JP2700458B2 - 自己複製配列dna及びそのプラスミド - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野>
本発明は、自己複製配列DNA、この自己複製配列DNAを
含有するプラスミド、このプラスミドで形質転換された
哺乳動物細胞に関する。 <従来の技術> 遺伝子工学を応用したペプチド類の製造法としては、
プラスミドを利用して大腸菌、桔草菌等にペプチド、蛋
白質等を製造させる方法、ウイルスDNAを利用してその
宿主にペプチド、蛋白等を製造させる方法等が知られて
いる。 しかしながら、これらはプラスミドの安定性、使用細
胞種が限られることおよび生産効率等において必ずしも
満足できるものではない。 本発明者は、マウス細胞由来の自己複製配列(Autono
mous Replicating Sequence,ARS)を含むDNAフラグメン
トを単離し、このフラグメントは塩基数が約2500のEcoR
I及びBgl II切断断片であることを報告した(文献
1)。 本発明者は、このARSフラグメントの性質について検
討したところ、ARSがc−myc遺伝子の産物であるmyc−
蛋白等のDNA結合性蛋白と特異的親和性を有すること、
およびc−myc蛋白はc−myc遺伝子自体に結合してその
発現調節をしていることを見出し、これらの知見に基い
てmyc−蛋白等を用いて種々の哺乳動物細胞によりARSを
分離、取得することを可能にし、さらにこの哺乳動物細
胞の自己複製配列DNA(ARS)を利用して有用なペプチド
や蛋白等を効率よく生産させ得ることを見出して本発明
を完成した。 <発明の構成> 本発明は、哺乳動物細胞の自己複製配列DNAの取得法
に関し、また哺乳動物細胞の自己複製配列DNA、プロモ
ーターおよびペプチド類生産用遺伝子(翻訳開始コドン
を含む)を含有するプラスミドおよびこのプラスミドで
形質転換された哺乳動物細胞に関し、さらにこの哺乳動
物細胞の自己複製配列DNAに関する。 ARSとは、真核生物の染色体が自己複製する際の複製
起点である。これを取得するには次のようにすればよ
い。 すなわち、哺乳動物細胞よりDNAを取り出して適当な
制限酵素(六塩基認識酵素が好ましく、例えばHind II
I、EcoR I、BamH I)で処理して適当な大きさのDNAフラ
グメント(通常1000乃至10000bp)となし、これをDNA結
合性蛋白と混合処理してDNA−蛋白結合体を生成させ
る。 DNA結合性蛋白とは、細胞核内に存在してDNAの機能発
現を制御している蛋白であって、DNAと親和結合性を有
し、非ヒストン蛋白に分類されているものであり、例え
ば、c−myc蛋白(文献13参照)、v−myc蛋白(文献14
参照)、N−myc蛋白(文献15参照)、c−myb蛋白(文
献15参照)、v−myb蛋白(文献15参照)、c−fos蛋白
(文献15参照)、v−fos蛋白(文献15参照)、p53(文
献15参照)及びRB遺伝子産物(文献16参照)等の、myc
蛋白やmyb蛋白等を挙げることができる。 DNA−蛋白結合物を生成させた後は、抗原抗体反応等
の通常の蛋白分離取得手段を応用して目的のDNAを取得
することができる。 すなわち、DNA−蛋白結合物がそのままでは分離取得
しにくい場合は、これにDNA結合性蛋白に対する抗体を
結合させ、更にこの抗体と特異的に結合する物質、例え
ばプロテインA、を結合させると、分子量の相当大きな
複合体が生成して沈殿しやすく分離取得が容易である。 抗体は、通常の方法で作成すればよく、例えばN−my
c遺伝子の第三エクソン(N−mycに特異的な部分)を大
腸菌を用いて発現させ、産生された蛋白を精製後通常の
方法でマウスに免疫し、抗血清からIgG分画を取り使用
する。また市販のもの(例えばオンコー社製抗myc、蛋
白抗体:α−myc)を利用しても良い。 プロテインAはスタフィロコッカス・アウレウスの菌
体懸濁液(P7155:シグマ社)や、担体結合物(Agarose
FPA−1:コスモ・バイオ社、Sepharose CL−4B:ファルマ
シア社)も市販されている。 DNAと蛋白との結合物(例えばDNA−myc蛋白−抗体−
プロテインA結合物)からのDNAの単離も通常の方法を
利用すればよく、例えば2−メルカプトエタノールのよ
うな試薬や蛋白を分解する酵素(Proteinase K:シグマ
社、Proteindse No.24568:メルク社)での処理によって
蛋白部分を分解し、それをフェノール抽出で除けばDNA
を得ることができる(文献10参照)。 このようにして得るDNA結合性蛋白と特異的親和性の
あるDNAフラグメントは、ARSのDNAを含んでいる。即
ち、DNA結合性蛋白とARSは非常に強い親和性がある、と
いうことは本発明者の見出した極めて重要な事実であ
る。 ARSを含んだDNAフラグメントは、必要に応じてARSの
み、またはARSを含んだ適当な長さのDNAフラグメントに
して利用することができる。その操作やこのARSを利用
してペプチド等の有用な物質を生産するためのDNA処理
やスクリーニング等の技術は、実施例等を参考にして一
般的な技術を利用すればこの分野の通常の知識を有する
者が容易に理解し実施できるであろう。 また、ARSは由来する細胞の動物の種差により、もし
くは細胞の種差により、または同一の細胞であってもそ
の中の他部位のARSであることによって、塩基配列が僅
かに異ることは充分に考えられる。従って、ARSは上記
のようにして単離されたARSの塩基配列と必ずしも完全
に同じでなければ利用し得ないわけではなく、その一部
の塩基を置換または除去、あるいは塩基を付加すること
も可能であり、目的物の効率的な生産に適するか否か
は、本明細書の説明を参考にした通常の水準の試験、研
究により確めることができる。 本発明に関して、単離あるいは使用可能なARSとして
は、マウス、ラット、モルモット、牛、馬、羊、山羊、
兎、サル、チンパンジー、ヒト等の哺乳動物細胞由来の
ものがあげられるが、特に細胞培養技術の発達している
マウスまたはヒト細胞由来のものが適当であると言うこ
ともできる。 ARSを含んだDNAを取得するための原料として、使用す
る細胞は特に限定されないが、DNA結合性蛋白を多量に
産生している細胞を用いるのが便利である。その例とし
ては、c−myc蛋白、v−myc蛋白、N−myc蛋白、c−m
yb蛋白、v−myb蛋白、c−fos蛋白、v−fos蛋白、p5
3、RB遺伝子産物を産生している細胞、例えばヒトHL−6
0細胞、ヒトIMR細胞、ヒトRaji細胞、マウスFM3A細胞等
がある。 ペプチド類の生産に適した、ARSを含有する本発明の
プラスミドの構築には、通常の遺伝子組換技術を利用す
ればよい(文献7参照)。 また、細胞へのプラスミドの導入、使用する細胞の種
類および細胞の増殖方法等も、一般に知られた哺乳類細
胞や技術を利用することができ、今後改良される方法や
培養細胞、培地等の応用も可能であろう(文献8〜10参
照)。 以下に一般的方法のうちのいくつかの例を挙げて更に
説明する。 使用可能なプロモーターの例としては、チミジンキナ
ーゼプロモーター、イムノグロブリンプロモーター等の
細胞由来の各種プロモーター、または、SV40のT抗原プ
ロモーター、初期プロモーター、ヘルペスウイルスのチ
ミジンキナーゼプロモーター等の哺乳動物細胞に感染す
るウイルスのプロモーター等を挙げることができる。翻
訳開始コドンには通常のATGを使用することができる。 生産すべきペプチド類としては、インシュリン、成長
ホルモン、インターフェロン類、腫瘍壊死因子、インタ
ーロイキン等のリンホカイン、各種酵素等のペプチド、
蛋白、糖蛋白等の医薬として利用可能なものなどを挙げ
ることができる。 ペプチド類生産用遺伝子としては、前記のペプチド類
のアミノ酸配列をコードしたDNA、該DNAの3′側下流に
翻訳を終了させる為のポリAシグナルを配列させたもの
等を挙げることができる。 本発明のプラスミドの製造には、適当な塩基対数を有
して、通常使用される制限酵素による開裂部位を有する
DNAフラグメント、プロモーター、翻訳開始コドンおよ
びペプチド類生産用遺伝子を適宜所望の配列になるよう
にして結合させ、さらにARSを加えて環状とする。 なお、ARSの向きおよび位置については特に限定的に
考慮する必要はない。 得られたプラスミドを、リン酸カルシウムを用いたト
ランスフェクション、マイクロインジェクション法、リ
ポソーム法、プロトプラスト融合法等を用いて、種々の
哺乳動物細胞に導入して形質転換細胞を作製することが
できる。培養細胞の例としてはマウスのNS−1およびFM
3A、ヒトのHL−60、U937、DaudiおよびRaji等を挙げる
ことができる。この形質転換細胞を増殖させることによ
り目的のペプチド類を製造することができる。 この際、ARSの由来した細胞とプラスミドを導入する
相手の細胞の種が同じである必要がないことは、本発明
の特徴の一つである。 形質転換細胞の培養には、使用された細胞の通常の培
養法、例えば適当量の仔牛血清を含有したDMEM(Dulbec
co's modified Eagle's medium)を用いて5%二酸化炭
素の存在下37℃で培養する方法、あるいは動物腹腔内で
増殖等がある(文献8〜10参照)。 生産されたペプチド類は、培地中に遊離している場合
には通常の分画方法、例えば遠心、ゲルろか等を、細胞
中に蓄積されている場合には細胞を破砕後通常の分画方
法を用いることにより、あるいは腹水から一般的方法に
より単離することができる。 以下に、本発明を更に実施例により説明するがこれら
によって限定されるものではない。 実施例1 1)マウスのARS及びチミジンキナーゼ遺伝子を有する
プラスミドの作製(第1図参照) プラスミドpMU65(文献1)をEcoR I及びBgl IIで処
理し、塩基対数約2500のDNAフラグメントを単離した。
このフラグメントをプラスミドpKSV10(ファルマシア社
製)のEcoR I−Bgl II領域に挿入しプラスミドpARS65を
作製した。 プラスミドpAG0(文献2)をBamH Iで処理してヘルペ
スウイルス由来のチミジンキナーゼ遺伝子を含むフラグ
メントを単離した。このフラグメントを上記プラスミド
pARS65のBamH Iサイトに挿入し、プラスミドp65−tkを
製した。このプラスミドを大腸菌(E.coli K12 C600)
中で増殖させた(微工研寄託番号FERM P−8863)。 2)マウスのARS及びSV40 T抗原遺伝子を有するプラス
ミドの作製(第2図参照) プラスミドpMTI0D(文献3)を、BamH IおよびPvu II
で処理し、初期プロモーターを有するSV40 T抗原遺伝子
を単離した。該遺伝子のPvu IIサイトにBamH Iリンカー
(宝酒造製)を結合させた。得られたフラグメントをプ
ラスミドpARS65のBamH Iサイトに挿入し、プラスミドp6
5−Tを得た。 3)蛋白(チミジンキナーゼ)の発現 リポソーム法(文献4)に従って1)で得たプラスミ
ドp65−tkをFM3Atk-細胞に形質転換した。形質転換を行
う際には、50mM EDTA含有20mMトリスバッファー(pH7.
5)を用い、リポソームはフォスファチジルセリンを用
いて公知の方法(文献5)に従い調製した。 形質転換後、細胞を10%仔牛血清含有DMEMを用い5%
二酸化炭素の存在下37℃で培養した。2日後培地をHAT
培地に換えた。 形質転換細胞、即ちFM3Atk+細胞は約1週間後より出
現した。2週間後に各コロニーを単離し、それぞれ細胞
数が107個程度になるまでHAT培地で培養した。この間約
60倍化回数を経過した。 この方法により1,000個の細胞について形質転換を試
みたところ、約300〜400個の形質転換細胞が得られた。
従って、p65−tkがFM3Atk-細胞中で増殖していること及
びチミジンキナーゼ遺伝子が発現していることが確認さ
れた。 4) コピー数の検討 上記の107個の細胞より、ハート(Hirt)法(文献
6)により低分子量DNAを抽出した。プラスミドが形質
転換細胞中で複製したことを確認するため、得たDNAを
制限酵素Dpn Iで処理した。 FM3Atk-細胞に導入されたp65−tkのアデニン部分はメ
チル化されているが、該細胞中で複製したものはメチル
化していない。Dpn Iはメチル化したDNAのみを選択的に
切断するので、該細胞中で複製したプラスミドは切断さ
れず、細胞に入ったプラスミドのみを切断して複数のDN
Aフラグメントとする。従って、細胞中で複製したプラ
スミドを容易に電気泳動法により区別することができ
る。 Dpn I処理後アガロースゲル電気泳動(文献7)によ
りDNAを分離し、これをサザンブロッテイング(文献1
1)した。即ち、32Pで標識したp65−tkをプローブとし
てハイブリダイゼーションを行い次いでX線感光フイル
ムを用いてオートラジオグラフィーを行い、プローブと
ハイブリダイズするバンドを検出したところ、検討した
20個のクローン全てについてp65−tkが染色体外DNAとし
て複製していることが確認された。 細胞当りのコピー数は、感光度から100〜200であっ
た。このプラスミドは、細胞をHAT培地から10%仔牛血
清を含むDMEMにかえて培養した場合でも安定に複製し、
DNA上での改変は何ら見られなかった。また、このプラ
スミドは150倍化回数経過しても安定に細胞中に存在す
ることが確認された。 5)プラスミドpARS−65の各種細胞における複製 pARS−65を上記の方法に従いマウスNS−1細胞、ヒト
HL−60細胞およびヒトU937細胞にそれぞれトランスフェ
クションし、10%仔牛血清を含んだRPMI 1640培地を用
いて5%の二酸化炭素の存在下37℃で培養した。40時間
後に、上記4)の方法に従い染色体外の低分子量DNAを
解析した。その結果NS−1細胞に約500コピー、HL−60
細胞に約10,000コピー及びU937細胞に約100コピーのpAR
S−65が複製していることが確認された。 従って、pARS−65はマウス以外の種の細胞でも複製す
ることが確認され、p65−tkも該複製能を有することが
示唆された。 実施例2 1)ヒト細胞のARSの単離(第3図参照) ヒトHL−60細胞のDNAをSDS−プロテイネースK法(pr
oteinase K)(文献7)により抽出し、Hind IIIで処理
した。得られたDNAフラグメントよりmyc蛋白と親和性を
有するDNAフラグメントを取り出すため、公知の方法
(文献12)に従い以下の操作を行った。即ち、前記DNA
フラグメントをHL−60核抽出液(大量のmyc蛋白が存在
する)と混合し、0℃で30分間反応させてDNA−myc蛋白
結合物を生成させた。 次にmyc蛋白に対する抗体(α myc、オンコー社製)
を加え、DNA−myc蛋白−α myc複合体を形成させた。更
に、α mycと特異的に結合するプロテインAを含むスタ
フィロコッカス アウレウス菌の水溶液を加え、DNA−m
yc蛋白−α myc−プロテインA複合体を形成させた。 該複合体は沈殿するのでこれを分離し、0.1%SDS及び
0.1M塩化ナトリウムを含むトリスバッファー(pH7.5)
で洗浄した後、1%SDSを含む7mM 2−メルカプトエタノ
ール水溶液を加えて30℃で30分間反応させ、DNAを遊離
させた。反応混合物を15,000 x gで5分間遠心し、上澄
を単離した。これをフェノールで抽出し、目的とするDN
Aフラグメントを得た後pUC19(フォルマシア社製)のHi
nd IIIサイトに挿入した。また、得られたDNAフラグメ
ントの塩基対数をアガロースゲル電気泳動法で検討した
ところ、約200であった。 得られたプラスミドをE.coli K12 C 600中で増殖させ
た(微工研寄託番号FERM P−8864)。 尚、上記のHL−60核抽出液は以下のように調製した。
即ち、HL−60細胞の培養液(5X105/ml)1を遠心して
細胞を集め、リン酸バッファー生理食塩水で洗浄した。
これを更に低張水溶液(20mM HEPES、pH 7.5、5mM塩化
カリウム、0.5mM塩化マグネシウム、0.5mMジチオスレイ
トール、0.2mMショ糖)で洗浄した。これを5mlの低張水
溶液(上記水溶液よりショ糖を除いたもの)に懸濁して
10分間静置した。これをダウンスホモジナイザーで40回
上下させ、次いで3000 X gで10分間遠心し、沈殿物を得
た。 この沈殿物が核なので、これを2.5mlの水溶液(5mM H
EPES、pH7.5、10%ショ糖)に溶かし、液体窒素中に一
時保管した。これを0℃でゆっくり溶かし、5M塩化ナト
リウム水溶液を最終濃度0.1Mになるように加えて0℃で
5分間処理した。これを15,000 X gで20分間遠心し、上
澄を核抽出液として得た。 上記E.coli K12 C600中で増殖したプラスミドを単離
し(文献7)、Hind IIIで処理したところ該プラスミド
はHind IIIで切断されないことから、菌によるプラスミ
ドの再編成が起こっていると考えられ、本プラスミドを
pHL mycと命名した。 プラスミドpUC19は、Hind III以外にBamH I及びNar I
等の制限酵素切断部位を有しているので、上記プラスミ
ドをBamH I及びHar Iで処理し、生成した二つのフラグ
メントのうち小さい分子量を有するDNAフラグメントを
単離した。 このフラグメントを鋳型として32Pでラベルしたプロ
ーブを作製し、HL−60細胞のDNAとサザンハイブリダイ
ゼーション(文献11)を検討したところ、該プローブが
HL−60細胞DNAとハイブリダイズすることからNar Iサイ
ト及びBamH Iサイトを両端に有するフラグメント(Nar
I−BamH Iフラグメント)はHL−60細胞由来のDNAを含ん
でいることが確認された。 Nar I−BamH Iフラグメントの塩基対数をアガロース
ゲル電気泳動法で検討したところ、約200〜300であっ
た。 pUC19のHind IIIサイトとNar Iサイトは131塩基対離
れ、Hind IIIサイトとBamH Iサイトは35塩基対離れ、更
にPst IサイトとBamH Iサイトは25塩基対離れている。
更にプラスミドpHLmycではPst I部位には保持されてい
た。従って、プラスミドpHLmycにおけるHL−60細胞由来
のDNAの塩基対数は約120であると推定された。 この塩基配列を解明したところ、ポリリンカーのHind
IIIサイトの中に99塩基が確認された。その配列を次に
示す。 この配列についてインバーテッド・リピート(invert
ed repeat)を検索したところ、第5図および第6図に
示すようなヘアピン構造をとる可能性が示唆された。こ
れに基けば、上記の99塩基の12から59または17から74が
最も重要な自己複製配列(ARS)の塩基配列であると考
えられる。 2)プラスミドpHLmycがARSを有することの確認 リポソーム法を用いてpHLmycでHL−60細胞を形質転換
し、次いで上記の方法に従ってコピー数を検討したとこ
ろ、細胞当り約10,000であった。 3)ヒトARSおよびc−mycを有するプラスミドの作製及
び発現(第4図参照) プラスミドpmyc(オンコー社製、mycの構造遺伝子お
よびRous sarcoma virusのロングターミナルリピートプ
ロモーター(LTR)を含む)をBamH I、Hind IIIおよびE
coR Iで処理しmycの構造遺伝子およびLTRを単離した。
このものをpHLmycのEcoR I−BamH I領域に挿入しプラス
ミドpARSmycを作製した。このプラスミドでヒトU937細
胞をリポソーム法によって形質転換し、10%仔牛血清を
含むRPMI1640培地を用いて5%二酸化炭素の存在下37℃
で培養した。 3日後ノーザンハイブリダイゼーション法(文献7)
を用いて細胞中のmyc遺伝子のmRNA量を検討し、pARSを
有しないU937細胞のmRNA遺伝子の量と比較したところ、
約100倍であった。従って、プラスミドpARSmycのmyc遺
伝子よりmRNAが転写されていると考えられた。 実施例3 1) ヒトc−myc遺伝子のサブクローニング ヒトc−myc遺伝子(Mol.Cell Biol.,5'414〜418(1
985))の上流領域にあるHind III−Kpn I領域(約1200
bp)およびHind III−Pst I領域(約200bp)をそれぞれ
pUC18およびpUC19にサブクローニングした。そのクロー
ンのプラスミドを、各々pmyc(H−K)、pmyc(H−
P)と名付けた。 2) Hind III−Kpn IフラグメントおよびHind III−P
st Iフラグメントとc−myc蛋白との結合 DNAと蛋白との結合を調べる方法として近年さかんに
使われている方法として、ゲルシフトアッセイがある。
これは、アイソトープ標識したDNAを蛋白と結合させ、
単にポリアクリルアミドゲルに流すといった簡単なもの
で、DNA−蛋白複合体はDNAの移動がゲル中で遅れるとい
うことを利用したものである(文献17参照)。 c−myc蛋白を大量に産生しているHL−60細胞より核
抽出液をとり、これをc−myc蛋白源とした。上記c−m
yc遺伝子のHind III−Kpn IフラグメントおよびHind II
I−Pst Iフラグメントを該抽出液と混合し、30℃15分保
温後、5%ポリアクリルアミドゲルに流した。 一方、上記抽出液を先にc−myc抗体と反応させたも
のを同様に各フラグメントと処理した。結果として、両
フラグメントは蛋白と結合したが、予めc−myc抗体処
理したものでは阻害された。 これから、Hind III−Pst Iフラグメント(約200ヌク
レオチド)内にc−myc蛋白結合部位のあることがわか
った。 pmyc(H−K)をHind IIIおよびKpn Iで、pmyc(H
−P)をHind IIIおよびPst Iでそれぞれ処理してDNAフ
ラグメントとなし、これらを実施例2と同様に、c−my
c蛋白と混合処理、抗体との処理、プロテインAとの処
理および蛋白分解と除蛋白処理をしてHind III−Kpn I
フラグメントおよびHind III−Pst Iフラグメントを得
た。 このHind III−Pst Iフラグメントの塩基配列をダイ
デオキシ法で決定した。これを次に示す。 実施例4 実施例2と同様にして各種細胞核DNA、蛋白および抗
体を用いて各種プラスミドを得た。 プラスミド名とその原料の関係を表に示す。 ARSの証明 pmyc(H−K)、pmyc(H−P)、pIMR−NおよびpR
J−53を各々実施例1の3)以下と同様にリポソーム法
で細胞に導入しコピー数の検討をした。プラスミド名、
使用細胞およびコピー数を表に示す。<発明の効果> 本発明によれば、種々の哺乳動物細胞中でARSの働き
によりプラスミドが効率よく複製され、即ちプラスミド
の細胞当りのコピー数が多いことから遺伝子産物の生産
効率が優れており、本発明は遺伝子工学的に優れたペプ
チド類の生産方法である。 参照文献 文献1 Mol.Cell.Biol,.5,563−568(1985) 文献2 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,76,3755(1979) 文献3 J.Virology,48,481−191(1981) 文献4 Science,215,166(1982) 文献5 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,75,4194(1978) 文献6 J.Mol.Biol.,93,503−517(1975) 文献7 T.Maniatis et al,Molecular Cloning,Cold Spri
ng Harbor Laboratory(1982) 文献8 宗村編 細胞培養マニュアル 講談社(1982) 文献9 K.Habel et al.,Foundamental Techniquein Viro
logy,Academic Press,N.Y.(1969) 文献10 Kruse & Patterson,Tissue Culture,Academic
Press,N.Y.(1973) 文献11 J.Mol.Biol.,26,365−369(1967) 文献12 Mol.Cell.Biol.,3,1958−1966(1983) 文献13 Science 225,718−720(1984) 文献14 Nature 296,262−264(1982) 文献15 Annu.Rev.Biochem.52,301−310(1983) 文献16 Science 235,1394−1399(1987) 文献17 Nucleic Acid Res.,9 3047〜3060(1981)
含有するプラスミド、このプラスミドで形質転換された
哺乳動物細胞に関する。 <従来の技術> 遺伝子工学を応用したペプチド類の製造法としては、
プラスミドを利用して大腸菌、桔草菌等にペプチド、蛋
白質等を製造させる方法、ウイルスDNAを利用してその
宿主にペプチド、蛋白等を製造させる方法等が知られて
いる。 しかしながら、これらはプラスミドの安定性、使用細
胞種が限られることおよび生産効率等において必ずしも
満足できるものではない。 本発明者は、マウス細胞由来の自己複製配列(Autono
mous Replicating Sequence,ARS)を含むDNAフラグメン
トを単離し、このフラグメントは塩基数が約2500のEcoR
I及びBgl II切断断片であることを報告した(文献
1)。 本発明者は、このARSフラグメントの性質について検
討したところ、ARSがc−myc遺伝子の産物であるmyc−
蛋白等のDNA結合性蛋白と特異的親和性を有すること、
およびc−myc蛋白はc−myc遺伝子自体に結合してその
発現調節をしていることを見出し、これらの知見に基い
てmyc−蛋白等を用いて種々の哺乳動物細胞によりARSを
分離、取得することを可能にし、さらにこの哺乳動物細
胞の自己複製配列DNA(ARS)を利用して有用なペプチド
や蛋白等を効率よく生産させ得ることを見出して本発明
を完成した。 <発明の構成> 本発明は、哺乳動物細胞の自己複製配列DNAの取得法
に関し、また哺乳動物細胞の自己複製配列DNA、プロモ
ーターおよびペプチド類生産用遺伝子(翻訳開始コドン
を含む)を含有するプラスミドおよびこのプラスミドで
形質転換された哺乳動物細胞に関し、さらにこの哺乳動
物細胞の自己複製配列DNAに関する。 ARSとは、真核生物の染色体が自己複製する際の複製
起点である。これを取得するには次のようにすればよ
い。 すなわち、哺乳動物細胞よりDNAを取り出して適当な
制限酵素(六塩基認識酵素が好ましく、例えばHind II
I、EcoR I、BamH I)で処理して適当な大きさのDNAフラ
グメント(通常1000乃至10000bp)となし、これをDNA結
合性蛋白と混合処理してDNA−蛋白結合体を生成させ
る。 DNA結合性蛋白とは、細胞核内に存在してDNAの機能発
現を制御している蛋白であって、DNAと親和結合性を有
し、非ヒストン蛋白に分類されているものであり、例え
ば、c−myc蛋白(文献13参照)、v−myc蛋白(文献14
参照)、N−myc蛋白(文献15参照)、c−myb蛋白(文
献15参照)、v−myb蛋白(文献15参照)、c−fos蛋白
(文献15参照)、v−fos蛋白(文献15参照)、p53(文
献15参照)及びRB遺伝子産物(文献16参照)等の、myc
蛋白やmyb蛋白等を挙げることができる。 DNA−蛋白結合物を生成させた後は、抗原抗体反応等
の通常の蛋白分離取得手段を応用して目的のDNAを取得
することができる。 すなわち、DNA−蛋白結合物がそのままでは分離取得
しにくい場合は、これにDNA結合性蛋白に対する抗体を
結合させ、更にこの抗体と特異的に結合する物質、例え
ばプロテインA、を結合させると、分子量の相当大きな
複合体が生成して沈殿しやすく分離取得が容易である。 抗体は、通常の方法で作成すればよく、例えばN−my
c遺伝子の第三エクソン(N−mycに特異的な部分)を大
腸菌を用いて発現させ、産生された蛋白を精製後通常の
方法でマウスに免疫し、抗血清からIgG分画を取り使用
する。また市販のもの(例えばオンコー社製抗myc、蛋
白抗体:α−myc)を利用しても良い。 プロテインAはスタフィロコッカス・アウレウスの菌
体懸濁液(P7155:シグマ社)や、担体結合物(Agarose
FPA−1:コスモ・バイオ社、Sepharose CL−4B:ファルマ
シア社)も市販されている。 DNAと蛋白との結合物(例えばDNA−myc蛋白−抗体−
プロテインA結合物)からのDNAの単離も通常の方法を
利用すればよく、例えば2−メルカプトエタノールのよ
うな試薬や蛋白を分解する酵素(Proteinase K:シグマ
社、Proteindse No.24568:メルク社)での処理によって
蛋白部分を分解し、それをフェノール抽出で除けばDNA
を得ることができる(文献10参照)。 このようにして得るDNA結合性蛋白と特異的親和性の
あるDNAフラグメントは、ARSのDNAを含んでいる。即
ち、DNA結合性蛋白とARSは非常に強い親和性がある、と
いうことは本発明者の見出した極めて重要な事実であ
る。 ARSを含んだDNAフラグメントは、必要に応じてARSの
み、またはARSを含んだ適当な長さのDNAフラグメントに
して利用することができる。その操作やこのARSを利用
してペプチド等の有用な物質を生産するためのDNA処理
やスクリーニング等の技術は、実施例等を参考にして一
般的な技術を利用すればこの分野の通常の知識を有する
者が容易に理解し実施できるであろう。 また、ARSは由来する細胞の動物の種差により、もし
くは細胞の種差により、または同一の細胞であってもそ
の中の他部位のARSであることによって、塩基配列が僅
かに異ることは充分に考えられる。従って、ARSは上記
のようにして単離されたARSの塩基配列と必ずしも完全
に同じでなければ利用し得ないわけではなく、その一部
の塩基を置換または除去、あるいは塩基を付加すること
も可能であり、目的物の効率的な生産に適するか否か
は、本明細書の説明を参考にした通常の水準の試験、研
究により確めることができる。 本発明に関して、単離あるいは使用可能なARSとして
は、マウス、ラット、モルモット、牛、馬、羊、山羊、
兎、サル、チンパンジー、ヒト等の哺乳動物細胞由来の
ものがあげられるが、特に細胞培養技術の発達している
マウスまたはヒト細胞由来のものが適当であると言うこ
ともできる。 ARSを含んだDNAを取得するための原料として、使用す
る細胞は特に限定されないが、DNA結合性蛋白を多量に
産生している細胞を用いるのが便利である。その例とし
ては、c−myc蛋白、v−myc蛋白、N−myc蛋白、c−m
yb蛋白、v−myb蛋白、c−fos蛋白、v−fos蛋白、p5
3、RB遺伝子産物を産生している細胞、例えばヒトHL−6
0細胞、ヒトIMR細胞、ヒトRaji細胞、マウスFM3A細胞等
がある。 ペプチド類の生産に適した、ARSを含有する本発明の
プラスミドの構築には、通常の遺伝子組換技術を利用す
ればよい(文献7参照)。 また、細胞へのプラスミドの導入、使用する細胞の種
類および細胞の増殖方法等も、一般に知られた哺乳類細
胞や技術を利用することができ、今後改良される方法や
培養細胞、培地等の応用も可能であろう(文献8〜10参
照)。 以下に一般的方法のうちのいくつかの例を挙げて更に
説明する。 使用可能なプロモーターの例としては、チミジンキナ
ーゼプロモーター、イムノグロブリンプロモーター等の
細胞由来の各種プロモーター、または、SV40のT抗原プ
ロモーター、初期プロモーター、ヘルペスウイルスのチ
ミジンキナーゼプロモーター等の哺乳動物細胞に感染す
るウイルスのプロモーター等を挙げることができる。翻
訳開始コドンには通常のATGを使用することができる。 生産すべきペプチド類としては、インシュリン、成長
ホルモン、インターフェロン類、腫瘍壊死因子、インタ
ーロイキン等のリンホカイン、各種酵素等のペプチド、
蛋白、糖蛋白等の医薬として利用可能なものなどを挙げ
ることができる。 ペプチド類生産用遺伝子としては、前記のペプチド類
のアミノ酸配列をコードしたDNA、該DNAの3′側下流に
翻訳を終了させる為のポリAシグナルを配列させたもの
等を挙げることができる。 本発明のプラスミドの製造には、適当な塩基対数を有
して、通常使用される制限酵素による開裂部位を有する
DNAフラグメント、プロモーター、翻訳開始コドンおよ
びペプチド類生産用遺伝子を適宜所望の配列になるよう
にして結合させ、さらにARSを加えて環状とする。 なお、ARSの向きおよび位置については特に限定的に
考慮する必要はない。 得られたプラスミドを、リン酸カルシウムを用いたト
ランスフェクション、マイクロインジェクション法、リ
ポソーム法、プロトプラスト融合法等を用いて、種々の
哺乳動物細胞に導入して形質転換細胞を作製することが
できる。培養細胞の例としてはマウスのNS−1およびFM
3A、ヒトのHL−60、U937、DaudiおよびRaji等を挙げる
ことができる。この形質転換細胞を増殖させることによ
り目的のペプチド類を製造することができる。 この際、ARSの由来した細胞とプラスミドを導入する
相手の細胞の種が同じである必要がないことは、本発明
の特徴の一つである。 形質転換細胞の培養には、使用された細胞の通常の培
養法、例えば適当量の仔牛血清を含有したDMEM(Dulbec
co's modified Eagle's medium)を用いて5%二酸化炭
素の存在下37℃で培養する方法、あるいは動物腹腔内で
増殖等がある(文献8〜10参照)。 生産されたペプチド類は、培地中に遊離している場合
には通常の分画方法、例えば遠心、ゲルろか等を、細胞
中に蓄積されている場合には細胞を破砕後通常の分画方
法を用いることにより、あるいは腹水から一般的方法に
より単離することができる。 以下に、本発明を更に実施例により説明するがこれら
によって限定されるものではない。 実施例1 1)マウスのARS及びチミジンキナーゼ遺伝子を有する
プラスミドの作製(第1図参照) プラスミドpMU65(文献1)をEcoR I及びBgl IIで処
理し、塩基対数約2500のDNAフラグメントを単離した。
このフラグメントをプラスミドpKSV10(ファルマシア社
製)のEcoR I−Bgl II領域に挿入しプラスミドpARS65を
作製した。 プラスミドpAG0(文献2)をBamH Iで処理してヘルペ
スウイルス由来のチミジンキナーゼ遺伝子を含むフラグ
メントを単離した。このフラグメントを上記プラスミド
pARS65のBamH Iサイトに挿入し、プラスミドp65−tkを
製した。このプラスミドを大腸菌(E.coli K12 C600)
中で増殖させた(微工研寄託番号FERM P−8863)。 2)マウスのARS及びSV40 T抗原遺伝子を有するプラス
ミドの作製(第2図参照) プラスミドpMTI0D(文献3)を、BamH IおよびPvu II
で処理し、初期プロモーターを有するSV40 T抗原遺伝子
を単離した。該遺伝子のPvu IIサイトにBamH Iリンカー
(宝酒造製)を結合させた。得られたフラグメントをプ
ラスミドpARS65のBamH Iサイトに挿入し、プラスミドp6
5−Tを得た。 3)蛋白(チミジンキナーゼ)の発現 リポソーム法(文献4)に従って1)で得たプラスミ
ドp65−tkをFM3Atk-細胞に形質転換した。形質転換を行
う際には、50mM EDTA含有20mMトリスバッファー(pH7.
5)を用い、リポソームはフォスファチジルセリンを用
いて公知の方法(文献5)に従い調製した。 形質転換後、細胞を10%仔牛血清含有DMEMを用い5%
二酸化炭素の存在下37℃で培養した。2日後培地をHAT
培地に換えた。 形質転換細胞、即ちFM3Atk+細胞は約1週間後より出
現した。2週間後に各コロニーを単離し、それぞれ細胞
数が107個程度になるまでHAT培地で培養した。この間約
60倍化回数を経過した。 この方法により1,000個の細胞について形質転換を試
みたところ、約300〜400個の形質転換細胞が得られた。
従って、p65−tkがFM3Atk-細胞中で増殖していること及
びチミジンキナーゼ遺伝子が発現していることが確認さ
れた。 4) コピー数の検討 上記の107個の細胞より、ハート(Hirt)法(文献
6)により低分子量DNAを抽出した。プラスミドが形質
転換細胞中で複製したことを確認するため、得たDNAを
制限酵素Dpn Iで処理した。 FM3Atk-細胞に導入されたp65−tkのアデニン部分はメ
チル化されているが、該細胞中で複製したものはメチル
化していない。Dpn Iはメチル化したDNAのみを選択的に
切断するので、該細胞中で複製したプラスミドは切断さ
れず、細胞に入ったプラスミドのみを切断して複数のDN
Aフラグメントとする。従って、細胞中で複製したプラ
スミドを容易に電気泳動法により区別することができ
る。 Dpn I処理後アガロースゲル電気泳動(文献7)によ
りDNAを分離し、これをサザンブロッテイング(文献1
1)した。即ち、32Pで標識したp65−tkをプローブとし
てハイブリダイゼーションを行い次いでX線感光フイル
ムを用いてオートラジオグラフィーを行い、プローブと
ハイブリダイズするバンドを検出したところ、検討した
20個のクローン全てについてp65−tkが染色体外DNAとし
て複製していることが確認された。 細胞当りのコピー数は、感光度から100〜200であっ
た。このプラスミドは、細胞をHAT培地から10%仔牛血
清を含むDMEMにかえて培養した場合でも安定に複製し、
DNA上での改変は何ら見られなかった。また、このプラ
スミドは150倍化回数経過しても安定に細胞中に存在す
ることが確認された。 5)プラスミドpARS−65の各種細胞における複製 pARS−65を上記の方法に従いマウスNS−1細胞、ヒト
HL−60細胞およびヒトU937細胞にそれぞれトランスフェ
クションし、10%仔牛血清を含んだRPMI 1640培地を用
いて5%の二酸化炭素の存在下37℃で培養した。40時間
後に、上記4)の方法に従い染色体外の低分子量DNAを
解析した。その結果NS−1細胞に約500コピー、HL−60
細胞に約10,000コピー及びU937細胞に約100コピーのpAR
S−65が複製していることが確認された。 従って、pARS−65はマウス以外の種の細胞でも複製す
ることが確認され、p65−tkも該複製能を有することが
示唆された。 実施例2 1)ヒト細胞のARSの単離(第3図参照) ヒトHL−60細胞のDNAをSDS−プロテイネースK法(pr
oteinase K)(文献7)により抽出し、Hind IIIで処理
した。得られたDNAフラグメントよりmyc蛋白と親和性を
有するDNAフラグメントを取り出すため、公知の方法
(文献12)に従い以下の操作を行った。即ち、前記DNA
フラグメントをHL−60核抽出液(大量のmyc蛋白が存在
する)と混合し、0℃で30分間反応させてDNA−myc蛋白
結合物を生成させた。 次にmyc蛋白に対する抗体(α myc、オンコー社製)
を加え、DNA−myc蛋白−α myc複合体を形成させた。更
に、α mycと特異的に結合するプロテインAを含むスタ
フィロコッカス アウレウス菌の水溶液を加え、DNA−m
yc蛋白−α myc−プロテインA複合体を形成させた。 該複合体は沈殿するのでこれを分離し、0.1%SDS及び
0.1M塩化ナトリウムを含むトリスバッファー(pH7.5)
で洗浄した後、1%SDSを含む7mM 2−メルカプトエタノ
ール水溶液を加えて30℃で30分間反応させ、DNAを遊離
させた。反応混合物を15,000 x gで5分間遠心し、上澄
を単離した。これをフェノールで抽出し、目的とするDN
Aフラグメントを得た後pUC19(フォルマシア社製)のHi
nd IIIサイトに挿入した。また、得られたDNAフラグメ
ントの塩基対数をアガロースゲル電気泳動法で検討した
ところ、約200であった。 得られたプラスミドをE.coli K12 C 600中で増殖させ
た(微工研寄託番号FERM P−8864)。 尚、上記のHL−60核抽出液は以下のように調製した。
即ち、HL−60細胞の培養液(5X105/ml)1を遠心して
細胞を集め、リン酸バッファー生理食塩水で洗浄した。
これを更に低張水溶液(20mM HEPES、pH 7.5、5mM塩化
カリウム、0.5mM塩化マグネシウム、0.5mMジチオスレイ
トール、0.2mMショ糖)で洗浄した。これを5mlの低張水
溶液(上記水溶液よりショ糖を除いたもの)に懸濁して
10分間静置した。これをダウンスホモジナイザーで40回
上下させ、次いで3000 X gで10分間遠心し、沈殿物を得
た。 この沈殿物が核なので、これを2.5mlの水溶液(5mM H
EPES、pH7.5、10%ショ糖)に溶かし、液体窒素中に一
時保管した。これを0℃でゆっくり溶かし、5M塩化ナト
リウム水溶液を最終濃度0.1Mになるように加えて0℃で
5分間処理した。これを15,000 X gで20分間遠心し、上
澄を核抽出液として得た。 上記E.coli K12 C600中で増殖したプラスミドを単離
し(文献7)、Hind IIIで処理したところ該プラスミド
はHind IIIで切断されないことから、菌によるプラスミ
ドの再編成が起こっていると考えられ、本プラスミドを
pHL mycと命名した。 プラスミドpUC19は、Hind III以外にBamH I及びNar I
等の制限酵素切断部位を有しているので、上記プラスミ
ドをBamH I及びHar Iで処理し、生成した二つのフラグ
メントのうち小さい分子量を有するDNAフラグメントを
単離した。 このフラグメントを鋳型として32Pでラベルしたプロ
ーブを作製し、HL−60細胞のDNAとサザンハイブリダイ
ゼーション(文献11)を検討したところ、該プローブが
HL−60細胞DNAとハイブリダイズすることからNar Iサイ
ト及びBamH Iサイトを両端に有するフラグメント(Nar
I−BamH Iフラグメント)はHL−60細胞由来のDNAを含ん
でいることが確認された。 Nar I−BamH Iフラグメントの塩基対数をアガロース
ゲル電気泳動法で検討したところ、約200〜300であっ
た。 pUC19のHind IIIサイトとNar Iサイトは131塩基対離
れ、Hind IIIサイトとBamH Iサイトは35塩基対離れ、更
にPst IサイトとBamH Iサイトは25塩基対離れている。
更にプラスミドpHLmycではPst I部位には保持されてい
た。従って、プラスミドpHLmycにおけるHL−60細胞由来
のDNAの塩基対数は約120であると推定された。 この塩基配列を解明したところ、ポリリンカーのHind
IIIサイトの中に99塩基が確認された。その配列を次に
示す。 この配列についてインバーテッド・リピート(invert
ed repeat)を検索したところ、第5図および第6図に
示すようなヘアピン構造をとる可能性が示唆された。こ
れに基けば、上記の99塩基の12から59または17から74が
最も重要な自己複製配列(ARS)の塩基配列であると考
えられる。 2)プラスミドpHLmycがARSを有することの確認 リポソーム法を用いてpHLmycでHL−60細胞を形質転換
し、次いで上記の方法に従ってコピー数を検討したとこ
ろ、細胞当り約10,000であった。 3)ヒトARSおよびc−mycを有するプラスミドの作製及
び発現(第4図参照) プラスミドpmyc(オンコー社製、mycの構造遺伝子お
よびRous sarcoma virusのロングターミナルリピートプ
ロモーター(LTR)を含む)をBamH I、Hind IIIおよびE
coR Iで処理しmycの構造遺伝子およびLTRを単離した。
このものをpHLmycのEcoR I−BamH I領域に挿入しプラス
ミドpARSmycを作製した。このプラスミドでヒトU937細
胞をリポソーム法によって形質転換し、10%仔牛血清を
含むRPMI1640培地を用いて5%二酸化炭素の存在下37℃
で培養した。 3日後ノーザンハイブリダイゼーション法(文献7)
を用いて細胞中のmyc遺伝子のmRNA量を検討し、pARSを
有しないU937細胞のmRNA遺伝子の量と比較したところ、
約100倍であった。従って、プラスミドpARSmycのmyc遺
伝子よりmRNAが転写されていると考えられた。 実施例3 1) ヒトc−myc遺伝子のサブクローニング ヒトc−myc遺伝子(Mol.Cell Biol.,5'414〜418(1
985))の上流領域にあるHind III−Kpn I領域(約1200
bp)およびHind III−Pst I領域(約200bp)をそれぞれ
pUC18およびpUC19にサブクローニングした。そのクロー
ンのプラスミドを、各々pmyc(H−K)、pmyc(H−
P)と名付けた。 2) Hind III−Kpn IフラグメントおよびHind III−P
st Iフラグメントとc−myc蛋白との結合 DNAと蛋白との結合を調べる方法として近年さかんに
使われている方法として、ゲルシフトアッセイがある。
これは、アイソトープ標識したDNAを蛋白と結合させ、
単にポリアクリルアミドゲルに流すといった簡単なもの
で、DNA−蛋白複合体はDNAの移動がゲル中で遅れるとい
うことを利用したものである(文献17参照)。 c−myc蛋白を大量に産生しているHL−60細胞より核
抽出液をとり、これをc−myc蛋白源とした。上記c−m
yc遺伝子のHind III−Kpn IフラグメントおよびHind II
I−Pst Iフラグメントを該抽出液と混合し、30℃15分保
温後、5%ポリアクリルアミドゲルに流した。 一方、上記抽出液を先にc−myc抗体と反応させたも
のを同様に各フラグメントと処理した。結果として、両
フラグメントは蛋白と結合したが、予めc−myc抗体処
理したものでは阻害された。 これから、Hind III−Pst Iフラグメント(約200ヌク
レオチド)内にc−myc蛋白結合部位のあることがわか
った。 pmyc(H−K)をHind IIIおよびKpn Iで、pmyc(H
−P)をHind IIIおよびPst Iでそれぞれ処理してDNAフ
ラグメントとなし、これらを実施例2と同様に、c−my
c蛋白と混合処理、抗体との処理、プロテインAとの処
理および蛋白分解と除蛋白処理をしてHind III−Kpn I
フラグメントおよびHind III−Pst Iフラグメントを得
た。 このHind III−Pst Iフラグメントの塩基配列をダイ
デオキシ法で決定した。これを次に示す。 実施例4 実施例2と同様にして各種細胞核DNA、蛋白および抗
体を用いて各種プラスミドを得た。 プラスミド名とその原料の関係を表に示す。 ARSの証明 pmyc(H−K)、pmyc(H−P)、pIMR−NおよびpR
J−53を各々実施例1の3)以下と同様にリポソーム法
で細胞に導入しコピー数の検討をした。プラスミド名、
使用細胞およびコピー数を表に示す。<発明の効果> 本発明によれば、種々の哺乳動物細胞中でARSの働き
によりプラスミドが効率よく複製され、即ちプラスミド
の細胞当りのコピー数が多いことから遺伝子産物の生産
効率が優れており、本発明は遺伝子工学的に優れたペプ
チド類の生産方法である。 参照文献 文献1 Mol.Cell.Biol,.5,563−568(1985) 文献2 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,76,3755(1979) 文献3 J.Virology,48,481−191(1981) 文献4 Science,215,166(1982) 文献5 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,75,4194(1978) 文献6 J.Mol.Biol.,93,503−517(1975) 文献7 T.Maniatis et al,Molecular Cloning,Cold Spri
ng Harbor Laboratory(1982) 文献8 宗村編 細胞培養マニュアル 講談社(1982) 文献9 K.Habel et al.,Foundamental Techniquein Viro
logy,Academic Press,N.Y.(1969) 文献10 Kruse & Patterson,Tissue Culture,Academic
Press,N.Y.(1973) 文献11 J.Mol.Biol.,26,365−369(1967) 文献12 Mol.Cell.Biol.,3,1958−1966(1983) 文献13 Science 225,718−720(1984) 文献14 Nature 296,262−264(1982) 文献15 Annu.Rev.Biochem.52,301−310(1983) 文献16 Science 235,1394−1399(1987) 文献17 Nucleic Acid Res.,9 3047〜3060(1981)
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図はプラスミドの構築概略図であり第5
図及び第6図は推定二次構造である。
図及び第6図は推定二次構造である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ヒトc−myc遺伝子上流領域にあるHind III−Pst I
領域を含むDNA配列であって、c−myc蛋白と親和性を有
し、染色体外で自己複製可能なヒト細胞由来自己複製配
列DNAフラグメント 2.ヒトc−myc遺伝子上流領域にあるHind III−Pst I
領域を含むDNA配列であって、c−myc蛋白と親和性を有
し、染色体外で自己複製可能なヒト細胞由来自己複製配
列DNAを含有するプラスミド 3.前記プラスミドが、プラスミドpmyc(H−P)であ
る請求項2記載のプラスミド 4.ヒトc−myc遺伝子上流領域にあるHind III−Pst I
領域を含むDNA配列であって、c−myc蛋白と親和性を有
し染色体外で自己複製可能なヒト細胞由来自己複製配列
DNA、プロモーターおよびペプチド類生産用遺伝子(翻
訳開始コドンを含む)を含有するプラスミド 5.ヒトc−myc遺伝子上流領域にあるHind III−Pst I
領域を含むDNA配列であって、c−myc蛋白と親和性を有
し染色体外で自己複製可能なヒト細胞由来自己複製配列
DNA、プロモーターおよびペプチド類生産用遺伝子(翻
訳開始コドンを含む)を含有するプラスミドで形質転換
された哺乳動物細胞
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