JP2698043B2 - 混合ガスの分離方法およびそれに用いる装置 - Google Patents

混合ガスの分離方法およびそれに用いる装置

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JP2698043B2
JP2698043B2 JP5353126A JP35312693A JP2698043B2 JP 2698043 B2 JP2698043 B2 JP 2698043B2 JP 5353126 A JP5353126 A JP 5353126A JP 35312693 A JP35312693 A JP 35312693A JP 2698043 B2 JP2698043 B2 JP 2698043B2
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明 吉野
洋実 木山
敦彦 三歩一
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大同ほくさん株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気や排ガス等の混合
ガスから特定の成分ガスを分離する方法およびそれに用
いる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気等の混合ガスから窒素,酸素等の特
定成分ガス(製品ガス)を分離する方法としては多種の
方法があるが、最近では、吸着剤を用いた分離方法が、
装置の設計の容易さや、設備費の安価なことから広く用
いられている。このような、吸着剤を用いた分離方法
は、一般にPSA法と呼ばれ、複数の吸着塔内に吸着剤
を充填し、これらの吸着塔に対する混合ガスの供給、特
定成分ガスの吸着、特定成分ガスの脱着、吸着剤の再生
という操作を弁の切替えによって交互に行うようになっ
ている。そして、原料ガスの供給は、加圧状態で行わ
れ、特定成分ガスの脱着は、常圧または真空吸引によっ
て行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このPSA法による装
置では、上記各操作を順次行うことから、弁の開閉回数
が極めて多くなって、弁の寿命が短くなると同時に、弁
の頻繁な開閉により吸着塔内における圧力変動が大きく
なり、その結果、特定成分ガスの純度変動が大きくなる
という難点が生じている。また、均圧時等大量ガスの瞬
間的流入による騒音発生が不可避である。さらに、この
装置では、各吸着塔を平面配置とせざるを得ず、広大な
スペースを要する。
【0004】そこで、本発明者らは、上記PSA法の欠
点を解消すべく一連の研究を重ねた結果、吸着塔内に粒
状吸着剤を層状に溜めて徐々に流下させる一方、下から
原料ガスを吹き出して両者を向流接触させ、混合ガス中
の易吸着ガスを吸着剤に吸着させ、吸着塔外でこれを再
生して循環使用するという画期的な方法を開発し、すで
に出願している(特願平4−56659、平成4年2月
8日出願)。
【0005】この方法によれば、従来のPSA法による
装置のように、多数の弁およびその頻繁な開閉が不要と
なる上、圧力変動が極めて少なくなり製品ガスの純度ば
らつきが少なくなる等の利点がある。しかし、実際に上
記方法によって装置を稼働させてみると、粒状吸着剤の
循環使用を繰り返すにつれて、吸着剤がバルブ通過時に
開閉する弁に噛み込まれたり、吸着剤同士が接触した
り、吸着剤が槽壁面に衝突したりして、粉化することが
多く、粉化物が多量に混在するようになると、装置内で
圧力変動が生じて製品ガスの純度に影響を及ぼすことが
わかった。このため、上記粉化物を、いちいち分級機で
除去し、その分だけ不足する吸着剤を補充するようにし
ているが、このようにすると、ランニングコストが高く
なり、手間も煩雑になって処理効率が悪いという不具合
を生じる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、弁の頻繁な開閉の不要化を実現し、しかも粒状
吸着剤の粉化が抑制され圧力変動にもとづく純度ばらつ
きが生じることのない優れた混合ガスの分離方法および
それに用いる装置の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、粒状吸着剤を所定量ずつ多孔付容器内に
封入してなる吸着体群を、第1の密封空間内に層状に滞
留させる滞留工程と、吐出口が上記吸着体群の層内に延
びるノズルから原料混合ガスを吹き出し混合ガス中の易
吸着ガスを吸着体内の粒状吸着剤に吸着させ難吸着ガス
を残す吸着分離工程と、上記層状に溜まった吸着体群を
上記第1の密封空間の下側に配設され上記第1の密封空
間とは別個に形成された第2の密封空間内に上記吸着体
の自重により徐々に下方に移動させる移動工程と、上記
第2の密封空間内において吸着体内の粒状吸着剤から易
吸着ガスを脱着させ粒状吸着剤を再生する脱着再生工程
と、上記粒状吸着剤が再生された吸着体群を上記滞留工
程に戻す返送工程とを備えている混合ガスの分離方法を
第1の要旨とし、粒状吸着剤を所定量ずつ多孔付容器内
に封入してなる吸着体群と、上記吸着体群を内蔵する吸
着塔と、上記吸着体内の粒状吸着剤を再生する再生槽
と、原料混合ガスを上記吸着塔に導入する混合ガス供給
手段と、混合ガスから分離されたガスを導出する導出手
段を備えた混合ガス分離装置において、上記吸着塔内に
仕切棚が設けられその上に上記吸着体群が上昇ガスと向
流接触しながら層状に溜められるようになっており、こ
の仕切棚の下側の吸着塔の部分に上記混合ガス供給手段
の先端が接続され、この混合ガス供給手段の先端の下側
に上記再生槽が接続され、上記仕切棚の上側の吸着塔の
部分に上記再生槽から延びる吸着体返送手段の先端が接
続され、上記仕切棚には混合ガス吹出用のノズルが設け
られているとともに吸着体群をその吸着体の自重により
徐々に流下させるための流下孔が設けられ、上記ノズル
の先端開口部は上記吸着体群の層内に位置決めされ、か
つ吸着体の侵入防止がなされている混合ガス分離装置を
第2の要旨とする。
【0008】
【作用】本発明は、従来のPSA法のように、吸着塔内
に吸着剤を固定するのではなく、吸着塔の吸着空間等の
第1の密封空間に、粒状吸着剤を所定量ずつ多孔付容器
内に封入してなる吸着体群を層状に溜め、この層状に溜
められた吸着体群に、ノズルから原料となる混合ガスを
吹き出し、その吹き出し圧によって上記吸着体群と混合
ガスとを向流接触させ、混合ガス中の易吸着ガスを吸着
体内の粒状吸着剤に吸着させる。ついで、上記易吸着ガ
スを吸着した吸着体を、上記第1の密封空間とは別個の
第2の密封空間内に徐々に移動させ、そこで易吸着ガス
を脱着させると同時に、吸着剤内の粒状吸着剤の再生を
行う。そして、再生された吸着体を再び第1の密封空間
に戻して循環再使用する。このように、本発明の方法
は、吸着体群を移動させながら、その移動の過程で易吸
着ガスの吸着と脱着を行い吸着体を循環再使用するた
め、従来のPSA法による装置のように、多数の弁なら
びに頻繁な弁の開閉が不要となるうえ、圧力変動が極め
て少なくなって製品ガスの純度ばらつきも生じなくな
る。そのうえ、本発明によれば、吸着能を有する粒状吸
着剤が、所定量ずつ多孔付容器内に封入されているた
め、大量の粒状吸着剤同士が直接擦り合ったり密封空間
の壁面に押圧されたりすることがなく、一定の自由度が
確保されているため、吸着体群が循環移動しても中の粒
状吸着剤が粉化することが殆どない。したがって、粉化
物による圧力変動が生じず、より一層製品ガスの純度を
高めることができる。そして、上記吸着体群を使用する
ことで、分級機による粉化物の除去が不要となり、ラン
ニングコストを低く抑えることができる。
【0009】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0010】本発明が対象とする混合ガスの分離とは、
例えば、空気、または工業用ガス製造過程中の混合ガス
からの特定有効ガス(例えばH2 、CO、ハイドロカー
ボン類等のあらゆる有効ガス)の濃縮,回収、あるいは
有害ガスを含んだガスの浄化等があげられる。
【0011】また、本発明で用いる粒状吸着剤として
は、ゼオライト,シリカゲル,活性アルミナ,活性炭等
の粒状物があげられ、単独でもしくは併せて用いられ
る。例えば、窒素の吸着剤としてはゼオライトモレキュ
ラーシーブ、酸素の吸着剤としてはカーボンモレキュラ
ーシーブ、炭酸ガスに対してはゼオライトモレキュラー
シーブ等が用いられる。また、除湿用としてはシリカゲ
ル,活性アルミナが好適に用いられ、空気中のハイドロ
カーボンの吸着に対しては活性炭等が用いられる。な
お、このような吸着剤は、移動時に粉化しないよう一定
の強度を有する粒状に成形することが必要である。そし
て、その形状は、吸着効率の点で球状が好ましいが、偏
平状であってもペレット状であっても、あるいは細粒状
であっても差し支えない。また、粒状吸着剤の粒度は、
これを封入する多孔付容器の孔から脱落しない程度で、
かつ充分な吸着性能を発揮しうる程度の大きさであるこ
とが必要で、例えば1.5〜5mm程度の粒径に設定す
ることが好適である。
【0012】上記粒状吸着剤を所定量ずつ封入する多孔
付容器としては、どのような形状のものでもよいが、循
環移動させるために、大量のものが滑らかに流動するよ
うな形状に設定する必要がある。例えば、球状や円筒状
に設定することが好適である。そして、容器は、内部に
封入した粒状吸着剤と、原料ガスとが充分に接触するよ
う、その壁面を、金網,多孔板等の多孔材で構成しなけ
ればならない。また、壁面の一部には、粒状吸着剤充填
用の蓋付き開口が形成されていなければならない。上記
多孔付容器の多孔の各孔の大きさは、30〜100メッ
シュ程度に設定することか好適であり、容器自体の寸法
は、最大径が20〜50mm程度に設定することが好適
である。なお、上記多孔付容器には、ライニング処理
(テフロンコーティング等)を施しておくことが好適で
ある。
【0013】つぎに実施例について説明する。
【0014】
【実施例】図1は、本発明を、空気から酸素を分離して
製品ガスとして取り出す方法に適用した一実施例の装置
を示している。この装置において、4は吸着塔で、内部
には、図2に示すような、球状の金網容器50(網目3
0メッシュ程度、目開き0.59mm)にゼオライトモ
レキュラーシーブ51(粒径l.6mm)を封入した吸
着体52が多数、層状に滞留するようになっている。
【0015】上記吸着塔4の下側には、ロータリーバル
ブ18を介して緩衝槽19が設けられ、その下側には、
同じくロータリーバルブ20を介して脱着再生槽5が設
けられている。そして、さらにその下側には、ロータリ
ーバルブ21を介して緩衝槽22が設けられ、その下端
に、ロータリーバルブ22aを介して吸着体52の搬送
路23の一端側が接続されている。また、上記搬送路2
3の他端側は、上記吸着塔4の上端部に接続されてい
る。
【0016】上記装置において、原料空気は、エアフィ
ルター1を経由し、吸着式の連続式除湿装置2を通り、
ブロアー3で加圧され、上記脱着再生槽5の熱交換器5
a内に送入されるようになっている。この脱着再生槽5
は、上記吸着塔4内において窒素ガス(易吸着性ガス)
を吸着した吸着体52(正確には窒素ガスは吸着体52
内のゼオライトモレキュラーシーブ51に吸着される)
から窒素ガスを脱着させ、吸着体52の再生(正確には
ゼオライトモレキュラーシーブ51の再生)を行うとこ
ろであり、真空ポンプ6によって常時減圧状態になって
いる。
【0017】上記熱交換器5aは、上記のような吸着体
52を加熱し、窒素ガスの脱着を促進する。すなわち、
吸着体52内のゼオライトモレキュラーシーブ51は、
ガスの吸着時に発熱し、脱着時に吸熱する。そのため、
上記脱着再生槽5内において、窒素ガスの脱着が進行す
るに従ってゼオライトモレキュラーシーブ51の温度が
低下し、それによって窒素ガスの脱着がしにくくなる。
この実施例では、上記熱交換器5aによってブロアー3
の圧縮熱を原料空気に帯同させ、その圧縮熱によって上
記ゼオライトモレキュラーシーブ51を加熱し、その温
度低下を抑制する。したがって、窒素ガスの脱着速度等
が低下せず、効率よく吸着体52を再生することができ
る。
【0018】このようにして吸着体52を加熱した原料
空気は、アフタークーラー7で冷却され、さらに水冷式
の冷却装置8で冷却され、−40〜40℃の温度範囲内
に制御され吸着塔4内に導入される。
【0019】上記吸着塔4の内部は、2枚の仕切棚9,
10によって上下に三分割されており、仕切棚9と10
との間の空間が吸着空間11になっている。上記仕切棚
9には、図3およびその平面図である図4に示すよう
に、原料空気吹き出し用のノズル12が複数個植設され
ているとともに、吸着体52を徐々に流下させるための
流下孔13が複数個形成されている。上記ノズル12の
先端開口には、金網12aが設けられ、吸着体52の侵
入防止がなされている。また、流下孔13からは流下ノ
ズル13aが垂下しており、吸着体52を均一な分布状
態で流下させるようになっている。15は仕切棚9の下
方に原料空気導入空間を設けるために形成された遮断板
であり、上記流下ノズル13aは、この遮断板15を貫
通して下方に延びている。
【0020】仕切棚9の上に貯溜された吸着体52は、
ノズル12から吹き出す原料空気の吹き出し圧力によ
り、原料空気中の易吸着ガスである窒素ガスを吸着し、
下部のものより流下孔13および流下ノズル13aを経
由して下方に流下する。一方、吸着空間11の上部に
は、酸素ガスが溜まる。すなわち、原料空気中の窒素ガ
スが上記吸着体52によって吸着除去される結果、酸素
ガスが残留し吸着空間11の上部に溜まる。
【0021】上記吸着空間11の天井を構成する仕切棚
10は、図5に示すような構造になっている。この仕切
棚10には、図3に示す仕切棚9と同様、金網12aを
有するノズル12と、ノズル13aを備えた流下孔13
とが設けられている。ただし、遮断板15′の中央部に
は切欠穴15aが形成され、この穴15aから、吸着空
間11の上部に溜まった酸素ガスが導入される。導入さ
れた酸素ガスは、製品ガス取り出しパイプ16から導出
されるが、その一部は、ノズル12を経由し、さらに吸
着体52の層内を上方に通過し、排気パイプ17から外
部に排気される。これにより、吸着塔4内の圧力がほぼ
均一に保たれる。
【0022】なお、上記吸着塔4内において、仕切棚9
に設けられた流下孔13,ノズル13aを経て下方に流
下した吸着体(窒素ガスを吸着している)52は、常時
反時計方向に定速回転しているロータリーバルブ18に
よって下方の第1の緩衝槽19に流下される。この第1
の緩衝槽19は、加圧状態にある吸着塔4と、先に述べ
た真空状態にある脱着再生槽5との間の圧力差を緩衝す
る作用を有し、脱着再生槽5内の真空状態を保つ。そし
て、上記第1の緩衝槽19の下側にも常時反時計方向に
定速回転するロータリーバルブ20が設けられており、
緩衝槽19内の吸着体52を徐々に脱着再生槽5内に送
入するようになっている。
【0023】上記脱着再生槽5は、先に述べたように、
真空ポンプ6の真空吸引力によって減圧状態(好ましく
は10〜500トール)に減圧されており、かつ熱交換
器5aの作用によって加熱されていることから、窒素ガ
スの脱着が効率よく行われる。窒素ガスが脱着され再生
された吸着体52は、脱着再生槽5の下側に設けられ常
時反時計方向に定速回転するロータリーバルブ21によ
って第2の緩衝槽22内に送入される。この第2の緩衝
槽22は、吸着塔4内の圧力が搬送路23を介して上記
脱着再生槽5内に直接影響しないよう緩衝する作用を有
する。そして、上記第2の緩衝槽22の下側にも反時計
方向に常時定速回転する第4のロータリーバルブ22a
が設けられており、再生された吸着体52を搬送路23
内に常時定量供給するようになっている。
【0024】上記搬送路23内には、水平部分23aに
搬送用ベルトコンベア(図示せず)が設けられていると
ともに、垂直部分23bにバケットコンベア(図示せ
ず)が設けられており、吸着体52を水平方向に移送し
たのち垂直方向に移送し、吸着塔4の上部に接続される
傾斜部23cを経由して、吸着塔4内に返送するように
なっている。
【0025】このように、上記装置によれば、吸着体5
2を循環使用しながら、吸着塔4の下方から原料空気を
圧送し、吸着空間11内で吸着体52と原料空気を向流
接触させて窒素ガスを吸着体52に吸着させ、この吸着
体52を流下させて脱着再生槽5内で窒素ガスを吸着体
52から脱着除去し、吸着塔4内に残留する酸素ガスを
製品酸素ガスとして取り出すことができる。
【0026】このようにして得られた製品酸素ガスの純
度は95%であり、極めて良好な成績であった。これに
対して従来のゼオライトモレキュラーシーブを詰めた三
塔式PSA装置を用いて得られた酸素ガスの純度は93
%であった(上記PSA装置は、上記実施例のガス分離
装置と同等の性能を有する)。
【0027】なお、図1の実施例では、真空ポンプ6か
ら真空排気し、得られる窒素ガスを大気中に放出してい
るが、窒素ガスが必要な場合には上記窒素ガスを大気中
に放出するのではなく、製品窒素ガスとして回収するよ
うにしてもよい。
【0028】図6は製品酸素ガスとともに製品窒素ガス
を製造する実施例を示している。この実施例では、真空
排気路6aから製品窒素ガスの一部を吸着塔4に還流さ
せ、吸着体52中を再度通過させることにより窒素ガス
の純度を高め、しかも酸素収率の向上を図るようにして
いる。より詳しく説明すると、この実施例では、図1に
おける仕切棚9のブロック(図3参照)に、図7に示す
ように排気路30を設け、この仕切棚9のブロックの下
側に、さらに仕切棚9のブロックと同様の仕切棚9′を
新たに設け、この仕切棚9′のブロックに排気路6aか
ら延びる還流路6a′を接続している。そして、還流路
6a′を経由して最下段の仕切棚9′のブロックに投入
された窒素ガスは、仕切棚9′のノズル12から上方に
噴出して仕切棚9′上に溜められた吸着体52の層内に
吹き出し、窒素のみが吸着されてノズル13aから吸着
塔4の最下段に流下し、不純分は上方に移動し排気路3
0から排気される。他の部分は上記図1の装置と同様で
あり、同一部分に同一番号を付している。この装置によ
れば製品窒素の純度が一層向上する。このようにして得
られた製品窒素ガスの純度は、99.9%であった。な
お、この実施例の装置と略同様の性能を有する固定床式
PSA装置で得られる製品窒素ガスの純度は、88%程
度であった。また、従来の固定床PSAの酸素収率は5
0%前後であるが、本実施例では92%の高収率が得ら
れた。
【0029】なお、これらの実施例において、使用する
吸着体52は、図2に示すように、球状の金網容器50
にゼオライトモレキュラーシーブ51等の吸着剤を封入
したものに限らず、例えば図8に示すように、円筒状の
金網容器50′に吸着剤を封入したもの等を用いても差
し支えはない。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法は、吸着塔
の吸着空間等の第1の密封空間に、粒状吸着剤を所定量
ずつ多孔付容器内に封入してなる吸着体群を層状に溜
め、この層状に溜められた吸着体群に、ノズルから原料
となる混合ガスを吹き出し、その吹き出し圧によって上
記吸着体群と混合ガスとを向流接触させ、混合ガス中の
易吸着ガスを吸着体内の粒状吸着剤に吸着させて上記第
1の密封空間とは別個の第2の密封空間内で易吸着ガス
を脱着させ吸着剤内の粒状吸着剤の再生を行って循環使
用することにより、難吸着ガスと易吸着ガスとを精度よ
く分離することができる。そして、本発明の方法によれ
ば、吸着体群を移動させながら、その移動の過程で易吸
着ガスの吸着と脱着を行い吸着体を循環再使用するた
め、従来のPSA法による装置のように、多数の弁なら
びに頻繁な弁の開閉が不要となるうえ、圧力変動が極め
て少なくなって製品ガスの純度ばらつきも生じなくな
る。そのうえ、本発明の方法では、吸着能を有する粒状
吸着剤が、所定量ずつ多孔付容器内に封入されているた
め、大量の粒状吸着剤同士が直接擦り合ったり密封空間
の壁面に押圧されたりすることがなく、一定の自由度が
確保されているため、吸着体群が循環移動しても中の粒
状吸着剤が粉化することが殆どない。したがって、粉化
物による圧力変動が生じず、より一層製品ガスの純度を
高めることができる。そして、上記吸着体群を使用する
ことで、分級機による粉化物の除去が不要となり、ラン
ニングコストを低く抑えることができる。しかも、本発
明の装置は、限られたスペース内に立体的に組むことが
できるため、所要敷地面積を大幅に縮小することができ
る。そして、希望する需要に応じて吸着剤の循環量、再
生手段における再生度(真空圧,温度等)の可変コント
ロールを行うことにより、容易に製品量、製品純度を変
更することができ、その所要エネルギーは比例的に追随
して損失を伴わないという利点を有する。そのうえ、第
1の密封空間と第2の密封空間とがそれぞれ別々に形成
されているため、第2の密封空間での脱着再生時の加熱
や減圧等の影響が第1の密封空間におよびにくいという
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図である。
【図2】上記実施例に用いる吸着体の説明図である。
【図3】図1において丸で囲った部分Aの拡大図であ
る。
【図4】同じく丸で囲った部分Aの拡大平面図である。
【図5】図1の丸で囲った部分Bの拡大図である。
【図6】本発明の他の実施例の構成図である。
【図7】図6の丸で囲った部分A′の拡大図である。
【図8】上記実施例に用いる吸着体の変形例の説明図で
ある。
【符号の説明】
4 吸着塔 5 脱着再生槽 6 真空ポンプ 9,10 仕切棚 11 吸着空間 12 ノズル 13 流下孔 16 製品酸素ガス取り出しパイプ 17 排気パイプ 18,20,21,22a ロータリーバルブ 23 搬送路 50 金網容器 51 ゼオライトモレキュラーシーブ 52 吸着体

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状吸着剤を所定量ずつ多孔付容器内に
    封入してなる吸着体群を、第1の密封空間内に層状に滞
    留させる滞留工程と、吐出口が上記吸着体群の層内に延
    びるノズルから原料混合ガスを吹き出し混合ガス中の易
    吸着ガスを吸着体内の粒状吸着剤に吸着させ難吸着ガス
    を残す吸着分離工程と、上記層状に溜まった吸着体群を
    上記第1の密封空間の下側に配設され上記第1の密封空
    間とは別個に形成された第2の密封空間内に上記吸着体
    の自重により徐々に下方に移動させる移動工程と、上記
    第2の密封空間内において吸着体内の粒状吸着剤から易
    吸着ガスを脱着させ粒状吸着剤を再生する脱着再生工程
    と、上記粒状吸着剤が再生された吸着体群を上記滞留工
    程に戻す返送工程とを備えていることを特徴とする混合
    ガスの分離方法。
  2. 【請求項2】 上記第2の密封空間が加熱および減圧さ
    れている請求項1記載の混合ガスの分離方法。
  3. 【請求項3】 原料混合ガスが予め圧縮機によって加圧
    されており、上記第2の密封空間が、上記圧縮機の圧縮
    熱を利用して加熱されている請求項1または請求項2記
    載の混合ガスの分離方法。
  4. 【請求項4】 粒状吸着剤を所定量ずつ多孔付容器内に
    封入してなる吸着体群と、上記吸着体群を内蔵する吸着
    塔と、上記吸着体内の粒状吸着剤を再生する再生と、
    原料混合ガスを上記吸着塔に導入する混合ガス供給手段
    と、混合ガスから分離されたガスを導出する導出手段を
    備えた混合ガス分離装置において、上記吸着塔内に仕切
    棚が設けられその上に上記吸着体群が上昇ガスと向流接
    触しながら層状に溜められるようになっており、この仕
    切棚の下側の吸着塔の部分に上記混合ガス供給手段の先
    端が接続され、この混合ガス供給手段の先端の下側に上
    記再生槽が接続され、上記仕切棚の上側の吸着塔の部分
    に上記再生槽から延びる吸着体返送手段の先端が接続さ
    れ、上記仕切棚には混合ガス吹出用のノズルが設けられ
    ているとともに吸着体群をその吸着体の自重により徐々
    に流下させるための流下孔が設けられ、上記ノズルの先
    端開口部は上記吸着体群の層内に位置決めされ、かつ吸
    着体の侵入防止がなされていることを特徴とする混合ガ
    ス分離装置。
  5. 【請求項5】 上記吸着塔と再生槽との間に、両者の圧
    力差を緩衝する緩衝槽が設けられている請求項記載の
    混合ガス分離装置。
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