JP2701091B2 - 高粘度ポリマーマトリックスおよび調製方法および分離方法 - Google Patents

高粘度ポリマーマトリックスおよび調製方法および分離方法

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Description

【発明の詳細な説明】 1.発明の技術分野 本発明は分子成分の分離に関し、そして特に、電気泳
動および等電点電気泳動のための分離媒体として有効な
流動性高粘度電気泳動マトリックスに関するものであ
る。
2.参考文献 コーヘン エイ エスら、アナリティカル ケミスト
リー、59:1021(1987)。
コーヘン エイ エスら、ジャーナル オブ クロマ
トグラフィ、458:323(1988)。
コンプトン エス ダブリュら、バイオテクニクス、
6(5)432(1988)。
ヘリン ビイ ジェイ、ジャーナル オブ コロイド
インターフェイス サイエンス 115(1):46(198
7)。
カスパー ティ ジェイら、ジャーナル オブ クロ
マトグラフィー、458:303(1988)。
ラウエル エイチ エイチ、アナリティカル ケミス
トリィ、58:166(1985)。
マッコーミック アール ダブリュ、アナリティカル
ケミストリィ、60(21):2322(1988)。
3.発明の背景:電気泳動 電気泳動はDNA種、蛋白質、ペプチド、および派生し
たアミノ酸を含む、種々の生体分子の分別のために広く
使用されている。迅速で高分解分離を可能にする一つの
電気泳動技術はキャピラリー電気泳動(CE)である(コ
ーヘン、1987、1988、コンプトン、カスパー)。代表的
には、このCEは内径が約50〜200ミクロンであり、その
長さが約10〜100cmまたはそれ以上である、溶融シリカ
キャピラリーチューブを用いる。
通常の電気泳動方法では、電気泳動チューブ、例えば
キャピラリーチューブは流動電気泳動媒体で充填され、
流動媒体はゲル内に架橋または温度凝固されて非流動性
の安定化された分離媒体を形成する。試料の容量はチュ
ーブの一端に引き入れるかまたは添加され、試料を媒体
を介して引き出すようにチューブ全体に電界が置かれ
る。マトリックス内の電気泳動分離は、核酸種(ほぼ同
じ荷電密度をもつ)の場合には、分子の大きさに基づ
き、またはペプチド蛋白質の場合には、大きさと荷電の
組み合わせに基づくことができる。
ポリマー濃度および/または分離媒体の架橋の度合は
分子量と荷電の広範囲にわたって種の分離を行うように
変えることができる。約1,000塩基よりも大きい核酸フ
ラグメントを分離するためには、例えば好適な温度凝固
物質はアガロースであり、その場合アガロースの濃度
は、5〜60キロ塩基の大きさの範囲でフラグメントを分
離するためには約0.3%から、100〜3,000塩基対の範囲
のフラグメントを分離するためには約2%まで変えるこ
とができる。代表的には約1,000塩基対以下の大きさが
小さいフラグメントは、一般に架橋ポリアクリルアミド
中で分離される。アクリルアミドポリマーの濃度は、10
0〜1,000塩基対の範囲でフラグメントを分離するために
は約3.5%から、10〜100塩基対の大きさの範囲で分離す
るためには約20%までの範囲であることができる。蛋白
質を分離するためには、約3〜20パーセントの間の濃度
での架橋ポリアクリルアミドが一般に適当である。一般
に、分離すべき分子種が小さい程、架橋ポリマーの濃度
は高い。
上述したタイプの凝固電気泳動媒体中において得られ
る分離度は、小さい分子量の種の場合には、電気泳動チ
ューブ内、特にキャピラリーチューブ内で高いポリマー
濃度で均質なポリマーマトリックスを形成することが困
難なため限られていた。チューブ内に高濃度の凝固マト
リックスを形成するための通常の方法では、架橋してい
ない低粘度の形態において、高濃度のポリマー溶液は流
動性の形でチューブに導入される。この流動性物質は次
に、例えば、過硫酸塩、およびビスアクリルアミドのよ
うな架橋剤の存在で光を照射することにより架橋され
る。
高いポリマー濃度では、チューブ内に形成された反応
熱の勾配は、マトリックスの不均等部分を導くことがで
きる不均一な反応速度と熱乱流を生じる傾向がある。ま
た、架橋反応中に生成し閉じ込められた気泡はマトリッ
クス全体に空隙をつくる。マトリックス内が不均一であ
ると、特に密に関係のある小さい分子量の物体間で達成
できる分解の度合が制限される。
また、温度凝固ポリマーの場合には、ポリマーは流体
の形で電気泳動チューブに導かれ、次いでゲル化し、冷
却することによりゲル内に固体を形成する。このアプロ
ーチは、しかしながら、必要な温度凝固の固化の性質を
もつことが知られている寒天およびアガロースのような
ポリマーは、高いポリマー濃度でさえも低い分子量の物
体を分解するには有効でないので、小さいペプチドおよ
びオリゴヌクレオチドのような低分子量の物体を分別す
るためには一般に不適当である。
架橋したあるいは温度凝固したマトリックスと関連し
た第2の制限は、電気泳動分離後に、マトリックス内で
分別された分子種の回収が困難であることである。準備
の規模の電気泳動チューブの場合には、マトリックスを
除去できる前にチューブ壁から凝固したマトリックスを
注意して分離する必要があり、その方法はキャピラリー
チューブを用いては実質的に不可能である。マトリック
スを除去し、所望の分子種を含むマトリックスの範囲を
画定した後でも、関係のある種をマトリックス領域から
長い溶出工程によって、あるいは電気泳動溶出によって
のみ回収することができる。
4.発明の背景:等電点電気泳動 等電点電気泳動(IEF)はpHグラディエントの等電点
への異なる分子成分の移動に基づく分離方法である。こ
のpHグラディエントは大多数の異なるpKi種を含有する
両性電解質溶液を電場にかけることによって確立され
る。含まれる(または平衡させた両性電解質溶液に添加
された)分子成分は次にpHグラディエントに沿って等電
点に移動するだろう。次いで成分はグラディエントを溶
出し選択された溶出フラクションを捕らえることによっ
て単離することができる。
IEF法は通常、低粘度の流動性媒体で行われるが、時
には安定したマトリックス中でIEF分離を行うことが有
利である。安定したマトリックスの可能性のある利点の
ひとつは、流動性媒体をチューブから溶出する際に生じ
るバンドの広がりを除き、そしてキャピラリーIEFに存
在するかも知れない電気浸透効果を除くことによって、
分解が大きくなることである。安定した分離媒体は一定
のゲル分析技術、例えば流動性媒体を用いる可能性のな
いゲルオートラジオグラフィーを使用することができ
る。上記のタイプの架橋または温度安定化ゲルはIEF法
において用いられたが、電気泳動法に対する上記の同じ
制限の幾つかが存在する。特に、安定化ゲルは一般にキ
ャピラリーチューブから除去することができず、マトリ
ックスから分離した分子種を単離することは、徹底的な
透析または電気溶出が一般的には必要なので不便である
かも知れない。
5.発明の概要 本発明のひとつの一般的な目的は分子成分の電場誘発
分離において使用するための支持マトリックスを提供す
ることであり、これは前述のタイプの温度安定化または
架橋ポリマーマトリックスと関連した問題および制限を
実質的に解消しあるいは減らす。
また本発明の他の目的はこのような支持媒体を調製し
使用する方法を提供することである。
本発明は、一面においては、試料中の分子成分の電場
誘発分離において使用するための支持マトリックスを調
製する方法を含む。本方法はまず、(i)少なくとも約
10,000ダルトンの分子量を有する水溶性の実質的に架橋
していないポリマー、および(ii)少なくとも約5,000
センチポアズの粘度によって特徴づけられる水性の粘弾
性ポリマーマトリックスを形成することを含む。次に、
この粘弾性ポリマーマトリックスを細長い分離チャンバ
にポンプ注入し、このチャンバは実質的に均一にマトリ
ックスで充填する。
ひとつの具体例では、分離チャンバはチューブの一端
を通ってポリマーが流れないように、このチューブ端に
プラグを具えたキャピラリーチューブ内に含むことがで
きる。
マトリックスを形成するポリマーは好ましくは少なく
とも約百万ダルトンの分子量をもつ線状ポリマーであ
る。蛋白質の分離のために好ましいポリマーはポリエチ
レングリコール(ポリエチレンオキシド)、ポリアクリ
ルアミド、ポリメタクリルアミドである。核酸種の分離
のために好ましいポリマーは、ヒドロキシル化アルキル
セルロースポリマーおよびポリヒドロキシビニルを含む
ヒドロキシル化ポリマーである。
他の面において、本発明は、試料中の分子成分の電場
誘導分離に使用するため、上記方法によって調製された
支持マトリックスを含む。マトリックスは、試料成分の
電気泳動分離のため、電解質を含むことができ、あるい
は、pHグラディエントにおいて等電点電気泳動(IEF)
による試料成分の分離のため、両性電解質を含むことが
できる。
本発明の他の面は試料の成分を分離するための電気泳
動法である。本方法を実施する際に、試料は上記のタイ
プの支持マトリックスの一端に置き、マトリックスを横
切って電場を設定する。ポリマーのタイプ、分子量およ
び濃度は、ペプチドまたは核酸の所定の試料の分別の最
適にするために変えることができる。他の適当なマトリ
ックスの条件では、燐酸化オリゴヌクレオチドを燐酸化
していない類似体から分離することが可能である。
本方法はさらに、電気泳動による分離に続いて、分離
試料成分を含む選択された領域のマトリックスを除去
し、分離試料成分をゲルの除去領域から単離する工程を
含む。マトリックスの摘出された領域からの試料の単離
は、通常、稀釈または加熱によって、マトリックスを液
化することによって行われる。
電気泳動法の好適例では、核酸種を分別するため、ポ
リマーマトリックスはポリマーの混合物から形成され
る。混合物中のポリマーのひとつは、ポリアクリルアミ
ドまたはポリエチレンオキサイドによって例示されるよ
うに、ポリマーの大きさと濃度の両方に依存するふるい
機構によって核酸を分別するために有効である。混合物
中の他のポリマーは、水溶性のヒドロキシル化セルロー
ス化合物によって例示されるように、ポリマーの濃度に
依存するがポリマーの分子量には依存しない親水性の相
互反応に基づいて異なる分子量の物質を分離するために
明らかに働いている。
さらに本発明は上記マトリックスにおいてIEFによっ
て試料中の分子成分を分離する方法を含む。本方法にお
いて用いられるマトリックスは電場の影響下にマトリッ
クス内の選択されたpHグラディエントを形成するために
有効な両性電解質を含む。マトリックス中に分離された
試料成分はマトリックスをチャンバからポンプで汲み上
げることによって同定および/または単離することがで
きる。
本発明のこれらおよび他の目的と特徴は添付する図面
と組合せて本発明の以下の詳細な説明を読むとき、一層
完全に明らかになるであろう。
図面の簡単な説明 図1は本発明に従って、(a)粘弾性ポリマー溶液の
粘性を測定し、(b)キャピラリーチューブにこのよう
なマトリックスを充填するために用いられるポンプで注
入するシステムを示す簡略図であり; 図2は粘度計(左の縦座標、黒丸)によって、または
キャピラリーチューブによるフロー特性(右の縦座標白
丸)によって、ポリマー濃度の関数として測定し、プロ
ットしたポリマー濃度を示すグラフであり; 図3は本発明によって構成されたキャピラリー−チュ
ーブ支持マトリックスの拡大断面部分図であり; 図4は本発明に従って、電気泳動またはIEF法を実施
する際に使用するキャピラリーチューブ装置の概略図で
あり; 図5は本発明に従って、検出するために用いられ、粘
弾性マトリックス中の分別種を単離することができる工
程の概略図であり; 図6A〜6Cは4.5重量パーセント(6A)、重量パーセン
ト(6B)、および10重量パーセント(6C)のポリアクリ
ルアミドを用いて調製したマトリックスで分別された蛋
白質の電気泳動図であり; 図7Aおよび7Bは分子量が約900キロダルトン(7A)お
よび7,000キロダルトン(7B)の直鎖ポリエチレンオキ
サイドポリマーを両者共に11.2重量パーセントのポリマ
ーにて、電気泳動によって分別した40量体ないし60量体
のオリゴヌクレオチドアシッドラダーの電気泳動図であ
り; 図8Aおよび8Bは6重量パーセント(8A)および15重量
パーセント(8B)にて分子量が約7,000キロダルトンの
直鎖ポリエチレンオキサイドポリマーの電気泳動によっ
て分別された40量体ないし60量体のオリゴヌクレオチド
アシッドラダーの電気泳動図であり; 図9A〜9Cは各々約10重量パーセントのポリマー濃度に
て、比較的低い(9A)、中位の(9B)、および高い(9
C)分子量をもつ直線ヒドロキシエチルセルロース(HE
C)ポリマーから形成されたマトリックスの電気泳動に
よって分別された40量体ないし60量体の核酸ラダーの電
気泳動図であり; 図10A〜10Dは3%(10A)、10%(10B)、15%(10
C)および25%(10d)のポリマー濃度にて、直鎖ヒドロ
キシエチルセルロース(HEC)ポリマーから形成された
マトリックスの電気泳動によって分別された20量体ない
し40量体の核酸ラダーの電気泳動図であり; 図11は、図10A〜10Dのプロットから引き出されたHEC
濃度の関数として30量体のオリゴヌクレオチドの移動度
をプロットしたグラフであり; 図12は約5.5重量パーセントのポリマー濃度にて直鎖
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)ポリマー、および
約11重量パーセントの濃度にてポリアクリルアミドから
形成されたマトリックスの電気泳動によって分別された
40量体〜60量体の核酸ラダーの電気泳動図であり;そし
て 図13A〜13Cはホスホリル化(主)種および非ホスホリ
ル化(少数)種を含むポリアデニル酸(13A)、非ホス
ホリル化種のみ(13B)、およびホスホリル化種と非ホ
スホリル化種の混合物(13C)を、10重量パーセントのH
ECでキャピラリー電気泳動によって分別した電気泳動図
である。
発明の詳細な説明 セクションIは本発明の支持ポリマーマトリックス、
およびマトリックスを形成するポリマー溶液を調製し特
性を与える方法を記載する。蛋白質および核酸のような
生体分子成分を、支持マトリックス中で電気泳動によっ
て分離する方法はセクションIIに記載されている。支持
マトリックスを用いる等電点電気泳動はセクションIII
に示されている。
I.支持ポリマーマトリックス A.ポリマー 本発明の支持マトリックスを調製する際に使用するポ
リマーは、水性媒体中で所定のポリマー濃度よりも大き
い粘弾性流体を形成することができる水溶性(親水性)
ポリマーである。ここで“粘弾性流体”は、約1,000セ
ンチポアズよりも大きい粘度をもち、400,000センチポ
アズ以上の粘度をもつことができ、引き伸ばすと伸張力
に耐える糸状フィラメントを形成する傾向によって立証
されるように、弾性を示すものである。この粘弾性の挙
動は、例えば、ゴムセメント(疎水性ポリマーから形成
される)において生じる“糸曳き”に似ている。
ポリマーの粘弾性は一般に分子量が約10キロダルトン
(10,000)よりも大きく、好ましくは250キロダルトン
よりも大きく、代表的には約百万ないし千万ダルトンで
ある直鎖水溶性ポリマーにおいて観察される。必須の粘
弾性状態を達成するために必要なポリマーの濃度はポリ
マーの分子量に依存し、最小のポリマー、例えば10〜10
0キロダルトンのポリマーに対する約40重量パーセント
から、百万ダルトンよりも大きいポリマーに対する1〜
5重量%までの範囲とすることができる。
このポリマー分子量と濃度との間の関係はポリマー相
互作用についての次の簡略化した絵から理解することが
できる。まず、ポリマーマトリックスの粘弾性は、より
合わせた鎖を引き伸ばすとき、物質が伸張し逆の弾力を
働かせるポリマー鎖のからみ合いによる。次に、からみ
合ったポリマー鎖を形成するその能力において、ポリマ
ーは鎖のからみ合いに寄与しない反対側の端部領域と、
寄与する中心領域を有するものとして見ることができ
る。粘弾性は約10キロダルトン以下で達成することは難
しいので、からみ合いに寄与しない反対側の端部領域の
大きさは、直鎖ポリマーに対して、5キロダルトに近い
と仮定される。比較的低い分子量では、鎖のからみ合い
に貢献するポリマー部分は比較的小さく、従って高いポ
リマー濃度が必要とされるが、高い分子量のポリマーで
は、逆も真実である。さらに、ポリマーの大きさが増加
すると、多数のからみ合いに対する可能性が増加し、粘
弾性が見られるポリマー濃度が減少する。
上記のことから、高分子量の分枝ポリマーはからみ合
った鎖のマトリックスを形成することができるが、ポリ
マーの分枝自体が非常に長い、例えば分子量が約10キロ
ダルトンに相当する場合だけであることは正しく認識さ
れるだろう。本発明に使用するために好ましいポリマー
は、直鎖ポリオキシド、ポリエーテル、例えばポリエチ
レンオキシド(ポリエチレングリコール)、およびポリ
プロピレンオキシド、ポリエチレンイミン、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポ
リメタクリル酸、ポリビニルアセテート、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルオキサゾリドン、および種々の水
溶性ヒドロキシルポリマー、例えば天然ゴム(キサンチ
ン、デキストラン、グァー等)、水溶性セルロース化合
物、例えばメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセ
ルロース、およびコポリマーおよびこれらのポリマーの
混合物である。
広範囲の分子量を有する(所定のポリマー濃度にて溶
液粘度の語で表されることが多い)適当な水溶性ポリマ
ーは、市販品として入手でき、あるいは以下の実施例に
示されるように、一定のポリマー生成条件下に調製する
ことができる。実施例1Aは、900〜7,000キロダルトンの
分子量にて、ポリエチレンオキシド(PEO)を用いるマ
トリックス形成を記載している。実施例1Bは広範囲の粘
度をもつヒドロキシエチレンセルロース(HEC)を用い
るマトリックス形成を記載している。実施例1Cに記載さ
れたマトリックスは適当な重合剤の存在でアクリルアミ
ドモノマーを重合し、ポリアクリルアミドポリマーマト
リックスを形成することによって形成される。
以下に述べるように、本発明の一面によれば、所望の
粘弾性をもつポリマーマトリックスはチューブ支持体の
外側に形成され、続いて高いポンプ圧でチューブ内に導
かれる。この工程の重要な利点は、ポリマー物質がチュ
ーブ支持体内で固化する従来の方法と比較して、反応条
件、例えば温度、圧力、混合条件、光インプット(光重
合ポリマーに対して)、重合剤の濃度(これは反応混合
物に連続して添加する必要があるかも知れない)、反応
終了の時間、および硬化条件をコントロールすることに
よって所望のマトリックスの性質を達成する能力であ
る。さらに、上述のように、局所的熱勾配、泡の形成、
および反応成分を良く混合していないことに起因するマ
トリックス中で不均一を回避する条件で反応を行うこと
ができる。重合反応は、ポリマーが実質的に架橋してい
ない条件下に行われる。
粘弾性マトリックスを形成する際に使用するため、重
合反応は実施例1Cに形成されたポリアクリルアミドによ
って示され、アクリルアミドモノマーの重合は所望のポ
リマー粘度を達成するまで制御された反応条件で行われ
た。
予備重合物質からポリマーマトリックスを形成するた
め、ポリマーを、例えば、所定量の水性媒体に粉末の形
で添加し、このポリマーを、選ばれた混合条件下に、例
えば渦巻混合によって分散させた。代表的には、マトリ
ックスを混合後数時間放置して物質を完全に溶解させ
る。所望により、マトリックスに追加の水性媒体を添加
して粘性を減らすか、または例えば減圧下にマトリック
スを脱水して粘度を増加させることができる。この方法
は実施例1Cに示した。
また、ポリマーは例えばプレスを用いて、ブロックや
スラブの形に圧縮し、次いで既知の容量の水性媒体に溶
解するためスラブの既知の重量の大きさにカットするこ
とができる。代表的には、このポリマーブロックはマト
リックスが均一な粘稠度をもつまで数時間室温で媒体中
に溶解させる。実施例1Aは異なる分子量のPEOマトリッ
クスを調製するためのアプローチを示す。
電気泳動において使用するため調製されたポリマーマ
トリックスは(セクションII)、例えば従来のトリス−
ボレート等のような水性電解質媒体中に形成される。こ
の電解質溶液はDMSO、エタノール等の水と混合できる溶
媒を含むことに配合し、マトリックス中の一定の分子種
の溶解度を増加させることができる。等電点電気泳動
(IEF)に使用するために調製されたマトリックスは、
電場において平衡に、選ばれたpHグラディエントを形成
するように設計された標準両性電解質溶液を含むように
調製される。
B.粘性特性 ポリマーマトリックスは、上記のように、室温で少な
くとも約5,000センチポアズ、好ましくは約50,000セン
チポアズ以上の粘度をもつように形成される。
約400,000センチポアズ以下のポリマー溶液粘度に対
しては、溶液粘度は従来の粘度計を用いて測定すること
ができる。操作において、粘度計はスプリングを通して
テスト液中に浸漬したスピンドルを回転させる。回転セ
ンサによって検出されるスプリングに巻きつく度合は、
流体の粘度に比例する。下記の表1は異なるポリマー濃
度における高分子量のポリアクリルアミド(PA)に対し
て測定した粘度の値を示す。ポリマーは実質的に実施例
1Cで述べたように調製した。
ポリマーマトリックスの粘度はブルックフィールドデ
ジタル粘度計モデル#DV-11(スタウトン、マサチュセ
ッツ)を用いて測定した。#27スピンドルをブルックフ
ィールド・スモール・サンプル・アダプターと組み合わ
せて使用した。粘度は25℃で測定しセンチポアズで表わ
した。
表1 ポリマー 濃度 粘度 スピンドルRPM PA 3.0 210 50 PA 4.5 388 50 PA 6.0 7,250 1 PA 7.5 35,500 1 PA 9.0 161,000 1 PA 10.5 204.000 1 PA 12.0 404,000 1 高いポリマー粘度では、流体はグリース状の粘稠度を
もち、粘度計の回転スピンドルは流体内に空洞を生成
し、信頼性のある粘度測定を妨げる。流体が高度に弾性
な性質を持つ場合の高い粘度では、流体はそれ自身が糸
状にスピンドルの周りに巻きつき、また正確な粘度の測
定を妨げる。いずれかのタイプの高粘性流体を用いる
と、代りの手段によって粘度を測定する必要がある。
高粘度の弾性ポリマー溶液の粘度測定を行うためのシ
ステムのひとつを図1の20で示した。このシステムは高
圧液体クロマトグラフィーに使用するためのタイプの高
圧ポンプ22を含む。適当なポンプのひとつはアプライド
・バイオシステムズ(フォスター市、カリフォルニア
州)から入手できるモデル140A高圧ポンプである。この
ポンプは例えばアプチャーチ・サイアンティフィック社
(シアトル、ワシントン州)から入手できるコネクタパ
ート#437のような取付部品26を介してポンプに連結さ
れるステンレススチールチューブ24に連結される。
チューブの末端は、また上記タイプの高圧取付部品を
介して、キャピラリーチューブ28に連結される。キャピ
ラリーチューブは50-100ミクロンの間の好ましい管口直
径、約20-40cmの間の好ましい長さを有する。
粘度測定を行うため、スチールチューブは、代表的に
はマトリックス物質をチューブ24内に押し込むためのシ
リンジを用い、ポリマーマトリックスを充填する。ポン
プを作動させると、選択されたポンプ容量率にて、最大
ポンプ圧、例えば5,000psiまで予め設定されたポンプ率
を達成するまでポンプ圧は増加するだろう。次に粘度
を、(a)キャピラリーチューブの全長を通してマトリ
ックス物質をポンプで注入した際のポンプ圧、または
(b)高い粘度にて、ポンプがその最大圧に達したとき
にマトリックス物質が移動した距離として測定する。
粘度測定に従う粘度では、きれいな30cm長さの75μm
キャピラリーを各粘度決定に対して高圧ポンプに連結し
た。流速をポンプ上で1分間につき100マイクロリット
ルにてセットし、ポリマーマトリックスを前述のように
装填した。ポンプ圧または移動時間は以下の表2に示さ
れる。
表2 ポリマーのタイプ 濃度 到達端への圧力 移動距離 PEO/WSR 1105 11.2 5000+ 19cm PEO/WSR 303 11.2 5000+ 20cm PEO/WSR 303 6.0 3000 30cm PA 3.0 543 30cm PA 4.5 892 30cm PA 6.0 1334 30cm PA 10.0 3018 30cm HEC/3L 10.0 5000+ 29cm HEC/40 10.0 5000+ 25cm HEC/300 10.0 5000+ 21cm HEC/4440 10.0 5000+ 5cm 水 ‐‐ 90 30cm 上記のように、マトリックスの粘度は、マトリックス
がチューブの全長30cmに亘ってポンプ注入されたときに
ポンプが到達する圧力、または高粘度溶液に対して、5,
000+psiの最大ポンプ圧に達するときのチューブ内を移
動した距離のいずれかとして測定される。
ポリマー濃度の関数としての粘度のグラフを図2に示
すが、ポリアクリルアミドの種々の濃度に対してブルッ
クフィールド粘度計によって測定された粘度(黒丸)お
よびフロー圧によって測定されたもの(白丸)の変化を
示す。
このグラフから明らかなように、粘度曲線は約6%ポ
リアクリルアミドにて折れ曲がっており、上記のポンプ
注入条件下で、約7,000センチポアズのポリマー粘度お
よび約1300psiのポンプ圧粘度に相当する。電気泳動に
よって蛋白質を分離するために有効な最低のポリマー濃
度を決定するための実験では、14〜30キロダルトンの大
きさの範囲で蛋白質を分離すると約5,000センチポアズ
の粘度に相当する約5〜6%以下のPAを有意に失うこと
を示している。
本発明の実施する際に使用されるマトリックスの粘度
は多数のファクターによって示され、これらの重要性は
以下のセクションIIおよびIIIに記述されるだろう。上
記のように、約5,000センチポアズの最小粘度はキャピ
ラリー電気泳動による蛋白質分別のために必要であり、
この値は従って本発明に有用な粘弾性ポリマー溶液にお
いて最小限の粘度を画定する。
分別がポリマー篩分け効果(セクションII)に基づい
ている分子成分の電気泳動分離に使用するため、より低
い溶液粘度、例えば5,000ないし100,000センチポアズの
粘度が、比較的高い分子量の成分、例えば20〜50キロダ
ルトンおよびそれより高い範囲、およびより高い粘度に
おける蛋白質を分別するために適している。より小さい
ペプチドについては、約3,000psiまたはそれより大きい
ポリマー粘度がより小さいペプチドを分別するために適
している。電気泳動による核酸分別については、媒体の
粘度はヒドロキシル化ポリマーに対して広く変わること
ができ、核酸種との篩分けのない相互作用によって分別
を行うことは明らかである。
また溶液の粘度は支持マトリックスの所望の物理的特
性によって指図されることができる。従って、分離後に
完全で形1でマトリックスを処理したい場合、マトリッ
クスの粘度は完全な形で加圧してマトリックスを放出さ
せるのに充分でなければならない。
C.支持マトリックス 本発明の支持マトリックスは支持体、代表的には細長
い分離チャンバを画定するキャピラリーまたは分取スケ
ールチューブ、および以下に記述するように、チャンバ
を均一に均質に充填する上記タイプのポリマーマトリッ
クスを含む。
図3は本発明に従って形成されたキャピラリーチュー
ブ支持マトリックス30の拡大断面部分図である。キャピ
ラリーチューブ支持体32は従来のキャピラリーチューブ
であり、代表的には約10〜200cmの間、代表的には約100
cm以下の長さを有し、そして好ましくは約25〜200μm
(ミクロン)の間、代表的には約50μの内径を有する。
チューブが溶融シリカキャピラリーである場合、例え
ば、1989年8月7日に出願された出願番号第390,631
号、“対向移動キャピラリー電気泳動による核酸分別”
について共有する米国特許出願に記載されているよう
に、電気浸透流に効果を生成することができる陰性シラ
ン基を内壁は有する。所望により、荷電壁キャピラリー
内の電気浸透流は実質的に4種のアプローチのうちのひ
とつによって除去することができる。最初のアプローチ
では、ポリマーの粘度は十分に高くする、例えば、3,00
0〜5,000psiのポンプ圧流速では、電気泳動の期間中に
殆ど又は全く電気浸透流を生じることができない。
第2のアプローチでは、キャピラリーチューブに、例
えば図3に示されるプラグ36のような透水性プラグを設
けるか、またはチューブからの粘弾性マトリックスの流
出を実質的に妨げる他の障害物を設ける。
別のアプローチでは、チューブ内に注入した後、チュ
ーブ壁とマトリックスを化学結合する。ここではチュー
ブをまずチューブ壁の化学基とマトリックス内のポリマ
ーと反応できる二官能価のカップリング剤を用いて化学
的に処理する。シランカップリング剤は例えば溶融シリ
カチューブに適しており、シラン二官能価の化学製品の
例は、“シランカップリング剤”、プレナム・プレス、
ニューヨーク、1982に見出すことができる。
最後に、電気泳動チューブは、例えばテフロン被覆壁
のような被覆壁をもち、表面壁荷電をマスクし、または
チューブ自体をテフロンから形成することができ、この
場合には電気浸透流が生じない。
種々のチューブ直径と長さの寸法での分取スケールの
電気泳動チューブは本発明において支持体として使用す
るために入手できる。代表的には、約2〜10mmのチュー
ブ直径、および約15〜40cmのチューブの長さが分取スケ
ール分別に用いられる。チューブ内のマトリックス物質
の流れは、上記のように、粘弾性物質がチューブから流
出することを妨げるフリットまたは収縮プラグ等を使用
して防ぐことができる。代りに、あるいは付け加えて、
3,000以上のポンプ圧での高い粘性では、マトリックス
は電気泳動期間中の重力以下の流れに対して比較的安定
であることができる。
チューブ支持体‐‐キャピラリーまたは分取スケール
チューブ‐‐は図3において36で示された細長い分離チ
ャンバを画定し、チューブ管腔の全長またはその一部の
みを含むことができる。例えば、チューブの一端領域を
緩衝溶液で充填するようにすることができる。マトリッ
クス支持体は、本発明に従って、ポリマーマトリックス
を分離チャンバに注入し、チャンバを実質的に均一にマ
トリックスで充填するように調製される。
図1に示されたポンプシステムは一般にキャピラリー
または分別スケールチューブにポリマーマトリックスを
注入するために適している。上記のように、このシステ
ムはポリマー溶液を装填し、ポンプは選択されたポンプ
速度、代表的には50〜100μl/分に設定される。分離チ
ャンバ(チューブの一部にのみ含むことができる)が充
填されるまで物質をチューブにポンプ注入する。
チューブにポンプ注入する場合、マトリックス物質は
チャンバを実質的に均一におよび均質に充填し、チャン
バ内のポリマーマトリックスは実質的にチャンバ全体に
均一な密度を有し、実質的にマトリックス内に不連続な
部分や空隙がないようにする。このことは(a)チュー
ブの外側にマトリックスを形成することによって達成で
きるマトリックスの均一な密度と均質なバルクの性質、
(b)マトリックス内に亀裂、割れ目、または空隙を形
成することなくチューブ内にマトリックスをポンプ注入
する能力、および(c)チューブ内にポンプ注入するよ
うにチャンバ空所を完全に充填するマトリックスの能力
によって達成される。
電気泳動分離のための媒体として、支持マトリックス
の利点は次のことから高く評価される。マトリックス
は、高いポリマー分子量および/または濃度の組み合わ
せによって、密に関連した分子種、特に小さいペプチド
とオリゴヌクレオチドを分別するため、高い粘度にまで
形成することができる。同時に、媒体中に達成できる分
離度は、より大きい均質性と媒体中に空隙のないことに
よって、従来技術の高濃度ゲル電気泳動法よりも有意に
改善される。
III.電気泳動法 A.キャピラリー電気泳動システム 図4は本発明の方法を実施するために適しているキャ
ピラリー電気泳動システム40の概略図である。このシス
テムは図3を参照して上述したように、キャピラリーチ
ューブ支持マトリックス30を含む。
システム内のアノードの貯蔵器42は、電解質溶液44を
含む。30aで示されたチューブのアノート端部を、図に
示すように、電気泳動の間、溶液に浸す。システム内の
貯蔵器46は、マーカー溶液を含むことができ、または電
気泳動分離の間に、分離すべき分子の試料を含むことが
できる。好ましくはマーカーまたは試料物質は電解質溶
液または水に溶解する。2つのアノード貯蔵器は、チュ
ーブのアノード下端を貯蔵液に浸すことができる位置に
置くために、カルーセル等に支持することができる。図
に示していないが、カルーセルは電気泳動の走行または
異なる溶液の間でチューブを洗い流すための溶液を含む
追加の貯蔵器を備えることができ、二種以上の溶液が単
一の電気泳動分別法において用いられる。
30bで示される、チューブの反対側のカソード端部
は、カソード貯蔵器48内にシールされており、図に示す
ように、貯蔵器に含まれるカソード電解溶液50に浸す。
システム内の高電圧電源52は、2つの貯蔵器間に選択
された電位を印加するために、図に示すようにアノード
とカソードの貯蔵器に連結する。電力供給導線を、それ
ぞれ、アノード貯蔵器とカソード貯蔵器の白金電極54、
56に連結する。電源は電極を通る定電圧(DC)を、好ま
しくは5〜50kvに設定した電圧で、印加するように設計
することができる。また代りに、あるいは加えて、電源
を貯蔵器間に選択された周波数のパルス電圧を印加する
ように設計することができる。一般に、キャピラリーチ
ューブが短いほど、印加できる電解強度が高くなり、電
気泳動分離が迅速になる。
パルスした電圧モードで操作するとき、電源は好まし
くは約50Hzから1KHzの範囲まで調整できる周波数で、ま
た約10〜30kvのrms電圧出力で方形波パルスを出力す
る。MHzの範囲でも、さらに高いパルス周波数を、いく
つかの応用のために合わせることができる。
図1に示したシステムの説明を完成させるには、シス
テムの検出器58を、チューブ中の光学検出ゾーン60を通
って移動する核酸フラグメントを光学的にモニターする
ため、チューブのカソード端部付近に設置する。検出器
はUV吸収検出用および/または蛍光発光検出用に設計す
ることができる。UV吸収は、例えばアプライド・バイオ
システムズ(フォスター市、カリフォルニア)によっ
て、フローセルをキャピラリーホルダーと置き換えて、
改良されたクラトス783UV吸収検出器を用いて、240〜28
0nmで一般に行うことができる。蛍光発光検出は好まし
くは、以下に述べるように、核酸フラグメントと関連す
る蛍光種によって、約240〜500nmに調整できる選ばれた
励起波長で行われる。蛍光検出器の一例は、ヒューレー
ト・パッカード(パロ・アルト、カリフォルニア)から
入手でき、キャピラリーチューブ検出用に上述のように
改良されたHP1046A検出器である。この検出器は電気泳
動ピークを記録するため積分器/プロッタ59に連結す
る。
B.検出および単離方法 図5は電気泳動分離後に分別された分子種を検出およ
び/または単離するために用いることができる種々の方
法を示す。このシステムは、分別スケールチューブが特
に蛋白質およびペプチド種の単離のために必要であるか
も知れないが、好ましくはキャピラリーチューブシステ
ムである。
上述した標準の検出システムのひとつは、ゲルの下流
端部領域内に位置する検出ゾーンを介して分子種の移動
を検出するための検出器を用いる。代わりにまた、例え
ば、オートラジオグラフィーによって、またはマトリッ
クスから関心のある分別種を単離するために、マトリッ
クス内の分別種の位置をモニターすることが望ましいか
も知れない。マトリックス内の分別種を検出または単離
するために、関心のある種のうち一番早く移動する種が
マトリックスの下流端部に到達する前に電気泳動の走行
を停止する。ここでは62で示されるチューブは、次に上
述したように、電気泳動システムから除去し、取付け部
品26を介して、高圧ポンプ22に連結し、完全な形でマト
リックスを排除するために適しているポンプ速度、例え
ばキャピラリーチューブマトリックスに対して50〜100
μl/分にてポンプをセットする。
本発明の重要な利点によれば、マトリックスの流体特
性は、完全な形でキャピラリーまたは分別スケールチュ
ーブのいずれかのチューブから排出させる。しかし、こ
のためには、チューブからポリマーで汲み出す際に十分
な凝集性を与えてマトリックスに形成するため、上述し
たように3,000〜5,000psiよりも大きい粘度をもつポリ
マーマトリックスが好ましい。
マトリックスをチューブから排出する際に、マトリッ
クス内の分別種は検出器64によってモニターすることが
でき、その検出ゾーンは、上記のように、チューブの上
流または下流に設置される。上述のように、チューブか
ら排出した後に、ゲルの長さに沿って既知の距離を用い
て、マトリックス内の選択されたバンドを同定するため
に使用できる電気泳動図を生成する際に検出器を用いる
ことができる。その代わりに、完全な形で移動できるマ
トリックスは、分別された分子種の電気泳動図を生成す
るように従来のゲルスキャナにおいて“読み取る”こと
ができる。
関心のある分別された種を単離するために、代表的に
は、図5に示されるように、電気泳動図は短い区画に分
けられ、そして関係のあるバンドに相当するこれらの区
画はさらに所望の単離種を得るために処理される。マト
リックスから分離された分子を単離するために2つの従
来の方法が利用できる。第1は、図5の左下に示される
ように、マトリックスを水性媒体を用いて稀釈し、低粘
度の蛋白質溶液を生成し、次いでこれをさらに、例えば
カラムクロマトグラフィーによってまたは沈澱剤を添加
して処理し、所望の分子種を単離するか、またはポリメ
ラーゼ鎖反応(PCR)剤を添加して処理し、溶解マトリ
ックス中の核酸種を増幅することができる。代わりにま
た例えば酸沈澱、および濾過によって、分子種を単離す
ることができる一層流動性の状態になるまでゲルを加熱
することができる。
図5の右下部分には、分別された種が放射性同位元素
の標識を付けているオートラジオグラフィーによるバン
ド検出を示している。ここでは、チューブから追い出さ
れた完全なマトリックスが感光性フィルム上に置かれ、
十分な露光時間後に、標準のオートラジオグラフィー法
によって現像され分別された標識を付けた種の位置が示
される。
また代わりに、(a)マトリックスをディスク上に置
き、 (b)ディスクを真空にして、その間にフィルターを通
して引き出されるようにマトリックスを加熱し、そして
(c)ディスク上の分別された物質を収集することによ
って、適当なフィルターディスク等に分子種を移送する
ことができる。ディスクにトラップされた種は予じめ標
識を付け、または例えば標識抗体またはDNAプローブの
ような、適当な放射性同位元素の標識を付けた種特異的
プローブを用いる反応によって同定することができる。
この技術は、例えば分別された核酸種をニトロセルロー
スフィルターに移送し、それらのハイブリッド形成によ
って関係するバンドを配列特異的プローブを用いて同定
するための改良されたウエスタン・ブロット方法として
用いることができる。
C.蛋白質分別 本発明の電気泳動法は小さいペプチドから分子量が10
0,000ダルトよりも大きい蛋白質まで、広範囲の大きさ
のペプチドと蛋白質を分別するために用いることができ
る。本発明を支持して行われる実験は、蛋白質の電気泳
動分離が、分子マトリックスを通過する際に、マトリッ
クスを形成するポリマーメッシュによって妨害される篩
効果、電場においてより大きいポリペプチドが小さいペ
プチド(同様の荷電密度をもつ)よりもマトリックスを
ゆっくり通過することによるものであることを示してい
る。
図6A-6Cは、実施例2に述べたように、14.2ないし29
キロダルトンの範囲での蛋白質の電気泳動分離を示して
いる。図6Aの分離は、実施例1Cと同様の調製された4.5
重量パーセントのポリアクリルアミドで行われた。この
媒体の粘度は約338センチポアズであり、この粘度での
マトリックスは明らかに蛋白質分離を行うことができな
い。約35,000粘度に相当する6重量パーセントのポリア
クリルアミドで分別した同じ蛋白質を図6Bに示したが、
4種の蛋白質が良好に分離されていることを示してい
る。さらに大きい分離度は、200,000センチポアズ以上
の粘度に相当する10重量パーセントのポリアクリルアミ
ド濃度にて達成された。
従って、約10〜30キロダルトンの大きさの範囲にある
蛋白質については、約35,000〜200,000センチポアズの
間にあるマトリックス粘度が適当である。より大きい分
子量の蛋白質については、5,000〜100,000の範囲の粘度
が好ましい。逆に、低分子量の蛋白質については、3,00
0〜5,000psiのポンプ圧に相当するマトリックス粘度が
最適の分離度を与える。最高の粘度では、例えばN−ま
たはC−末端フラグメントおよびその誘導類似体のよう
な小さいペプチド種の分離度を高密度マトリックスの均
質な性質によって促進する。
所望の粘度は、上述したように、ポリマー分子量とポ
リマー濃度の組合せによって達成することができる。特
に、小さい種の粘度と分離度は高分子量のポリマーまた
は高濃度のポリマーを用いると増加する。好ましいポリ
ペプチド分別のためのポリマーは、ポリアクリルアミ
ド、ポリメタクリルアミド、および少なくとも約100,00
0のポリマー分子量ではPEOのようなポリアルキルエーテ
ルであるが、種々の他のポリマーも使用することができ
る。
電気泳動は、例えば図4に関連して記載したキャピラ
リーチューブシステムのような、従来の電気泳動システ
ムで行われる。ポリペプチド試料は代表的には、チュー
ブ一端に蛋白質を電気泳動によって、代表的には数秒間
引き入れ、次いで代表的には、電気泳動分離の間に電気
泳動緩衝液中にチューブの試料端を浸漬して誘導され
る。チューブの下流端付近の検出ゾーンを過ぎる蛋白質
バンドの移動は、上記のように、分光光学的にモニター
することができる。また代わりに、分別された蛋白質
を、これもまた上述のように、チューブ支持体から除去
した後、完全なマトリックス中で検出しおよび/または
このマトリックスから単離することができる。
D.核酸分別 本発明を支持して行われる研究は核酸種の電気泳動分
離のための数多くの本発明独自の特徴を示している。
本発明の特徴とひとつは、核酸が2つの明確な分離機
構のいずれかによって高粘度ポリマーマトリックス上で
分離できるという発見である。分離機構のひとつは、蛋
白質分別のために上述した機構に似ている分子篩分けを
含み、そのポリマーがヒドロキシル基を含まないマトリ
ックスにおいて優勢であることがはっきりしている。篩
分けタイプの分離において有効である例示的なポリマー
は直鎖ポリオキシド、ポリエーテル、例えばポリエチレ
ンオキシド(ポリエチレングリコール)、およびポリプ
ロピレンオキシド、ポリエチレンイミン、ポリアクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ
メタクリル酸、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロ
リドン、およびポリビニルオシサゾリドンであり、ポリ
アクリルアミドと共に、ポリメタクリルアミドおよびEP
Oポリマーが好ましい。
上記セクションに述べたように、ポリマーの分子量と
濃度の両方の変数がマトリックス中のポリマーのもつれ
合うような密度を増加するので、ポリマーの分子量また
はポリマー濃度のいずれかが増加するとき、篩分け機構
が小さい分子量種の分離を大きくする。
図7Aおよび7Bは、それぞれ、900および7,000キロダル
トンのPEOポリマーを用いて形成された7.5重量パーセン
トのPEOマトリックスにおける単一ストランド40量体な
いし60量体のオリゴヌクレオチド(40〜60塩基)のラダ
ーの分離を示す。電気泳動条件は実施例3Aに示されてい
る。図から判るように、オリゴヌクレオチドは、低分子
ポリマーマトリックスでは良く分離されないが、高分子
量のポリマーマトリックスには実質的にベースライン分
離を伴って分離される。
図8Aおよび8Bは、それぞれ、実施例3Bで与えられた電
気泳動条件で、6および15重量パーセントにて7,000の
分子量のポリマーで同じ単一ストランドラダーの分離を
示す。図から判るように、オリゴヌクレオチドのピーク
はより高いポリマー濃度にてはるかに良く分離された。
2番目の明確な分離機構はヒドキシル化ポリマーから
形成されたマトリックスで分離される核酸に対して認め
られる。この機構は明らかに、篩分け効果よりはむし
ろ、ポリマーヒドロキシル基をもつ核酸の相互作用を含
み、種々のヒドロキシル化ポリマー、例えばヒドロキシ
エチルセルロース(HEC)およびポリビニルアルコール
によって例示されような水溶性ヒドロキシル化セルロー
ス化合物において観察された。他の適当なヒドロキシル
化ポリマーは天然ゴム、例えばキサンチン、デキストラ
ン、およびグアールを含む。
相互作用の機構は、より高いポリマー濃度がより大き
い数の核酸/ポリマー相互作用を与えるので、核酸種の
分離はポリマー濃度に依存するだろうということが予言
されるだろう。他方、核酸種の分離はポリマー分子量に
は依存しない。その理由は、この変数がポリマーのもつ
れる密度に影響を与えるが、ポリマーヒドロキシル基の
密度には影響しないからである。
図9Aから9Cまでは、それぞれ、低粘度、中位粘度、お
よび高粘度のポリマーから調製された10重量パーセント
のHECにおける単一ストランドの40量体ないし60量体の
オリゴヌクレオチド(40〜60塩基)のラダーの電気泳動
図である。図から判るように、オリゴヌクレオチド分解
においてポリマーの分子量の目に見えるほどの効果はな
い。電気泳動の条件は実施例4Aに記載する。
これに対して、中位の粘度のHECポリマーは、実施例4
Bの実施例において詳述したように、濃度を増加するよ
うに配合するとき、オリゴヌクレオチドの分解が劇的に
増加する。これは図10Aから10Dまで認められ、ここでは
HECの重量パーセント濃度が3(10A)、10(10B)、15
(10C)および25(10D)での20〜40量体の単一ストラン
ドヌクレオチドラダーの電気泳動図を示している。明ら
かにポリマー濃度が増加するとピークが広がっている。
中間の30量体のピークのマトリックスを通過する走行
時間を上記研究におけるポリマー濃度の関数としてプロ
ットするとき、図11に示されたプロットが得られ、これ
は、ポリマー濃度が大きくなると、マトリックスを通る
移動速度が遅くなることを示している。
この方法の別の特色によれば、低分子量の核酸の電気
泳動分離は篩分けとマトリックス中の相互作用効果の組
合せによって高められることが見出された。マトリック
スを形成する際に使用されるポリマーは篩分け効果を生
じることができる少なくともヒドロキシル化されていな
いポリマー、例えばポリアクリルアミドまたはPEO、お
よび核酸のヒドロキシル基と相互作用するヒドロキシル
化されたポリマー、例えば水溶性ヒドロキシル化セルロ
ース化合物を含む混合物である。
この混合ポリマーマトリックス方法は、40〜60量体の
単一ストランドオリゴヌクレオチドラダーの分別につい
て、実施例6に記載がある。このマトリックスは“篩分
け”ポリマーとして約11重量パーセントのポリアクリル
アミド、および“相互作用”ポリマーとして約5.5重量
パーセントのHECを含むポリマー混合物から調製され
る。分別されるオリゴヌクレオチドの電気泳動図は図12
に示される。図から判るように、25重量パーセント(図
10D)にてHECマトリックスにおいてのみ見られる広がり
までピークは分解される。10重量パーセントの篩分けポ
リマー(図8A)および5重量パーセントの“相互作用”
ポリマー(図10A,10B)で得られる分離度を比較する
と、2つのポリマータイプの組合せは単独のポリマーに
よる効果から期待されるものよりははるかに良い分離度
を示している。
本発明の第3の特徴は、核酸の電気泳動に利用するよ
うに、オリゴヌクレオチド類似体、特に、リン酸化およ
び非リン酸化オリゴヌクレオチド類似体を分離する能力
である。この方法は実施例6に示され、実施例5に詳述
したように、10重量パーセントのHECから形成されたマ
トリックス支持体上で分離される単一ストランド12量体
ないし18量体のオリゴヌクレオチドのラダーの電気泳動
分離を記載している。
図13Aは、7つの主オリゴマーピークのベースライン
分離を示すリン酸化オリゴマーラダーの電気泳動図であ
る。この電気泳動図に見られるように、7つの小さいピ
ークは約1.5ヌクレオチド単位に相当する移動距離によ
って主ピークから“派生(offset)”している。非リン
酸化オリゴマーの電気泳動図は、図13Bにおいて、7つ
の明らかに分離したピークを示す。リン酸化および非リ
ン酸化ラダーを混合して混合物では、図13Cに示される
電気泳動図が得られる。3つの図面を比較すると、2つ
の最も早く動くピーク(左側)がリン酸化した12量体と
13量体である。その後は、非リン酸化およびリン酸化し
たピークが、非リン酸化の17量体および18量体である2
つの最も遅いピーク(右側)と交替する。
この結果はリン酸化オリゴマーをそれら非リン酸化類
似体から分離する電気泳動法の能力を示している。
III.等電点電気泳動法 本発明のポリマーマトリックスはまた、pH勾配上の試
料成分を分離した後にチューブから完全な形で追い出す
ことができる安定なマトリックスを提供することによっ
て、キャピラリーまたは予備チューブIEFに有用であ
る。
IEF法を行うために使用される支持マトリックスは、
上記の一般的なガイドラインに沿って、標準のIEF両性
電解質溶液を電気泳動マトリックスにおいて使用される
電解質溶液と置換して調製される。電場において平衡
に、pH勾配の範囲を生成するための両性電解質は、良く
知られている。
そのタイプ、分子量、およびポリマーの濃度は、ポリ
マーマトリックスが分離媒体として作用しないので、電
気泳動分離におけるよりも重要性が小さい。むしろ、ポ
リマー組成物は、(a)電場を除いた後に広がるバンド
を最小にし、そして(b)平衡に達した後にマトリック
スをチューブから除くことを容易にするために選択され
る。代表的には、これらの目的は比較的高いマトリック
ス粘度において適合する。しかしながら、高分子量の蛋
白質および核酸の分離に対して、粘度はゲル中の分子種
の移動をフリーにするために十分低く保持しなければな
らない。
図4に示したような電気泳動システムは、キャピラリ
ーチューブ支持マトリックスのIEFに使用するために適
している。試料装填、電圧設定、および走行時間は従来
通りに行われる。代表的には試料は、異なる等電点を基
礎にして、選ばれたpH勾配上で容易に分離できる蛋白質
またはペプチドを含む。平衡に達した後、チューブをシ
ステムから除き走査することができる。また代わりに、
そしてこの方法の重要な利点にしたがって、図5を参照
して記述した方法のひとつによってマトリックス中の分
離されたバンドを分析するため、マトリックスを完全な
形でチューブから追い出すことができる。
この方法は、低粘度媒体をチューブから引き出すとき
選択されたバンドをスミアーするバンド広がりおよび壁
ゆがみの効果が除かれる。同時に、マトリックスは、選
択された分子成分の分析のためにpH勾配を容易にチュー
ブから追い出すことができる低粘度媒体の利点を与え
る。追い出されたマトリックスはまた、図5を参照して
記述したように、オートラジオグラフィーまたはブロッ
ティング法による分析のために使われる。
以下の実施例は、本発明に従って、支持マトリックス
を調製する方法、および蛋白質および核酸を分別する方
法を述べる。これらの実施例は例示であるが、本発明の
範囲を制限するものではない。
実施例1 キャピラリーチューブマトリックスの調製 A.ポリエチレンオキサイドマトリックス 高分子量直鎖ポリエチレンオキサイド(PEO)を次の
方法によって粘弾性ゲル中に溶解した。2つの等級、WS
R-1105(分子量900,000)およびWSR303(分子量7,000,0
00)のPEO粉末をユニオン・カーバイド社(ダンブリ
ィ、コネティカット州)から入手した。これらの粉末は
加圧して2.0×0.1cmスラブに焼結した。次にこのスラブ
を秤量し、11.2重量パーセントの最終ポリマー濃度を生
成するために十分な分量で、10mMのトリスボレート、pH
8.3、5mMのNaCl、および0.1mMのEDTAを含む一定容量の
トリスボレート緩衝液(TB緩衝液)に入れた。この緩衝
溶液はシグマ・ケミカル(セントルイス、ミズーリ州)
から入手した。
ポリマー溶液を24時間平衡になるまで放置した。低分
子量ポリマー(WSR1150)はグリース状の粘稠度をもつ
ポリマーマトリックスを形成し、高分子量ポリマーは柔
らかい弾性ゲルをもつマトリックスを形成した。
B.ヒドロキシエチルセルロースマトリックス 高分子量直鎖ヒドロキシエチルセルロースはユニオン
カーバイド社(ダンブリィ、コネチカット州)から入手
した。5つの等級をポリマー分子量の効果を研究するた
めに使用した。分子量はユニオン・カーバイド社が溶液
粘度によって定量しているので、これを以下に表に示
す。
等級 粘度範囲 スピンドルNo.RPM 40 QP3L 215-282 1 30 QP300 300-400 2 60 p4400 4,800-6,000 4 60 QP100MH 4,400-6,000 4 30 粘度は25℃にてブルックフィールド粘度計で測定さ
れ、センチポアズで報告されている。
種々の等級のものをTB緩衝液に溶解した。ポリマー
は、選ばれた重量パーセントにて、緩衝液を渦巻撹拌し
粉末ポリマーを迅速に添加して溶解させた。5分以内に
溶液の粘度は高粘度状態に増加した。混合物を室温にて
完全に溶解するまで24時間放置した。
C.ポリアクリルアミドマトリックス アクリルアミドモノマー(バイオ・ラド社、リッチモ
ンド、カリホルニア州)を30%溶液として脱イオン水中
に調製した。これを次に10倍の緩衝液濃縮液(トリス−
グリシン−SDS,#832-7603、コダック社、ロチェスタ
ー、ニューヨック州)および水と合わせて種々のモノマ
ー濃度を得た。アクリルアミドは過硫酸アンモニウムと
テトラエチレンジアミンを添加して重合化した。一旦触
媒を添加すると、混合物を窒素下に置き、硬化するまで
25℃にて2時間放置した。
D.マトリックスポンプ注入法 上記ポリマーマトリックス物質をそれぞれ、溶融シリ
カキャピラリーチューブ、代表的にはポリミクロテクノ
ロジーズ社(フェニックス、アリゾナ州)から入手した
#TSP75/350キャピラリーチューブに注入した。このチ
ューブは75ミクロンIDを有し、42cmにカットした。
キャピラリーチューブへのポリマーマトリックス溶液
の注入は次のように行った。1グラムの仕上げたマトリ
ックスをスパチュラを用いて5ccの注射器に入れ、次に
0.125“(0.3175cm)ODおよび0.040"(0.1016cm)IDの5
ccのステンレススチールチューブ内に注入した。ステン
レススチールチューブはチューブの一端にてモデル140A
高圧ポンプ(アブライド・バイオシステムズから入手)
に連結し、チューブの他端にて上記キャピラリーチュー
ブに連結した。連結は、例えばアプチャーチ・サイエン
ティフィック社(シアトル、ワシントン州)から入手で
きるコネクタパート#U437のような低積載容量フィッテ
ィングであった。ポンプを水で充填し、マトリックスを
チューブ内にポンプ注入するために約2,500〜7,500psi
(182.5〜547.5Kg/cm2)の間の圧力をかけて使用した。
圧力は代表的には1分間につい約250μlのポンプ速度
で行うようにセットした。
実施例2 ポリアクリルアミドマトリックス上の蛋白質の分類 分子量14,200ダルトン(0.1mg/ml)のラクトアルブミ
ン、分子量17,500ダルトン(0.1mg/ml)のラクトグロブ
リン、分子量20,000ダルトン(0.1mg/ml)のトリプシン
インヒビター、および分子量29,000ダルトン(0.1mg/m
l)のカーボニックアンヒドラーゼを含む蛋白質の混合
物を上記のTB緩衝液中に調製した。
キャピラリー電気泳動をABIモデル270キャピラリー電
気泳動システムを用いて行った。このシステムは30kvま
で電圧を設定できるビルトイン高圧DC電力供給装置を含
む。使用したポリアクリルアミドマトリックスは実施例
1Cと同じように調製した42cmのキャピラリーチューブで
あった。
2個の受容器をTB緩衝液で充填した。蛋白質試料を1.
5秒間5kvにてチューブ中に電気泳動により引き入れた。
電気泳動システムは実験中に約9kv(約200V/cm)の圧力
設定で行った。UV検出はキャピラリーチューブ検出用に
設計されたクラトス757UVを用いた。検出器出力信号はH
Pモデル3396A積分器/プロッターで積分したプロットし
た。
得られた電気泳動図は、それぞれ図6A〜6Cにおいて、
4.5、7.5および10重量パーセントのポリマーを示してい
る。主ピーク(A−D)上の数字は電気泳動時間を分で
示した。全操作時間は約30分であった。上述のように、
この方法は7.5〜10重量パーセントのポリマーにて14〜3
0キロダルトンの範囲で有効に蛋白質を分離した。
実施例3 PEOマトリックス上の核酸フラグメントの分別 A.ポリマー分子量の効果 2種の異なるPEO分子量にて、支持PEOマトリックスを
備えたキャピラリーチューブを、実施例1Aで述べたよう
に調製した。ファーマシア(ブロンマ、スウェーデン)
から入手したオリゴヌクレオチドラダー(40量体ないし
60量体)をTB緩衝液中で調製し、実施例2に記載したキ
ャピラリー電気泳動システムにおいて、それぞれのチュ
ーブに、カソード端部にて、引き入れた。印加した電圧
は9キロボルトであり、検出波長は260nmであった。900
キロダルトンおよび7,000キロダルトンのPEOポリマーか
らの電気泳動図を、それぞれ図7Aと7Bに示している。図
に見られるように、核酸フラグメントは高分子量のポリ
マーマトリックスにおいて有意に良く分離されている。
B.ポリマー濃度の効果 支持PEOマトリックスを備えたキャピラリーチューブ
を、実質的に実施例1Aにおいて述べたように、上記WSR3
030PEOポリマー(700万の平均分子量)を用いて調製し
た。40量体〜60量体のオリゴヌクレオチドラダーを、上
記パートAに実質的に述べたように、支持マトリックス
上で分別した。印加した電圧は9キロボルトであり、検
出波長は260nmであった。6%と15%のポリマー溶液に
対して電気泳動図を、それぞれ、図8Aおよび8Bに示して
いる。図から見られるように、一層濃縮されたポリマー
マトリックス中で核酸フラグメントは実質的に良く分離
されている。
実施例4 HECマトリックス上の核酸フラグメントの分別 A.ポリマー分子量の効果 支持HECマトリックスを備えたキャピラリーを実施例1
Bに記載したQP-40、QP-300、およびQP-4400ポリマーか
ら調製し、実施例1に記載したように、TB緩衝液中最終
ポリマー濃度を10重量パーセントとした。実施例3から
のオリゴヌクレオチドラダー(40量体ないし60量体)
を、実施例2に記載したキャピラリー電気泳動システム
において、カソード端にて、チューブの各々に導入し
た。印加した電圧は9キロボルトであり、検出波長は26
0nmであった。QP-40、QP-300、およびQP-4400HECポリマ
ーに対する電気泳動図は、それぞれ、図9A、9B、および
9Cに示される。電気泳動図において、異なるポリマー分
子量にもかかわらず、同じポリマー濃度では3種のポリ
マーマトリックス全部が類似した分離を与えることが見
られる。
B.ポリマー濃度の効果 支持HECマトリックスを備えたキャピラリーチューブ
を、3、10、15および25重量パーセントのQP-300のTB緩
衝液中のポリマー濃度にて、実施例1Bに記載したQP-300
ポリマーから調製した。ファーマシアから入手したオリ
ゴヌクレオチドラダ(20量体ないし40量体)を、実施例
2に記載したキャピラリー電気泳動システムにおいて、
カソード端にて、各チューブに導入した。印加した電圧
は9キロボルトであり、検出波長は260nmであった。3
%、10%、15%および25%のポリマーマトリックスに対
する電気泳動図は、それぞれ、図10A、10B、10Cおよび1
0Dにそれぞれ見られる。
図から分かるように、ポリマー濃度が増加すると核酸
ピーク間で良く画定された分離が得られるように分解が
促進される。30量体(中心のピーク)の移動速度はポリ
マー濃度の関数としてプロットされ、図11に示される曲
線が得られる。このプロットは小さい核酸種の移動がポ
リマー濃度に大いに依存していることを示している。
実施例5 ホスホリル化および非ホスホリル化の核酸フラグメント
の分離 TB緩衝液中10パーセントの濃度でQP-4400Hを用いて実
施例1Bに記載したようにHECゲルを配合し、キャピラリ
ーチューブに注入した。一組のポリアデニル酸(12〜18
塩基)を、実施例3に述べた電気泳動条件下にマトリッ
クス上で分別し、その結果を図11Aに示した。図から見
られるように、ホスホリル化ヌクレオチドの全部がベー
スラインに分離されたが、シャドウピークであった。
ホスホリル化していない形での同じセットのヌクレオ
チドが同じ条件下に分別され、図12Bに示した電気影動
図が得られた。電気泳動図はシャドウピークの不足によ
って区別されるが、他の点では図12Aの電気泳動図に似
ている。
同じ条件下でほぼ等しい分量のホスホリル化および非
ホスホリル化のヌクレオチドを分別したとき、図12Cに
見られる電気泳動図が得られた。3つの図12の電気泳動
図の比較から、(a)図12Aに見られるシャドウピーク
が非ホスホリル化汚染物質であり、そして(b)電気泳
動システムがホスホリル化および非ホスホリル化のヌク
レオチド類似体を分離するために有効であることが明ら
かである。
実施例6 混合したポリマーマトリックス HECおよびポリアクリルアミドを含む混合したポリマ
ー溶液を次の成分から調製した。
0.5g QP3L 0.5ml TBE(5×濃度) 4.5ml 脱イオン水 3.5ml 脱イオン水中30%アクリルアミド 成分を良く混合し、次に実施例1Cに述べたように触媒を
添加してアクリルアミドを重合化した。HECの最終パー
セントは約5.5重量パーセントであり、ポリアクリルア
ミドについては約11.5重量パーセントであった。ポリマ
ー混合物を硬化した後、ポリマー混合物をキャピラリー
チューブに注入し、pd(A)40ないし60の分離を行っ
た。得られた電気泳動図を図13に示す。ピーク間の分離
は約25重量パーセントのHECポリマー濃度で行った(図8
D)ものと比較でき、2つの成分のいずれかよりもはる
かに大きいものを与えられることが期待され、追加の分
離機構を示す。
本発明は例示的な支持マトリックスと使用方法につい
て記載しているが、種々の改変および変更を本発明から
逸脱することなく行うことができることは認められるだ
ろう。

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】均一な支持マトリックスを調製する方法に
    おいて、 (i)少なくとも約10,000ダルトンの分子量を有する、
    実質的に架橋されていない水溶性ポリマー、および (ii)少なくとも約5,000センチポアズの粘度 によって特徴づけられる粘弾性流動性水性ポリマーマト
    リックスを形成し; そして ポリマーマトリックスを、その高粘性状態で、細長い分
    離チャンバに、このチャンバを均一にマトリックスで充
    填するように、ポンプ注入する 各工程から成る支持マトリックスの調製方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法によって調製された支
    持マトリックスにおいて、分離チャンバが荷電した壁表
    面を有するキャピラリーチューブ内に含まれ、チューブ
    がそのチューブ端部からマトリックス物質が流出しない
    ように一端にプラグを有する支持マトリックス。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法によって調製された支
    持マトリックスにおいて、細長い分離チャンバが荷電し
    ていない壁表面を有するキャピラリーチューブである支
    持マトリックス。
  4. 【請求項4】請求項1または3に記載の支持マトリック
    スにおいて、ポリマーが、ポリオキシド、ポリエーテ
    ル、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリアクリ
    ルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリメタクリル酸、
    ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリビ
    ニルオキサゾリドン、天然ゴム、ポリビニルアルコー
    ル、水溶性セルロース化合物、およびコポリマー、およ
    びこれらポリマーの混合物から選ばれる支持マトリック
    ス。
  5. 【請求項5】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    支持マトリックスにおいて、ポリマーがポリエチレンオ
    キシド、ポリアクリルアミド、およびポリメタクリルア
    ミドから選ばれる支持マトリックス。
  6. 【請求項6】請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    支持マトリックスにおいて、ポリマーが水溶性ヒドロキ
    シル化セルロース化合物、ペクチン、およびポリビニル
    アルコールから選ばれるヒドロキシル化ポリマーである
    支持マトリックス。
  7. 【請求項7】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    支持マトリックスにおいて、ポリマーがポリエチレンオ
    キシド、ポリアクリルアミド、およびポリメタクリルア
    ミドから選ばれる第一のポリマー、および水溶性ヒドロ
    キシル化セルロース化合物、アミロース、ペクチン、お
    よびポリビニルアルコールから選ばれる第二のポリマー
    の混合物を含む支持マトリックス。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれか1項に記載の
    支持マトリックスにおいて、ポリマーが少なくとも200,
    000ダルトンの平均分子量、および少なくとも100,000セ
    ンチポアズの粘度を有する線状ポリマーである支持マト
    リックス。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずれか1項に記載の
    支持マトリックスにおいて、ポリマーが少なくとも百万
    ダルトンの分子量を有する支持マトリックス。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9のいずれか1項に記載
    の支持マトリックスにおいて、マトリックス中のポリマ
    ーの濃度が少なくとも10重量%である支持マトリック
    ス。
  11. 【請求項11】請求項1ないし10のいずれか1項に記載
    の支持マトリックスにおいて、ポリマーマトリックス
    が、選ばれたpH範囲にわたって実質的に連続したpHグラ
    ディエントを確立するために有効な両性電解質種を含む
    支持マトリックス。
  12. 【請求項12】(i)少なくとも10,000ダルトンの分子
    量を有する水溶性の実質的に架橋していないポリマー、
    および (ii)少なくとも約5,000センチポアズの粘度 によって特徴づけられる水性電解質含有ポリマーマトリ
    ックスを用いて充填される細長い分離チャンバを画定す
    る支持体の一端に試料を添加し、 所望の分離が達成されるまで、チャンバの端部を横切る
    電場を印加することによって試料成分を分離する 各工程から成る請求項1ないし11のいずれか1項に記載
    の支持マトリックスを用いる電気泳動分離方法。
  13. 【請求項13】分離試料成分が核酸である、請求項12記
    載の方法。
  14. 【請求項14】分離試料成分がホスホリル化低分子量核
    酸およびそれらの非ホスホリル化類似体である、請求項
    12記載の方法。
  15. 【請求項15】分離試料成分が蛋白質である、請求項12
    記載の方法。
  16. 【請求項16】細長い分離チャンバが電気泳動チューブ
    であり、そして分離に続いて、マトリックスをチューブ
    から押し出す、請求項12ないし15のいずれか1項記載の
    方法。
  17. 【請求項17】分離試料成分を含むマトリックスの選択
    された領域がチューブから押し出され、そして分離試料
    成分がマトリックスから単離される、請求項16記載の方
    法。
  18. 【請求項18】単離工程が低粘度液体を形成するように
    選択された領域を融解し、このような液体中のポリマー
    から試料成分を単離することを含む、請求項16または17
    記載の方法。
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