JP2697917B2 - 三次元座標計測装置 - Google Patents

三次元座標計測装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、商品、工業部品、地形等の三次元構造物等
の形状を測定するために使用することができ、例えばCA
Dのための形状データの入力やロボットの視覚制御に利
用することができる三次元座標計測装置に関する。
(従来の技術) 三次元的な構造を有する計測対象物の三次元座標を計
測する手法は、従来から種々開発されており、その一つ
として運動立体視法がある。この手法は、ビデオカメラ
等の画像入力部を運動させて撮影位置を変化させながら
計測対象物を連続的に撮像し、この結果得られた画像上
の計測対象物の動きから計測対象物の各部分に対する三
次元座標を求める計測方法であり、画像上の投映像の動
きは画像入力部と計測対象物との距離が近いほど速いと
いう性質を利用した方法である。
画像入力部を移動させて連続的に得られた多重画像間
において計測対象物の像の対応する点同士を決定するこ
とによって、その対応点の画像上の移動速度が求められ
る。
第8図は従来の運動立体視法の一例を示す説明図であ
る。同図において、レンズ中心103を有するビデオカメ
ラ等の画像入力部によって計測対象物101を撮像し、こ
の撮像した計測対象物101の画像が撮像面105に結像され
る場合に、画像入力部を移動させてそのレンズ中心103
をX軸に沿ってV0,V1,V2と移動させると、計測対象物10
1の計測対象点pの像はそれぞれpi0,pi1,pi2として得ら
れる。この場合に、画像入力部が直線運動をするととも
に、更に撮影光軸方向が運動方向に垂直である時には、
画像の対応点はエピポーラ直線107と呼ばれる運動方向
と平行な直線上を移動する。従って、多重画像間のエピ
ポーラ直線107上を対応点探索することによって対応点
の速度が求められ、画像入力部の移動速度を用いて対応
点の三次元座標を決定することができる。
第9図は第8図の画像入力部である撮像装置における
光学モデルを示す。撮像装置の移動速度をx′、撮像面
105からレンズ中心103までの距離をf、計測対象物101
の点Pの座標を(X,Y,Z)、計測対象点Pの撮像面105上
の像piの撮像面における座標を(u,v)、像piの撮像面
上の移動速度をu′とすると、 X/Z=u/f (1) Y/Z=v/f (2) から Z=fx′/u′ (3) X=ux′/u′ (4) Y=xx′/u′ (5) となり、計測対象点Pの三次元位置が決定される。
(発明が解決しようとする課題) 上述した従来の運動立体視法による測定においては、
画像入力部の移動方向が撮像光軸方向に垂直な直線運動
に限定されており、画像入力部の任意の運動時に適用す
ることが困難であるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的と
するところは、画像入力部の任意の6自由度を有する運
動時においても三次元計測を行うことができる三次元座
標計測装置を提供することにある。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明の三次元座標計測装
置は、物体の画像を運動しながら撮像して入力する画像
入力手段と、該画像入力手段の運動情報を入力する運動
情報入力手段と、前記画像入力手段から入力された複数
の画像を球面投影変換するとともに、前記運動情報入力
手段から入力された運動情報を用いて複数の画像のエピ
ポーラ円弧を抽出し、前記複数の画像の中の個々の画像
間の対応点探索範囲を限定する対応点探索範囲限定手段
と、該対応点探索範囲限定手段で限定された対応点探索
範囲から対応点を探索する対応点探索手段と、該対応点
探索手段で決定された対応点から三次元座標を抽出する
三次元座標抽出手段と、該三次元座標抽出手段で抽出さ
れた三次元座標を出力する出力手段とを有することを要
旨とする。
(作用) 本発明の三次元座標計測装置では、画像入力手段から
入力された複数の画像を球面投影変換し、運動情報入力
手段から入力された運動情報を用いて複数の画像のエピ
ポーラ円弧を抽出するとともに、限定された対応点探索
範囲から対応点を探索し、この対応点から三次元座標を
抽出して出力している。
(実施例) 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の一実施例に係わる三次元座標計測装
置の構成図である。同図に示す三次元座標計測装置は、
計測対象物1を撮像するビデオカメラ等からなる画像入
力部3を有する。この画像入力部3は6軸マニピュレー
タ5によって支持され、これにより太い矢印4で示すよ
うに任意の方向に運動可能であり、運動しながら計測対
象物1を撮像することができるようになっている。該画
像入力部3によって位置を変えながら計測対象物1を多
数回撮像して得られた多数の画像は対応点抽出部7に供
給され、ここで多数の画像の中から計測対象物1の各部
分の対応点を決定して抽出するようになっている。この
対応点抽出部7で抽出された計測対象物1の各部分の対
応点情報は三次元座標抽出部9に供給され、また該三次
元座標抽出部9には運動情報入力部13から画像入力部3
の運動情報が供給されるようになっており、これにより
三次元座標抽出部9は対応点抽出部7で抽出された画像
上の対応点から写像速度を算出し、計測対象物1の各部
分の三次元座標を算出する。なお、運動情報入力部13は
マニピュレータ5の関節角を測定して画像入力部3の運
動情報、すなわち運動軌跡および姿勢を検出する。三次
元座標抽出部9で求められた三次元座標は出力部11から
出力されるようになっている。
次に、更に詳細な構成および作用を説明する前に第2
図ないし第5図を参照して原理を説明する。
従来技術においては、画像入力部の運動を光軸に垂直
な方向の直線運動に限定していたが、画像入力部の運動
の自由度を増すために、本発明の三次元座標計測装置に
おいては球面投影を導入している。すなわち、第2図に
示すように、画像入力部のレンズ中心Oを中心とする球
の表面上に計測対象物1の球面投影15を形成する。17は
平面投影であり、この平面投影17の写像(u,v)を球面
投影15(θ,φ)に変換するには、次式の関係を使用す
る。
u/F=tanθ (6) v/F=tanφ (7) 但し、Fはレンズの焦点距離である。
また、画像入力部3を並進運動させた時の球面上の計
測対象物1の写像は、第3図に示すように、移動方向軸
を極(拡大焦点と呼ぶ)とする経線上を放射状に移動す
る。この経線をエピポーラ円弧19と呼ぶ。なお、第8図
に示したエピポーラ直線107は拡大焦点21を極とすると
きの赤道上の流れの場合に含まれる。エピポーラ円弧を
含む平面を第4図としたときのエピポーラ円弧上の移動
角速度θ′とすると、物体Pの奥行きZは X/Z=tanθ (8) から Z=X′/θ′・cos2θ (9) となる。ここで、X′は画像入力部のカメラの移動速度
である。従って、写像の移動角速度から三次元位置が求
められる。
次に、画像入力部のレンズ中心を回転軸が通る回転運
動を考えると、第5図に示すように写像は球面上を回転
軸23を自転軸としたときの緯線上を移動する。この時、
写像の回転は計測対象物までの距離に関係なく画像入力
部の回転角だけで決定される。画像入力部3の任意の運
動は以上の並進運動成分と回転運動成分の合成されたも
のとして扱える。従って、画像入力部3の運動が解って
いる時、球面に写像された画像から回転運動成分を差引
き、並進運動成分だけを残した多重画像間のエピポーラ
円弧上の対応点を探索決定することにより、計測対象物
の三次元座標を決定できる。
上述した方法から、画像入力部の任意の運動時におい
ても、多重画像間の対応点探索範囲をエピポーラ円弧上
に著しく限定することが可能になり、精度の向上および
計算負荷の軽減が実現できる。
第6図は前述した第1図に示す三次元座標計測装置の
更に詳細な構成を示すブロック図である。この第6図に
示す三次元座標計測装置は、第1図の三次元座標計測装
置における対応点抽出部7が対応点探索範囲限定部7aお
よび対応点探索部7bで構成されることを示したもので、
その他の構成は第1図と同じである。対応点探索範囲限
定部7aは、画像入力部3から入力された画像を球面投影
変換するとともに、運動情報入力部13から入力された運
動情報を用いてエピポーラ円弧を抽出し、対応点探索範
囲を限定するものである。また、対応点探索部7bは、対
応点探索範囲限定部7aで限定された対応点探索範囲から
対応点を探索するものである。
第7図は第6図に示す三次元座標計測装置の更に詳細
な構成を示すが、同図に示すように、前記対応点探索範
囲限定部7aは球面投影変換部41およびエピポーラ円弧抽
出部43で構成され、前記対応点探索部7bは蓄積部51およ
び対応点決定部53で構成される。また、三次元座標検出
部9は写像速度決定部61および三次元座標算出部63で構
成される。
次に、以上のように構成される三次元座標計測装置の
作用を説明する。
画像入力部3が計測対象物1の画像を撮像すると、こ
の画像情報は対応点探索範囲限定部7aの球面投影変換部
41によって読み出され、該球面投影変換部41に供給され
るとともに、また運動情報入力部13がマニピュレータ5
の関節角を測定して画像入力部3の運動情報を検出する
と、この検出した画像入力部3の運動情報は対応点探索
範囲限定部7aのエピポーラ円弧抽出部43によって読み出
され、該エピポーラ円弧抽出部43に供給される。そし
て、対応点探索範囲限定部7aの球面投影変換部41は画像
入力部3から供給される画像情報を球面投影画像に変換
し、またエピポーラ円弧抽出部43は運動情報入力部13か
ら画像入力部3の運動情報が供給されると、球面投影画
像上にエピポーラ円弧を決定し、対応点探索範囲を限定
する。
対応点探索部7bの蓄積部51は、対応点探索範囲限定部
7aで決定されたエピポーラ円弧情報を蓄積し、対応点決
定部53はこの蓄積されたエピポーラ情報から対応点を決
定する。
三次元座標抽出部9の写像速度決定部61は、対応点決
定部53で決定された対応点からその対応点のエピポーラ
円弧上の写像速度を決定する。そして、三次元座標算出
部63は、写像速度決定部61で得られた写像速度と運動情
報入力部13で得られた画像入力部3の速度とから前述し
た式(9)に従って三次元座標を決定する。
上述したように、本実施例によれば、運動立体視法に
よる三次元座標の検出において、球面写像を施し、エピ
ポーラ円弧を決定することにより、多重画像間の同様な
三次元座標を有する範囲、すなわち対応点が存在すると
予想される範囲をエピポーラ円弧上に限定することがで
き、対応点探索に伴う計算量を軽減することができると
ともに、その精度を向上させることができ、より精度の
高い三次元座標が得られる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、平面投影の撮
像系を球面投影に変換する投影変換を行うことにより、
画像入力手段の任意の移動方向および任意の回転方向の
運動、すなわち6自由度を有する運動を可能とし、多重
画像間の対応点探索範囲を二次元から一次元に限定する
ことにより対応点決定を容易にし、対応点探索に伴う計
算量を軽減することができるとともに、画像中の雑音の
影響を受けることなく精度の高い三次元座標が得られ
る。
また、本発明は自然光による測定が可能であり、自然
光中の物体や風景等の三次元座標を測定することがで
き、また画像データベースやCADのための三次元情報を
高精度に入力することができ、更に航空写真による地形
解析や自動車の自動運転、ロボットの視覚制御等にも応
用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係わる三次元座標計測装置
の構成図、第2図は平面投影と球面投影の関係を示す説
明図、第3図は並進運動時の球面写像上の投影像の移動
を示す説明図、第4図はエピポーラ円弧上の写像の移動
を示す説明図、第5図は回転運動時の球面写像上の投影
像の移動を示す説明図、第6図は第1図の三次元座標計
測装置の詳細な構成を示すブロック図、第7図は第6図
の三次元座標計測装置の更に詳細な構成を示すブロック
図、第8図は従来の運動立体視法の一例を示す説明図、
第9図は画像入力部である撮像装置の光学モデルを示す
説明図である。 1……計測対象物、 3……画像入力部、 5……マニピュレータ、 7……対応点抽出部、 7a……対応点探索範囲限定部、 7b……対応点探索部、 9……三次元座標抽出部、 11……出力部、 41……球面投影変換部、 43……エピポーラ円弧抽出部、 51……蓄積部、 53……対応点決定部、 61……写像速度決定部、 63……三次元座標算出部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体の画像を運動しながら撮像して入力す
    る画像入力手段と、該画像入力手段の運動情報を入力す
    る運動情報入力手段と、前記画像入力手段から入力され
    た複数の画像を球面投影変換するとともに、前記運動情
    報入力手段から入力された運動情報を用いて複数の画像
    のエピポーラ円弧を抽出し、前記複数の画像の中の個々
    の画像間の対応点探索範囲を限定する対応点探索範囲限
    定手段と、該対応点探索範囲限定手段で限定された対応
    点探索範囲から対応点を探索する対応点探索手段と、該
    対応点探索手段で決定された対応点から三次元座標を抽
    出する三次元座標抽出手段と、該三次元座標抽出手段で
    抽出された三次元座標を出力する出力手段とを有するこ
    とを特徴とする三次元座標計測装置。
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