JP2698061B2 - 力量測定器及び力量伝達構造 - Google Patents

力量測定器及び力量伝達構造

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JP2698061B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばキーボー
ド、電話機等に設備されている押圧ボタン、あるいはス
イッチ等に設備されている押ボタン等の押圧力あるいは
引張力を測定するに使用される力量測定器及びそれらの
測定器等に内装使用される力量伝達構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】押圧力あるいは引張力を測定するに使用
する従来の力量測定器のケースの概略構造として、例え
ば図4に示す如き構造のものがある。
【0003】すなわち、1は力量測定器のケースであっ
て、このケース1の内部には、垂直方向の力量伝達ロッ
ド2が挿通されており、この力量伝達ロッド2は、支持
板3を介してケース1内に支持されている。この支持板
3は、薄型の弾性板材であって、その支持板3の板厚方
向にのみ撓み得る構造となっており、力量伝達ロッド2
は、ケース1に対して軸方向には変位可能であるが、力
量伝達ロッドの半径方向には変位不能に保持されてい
る。
【0004】7は、一端がケース1に取付ねじ8を介し
て固定されているセンサープレートであって、このセン
サープレート7の自由端側は、前記力量伝達ロッド2の
上端に連結ピン9を介して連結されている。センサープ
レート7の両端間中央部には感圧素子10が貼着されて
おり、また力量伝達ロッド2の下端にはスイッチ等の被
測定物4に当接又は引かれるアダプタ11が取付けられ
ている。
【0005】このような構造の力量測定器によって、被
測定物4の押圧力、引張力等を測定するには、上記アダ
プタ11を被測定物4に押圧又は引張らせることにより
力量伝達ロッド2は、軸方向に動作し、この力量伝達ロ
ッド2の動作でセンサープレート7が撓み、これにより
感圧素子に歪みが生じて、力量伝達ロッド2の移動量に
応じて感圧素子から力量検出信号が出力され、これによ
って被測定物の力量を測定することができるものであ
る。
【0006】すなわち、上記力量伝達ロッド2の支持構
造は、ケース1に対して軸方向に撓み得る支持板3と、
センサープレート7とを介して垂直方向のみに移動可能
に支持されており、力量測定時においては、その力量伝
達ロッド2に、力量伝達ロッドの軸方向と平行方向に被
測定力を作用させることで、被測定力がセンサープレー
ト7を介して感圧素子10に有効に伝達され、これによ
り精度の高い力量測定が期待できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記力量測定
器にあっては、力量伝達ロッド2と、センサープレート
7との連結構造が連結ピン9を介しての軸支構造である
ために、例えば力量伝達ロッド2に下方向への引張力
(F)が作用すると、一端が取付ねじ8によってケース
1に固定されているセンサープレート7は、その固定点
を支点とする円弧動作となり、その結果力量伝達ロッド
2はセンサープレート7の固定方向つまり力量伝達ロッ
ド2の軸方向と交叉方向へ引き寄せられることになる。
【0008】この力量伝達ロッド2の軸方向と交叉方向
の移動によって、力量伝達ロッド2に作用する引張力
(F)を、センサープレート7の撓み方向へ効率よく伝
達させることができず、これが原因でセンサープレート
7に貼着させている感圧素子10による精度の高い力量
測定が不可能となる。
【0009】本発明はかかる従来のことに着目してなさ
れたもので、力量伝達ロッドとセンサープレートとの連
結構造において、その力量伝達ロッドの先端とセンサー
プレートの自由端との間を、力量伝達ロッドの軸方向移
動に対しては変位することがないが、力量伝達ロッドの
軸方向と交叉方向の移動に対しては吸収することができ
る板ばねを介して連結することで、力量伝達ロッドの軸
力を精度よくセンサープレートへ伝達させることができ
る力量伝達構造及びこの力量伝達構造を具備せしめた力
量測定器の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1では感圧素子を貼着しかつ一端が固定され
ているセンサープレートと、このセンサープレートの撓
み方向に変位可能に支持されている力量伝達ロッドと、
上記センサープレートの自由端と力量伝達ロッドの先端
とを連結する板ばねとからなり、該板ばねは、可撓弾性
板の板面に、略U字形状のスリットによる枠部と舌片部
を形成し、上記枠部を力量伝達ロッドの先端に固定し、
上記舌片部をセンサープレートの自由端に固定してなる
力量伝達構造であることを特徴としている。
【0011】また請求項2では、請求項1の力量伝達構
造を具備せしめた力量測定器であることを特徴としてい
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に示す実施形
態に基いて詳細に説明するが、本実施形態の構造と、従
来例で説明した構造との同一部分は、従来例で使用した
符号を引用して、その同一構造部分の構造説明は省略す
る。
【0013】すなわち本実施形態では、従来例同様に軸
力計、力量計等の測定器のケース1内部には、力量伝達
ロッド2と、一端が取付ねじ8によってケース1に固定
されるセンサープレート7が内装されているが、本実施
形態で特長としていることは、上記力量伝達ロッド2の
上端と、センサープレート7の自由端との動力伝達構造
にある。
【0014】そこで、この動力伝達構造について、図1
及び図2を基にして説明すると、12は可撓弾性を有す
る薄板を素材として打ち抜き形成されている板ばねであ
って、この板ばね12は、正面方形であって、その正面
中央部には、U字形のスリット13によって、周囲の枠
部14と中央部の舌片部15が形成されている。上記枠
部14には、取付孔16が、また舌片部15には取付孔
17がそれぞれ穿設されている。
【0015】上記力量伝達ロッド2の上端には、上記板
ばね12枠部14の下縁を嵌入する溝18が形成されて
おり、この溝18内に、上記枠部14の下縁を差し込
み、次いでこの力量伝達ロッド2に設けた取付孔19
と、前記取付孔16とを合致させた上で、これら取付孔
19,16内に取付ねじ20を螺合することによって、
力量伝達ロッド2と板ばね12の枠部14とが一体に固
定される。
【0016】次いで舌片部15の下縁をセンサープレー
ト7の自由端側上面に形成した溝21内に差し込み、次
いでその舌片部15に形成されている取付孔17とセン
サープレート7の自由端に形成した取付孔22とを合致
させた上で、これらの取付孔17,22内に取付ねじ2
3を螺合することによって、板ばね12の舌片部15と
センサープレート7とが一体に固定される。
【0017】従って、力量伝達ロッド2の上端と、セン
サープレート7の自由端部とは、垂直に位置される板ば
ね12を介して連結される。
【0018】次にその作用について述べると、力量伝達
ロッド2に軸力が生じていないときは、図3(ロ)で示
すように、板ばね12は垂直位置であり、かつセンサー
プレート7も無負荷状態である。
【0019】そこで今力量伝達ロッド2に、図3(イ)
で示すように下方向へ軸力(引張力)が作用すると、力
量伝達ロッド2の引張力が板ばね12を介してセンサー
プレート7に伝達され、その結果力量伝達ロッド2の引
張力に応じてセンサープレート7が下方向へ撓まされる
ことになる。このときに生じる上記センサープレート7
の撓みによる該センサープレート7の力量伝達ロッド2
の軸方向と交叉する方向のずれ△Lは、板ばね12の枠
部14の湾曲と舌片部15の傾き動作とによって吸収さ
れ、力量伝達ロッド2にあっては、該力量伝達ロッド2
が軸方向と交叉する方向へ変位されることが殆どない。
従って力量伝達ロッド2の引張力を効率よくセンサープ
レート7へ伝達せしめることができる。
【0020】同様にして力量伝達ロッド2に図3(ハ)
に示すように、上方向への軸力(押動力)が作用する
と、力量伝達ロッド2の押動力が板ばね(ロ)を介して
センサープレート7に伝達され、その結果力量伝達ロッ
ド2の押動力に応じてセンサープレート7が上方向へ撓
まされることになる。
【0021】このときに生じる上記センサープレート7
の撓みによる該センサープレート7の力量伝達ロッド2
の軸方向と交叉する方向のずれ△Lは、板ばね12の枠
部14の湾曲と、舌片部15の傾き動作とによって吸収
され、力量伝達ロッド2にあっては、該力量伝達ロッド
2が軸方向と交叉する方向へ変位されることが殆どな
い。従って力量伝達ロッド2の引張力を効率よくセンサ
ープレート7へ伝達せしめることができる。
【0022】
【発明の効果】このように、本発明によれば、力量伝達
ロッド2の先端と、センサープレート7の自由端とを、
板厚方向へ変位し得る枠部14と舌片部15を有する板
ばね12を介して連結したことにより、センサープレー
ト7の撓みにより力量伝達ロッド2が軸方向と交叉方向
に変位しようとしても、その変位を板ばね12により吸
収され、力量伝達ロッド2に作用する軸力のみをセンサ
ープレート7に伝達することができるので、該センサー
プレート7に貼着してある感圧素子により力量伝達ロッ
ドに作用された軸力の測定が精度よくなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明よりなる力量測定器の実施形態を示した
要部断面図。
【図2】本発明よりなる力量伝達構造の分解斜視図。
【図3】(イ)、(ロ)、(ハ)は本発明実施形態の力
量伝達構造の作用を示した説明図。
【図4】従来の力量測定器を示した概略構造説明図。
【符号の説明】
1…ケース 2…力量伝達ロッ
ド 3…支持板 7…センサープレ
ート 8…取付ねじ 9…連結ピン 10…感圧素子 11…アダプタ 12…板ばね 13…スリット 14…枠部 15…舌片部 16…取付孔 17…取付孔 18…溝 19…取付孔 20…取付ねじ 21…溝 22…取付孔 23…取付ねじ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感圧素子(10)を貼着しかつ一端がケ
    ース(1)に固定されているセンサープレート(7)
    と、このセンサープレート(7)の撓み方向に変位可能
    に支持されている力量伝達ロッド(2)と、上記センサ
    ープレート(7)の自由端と力量伝達ロッドの先端とを
    連結する板ばね(12)とからなり、該板ばね(12)
    は、可撓弾性板の板面に、略U字形状のスリット(1
    3)による枠部(14)と舌片部(15)を形成し、上
    記枠部(14)を力量伝達ロッド(2)の先端に固定
    し、上記舌片部(15)をセンサープレート(7)の自
    由端に固定してなることを特徴とする力量伝達構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の力量伝達構造を具備せし
    めたことを特徴とする力量測定器。
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