JP2701161B2 - 高密度酸化物超伝導体の製造方法 - Google Patents
高密度酸化物超伝導体の製造方法Info
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- JP2701161B2 JP2701161B2 JP1075166A JP7516689A JP2701161B2 JP 2701161 B2 JP2701161 B2 JP 2701161B2 JP 1075166 A JP1075166 A JP 1075166A JP 7516689 A JP7516689 A JP 7516689A JP 2701161 B2 JP2701161 B2 JP 2701161B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔イ.産業上の利用分野〕 本発明は相対密度を高くすることによって、電流密度
を向上させた酸化物超伝導体の製造方法に関する。
を向上させた酸化物超伝導体の製造方法に関する。
酸化物超伝導体は膜やテープ線材として、各種の電気
機器に利用する試みがなされている。
機器に利用する試みがなされている。
それらの製造方法は、たとえば膜の場合は金属や緻密
質セラミックスの表面に、酸化物超伝導体の原料が粉末
のときには泥漿物として、可溶物のときには溶液とし
て、それぞれ適当な方法で塗布し、乾燥したのち焼成し
て酸化物超伝導体膜を製造し、またテープ線材の場合
は、酸化物超伝導体粉末を金属製パイプに充填し、冷間
圧延加工機でそのパイプを引き伸ばしながら加圧してテ
ープ状にしたのち焼成して該線材を製造していた。
質セラミックスの表面に、酸化物超伝導体の原料が粉末
のときには泥漿物として、可溶物のときには溶液とし
て、それぞれ適当な方法で塗布し、乾燥したのち焼成し
て酸化物超伝導体膜を製造し、またテープ線材の場合
は、酸化物超伝導体粉末を金属製パイプに充填し、冷間
圧延加工機でそのパイプを引き伸ばしながら加圧してテ
ープ状にしたのち焼成して該線材を製造していた。
酸化物超伝導体は、その相対密度が高ければ高いほど
電流密度は高くなり、それだけ応用範囲も拡大する。
電流密度は高くなり、それだけ応用範囲も拡大する。
しかし、従来法では超伝導酸化物が板状結晶であるう
えに、焼成過程でその結晶がランダム方向に成長して空
隙が生じるため、製造された酸化物超伝導体の相対密度
が著しく低い。たとえば前記膜の相対密度は50%前後で
あったし、また冷間圧延加工機で高圧をかけてテープ線
材を製造しても、その芯材である酸化物超伝導体の相対
密度はせいぜい75%どまりであった。このように、従来
法によって製造された酸化物超伝導体の構造はポーラス
であったため、結局高い電流密度の電流を流すことがで
きないという欠点があった。そのため、相対密度を高め
る製造方法について、従来から多くの研究者が模索して
来たが、未だ実用化に到っていない。
えに、焼成過程でその結晶がランダム方向に成長して空
隙が生じるため、製造された酸化物超伝導体の相対密度
が著しく低い。たとえば前記膜の相対密度は50%前後で
あったし、また冷間圧延加工機で高圧をかけてテープ線
材を製造しても、その芯材である酸化物超伝導体の相対
密度はせいぜい75%どまりであった。このように、従来
法によって製造された酸化物超伝導体の構造はポーラス
であったため、結局高い電流密度の電流を流すことがで
きないという欠点があった。そのため、相対密度を高め
る製造方法について、従来から多くの研究者が模索して
来たが、未だ実用化に到っていない。
そこで本発明者らは、酸化物超伝導体の空隙に同組成
の超伝導体を満たす方法について追求した結果、いった
ん所望形状の酸化物超伝導体を製造し、それと同じ金属
元素比からなる溶液を含浸せしめることによって相対密
度が思いがけない程改善されることを知見して、下述す
るような発明を完成させた。
の超伝導体を満たす方法について追求した結果、いった
ん所望形状の酸化物超伝導体を製造し、それと同じ金属
元素比からなる溶液を含浸せしめることによって相対密
度が思いがけない程改善されることを知見して、下述す
るような発明を完成させた。
すなわち、本発明は成形された酸化物超伝導体(以下
基対という)に、該基対の金属元素比と同一金属元素比
の原料配合物を含む溶液を含浸させ、次いで乾燥し、脱
脂したのち、焼成してつくる相対密度の高い酸化物超伝
導体の製造方法を提供することを要旨とするものであ
る。
基対という)に、該基対の金属元素比と同一金属元素比
の原料配合物を含む溶液を含浸させ、次いで乾燥し、脱
脂したのち、焼成してつくる相対密度の高い酸化物超伝
導体の製造方法を提供することを要旨とするものであ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の基体の材質はBi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系の酸
化物超伝導体であり、具体的化合物でいえばBi1.4Pb0.6
Sr2Ca2Cu3OXが例示される。
化物超伝導体であり、具体的化合物でいえばBi1.4Pb0.6
Sr2Ca2Cu3OXが例示される。
基体の製法は、意図する上記超伝導酸化物になるよう
に原料を調整し、形成し、焼成する公知の製法にしたが
って行えばよく、本願ではこれについて特に限定しな
い。またその形状も同様に限定するものではないが、後
述する含浸を良好にするため、厚さは薄いものが好まし
い。
に原料を調整し、形成し、焼成する公知の製法にしたが
って行えばよく、本願ではこれについて特に限定しな
い。またその形状も同様に限定するものではないが、後
述する含浸を良好にするため、厚さは薄いものが好まし
い。
次に、含浸工程について説明する。
基体の金属元素比と同一金属元素比の原料配合物を含
む溶液とは、可溶性化合物等を原料として用い、それら
原料を適宜に組み合わせて、基体の金属元素比と同一の
金属元素比になるように配合し、得られた原料配合物を
溶媒に溶解させてつくられる溶液という意味である。
む溶液とは、可溶性化合物等を原料として用い、それら
原料を適宜に組み合わせて、基体の金属元素比と同一の
金属元素比になるように配合し、得られた原料配合物を
溶媒に溶解させてつくられる溶液という意味である。
基体を構成する金属元素が複数であることは前に示し
た。通常、一化合物に多数の金属元素を含むものを原料
にすると配合が難しいので、1〜2の金属元素を含む化
合物を原料とし、それらを組み合わせて金属元素比を調
整し、配合するのが好ましい。
た。通常、一化合物に多数の金属元素を含むものを原料
にすると配合が難しいので、1〜2の金属元素を含む化
合物を原料とし、それらを組み合わせて金属元素比を調
整し、配合するのが好ましい。
金属元素を含む可溶性化合物には有機系のものとして
ナフテン酸塩、オクチル酸塩、ステアリン酸塩、アセチ
ルアセトナート、アルコキシド等が、無機系のものとし
て硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
ナフテン酸塩、オクチル酸塩、ステアリン酸塩、アセチ
ルアセトナート、アルコキシド等が、無機系のものとし
て硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
次に溶媒について説明する。具体的には、有機系のも
のとして、ブタノール、トルエン、キシレン、ピリジン
等が、無機系のものとして水が示され、これら溶媒を単
独または混合して用いる。
のとして、ブタノール、トルエン、キシレン、ピリジン
等が、無機系のものとして水が示され、これら溶媒を単
独または混合して用いる。
溶解方法は、予め全原料を配合後、溶媒に投入撹拌し
て溶解させるほか種々考えられるが、本願では溶解方法
については特に限定しない。
て溶解させるほか種々考えられるが、本願では溶解方法
については特に限定しない。
溶液の濃度は基体の大きさや空隙の状態、使用する溶
媒の粘性など含浸に影響する多くの因子と関連するの
で、それらを勘案して、実験的に決めるしかないが、目
安としてその濃度はおよそ10〜100g/である。
媒の粘性など含浸に影響する多くの因子と関連するの
で、それらを勘案して、実験的に決めるしかないが、目
安としてその濃度はおよそ10〜100g/である。
溶液を基体に含浸させる方法は、どぶ漬け、ハケ塗
り、スプレー等慣用の方法にしたがう。
り、スプレー等慣用の方法にしたがう。
含浸を十分かつスピーディに行なうためには、溶液を
加温して(粘性を下げる)、さらに基体寸法が大きい場
合には基体も加温して行なうか、または減圧下で行なう
かあるいは両者を併用して行なうのが好ましい。
加温して(粘性を下げる)、さらに基体寸法が大きい場
合には基体も加温して行なうか、または減圧下で行なう
かあるいは両者を併用して行なうのが好ましい。
次に乾燥および脱脂工程について説明する。
溶液を含浸した基体は、常法にしたがって、乾燥した
のち、有機物の分解揮散を目的として温度400〜600℃で
脱脂処理を行なう。
のち、有機物の分解揮散を目的として温度400〜600℃で
脱脂処理を行なう。
以上説明した含浸−乾燥−脱脂の工程は繰り返すこと
によって焼結体の相対密度が高くなる傾向にあるが、20
回以上は相対密度がさほど改善されないので、費用効果
の点から20回以内で行なうのが望ましい。繰り返し回数
は10〜15回程度が最も好ましい。
によって焼結体の相対密度が高くなる傾向にあるが、20
回以上は相対密度がさほど改善されないので、費用効果
の点から20回以内で行なうのが望ましい。繰り返し回数
は10〜15回程度が最も好ましい。
脱脂された基体は常法により焼成される。焼成温度は
基体の組成に応じ、超伝導性能を呈する温度で行なう。
基体の組成に応じ、超伝導性能を呈する温度で行なう。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
1) 基体の製造 Bi2O3,PbO,SrCO3,CaCO3およびCuOの各粉末を金属元素
比Bi:Pb:Sr:Ca:Cu=0.7:0.3:1:1:1.5(元素比)の割合
に配合し、メタノールに添加して十分混合したのち、乾
燥させた。得た混合粉末に可塑剤(ジブチルフタレー
ト)、バインダー(ポリビニルブチラール)、分散材
(オレイン散エチル)および溶剤(キシレン)を加え
て、再び混合してスラリーをつくった。
比Bi:Pb:Sr:Ca:Cu=0.7:0.3:1:1:1.5(元素比)の割合
に配合し、メタノールに添加して十分混合したのち、乾
燥させた。得た混合粉末に可塑剤(ジブチルフタレー
ト)、バインダー(ポリビニルブチラール)、分散材
(オレイン散エチル)および溶剤(キシレン)を加え
て、再び混合してスラリーをつくった。
スラリーは脱泡後、塗工機によってシート成形し、乾
燥し、500℃で1時間脱脂したのち、截断して5×20×
0.2mmの成形体を得た。
燥し、500℃で1時間脱脂したのち、截断して5×20×
0.2mmの成形体を得た。
引き続き、850℃で1時間焼成したのち、放冷してBi
1.4Pb0.6Sr2Ca2Cu3OX組成からなる超伝導体基体を製造
した。
1.4Pb0.6Sr2Ca2Cu3OX組成からなる超伝導体基体を製造
した。
2) 含浸用の溶液の製造 原料としてのナフテン酸ビスマス、ナフテン酸鉛、ナ
フテン酸ストロンチウム、ナフテン酸カルシウムおよび
ナフテン酸銅をBi:Pb:Sr:Ca:Cuの元素比が0.7:0.3:1:1:
1.5になるように配合した。その原料配合物を濃度20g/
に溶媒トルエンに溶解させて、含浸用の溶液を製造し
た。
フテン酸ストロンチウム、ナフテン酸カルシウムおよび
ナフテン酸銅をBi:Pb:Sr:Ca:Cuの元素比が0.7:0.3:1:1:
1.5になるように配合した。その原料配合物を濃度20g/
に溶媒トルエンに溶解させて、含浸用の溶液を製造し
た。
3) 含浸、乾燥および脱脂 その溶液中に前記基体を1時間どぶ漬けしたのち、10
0℃で乾燥し、500℃で1時間脱脂した。このどぶ漬け、
乾燥、脱脂工程を繰り返し、その回数を表1に示した。
0℃で乾燥し、500℃で1時間脱脂した。このどぶ漬け、
乾燥、脱脂工程を繰り返し、その回数を表1に示した。
4) 焼成および測定 脱脂された各基体を850℃10時間電気炉で焼成したの
ち、炉内放冷して酸化物超伝導体を得た。
ち、炉内放冷して酸化物超伝導体を得た。
得られた酸化物超伝導体について、相対密度、臨界温
度および臨界電流密度を測定し、その結果を表1に示し
た。測定方法は相対密度が水中重量法により、臨界温度
および臨界電流密度は四端子法により行なった。
度および臨界電流密度を測定し、その結果を表1に示し
た。測定方法は相対密度が水中重量法により、臨界温度
および臨界電流密度は四端子法により行なった。
なお、従来法で製造された基体についても、上記測定
を行ない、得た結果を同表に併記した。
を行ない、得た結果を同表に併記した。
〔ヘ.発明の効果〕 本発明は成形された酸化物超伝導体に、それと同一金
属元素比を含む溶液を含浸させてつくる酸化物超伝導体
の製法であり、得られる該超伝導体は、従来法によるそ
れより著しく相体密度が高い。そのため、臨界電流密度
も飛躍的に改善された。
属元素比を含む溶液を含浸させてつくる酸化物超伝導体
の製法であり、得られる該超伝導体は、従来法によるそ
れより著しく相体密度が高い。そのため、臨界電流密度
も飛躍的に改善された。
Claims (1)
- 【請求項1】Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系の組成を有する
酸化物超伝導基体に、該基体の金属元素比と同一金属元
素比の原料配合物を含む溶液を含浸させ、乾燥させ、脱
脂したのち、焼成する高密度酸化物超伝導体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1075166A JP2701161B2 (ja) | 1989-03-29 | 1989-03-29 | 高密度酸化物超伝導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1075166A JP2701161B2 (ja) | 1989-03-29 | 1989-03-29 | 高密度酸化物超伝導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02255555A JPH02255555A (ja) | 1990-10-16 |
JP2701161B2 true JP2701161B2 (ja) | 1998-01-21 |
Family
ID=13568345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1075166A Expired - Lifetime JP2701161B2 (ja) | 1989-03-29 | 1989-03-29 | 高密度酸化物超伝導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2701161B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01230461A (ja) * | 1988-03-11 | 1989-09-13 | Asahi Glass Co Ltd | 酸化物超電導体の製造方法 |
JPH0764626B2 (ja) * | 1988-05-26 | 1995-07-12 | 工業技術院長 | 高温超電導セラミックス成形体の製造方法 |
-
1989
- 1989-03-29 JP JP1075166A patent/JP2701161B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02255555A (ja) | 1990-10-16 |
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