JP2700027B2 - コンクリート劣化抑止組成物 - Google Patents

コンクリート劣化抑止組成物

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concrete
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慶三郎 久保
讓 蔵本
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長田 武志
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【発明の詳細な説明】 (技術分野) この発明は、コンクリート劣化抑止組成物に関するも
のである。さらに詳しくは、この発明は、コンクリート
の中性化、塩害、凍害、アルカリ−、骨材反応、さらに
は漏水や応力変化によるクラック発生などによるコンク
リートの劣化を効果的に抑止することのできる結晶増殖
剤に関するものである。
(背景技術) 従来、コンクリートについては、様々な劣化が知られ
ており、その劣化の要因に対しての対策も古くから検討
されてきている。このような要因としては、コンクリー
トの空隙に浸入する空気中の炭酸ガスによってコンクリ
ートがアルカリ性を失い中性化(炭酸化)し、これにと
もなって水、酸素、炭酸ガスによって鉄筋、鉄骨は発錆
し、腐蝕することや、海水によるコンクリートの化学的
損傷、コンクリート空隙内の水分の凍結による凍害、セ
メント中のアルカリが、空隙内の水によってアルリ−骨
材反応を起こし、コンクリートの損傷をもたらすこと、
さらにはコンクリートの応力変動などによって生じたク
ラックと、このクラックの生成によ漏水を契機とするコ
ンクリートの損傷などが知られている。
コンクリートの劣化要因への対応については、コンク
リートを形成するセメント組成の変更や、モルタル急硬
剤などを用いての応急措置などが知られているが、その
劣化の要因が多岐にわたることもあり、様々な劣化要因
についてはほぼ共通して対処することのできる方策はこ
れまでに知られていない。
また、特に、これまでのコンクリート劣化への対処に
ついては、セメント組成の調整による場合には事前の予
防措置としてある程度の効果はあるものの、発生し、拡
大している劣化に対してはその劣化抑止の効果は全く期
待できないという重大な問題があった。逆にモルタル急
硬剤などの場合には応急的にクラックの充填などは可能
であるものの、さらに進行する劣化に対しては全く無力
であり、常にコンクリート劣化による損傷を後付けで修
復することができるにとどまっている。
進行するコンクリートの劣化に対しても効果的な方策
は、これまでには全く知られていないのが実状である。
(発明の目的) この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたもの
であり、従来方法のような欠点のない、予防措置として
も、また進行する劣化に対しても効果的に作用すること
のできるコンクリート劣化抑止組成物を提供することを
目的としている。
(発明の開示) この発明のコンクリート劣化抑止組成物は、上記の目
的を実現するために、20〜40%CaOおよび10〜25%SiO2
を含有するポルトランドセメント系組成物において、10
〜25%MgOとともにケイ弗化物および不飽和2価カルボ
ン酸を含有することを特徴としている。
この発明の組成物は、コンクリートの組成を完全に深
部まで緻密化する結晶生成作用を有しているもので、こ
の結晶生成作用に欠かせないのがマグネシアと不飽和2
価カルボン酸である。
コンクリートの組成とその特徴についてみると、通
常、コンクリートは、セメント硬化ペーストと骨材とか
ら構成されており、セメント硬化ペーストは、未水和セ
メント粒子、酸化カルシウム−シリカ−水系のゲル、水
酸化カルシウム、トリサルフェート、モノサルフェート
から本質的に構成されている。
コンクリート組成としてみた場合には、微細構造とし
て結晶性セメントゲル(約50%)、Ca(OH)(約25
%)および空隙・細孔(約25%)を有し、このうちのCa
(OH)は、毛細管状の細孔に析出している。この毛細
管、さらには内部応力や荷重増加による微細なクラッ
ク、気泡やブリーディングの水みち等による空隙や細孔
は、湧水や空気、炭酸ガスなどの浸入を許し、コンクリ
ートの損傷、劣化の原因となる反応を起こす。
湧水があると、空隙や細孔に浸入した水は、これら空
隙や細孔を通じ漏水をはじめるばかりか、空隙や細孔に
析出しているCa(OH)を溶解し、劣化反応生成物に変
えていく。たとえば、炭酸ガスとの反応による炭酸カル
シウムの生成、コンクリートの中性化、アルカリ−骨材
反応の促進、塩害、あるいは凍害の誘発などが起こる。
中性化あるいは塩害によって、鉄筋は発錆し、腐蝕して
いく。
この発明の結晶増殖作用を有する組成物は、このCa
(OH)の溶出と、劣化反応物質への変化を抑制するも
のと考えられる。
この発明の組成物は、このCa(OH)の溶出および劣
化反応物質への変化を、不飽和2価カルボン酸のCaとの
反応やMgOとカルボン酸およびCaとの反応などによって
複合的に抑止するものと推定される。この場合、上記し
た通り、この発明のコンクリート劣化抑止組成物は、20
〜40%CaO、10〜25%SiO2、さらにMgOを10〜25%の範囲
で含有し、しかもケイ弗化物と不飽和2価カルボン酸を
含有していることが必要である。これらの主構成成分に
は、さらに通常のポルトランドセメントに含まれている
Al2O3、Fe2O3、Na2Oなどの他の鉱物質を含有することが
できる。
この発明の組成物を構成するポルトランドセメント系
組成物は、標準的なポルトランドセメントと比較する
と、CaOの含有量は小さく、MgO含有量が大きいことが特
徴である。
Al2O3は2%以下、Na2Oは2〜8%、Fe2O3は3〜5%
程度の含有量とするのが好ましい。
不飽和2価カルボン酸は、炭酸数2〜5程度の2価カ
ルボン酸を用いることができ、特に好適なものとして
は、フマル酸、またはマレイン酸を例示することができ
る。
ケイ弗化物としてはSiF6またはMgSiF6が好適なもので
ある。もちろん、これらに変換されうる任意の弗化物を
用いることもできる。
この発明の組成物について重要なことは、この組成物
はコンクリートの細孔や空隙に水分との反応によって浸
透して結晶を成長させ、この不溶性結晶の増殖によって
コンクリートの劣化を抑止することである。この増殖反
応は水によって進行し、しかも反応は複合的に進むこと
である。
たとえば不飽和2価カルボン酸は、Ca、Mg等の塩を形
成し、さらにこれらが水分と反応して重合性の結晶を成
長させる。また、ケイ弗化物は、Ca(OH)と反応し
て、不溶性等軸晶のCaF2、不溶性斜方晶エンスタタイト
を生成する。
また、Na2Oは、Na2O・2SiO2の水ガラス組成物として
反応し、不溶性のCa−Si−H2O系結晶を生成させる。生
成する結晶は絡み合うように凝集してコンクリートの空
隙を埋めていく。増殖するこの結晶は、セメントの硬化
体組織と類似の3CaO・2SiO2・3H2Oを含むものであり、
コンクリート躯体の存在する限り、恒久的に存在し、劣
化の防止、修復、および止水の効果を示す。
さらにまた、何らかの原因によりクラックが発生して
も、直ちに結晶化反応が再開され、自動的にクラックを
結晶によって充填してしまう。たとえば、トンネルのNA
TM工法に用いる支保材のロックボルトとコンクリートの
接合打の隙間に対しても、緻密化してしまう。
この発明の組成物の適用による結晶の生成、緻密化に
よりコンクリート躯体の物理的強度も増大する。
この発明のコンクリート劣化抑止組成物の施工の方法
には格別の限定はない。塗布、吹付け、ドリル工法、な
ど様々可能である。
また、この発明の組成物は、ポルトランドセメント系
組成物の配合を調整し、MgO、ケイ弗化物、不飽和2価
カルボン酸の添加によって容易に製造することができ
る。
この発明の組成物の特徴である結晶の自動増殖性およ
び結晶反応自動追従性によって、コンクリートの中性
化、塩害、凍害、アルカリ−骨材反応、漏水などに対し
て効果的に抑止効果を実現する。
次に実施例として、この発明の組成物の作用について
説明する。この発明の、優れた止水効果、およびコンク
リートの強化改善の効果が明らかになる。
もちろん、この発明は、これらの例によって限定され
るものではない。
実施例 (1) 通常のコンクリートブロック壁(厚さ20cm)の
片面に、次の配合からなる組成物と水との混合物を塗布
した。
CaO 30.9 % SiO2 20.3 % MgO 16.4 % Al2O3 1.68% Fe2O3 3.96% Na2O 5.01% K2O 0.15% MnO 0.05% NiO 0.11% TiO2 0.18% SO3 0.97% フマル酸 7.85% ケイ弗化物 3.20% (MgSiF6) その他鉱物質(残部) この塗布後、6日間放置した。
反対面の未処理面の細孔より、針状結晶が群がって、
外部へ成長するのが確認された。この不溶性結晶の生成
によって、完全な止水効果が得られた。
(2) 同様にφ10cm×10cmのコンクリートについて透
水試験を行なった。また、φ10×10cmのコンクリートの
全面に組成物を塗布して圧縮強度試験を行なった。
透水試験では、透水圧5kg/cm2の場合、加圧120時間後
の透水量は0であった。これに対して、塗布しない場合
の透水量は15.9mlであった。
また、圧縮強度は、296kg f/cm2(N/mm2)であった。
塗布しない場合には、285kg f/cm2(N/mm2)であった。
この発明の組成物は、極めて優れた効果を奏するもの
であることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24:04) 111:20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】20〜40%CaOおよび10〜25%SiO2を含有す
    るポルトランドセメント系組成物において、10〜25%Mg
    Oとともにケイ弗化物および不飽和2価カルボン酸を含
    有することを特徴とするコンクリート劣化抑止組成物。
  2. 【請求項2】ケイ弗化物0.5〜5%および不飽和2価カ
    ルボン酸2〜8%を含有する請求項(1)記載のコンク
    リート劣化抑止組成物。
  3. 【請求項3】2%以下のAl2O2と2〜8%Na2Oを含有す
    る請求項(1)記載のコンクリート劣化抑止組成物。
  4. 【請求項4】不飽和2価カルボン酸がフマル酸またはマ
    レイン酸である請求項(1)記載のコンクリート劣化抑
    止組成物。
  5. 【請求項5】不飽和2価カルボン酸をアルカリ金属塩と
    して含有している請求項(1)記載のコンクリート劣化
    抑止組成物。
  6. 【請求項6】ケイ炭化物がSiF6または MgSiF6である請求項(1)記載のコンクリート劣化抑止
    組成物。
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