JP2696115B2 - 繊維強化気泡石膏セメント板およびその製造方法 - Google Patents

繊維強化気泡石膏セメント板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は繊維強化気泡石膏セメント板およびその製造
方法に関し、例えば、早期硬化性、高強度、高靭性およ
び耐水性を有する壁材等に好適な繊維強化気泡石膏セメ
ント板およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年建築物の高層化に伴い、外壁の乾式化施工と共に
安価で施工性に優れ、さらに耐火、耐水性に優れ、仕上
材の選定が任意に出来る等の特徴を有する外装材の出現
が望まれている。そして現在、高温高圧蒸気養生されて
軽量気泡コンクリート(以下ALC板と略)は、軽量で耐
火・寸法安定性が優れているという長所を持つことか
ら、建築物の外装材として多量に使用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしこれらALC板は吸水性が大であり、それ自体を
外装仕上材として使用する事は難しく、ALC板表面の粗
雑さを伴って下地処理をも含めた外装仕上げが必要であ
る。一方、物性面に於いてALCマトリックス自体は曲げ
強度、引張り強度等が脆弱であり、これらの物性値を確
保するため、一般的には鉄筋が使用されている。しか
し、鉄筋はマトリックスとの接着性に問題があり、ALC
表面より浸透した雨水等によって鉄筋は腐蝕し、鉄錆の
発生による強度低下・外壁の汚れの原因ともなってい
る。施工性に関しては運搬・取付時の角欠け性、また、
現場でのこ引き性に問題を残しており、特にのこ引き性
は鉄筋を使用している関係で特殊な切断機を使用しなけ
ればならない。
石膏建材は、施工が容易で、防火性に優れている等の
長所を有し、防火建材として使用されているが、その半
面、高温で長時間加熱されると結晶水を放出し、温度の
上昇と共に収縮亀裂が発生する。また石膏は水に対する
強度劣化が著しく、建材としての信頼性を欠き、外装材
としては不適当であった。この様に石膏建材は不燃材で
はあるが、耐水性を要求される外装材には使用し得ず、
この点の改善が急務であった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記問題点の解決手段として、 (1) 石膏及びスラグセメント(高炉セメント)を主
材料とし、補強繊維が主材料に対して重量比で0.3%〜2
0%含有されており、かつ、内部に気泡が存在している
軽量成形物板の片面もしくは両面に、目付量30g/m2〜80
0g/m2の不織布が一体化されてなる繊維強化気泡石膏セ
メント板であって、補強繊維及び不織布を構成する繊維
状物の周りにエトリンガイトが存在し、曲げ強度が式
(曲げ強度/(比重))≧50kg/cm2を満足し、タフネ
スが25kg−cm以上であることを特徴とする繊維強化気泡
石膏セメント板。
(2) 石膏及びスラグセメントを主材料とし、補強繊
維を主材料に対して重量比で0.3%〜20%含有してお
り、さらに気泡を含有している繊維強化気泡石膏セメン
トの混練物を、予めベルト上に設置しておいた目付量30
g/m2〜800g/m2の不織布の上に連続的に流し込み、上記
不織布と混練物を一体化させた後、40゜〜100℃で養生
する曲げ強度が式(曲げ強度/(比重))≧50kg/cm2
を満足し、タフネスが25kg−cm以上であることを特徴と
する繊維強化気泡石膏セメント板の製造方法を提供する
ものである。
〔作用〕
本発明者等は、従来技術に認められた問題点の改良に
ついて種々の実験と研究を重ねた結果、半水石膏及びス
ラグセメントを主材料として、これを重量比で2:8〜8:2
の割合に混合したものに適量の気泡を混入し、さらに補
強材として繊維強度5g/デニール以上、単繊維繊度0.1デ
ニール〜50デニール、繊維長さ0.5mm〜50mm、アスペク
ト比(繊維の平均断面積相当の円直径(d)と長さ
(l)の比(l/d)が100〜1200である繊維、例えばポリ
ビニルアルコール繊維を、主材料に対して0.3〜20重量
%添加撹拌してスラリーを形成し、さらに目付量30g/m2
〜800g/m2のポリビニルアルコール繊維、ポリエステル
繊維、ポリプロピレン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリ
アミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、アラミド繊
維、ガラス繊維、炭素繊維を単体もしくは複合体として
使用して作製した不織布を、上記未硬化のスラリーの片
面あるいは両面に一体化させ、そして40〜100℃に加熱
して養生を行うことにより、積極的に石膏の改質を行
い、エトリンガイトを生成させることによりマトリック
ス組織を密にし、かつ、補強材として配合された繊維の
回りにエトリンガイトを生成させることにより、繊維と
マトリックスとの接着力を向上させる。この結果、得ら
れた物性値が、実施例の如く軽量でありながら、曲げ強
度が式(曲げ強度/(比重))≧50kg/cm2以上(以下
BS/ρ≧50kg/cm2と略記する)を満足し、かつ、最大
破壊強度到達時のタフネスが25kg−cm以上の寸法変化が
少なく耐水性に優れた繊維強化気泡石膏セメント板が得
られる。
本発明において補強材として用いられる繊維として
は、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル
繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維(ポリプ
ロピレン繊維など)、アラミド繊維、ガラス繊維、炭素
繊維もしくはこれらの繊維の混合体が挙げられる。特に
ポリビニルアルコール繊維は、OH基を持ち親水性である
ため、マトリックス成分との接着性が極めて良好であ
り、補強材として用いた場合、硬化体の曲げ強度が向上
すると共に、靭性が著しく改善され、耐衝撃性に優れた
材料となる。
補強繊維として使用する場合の繊維長としては、長く
なる程その補強効果が向上するが、成形性と加工性を考
慮した場合、0.5mm〜50mm、特に6mm〜20mmが適当であ
る。一方、添加量としては、主材料に対して0.3乃至20
重量%、特に0.6〜8重量%が適当であり、それ以上で
は繊維の分散が難しく曲げ強度や圧縮強度等の物性値が
低下する傾向にある。
また繊維強度としては、5g/デニール以上が好まし
く、より好ましくは9g/デニール以上であり、繊維強度
が5g/デニール未満の場合には十分な補強効果が得られ
難い。繊維のアスペクト比(以下、AR値と記す)として
は、100〜1200、特に350〜850が好ましい。繊維太さと
しては、0.1デニール〜50デニールが好ましく、特に1.8
デニール〜20デニールとした場合には、分散性の向上、
繊維補強効果、施工性、加工性等に於いて全て効果が発
揮される。
一方、本発明の石膏セメント板に一体化する不織布
も、上記繊維を単体あるいは複合体として用い作製する
ものであるが、不織布の構造としては成形養生工程に於
いて前述のスラリーがベルト上に流出せず、かつ、スラ
リーの硬化時に不織布のアンカー効果により成形体との
剥離の生じない構造とすることが望ましく、より好まし
くは、実施例1あるいは第1図に示すように不織布の構
造を上下2層構造とし、上層と下層との間に密度勾配を
設けるのがよい。すなわち、上層(1)の不織布におい
ては、スラリーと一体化し、アンカー効果を持たすため
目付量を低くし、下層(2)の不織布においては、ベル
トとの離形性を向上させるため、目付量を高くする。具
体的には、上層(1)の目付量を15g/m2〜50g/m2の範囲
に、かつ、通気度(目付量50g/m2の時の)を200cc/cm2
分以上に設定することが望ましく、また、下層(2)の
不織布の目付量を35g/m2〜150g/m2の範囲に、かつ、通
気度(目付50g/m2の時の)を180cc/cm2分以下に設定す
ることが好ましい。なお、通気度(目付量50g/m2の時
の)は、添付の第2図に示すように、所定の目付量の不
織布を、単層状態およびそれを複数枚重ねた積層状態で
それぞれの通気量をそれぞれ測定し、それらの測定値か
ら目付量−通気量曲線を求め、その曲線から目付量を50
g/m2に設定した時の通気量を読取ることにより得られ
る。また上層(1)を構成する繊維としては、アンカー
効果の点でポリビニルアルコール(以下、PVAと記す)
系繊維が特に好ましい。
成形物と一体化された不織布の効果としては、曲げ強
度、引っ張り強度等の物性面に有効に働くばかりでな
く、他の特徴として成形物の表面を平滑とし、建物内外
の仕上面の簡略化、仕上材の選択の自由度が得られる等
の事が挙げられる。
本発明は、上記組成をもつ複合材の成形養生工程に於
いて、一定速度で移動しているベルト上に不織布を敷き
ならし、その上にスラリーを連続的に注入し、10分〜30
分で凝結させ、これを40℃〜100℃の養生器に入れて通
常8時間以上養生あるいは乾燥させて連続的に生産する
事を特徴とするものである。
本発明の硬化物はその早期硬化性の故に、連結成形方
法が採用できる。これにより板材の大きさは、ベルトの
巾によって自在に変えられ連続的な生産によって得られ
た未硬化体を前述の養生条件により乾燥し製造するもの
であり、この様にして作製された繊維補強気泡石膏セメ
ント板は、早期硬化性、高強度、高靭性、耐水性、加工
性に優れていることや、安価な主材料を用い連続的に生
産出来ることなど、建築材料としての価値は極めて大き
い。
本発明に使用する石膏は半水石膏である。半水石膏に
は、α型と一般の焼石膏であるβ型の2種類があるが、
これらはどちらでも適用できるものである。但し、本発
明はスラリーの凝結時間を10分〜30分というように短時
間とする事ができ、初期強度は半水石膏の二水化に存在
しているために、いずれにしても半水石膏であらねばな
らない。α型半水石膏は、β型半水石膏に比べて混水量
が少なくても混練が可能なため、初期強度はβ型半水石
膏を使用したものに比べて大きくなるが、本発明によっ
て得られた硬化体が高強度を示すのは、本質的にスラグ
の水和物(CaO・SiO2・Al2O3・nH2O)と、一部にスラグ
の主成分であるCaO−Al2O3−MgO−SiO2系のガラス質と
が、石膏の刺激を受けてカルシューム及びアルミナを溶
出し、石膏と反応してカルシュームサルホアルミネート
水和物〔3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)(鉱物学的には
エトリンガイト:Ettringite)〕と呼ばれる針状結晶を
生成することによるものである。また、このエトリンガ
イトは、数μm程度の小さな結晶で硬化過程に於いて、
補強繊維の表面に生成され、繊維の接着力を向上させ、
マトリックスの引き抜きを防止するため、補強材として
の繊維の物性を十二分に発揮することができる。また、
このエトリンガイトは、コロイド状、ゲル状間の微細な
空隙にイガグリ状に生成され、組成を密にするため、マ
トリックスの乾燥収縮を防ぎ、ひび割れの防止、寸法安
定性の向上、吸水率の減少等に有効に働くものである。
この様に本発明に於いては半水石膏及びスラグセメン
トからなる水硬性物を硬化させてエトリンガイトを生成
させるものであるが、エトリンガイトを生成させるため
には、半水石膏とスラグセメントとの混合比を重量比で
2:8〜8:2にするのが好ましい。
さらには、本発明に係る繊維強化気泡石膏の主材料と
しては、半水石膏及びスラグセメントを使用するもので
あるが、必要に応じて主材料内に人工軽量骨材(膨張け
つ岩、膨張粘土、膨張スレート、焼成フライアッシュ、
焼成珪藻土、膨張蛭石、膨張真珠岩、膨張黒曜石、膨張
合繊樹脂、ミネラルウール)あるいは天然軽量骨材(火
山レキ)等を単体あるいは複合して用いる事もできる。
さらに、原料中に添加する発泡材の種類としては、動
物性タンパク質、合成樹脂系組成物、石油樹脂、界面活
性材、脂肪族有機酸誘導体、アルキルアリルスルホン酸
塩、ジーメチルシリコン誘導体などがあり、これらを単
体あるいは混合して使用する。このような発泡材を用い
ることにより、成形物中には適度の気泡が含まれている
ようになる。気泡の含有率としては石膏セメント板の密
度が0.4〜1.2g/cm3となる程度が好ましい。次に本発明
の実施例を示す。
〔実施例1〕 本発明は、一定速度で移動しているベルト上にスラリ
ーを押し出し連続成形を行うものであるため、ベルトの
汚れ防止、及びスラリーとの一体化という相反する性質
を持つ不織布が必要であり、第1図に示す如く密度勾配
を持つ2層構造の不織布を使用した。すなわち、混練ス
ラリーが繊維間に容易に流入し繊維と強固に接着して、
アンカー効果を発揮するように、目付量が小さく、か
つ、通気量が大きい嵩高な上層不織布(1)(目付量17
g/m2、通気度210cc/cm2分)と、混練スラリーが繊維間
に浸透し、下方に位置するベルトの表面に流出付着する
のを防止するように目付量が大きく、通気量の小さい下
層不織布(2)(目付量37g/m2、通気度120cc/cm2
分)とを、一体構造に接合することによって、2層構造
の補強体を構成している。なお、通気度は、前述したよ
うに、目付量50g/m2の時の値である。
先ずβ型半水石膏100重量部およびスラグセメント80
重量部からなる主材料に対して、補強繊維として第1表
に示す繊維物性のPVA繊維1.2重量部、ガラス繊維(AR
G)2.4重量部とをそれぞれ別々に添加し、さらに混練水
55重量部と適量の気泡を加えて混練して出来たスラリー
を、前記の不織布を底面に敷ならした鋼製型枠内に流し
込み成形し(配合量は第2表に示す)、80度で24時間蒸
気養生を行い、その後、温度20度、湿度65%の室内で2
週間に亘って気中養生を行った。得られた繊維強化気泡
石膏セメント板について物性値の測定を行いその結果を
第3表に、また、その時の荷重−タワミ曲線を第3図に
示す。この石膏セメント板の厚みは50mmである。
なお、曲げ強度および圧縮強度は、JIS A2113・2111
に準拠して測定した。また、タフネスは、最高破壊強度
に達する迄のタワミ量を、荷重−タワミ曲線と基軸とで
囲まれた面積から読取ることによって求めた。また、荷
重−タワミ曲線は、厚さ50mm、幅100mm、長さ400mmのテ
ストピースを、スパン300mm、中央載荷方式にてインス
トロンTTCMに装着し、荷重の大きさを連続的に変化させ
て測定した。
以上の様に供試体2〜4に示す繊維強化気泡石膏セメ
ント板は、従来の軽量セメント板や軽量石膏板と比べて
著しく優れた曲げ強度と圧縮強度とタフネスを有してい
る。この原因として繊維強化気泡石膏セメント板自体が
PVA繊維により補強されていることと、繊維強化気泡石
膏セメント板の表面に2層構造の不織布が強固に一体化
されており、しかも2層構造不織布が一体化されている
ことより製造工程中においてトラブルなく均質な繊維強
化気泡石膏セメント板が製造できたことが一番に挙げら
れる。
〔実施例2〕 β型半水石膏100重量部およびスラグセメント80重量
部からなる主材料に対して、補強繊維として繊維太さ1.
8デニール、繊維長さ12mm、AR値844、強度13.5g/デニー
ルであるPVA繊維を主材料に対して1.2重量部及び混練し
て出来たスラリーを、前記不織布を敷ならした鋼製型枠
内に流し込み成形し、第4表に示すように80℃又は100
℃または130℃の加熱乾燥、又は80度の蒸気養生を24時
間行い、その後、温度20℃、湿度65%の室内で2週間気
中養成を行い繊維強化気泡石膏セメント板を製造した。
この供試体の物性値の測定結果を第5表に示す。繊維強
化気泡石膏セメント板の厚さは50mmである。
上記供試体6〜10のうち、9は養生温度が130℃と高
く、セメントが十分な強度に硬化できなかった。また、
9以外の供試体に関しては、PVA繊維により補強されて
いることと二層構造不織布が一体化されていることによ
り、物性値において極めて優れていた。
〔実施例3〕 第6表に示すように、β型半水石膏20又は30又は40又
は50又は60又は70又は80重量部に対しスラグセメント80
又は70又は60又は50又は40又は30又は20重量部のそれぞ
れからなる主材料に対して、補強繊維として繊維太さ1.
8デニール、繊維長さ12mm、AR値844、強度13.5g/デニー
ルのPVA繊維を主材料の対して1.2重量部及び気泡を添加
した供試体をNo.11〜No.7とし、これらの供試料体に水
を第6表に示す重量部加え混練することによって形成さ
れたスラリーを、前記実施例に示す不織布を底部に敷な
らした鋼製型枠内に流し込み、80℃−24時間蒸気養生を
行った後、温度20℃、湿度65%の室内で2週間気中養生
を行い、繊維強化気泡石膏セメント板を製造した。この
供試体の物性値の測定結果を第6表に示す。成形物の厚
さは50mmである。
上記の結果、成形物はPVA繊維により補強され、さら
に二層構造不織布が一体化されていることより、優れた
物性値を有しているものの、石膏とスラグセメントの配
合重量比が極端になると、BS/ρの値が低下してくる
ことがわかる。
〔発明の効果〕
この様に生成された水和物は、水に不溶の硬化物であ
るため、石膏体の耐水強度は改善され、その内部の化合
水分とスラグとのバインダー効果により加熱時の収縮亀
裂を防止し、石膏の持つ耐火性能も確保する事が出来、
又、補強繊維としてPVA繊維を始めとする有機繊維やガ
ラス繊維あるいは炭素繊維からなる不織布を使用するこ
とにより、高強度・高靭製の繊維強化気泡石膏セメント
板の作製が出来、製造工程におけるスラリー流出や成形
体の剥離を防止出来、又、建物内外の仕上面の簡略化や
仕上材の選択の自由度を得ることが出来た。
このように本発明により得られた繊維強化石膏セメン
トは、曲げ強度が(BS/ρ)≧50kg/cm2を満足してお
り、かつ、タフネスが25kg−cm以上であり、したがって
高強度、高靭性を満足している。
【図面の簡単な説明】 第1図は、実施例1乃至3に用いた不織布の断面図、第
2図は、その不織布の通気量−目付量曲線である。また
第3図は、実施例1で得られた繊維強化気泡石膏セメン
ト板の荷重−タワミ曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 長生 埼玉県所沢市山口981―13 (72)発明者 松本 健次 岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 西面 憲二 岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 松尾 信次 東京都中央区日本橋3丁目8番2号 株 式会社クラレ内 (56)参考文献 特開 昭58−190857(JP,A) 特開 昭55−149156(JP,A) 特開 昭63−151692(JP,A) 特開 昭62−265190(JP,A) 特公 昭63−1276(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石膏及びスラグセメント(高炉セメント)
    を主材料とし、補強繊維が主材料に対して重量比で0.3
    %〜20%含有されており、かつ、内部に気泡が存在して
    いる軽量成形物板の片面もしくは両面に、目付量30g/m2
    〜800g/m2の不織布が一体化されてなる繊維強化気泡石
    膏セメント板であって、補強繊維及び不織布を構成する
    繊維状物の周りにエトリンガイトが存在し、曲げ強度が
    式(曲げ強度/(比重))≧50kg/cm2を満足し、タフ
    ネスが25kg−cm以上であることを特徴とする繊維強化気
    泡石膏セメント板。
  2. 【請求項2】石膏及びスラグセメントを主材料とし、補
    強繊維を主材料に対して重量比で0.3%〜20%含有して
    おり、さらに気泡を含有している繊維強化気泡石膏セメ
    ントの混練物を、予めベルト上に設置しておいた目付量
    30g/m2〜800g/m2の不織布の上に連続的に流し込み、上
    記不織布と混練物を一体化させた後、40゜〜100℃で養
    生する曲げ強度が式(曲げ強度/(比重))≧50kg/c
    m2を満足し、タフネスが25kg−cm以上であることを特徴
    とする繊維強化気泡石膏セメント板の製造方法。
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