JP2701467B2 - 静電気浮遊物体の位置制御方法 - Google Patents

静電気浮遊物体の位置制御方法

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正明 荻原
積 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、帯電物体を静電気的な力を利用して容器
などと非接触状態に保持し、所定の位置に安定して位置
決めできるようにした静電気浮遊物体の位置制御方法に
関し、特に気体による振動減衰効果が利用できない宇宙
空間で有効なものである。
[従来の技術] 静電浮遊の利用分野の一つとして宇宙での新素材の開
発研究があり、宇宙の微小重力環境を利用して素材を空
間の一点に非接触状態で保持し、無容器で加熱、溶融、
凝固処理を行うことで新規な材料の開発を行うことが考
えられている。
この静電浮遊方法では、対象とする物体が帯電物体で
あれば、これを複数の電極を用いて形成した静電場内の
空間の所定の位置に浮遊させて保持させることが可能で
あり、具体的な静電浮遊装置についても提案されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] ところが、このような静電気浮遊装置によって帯電物
体を浮遊させた場合、高真空状態の宇宙では、地上と異
なり空気などの気体の粘性などによる抵抗が帯電物体に
作用することが期待できない。
このため帯電物体に振動が生じると、これを減衰する
ことができず、振動が永久に続いてしまい、帯電物体の
静電浮上が不可能になってしまうという問題がある。
そこで、何等かの力を帯電物体に与えて振動を減衰さ
せる必要から直流電圧による位置制御法が提案されてい
るが、上下一対の皿型の電極や空間に配置された4つの
球形の電極に直流電圧を印加して静電浮遊を行うため、
静電浮遊の制御の応答性が遅いという問題や位置制御の
ための制御変数が電圧だけであり、安定に浮遊させるこ
とができる範囲が狭いという問題がある。
この発明は、かかる現状に鑑みてなされたもので、宇
宙などの高真空下であっても電気的な力で減衰力を与
え、安定した状態で静電浮遊させることができるととも
に、制御範囲も広い静電気浮遊物体の位置制御方法を提
供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するためこの発明の静電気浮遊物体の
位置制御方法は、帯電物体を正電気的な力で空間に位置
決めするに際し、前記物体の振動変位に応じてその振動
方向と逆向きに振動を減衰させる力を発生する交流電圧
を加えるようにしたことを特徴とするものである。
[作 用] この静電気浮遊物体の位置制御方法によれば、帯電物
体の振動変位を位置検出器などで検出し、その検出値に
応じて、その振動方向と逆の向きに(位相が反転した)
交流電圧を加えるようにしており、この交流電圧により
クーロン力を発生させ、この力によって真空中で気体の
粘性力に相当する減衰力を帯電物体に与えるようにし、
帯電物体の位置を制御できるようにしている。
また、減衰力の発生のため交流電圧を印加するように
しているため、制御変数として電圧および周波数を用い
ることができ、2つの変数を組合わせて安定に帯電物体
の位置を制御できる範囲の拡大を図るようにしている。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明
する。
第1図はこの発明の静電気浮遊物体の位置制御方法の
一実施例が適用される静電浮遊装置にかかる概略構成図
である。
この静電浮遊装置10では、軸方向と直交する方向の閉
じ込め力を発生させる第1電極11と、これと直交する軸
方向の閉じ込め力を発生する第2電極12とを備えてい
る。
まず、空間の左右方向の閉じ込め力を発生させる第1
電極11は、例えば第1図に示すように、2本1組の円柱
電極11a,11bおよびもう1組の円柱電極11b,11bの4本で
構成され、空間の原点を通る中心軸から等距離の位置に
側方向に沿うよう配置され、平面状態では各電極11a,11
a,11b,11bが正方形の頂点に位置している。
次に、空間の上下方向の閉じ込め力を発生させる第2
電極12は、2個1組の球形電極12a,12aで構成され、空
間の原点を通る中心軸上の上下等距離の位置に配置され
ている。
そして、これら第2電極12に電圧を印加する電源13
は、直流電源が使用される。
一方、4本の円柱電極11a,11a,11b,11bで構成された
第1電極11に電圧を印加する電源14は、少なくとも交流
分を含む電源が使用され、例えば交流のみの電源や直流
を交流に重畳した電源が使用される。この場合の電源14
の交流分の周波数は、低周波から商用周波数を含む高周
波までの広い範囲のものが使用される。
このように構成された静電浮遊装置10によれば、第2
電極12である球形電極12a,12aに電源13から帯電物体15
の極性と同一の直流電圧を印加するとともに、第1電極
11である円柱電極11a,11a,11b,11bに電源14から交流電
圧を印加し、空間の中心部に帯電物体15を位置させる。
すると、第2電極12である球形電極12a,12aによって
上下方向の反発力として閉じ込め力が発生するととも
に、第1電極11である円柱電極11a,11a,11b,11bによっ
て左右方向の閉じ込め力が発生し、左右方向について
は、帯電物体15は電気力線パターンに沿って運動し、第
1電極11の中心部に向かって閉じ込めが作用し散逸が防
止されるとともに、上下方向については、上下の電極12
の極性と(強制的に同じ極性になるように荷電された)
同極性の帯電物体15が、第2電極12間の反発力(閉じ込
め力)によって重力に逆らって浮上されることとなり、
帯電物体15は左右方向及び上下方向の閉じ込み力で第1,
第2電極11,12の中央部で安定した状態で浮上される。
このような第1電極11及び第2電極12により帯電物体
15が浮上された状態で、帯電物体15に振動などが生じる
と、宇宙においては、振動を減衰させることができない
ことから、この静電浮遊装置10では、帯電物体15の位置
を検出して振動発生の有無などの知るため位置検出器16
が設けられている。
この位置検出器16は、空間における帯電物体15の位置
を検出できるよう3個の位置検出器16a,16a,16aで構成
されており、位置演算器17に検出信号が入力され、位置
の変位が求められる。
この位置演算器17には、交流電源A,Bを備えた制御器1
8が接続され、帯電物体15の変位が入力され、これに基
づくフィードバック制御により1組の円柱電極11a,11a
に位置制御用の交流電圧を印加する。
この制御器18によって円柱電極11a,11aに加えられる
位置制御用の交流は、帯電物体15の振動変位に応じてそ
の振動方向と逆向きの(位相が反転している)もの(交
流電圧)を加える。このような帯電物体15の位置制御で
は、例えば、帯電物体15の振動(位置R)が、第2図中
の実線で示すように変化し、次式(1)で与えられる場
合、減衰のため必要な交流は、第2図中破線で示すよう
に変化する次式(2)で与えられるものとなる。
R =k・cosωt ・・・・(1) R′=−k′・cosω′ ・・・(2) ここで、k,k′:定数、ω,ω′:角周波数、t:時間
である。
このような電気的な減衰力を与えることにより、帯電
物体15の位置は、式(1)と式(2)を加えた次式
(3)で表わされる位置になることから、定数k′及び
角周波数ω′を交流電源の電圧及び周波数を変数として
制御し、(3)式の値が0となるようにする。
R+R′=k・cosωt−k′・cosω′t ・・・・(3) 次に、帯電物体15の位置がずれた場合の具体的な制御
について、円柱電極11a,11a,11b,11bの横断面状態を示
す第3図により説明する。
今、帯電物体15の位置が中心0からrだけずれたとす
ると、このずれ量rが位置検出器16で検出される。
この場合、この変位rによって帯電物体15に生じる最
大の力Fは、浮遊電極11が第1図に示した4重極電極の
場合、次式(4)で与えられる。
F={(Q2・V2)/(2R4・Me・Ω)}r ・・・・(4) ここで、Q:帯電物体15の電荷、V:4重極電極印加電
圧、R:4重極電極間距離、Me:帯電物体15の質量、Ω:電
源角周波数である。
そこで、この帯電物体15に加わる力Fを0にするよう
にすれば良いが、その方法には、次の2つ(a),
(b)がある。
(a) 上記(4)式の力Fを相殺するような力Q×E
(この値Q×Eはクーロン力であり、Eは制御器18内の
フィードバック回路の交流電源Aで与えられる電圧V′
と角周波数ωによる電荷である。)を、力Fの方向と逆
に与えれば良い。
すなわち、(4)式=Q×Eとおいて、Eを求めると
次式(5)となり、この電界を交流電源Bにより与えら
れる4重極の交流信号と逆の位相(2πだけずれた位
相)で与え、力を相殺し、振幅を0にする。
E={(Q・V2)/(2R4・Me・Ω)}r ・・・・(5) このようにして帯電物体15の周期と逆位相の周期の信
号を帯電物体15に与えることで、真空中において、静電
浮遊している帯電物体15に振動が発生しても空間の一点
に保持するよう制御することができる。
(b) この方法は、ストークス抵抗に等しい値を、ク
ーロン力で与える方式である。
すなわち、粘性抵抗ηの媒質中を、半径Xの粒子が速
度vで運動をするときは、次式(6)で与えられるスト
ークス抵抗Fsが生じる。
Fs=6π・X・η・v ・・・(6) そこで、この(6)式のストークス抵抗に等しい値
を、クーロン力で与えるようにするため、(6)式=Q
×Eとおくと、Eは次式(7)で求められる。
E=Q/(6π・X・η・v) ・・・(7) ここで、Q,X,ηはそれぞれ定数であるから、(7)式
は、E=k/vで表わすことができる。
したがって、帯電物体15の速度vを位置検出器16と位
置演算器17とから求め、Eを決定し、制御器18によるフ
ィードバック制御により交流電圧を加えて帯電物体15の
位置を制御する。
例えば、帯電物体15の半径X=5mm、電界Es=5kv/cm
で荷電した場合の理論荷電量Qは、Q=12πεoX2Es
(εo真誘電率)によりQ=4×10-9となり、空気の粘
性抵抗をη=1.8×10-5N・m-2・Sとすれば、 E=425×v ・・・(8) となり、 帯電物体15がv=100m/sで移動してもE=42511v/m=
0.425kv/cmと、通常の電源で十分印加することができる
値である。
このようにして空気の粘性抵抗に等しい電気力を電極
空間に与えることで、真空中において、静電浮遊してい
る帯電物体15に振動が発生しても空間の一点に保持する
よう制御することができる。
以上のように、位置検出器16および位置演算器17によ
り求められた帯電物体15の変位に対し、帯電物体15の移
動方向と逆方向に電気力を与えるようにし、帯電物体15
を減衰させるようにしているので、帯電物体15を電極1
1,12の空間の中央部に安定状態で静止させることができ
る。
また、帯電物体15に対しては減衰を与えるための電気
力(電界)は、(5)式により帯電物体15の振幅、質
量、電源周波数、荷電量によって決まり、これらに基づ
き演算器18で演算された所定の交流電圧をフィードバッ
ク制御によって印加するようにしているので、真空中に
あっても帯電物体15の振動を抑え、所定の位置に保持す
ることができる。
なお、上記実施例では、浮遊用電極として球形電極や
2本1組の円柱電極を2組用いる静電浮遊装置に適用し
た場合で説明したが、電極形状はこれに限らず他の形状
であっても良く、さらに電極の個数や組数を増大するよ
うにした静電浮遊装置であっても良い。
また、この発明の要旨を逸脱しない範囲で各構成要素
を変更しても良いことは言うまでもない。
[発明の効果] 以上、実施例とともに具体的に説明したようにこの発
明の静電気浮遊物体の位置制御方法によれば、帯電物体
の振動変位を位置検出器などで検出し、その検出値に応
じて、その振動方向と逆の向きに(位相が反転した)交
流電圧を加えるようにしているので、この交流電圧によ
りクーロン力を発生させ、この力によって真空中で気体
の粘性力に相当する減衰力を帯電物体に与えるように
し、帯電物体の位置を制御することができる。
また、減衰力の発生のため交流電圧を印加するように
しているので、制御変数として電圧および周波数を用い
ることができ、2つの変数を組合わせて安定に帯電物体
の位置を制御できる範囲の拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の静電気浮遊物体の位置制御方法の一
実施例が適用される静電浮遊装置にかかる概略構成図で
ある。 第2図はこの発明方法による帯電物体の運動と電気的減
衰運動の関係の説明図である。 第3図はこの発明による帯電物体への交流電圧の印加方
法の説明図である。 10:静電浮遊装置、11:第1電極(空間浮上用電極)、11
a,11a,11b,11b:円柱電極(空間浮上用電極)、12:第2
電極(空間浮上用電極)、12a,12a:球状電極(空間浮上
用電極)、13:電源(空間の上下浮上用直流電源)、14:
電源(空間の左右浮上用交流・直流電源)、15:帯電物
体、16:位置検出器(振動変位)、17:位置演算器、18:
交流電源A,Bを備えた制御器(交流電圧)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯電物体を静電気的な力で空間に位置決め
    するに際し、前記物体の振動変位に応じてその振動方向
    と逆向きに振動を減衰させる力を発生する交流電圧を加
    えるようにしたことを特徴とする静電気浮遊物体の位置
    制御方法。
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