補正用パラメータとして設定することが必要とな
る。
【0004】従来、ツールの重量と重心位置のパラメー
タを算出する方法としては、特開昭62−84991号
公報に開示される方法がある。この先行文献で開示され
る方法では、ツールの重量パラメータをスカラー量とし
て算出し、同ツールの重心位置パラメータをベクトル量
として算出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来のパラメー
タ演算方法では、重力がスカラー量で与えられるので、
ツールに対し重力が加わる方向を、作業機械の台座部す
なわち設置箇所に設定されるベース座標系の例えばZ軸
方向と一致させるか、又は重力方向をベース座標系で表
現する式を別途に入力する必要があった。このため、力
制御による作業機械を適当な箇所に設置する時、各作業
機械ごとに、前述した重力方向と軸方向の一致のための
調整を行うか、又は前記の表現式を求めるため各設置箇
所に対応して重力方向と作業機械のベース座標系との関
係を正確に測定しなければならなかった。力制御作業機
械における前記の調整又は測定が不正確に行われると、
作業機械において力制御に基づき所定の作業を実行する
とき、重力補償演算の精度に悪影響を及ぼし、その結
果、最終的な力制御の精度そのものにも悪影響を及ぼ
す。
【0006】本発明の目的は、力制御の作業機械を設置
する時に従来必要とされた繁雑な調整作業又は測定作業
をなくし、更に装置構成を簡易化し、制御誤差を小さく
した力制御作業機械の重量・重心位置補正装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る力制御作業
機械の重量・重心位置補正装置は、動作する時に任意の
姿勢をとる構造を有する機構部の一部に、任意方向の力
と基準点回りのモーメントを検出する力センサを介し
て、作業ツールを取付け、制御手段で実行される力制御
に基づいて機構部を動作させ、作業ツールに所定の作業
を行わせる作業機械に適用されることを前提とし、更に
この作業機械では、機構部の設置箇所に対応する第1の
座標系(ベース座標系)と、力センサに対応する第2の
座標系(センサ座標系)とが設定され、制御手段は、機
構部の姿勢に関するデータを入力する姿勢入力手段と、
力センサの検出する力データを入力する力入力手段と、
重量・重心位置演算手段を含むように構成され、更に、
制御手段が、機構部を動作させて機構部に複数の姿勢を
とらせるとき、姿勢入力手段は、複数の姿勢のそれぞれ
に対応する姿勢に関するデータを入力し、力入力手段は
複数の姿勢のそれぞれに対応する力データを入力し、重
量・重心位置演算手段は、姿勢入力手段が入力した姿勢
に関するデータと力入力手段が入力した力データを用い
て、作業ツールの重量パラメータを第1の座標系で表現
したベクトル量として算出すると共に、作業ツールの重
心位置パラメータを第2の座標系で表現したベクトル量
として算出し、これらのパラメータをその後の作業動作
で重力補正値として使用するため、記憶部に格納するよ
うに構成される。前記の構成において、好ましくは、複
数の姿勢が、少なくとも3つの姿勢である。前記力制御
作業機械における力制御に基づく作業では、力センサで
検出され且つ出力される重量データ及び重心位置データ
を、前述の如くして得られた重量パラメータと重心位置
パラメータを用いて補償し、力制御において正確な力デ
ータをフィードバックする。
【0008】前記の構成において、ベース座標系の代わ
りにその他の固定座標系を用いることもできる。
【0009】
【作用】本発明では、作業時に力センサが作業ツールに
加わる力を検出し、この力データを制御手段にフィード
バックして、作業ツールに目標とする力作業を行わせる
とき、力センサで検出された力データを重力補正する必
要が生じるが、この場合において、重力補正に使用され
る作業ツールの重量パラメータをロボット本体の設置箇
所に対応するベース座標系等で表現したベクトル量とし
て求める。そのため従来の力制御作業機械における重量
・重心位置補正方法で必要とされた、ベース座標系で表
現された重力方向の単位ベクトル(B 〈ug 〉)を測定
する必要がなくなり、従って、他の方法で計測する手
間、或いは調整する手間が不要となり、力制御作業機械
の設置時における繁雑さが軽減される。
【0010】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は、力制御で作動する作業機械と、こ
の作業機械の動作を制御する制御装置と、力センサで得
られる作業ツール(ツールホルダを含む)の重量及び重
心位置を補正するための重力補正値(重量パラメータ,
重心位置パラメータ)を求める補正装置を示し、併せて
本図中に重力補正値を算出するための3つのツール姿勢
を示す。制御装置及び補正装置は、コンピュータによる
演算処理装置として一体的に構成される。図2は制御装
置及び補正装置を構成する演算処理装置の内部構成を示
している。以下では、力制御作業機械をロボット本体と
記す。
【0011】1は、6自由度を有し且つ垂直多関節型の
構造を有するロボット本体である。ロボット本体1は、
台座部3において、重力方向2に対して角度θ傾斜した
姿勢で設置される。ロボット本体1は、アーム部分の手
先部に力センサ4を有し、この力センサに、更にグライ
ンダ等の作業ツール5が装着される。力センサによっ
て、直交する3つの軸に関し各軸方向の力とモーメン
ト、すなわち、計6軸方向の力を計測できる。ツール5
が、図示しないワークに接触し、ワークに対して所定の
作業を行うとき、力センサ4は、ツール5に加わる力と
ツール5自身の重量が複合された力を検出する。
【0012】10はロボット制御装置である。ロボット
制御装置10は、ロボット本体1の各関節部に取り付け
られたモータ等のアクチュエータの動作を制御する信号
を生成し、この制御信号を各アクチュエータに与えるこ
とにより、ロボット本体1に必要な姿勢をとらせ、作業
に必要な動作を行わせる。ロボット制御装置10が実行
する制御は、少なくとも力を制御情報として扱ういわゆ
る力制御を含むものである。力制御では、ツール5に加
わる力を、前述の力センサ4で検出し、この検出した力
データをフィードバックしながら、所定の力が発生する
ように制御が行われる。力制御に基づいて動作するロボ
ット本体1の基本的制御、及びこの制御を行うためのロ
ボット制御装置の基本的構成は既に知られている。力制
御では、力センサ4に取り付けられるツール5及びその
ホルダ等の重力値を補償する必要がある。ツール5の重
力値の補償演算を行うには、ツールの重量や重心位置の
パラメータが必要とされる。
【0013】作業ツールの重量及び重心位置の各パラメ
ータを求めるための装置を構成する機能要素として、力
入力装置11、姿勢入力装置12、重量・重心位置演算
装置13、重量及び重心位置の各パラメータを格納する
記憶装置14が設けられる。これらの装置の機能の説明
は、力センサ4で検出される作業ツールの重量及び重心
位置の各パラメータを演算する動作説明の時に行われ
る。
【0014】ロボット制御装置10、力入力装置11、
姿勢入力装置12、重量・重心位置演算装置13、記憶
装置14は、具体的に、コンピュータによる構成によっ
て実現される。そのブロック構成は図2に示される。
【0015】次に、力センサ4によって検出されるツー
ルの重量及び重心位置のデータを補償するための重量及
び重心位置の各パラメータを算出する補正装置の動作に
ついて説明する。力センサ4には、力検出中心(モーメ
ントの基準点)を原点とする力センサ固有の直交座標
系、すなわちセンサ座標系Sが設定される。力センサ4
で検出される前述のツール5に加わる力及びツール5自
身の重量は、センサ座標系Sを基準にして表現される。
センサ座標系Sを用いて表現された力をs 〈Fs 〉と表
す。ここで、〈Fs 〉はFs がベクトル量であることを
意味し、左上の添字sが表現座標系を意味する。一方、
ロボット本体1では、その設置箇所に対応してロボット
本体固有の直交座標系であるベース座標系Bが定義され
る。
【0016】センサ座標系S自体はロボット本体1に固
定された座標系であるので、センサ座標系Sの姿勢(傾
き)を、ロボット本体1の各関節部に取り付けられたエ
ンコーダ等の位置変位センサ(図示せず)を用いて各軸
の方向余弦を演算することにより、ベース座標系Bで表
現することができる。
【0017】ここで、x軸の方向余弦をB 〈ns 〉、y
軸の方向余弦をB 〈os 〉、z軸の方向余弦を
B 〈as 〉と表すと、ベース座標系Bで表したセンサ座
標系Sの姿勢(B s )は、 B s =〔B 〈ns 〉,B 〈os 〉,B 〈as 〉〕 …(1) となる。実際に、ツール5の重量及び重心位置の演算に
使用するのは、センサ座標系Sで表したベース座標系の
姿勢(s B )であるので、これは、 s B =(B s -1=(B s T …(2) で演算することができる。ここで、( )T は転置行列
を意味する。
【0018】次に、ロボット制御装置10による制御の
下で、ロボット本体1に少なくとも3つの姿勢をとらせ
る。図1において、第1から第3の姿勢状態が部分的に
示されている。この3つの姿勢は、力センサ4及び作業
ツールを含む周辺部分の構成に関するものである。これ
らの3つの姿勢に対応して、それぞれ、力センサに基く
力データと位置変位センサに基づく姿勢データが発生す
る。第1の姿勢状態に対応して発生する力データを
s 〈FS1〉、姿勢データをs 〈TB1〉、第2の姿勢状態
に対応する力データをs 〈FS2〉、姿勢データをs 〈T
B2〉、第3の姿勢状態に対応する力データを
s 〈FS3〉、姿勢データをs 〈TB3〉とする。第1から
第3の各姿勢状態に対応する力データ及び姿勢データ
は、それぞれ、姿勢ごとに組として力入力装置11及び
姿勢入力装置12から取り込まれ、一時的に記憶され
る。取り込まれた前記の各データを用いて、重量・重心
位置演算装置13は、下記に説明するように、ツール5
の重量及び重心位置に関しての演算を行い、重力補正値
(パラメータ)としての重量B 〈W〉と重心位置
s 〈r〉を算出する。これらの補正値は、記憶装置14
に格納される。記憶装置14に格納された重力補正値と
しての重量B 〈W〉と重心位置s 〈r〉は、その後、ロ
ボット制御装置8による力制御に基づいてロボット本体
1及びツール5に所定の力作業を行わせる時に、記憶装
置14から取り出され、ロボット制御装置10内におい
て力センサ4で検出される力データに関して重力補償演
算を行う際に利用される。
【0019】ツール5の重量B 〈W〉及び重心位置
s 〈r〉の各パラメータの算出方法について詳述する。
まず、量s 〈F0s〉,s 〈Fof〉,s 〈Fg 〉,s 〈F
s 〉を定義する。s 〈F0s〉:力センサで検出される力s 〈Fof〉:力センサのオフセット力補正値(温度ドリ
フト等によるゼロ点ずれ量)s 〈Fg 〉:ツールの重力成分s 〈Fs 〉:ツールがワークに接触したことにより生じ
る力 上記の量は、それぞれ、軸力ベクトル〈f〉、とモーメ
ントベクトル〈m〉により、次のように表される。s 〈F0s〉=(s 〈f0s〉,s 〈m0s〉)s 〈Fof〉=(s 〈fof〉,s 〈mof〉)s 〈Fg 〉=(s 〈fg 〉,s 〈mg 〉)s 〈Fs 〉=(s 〈fs 〉,s 〈ms 〉) 上式において、s 〈fg 〉,s 〈mg〉は、 s 〈fg 〉=s B B 〈W〉 …(3) s 〈mg 〉=s 〈r〉×s 〈fg 〉 …(4) また、s 〈F0s〉は、 s 〈F0s〉=s 〈Fof〉+s 〈Fg 〉+s 〈Fs 〉 …(5) として表現される。ここでs 〈r〉とB 〈W〉に関し
て、意味のないs 〈r′〉とB 〈W′〉が初期値として
記憶されていたとする。このときロボット制御装置10
内で、力センサのオフセット力補正値を設定するための
オフセット更新ルーチンにより重力補償として、 s 〈fg ′〉=s B B 〈W′〉 …(6) s 〈mg ′〉=s 〈r′〉×s 〈fg ′〉 …(7) が演算され、オフセット力として、s 〈Fof′〉=s 〈F0s′〉−s 〈Fg ′〉 がセットされているものとする。ツールにかかる力
s 〈Fs 〉は0であり、s 〈F0s′〉は、この時の力セ
ンサの検出力である。次にツールに、非接触状態で任意
(独立な)の3つの姿勢をとらせる。このとき、重量・
重心位置演算装置13は、力センサ4から与えられる力
計測データで重量と重心を求める。力計測データの座標
系はセンサ座標系Sである。 第1の姿勢: 変換行列 s B1 s 〈fs1〉=s 〈fof′〉+s 〈fg1s 〈ms1〉=s 〈mof′〉+s 〈mg1〉 第2の姿勢: 変換行列 s B2 s 〈fs2〉=s 〈fof′〉+s 〈fg2s 〈ms2〉=s 〈mof′〉+s 〈mg2〉 第3の姿勢: 変換行列 s B3 s 〈fs3〉=s 〈fof′〉+s 〈fg3s 〈ms3〉=s 〈mof′〉+s 〈mg3〉 まず重量を求める。上式より、 s 〈fs1〉−s 〈fs2〉=s 〈fg1〉−s 〈fg2〉 =(s B1s B2B 〈W〉 …(8) s 〈fs1〉−s 〈fs3〉=s 〈fg1〉−s 〈fg3〉 =(s B1s B3B 〈W〉 …(9) ここで、 s 〈Δf1 〉=s 〈fs1〉−s 〈fs2s 〈Δf2 〉=s 〈fs1〉−s 〈fs3〉 とおき、更に、s 〈ΔF〉とs 〈A〉を次のようにおく
と、
【0020】
【数1】
【0021】上記の(8)式と(9)式は、 s 〈ΔF〉=s 〈A〉・B 〈W〉 …(10) とまとめることができる。これにより、 s 〈A〉T ・〈ΔF〉=s 〈A〉T s 〈A〉・B 〈W〉 …(11) 故に、重量は、 B 〈W〉=(s 〈A〉T s 〈A〉)-1s 〈A〉T ・〈ΔF〉…(13) として求められる。
【0022】次に、重心位置を求める。前述の第1から
第3の姿勢に関する式を用いて、 s 〈ms1〉−s 〈ms2〉=s 〈mg1〉−s 〈mg2〉 =s 〈r〉×s 〈fg1〉−s 〈r〉×s 〈fg2〉 =s 〈r〉×(s 〈fg1〉−s 〈fg2〉) =s 〈r〉×(s 〈fs1〉−s 〈fs2〉) =s 〈r〉×s 〈Δf1 〉 …(14) 同様に、 s 〈ms1〉−s 〈ms3〉=s 〈r〉×s 〈Δf2 〉 …(15) ここで、s 〈Δm1 〉=s 〈ms1〉−s 〈ms2s 〈Δm2 〉=s 〈ms1〉−s 〈ms3〉 とおき、更に、次のようにおく。
【0023】
【数2】
【0024】これによって、前記(14)式及び(1
5)式は、次のように書き換えることができる。
【0025】
【数3】
【0026】ここで、
【0027】
【数4】
【0028】とおくと、(数3)の式は、s 〈ΔM〉=s 〈B〉・s 〈r〉 となる。これにより、 s 〈B〉T s 〈ΔM〉=s 〈B〉T s 〈B〉・s 〈r〉 故に、重心位置は、 s 〈r〉=(s 〈B〉T s 〈B〉)-1s 〈B〉T ・〈ΔM〉 として求めることができる。
【0029】以上によって、重量B 〈W〉と重心位置s
〈r〉をパラメータとしてロボット制御装置10にセッ
トすれば、天吊りなど任意の姿勢にロボット本体1を設
置した場合に、容易に対応することができる。
【0030】ここで前記の如く、重量をベクトルで求め
たときに、ベース座標系Bと重力方向との関係を明らか
にする、すなわち従来の如く測定及び調整を行わなくと
も良い理由を説明する。ロボット本体1では、前述の如
くその台座部にベース座標系Bが設定されている。この
ベース座標系は、ツール及び各関節部の位置や姿勢を表
現するための固定座標系として必要である。ロボット本
体1の各部の位置や姿勢はベース座標系で表現され、力
センサ4の位置・姿勢についても同様である。ベース座
標系で表現したセンサ座標系の姿勢は、前記(1)式で
示した通りである。ツール5は力センサ4に固定され、
ツール5の重量は力センサ4で検出されるため、その検
出値s 〈F0s〉は、前記式(5)で示された通り、セン
サ座標系で表現された値となる。力センサ4のオフセッ
ト力はセンサ自身の姿勢によって値の変化はないが、ツ
ール5の重力成分については、ツール5の向く姿勢、す
なわち力センサ4の姿勢によって値が変化する。本発明
よる補正装置はs 〈F0s〉に基づきs 〈Fs 〉を求める
のに必要なs 〈Fg 〉を求める装置に関するものである
ので、s 〈Fg 〉について述べる。s 〈Fg 〉=(s 〈fg 〉,s 〈mg 〉) として、s 〈fg 〉:力センサ4で検出されるツール重力の軸方
向成分s 〈mg 〉:力センサ4で検出されるツール重力の回転
モーメント成分 とすると、前記(3)式及び(4)式で明らかなよう
に、s 〈fg 〉=s B ・We・B 〈ug s 〈mg 〉=s 〈r〉×s 〈fg 〉 で表される。ここで、Weはツール5の重量(スカラー
量)、B 〈ug 〉はベース座標系で表現された重力方向
の単位ベクトルである。
【0031】以上の式で明らかなように、ツール重量を
スカラー量で求めるように構成された重量・重心位置補
正装置では、別途に重力方向の単位ベクトルB 〈ug
を求めなければならない。このB 〈ug 〉は3次元量で
あるため、測定が難しく、ロボット本体をユーザの使用
箇所に設置した後に、これらの測定を行うことは非常に
煩わしい。また測定において誤差が生じれば、その誤差
は力制御の精度に影響する。また、B 〈ug 〉を予め
(0,0,1)のように単純な形で表現しておく方法も
存在するが、この場合には、ロボット本体の設置を、そ
のベース座標系がB 〈ug 〉として定めた方向と重力方
向が一致するように、調整を行う必要がある。本発明で
は、前述の実施例で明らかなようにツール5の重量パラ
メータをベース座標系Bで表現したベクトル量として算
出する、すなわち、B 〈W〉=We・B 〈ug 〉を直接
に求めるので、前述した測定又は調整の繁雑さがなくな
る。
【0032】次に、図2に従って、ロボット制御装置1
0及び重量・重心位置補正装置からなる演算処理装置
(広い意味で制御手段)の動作を説明する。力センサ4
の出力した検出値は力入力装置11に入力される。力セ
ンサ4の出力がアナログ信号であるときには、A/D変
換器で構成される。また前記出力がシリアル通信(RS
422,RS232−C等)である場合、通信に適した
レシーバで構成される。力入力装置11に取り込まれた
データは、バス21を通してRAM22に蓄えられる。
他方、姿勢入力装置12は、各関節部に対応して配置さ
れたエンコーダ23の発生する各軸の角度データを入力
するカウンタ24として構成される。各軸の角度データ
が初期的な姿勢データとなる。カウンタ24を介して取
り込まれた角度データは、バス21を介してRAM22
に蓄えられる。次にCPU25で、前記角度データに基
づきキネマティックス演算を実行し、姿勢データB s
に変換し、再度RAM22に姿勢データを蓄える。更
に、CPU25は、ROM26に格納された、重量・重
心位置演算装置13としての動作を実行するプログラム
を呼出し、このプログラムを用いて、且つRAM22に
蓄えた前述の力データ及び姿勢データを用いて前述の演
算を実行し、重力と重心位置を算出する。この計算で求
められた重力と重心位置の各値は、RAM22に蓄えら
れる。この場合、RAM22は記憶装置14として機能
する。その後、力制御による作業をロボット本体1に行
わせる時、CPU25は、力センサ4及び各エンコーダ
23の出力を取り込み、取り込んだ力データをRAM2
2に格納した重力と重心位置で補償し、設定された制御
目標値と比較しながら動作指令値を設定する。動作指令
値は、動作指令値出力装置27から出力され、サーボア
ンプ28を介して、ロボット本体1の関節部に配置され
た所要のモータ29に供給される。こうして、CPU2
5はロボット制御装置10として機能する。
【0033】なお上記実施例では、第1の座標系をロボ
ットのベース座標系として述べたが、これに限らず、任
意の箇所を基準とする固定座標系を用いても、本発明が
成立することは明らかである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、力センサを備えた力制
御作業機械において、重力補償用の重量パラメータを、
設置場所に対応するベース座標系等に基づくベクトル表
現で求めるように構成したため、作業機械の設置状態を
作業ツールの重量表現のうちに自動的に含ませることが
でき、従来の測定又は調整ための手段及びプロセスが不
要となった。これによってかかる作業機械の設置作業が
簡便となった。また測定及び調整のための装置構成及び
作業が不要となったため、装置の構成が簡易となり、且
つ測定及び調整に起因する誤差がなくなり、力制御の精
度が常に一定範囲に収まり、全体として向上する。更
に、かかる誤差に起因して発生する作業機械の暴走的動
作を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る力制御作業機械の重量・重心位置
補正装置の一実施例の全体的構成を示す構成図である。
【図2】本発明による装置を実現するコンピュータ構成
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 ロボット本体 2 重力方向 4 力センサ 5 作業ツール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−191593(JP,A) 特開 昭61−71986(JP,A) 特開 平3−55189(JP,A) 特開 昭62−84991(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動作する時に任意の姿勢をとる構造を有
    する機構部に、任意方向の力と基準点回りのモーメント
    を検出する力センサを介して、作業ツールを取付け、制
    御手段で実行される力制御に基づいて前記機構部を動作
    させ、前記作業ツールに所定の作業を行わせる作業機械
    であって、更に、前記機構部の設置箇所に対応する第1
    の座標系と、前記力センサに対応する第2の座標系とが
    設定される前記作業機械において、 前記制御手段は、前記機構部の姿勢に関するデータを入
    力する姿勢入力手段と、前記力センサの検出する力デー
    タを入力する力入力手段と、重量・重心位置演算手段を
    含み、 前記制御手段が、前記機構部を動作させて前記機構部に
    複数の姿勢をとらせるとき、前記姿勢入力手段は、前記
    複数の姿勢のそれぞれに対応する姿勢に関するデータを
    入力し、前記力入力手段は前記複数の姿勢のそれぞれに
    対応する力データを入力し、前記重量・重心位置演算手
    段は、前記姿勢入力手段が入力した姿勢に関する前記デ
    ータと前記力入力手段が入力した前記力データを用い
    て、前記作業ツールの重量パラメータをベクトル量とし
    て算出すると共に、前記作業ツールの重心位置パラメー
    タを算出し、これらのパラメータをその後の作業動作で
    重力補正値として使用するため、記憶部に格納すること
    を特徴とする力制御作業機械の重量・重心位置補正装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の力制御作業機械の重量・
    重心位置補正装置において、前記複数の姿勢は、少なく
    とも3つの姿勢であることを特徴とする力制御作業機械
    の重量・重心位置補正装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の力制御作業機械の重量・
    重心位置補正装置において、前記重量パラメータを前記
    第1の座標系で表現し、前記重心パラメータを前記第2
    の座標系で表現したことを特徴とする力制御作業機械の
    重量・重心位置補正装置。
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