JP2699192B2 - 高効率のカーボンブラック製造法 - Google Patents

高効率のカーボンブラック製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (a) 発明の目的 本発明は、充填材料、補強材料、導電材料及び着色顔
料などの用途に用いられる所望の物性を有するファーネ
ス法カーボンブラックを高効率に製造する方法に関す
る。
(従来の技術) ファーネス法カーボンブラックの製造は、一般的には
円筒状のカーボンブラック製造炉の炉軸方向又は接線方
向に酸素含有ガス及び燃料を導入し、その燃焼によって
得られた高温燃焼ガスを下流の反応帯域に移動させなが
ら、該高温燃焼ガス流中に原料炭化水素を導入してカー
ボンブラックを生成させるが、原料炭化水素の熱分解反
応が複雑であるために、所望の物理化学的物性を有する
カーボンブラックを高効率で生成せしめるのが困難であ
った。
特に、第1反応帯域で形成された高温燃焼ガス流と、
第2反応帯域において導入される原料炭化水素とを如何
にして効率よく混合し接触・反応させるかは、生成カー
ボンブラックの性能及び生成効率を左右する重要な要件
とされている。そして従来、前記の第2反応帯域におけ
る高温燃焼ガスと原料炭化水素との混合接触には、一般
的には高温燃焼ガスに強い旋回運動を与えて運動エネル
ギーを増加させるようにしたり、第2反応帯域の絞り部
の形状を工夫したりされてきたが、充分に満足する結果
が得られなかった。
たとえば、特公昭55-27112号公報においては、炉軸を
中心とする円周方向から外方及び内方に分割された熱ガ
ス流を形成させ、かつ原料炭化水素を軸方向より供給す
るカーボンブラックの製造方法が記載されているが、分
割導入される外方の熱ガス流は炉壁保護のためのもので
あり、カーボンブラック生成収量を著しく低下させる原
因となるし、炉軸接線方向からの円一平面への分割導入
では、絞り部での高乱流が得られない。また、原料供給
ノズルが炉軸上に保持されているので、生成カーボンブ
ラックの物理化学的特性を制御するためのノズルの移動
には、該ノズルを冷却ジャケットで保護する必要があ
り、余分な熱損失をもたらすし、かつ炉軸上に設けられ
たノズルからの原料の供給では、原料の半径方向の拡散
のために時間がかかり、高速に有効な混合を行えないの
で、カーボンブラック収率の低下がさけられない。
また、特公昭55-45581号公報には、急冷後の反応生成
物との熱交換によって燃焼用空気を予熱して熱回収を
し、その予熱された空気の一部を炉壁保護のための分割
流として炉内に供給するカーボンブラックの製造法が記
載されているが、燃料の導入が炉軸中心部のみであり、
炉壁流には高温燃焼ガス流が生成されないことから、原
料炭化水素の熱分解を高効率に行える高温乱流域の形成
が不充分である。しかも、原料炭化水素が高温炉内に保
持された炉軸方向の原料導入ノズルから供給されるか
ら、該ノズル保護のための冷却ジャケットが必要であ
り、余分な熱損失をもたらすし、かつ炉軸上からの原料
導入であるので原料の半径方向の拡散のために時間がか
かり、高速に有効な混合を行なうことができず、カーボ
ンブラック収率の低下をもたらす等の欠点がある。
さらに、特開昭61-183364号公報には、燃焼室に接線
方向のガス導入口を設けたカーボンブラック製造炉にお
いて、その絞り部にガス流を横切る方向に原料を導入し
て熱分解させるカーボンブラックの製造法が記載されて
いるが、高温燃焼ガス流が旋回流であるので、絞り部、
すなわち原料導入点において充分な高温乱流領域を形成
させることができないから、高効率にカーボンブラック
を生成させることができない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、用途等に応じた所望の物理化学的特性を有
するカーボンブラックを高効率で製造できるカーボンブ
ラックの製造方法を提供しようとするものである。
(b) 発明の構成 (問題点を解決するための手段) 本発明のカーボンブラックの製造法は、燃料及び酸素
含有ガス混合物を燃焼させる第1反応帯域。得られた高
温燃焼ガスを原料炭化水素と混合して反応させる絞り部
を有する第2反応帯域、及び反応停止用冷却水スプレー
を備えた第3反応帯域を有する反応炉を用いてカーボン
ブラックを製造する方法において、前記の第1反応帯域
で得られた高温燃焼ガスを、炉軸方向とほぼ同一方向に
流れる軸流として、かつ該軸流を噴出流速及び/又は噴
出ガス温度が互いに異なる二つ以上の分割流にして第2
反応帯域に導入し、前記第2反応帯域においては該高温
燃焼ガス軸流を横切る方向に原料炭化水素をノズルから
導入することを特徴とする方法である。
本発明者らの研究によれば、カーボンブラック生成反
応の効率及びその製品物性(品位)は、高温燃焼ガスが
反応炉の内部空間において形成するコロモゴロフ(Kolm
ogorov)の最小渦直径lKの最小値である(lKmin
その分布、及び(lKminの存在する領域を通過する原
料流量の割合(Q)lK/Qの三つの因子に強く依存して
いることが判明した。
ここでいうコロモゴロフの最小渦直径lKとは、流体
力学における乱流理論で導かれる乱流特性スケールを表
わすパラメーターの一つであり、自体公知のものであ
る。
以下に、この知見を得るに至った実験的解析及び考察
の内容について説明をする。
本発明者らは、試験用のカーボンブラック反応炉を用
いて種々の実験を行なった結果、カーボンブラックの物
理化学的物性、すなわち反応炉下限界粒子径、ストラク
チャー指数、粒子径分散度、凝集体分布分散度、及び原
料に対する収量と反応炉の幾何学的条件との間には、下
記のような定性的関係があることがわかった。なお、下
記式におけるdcは反応炉絞り部直径であり、θはその絞
り角度であり、Lcは原料ノズルから絞り部までの距離で
ある。
反応炉下限界粒子径∝(dc/θ) 着色力∝(1/Lc) 粒子径分布分散度∝(Lc) 凝集体分布分散度∝(Lc) 粒子径分布分散度∝(1/収量) ここで得られた現象的特性について流動実験を通して
物理的解釈を行なった結果は、下記のとおりである。
すなわち、反応炉内部における高温燃焼ガスの速度U
は、平均速度uと変動速度u′により U=u+u′ で表わされるものとすると、絞り部直径dcは燃焼ガス平
均速度uに対し、絞り角度θは絞り部での縮流度、つま
り断面速度分布中の最大速度(u)maxに対し、また原
料ノズルから絞り部までの距離Lcは原料炭化水素の反応
炉平均滞留時間τとその分散度σに対して、それぞれ次
式に示すような直接的影響を与える。
(dc)2 ∝1/(u) (θ)∝ ∝(u)max (Lc)∝ ∝(τ,σ) 燃焼ガス平均速度uの増加は、断面速度分布の最大速
度(u)maxの増加も同時に伴なうであろうから、(θ/
dc)は(u)maxに関係していると考えられる。
ここで、カーボンブラックの基本物性が微小な粒子径
の絶対値に依存していることを考慮し、(u)maxを燃
焼ガス流の形成する乱流の微細構造との関係において検
討する。乱流理論によれば、速度の増加は変動速度の増
加に比例するから下記式が成立する。
(u)max∝(u′)max そして変動速度は、コロモゴロフの最小渦直径lK
次式の関係にある。
k=lo(lo・u′/ν)3/4 ここで、loはその位置での反応炉の直径に相当する
長さを表わす。
したがって、反応炉内のある領域に形成される最大変
動速度(u′)maxはその領域に、最小渦直径lkの最小
値である(lkminを発生させる。
(lkmin=lo(lo・(u′)max/ν)3/4 すなわち、(θ/dc)のパラメーターは渦の微細化の
傾向と、微細渦が凝集体の形成と発達に必須であること
を示していると推定される。
反応炉下限界粒子径∝(lkmin 次に、原料ノズルから絞り部までの距離Lcについて検
討する。Lcの増加は原料の炉内通過距離と半径方向への
拡散を増加させるので、原料の反応炉内平均帯留時間τ
とその分散度σの両者とも増加させると考えられる。そ
こで、モデル実験を行なった結果、次式の関係が得られ
た。
(τ)∝(σ) よって粒度分布分散度は原料の反応炉内平均滞留時間
τの分散度σに比例していることがわかる。
カーボンブラックの品位は、分散度σが小さいほど良
好であるので、Lcを短くしてτを減少させることにより
σの低下を実現させることになる。しかしながら、熱分
解反応停止位置が品位調整の制御対象となつていること
からもわかるように、σの改善は、本来滞留時間τが一
定の条件下で行なわれるべきものと考えられる。
滞留時間の分散度σの小さいことは、ある時刻に供給
された原料がほぼ同一経過を経て反応炉内を通過したこ
とを意味すると考えれば、カーボンブラックの品位はそ
の経路上に形成されている最小渦直径(lKminに律速
されるので、したがって各種分散度の小さいカーボンブ
ラックが生成される。
着色力 ∝(1/σ) 粒径分布分散度 ∝(σ) 凝集体分布分散度∝(σ) また、粒径分布分散度∝1/(収量)の関係は、分散が
減少するにしたがい収量が向上することを示している。
これは分散の減少によってその経路内、より小さい(l
Kmin領域を通過する原料流量比率(Q)lK min/Qが
増加すると推定できる。つまり、下記式が成立すると推
定される。
(σ)∝1/〔(Q)lK/Q〕 以上の考察より、収量を向上させるためには、反応炉
内の(lKmin領域を通過する原料の流量比率(Q)l
K min/Qを求めることが重要である。
カーボンブラック収量∝(Q)lK min/Q この考察結果について検証するために、他の全ての条
件を一定にして、高温燃焼ガスの流量のみを変化させる
実験を行なった。高温燃焼ガスの流量を増加させること
により、下記のとおりの各パラメーターの変化が予想さ
れるからである。
(lKminの増加 (σ)の減少 (Q)lK min/Qの増加 そして、高温燃焼ガスの流量に対するカーボンブラッ
クの品位と収率の変化を調べた結果、燃焼ガス流量の増
加に伴なって、高品位化と高効率化が同時に達成できる
ことが確認された。
すなわち、従来の漠然と理解されていた「反応部にお
いて混合接触作用を高める」ということは、具体的に
は、 (lKminの値をより最小化する (lKminを反応炉内壁面から離れた炉の中心軸上
に局在して形成させる (lKminの存在領域を通過する原料流量割合
(Q)lK min/Qが最大となるように原料を噴霧供給す
る という条件を満足させるようにすることである。
本発明は以上の知見にもとづいてなされたものであ
る。すなわち、本発明においては、まず軸流型乱流発生
方式を採用した。すなわち、(lKminの値をより最小
化し、(lKminを反応炉内壁面から離れた炉の中心軸
上に局在するように形成させるには、その領域に大きな
乱れが必要になる。そこで、本発明では高温燃焼ガス流
を炉軸方向とほぼ同一方向に流れる軸流とし、かつその
軸流を噴出流速及び/又は噴出温度が互いに異なる二つ
以上の分割流にすることにより、所望の領域において極
めて大きな乱れの発生を制御できるようにした。しか
も、その軸流には旋回速度成分がないので、自然にその
軸方向の最大速度を炉軸上に局在して形成させることが
できる。また、(lKminの値とその存在領域の位置
は、複数個の高温燃焼ガス噴流の噴出流速や噴出角度を
適切に変化させることによって制御が可能であるので、
それにより生成カーボンブラックの物性を容易に制御で
きるようになる。
また、(lKminの局在領域を通過する原料流量割合
(Q)lK min/Qが最大となるようにするためには、原
料炭化水素を炉軸上に沿って流れるように導入する必要
があるが、それを達成する原料導入方法としては、第一
に炉軸上に保持されたノズルから導入する方法と、第二
に炉軸と直交する側方から導入する方法の二通りがある
が、本発明では後者の方法を採用した。その理由は次の
とおりである。すなわち、前者の導入方法は、導入され
た原料が(lKminの存在領域に達するまでに半径方向
に拡散してしまい、その結果、(lKmin領域を通過す
る原料流量割合(Q)lK min/Qが低下するばかりでな
く、高温炉内に保持された原料ノズルを保護する冷却ジ
ャケットが必要になり、そのために余分な熱損失をもた
らす。
これに対し、本発明で採用する後者の方法において
は、原料の半径方向の拡散は大きな流速で直交する高温
燃焼ガスによって最小限に抑えられるので、空間的に広
がることなく狭い領域で高速に混合させることができ
る。その結果、(lKmin領域を通過する原料流量の割
合(Q)lK min/Qを増加させることになり、しかもノ
ズル冷却用ジャケットが必要でなく、その分の熱損失も
防止できる。このように、原料を側方から高温燃焼ガス
軸流を横切る方向に導入することによって、(lKmin
の存在領域を通過する原料流量割合の増加、すなわち実
効容積効率又は実効混合効率、ひいては炉容積当りのカ
ーボンブラック収量の飛躍的な改善が可能になる。
要するに、本発明においては、高温燃焼ガス流を軸
流とすることにより、旋回速度成分をなくすことがで
き、原料炭化水素を効率よく熱分解して収率よくカーボ
ンブラックを生成させることができる。また、その高
温燃焼ガス軸流を噴出速度及び/又はガス温度の互いに
異なる二つ以上の分割流とするので、その各分割流の噴
出速度及び/又はガス温度を種々変化させることがで
き、それにより生成カーボンブラックの着色力や比表面
積等の物理化学的物性の制御が可能になるから、同一の
製造炉を用いて種々の用途に応じた所望の物性を有する
種々のカーボンブラックを容易に製造することができ
る。さらに、原料炭化水素を前記軸流を横切る方向に
導入するから、原料の半径方向の分散を最小限にとどめ
ることができ、粒径分布のシャープな、したがって着色
力の大きいカーボンブラックを高効率で得ることがで
き、かつ原料ノズル冷却用ジャケットによる熱損失をな
くすることができる。
本発明における高温燃焼ガスは、第1反応帯域におい
てガス状又は液状燃料を、空気、酸素又はそれらの混合
物と混合して燃焼させることにより得られる。その燃料
としては、水素、一酸化炭素、メタン、天然ガス、石炭
ガス、石油ガス等のガス状燃料、灯油、ガソリン、重油
等の石油系液体燃料、クレオソート油、ナフタレン油、
カーボン酸油等の石炭系燃料が好適に使用される。
また、本発明における原料炭化水素としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ナフタレン、アントラセン等
の芳香族炭化水素、クレオソート油、カルボン酸油等の
石炭系炭化水素、エチレンヘビーエンドオイル、FCCオ
イル等の石油系重質油、アセチレン系不飽和炭化水素、
エチレン系炭化水素、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭
化水素などが好適に使用される。
添付の第1図は、本発明の製造方法の実施に使用され
るカーボンブラック製造炉の一例を、要部縦断概略図で
示したものであり、第2図の1は第1図のA−A断面概
略図、第2図の2は第1図のB−B断面概略図、第2図
の3は第1図のC−C断面概略図である。また、第3図
の1〜4は、高温燃焼ガス軸流の分割態様例を示す第1
反応帯域の横断概略図である。また、第4図は原料ノズ
ル説明用の第2反応帯域の縦断概略図であり、第5図は
原料炭化水素導入方向の説明図である。
第1図等に示す製造炉を用いてカーボンブラックを製
造する本発明の実施態様例を説明する。第1図及び第2
図の1において、燃焼用ノズルは、外側ノズルとして酸
素含有ガス導入口8を有する燃焼ノズル9が外側に4個
設けられていて、これら4個の外側ノズルは4個まとめ
て操作できるようになっている。また、内側燃焼ノズル
として酸素含有ガス導入口10を有する燃焼ノズル11が内
側に4個設けられていて、これら4個の内側ノズルも4
個まとめて操作できるようになっている。これらの燃焼
ノズル9及び11は炉内への前進及び後退が可能なように
なっている。これらの内側及び外側燃焼ノズルを用いて
燃焼させた高温燃焼ガスは、内側と外側とではその噴出
流速及び/又は噴出ガス温度が互いに異なるガス流とな
って、すなわち第3図の1に示されるような内側高温ガ
ス流(イ)と外側高温ガス流(ロ)の二つの分割流とな
って炉軸方向とほぼ同一の方向に流れる軸流となって第
1反応帯域から第2反応帯域に導入される。
なお、第3図の2、第3図の3、及び第3図の4は、
分割流の別の分割態様例を示したものである。これら種
々の分割態様例は、原料炭化水素の種類、及び製造しよ
うとするカーボンブラックの物理化学的物性(すなわち
カーボンブラックの所望の品種や用途)に応じて、適宜
に選択されるし、その分割流の噴出流速や噴出ガス温度
もそれらに応じて適宜に選択される。
第2反応帯域に導入された高温燃焼ガス軸流中には、
原料供給ノズル6より原料炭化水素が導入されるが、そ
の導入方向は軸流としての高温燃焼ガス流を横切る方向
である。しかし、その導入方向は必ずしも軸流に対して
直角である必要がなく、第5図に示されるように、炉軸
に対して20°〜150°の範囲内の適宜の角度を選択でき
る。
また、原料供給ノズル6は第2図の2に示されるよう
に左右対象的に設けてもよいし、第2図の3に示される
ように片方のみに設けてもよい。また、ノズル6は、第
4図に示されるような第2反応帯域4の異なる位置に設
けられたノズル61〜63を、61を単独で、62を単独
で、63を単独で、61と62とを併用し、62と63とを
併用し、又は61と63とを併用する種々の態様で使用す
ることができる。一般的には、原料供給ノズル6は、第
2反応帯域内の異なる位置に3組以上を設置するのが望
ましく、1組の本数も複数個が望ましい。かかる原料ノ
ズル6は炉内への前進及び後退が可能になっている。
第2反応帯域4において生成されたカーボンブラック
含有熱懸濁流は、次いで第3反応帯域5に導入され、任
意の位置の反応停止用の水スプレー7から噴出される水
により急冷されて反応を停止したのち、サイクロン、バ
グフィルター等の捕集装置を経てカーボンブラックが回
収される。
(実施例等) 以下に、実施例及び比較例をあげてさらに詳述する。
これら実施例及び比較例において製造されたカーボン
ブラックの試験は、下記の方法によった。
着色力 恒温乾燥試料及び亜鉛華を、それぞれ20mg及び2g精秤
し、ミネラルオイル2.7mlを加えたのち、オートマティ
ックフーバーマーラーを用いて練和し、試料ペーストを
調製する。このペーストを同様の方法で作成された標準
ペーストと共に肉眼により対比して判定する。
粒子径 試料カーボンブラックをクロロホルムに投入し、200k
Hzの超音波を20分間照射し、分散させたのち、分散試料
を支持膜に固定し、電子顕微鏡で観察、撮影し、面積平
均により粒子径を算出し、mμで表示する。
窒素吸着比表面積 低温窒素吸着装置(米国クオンタクロム社製のQuanta
sorb Surface Area Analyzer)を用い、低温窒素吸着法
によるカーボンブラックの窒素吸着量を測定し、その値
からBET 1点法の式を用いて算出し、m2/gで表わす。
ジブチルフタレート吸油量 JIS K6221-1982に準拠して測定する。以下、「DBP吸
油量」という。
圧縮ジブチルフタレート吸油量 恒温乾燥試料を規定量秤量し、1687kg/cm2で5秒間保
持し、試料を圧縮する。次いで、その試料を16メッシュ
篩網に全通させる。この操作を4回繰返したのち、JIS
K6221-1982に準拠してジブチルフタレート吸油量(以
下、「DBP吸油量」という。)を測定する。
沃素吸着量 JIS K6621-1982に準拠して測定する。
実施例1〜4 第1図、第2図の1及び第2図の2に示す構造のカー
ボンブラック製造炉を使用し、第1表に示す製造条件を
用いて反応させ、冷却水を噴霧して反応を停止させ、サ
イクロン及びバグフィルターを用いてカーボンブラック
を回収した。得られた各カーボンブラックの物性は第1
表に示すとおりであった。
用いたカーボンブラック製造炉の概要、使用燃料、及
び原料炭化水素は下記のとおりであった。
カーボンブラック製造炉 第1反応帯域3の長さ 0.65m 〃 の内側直径 0.45m 外側燃焼ノズル9の数 4個 内側燃焼ノズル11の数 4個 第2反応帯域4の長さ 1.15m 絞り部の内側直径 0.07m 原料供給ノズル数 合計 2個 燃料 種類 石炭ガス 組成(容量%) CO2 2.0 O2 0.5 Cnm 3.0 CO 6.6 H2 54.0 CH4 28.7 N2 5.2 原料 種類 クレオソート油 比重 1.100 炭素分(重量%) 90.5 水素分(重量%) 6.3 粘度(50℃) 10cps 比較例1〜2 高温燃焼ガスを第1反応帯域へ二方向から接線流で導
入し、原料炭化水素を炉軸方向から冷却ジャケット付き
バーナーで導入する公知のカーボンブラック製造炉を使
用して、第1表に示す条件でカーボンブラックを製造し
た。その結果は第1表に示すとおりであった。
比較例3 実施例1における外側及び内側燃焼ノズル用の空気量
及び燃料使用量を第1表に示すように変更して、かつ外
側燃焼ガス噴出流速と内側燃焼噴出流速とが実質的に同
一になるようにし、さらに外側及び内側の燃焼ガス噴出
流が並行するように噴出し、そのほかは実施例1と同様
にしてカーボンブラックを製造した。その結果は第1表
に示すとおりであった。
第1表の結果から明らかなように、本発明の実施例に
よるときは、同一の製造炉を用いて種々の特性を有する
カーボンブラックを製造することができ、原料油当りの
収率も高く、しかも粒子径の小さいカーボンブラックを
得ることができた。
(c) 発明の効果 本発明の製造法によれば、用途等に応じた所望の物性
を有する優れたファーネス法カーボンブラックを高効率
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製法の実施に使用されるカーボンブラ
ック製造炉の要部縦断概略図であり、第2図の1は第1
図のA−A断面概略図、第2図の2は第1図のB−B断
面概略図、第2図の3は第1図のC−C断面概略図であ
る。第3図の1〜4は軸流の分割流の態様例を示す第1
反応帯域の横断面図であり、第4図は原料ノズル説明用
の第2反応帯域の縦断概略図であり、第5図は原料導入
方向の説明図である。 図中の各符号はそれぞれ下記のものを示す。 1……炉体 2……第2反応帯域の絞り部 3……第1反応帯域 4……第2反応帯域 5……第3反応帯域 6……原料炭化水素供給ノズル 7……反応停止用水スプレーノズル 8……外側燃焼ノズル用酸素含有ガスの導入口 9……外側燃焼ノズル 10……内側燃焼ノズル用酸素含有ガスの導入口 11……内側燃焼ノズル イ〜ニ……高温燃焼ガス分割流
フロントページの続き (72)発明者 唐津 正典 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三菱化成株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−163170(JP,A) 特公 昭47−5728(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料及び酸素含有ガス混合物を燃焼させる
    第1反応帯域、得られた高温燃焼ガスを原料炭化水素と
    混合して反応させる絞り部を有する第2反応帯域、及び
    反応停止用冷却水スプレーを備えた第3反応帯域を有す
    る反応炉を用いてカーボンブラックを製造する方法にお
    いて、前記第1反応帯域で得られた高温燃焼ガスを、炉
    軸方向とほぼ同一方向に流れる軸流として、かつ該軸流
    を噴出流速及び/又は噴出ガス温度が互いに異なる二つ
    以上の分割流にして第2反応帯域に導入し、前記第2反
    応帯域においては該高温燃焼ガス軸流を横切る方向に原
    料炭化水素をノズルから導入することを特徴とするカー
    ボンブラックの製造法。
JP1051003A 1989-03-04 1989-03-04 高効率のカーボンブラック製造法 Expired - Fee Related JP2699192B2 (ja)

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