JP2699994B2 - 食品加工機 - Google Patents

食品加工機

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JP2699994B2
JP2699994B2 JP5296859A JP29685993A JP2699994B2 JP 2699994 B2 JP2699994 B2 JP 2699994B2 JP 5296859 A JP5296859 A JP 5296859A JP 29685993 A JP29685993 A JP 29685993A JP 2699994 B2 JP2699994 B2 JP 2699994B2
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義文 五十嵐
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佐藤食品工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品加工機に係わり、特
に下端に杵を有する杵軸を上下動して臼をつく食品加工
機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の杵と臼を備えた食品加工機
として、例えば特公昭49−27349号公報には、臼
の上方に杵を有する杵軸を上下動可能に配置し、その杵
の叩打作用により餅をつく餅つき機が知られており、こ
のような餅つき機では、前記杵軸を上下動機構により自
動で上下動するようにしている。その上下動機構の一例
を図8に示すと、同図において、下端に杵1を有する杵
軸2は、上,下機枠3,3Aに固定された上下の軸受
4,4Aを介して上下動可能に設けられ、その杵軸2の
中央に従動カム板5を設け、この従動カム板5に係合す
る駆動カム部材6を回転軸7に軸着し、この回転軸7の
回転によって前記駆動カム部材6が前記従動カム板5を
押し上げて前記杵軸2が所定のストロークS分上昇し、
さらに従動カム板5から駆動カム部材6が離脱すること
により、前記杵軸2が自重で降下するようになってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の上下動機構
では、駆動カム部材6の回転により杵軸2を上下動する
ため、駆動カム部材6の長さを少なくとも前記杵軸2の
ストロークS以上にする必要がある。そしてその駆動カ
ム部材5が回転するためには、上,下機枠3,3A間
を、杵軸2のストロークSの2倍以上の寸法にしなけれ
ばならないと共に、機枠3,3Aの幅寸法も駆動カム部
材6が回転できるように大きく形成しなければならず、
装置が大型化するという問題があった。また、このよう
な餅つき機にあっては、装置に複数の杵軸2を備え、こ
れら複数の杵軸2を上下動するものであるため、複数の
前記回転軸7を支持するための支持部材や、その回転軸
7を回転するための複雑な回転機構等が必要となり、上
下動機構が複雑になるという問題があった。そして特に
この種の餅などの食品を製造する装置において、上下動
機構等が複雑になると、それらを構成する支持部材や回
転部材等の小部品も増え、例えばそのボルトなどの小部
品が落下して臼内の餅に混入する虞も大となり、装置の
維持管理が煩雑になるという問題があった。
【0004】そこで本発明は装置の小型化が可能で、構
造簡易な杵軸の上下動機構を備えた食品加工機を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下端に杵を有
する杵軸を上下動して臼をつく食品加工機において、上
端縁に高低差を有するカム面を形成した円筒形の駆動筒
体を縦設し、この駆動筒体を回転する回転駆動装置を設
け、前記駆動筒体の周囲に複数の前記杵軸を上下動可能
に設け、その杵軸に前記カム面に摺動して上下動するガ
イド部材を設けたものである。
【0006】
【作用】駆動筒体の回転により、カム面に沿ってガイド
部材が上下動し、このガイド部材を設けた杵軸が上下動
する。したがって一つの駆動筒体の回転によって複数の
杵軸を上下動することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
説明する。図1ないし図5は本発明の第1実施例を示
し、固定ベース板11の上部に、複数の支持ローラ12を設
けると共に、上部中央には内歯13Aを有するリング状の
固定部材13を固着し、この固定部材13の外周に、球体14
などの回転支持部材を介してリング状の回転部材15を回
動自在に連結し、この回転部材15の上部を回転ベース16
に固着し、この回転ベース16上には減速機付きモータ17
を設け、さらに、このモータ17の回転軸に固着した歯車
18を前記内歯13Aに螺合しており、前記モータ17の回転
により前記回転ベース16が回転するようになっている。
前記回転ベース16上には円筒形の下機枠19が一体に設け
られ、かつその下機枠19の外部に位置して前記回転ベー
ス16の外周側上部には、複数の臼20が取付台21を介して
配置されており、この例では臼20は円周方向等間隔に数
カ所設けられている。前記取付台20の上部には円筒状の
取付筒21Aが設けられ、この取付筒21Aの上部に前記臼
20が固着され、かつその取付筒21A内には回転体22が回
転可能に設けられ、この回転体22の上端の回転底22Aが
前記臼20内に臨むと共に、下端には従動プーリ23が固着
され、この従動プーリ23が、伝達ベルト24と駆動プーリ
25とを介して前記下機枠19内の減速機付きモータ26に連
結され、該モータ26の回転により前記回転体22が回転し
て臼20内の回転底22Aが回転するように構成している。
【0008】前記下機枠19の上端開口には、リング状の
中板27が周設され、この中板27の上面にリング状の固定
部材28が固着され、この固定部材28の内側に、球体29な
どの回転支持部材を介して、内歯30Aを有するリング状
の回転部材30が連結され、その内歯30Aに歯車31が螺合
し、この歯車31が、前記下機枠19側に固定されたモータ
32のギヤボックス32Aに連結されて回転し、前記回転部
材30の上部にリング状の回転板33が固着され、前記モー
タ32の回転により前記回転板33が回転するようになって
いる。そして前記モータ32により、後述する駆動筒体を
回転する回転駆動装置を構成している。
【0009】前記回転板33の周縁には円筒形の駆動筒体
34が固着され、図1及び図4に示すように、その縦設さ
れた駆動筒体34はその上端縁の全周が高低差を持って形
成され、この上端縁にカム板35を取り付け、このカム板
35の上面によりカム面36が構成され、このカム面36は、
緩やかに上昇する傾斜部37と、彎曲頂部38と、この彎曲
頂部38から鋭角的に降下する降下部39と、彎曲谷部40と
が複数連続しており、この例では前記彎曲頂部38が円周
に複数設けられている。前記中板27の外周端に円筒形の
上機枠41が設けられ、この上機枠41の上端開口内周に
は、リング状の上板42が設けられている。
【0010】前記駆動筒体34の外側には、前記臼20に対
応して複数の杵軸43が鉛直に配置され、この杵軸43は、
前記中,上板27,42に設けた軸受44,45を介して上下動
可能に設けられ、その下端には杵46が設けられている。
前記杵軸43の略中央には、取付部材47を介してガイド部
材たるガイドローラ48が回動自在に設けられ、このガイ
ドローラ48は前記駆動筒体34側に位置して前記カム面36
上に係合する。尚、前記ガイドローラ48は軸受部48Aを
介して回動自在に設けられている。前記杵軸43と円周方
向に並んで縦軸49が配置され、この縦軸49は前記上板42
に設けた軸受50を介して上下動可能に設けられ、かつ該
縦軸49は、上端が、上部連結部材51を介して前記杵軸43
の上端と連結され、下端が、下部連結部材52を介して前
記杵軸43に連結されており、その縦軸48により前記杵軸
43の回り止めがなされている。そして前記縦軸49及び上
部,下部連結部材51,52により、杵軸43の回止機構Mを
構成している。
【0011】さらに、前記取付部材47には、前記ガイド
ローラ48の他側に、係合ローラ53が回動自在に設けら
れ、この係合ローラ53に対応して縦方向に長尺な板片よ
りなる杵軸固定片54が配置され、この杵軸固定片54は上
部に軸55を連結し、その軸55は前記上板42に設けた軸受
56に取り付けられ、該杵軸固定片54が揺動可能に設けら
れている。その杵軸固定片54には縦方向一側縁を斜めに
形成した案内斜辺部57が形成され、この案内斜辺部57の
上部に前記係合ローラ53が係合する係合溝58が横方向に
開口して設けられ、該杵軸固定片54の上端側にはエアー
シリンダ59の伸縮アーム59Aが連結され、このエアーシ
リンダ59の基端側は上板42に枢着部59Bを介して回動可
能に枢着され、またそのエアーシリンダ59は外部に例え
ば空気圧縮機のタンクを利用したサブタンク61を備えた
ものが使用される。尚、前記係合溝58は、前記カム面36
の彎曲頂部38での係合ローラ53位置より、僅かに高い所
に設けられている。そして前記係合ローラ53,杵軸固定
片54及びエアーシリンダ59により、杵軸43を上部位置で
停止する停止機構Tを構成している。
【0012】次に前記構成につきその作用を説明する。
下機枠19側に固定したモータ32の回転により歯車31が回
転し、この歯車31と螺合する内歯30を有する回転部材30
が回転し、これにより下枠体19側に対して駆動筒体34が
回転し、例えばこの回転は1分間に数回程度なされる。
そして駆動筒体34の回転により、各ガイドローラ48がカ
ム面36に摺動して上下動し、各杵軸43が上下動する。こ
の場合、ガイドローラ48が傾斜部37に沿って摺動する場
合においては、杵軸43が上昇し、ガイドローラ48が彎曲
頂部38に至と、慣性力により杵軸43が僅かながらさらに
上昇し、ガイドローラ48がカム面36から外れ、この後、
降下部39の上部においては、杵軸43がその自重により自
由落下し、杵46が臼20を叩打し、再びガイドローラ48が
傾斜部37に沿って摺動し、杵軸43が上昇する。このよう
にして一つの駆動筒体34が回転することにより、この駆
動筒体34の周囲に配置した複数の杵軸43が上下動する。
【0013】また、本装置はモータ17の回転により回転
ベース16が断続的に角度回転できるようになっており、
外部に固定された原料の供給及びつき上がった餅を取出
す供給及び取出装置Kに合わせて、各臼20の位置を変え
ることができる。さらに、このように原料を供給及び取
出す場合、停止機構Tにより杵軸43の上下動を選択的停
止することができ、図5に示すように、杵軸43の上下動
時は前記杵軸固定片54は係合ローラ53から外れた傾斜位
置にあり、この状態からエアーシリンダ59を作動して伸
縮アーム59Aを伸ばし、杵軸固定片54を垂直位置まで回
動する。そして杵軸43が上昇すると、係合ローラ53が案
内斜辺部57に沿って摺動し、この場合、前記エアーシリ
ンダ59には伸縮アーム59Aを伸ばす方向に所定の圧力を
与えているが、サブタンク61を設けて容量を比較的大に
しているため、係合ローラ53の案内斜面部57に沿った上
昇を妨げることなく、杵軸固定片54が傾動し、すなわち
伸縮アーム59Aが収縮し、係合ローラ53が係合溝58に係
入しつつ杵軸固定片54が垂直位置に復帰し、杵軸43が上
昇位置にて固定される。この固定状態において、臼20内
の餅の取出し及び原料の供給を行い、逆にこの係合を解
除するには、エアーシリンダ59の伸縮アーム59Aを収縮
することにより、係合溝58から係合ローラ53が離脱し、
かつ杵軸固定片54が傾斜位置に復帰し、この状態で再び
杵軸43は駆動筒体34の回転によって上下動する。
【0014】このように本実施例では、下端に杵46を有
する杵軸43を上下動して臼20をつく食品加工機におい
て、上端縁に略波型のカム面36を有する円筒形の駆動筒
体34を縦設し、この駆動筒体34を回転する回転駆動装置
たるモータ32を設け、駆動筒体34の周囲に複数の杵軸43
を上下動可能に設け、その杵軸43にカム面36に摺動して
上下動するガイド部材たるガイドローラ48を設けたもの
であるから、駆動筒体34の回転によってカム面36に沿っ
てガイドローラ48が上下動し、このガイドローラ48を設
けた杵軸43が上下動することにより、駆動筒体34の周囲
に設けた複数の杵軸43を上下動することができる。そし
て杵軸43を上下動する機構としては、該杵軸43の上下動
ストロークにほぼ対応した高さの駆動筒体34を設けるだ
けでよいため、上機枠41の高さ寸法を、従来に比べて大
幅に低くすることができると共に、杵軸43に近接して上
機枠41を設けることができるため、上機枠41の外径寸法
も小さくすることができる。また、杵軸43を上下動する
ための複雑な回転機構等が不要となるため、装置の簡略
化が図られ、装置の維持管理が容易となる。
【0015】また実施例上の効果として、杵軸43の上下
動を選択的に停止する停止機構Tを設けることにより、
駆動筒体34を回転したまま、所望の杵軸43だけを上方位
置において停止することができ、この停止により臼20内
への原料の供給及びつき上った餅の取出しを外部に一箇
所設けた供給及び取出装置Kによって円滑に行うことが
でき、しかも、杵軸固定片54は、係合溝58の下方に斜め
の案内斜辺部57を形成し、かつエアーシリンダ50はサブ
タンク61を連結してその容量を大にして伸縮アーム59A
が伸びた状態で該伸縮アーム59Aを後退可能に構成した
から、案内斜辺部57を伝わって上昇する係合ローラ53を
円滑かつ確実に係合溝58に係合することができる。さら
に、杵軸43には回止機構Mを設けたため、杵軸43が回転
することなく、カム面36に対してガイドローラー48を正
しく位置決めできるため、カム面36にガイドローラ48を
確実に摺動させることができる。
【0016】図6及び図7は本発明の第2実施例を示
し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付しその詳
細な説明を省略して詳述すると、回止機構Mの変形例を
示し、この例では第1実施例で示した上部連結部材を設
けずに、縦軸49Aを、中板27と上板42との間に固定して
縦設し、一側を杵軸43に固定した下部連結部材52Aは、
他端が軸受60を介して前記縦軸49Aに取付けられ、その
軸受60は縦軸49Aが上下動可能なものが用いられてい
る。そしてカム面36にガイドローラ48が摺動して杵軸43
が上下動すると、下部連結部材52Aは杵軸43とともに上
下動し、その下部連結部材52Aは縦軸49Aに沿って上下
に移動し、杵軸43の回止めがなされる。
【0017】このように本実施例では、縦軸49Aを機枠
側に固定して設け、この縦軸49Aに沿って下部連結部材
52Aが上下動するようにしたから、杵軸43のみが上下動
し、回止機構Mの構造が簡略化される。
【0018】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実
施が可能であり、例えば実施例では回転駆動装置として
モータ32を示したが、駆動筒体34を回転するものであれ
ば各種の回転駆動を用いることができる。また、ガイド
ローラ48を用いることにより、カム面36との摩擦を少な
くできるが、カム面36に摺動するものであれば、各種の
ガイド部材を用いることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明は、下端に杵を有する杵軸を上下
動して臼をつく食品加工機において、上端縁に略波型の
カム面を有する円筒形の駆動筒体を縦設し、この駆動筒
体を回転する回転駆動装置を設け、前記駆動筒体の周囲
に複数の前記杵軸を上下動可能に設け、その杵軸に前記
カム面に摺動して上下動するガイド部材を設けたもので
あり、装置の小型化が可能で、構造簡易な杵軸の上下動
機構を備えた食品加工機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す全体断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す要部の断面図ある。
【図3】本発明の第1実施例を示す図1のG−G線断面
図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す駆動筒体の要部の斜
視図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す停止機構の断面図で
ある。
【図6】本発明の第2実施例を示す要部の断面図であ
る。
【図7】本発明の第2実施例を示す図5のH−H線断面
図である。
【図8】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
20 臼 32 モータ(回転駆動装置) 34 駆動筒体 36 カム面 43 杵軸 46 杵 48 ガイドローラ(ガイド部材) M 回止機構 T 停止機構

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端に杵を有する杵軸を上下動して臼を
    つく食品加工機において、上端縁に高低差を有するカム
    面を形成した円筒形の駆動筒体を縦設し、この駆動筒体
    を回転する回転駆動装置を設け、前記駆動筒体の周囲に
    複数の前記杵軸を上下動可能に設け、その杵軸に前記カ
    ム面に摺動して上下動するガイド部材を設けたことを特
    徴とする食品加工機。
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