JP2694278B2 - 和音検出装置 - Google Patents

和音検出装置

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JP2694278B2 JP63180844A JP18084488A JP2694278B2 JP 2694278 B2 JP2694278 B2 JP 2694278B2 JP 63180844 A JP63180844 A JP 63180844A JP 18084488 A JP18084488 A JP 18084488A JP 2694278 B2 JP2694278 B2 JP 2694278B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、音階を構成する各音名をそれぞれ表す複数
の音名情報を入力するとともに、該入力した複数の音名
情報の組合せ状態に応じて和音を検出する和音検出装置
に関する。
[従来技術] 従来、この種の装置は、例えば特開昭53−26115号公
報に示されるように、12音階に対応した12ビットのシフ
トレジスタを有し、鍵盤における同時押鍵操作により指
定された複数の音名に対応した前記シフトレジスタのビ
ット位置にそれぞれ“1"を表すデータを入力するととも
に、該シフトレジスタの並列出力の組合せ状態が種々を
和音タイプ(メジャ、マイナ、セブンス等)にそれぞれ
対応した各種組合せ状態のいずれかに一致するまで、該
シフトレジスタ内の一連のデータを循環シフトさせる。
そして、前記組合せ状態の一致した時点で、該一致した
組合せ状態に応じて和音タイプを決定し、かつ該一致す
るまでの前記循環シフト回数に応じて和音の根音を決定
することにより、鍵盤における各鍵の組合せ操作に応じ
た和音を検出する。
[発明が解決しようとする課題] しかるに、上記従来の装置にあっては、前記循環シフ
トの開始後における最初の組合せ状態の一致検出により
和音が決定されてしまうので、さらに循環シフトすれば
他に検出されるべき和音が存在しても、該他の和音は無
視されることになる。かかる場合、演奏者の意図した和
音が最初に一致検出されたものであれば問題はないが、
前記他の和音が演奏者の意図したものである場合には、
誤った和音が検出されたことになる。特に、検出される
べき和音タイプの種類が多くなったり、演奏者がテンシ
ョン音をも含む和音指定操作をしたりすると、複数の音
名の組合せが複雑になるので、前記誤検出の頻度が大き
くなる。まして、演奏者が鍵盤におけるミスタッチをし
た場合には、同頻度はさらに大きくなる。
そして、かかる和音の誤検出が生じると、該検出和音
に応じて形成されるアルペジョ音、ベース音等の自動伴
奏音が的確なものでなくなって、該自動伴奏音の音楽性
が低下する。
本発明はかかる問題点に鑑み案出されたもので、その
目的は複数の指定音名の組合せ状態に応じて正確に和音
を検出する和音検出装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決して本発明の目的を達成するために、
第1の発明(上記請求項1に係る発明)の構成上の特徴
は、決定和音を表す和音情報を記憶するための和音記憶
手段と、複数の音名情報を記憶するための音名情報記憶
手段と、新たな音名情報の入力に応答して、前記音名情
報記憶手段の記憶内容を、前記新たな音名情報の入力時
に和音を指定するために同時に指定されている複数の音
名をそれぞれ表す複数の音名情報に更新する音名情報更
新手段と、前記音名情報記憶手段に記憶されている複数
の音名情報によりそれぞれ表されていて和音を指定する
ために同時に指定されている複数の音名の組合せ状態に
応じて該指定されている各音名を根音とする和音をそれ
ぞれ検出することにより複数の検出和音を抽出する和音
抽出手段と、前記和音抽出手段により抽出された複数の
検出和音の中で、前記和音記憶手段に記憶されている和
音情報により表された前回の和音から所定の進行関係に
ある検出和音を新たな決定和音として決定するととも
に、該新たな決定和音を表す和音情報を前記和音記憶手
段に記憶させる和音決定手段とを備えたことにある。
また、第2の発明(上記請求項2に係る発明)の構成
上の特徴は、前記第1の発明の構成に調を指定する調指
定手段を付加するとともに、同第1の発明における和音
決定手段を、前記調指定手段により指定された調と前記
和音記憶手段に記憶されている和音情報により表された
前回の和音とに基づき、前記和音抽出手段により抽出さ
れた複数の検出和音の中で、該前回の和音と前記指定調
との関係において所定の進行関係にある検出和音を新た
な決定和音として決定するとともに、該新たな決定和音
を表す和音情報を前記和音手段に記憶させる和音決定手
段で置換したことにある。
また、第3の発明(上記請求項3に係る発明)の構成
上の特徴は、前記第2の発明における和音記憶手段を削
除するとともに、同発明における和音決定手段を、前記
和音抽出手段により抽出された複数の検出和音の中から
前記調指定手段により指定された調における特定の和音
を決定和音として決定する和音決定手段で置換したこと
にある。
また、第4の発明(上記請求項4に係る発明)の構成
上の特徴は、前記第2の発明における和音決定手段を、
調及び和音に対応して予め定められている緊張度であっ
て前記調指定手段により指定された調と前記和音抽出手
段により抽出された複数の検出和音とによりそれぞれ定
まる各緊張度のうちで、前記予め定められている緊張度
であって前記調指定手段により指定された調と前記和音
記憶手段に記憶されている和音情報により表された前回
の和音とにより定まる緊張度に対して所定関係にある緊
張度の検出和音を前記和音抽出手段により抽出された複
数の検出和音の中から決定和音として新たに決定すると
ともに、該新たな決定和音を表す和音情報を前記和音記
憶手段に記憶させる和音決定手段で置換したことにあ
る。
また、第5の発明(上記請求項5に係る発明)の構成
上の特徴は、前記第1乃至第4の発明のうちのいずれか
一つの発明における和音抽出手段を、前記音名情報記憶
手段に記憶されている複数の音名情報によりそれぞれ表
されていて和音を指定するために同時に指定されている
複数の音名をそれぞれ根音として設定する根音設定手段
と、前記根音設定手段により設定された各根音毎に該設
定根音から所定の度数関係にある音名が前記指定されて
いる複数の音名の中に存在するか否かを判定する判定手
段とで構成したことにある。
また、第6の発明(上記請求項6に係る発明)の構成
上の特徴は、前記第5の発明における所定の度数関係に
ある音名として和音の基本的な構成音を各種和音毎に予
め記憶しておくようにしたことにある。
また、第7の発明(上記請求項7に係る発明)の構成
上の特徴は、前記第2乃至第4の発明のうちのいずれか
一つの発明における調指定手段を、前記決定和音に応じ
て調を自動的に検出指定する手段で構成したことにあ
る。
さらに、第8の発明(上記請求項8に係る発明)の構
成上の特徴は、前記第2乃至第4の発明のうちのいずれ
か一つの発明における調指定手段を、調を指定するため
の調指定操作子で構成したことにある。
[発明の作用] 上記のように構成した第1の発明においては、新たな
音名情報が入力されると、音名情報記憶手段により、音
名情報記憶手段の記憶内容が前記新たな音名情報の入力
時に和音を指定するために同時に指定されている複数の
音名をそれぞれ表す複数の音名情報に更新されるととも
に、和音抽出手段により、前記更新された音名情報によ
り表された複数の各音名をそれぞれ根音とする複数の和
音が一旦抽出され、該抽出後に、和音決定手段及び和音
記憶手段によって、該抽出した複数の検出和音の中で前
回の和音から所定の進行関係にある検出和音が新たな決
定和音として決定されるとともに、該新たな決定和音を
表す和音情報が次の和音決定のため前記和音記憶手段に
記憶される。
かかる場合、前記和音抽出手段は例えば第5又は第6
の発明のように構成され、前記複数の検出和音の抽出は
前記指定された複数の音名の中に前記各根音から所定の
度数関係にある音名(予め記憶された音名)が存在する
か否かの判定により行われる。
一方、楽曲における和音進行には音楽理論に基づく独
特の進行態様があり、例えば終止理論に基づき、和音タ
イプがセブンス又はセブンスサスペンディット4からメ
ジャに変化し、かつ和音根音が半音間隔にして7音分又
は1音分降下する(G7thからCMajへ又はD 7th(SUS
4)からCMajへ移行する)ので、かかる和音進行に着目
して所定の和音進行を予め決定しておくことにより、音
楽理論に適合した和音が最終的には決定されるようにな
る。
また、第2の発明においては、和音決定手段が、調指
定手段により指定される調をも考慮して、前記抽出した
複数の検出和音の中で前回の和音から所定の進行関係に
ある検出和音を新たな決定和音として決定する。かかる
場合、前記調指定手段は例えば第7又は第8の発明のよ
うに構成され、前記調指定は前記決定和音に応じて自動
的に検出指定されるか、又は調指定操作子の操作に応じ
て指定される。
このように調を利用すれば、調における特有の和音進
行、例えばリレーティッドIIオブセカンダリドミナント
和音群からセカンダリドミナントサスペンディット4和
音群若しくはセカンダリドミナント和音群へ(具体的に
は、C調ではEm7thからA7th(SUS4)若しくはA7th
等)、又はリレーティッドIIオブサブスティチューティ
ッドセカンダリドミナント和音群からサブスティチュー
ティッドセカンダリドミナントサスペンディット4和音
群若しくはサブスティチューティッドセカンダリドミナ
ント和音群へ(具体的には、C調ではA m7thからD
7th(SUS4)若しくはD 7thへ等)移行する和音進行条
件等に応じて、最終的に和音を決定することが可能とな
る。その結果、第2の発明においても、音楽理論に適合
した和音が最終的に決定されるようになる。
また、第3の発明においては、複数の検出和音の抽出
後、和音決定手段が前記抽出された複数の検出和音の中
から調指定手段により指定された調おける特定の和音を
決定和音として決定する。
このように調を利用すれば、調において頻繁に出現す
る和音、例えば短調におけるプライマリ和音、カデンツ
和音等(具体的には、C調ではCm7th,Dm7th,Dm7th
5),F7th等)を決定和音として決定できる。その結
果、第3の発明においても、音楽理論に適合した和音が
最終的に決定されるようになる。
また、第4の発明においては、複数の検出和音の抽出
後、和音決定手段が、同抽出された複数の検出和音に関
する各緊張度のうちで、前回の和音に関する緊張度に対
して所定関係にある緊張度の検出和音を前記抽出された
複数の検出和音の中から決定和音として新たに決定す
る。これにより、楽曲における和音列を通常構成するテ
ンションライン(和音の緊張度の進行態様)に沿った和
音を決定することが可能となる。その結果、第4の発明
においても、音楽理論に適合した和音が最終的に決定さ
れるようになる。
[発明の効果] 上記作用説明からも理解できるように、第1乃至第8
発明によれば、可能性のある複数の和音が抽出された後
に、音楽理論に適合した和音が最終的に決定されるよう
にしたので、検出可能な和音タイプを多くしても、鍵盤
における多少のミスタッチがあっても、演奏者が意図し
た和音が無視されることもなく、しかも音楽的に正確な
和音が検出されることになる。そして、かかる正確な和
音に基づき、演奏曲に適切なアルペジョ音、ベース音等
の自動伴奏音の発音が可能となる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明すると、
第1図は本発明に係る電子楽器の全体をブロック図によ
り示している。
この電子楽器は鍵盤10、調設定操作パネル部20、リズ
ム制御操作パネル部30及びその他操作パネル部40を備え
ている。鍵盤10は和音を指定するための複数の鍵からな
り、各鍵の押離鍵は鍵スイッチ回路10a内に各鍵にそれ
ぞれ対応して設けた複数の鍵スイッチの開閉成により検
出されるようになっている。また、鍵スイッチ回路10a
はチャタリング防止回路、待ち時間回路等を内蔵してお
り、鍵盤10におけるミスタッチが除外されるとともに多
少の時間ずれを含む複数押鍵が同時押鍵として検出され
て、該同時押鍵が一つの押鍵イベントとして検出される
ようになっている。調設定操作パネル部20には、鍵盤10
における和音演奏に応じて調を自動的に設定するオート
モードと鍵盤10による格別の押鍵操作により調を指定す
るマニアルモードとを選択切換えする調設定選択操作子
21と、前記マニアルモード時に長調を指定する長調操作
子22と、同マニアルモード時に短調を指定する短調操作
子23とが設けられている。この調設定操作パネル部20に
おける操作は調設定スイッチ回路20aにより検出される
ようになっており、同回路20aは前記各操作子21〜23に
それぞれ対応した調設定選択スイッチ21a、長調スイッ
チ22a及び短調スイッチ23aを内蔵している。リズム制御
操作パネル部30にはブルースを初めとしてマーチ、ワル
ツ等のリズム種類を選択するリズム選択操作子群31と、
リズムのスタート・ストップを指定するスタート/スト
ップ操作子32と、リズムのテンポ、音量等を指定する操
作子33,34とが設けられており、これらの操作子31〜34
の各操作はリズム制御スイッチ回路30a内に設けられた
スイッチ、ボリューム等により検出されるようになって
いる。その他操作パネル部40には伴奏音の音色、音量等
を選択制御する多数の操作子群41,42が設けられてお
り、これらの操作子群41,42の各操作はその他スイッチ
回路40a内に設けられたスイッチ、ボリューム等により
検出されるようになっている。
これらの各種スイッチ回路10a〜40aはバス50に接続さ
れており、同バス50には、打楽器音信号発生回路61、伴
奏音信号発生回路62、テンポ発振器70及びマイクロコン
ピュータ80が接続されている。
打楽器音信号発生回路61はシンバル、バスドラ等の打
楽器に対応した楽器音信号を形成する複数の打楽器音信
号形成チャンネルを有し、マイクロコンピュータ80から
バス50を介して供給される打楽器音データPITD1〜PITDm
に応じた打楽器音信号を形成出力する。伴奏音信号発生
回路62はそれぞれピアノ、バイオリン等の楽器に対応し
た楽器音信号を形成する複数系列(n系列)の楽音信号
形成チャンネルを備えており、マイクロコンピュータ80
からバス50を介して供給される音色データ、音高デー
タ、キーオン信号KON及びキーオフ信号KOFに応じて、音
色データに応じた音色を有するとともに音高データに対
応した音高の楽音信号を形成出力する。これらの打楽器
音信号発生回路61及び伴奏音信号発生回路62はアンプ、
スピーカ等からなるサウンドシステム63に接続されてお
り、同システム63は両信号発生回路61,62からの楽音信
号に対応した楽音を発音する。
テンポ発振器70は所定の周波数を有するリズム割込み
信号RINTをマイクロコンピュータ80に出力するもので、
該信号RINTの周波数はテンポ操作子33の操作に応じてマ
イクロコンピュータ80からバス50を介して供給されるテ
ンポデータに応じて決定される。
マイクロコンピュータ80はバス50に各々接続されたプ
ログラムメモリ81、CPU82及びワーキングメモリ83から
なる。プログラムメモリ81はROMで構成され、第5図乃
至第12図に示すフローチャートに対応したメインプログ
ラムとそのサブプログラム、及びリズム割込みプログラ
ムを記憶している。CPU82は電源スイッチ(図示しな
い)の閉成に伴い前記メインプログラムの実行を開始す
るとともに同プログラムを電源スイッチの開成まで繰返
し実行し、テンポ発振器70からのリズム割込み信号RINT
の到来時には前記メインプログラムの実行を中断してリ
ズム割込みプログラムを割込み実行する。ワーキングメ
モリ83はRAMで構成されるとともに、第2A図乃至第2I図
に示すように、前記プログラムの実行に必要な各種レジ
スタ及びテーブルを有する。これらのレジスタ及びテー
ブルは次の通りである。
押鍵バッファレジスタ83a(第2A図) 同時に押鍵される可能性のある鍵数分の記憶領域を有
し、和音を指定するために同時に押鍵された各鍵を表す
キーコードKCを全て記憶する。
押鍵キーフラグ用バッファレジスタ83b(第2B図) 各記憶領域毎に12音階に対応したビット数を有すると
ともに同時に押鍵される可能性のある鍵数分の記憶領域
を有し、同時に押鍵された鍵に対応した音名であって演
奏者が指定した可能性のある和音(押鍵から考えられる
和音)から明らかに不要な音名(ミスノート)を除外し
た音名のみ“1"となる押鍵フラグを、指定された可能の
ある和音毎に記憶する。
和音検出バッファレジスタ83c(第2C図) 押鍵される可能性のある鍵数分の記憶領域を有し、各
記憶領域毎に前記押鍵から考えられる和音の根音ROOT、
同和音のタイプTYPE、同和音に対して押鍵されたテンシ
ョン音数TENSU、押鍵されたテンション音の中でテンシ
ョン音番号TNOが最低である最低テンション音番号LTNO
及び和音テンションレベルCTENLを記憶する。なお、テ
ンションとは緊張の意であり、テンション音とは和音の
基本的な構成音(例えばマイナ7和音の場合1゜,3
,5゜,7゜音)に付加される音(例えば9゜,11゜
音)のことである。そして、この場合テンション音数TE
NSUとは前記付加音の数であり、またテンション音番号T
NOとは各付加音の緊張度を表すものであって、同番号TN
Oは大きくなるに従って和音を不協和度が大きくなるよ
うに設定されている(第3A図及び第3B図参照)。さら
に、和音テンションレベルCTENLとは和音自体の緊張度
を表すものであって、同レベルCTENLは存在感を感じる
和音程大きな値になり、かつ安心して聴ける和音程小さ
な値になるように設定されている(第3C図参照)。
ローテーションレジスタ83d(第2D図) 同時に押鍵された鍵に対応した音名のみ“1"となる押
鍵フラグに記憶した12音階に対応した12ビットのレジス
タであって、和音検出のために各ビットデータがローテ
ーションされる。
根音カウンタ83e(第2D図) ローテーションレジスタ83dのローテーションに同期
してカウントアップし、和音検出時における根音ROOTの
キーコードKCを表す。
押鍵キーフラグテーブル83f(第2E図) 押鍵キーフラグ用バッファレジスタ83b内に記憶され
ていた押鍵フラグであって、検出和音として採用した和
音に関するものを過去8個分記憶する。
和音テーブル83g(第2F図) 押鍵キーフラグテーブル83f内に記憶されている押鍵
フラグに対応して過去8個分の和音の根音ROOT、タイプ
TYPE及び和音テンションレベルCTENLを記憶する。
ブルーステーブル83h(第2G図) 12音階により構成される根音ROOT×6種類の和音
(I7,IV7,V7,Im7,IVm7,Vm7)に対応したマトリクス状の
記憶領域を有し、各記憶領域に“1"にて対応和音の存在
を表すフラグを記憶している。
調フラグテーブル83i(第2H図) 12音階により構成される根音ROOT×4種類の調(ブル
ースの長調、短調とブルース以外の長調、短調)に対応
したマトリクス状の記憶領域を有し、各記憶領域に
「0」〜「3」に渡り変化する各調の判定回数を記憶す
る。
その他レジスタ83j(第2I図)は前記プログラムの実
行に必要な下記変数データを一時的に記憶する。
演奏開始フラグPSTF 演奏の開始時を検出するために、“0"にて演奏開始前
(リズムスタート前)を表し、かつ“1"にて演奏開始後
を表す。
演奏開始マイナフラグPSTMF 短調検出に利用するため、“1"にて演奏開始時の和音
がマイナ和音又はマイナセブンス和音であることを表
し、かつ“0"にて同和音がそれ以外であることを表す。
バッファアドレスBAAD 押鍵キーフラグ用バッファアドレス83b及び和音検出
バッファレジスタ83cの各記憶領域を指定するためのア
ドレスデータである。
現テーブルアドレスCTAD 押鍵キーフラグテーブル83f及び和音テーブル83g内の
最新和音に関する記憶領域を示すもので、該アドレスCT
AD値は8個の記憶領域を所定の順序で繰返し指定する。
優先和音フラグPCDF 和音検出バッファレジスタ83c内に記憶されている複
数の和音から一つの和音を決定する際、所定の条件に従
って優先的に和音が決定されたか否かを表すフラグであ
り、“1"にて既に決定済みであることを表し、“0"にて
未だ決定されていないことを表す。
プライマリカデンツ和音フラグPCCF 和音検出バッファレジスタ83c内に記憶されている複
数の和音から、プライマリ和音又はカデンツ和音がなる
べく交互に選択されるようにするためのフラグであり、
“1"にて以前カデンツ和音が選択されたことを表し、
“0"にて以前プライマリ和音が選択されたことを表す。
押鍵和音データDPCHD 鍵盤10により現在指定されている和音であって、通常
根音ROOT及びタイプTYPEからなる。
第1テンションレベル総和値SUMTENL1 調を決定するために、一つの調に対する和音テーブル
83g内の過去8個の和音テンションレベルCTENLの合計値
を表す。
第2テンションレベル総和値SUMTENL2 調を決定するために、他の一つの調に対する和音テー
ブル83g内の過去8個の和音テンションレベルCTENLの合
計値を表す。
仮調データKMKD 調を最終的に確定する前において、所定の条件に従っ
て決定された仮の調を表すもので、最上位ビットMSBに
て長短を表し、かつ下位ビットにてキーコードKCにより
音楽的キー(C調、G調等)を表す。
調データMKD 最終的に確定した調を表すもので、最上位ビットMSB
にて長短を表し、かつ下位ビットにてキーコードKCによ
り音楽的キー(C調、G調等)を表す。
調設定フラグMKSF 調が設定済みか否かを表すフラグであり、“0"にて調
設定前を表し、かつ“1"にて調設定後を表す。
旋法データSCALE 決定されたアイオニアン、ドリアン等の音楽的旋法を
表す。
リズム種類データRHY ブルースを初めとしてマーチ、ワルツ等のリズム種類
を表す。
リズムランフラグRUN オートリズム演奏の動作状態・停止状態を表すフラグ
であり、“1"にて動作状態を表し、かつ“0"にて停止状
態を表す。
テンポカウントデータTCNT オートリズムの進行状態を表すカウントデータであっ
て、1小節又は2小節に対応して「0」〜「31」に渡り
繰返し変化する。
さらに、バス50には、各種検出用テーブル91、リズム
パターンメモリ92及び伴奏パターンメモリ93が接続され
ている。各種検出用テーブル91はROMにより構成され、
和音構成音テーブル91a、和音テンションテーブル91b、
プライマリ/カデンツ和音テーブル91c、第1旋法テー
ブル91d及び第2旋法テーブル91eを備えている。
和音構成音テーブル91aは、第3A図に示すように、m7
th,m7th5),7th,Maj,SUS4等の当該電子楽器にて検
出される和音に対して、第3A図及び第3B図に示すような
基本的な和音構成音(例えば、m7thに対しては1゜,3゜
,5゜,7゜音)及びテンション音(例えば、m7thに対
しては9゜,11゜音)をそれぞれ記憶しているととも
に、該テンション音に対するテンション音番号TNO(第3
A図の表中、かっこ書き)を記憶している。なお、ここ
で、本件実施例にて用いられる和音の表記法について若
干説明しておく。但し、括弧[ ]内は根音ROOTをC音
とした場合についてである。
メジャ・・・Maj[CMaj] マイナ・・・Min[CMin] セブンス・・・7th[C7th] マイナセブンス・・・m7th[Cm7th] マイナセブンスフラット5・・・m7th(5) [Cm7th5)] サスペンディット4・・・SUS4[CSUS4] セブンサスペンディット4・・・7th(SUS4) [C7th(SUS4)] オーギュメント・・・Aug[CAUG] ディミニッシュ・・・Dim[CDIM] 和音テンションテーブル91bは、第3C図に示すよう
に、C調を基準にした前記各種和音に関する和音データ
(同図中の括弧内)を第1乃至第7グループに分類して
記憶するとともに、各和音毎に和音テンションレベルCT
ENLを記憶している。但し、第3C図には、各和音を度数
表示にした和音名(例えば、IMaj,IIIm7th等)と各グル
ープの和音群名(例えば、プライマリコード、リレーテ
ィッドIIオブセカンダリドミナント等)が表記されてい
る。
プライマリ/カデンツ和音テーブル91cは、第3D図に
示すように、度数表示のプライマリ和音群及びカデンツ
和音群を各群毎に記憶している。なお、この度数表示は
C調を基準にした和音名に対応し、例えばIm7thはCm7th
に対応する。
第1旋法テーブル91dは、第3E図に示すように、調決
定後にアイオニアン、ドリアン(第3G図参照)等の旋法
を決定するためのテーブルで、度数表示の和音名又は前
記和音グループ毎に各種旋法名を表すデータを記憶して
いる。第2旋法テーブル91eは、第3F図に示すように、
調決定前にアイオニアン、ドリアン等の旋法を決定する
ためのテーブルで、Maj,Min等の和音タイプTYPE毎に各
種旋法名を表すデータを記憶している。
リズムパターンメモリ92は、第4A図に示すように、リ
ズム種類毎に複数のパターンメモリに分割されており、
各パターンメモリはテンポカウントデータTCNT(0〜3
1)により指定される32個のアドレスを有し、各アドレ
スにはシンバル、バスドラ等の発音すべき打楽器を表す
打楽器音データPITDが発音すべき個数分記憶されてい
る。また、打楽器音の発音タイミングでないアドレスに
は、無処理を表すデータNOPが記憶されている。
伴奏パターンメモリ93は、第4B図に示すように、アル
ペジョ音、ベース音等の複数の伴奏音にそれぞれ対応し
た複数系列の伴奏パターンメモリ93−1,93−2・・・93
−nを備えている。各伴奏パターンメモリ93−1,93−2
・・・93−nは、リズム種類毎及び旋法毎に複数のパタ
ーンメモリにそれぞれ分割されており、各パターンメモ
リはテンポカウントデータTCNT(0〜31)により指定さ
れる32個のアドレスを有する。この各アドレスには、各
伴奏音の発音開始を表すキーオンデータKON、各伴奏音
のピッチを決定すための音程データPINT及び各伴奏音の
発音終了(キーオフ)を表すキーオフデータKOFが記憶
されている。かかる場合、音程データPINTは各旋法に関
する音階上の音のうち回避音を除いたものを各種旋法の
基音(根音ROOT)からの半音間隔差で表している。ま
た、各伴奏音の発音タイミングでないアドレスには、無
処理を表すデータNOPが記憶されている。
次に、上記のように構成した電子楽器の動作を第5図
乃至第12図に従って説明するが、かかる動作を詳細に説
明する前に、この電子楽器における全体動作について概
略的に説明しておく。
全体動作の概略説明 この電子楽器は、最終的には押鍵指定された和音、決
定された調及びリズム種類から旋法を決定し、該決定旋
法と押鍵和音とに応じてできる限り適切な伴奏音を決定
して、該伴奏音をリズムに応じて自動的に発音させるも
のである。
そのため、押鍵和音はできる限り正確かつ迅速に決定
される必要があり、同和音は調の決定前後において異な
る方法で検出される。すなわち、調決定前には和音は調
に関する情報を利用しないで最も確からしいものに決定
され、調決定後には該決定調に準じて決定される。調は
演奏者により手動的に指定されるか、前記検出和音の流
れに応じて最も確からしいものに自動的に決定される。
そして、原則的には、この和音及び調に応じて旋法が決
定されると同時に、該旋法及びリズムに応じた伴奏パタ
ーンデータが出力され、該パターンデータ及び和音に応
じた伴奏音が得られる。また、調決定前には、前記検出
和音及びリズム種類に応じた伴奏パターンデータが出力
され、該パターンデータ及び和音に応じた伴奏音が得ら
れる。
以下、実施例の詳細動作を各プログラム及び各ルーチ
ン毎に詳細に説明する。
メインプログラム メインプログラムは第5図のフローチャートに示した
通りであり、その実行は電源スイッチ(図示しない)の
投入によりステップ100にて開始され、ステップ101にて
ワーキングメモリ83内の各種変数データが所定設定され
る。かかる初期設定後、CPU82はステップ102〜129から
なる循環処理を実行し続ける。
ステップ102においては、鍵盤10における押鍵操作に
伴う押鍵イベントの有無が判定され、前記押鍵操作がな
ければ、同ステップ102にて「NO」と判定されてプログ
ラムはステップ118へ進められる。また、前記押鍵操作
が有れば、同ステップ102にて「YES」と判断され、ステ
ップ103にて押鍵バッファレジスタ83a内の全データがク
リアされ、かつステップ104にて同時に押されている鍵
に関する全てのキーコードKCが鍵スイッチ回路10aから
バス50を介して押鍵バッファレジスタ83a内に取り込ま
れる。
かかるステップ104の処理後、ステップ105にて調設定
選択スイッチ21aがオート側に有るか否かが判定され
る。今、調設定選択操作子21の操作に伴い調設定選択ス
イッチ21aがオート側に有れば、同ステップ105にて「YE
S」と判定され、ステップ106にて和音判定ルーチンが実
行される。この和音判定ルーチンの詳細については後述
するが、該ルーチンでは鍵盤10にて押鍵指定されている
和音が検出される。次に、ステップ107にて演算開始フ
ラグPSTFが“0"で有るか否かが判定される。演奏開始フ
ラグPSTFが“0"であって演奏開始直後であれば、ステッ
プ107における「YES」との判定の基に、ステップ108に
て前記和音判定ルーチンの処理により決定されかつ押鍵
和音データDPCHDにより表された現和音の種類が判定さ
れ、現和音がMin和音又はm7th和音であれば「YES」との
判定の基にステップ109にて演奏開始マイナフラグPSTMF
が“1"に設定される。また、現和音がMin和音又はm7th
和音でなければ、前記判定における「NO」との判定の基
に演奏開始マイナフラグPSTMFは“0"に保たれたままで
ある。これらのステップ108,109の処理後、ステップ110
にて演奏開始フラグPSTFが演奏開始時でないことを表す
“1"に設定され、プログラムはステップ111へ進められ
る。一方、スイッチ107の判定時における演奏開始フラ
グPSTFが演奏開始後を表す“1"に設定されていれば、同
ステップ107における「NO」との判定の基にプログラム
は直接ステップ111へ進められる。ステップ111における
調判定ルーチンの詳細については後述するが、該ルーチ
ンにおいては検出和音に基づき調が自動的に決定され
る。なお、前記ステップ107〜110の処理は、短調検出の
ための条件の一つである「曲開始時の和音がMin和音又
はm7th和音である」の判定に利用される。
一方、調設定選択操作子21の操作に伴い調設定選択ス
イッチ21aがマニアル側に有れば、前記ステップ105にて
「NO」と判定され、ステップ112,113にて長調スイッチ2
2a又は短調スイッチ23aがオン状態にあるか否かが判定
される。この長調スイッチ22a又は短調スイッチ23aのオ
ン状態の判定は鍵盤10における押鍵が調設定のためのも
のであるか又は和音指定のためのものであるかを判定す
るもので、長調操作子22の操作に伴う長調スイッチ22a
のオン状態時には、ステップ112における「YES」との判
定の基に、ステップ114にて調データMKDの最上位ビット
MSBが長調を表す“1"に設定されると同時に、同データM
KDの下位ビットが鍵盤10にて押鍵された鍵であって押鍵
バッファレジスタ83a内にある最高音鍵に関するキーコ
ードKCに設定される。また、短調操作子23の操作に伴う
短調スイッチ23aのオン状態時には、ステップ112におけ
る「NO」との判定及びステップ113における「YES」との
判定の基に、ステップ115にて調データMKDの最上位ビッ
トMSBが短調を表す“0"に設定されると同時に、同デー
タMKDの下位ビットが鍵盤10にて押鍵された鍵であって
押鍵バッファレジスタ83a内にある最高音鍵に関するキ
ーコードKCに設定される。かかるステップ114,115の処
理後、ステップ116にて調設定フラグMKSFが“1"に設定
され、プログラムはステップ118へ進められる。このよ
うに、調設定選択操作子21がマニアル側に設定されてい
れば、前記ステップ112〜116の処理により、調データMK
Dは鍵盤10における押鍵及び調設定操作パネル部20の長
調操作子22(又は短調操作子23)の操作に応じて設定さ
れる。
一方、長調スイッチ22a及び短調スイッチ23aがいずれ
もオン状態になければ、前記ステップ112,113の両者に
おける「NO」との判定の基に、ステップ117にて上記ス
テップ106と同様な和音判定ルーチンの処理が実行され
て、プログラムは上記ステップ111の調判定ルーチンへ
進められる。
ステップ118においては、リズム選択スイッチのオン
イベントの有無が判定される。かかる場合、リズム選択
操作子群31内のいずれの操作子も操作されなければ、同
ステップ118にて「NO」すなわちリズム選択スイッチに
関するオンイベント無しと判定され、プログラムはステ
ップ124へ進められる。また、リズム選択操作子群31内
のいずれかの操作子が操作されれば、前記ステップ118
にて「YES」すなわちリズム選択スイッチに関するオン
イベント有りと判定され、プログラムはステップ119,12
0の判定処理に進められる。ステップ119においては、リ
ズム種類データRHYにより表された以前の選択リズム種
類がブルースであって今回新たに選択されたリズム種類
がブルース以外のものであるか否かが判定され、またス
テップ120においては、リズム種類データRHYにより表さ
れた以前の選択リズム種類がブルース以外のものであっ
て今回新たに選択されたリズム種類がブルースであるか
否かが判定される。今、選択リズム種類がブルースから
ブルース以外のものへ変更されたのであれば、ステップ
119における「YES」との判定の基に、ステップ121にて
押鍵キーフラグテーブル83f及び和音テーブル83g内の全
データがクリアされた後、ステップ123にてリズム種類
データRHYが該ブルース以外のものを表す新たなデータ
に設定される。また、選択リズム種類がブルース以外の
ものからブルースへ変更されたのであれば、ステップ11
9における「NO」との判定及びステップ120における「YE
S」との判定の基に、ステップ122にてブルーステーブル
83h内の全データがクリアされた後、ステップ123にてリ
ズム種類データRHYが該ブルースを表す新たなデータに
設定される。一方、前記両判定条件に合致しなければ、
両ステップ119,120における「NO」との判定の基に、プ
ログラムは直接ステップ123に進められ、同ステップ123
にてリズム種類データRHYが選択されたリズム種類を表
す新たなデータに設定される。
ステップ124においては、スタート/ストップスイッ
チのオンイベントの有無が判定される。かかる場合、ス
タート/ストップ操作子32が操作されなければ、同ステ
ップ124にて「NO」すなわちスタート/ストップスイッ
チに関するオンイベント無しと判定され、プログラムは
ステップ128へ進められる。また、スタート/ストップ
操作子32が操作されれば、前記ステップ124にて「YES」
すなわちスタート/ストップスイッチに関するオンイベ
ント有りと判定され、ステップ125にてリズムランフラ
グRUNが反転((“0"から“1"へ又は“1"から“0"へ)
されるとともに、テンポカウントデータTCNTが「0」に
初期設定される。次に、ステップ126にて前記処理によ
り反転された新たなリズムランフラグRUNが“1"である
か否かが判定される。かかる場合、リズムが以前停止し
ていて今回新たに動作を開始するとすれば、リズムラン
フラグRUNは“1"であり、ステップ126における「YES」
との判定の基に、ステップ127にて演奏開始フラグPSTF
及び演奏開始マイナフラグPSTMFが共に“0"に処理設定
される。また、リズムが以前動作していて今回停止する
とすれば、リズムランフラグRUNは“0"であり、ステッ
プ126における「NO」との判定の基に、プログラムは直
接ステップ128へ進められる。
ステップ128は旋法決定ルーチンを示しており、該ル
ーチンに関する詳細説明は後述するが、同ルーチンにお
いては和音、調等に応じて演奏中の旋法が決定され、該
決定旋法を表すデータが旋法データSCALEとして設定さ
れる。ステップ128の処理後、ステップ129において、リ
ズム制御操作パネル部30及びその他操作パネル部40内の
操作子33,34,41,42等その他の操作子に関する操作イベ
ント処理が実行され、オートリズムのテンポ、発生楽音
信号の音色、音量等が設定制御される。
次に、かかるメインプログラムにて実行される和音判
定ルーチン、調判定ルーチン及び旋法決定ルーチンにつ
いて詳しく説明する。
和音判定ルーチン 和音判定ルーチンの詳細は第6図のフローチャートに
示した通りであり、メインプログラムのステップ106,11
7にて読出されて、ステップ200からその実行が開始され
る。
かかる開始後、ステップ201にて押鍵キーフラグ用バ
ッファレジスタ83b及び和音検出バッファレジスタ83c内
の全データがクリアされるとともに、バッファアドレス
BAAD及び根音カウントデータRCNTがリセットされる。こ
れにより、バッファアドレスBAADが押鍵キーフラグ用バ
ッファレジスタ83b及び和音検出バッファレジスタ83cの
先頭アドレスを示すようになると同時に、根音カウント
データRCNT(第2D図参照)は基準音としてのC音のキー
コードKCを示すようになる。次に、ステップ202にて押
鍵バッファレジスタ83a内に記憶されているキーコードK
Cに基づき、ローテーションレジスタ83d(第2D図参照)
内の押鍵音に対応した各ビット位置にのみ“1"が設定さ
れる。例えば、押鍵音がC音、E音、G音、B音であれ
ば、同レジスタ83dの1,3,5,7の位置にのみ“1"が設定さ
れ、残りの位置には“0"が設定される。かかるステップ
202の処理後、ステップ203にて和音検出用バッファデー
タ形成ルーチンの処理が実行される。
この和音検出用バッファデータ形成ルーチンは第7図
に詳細に説明されており、同ルーチンはステップ300に
て開始され、ステップ301にてローテーションレジスタ8
3d内の各ビットデータは最上位ビットMSBが“1"になる
まで第2D図の右側から左側方向へ順次ローテートされる
と同時に、該ローテート毎に根音カウントデータRCNTが
「1」ずつ増加される。なお、最初のみは最上位ビット
MSBが“1"であれば、前記ローテートがなされずにプロ
グラムがステップ302に進められ、次からは最上位ビッ
トMSBが“1"であっても、前記ローテートがなされた後
にプログラムがステップ302に進められる。かかるステ
ップ301の処理後、ステップ302にて根音カウントデータ
RCNTが「11」より大きいか否かが判定される。該判定に
おいては、ローテーション回数が少なく根音カウントデ
ータRCNTが「11」以下であれば、同ステップ302におけ
る「NO」との判定の基に、プログラムはステップ310〜3
15からなる和音サーチルーチンへ進められる。
この和音サーチルーチンにおいては、ローテーション
レジスタ83dの最上位ビットMSBを1゜音として3゜音、
5゜音、7゜音等が存在するか否かにより、指定された
可能性のある複数の和音を検出する。以下に、本件実施
例にて検出可能な9種類の和音とその検出方法とを示
す。
m7th和音 7゜音及び3゜音が存在し、かつ5゜音が存在し
ないことを条件に検出されるもので、ステップ310〜312
の判定処理により検出されて、プログラムはステップ32
1へ進められる。
m7th(5)和音 7゜音、3゜音及び5゜が存在することを条件に
検出されるもので、ステップ310〜312の判定処理により
検出されて、プログラムはステップ322へ進められる。
7th和音 7゜音及び3゜音が存在することを条件に検出される
もので、ステップ310,311の判定処理により検出され
て、プログラムはステップ323へ進められる。
7th(SUS4)和音 7゜音及び3゜音が存在することを条件に検出され
るもので、ステップ310,311の判定処理により検出され
て、プログラムはステップ324へ進められる。
Aug和音 7゜音が存在せず、かつ3゜音及び5゜音が存在す
ることを条件に検出されるもので、ステップ310,313の
判定処理により検出されて、プログラムはステップ325
へ進められる。
Dim和音 7゜音が存在せず、3゜音又は5゜音が存在せず、
かつ3゜音及び5゜音が存在することを条件に検出
されるもので、ステップ310,313,314の判定処理により
検出されて、プログラムはステップ326へ進められる。
Min和音 7゜音が存在しないとともに前記の条件が成立せ
ず、かつ3゜音が存在することを条件に検出されるも
ので、ステップ310,313〜315の判定処理により検出され
て、プログラムはステップ327へ進められる。
Maj和音 7゜音が存在しないとともに前記の条件が成立せ
ず、かつ3゜音が存在することを条件に検出されるもの
で、ステップ310,313〜315の判定処理により検出され
て、プログラムはステップ328へ進められる。
SUS4和音 7゜音が存在しないとともに前記の条件が成立せ
ず、かつ3゜音が存在することを条件に検出されるも
ので、ステップ310,313〜315の判定処理により検出され
て、プログラムはステップ329へ進められる。
かかる和音検出により、プログラムがステップ321〜3
29へ進められると、同ステップ321〜329にて、前記根音
カウントデータRCNT及びm7th,m7th(5),7th等のタ
イプデータTYPEが、和音の根音ROOT及びタイプTYPEとし
て、和音検出バッファレジスタ83c(第2C図参照)のバ
ッファアドレスBAAD値により指定される番地にそれぞれ
書き込まれる。これらの各ステップ321〜329の処理後、
ステップ331〜339にて、前記書き込まれたタイプTYPEに
基づき和音構成音テーブル91a(第3A図)が参照される
とともに、ローテーションレジスタ83d内の押鍵キーフ
ラグが同レジスタ83dと同様に構成された12ビットの別
のレジスタ(図示しない)にそのまま移され、該別のレ
ジスタに移された押鍵キーフラグ(“1")の中から和音
構成音テーブル91aに記憶されている基本的構成音及び
テンション音以外のものがミスノートとして削除される
とともに、根音ROOT分(前記ローテーション回数分)だ
け右方向へローテートされた後、該別のレジスタ内の押
鍵キーフラグデータが押鍵キーフラグ用バッファレジス
タ83b(第2B図参照)のバッファアドレスBAAD値により
指定される番地にそれぞれ書き込まれる。これにより、
ミスノートが除かれかつ押鍵時の状態に戻された押鍵キ
ーフラグが押鍵キーフラグ用バッファレジスタ83bの前
記番地に書き込まれることになる。次に、ステップ341
〜349にて、再び前記タイプTYPEに基づき和音構成音テ
ーブル91aが参照され、ローテーションレジスタ83d内の
押鍵キーフラグにより、テンション音数TENSU及び最小
テンション音番号LTNOが検出され、該テンション音数TE
NSU及び最小テンション音番号LTNOが和音検出バッファ
レジスタ83cのバッファアドレスBAAD値により指定され
る番地にそれぞれ書き込まれる。なお、かかるステップ
341〜349の処理においても、当然ながら前記ミスノート
は考慮されないが、次の和音検出処理のため、ミスノー
トに対応した押鍵キーフラグ(“1")もローテーション
レジスタ83d内にそのまま残されている。
かかるステップ341〜349の処理後、ステップ351にて
バッファアドレスBAADが「1」だけ増加され、プログラ
ムは上記ステップ301に戻される。そして、再び上記ス
テップ301,302,310〜315,321〜329,331〜339,341〜349
の処理が実行される。また、前記和音サーチルーチンに
て、最上位ビットMSBを根音とする和音が検出されない
場合、すなわちステップ311,315にて「無し」と判定さ
れた場合には、バッファアドレスBAADが歩進されること
なく、プログラムはステップ301に戻されて新たな和音
サーチのために、再び上記ステップ301,302,310〜315,3
21〜329,331〜339,341〜349の処理が実行される。その
結果、押鍵された各音をそれぞれ根音として可能性のあ
る和音が和音検出バッファレジスタ83cに順次書き込ま
れるとともに、ミスノートを除く押鍵キーフラグが前記
和音検出バッファレジスタ83cに対応して押鍵キーフラ
グバッファレジスタ83bに書き込まれるようになる。か
かる状態にて、前記ローテーション回数が多くなって根
音カウントデータRCNTが12以上になると、ステップ302
にて「YES」と判定されて、該和音検出用バッファデー
タ形成ルーチンの処理がステップ303にて終了され、プ
ログラムは第6図の和音判定ルーチンのステップ204へ
進められる。
ステップ204においては、調設定フラグMKSFが“1"で
あるか否かが判定される。この調設定フラグMKSFは、前
述のように、“0"にて調設定前を表すとともに“1"にて
調設定後を表すもので、調設定前であれば、同ステップ
204における「NO」との判定の基に、ステップ205にて第
1和音検出ルーチンの処理がなされる。また、調設定後
であれば、前記ステップ204における「YES」との判定の
基に、ステップ206にて第2和音検出ルーチンの処理が
なされる。かかるステップ205,206の処理後、ステップ2
07にて該和音判定ルーチンの実行が終了される。
次に、第1和音検出ルーチンについて説明すると、同
ルーチンの実行は第8図のステップ400にて開始され、
ステップ401にて和音検出バッファレジスタ83c内におけ
る根音ROOT、タイプTYPE等の和音データの有無が判定さ
れる。かかる場合、前述の和音検出用バッファデータ形
成ルーチンの処理により、和音検出バッファレジスタ83
c内に和音データが有れば、前記ステップ401にて「YE
S」と判定され、ステップ402にて和音検出バッファレジ
スタ83c内の和音データのうちテンション音数TENSUが最
小のものがサーチされる。かかるサーチ後、ステップ40
3にてテンション音数TENSUが最小のものが複数個有るか
否かが判定される。そして、前記サーチされた和音デー
タが複数有れば、このステップ403における「YES」との
判定の基に、ステップ404にて前記テンション音数TENSU
が最小の和音データの中から最小テンション音番号LTNO
に対応した和音データがサーチされた後、ステップ405
にて該サーチされた和音データに関する根音ROOT及びタ
イプTYPEが押鍵和音データDPCHDとして設定記憶され
る。また、前記ステップ402にてサーチされた和音デー
タが一つで有れば、前記ステップ403における「NO」と
の判定の基に、プログラムはステップ405に直接進めら
れ、同ステップ405にてテンション音数TENSUが最小の和
音データに関する根音ROOT及びタイプTYPEが押鍵和音デ
ータDPCHDとして設定記憶される。これらのステップ402
〜405の処理により、調データMKDを利用しないで最も無
難な和音、すなわち最も緊張度の低い和音が決定される
ことになる。
かかるステップ405の処理後、ステップ406にて前記決
定した和音を表す押鍵和音データDPCHDがAug和音又はDi
m和音を示しているか否かが判定され、前記和音データD
PCHDがAug和音又はDim和音を示していれば、ステップ40
6における「YES」との判定の基に、ステップ411にて該
第1和音検出ルーチンの実行が終了される。また、前記
和音データDPCHDがAug和音及びDim和音を示していなけ
れば、ステップ406における「NO」との判定の基に、ス
テップ407〜409の処理により調を判定するために利用さ
れる押鍵キーフラグテーブル83f及び和音テーブル83gに
対するデータの格納処理が実行される。すなわち、ステ
ップ407にて現テーブルアドレスCTADに「1」を加算す
る(モジェロ8)演算処理がなされ、ステップ408にて
同アドレスCTADにより指定される和音テーブル83gの番
地に押鍵和音データDPCHDの根音ROOT及びタイプTYPEが
書き込まれ、ステップ409にて同アドレスCTADにより指
定される押鍵キーフラグテーブル83fの番地に前記押鍵
和音データDPCHDに対応した押鍵キーフラグバッファレ
ジスタ83bの押鍵キーフラグが記憶され、ステップ411に
て該第1和音検出ルーチンの実行が終了される。その結
果、和音が検出された場合には、Aug和音又はDim和音を
除く和音データが和音テーブル83gに書き込まれるとと
もに、ミスノートを削除した押鍵キーフラグが押鍵キー
フラグテーブル83fに書き込まれる。かかる場合、Aug和
音又はDim和音を除く理由は、これらの和音は楽曲の和
音進行に変化をもたせるもので同和音を調判定に用いる
と、調判定が正確になされないためである。また、前記
ステップ407の加算演算は押鍵キーフラグテーブル83f及
び和音テーブル83gのアドレスを繰返し指定するもので
あると同時に、初期状態時に両テーブル83f,83gがアド
レス指定される際には第1番目(0)の番地が指定され
るように、処理設定では該現テーブルアドレスCTADは前
記両テーブル83f,83gの最終アドレス値に設定される。
一方、ステップ401の判定において、「NO」すなわち
和音検出バッファレジスタ83c内に和音データが無いと
判定されると、ステップ410にて押鍵和音データDPCHDが
和音不成立を示すデータに設定され、ステップ411にて
該第1和音検出ルーチンの実行が終了される。これによ
り、和音不成立の場合にも、前記検出和音がAug和音又
はDim和音の場合と同様、前記アドレスCTADが更新され
ることはなく、同アドレスCTADは以前の状態に保たれ
る。
かかるステップ400〜411からなる第1和音検出ルーチ
ンの実行により、該第1和音検出ルーチンは調決定前に
おいて鍵盤10における押鍵毎に行われるので、初期の状
態を除けば、押鍵キーフラグテーブル83f及び和音テー
ブル83gには調判定のために利用される過去8個の和音
データが格納されていることになる。
次に、調設定後、すなわちステップ204(第6図)に
て「YES」と判定された場合に実行される第2和音検出
ルーチンについて説明する。このルーチンの実行は第9A
図のステップ500にて開始され、ステップ501にて和音検
出バッファレジスタ83c内における根音ROOT、タイプTYP
E等の和音データの有無が判定される。かかる場合、前
述の和音検出用バッファデータ形成ルーチン(第7図)
の処理により、和音検出バッファレジスタ83c内に和音
データが記憶されていなければ、前記ステップ501にて
「NO」と判定され、上記第1和音検出ルーチン(第8
図)と同様に、ステップ502にて和音不成立データが押
鍵和音データDPCHDとして設定されて、ステップ503にて
当該第2和音検出ルーチンの実行が終了される。
また、前記ステップ501における判定時に和音検出バ
ッファレジスタ83c内に和音データが有れば、同ステッ
プ501にて「YES」と判定され、ステップ504にて優先和
音フラグPCDFが“0"に初期設定されるとともに、ステッ
プ505にて直前和音すなわち押鍵和音データDPCHDにより
表された和音に対して、下記優先条件1に合致する和音
が和音検出バッファレジスタ83c内に存在するか否かが
判定される。
優先条件1 和音タイプTYPEが7th又は7th(SUS4)からMajに変化
し、かつ和音根音ROOTが半音間隔にして1音分又は7音
分下降すること、すなわち和音の移行が終止型に合致す
ること。
前記優先条件1に合致する和音が和音検出バッファレ
ジスタ83c内に存在すれば、ステップ505における「YE
S」との判定の基に、ステップ506にて前記優先条件1に
合致した和音検出バッファレジスタ83c内の和音データ
に関する根音ROOT及びタイプTYPEが押鍵和音データDPCH
Dとして設定記憶されるとともに、上記ステップ407〜40
9(第1和音検出ルーチン)と同様にして、ステップ507
にて現テーブルアドレスCTADに「1」を加算する(モジ
ェロ8)演算処理がなされ、ステップ508にて同アドレ
スCTADにより指定される和音テーブル83gの番地に押鍵
和音データDPCHDの根音ROOT、タイプTYPE及び和音テン
ションレベルCTENLが書き込まれ、ステップ509にて同ア
ドレスCTADにより指定される押鍵キーフラグテーブル83
fの番地に前記押鍵和音データDPCHDに対応した押鍵キー
フラグバッファレジスタ83b内の押鍵キーフラグが記憶
される。なお、かかるスイッチ508の処理においては、
調が既に設定されているので、押鍵和音データDPCHDの
根音ROOTから調データMKDを減算(モジュロ12)するこ
とにより、押鍵和音データDPCHDのタイプTYPEとともに
度数表示の和音データすなわちC調を基準にした和音デ
ータが導出され、該和音データに応じて和音テンション
テーブル91b(第3C図)を参照することにより同テーブ
ル91b内に記憶されている和音テンションレベルCTENLが
読み出されて、該レベルCTENLが和音テーブル83gに書き
込まれる。その結果、音楽上の終止理論に基づく和音が
優先的に決定されることになる。前記ステップ509の処
理後、ステップ510にて優先和音フラグPCDFが“1"に変
更されて、プログラムはステップ511へ進められる。
一方、上記ステップ505の判定において、「NO」すな
わち前記優先条件1に合致する和音が和音検出バッファ
レジスタ83c内に無いと判定されると、プログラムはス
テップ505から直接ステップ511へ進められる。なお、こ
の場合、優先和音フラグPCDFは“0"に設定されたままで
ある。
ステップ511においては、直前和音すなわち押鍵和音
データDPCHDにより表された和音に対して、下記優先条
件2又は優先条件3に合致する和音が和音検出バッファ
レジスタ83c内から抽出される。
優先条件2 和音が和音テンションテーブル91b(第3C図)に示さ
れた第2和音グループから第3又は第4和音グループに
移行したこと。
優先条件3 和音が和音テンションテーブル91b(第3C図)に示さ
れた第5和音グループから第6又は第7和音グループに
移行したこと。
なお、該抽出においては、上述した場合と同様、押鍵
和音データDPCHD、和音検出バッファレジスタ83c内の和
音データ及び調データMKDに基づき、和音テンションテ
ーブル91bが参照されるとともに、該抽出データは一時
的に記憶される。
次に、ステップ512にて前記抽出データの有無が判定
される。かかる場合、該抽出データが有れば、ステップ
512における「YES」との判定の基に、ステップ513〜520
の処理後、プログラムはステップ521(第9B図)へ進め
られる。また、前記抽出データが無ければ、ステップ51
2における「NO」との判定の基に、プログラムは直接ス
テップ521へ進められる。
ステップ513においては、前記抽出和音データの中
に、該抽出和音データと直前和音すなわち押鍵和音デー
タDPCHDにより示された和音とが下記優先条件4に合致
するものが有るか否かの判定がなされる。
優先条件4 直前和音から完全4度上の和音に移行したこと。
かかる場合、押鍵和音データDPCHDの根音ROOTから抽
出和音の根音ROOTを減算(モジェロ12)して、該減算結
果が「5」であるか否かが判定される。今、抽出和音デ
ータ中に、前記優先条件4に合致するものが有れば、前
記ステップ513にて「YES」と判定され、ステップ514に
て前記優先条件4に合致した和音データの根音ROOT及び
タイプTYPEが押鍵和音データDPCHDとして設定される。
また、抽出和音データ中に、前記優先条件4に合致する
ものが無ければ、前記ステップ513にて「NO」と判定さ
れ、ステップ515にて前記抽出和音データのいずれか一
つが所定の条件(例えば最初に抽出されたもの)に従っ
て選択され、該選択された和音データの根音ROOT及びタ
イプTYPEが押鍵和音データDPCHDとして設定される。
かかるステップ514,515の処理後、ステップ516にて優
先和音フラグPCDFが“1"であるか否かが判定される。か
かる判定において、「YES」と判定され、すなわち前記
ステップ510の処理により優先和音フラグPCDFが既に
“1"に設定されていれば、上記ステップ508,509と同様
にして、ステップ517にて現テーブルアドレスCTADによ
り指定される和音テーブル83gの番地に前記設定された
押鍵和音データDPCHDの根音ROOT、タイプTYPE及び和音
テンションレベルCTENLが書き込まれ、ステップ518にて
同アドレスCTADにより指定される押鍵キーフラグテーブ
ル83fの番地に前記押鍵和音データDPCHDに対応した押鍵
キーフラグバッファレジスタ83b内の押鍵キーフラグが
記憶される。なお、かかる場合には、現テーブルアドレ
スCTADは歩進されないので、上記ステップ508,509の処
理により和音テーブル83g及び押鍵キーフラグテーブル8
3fに書き込まれた各データが書き換えられることにな
る。また、前記ステップ516において、「NO」と判定さ
れ、すなわち前記ステップ506〜510の処理がなされてい
なければ、ステップ519にて優先和音フラグPCDFが“1"
に設定されるとともに、ステップ520にて上記ステップ5
07の処理と同様にして現テーブルアドレスCTADが歩進さ
れた後、前記ステップ517,518の処理がなされる。その
結果、かかる場合には、以前の各種データの記憶番地よ
り「1」だけ歩進された和音テーブル83g及び押鍵キー
フラグテーブル83fの番地に、押鍵和音データDPCHDに対
応した根音ROOT、タイプTYPE、和音テンションレベルCT
ENL及び押鍵キーフラグが書き込まれる。このようなス
テップ511〜518の処理により、音楽上の和音進行に対し
て適切な和音が優先的に決定されることになる。
前記ステップ518の処理後、プログラムは第9B図のス
テップ521に進められ、同ステップ521にて決定調が短調
であるか否かが判定される。かかる場合、決定調が短調
であれば、前記521にて「YES」すなわち調データMKDが
短調を示していると判定されて、ステップ522〜534から
なる短調優先ルーチンが実行された後、プログラムはス
テップ535へ進められる。また、決定調が長調であれ
ば、前記ステップ521における「NO」との判定の基に、
プログラムは直接ステップ535へ進められる。
この短調優先ルーチンについて説明すると、前記ステ
ップ521の判定後、ステップ522にてプライマリカデンツ
和音フラグPCCFが“0"であるか否かが判定される。かか
る場合、以前カデンツ和音が選択された状態にあって同
フラグPCCFが“1"であれば、前記ステップ522にて「YE
S」と判定されて、ステップ523,524にてそれぞれ和音検
出バッファレジスタ83c内にプライマリ和音が有るか、
カデンツ和音が有るかが判定される。なお、かかる判定
は、和音検出バッファレジスタ83c内の各和音データの
根音ROOTから調データMKDを減算(モジェロ12)した度
数表示の和音データと、該各和音データのタイプTYPEと
に基づき、プライマリ/カデンツ和音テーブル91cを参
照することにより行われる。今、和音検出バッファレジ
スタ83c内にプライマリ和音が有れば、ステップ523にて
「YES」と判定され、ステップ525にてプライマリカデン
ツ和音フラグPCCFがプライマリ和音を表す“0"に設定変
更されて、ステップ526にて前記条件に合致した和音デ
ータの根音ROOT及びタイプTYPEが押鍵和音データDPCHD
として設定される。また、和音検出バッファレジスタ83
c内にプライマリ和音が無くかつカデンツ和音が有れ
ば、ステップ523にて「NO」と判定されるとともにステ
ップ524にて「YES」と判定され、ステップ527にてプラ
イマリカデンツ和音フラグPCCFがカデンツ和音を表す
“1"に再度設定しなおされ、前記ステップ526の処理が
実行される。さらに、和音検出バッファレジスタ83c内
にプライマリ和音もカデンツ和音も無ければ、ステップ
523.524にてそれぞれ「NO」と判定され、プログラムは
ステップ535へ進められる。
一方、以前プライマリ和音が選択された状態にあって
同フラグPCCFが“0"であれば、前記ステップ522にて「N
O」と判定されて、ステップ528,529にてそれぞれ和音検
出バッファレジスタ83c内にカデンツ和音が有るか、プ
ライマリ和音が有るかが、前述の場合とは逆の順に判定
される。なお、かかる判定も、前述のステップ523,524
の法法と同様にして行われる。今、和音検出バッファレ
ジスタ83c内にカデンツ和音が有れば、ステップ528にて
「YES」と判定され、ステップ527にてプライマリカデン
ツ和音フラグPCCFがカデンツ和音を表す“1"に設定変更
されて、ステップ526にて前記条件に合致した和音デー
タの根音ROOT及びタイプTYPEが押鍵和音データDPCHDと
して設定される。また、和音検出バッファレジスタ83c
内にカデンツ和音が無くかつプライマリ和音が有れば、
ステップ528にて「NO」と判定されるとともにステップ5
29にて「YES」と判定され、ステップ525にてプライマリ
カデンツ和音フラグPCCFがプライマリ和音を表す“0"に
再度設定しなおされ、前記ステップ526の処理が実行さ
れる。さらに、和音検出バッファレジスタ83c内にプラ
イマリ和音もカデンツ和音も無ければ、ステップ528,52
9にてそれぞれ「NO」と判定され、プログラムはステッ
プ535へ進められる。
前記ステップ526の処理後、上記第9A図のステップ516
〜518の処理と同様にして、ステップ530〜532の処理に
より、以前の処理で優先和音フラグPCDFが既に“1"に設
定されていれば、和音テーブル83g及び押鍵キーフラグ
テーブル83fに既に書き込まれている最新の押鍵和音デ
ータDPCHDに対応した根音ROOT、タイプTYPE、和音テン
ションレベルCTENL及び押鍵キーフラグがそれぞれ書き
換えられる。また、以前の処理で優先和音フラグPCDFが
未だ“1"に設定されていなければ、優先和音フラグPCDF
が新たに“1"に設定されるとともに、現テーブルアドレ
スCTADが歩進された後、以前の各種データの記憶番地よ
り「1」だけ歩進された和音テーブル83g及び押鍵キー
フラグテーブル83fの各番地に、押鍵和音データDPCHDに
対応した根音ROOT、タイプTYPE及び押鍵キーフラグが新
たに書き込まれる。このようなステップ522〜534の処理
により、プライマリ和音及びカデンツ和音がなるべく交
互に選択され、短調における音楽上の和音進行に対して
適切な和音が優先的に決定されることになる。
かかるステップ521,524,529,532の処理後、ステップ5
35にて優先和音フラグPCDFが“1"であるか否かが判定さ
れる。かかる場合、和音が既に優先選択されて同フラグ
PCDFが“1"であれば、同ステップ535にて「YES」と判定
され、プログラムが直接ステップ542へ進められて同ス
テップ542にて該第2和音検出ルーチンの実行が終了さ
れる。また、和音が未だ優先選択されていなくて優先和
音フラグPCDFが“0"であれば、前記ステップ535にて「N
O」と判定され、ステップ536にて和音検出バッファレジ
スタ83c内における各和音毎に和音テンションレベルCTE
NLが書き込まれる。かかる和音テンションレベルCTENL
の書き込みにあたっては、各和音データの根音ROOTから
調データMKDにより示された音高を減算(モジェロ12)
し、該減算結果により表された度数表示の和音データの
根音ROOT及び押鍵和音データDPCHDのタイプTYPEに基づ
き、和音テンションテーブル91bを参照することによ
り、同テーブル91bから和音テンションレベルCTENLを黄
泉出して、該レベルCTENLを和音検出バッファレジスタ8
3c内の和音データに付け加えるようにする。ただし、Au
g和音及びDim和音に関しては、和音テンションテーブル
91bにも和音テンションレベルCTENLが記憶されておら
ず、該両和音に関しては同レベルCTENLが和音検出バッ
ファレジスタ83c内に書き込まれない。
かかるステップ537の処理後、ステップ537にて下記和
音テンション移行条件に合致する和音データが和音検出
バッファレジスタ83cに存在するか否かが判定される。
和音テンション移行条件 和音テンションレベルCTENLが上昇する場合には徐々
に変化し(例えば0以上+3未満)、かつ同レベルCTEN
Lが下降する場合には急激(例えば−3未満)に変化し
て、和音テンションレベルCTENLが鋸歯状波的に変化す
るようにすること。
なお、この判定処理においては、前記ステップ536と
同様に、直前和音すなわち押鍵和音データDPCHDにより
表された和音の根音ROOT及びタイプTYPEと調データMKD
とに基づき、和音テンションテーブル91bを参照するこ
とにより、直前和音の和音テンションレベルCTENL*を
導出し、該導出レベルCTENL*と前記和音検出バッファ
レジスタ83c内に格納した各和音毎の和音テンションレ
ベルCTENLとをそれぞれ比較して、0<CTENL−CTENL*
<+3又はCTENL−CTENL*<−3に合致する和音テンシ
ョンレベルCTENLの和音を探し出す。
かかる場合、前記和音テンション移行条件に合致した
和音が見つかれば、該見つかり次第、ステップ537にて
「YES」と判定され、前記ステップ526,534,531,532の処
理と同様なステップ538〜541の処理により、前記条件に
合致した和音データの根音ROOT及びタイプTYPEが押鍵和
音データDPCHDとして設定されるとともに、現テーブル
アドレスCTADが歩進されて、以前の各種データの記憶番
地「1」だけ歩進された和音テーブル83g及び押鍵キー
フラグテーブル83fの番地に、押鍵和音データDPCHDに対
応した根音ROOT、タイプTYPE、和音テンションレベルCT
ENL及び押鍵キーフラグが書き込まれる。そして、ステ
ップ541の処理後、ステップ542にて該第2和音検出ルー
チンの実行が終了される。このようなステップ536〜541
の処理により、和音の進行を表す和音テンションレベル
ラインに沿った適切な和音が決定されることになる。
一方、和音検出バッファレジスタ83c内に、前記和音
テンション移行条件に合致した和音データが存在しなけ
れば、ステップ537にて「NO」と判定され、プログラム
は第9C図のステップ543へ進められ、ステップ543〜551
の処理により和音が決定される。これらのステップ543
〜551の処理は、ステップ549にて和音テンションレベル
CTENLが和音テーブル83gに書き込まれる(上記第9B図の
ステップ531の処理と同様)以外は第8図の第1和音検
出ルーチンの処理と同じである。その結果、和音検出バ
ッファレジスタ83c内に記憶されている和音データの中
から、和音テンション音数TENSU及び最低テンション音
番号LTNOが小さい和音が指定和音として決定される。
調判定ルーチン 次に、調判定ルーチンについて説明する。この調判定
ルーチンの実行は第10A図のステップ600から開始され、
ステップ601にて現在和音すなわち押鍵和音データDPCHD
が和音不成立、Aug和音又はDim和音を示していれば、ス
テップ601にて「YES」と判定されて、ステップ602にて
該調判定ルーチンの実行が終了される。これにより、か
かる場合には、調判定処理が実質的になされない。
また、現在の和音が和音不成立、Aug和音又はDim和音
を示していなければ、ステップ603にてリズム種類デー
タRHYに基づき選択リズムがブルースであるか否かが判
定される。この判定は、調決定において選択リズムがブ
ルースである場合とブルース以外のものである場合と
で、判定条件が大幅にことなるためである。
最初に、選択リズムがブルース以外の場合について説
明すると、前記ステップ603にて「NO」と判定され、プ
ログラムがステップ604,605の長調判定動機ルーチンへ
進められる。ステップ604においては、現在和音が直前
和音から根音ROOTに関し半音間隔にして1音分又は7音
分下降したか否かが判定される。この判定においては、
和音テーブル83g内の現テーブルアドレスCTADより一つ
前のアドレスに記憶されている和音データの根音ROOTと
押鍵和音データDPCHDの根音ROOTとが比較され、例えば
根音ROOTがG音からC音に変化したり、D音からC音
に変化した場合、前記ステップ604にて「YES」と判定さ
れて、プログラムはステップ605に進められる。このス
テップ605においては、直前和音から現在和音への関係
が、タイプTYPEに関し、Maj和音からMaj和音へ移行し、
7th和音からMaj和音へ移行し又は7th(SUS4)和音からM
aj和音へ移行したか否かが判定される。この判定におい
ても、和音テーブル83g内の現テーブルアドレスCTADよ
り一つ前のアドレスに記憶されている和音データのタイ
プTYPEと押鍵和音データDPCHDのタイプTYPEとが比較さ
れ、例えば和音がGMajからCMajへ移行し、又はG7thから
CMajへ移行した場合には、前記ステップ605にて「YES」
と判定されて、ステップ606にて仮調データKMKDの最上
位ビットMSBが長調を示す“1"に設定される。
一方、根音ROOT及びタイプTYPEが前記ステップ604,60
5にて規定されている関係になければ、同ステップ604,6
05のいずれかにて、「NO」と判定されて、プログラムは
ステップ607〜609からなる短調判定動機ルーチンへ進め
られる。ステップ607においては、短調決定の一つの条
件である「演奏開始時の和音がMin和音又はm7th和音で
あったか」を示す演奏開始マイナフラグPSTMFが“1"で
あるか否かが判定される。かかる場合、演奏開始マイナ
フラグPSTMFが“0"であれば、短調決定条件に合致しな
いものとして、同ステップ607にて「NO」と判定され
て、ステップ611にて該調判定ルーチンは終了される。
また、該演奏開始マイナフラグPSTMFが“1"であれば、
前記ステップ607における「YES」との判定の基に、ステ
ップ608にて現在和音が直前和音から根音ROOTに関し半
音間隔にして7音分下降したか否かが判定される。この
判定においても、和音テーブル83g内の現テーブルアド
レスCTADより一つ前のアドレスに記憶されている和音デ
ータの根音ROOTと押鍵和音データDPCHDの根音ROOTとが
比較され、例えば根音ROOTがG音からC音に変化すれ
ば、前記ステップ608にて「YES」と判定されて、プログ
ラムはステップ609に進められる。このステップ609にお
いては、直前和音から現在和音への関係が、タイプTYPE
に関し、Maj和音からMin和音へ移行し又は7th和音からM
in和音へ移行したか否かが判定される。この判定におい
ても、和音テーブル83g内の現テーブルアドレスCTADよ
り一つ前のアドレスに記憶されている和音データのタイ
プTYPEと押鍵和音データDPCHDのタイプTYPEとが比較さ
れ、例えば和音がGMajからCMinへ移行し、又はG7thから
CMinへ移行した場合には、前記ステップ609にて「YES」
と判定されて、ステップ610にて仮調データKMKDの最上
位ビットMSBが短調を示す“0"に設定される。
一方、根音ROOT及びタイプTYPEが前記ステップ608,60
9にて規定されている関係になければ、同ステップ608,6
09のいずれかにて、「NO」と判定されて、プログラムは
ステップ611へ進められ、同ステップ611にて該調判定ル
ーチンは終了する。
かかるステップ604,605,607〜609の処理により、プロ
グラムがステップ606,610に進められた場合には、一応
押鍵和音データDPCHDの根音ROOTに対応した調又は同根
音ROOTから5度高い調(例えば、根音ROOTがC音である
ならばC調又はG調)の決定が予想され、該両調のいず
れかに決定するために、ステップ612〜619からなる判定
処理がさらに続行される。ステップ612においては、和
音テーブル83g内の各和音が押鍵和音データDPCHDの根音
ROOTを基準調として度数表示(和音テーブル83g内の和
音の根音ROOT−押鍵和音データDPCHDの根音ROOT)に変
換され、該変換和音に基づき和音テンションテーブルが
参照されて過去8個分の和音テンションレベルCTENLが
導出されるとともに、該8個分の和音テンションレベル
CTENLの総和が第1テンションレベル総和値SUMTENL1と
して算出される。次に、ステップ613にて、前記ステッ
プ612と同様にして、押鍵和音データDPCHDの根音ROOTか
ら5度高い調(ROOT+7)を基準調として、和音テーブ
ル83g内の過去8個分の和音テンションレベルCTENLの総
和が第2テンションレベル総和値SUMTENL2として算出さ
れる。
かかるステップ612,613の処理後、ステップ614にて前
記第1及び第2テンションレベル総和値SUMTENL1,SUMTE
NL2の大小関係が比較される。今、第1テンションレベ
ル総和値SUMTENL1が第2テンションレベル総和値SUMTEN
L2より小さければ、仮の調は押鍵和音データDPCHDの根
音ROOTにより表されたもの(例えば、根音ROOTをC音と
すればC調)であると判定され、ステップ615にて仮調
データKMKDの下位ビットに前記根音ROOTが記憶される。
また、逆に、第2テンションレベル総和値SUMTENL2が第
1テンションレベル総和値SUMTENL1より小さければ、仮
の値は押鍵和音データDPCHDの根音ROOTより5度高いも
のROOT+7(例えば、根音ROOTをC音とすればG調)で
あると判定され、ステップ616にて仮調データKMKDの下
位ビットに前記値ROOT+7が記憶される。
さらに、前記両総和値SUMTENL1,SUMTENL2が等しけれ
ば、ステップ614における判定によりプログラムはステ
ップ617〜619へ進められる。かかるステップ617〜619の
処理においては、過去8個分の和音押鍵における押鍵名
の中に、根音ROOTに対しIV度音(例えば、根音ROOTをC
音とすればF音)があるか、また同根音ROOTに対しIV
度音(例えば、根音ROOTをC音とすればF音)がある
かが判定される。すなわち、ステップ617にて押鍵和音
データDPCHDの根音ROOTに「5」を加算した値ROOT+5
に基づき押鍵キーフラグテーブル83fが参照され、また
ステップ618,619にて押鍵和音データDPCHDの根音ROOTに
「6」を加算した値ROOT+6に基づき押鍵キーフラグテ
ーブル83fが参照される。今、前記IV度音が押鍵キーフ
ラグテーブル83f内に存在し、かつ前記IV度音がテー
ブル83f内に存在しなければ、ステップ617にて「YES」
かつステップ618にて「NO」と判定され(仮の調は押鍵
和音データDPCHDの根音ROOTにより表されたものである
と判定され)、前記ステップ615の処理がなされる。ま
た、前記IV度音が押鍵キーフラグテーブル83f内に存
在し、かつ前記IV度音が同テーブル83f内に存在しなけ
れば、ステップ617にて「NO」かつステップ619「YES」
と判定され(仮の調は押鍵和音データDPCHDの根音ROOT
+7により表されたものであると判定され)、前記ステ
ップ616の処理がなされる。さらに、前記IV音及びIV
度音の両者が押鍵キーフラグテーブル83f内に存在し又
は存在しなければ、ステップ617,618にてそれぞれ「YE
S」又はステップ617,619にてそれぞれ「NO」と判定され
て、ステップ611にて該調判定ルーチンの処理が終了さ
れる。
このように、選択リズムがブルース以外であれば、ス
テップ604〜619の処理により、仮の調が判定されるとと
もに、ステップ606,610,615,616の処理により仮調デー
タKMKDが設定され、プログラムは第10B図のステップ628
へ進められる。
一方、選択リズムがブルースである場合には、前記ス
テップ603にて「YES」と判定され、プログラムは第10B
図のステップ620へ進められる。ステップ620において
は、ブルーステーブル83h(第2G図)内の全データがク
リアされ、ステップ621にて和音テーブル83g(第2F図)
内の過去8個の和音データのうち、タイプが7thの和音
が抽出されるとともに、該各抽出された和音の根音ROOT
毎に、ブルーステーブル83h内の各記憶位置(ROOT,
I7th)、(ROOT+7,IV7th)、(ROOT+5,V7th)の和音
フラグDFLGがそれぞれ“1"に設定される。これは、前記
根音ROOTを調とするI7th和音がROOT+7音を調とするIV
7th和音及びROOT+5音を調とするV7th和音とも考えら
れるからである。次に、ステップ622にて、和音テーブ
ル83g(第2F図)内の過去8個の和音データのうち、タ
イプがm7thの和音が抽出されるとともに、該各抽出され
た和音の根音ROOT毎に、ブルーステーブル83h内の各記
憶位置(ROOT,Im7th)、(ROOT+7,IVm7th)、(ROOT+
5,Vm7th)の和音フラグDFLGがそれぞれ“1"に設定され
る。これは、前記根音ROOTを調とするIm7th和音がROOT
+7音を調とするIVm7th和音及びROOT+5音を調とする
Vm7th和音とも考えられるからである。
かかるステップ621,622の処理後、ステップ623にてブ
ルーステーブル83h内にI7th,IV7th,V7thの各和音に関す
る和音フラグDFLGが全て“1"である根音ROOTが存在する
か否かが判定されるとともに、ステップ624にてブルー
ステーブル83h内にIm7th,IVm7th,Vm7thの各和音に関す
る和音フラグDFLGが全て“1"である根音ROOTが存在する
か否かが判定される。これは下記ブルース条件1,2をブ
ルースにおける調の判定条件とするからである。
ブルース条件1 過去8個の和音の中に、I7th,IV7th,V7thの全ての和
音が出現した時点で長調と判定する。
ブルース条件2 過去8個の和音の中に、Im7th,IVm7th,Vm7thの全ての
和音が出現した時点で短調と判定する。
今、前記ブルース条件1が成立したとすると、ステッ
プ623にて「YES」と判定され、ステップ625にて仮調デ
ータKMKDの最上位ビットMSBが長調を表す“1"に設定さ
れるとともに、同データKMKDの下位ビットが該当する根
音ROOTに設定される。また、前記ブルース条件2が成立
したとすると、ステップ623にて「NO」及びステップ624
にて「YES」と判定され、ステップ626にて仮調データKM
KDの最上位ビットMSBが短調を表す“0"に設定されると
ともに、同データKMKDの下位ビットが該当する根音ROOT
に設定される。さらに、前記両ブルース条件1,2が成立
しなければ、両ステップ623,624にてそれぞれ「NO」と
判定され、ステップ627にて該調判定ルーチンの処理が
終了される。
このように、選択リズムがブルースである場合には、
ステップ620〜624の処理により、仮の調が決定されると
ともに、ステップ625,626の処理により仮調データKMKD
が設定され、プログラムはステップ628へ進められる。
ステップ628においては、調データMKDと仮調データKM
KDとの各最上位ビットMSBが比較され、以前の決定調と
前記設定された仮の調とが長短において同一か否かが判
定される。いま、前記長短が同一であれば、ステップ62
8にて「YES」と判定され、ステップ629にてリズム種類
データRHY(ブルースか否か)及び仮調データKMKDに基
づき、調フラグテーブル83i(第2H図)内のリズム種類
(ブルース及びそれ以外)、長短及び音名に対応した記
憶位置が指定されるとともに、該指定記憶位置の調フラ
グKFLGに「1」が加算される。ただし、調フラグKFLGは
0〜3に渡って変化するもので、調フラグKFLGが既に
「3」である場合には、前記加算は行われない。次に、
ステップ630にて、リズム種類データRHY、仮調データKM
KD及び調データMKDに基づき再び調フラグテーブル83iが
参照され、以前からの決定調(調データMKD)に関する
調フラグKFLG*と今回の検出調(仮調データKMKD)に関
する調フラグKFLGとが比較される。かかる場合、調フラ
グKFLG*が調フラグKFLGより大きければ、ステップ630
にて「NO」と判定され、ステップ634にて該調判定ルー
チンの実行が終了されるので、以前の決定調が変更され
ることはない。これは、少ない情報で調を変更してしま
うと、調の判定(転調の判定)に誤りを来すおそれがあ
るためである。
一方、前記調フラグKFLGの加算演算の結果、調フラグ
KFLGが調フラグKFLG*以上になれば、ステップ630にて
「YES」と判定され、ステップ631にて調データMKDが仮
調データKMKDに示された値に設定される。これにより、
当該電子楽器における演奏調が初めて決定され、又は変
更される。前記ステップ631の処理後、ステップ632にて
調フラグテーブル83i内の全てのデータをクリアするこ
とにより同テーブル83iが初期状態に設定されるととも
に、リズム種類データRHY及び調データMKDに基づき調フ
ラグテーブル83i内のリズム種類、長短及び音名に対応
した記憶位置の調フラグKFLG(前記ステップ630の処理
により加算演算の施された調フラグKFLG)が「1」に設
定され、ステップ633にて調設定フラグMKSFが“1"に設
定された後、ステップ634にて該調判定ルーチンの実行
が終了される。
また、以前の決定調(調データMKD)と上記設定され
た仮の調(仮調データKMKD)とが長短において異なる場
合、上記ステップステップ628の判定処理において「N
O」と判定され、プログラムは直接ステップ631へ進めら
れ、ステップ631,632,633の処理がなされる。かかる場
合には、このように前記ステップ629,930の処理(調フ
ラグKFLGに関する判定処理)がなされないで、直ちに調
が変更される結果、長調から短調へ又は短調から長調へ
の転調は優先的に行われることになる。
旋法決定ルーチン 次に、旋法決定ルーチンについて、第11図のフローチ
ャートを用いて説明する。この旋法決定の方法は、 調が未だ決定されていない場合 調が既に決定されており、かつ選択リズムがブルース
でない場合 調が既に決定されており、かつ選択リズムがブルース
である場合 に応じて異なるので、以下3種類の場合について説明す
る。
調が未だ決定されていない場合 かかる場合、調設定フラグMKSFは“0"に設定されたま
まであるので、ステップ700における該旋法決定ルーチ
ンの開始後、ステップ701にて「NO」すなわち調設定フ
ラグMKSFは“1"でないと判定され、ステップ702にて現
在の和音に対応した押鍵和音データDPCHDが和音不成立
を表しているか否かが判定される。今、該押鍵和音デー
タDPCHDが和音不成立を表していなければ、前記ステッ
プ702にて「NO」と判定され、ステップ703にて押鍵和音
データDPCHDに基づき第2旋法テーブル91e(第3F図)が
参照され、同テーブル91eから押鍵和音データDPCHDのタ
イプTYPEに応じた旋法名(例えば、Maj和音ならアイオ
ニアン、Min和音ならドリアン等)が読み出されて旋法
データSCALEとして設定される。そして、ステップ705に
て該旋法決定ルーチンの実行が終了される。
一方、該押鍵和音データDPCHDが和音不成立を表して
いれば、前記ステップ702にて「YES」と判定され、ステ
ップ704にて直前の検出和音(但し、Aug和音、Dim和音
を除く)すなわち和音テーブル83g内の現テーブルアド
レスCTADにより示された最新の和音データに基づき第2
旋法テーブル91eが参照され、前記ステップ703の場合と
同様にして旋法データSCALEが設定されて、ステップ705
にて該旋法決定ルーチンの実行が終了される。なお、演
奏開始直後であって、和音テーブル83g内になにも和音
データが存在しない場合には、和音テーブル83gから旋
法データの読み出しはなされず、旋法データSCALEも設
定されることはない。
このようなステップ702〜704の処理により、多少の正
確さは欠くが、音楽的に無難な旋法が決定される。
調が既に決定されており、かつ選択リズムがブルース
でない場合 かかる場合、調設定フラグMKSFは既に“1"に設定され
ていると同時に、リズム種類データRHYはブルースを表
していないので、ステップ700における該旋法決定ルー
チンの開始後、ステップ701にて「YES」と判定され、か
つステップ706にて「NO」と判定された後、ステップ707
にて、上記ステップ702の場合と同様、押鍵和音データD
PCHDが和音不成立を表しているか否かが判定される。
今、該押鍵和音データDPCHDが和音不成立を表していな
ければ、前記ステップ707にて「NO」と判定され、ステ
ップ708にて押鍵和音データDPCHDを度数表示に変換した
和音データに基づき第1旋法テーブル91d(第3E図)が
参照され、同テーブル91dから旋法名が読み出されて旋
法データSCALEとして設定される。すなわち、押鍵和音
データDPCHDの根音ROOTから調データMKDの音名データが
減算され、該減算結果と押鍵和音データDPCHDのタイプT
YPEに応じて第1旋法テーブル91dが参照され、旋法名
(例えば、IMajならアイオニアン、IIm7thならドリアン
等)が読み出される。なお、前記度数表示の和音データ
が第2グループ以降(第3C図の和音テンションテーブル
91b参照)であれば、各グループ毎に旋法名(例えば、
第4グループの和音であればミクソリディアン等)が読
み出される。そして、ステップ705にて該旋法決定ルー
チンの実行が終了される。
一方、該押鍵和音データDPCHDが和音不成立を表して
いれば、前記ステップ707にて「YES」と判定され、ステ
ップ709にて直前の検出和音(但し、Aug和音、Dim和音
を除く)すなわち和音テーブル83g内の現テーブルアド
レスCTADにより示された最新の和音データを度数表示に
変換したものに基づき第1旋法テーブル91dが参照さ
れ、前記ステップ708の場合と同様にして旋法データSCA
LEが設定されて、ステップ709にて該旋法決定ルーチン
の実行が終了される。
このようなステップ707〜709の処理により、音楽的に
適切な旋法が決定される。
調が既に決定されており、かつ選択リズムがブルース
である場合 かかる場合、調設定フラグMKSFは既に“1"に設定され
ていると同時に、リズム種類データRHYはブルースを表
しているので、ステップ700における該旋法決定ルーチ
ンの開始後、ステップ701,706にてそれぞれ「YES」と判
定された後、ステップ710にて、上記ステップ702,707の
場合と同様、押鍵和音データDPCHDが和音不成立を表し
ているか否かが判定される。今、該押鍵和音データDPCH
Dが和音不成立を表していなければ、前記ステップ710に
て「NO」と判定され、ステップ711にて押鍵和音データD
PCHDを度数表示に変換した和音データがI7th,IV7th,V
7thの各和音のいずれかであるか否かが判定される。す
なわち、押鍵和音データDPCHDの根音ROOTから調データM
KDの音名データを減算した結果と押鍵和音データDPCHD
のタイプTYPEにより表された和音がI7th,IV7th,V7th
各和音のいずれかに該当するか否かが判定される。かか
る場合、前記度数表示和音がI7th,IV7th,V7thの各和音
のいずれかに該当すれば、同ステップ711にて「YES」と
判定され、ステップ712にて旋法データSCALEがブルース
旋法を表すデータに設定され、ステップ705にて該旋法
判定ルーチンの実行が終了される。
また、上記ステップ711にて「NO」と判定されると、
プログラムはステップ713に進められ、同ステップ713に
て押鍵和音データDPCHDを度数表示に変換した和音デー
タがIm7th,IVm7th,Vm7thの各和音のいずれかであるか否
かが判定される。すなわち、押鍵和音データDPCHDの根
音ROOTから調データMKDの音名データを減算した結果と
押鍵和音データDPCHDのタイプTYPEにより表された和音
がIm7th,IVm7th,Vm7thの各和音のいずれかに該当するか
否かが判定される。かかる場合、前記度数表示和音がI
m7th,IVm7th,Vm7thの各和音のいずれかに該当すれば、
同ステップ713にて「YES」と判定され、ステップ714に
て旋法データSCALEがマイナブルース旋法を表すデータ
に設定され、ステップ705にて該旋法判定ルーチンの実
行が終了される。
さらに、前記両ステップ711,713にてそれぞれ「N
O」、すなわち押鍵和音データDPCHDを度数表示に変換し
た和音データがI7th,IV7th,V7th,Im7th,IVm7th,Vm7th
各和音のいずれにも該当しないと判定されると、プログ
ラムはステップ707へ進められ、前記ステップ707〜709
からなる処理により旋法が決定される。
一方、該押鍵和音データDPCHDが和音不成立を表して
れば、前記ステップ710にて「YES」と判定され、ステッ
プ715にて直前の検出和音(但し、Aug和音、Dim和音を
除く)すなわち和音テーブル83g内の現テーブルアドレ
スCTADにより示された最新の和音データを度数表示に変
換したものがI7th,IV7th,V7thの各和音のいずれかに該
当すれか否かが判定されるとともに、ステップ716にて
前記変換された度数表示の和音がIm7th,IVm7th,Vm7th
各和音のいずれかに該当するか否かが判定される。かか
る場合にも、前記ステップ711,713の処理と同様にし
て、前記度数表示に変換された和音がI7th,IV7th,V7th,
Im7th,IVm7th,Vm7thの各和音のいずれかに該当すれば、
ステップ715,716における「YES」との判定の基に、ステ
ップ714,712の処理により、旋法データSCALEはマイナブ
ルース旋法、ブルース旋法を表すデータにそれぞれ設定
される。また、前記度数表示に変換された和音がI7th,I
V7th,V7th,Im7th,IVm7th,Vm7thの各和音のいずれにも該
当しなければ、前記両ステップ715,716にてそれぞれ「N
O」と判定されて、プログラムはステップ707へ進めら
れ、前記ステップ707〜709からなる処理により旋法が決
定される。
このようなステップ710〜716の処理により、ブルース
に関しては、より適切な旋法が決定されると同時に、該
処理によりブルース旋法、マイナブルース旋法が決定さ
れなくても、ステップ707〜709の上述した処理により適
切な旋法が決定される。
このように、鍵盤10における押鍵に応じて和音、調及
び旋法を決定する処理、その他の処理からなるメインプ
ログラム及びそのサブルーチンを実行中のCPU82へ、テ
ンポ発振器70からリズム割込み信号RINTが到来すると、
同CPU82は該割込み信号RINTの到来毎に第12図のフロー
チャートに対応したリズム割込みプログラムを実行して
打楽器及び伴奏音の発生を制御するので、以下、かかる
リズム割込みプログラムについて説明する。
リズム割込みプログラム このリズム割込みプログラムの実行は第12図のステッ
プ800にて開始され、ステップ801にてリズムランフラグ
RUNが“1"か否かが判定される。かかる場合、リズムラ
ンフラグRUNが上記ステップ125(第5図のメインプログ
ラム)の処理により“1"に設定されていれば、前記ステ
ップ801にて「YES」と判定され、プログラムはステップ
802以降へ進められて打楽器音及び伴奏音の発生が制御
され、また同フラグRUNが“0"であれば前記打楽器音及
び伴奏音の発生が制御されずにステップ817にて該リズ
ム割込みプログラムの実行が終了される。
ステップ802においては、リズム種類データRHY及びテ
ンポカウントデータTCNTに応じてリズムパターンメモリ
92が参照され、リズム種類データRHYにより表された選
択リズムに対応し、かつテンポカウントデータTCNTによ
り表されたタイミングに関する全ての打楽器音データPI
TD1、打楽器音データPITD2等がリズムパターンメモリ92
から読み出されて、該打楽器音データPITD1、打楽器音
データPITD2等がバス50を介して打楽器音信号発生回路6
1へ供給される。その結果、打楽器音信号発生回路61は
前記供給打楽器音データPITD1、打楽器音データPITD2
により表された打楽器に関する楽音信号を形成してサウ
ンドシステム63へ供給するので、同システム63からは前
記打楽器音が発音される。なお、リズムパターンメモリ
92から読み出されたデータがNOPを示していれば、該デ
ータは打楽器音信号発生回路61へは出力されず、打楽器
音信号の発生も制御されない。
かかるステップ802の処理後、プログラムはステップ8
03へ進められ、同ステップ803にて変数iが「1」に設
定される。この変数iは伴奏音の系列数すなわち伴奏パ
ターンメモリ93−1〜93−nを指定するもので、1〜n
に渡って変化する。次に、ステップ804にてリズム種類
データRHY、旋法データSCALE及びテンポカウントデータ
TCNTに応じて第i系列の伴奏パターンメモリ93−iが参
照され、リズム種類データRHY及び旋法データSCALEによ
り表された選択リズム及び旋法に対応し、かつテンポカ
ウントデータTCNTにより表されたタイミングに関する伴
奏パターンデータが読み出される。そして、該読み出さ
れた伴奏パターンデータはステップ805,806にてその種
類が判別される。
すなわち、前記読み出された伴奏パターンデータがキ
ーオンデータKON及び音程データPINTに関するものであ
れば、ステップ805にて「NO」と判定され、かつステッ
プ806にて「YES」と判定されて、プログラムはステップ
807へ進められる。ステップ807においては、押鍵和音デ
ータDPCHDが和音不成立を示しているか否かが判定され
る。かかる場合、押鍵和音データDPCHDが和音不成立を
表していなければ、前記ステップ807にて「NO」と判定
され、ステップ808にて該押鍵和音データDPCHDの根音RO
OTと前記読み出した音程データPINTとを加算した音高デ
ータROOT+PINT及びキーオンデータKONがバス50を介し
て伴奏音信号発生回路62の第i系列へ供給される。その
結果、伴奏音信号発生回路62内の第i系列目の楽音信号
形成チャンネルは前記供給音高データROOT+PINTに対応
した音高の楽音信号を形成してサウンドシステム43に供
給するので、同システム43からは押鍵和音データDPCHD
により表された和音に関するアルペジョ音、ベース音、
コード音等のn個の伴奏音のうち、第i系列目の伴奏音
に関する楽音が発生される。
一方、前記ステップ807にて「NO」すなわち押鍵和音
データDPCHDが和音不成立を表していると判定される
と、ステップ809にて和音テーブル83g内の和音データの
有無が判定される。かかる場合、同テーブル83g内に和
音データが有れば、同ステップ809にて「YES」と判定さ
れ、ステップ810にて現テーブルアドレスCTADにより指
定される和音テーブル83g内の最新の和音データが読み
出されるとともに、該和音データが押鍵和音データDPCH
Dに換えて前記ステップ808の処理と同様にして伴奏音の
発生に利用される。すなわち、該和音データのの根音RO
OTと前記伴奏パターンメモリ93−iから読み出した音程
データPINTとを加算した音高データROOT+PINT及びキー
オンデータKONがバス50を介して伴奏音信号発生回路62
の第i系列へ供給される。これにより、現在の押鍵から
和音が検出されなくても、適切な伴奏音が得られる。ま
た、演奏開始直後であって和音テーブル83g内に和音デ
ータが無い場合には、前記ステップ809にて「NO」と判
定され、プログラムはステップ812へ進められる。な
お、この場合には、第i系列の伴奏音は発生されない。
また、説明を前述のステップ805,806の処理に戻す
と、前記ステップ804の処理によって伴奏パターンメモ
リ93−iから読み出された伴奏パターンデータがキーオ
フデータKOFであれば、ステップ805,806にてそれぞれ
「NO」と判定され、ステップ811にてキーオフデータKOF
がバス50を介して伴奏音信号発生回路62の第i系列へ供
給される。その結果、伴奏音信号発生回路62内の第i系
列目の楽音信号形成チャンネルは、前記供給キーオフデ
ータKOFに基づき、第i系列目の伴奏音信号を減衰させ
た後、その発生を停止する。その結果、サウンドシステ
ム63からの第i系列目の伴奏音は徐々に消える。このス
テップ811の処理後、プログラムはステップ812へ進めら
れる。
さらに、前記ステップ804の処理によって伴奏パター
ンメモリ93−iから読み出された伴奏パターンデータが
NOPを示していれば、ステップ805にて「YES」と判定さ
れて、プログラムがステップ812へ直接進められる。か
かる場合には、伴奏音に関する処理はなされない。
前述のような第i系列の処理後、ステップ812にて変
数i「1」が加算され、該加算後の変数iがn以下であ
る間、ステップ813にて「NO」と判定されるとともに、
プログラムがステップ804に戻されて再びステップ804〜
811からなる伴奏音発生制御ルーチンの処理がなされ
る。これにより、第1〜n系列の全ての伴奏音の発生が
制御される。
かかるステップ804〜813からなる循環処理中、変数i
がnより大きくなると、ステップ813にて「YES」と判定
され、プログラムはステップ814〜817からなるテンポカ
ウントデータTCNTの更新処理ルーチンへ進められる。す
なわち、ステップ814にてテンポカウントデータTCNTに
「1」が加算されて同データTCNTが歩進され、ステップ
815にて該歩進されたテンポカウントデータTCNTが「3
2」に達したか否かが判定される。かかるテンポカウン
トデータTCNTが「32」未満であれば、ステップ815にて
「NO」と判定されて、ステップ817にて該リズム割込み
プログラムの実行が終了される。また、テンポカウント
データTCNTが「32」に達すると、ステップ815にて「YE
S」と判定されて、ステップ816にて同データTCNTは
「0」に初期設定された後、ステップ817にて該リズム
割込みプログラムの実行が終了される。
以上の動作説明からも理解できる通り、上記実施例に
よれば、鍵盤10における押鍵に応じて音楽的に適切な和
音、調及び旋法が自動的に検出され、該検出に基づく適
切な音高の伴奏音がリズムに応じて自動的に発生される
ので、音楽的に高度な自動伴奏音が得られるようにな
る。また、上記実施例においては、和音演奏情報に応じ
て調を自動的に決定する手段の他に、長調操作子22、短
調操作子23及び鍵盤10の操作に応じて手動的に調を決定
する手段を設けるようにしたので、演奏曲の開始時にお
ける調を知っていれば、曲の始めから調を指定できる。
そして、かかる場合には、前記自動的に調を決定する手
段は演奏中における転調を自動的に決定するように機能
する。
なお、上記実施例を次のように変形してもよい。
(1)上記実施例においては、リズム種類がブルース以
外のときに調を判定する場合、第10A図のステップ604〜
610にて特定の和音進行を検出して2種の調を仮定し、
ステップ612〜614にて前記2種の調に対する過去8和音
のテンションレベルの総和値を比較することにより過去
8和音の調和度を検査して最終的に調を決定するととも
に、該検査によっても調が決定できない場合にはステッ
プ617〜619にて過去8和音に対応した全ての押鍵音の前
記2種の調に対する適合性を判定することにより最終的
に調を決定している。しかし、コストの低減のために多
少の音楽性の低下を許容すれば、ステップ612〜614,617
〜619の処理を省略してステップ604〜610のみの処理に
より根音ROOTに対応した調を決定するようにしてもよ
い。また、前記ステップ612〜614又はステップ617〜619
のいずれか一方の処理を省略してもよい。これらによっ
ても、簡単な曲なら充分対応できる。
また、上記実施例においては、前述のようにステップ
604〜610にて2個の連続した和音進行により調を決定す
るようにしたが、3個又はそれ以上の連続した和音進行
により調を決定するようにしてもよい。かかる場合も、
和音テーブル83g(第2F図)内から新たに検出された和
音に対して過去に向かって3個又はそれ以上の連続した
和音データを読出して所定の和音進行条件と比較判定す
ればよい。
(2)上記実施例においては、第1及び第2和音検出ル
ーチン(第8図及び第9C図)にてテンション音数TENSU
が最小の和音を決定和音として最終決定し、また該テン
ション音数TENSUの最小のものが複数あればそれらのう
ち最低のテンション音番号LTNOを含む和音を決定和音と
して最終決定するようにしたが、この決定方法の代わり
に、各和音毎の全てのテンション音に関するテンション
音番号LTNOの合計値が最小の和音を決定和音として最終
的に決定するようにしてもよい。かかる場合、第7図の
ステップ341〜349にて和音検出バッファレジスタ83c内
にテンション音数TENSU及び最小テンション音番号LTNO
を書き込む代わりに、各検出和音に対する全てのテンシ
ョン音のテンション音番号TNOの合計値を算出するとと
もに、該合計値を前記和音検出バッファレジスタ83c内
に書き込んでおき、前記第1及び第2和音検出ルーチン
にて前記書き込んだ合計値の最も少ないものを決定和音
として最終的に決定するようにすればよい。
また、上記実施例においては、第7図のステップ321
〜329及びステップ341〜349を含む循環処理により和音
検出バッファレジスタ83c内に可能性のある全ての和音
に関する情報を書き込んだ後に、第8図の第1和音検出
ルーチン及び第9A図〜第9C図の第2和音検出ルーチンに
て前記全ての和音に関する情報を読出しながら最も確か
らしい和音を決定和音として最終的に決定するようにし
たが、和音検出バッファレジスタ83c内に一個の和音に
関する情報のみを記憶する領域を設けておき、第7図の
ステップ310〜315の処理によって可能性のある和音が検
出される毎に、前記和音検出バッファレジスタ83c内の
情報と今回新たに決定された和音に関する情報とを、前
記第1及び第2和音検出ルーチンの処理と同様な方法を
用いて比較することにより前記和音検出バッファレジス
タ内の情報を更新して、該ステップ310〜315の処理によ
り最後に検出された和音に関する処理を終了した時点
で、決定和音が自動的に最終決定されるような逐次比較
法を採用するようにしてもよい。このようにすれば、和
音検出バッファレジスタ83cの容量を小さくできる。
(3)上記実施例においては、リズム種類毎及び各種旋
法毎にそれぞれ対応して複数系列の伴奏パターンメモリ
93−1,93−2・・・93−nを設けるとともに各メモリ93
−1,93−2・・・93−nには各種旋法の基音からの半音
間隔差に対応した音程データPINTを記憶したおくように
したが、前記音程データPINTの代わりに度数データ(第
3G図の「1」,「2」・・・)を伴奏パターンメモリ93
−1,93−2・・・93−nに記憶させるようにし、各種旋
法に関しては共通の伴奏パターンメモリを利用するよう
にしてリズム種類毎にのみ複数系列の伴奏パターンメモ
リ93−1,93−2・・・93−nを設けるようにしてもよ
い。かかる場合、度数データを上記実施例のような音程
データPINT(各種旋法の基音からの半音間隔差)に変換
する度数−音程テーブルを別途設けるとともに、第12図
のステップ804にてリズム種類データRHY及びテンポカウ
ントデータTCNTに応じて伴奏パターンデータを読み出
し、該読み出した伴奏パターンデータが前記度数データ
であれば、ステップ808,810にて該度数データを旋法デ
ータSCALEに応じて前記音程データPINTに変更した後
に、該変換音程データPINTと根音データROOTとの加算処
理を行うようにすればよい。例えば、伴奏パターンメモ
リ93−1,93−2・・・93−nから読み出された度数デー
タが「3」であった場合、旋法データSCALEがアイオニ
アン旋法を表していれば前記度数データ「3」は「4」
に変換され、また旋法データSCALEがドリアン旋法を表
していれば前記度数データ「3」は「3」に変換される
(第3G図参照)。これにより、伴奏パターンメモリ93を
小容量に構成できる。
(4)上記実施においては、リズム種類がブルース以外
の場合には特定の和音進行を検出することにより長調及
び短調毎に調を決定し、またリズム種類がブルースの場
合には所定の過去から現在までにおける特定和音の発生
を有無を検出することにより長調及び短調毎に調を決定
するように、すなわち2種の曲風のみに応じて長調及び
短調に関する調決定方法を変更するようにしたが、この
曲風毎の調決定方法をさらに細分化し、リズム選択操作
子群31により指定されたリズム種類に応じて、該リズム
種類毎に上記実施例とは異なる特定の和音進行又は特定
和音の発生の有無を検出することにより調を決定するよ
うにしてもよい。
(5)上記実施例においては、本発明を鍵盤10を備えた
電子楽器に適用した例について説明したが、本発明は鍵
盤10を備えず、外部から各鍵の押鍵に対応した音名情報
を入力する入力インターフェースを備えた装置にも適用
できる。かかる場合、前記入力インターフェースは他の
電子楽器又は鍵盤のみを備えた装置からほぼ同時に供給
されるとともに和音を指定する複数の音名情報を次々に
入力するとともに、第5図のステップ102にて前記音名
情報が入力される入力インターフェース内における音名
情報の有無の判別が行れ、ステップ104にて前記入力イ
ンターフェースからの音名情報の取込みが制御されるよ
うにすればよい。これにより、他の楽器、鍵盤のみを備
えた装置から鍵情報(音名情報)を入力するのみで、最
適な伴奏音の形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る電子楽器の全体ブロッ
ク図、第2A図乃至第2I図は第1図のワーキングメモリ内
の各種テーブル及びレジスタの詳細図、第3A図、第3C
図、第3D図、第3E図及び第3F図は第1図の各種検出用テ
ーブルの詳細図、第3B図は検出和音の一例を示す音符
図、第3G図は旋法の一例を示す音符図、第4A図は第1図
のリズムパターンメモリの詳細図、第4B図は第1図の伴
奏パターンメモリの詳細図、第5図乃至第12図は第1図
のマイクロコンピュータにて実行されるプログラムのフ
ローチャートである。 符号の説明 10……鍵盤、20……調設定操作パネル部、30……リズム
制御操作パネル部、61……打楽器音信号発生回路、62…
…伴奏音信号発生回路、70……テンポ発振器、80……マ
イクロコンピュータ、81……プログラムメモリ、82……
CPU、83……ワーキングメモリ、83a……押鍵バッファレ
ジスタ、83b……押鍵キーフラグ用バッファレジスタ、8
3c……和音検出バッファレジスタ、83d……ローテーシ
ョンレジスタ、83e……根音カウンタ、83f……押鍵キー
フラグテーブル、83g……和音テーブル、83h……ブルー
ステーブル、83i……調フラグテーブル、91……各種検
出用テーブル、91a……和音構成音テーブル、91b……和
音テンションテーブル、91c……プライマリ/カデンツ
和音テーブル、91d……第1旋法テーブル、91e……第2
旋法テーブル、92……リズムパターンメモリ、93……伴
奏パターンメモリ。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】和音を指定するための複数の音名をそれぞ
    れ表す複数の音名情報を入力するとともに、該入力した
    複数の音名情報に基づいて和音を検出する和音検出装置
    において、 決定和音を表す和音情報を記憶するための和音記憶手段
    と、 複数の音名情報を記憶するための音名情報記憶手段と、 新たな音名情報の入力に応答して、前記音名情報記憶手
    段の記憶内容を、前記新たな音名情報の入力時に和音を
    指定するために同時に指定されている複数の音名をそれ
    ぞれ表す複数の音名情報に更新する音名情報更新手段
    と、 前記音名情報記憶手段に記憶されている複数の音名情報
    によりそれぞれ表されていて和音を指定するために同時
    に指定されている複数の音名の組合せ状態に応じて該指
    定されている各音名を根音とする和音をそれぞれ検出す
    ることにより複数の検出和音を抽出する和音抽出手段
    と、 前記和音抽出手段により抽出された複数の検出和音の中
    で、前記和音記憶手段に記憶されている和音情報により
    表された前回の和音から所定の進行関係にある検出和音
    を新たな決定和音として決定するとともに、該新たな決
    定和音を表す和音情報を前記和音記憶手段に記憶させる
    和音決定手段と を備えたことを特徴とする和音検出装置。
  2. 【請求項2】和音を指定するための複数の音名をそれぞ
    れ表す複数の音名情報を入力するとともに、該入力した
    複数の音名情報に基づいて和音を検出する和音検出装置
    において、 決定和音を表す和音情報を記憶するための和音記憶手段
    と、 複数の音名情報を記憶するための音名情報記憶手段と、 新たな音名情報の入力に応答して、前記音名情報記憶手
    段の記憶内容を、前記新たな音名情報の入力時に和音を
    指定するために同時に指定されている複数の音名をそれ
    ぞれ表す複数の音名情報に更新する音名情報更新手段
    と、 前記音名情報記憶手段に記憶されている複数の音名情報
    によりそれぞれ表されていて和音を指定するために同時
    に指定されている複数の音名の組合せ状態に応じて該指
    定されている各音名を根音とする和音をそれぞれ検出す
    ることにより複数の検出和音を抽出する和音抽出手段
    と、 調を指定する調指定手段と、 前記調指定手段により指定された調と前記和音記憶手段
    に記憶されている和音情報により表された前回の和音と
    に基づき、前記和音抽出手段により抽出された複数の検
    出和音の中で、該前回の和音と前記指定調との関係にお
    いて所定の進行関係にある検出和音を新たな決定和音と
    して決定するとともに、該新たな決定和音を表す和音情
    報を前記和音記憶手段に記憶させる和音決定手段と を備えたことを特徴とする和音検出装置。
  3. 【請求項3】和音を指定するための複数の音名をそれぞ
    れ表す複数の音名情報を入力するとともに、該入力した
    複数の音名情報に基づいて和音を検出する和音検出装置
    において、 複数の音名情報を記憶するための音名情報記憶手段と、 新たな音名情報の入力に応答して、前記音名情報記憶手
    段の記憶内容を、前記新たな音名情報の入力時に和音を
    指定するために同時に指定されている複数の音名をそれ
    ぞれ表す複数の音名情報に更新する音名情報更新手段
    と、 前記音名情報記憶手段に記憶されている複数の音名情報
    によりそれぞれ表されていて和音を指定するために同時
    に指定されている複数の音名の組合せ状態に応じて該指
    定されている各音名を根音とする和音をそれぞれ検出す
    ることにより複数の検出和音を抽出する和音抽出手段
    と、 調を指定する調指定手段と、 前記和音抽出手段により抽出された複数の検出和音の中
    から前記調指定手段により指定された調における特定の
    和音を決定和音として決定する和音決定手段と を備えたことを特徴とする和音検出装置。
  4. 【請求項4】和音を指定するための複数の音名をそれぞ
    れ表す複数の音名情報を入力するとともに、該入力した
    複数の音名情報に基づいて和音を検出する和音検出装置
    において、 決定和音を表す和音情報を記憶するための和音記憶手段
    と、 複数の音名情報を記憶するための音名情報記憶手段と、 新たな音名情報の入力に応答して、前記音名情報記憶手
    段の記憶内容を、前記新たな音名情報の入力時に和音を
    指定するために同時に指定されている複数の音名をそれ
    ぞれ表す複数の音名情報に更新する音名情報更新手段
    と、 前記音名情報記憶手段に記憶されている複数の音名情報
    によりそれぞれ表されていて和音を指定するために同時
    に指定されている複数の音名の組合せ状態に応じて該指
    定されている各音名を根音とする和音をそれぞれ検出す
    ることにより複数の検出和音を抽出する和音抽出手段
    と、 調を指定する調指定手段と、 調及び和音に対応して予め定められている緊張度であっ
    て前記調指定手段により指定された調と前記和音抽出手
    段により抽出された複数の検出和音とによりそれぞれ定
    まる各緊張度のうちで、前記予め定められている緊張度
    であって前記調指定手段により指定された調と前記和音
    記憶手段に記憶されている和音情報により表された前回
    の和音とにより定まる緊張度に対して所定関係にある緊
    張度の検出和音を前記和音抽出手段により抽出された複
    数の検出和音の中から決定和音として新たに決定すると
    ともに、該新たな決定和音を表す和音情報を前記和音記
    憶手段に記憶させる和音決定手段と を備えたことを特徴とする和音検出装置。
  5. 【請求項5】前記和音抽出手段を、 前記音名情報記憶手段に記憶されている複数の音名情報
    によりそれぞれ表されていて和音を指定するために同時
    に指定されている複数の音名をそれぞれ根音として設定
    する根音設定手段と、 前記根音設定手段により設定された各根音毎に該設定根
    音から所定の度数関係にある音名が前記指定されている
    複数の音名の中に存在するか否かを判定する判定手段と で構成した上記請求項1乃至4のうちのいずれ一つに記
    載の和音検出装置。
  6. 【請求項6】前記所定の度数関係にある音名は和音の基
    本的な構成音であって各種和音毎に予め記憶されたもの
    である上記請求項5に記載の和音検出装置。
  7. 【請求項7】前記調指定手段を、 調を指定するための調指定操作子で構成した上記請求項
    2乃至4のうちのいずれか一つに記載の和音検出装置。
  8. 【請求項8】前記調指定手段を、 前記決定和音に応じて調を自動的に検出指定する手段で
    構成した上記請求項2乃至4のうちのいずれか一つに記
    載の和音検出装置。
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