JP2693339B2 - データ圧縮・復元処理における誤り制御処理方式 - Google Patents

データ圧縮・復元処理における誤り制御処理方式

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JP2693339B2
JP2693339B2 JP4046589A JP4658992A JP2693339B2 JP 2693339 B2 JP2693339 B2 JP 2693339B2 JP 4046589 A JP4046589 A JP 4046589A JP 4658992 A JP4658992 A JP 4658992A JP 2693339 B2 JP2693339 B2 JP 2693339B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ユニバーサル符号に従
う通信システムにおいてのデータ圧縮・復元処理にあっ
て、圧縮側及び復元側でエラーが発生しても、ユニバー
サル符号化/復号化処理を最初からやり直さなくても済
むようにできるデータ圧縮・復元処理における誤り制御
処理方式に関するものである。
【0002】近年、文字コードやベクトル情報や画像
等、様々な種類のデータがコンピュータで扱われるよう
になっており、扱われるデータ量も急激に増加しつつあ
る。このような大量なデータを扱うときには、記憶容量
の削減を図り、高速伝送を実現するためにも、データ中
の冗長な部分を省いてデータ量を圧縮していく必要があ
る。
【0003】データ圧縮の方法としては種々のものが提
案されているが、圧縮対象となるデータの統計的な性質
が分からなくてもデータ圧縮を実現できる方法として、
ユニバーサル符号が提案されている。このユニバーサル
符号の代表的な方法として、出現確率を蓄積していく算
術符号と、生データを蓄積していくジブーレンペル(Zi
v-Lempel)符号とがあり、このジブーレンペル符号で
は、更に大きく分けてスライド辞書型と動的辞書型とい
う2つのアルゴリズムが提案されている。
【0004】そして、このスライド辞書型のアルゴリズ
ムの改良として、LZSS符号が提案されており、動的
辞書型のアルゴリズムの改良として、LZW符号が提案
されている。このようなユニバーサル符号によるデータ
圧縮・復元処理を実用的なものとしていくためには、エ
ラーが発生する場合にも適切に対処できる構成を構築し
ていく必要がある。
【0005】
【従来の技術】最初に、LZW符号によるデータ符号化
処理と、そのデータ復元化処理について説明し、次に、
LZW符号によるデータ圧縮・復元処理形態を採る通信
システムにおいての従来のデータ圧縮・復元処理の誤り
制御処理について説明する。なお、以下の説明では、情
報理論で用いられている呼称を踏襲して、データの1ワ
ードを文字と呼び、データが任意ワードつながったもの
を文字列と呼ぶことにする。
【0006】図10に、LZW符号によるデータ符号化
処理の処理フロー、図11に、LZW符号によるデータ
復元化処理の処理フローを図示する。最初に、図10に
従って、LZW符号によるデータ符号化処理について説
明する。このLZW符号によるデータ符号化処理は、入
力されたデータを互いに異なる文字列に分解し、この文
字列を参照番号(辞書番号)とともに辞書に管理してい
く構成を採って、入力中のデータを辞書登録の最長一致
文字列の参照番号列に置き換えていくことで、長い文字
列を短い参照番号で表すことでもって符号化を実行する
構成を採るものである。
【0007】ここで、辞書への文字列の登録方法は、図
12に示すように、単一文字以外の新規登録の文字列に
ついては、それまでに登録されている参照番号とそれに
続く1文字との組み合わせで表現して登録していく構成
が採られている。
【0008】すなわち、LZW符号によるデータ符号化
処理を実行する場合には、図10の処理フローに示すよ
うに、先ず最初に、ステップ1で、符号化対象となる文
字列に出現する可能性のある全ての単一文字を辞書に登
録し、参照番号の最大値Nにその単一文字種類数を設定
する。次に、ステップ2で、符号化対象の入力データの
最初の文字Kを入力して、その文字Kの参照番号を語頭
文字列ωとして設定する。続いて、ステップ3で、符号
化対象の入力データから次の文字Kを読み込み、続くス
テップ4で、参照番号を表す語頭文字列ωとこの読み込
んだ文字Kとの組み合わせの文字列ωKが、辞書に登録
されているか否かを判断する。
【0009】このステップ4で、文字列ωKが辞書に登
録されていると判断するときには、ステップ5に進ん
で、この文字列ωKの参照番号を新たな語頭文字列ωと
して設定し、続くステップ6で、符号化対象の入力デー
タの全文字についての処理が終了したか否かを判断し
て、終了していないことを判断するときには、ステップ
3に戻っていくことで最長一致文字列を検索し、終了し
たことを判断するときには、ステップ8に進んで、語頭
文字列ωの参照番号を出力して処理を終了する。
【0010】一方、ステップ4で、文字列ωKが辞書に
登録されていないと判断するときには、語頭文字列ωの
示す文字列が最長一致文字列であることに対応して、ス
テップ7に進んで、語頭文字列ωの参照番号を出力する
とともに、この文字列ωKを参照番号を付加して辞書に
登録する。そして、それまでの語頭文字列ωに続く1文
字Kの参照番号を新たな語頭文字列ωとして設定すると
ともに、参照番号の最大値を1つインクリメントしてか
らステップ6に進んでいくことで、次の最長一致文字列
の検索に入っていく。
【0011】図13に従って、この処理フローによるL
ZW符号生成について具体的に説明すると、ステップ1
の処理に従って、文字aが参照番号1、文字bが参照番
号2、文字cが参照番号3とともに辞書に登録される。
次に、ステップ2の処理に従って、入力データの先頭文
字aが読み出されて、その参照番号1が語頭文字列ωと
して設定される。続いて、ステップ3の処理に従って、
入力データの第2番目の文字bが読み出され、ステップ
4の処理に従って、文字列1b(=ab)が辞書に登録
されていないことが判断されて、ステップ7の処理に従
って、語頭文字列ωの参照番号1が出力されるととも
に、文字列1bが参照番号4とともに辞書に登録され、
更に、この文字bの参照番号2が新たな語頭文字列ωと
して設定される。
【0012】続いて、ステップ3の処理に従って、入力
データの第3番目の文字aが読み出され、ステップ4の
処理に従って、文字列2a(=ba)が辞書に登録され
ていないことが判断されて、ステップ7の処理に従っ
て、語頭文字列ωの参照番号2が出力されるとともに、
文字列2aが参照番号5とともに辞書に登録され、更
に、この文字aの参照番号1が新たな語頭文字列ωとし
て設定される。
【0013】続いて、ステップ3の処理に従って、入力
データの第4番目の文字bが読み出され、ステップ4の
処理に従って、文字列1bが辞書に登録されていること
が判断されて、ステップ5の処理に従って、この文字列
1bの参照番号4が新たな語頭文字列ωとして設定され
る。続いて、ステップ3の処理に従って、入力データの
第5番目の文字cが読み出され、ステップ4の処理に従
って、文字列4c(=abc)が辞書に登録されていな
いことが判断されて、ステップ7の処理に従って、語頭
文字列ωの参照番号4が出力されるとともに、文字列4
cが参照番号6とともに辞書に登録され、更に、この文
字cの参照番号3が新たな語頭文字列ωとして設定され
る。以下同様の処理を繰り返していくことで、図16に
示すような符号化が実行されていく。
【0014】次に、図11に従って、LZW符号による
データ復元化処理について説明する。このLZW符号に
よるデータ復元化処理は、図10で説明したデータ符号
化の逆変換処理を実行することで、データの復元を実行
する構成を採るものである。
【0015】すなわち、LZW符号によるデータ復元化
処理を実行する場合には、図11の処理フローに示すよ
うに、先ず最初に、ステップ1で、復元される文字列に
出現する可能性のある全ての単一文字を辞書に登録し、
参照番号の最大値Nにその単一文字種類数を設定する。
次に、ステップ2で、復元対象となる入力データ(参照
番号列である)の最初の符号(CODE)を読み込み、OLDc
ode として設定するとともに、辞書を検索して、このCO
DEの指す文字Kを探し出して出力する。ここで、出力し
た文字Kは、後の例外処理のためにcharにセットしてい
く。
【0016】続いて、ステップ3で、復元対象となる入
力データから次の符号(CODE)を読み込み、NEWcode と
して設定する。続いて、ステップ4で、ステップ3で読
み込んだCODEが辞書に登録されているか否かをチェック
する。このステップ4で、CODEが辞書に登録されている
ことを判断すると、ステップ5に進んで、このCODEの指
す文字列ωKを辞書から読み出し、続くステップ6で、
この文字列ωKの文字Kをスタックに格納するととも
に、この文字列ωKの参照番号ωを新たなCODEとして設
定してステップ5の処理に戻っていく。
【0017】このステップ5及びステップ6の処理を再
帰的に実行していくことで、CODEが1文字を指す状態に
達することを判断すると、ステップ7に進んで、ステッ
プ6でスタックした文字列をLILO(Last In Fast O
ut)形式でポップアップして出力するとともに、OLDcod
e に設定される前回使用した参照番号ωと、今回復元し
た文字列の先頭の1文字との組み合わせからなる文字列
ωKを参照番号を付加して辞書に登録する。そして、復
元文字列の先頭の1文字を後の例外処理のためにcharに
セットし、NEWcode のCODEをOLDcode として設定すると
ともに、参照番号の最大値を1つインクリメントする。
【0018】ステップ7の処理を終了すると、ステップ
8に進んで、復元対象となる入力データの全符号につい
ての処理が終了したか否かを判断して、終了していない
ことを判断するときには、ステップ3に戻っていくこと
で次の符号の復元処理を実行し、終了したことを判断す
るときには処理を終了する。
【0019】そして、ステップ4で、ステップ3で読み
込んだCODEが辞書に登録されていないことを判断すると
きには、ステップ9に進んで、以下の例外処理を実行す
る。ここで、このような状態は、符号化において直前の
参照番号を参照する場合に起こることになる。これか
ら、ステップ9では、charを出力し、OLDcode をCODEと
して設定するとともに、OLDcode とcharとの組み合わせ
をNEWcode として設定して、ステップ5に進んでいく処
理を実行することになる。
【0020】図14に従って、この処理フローによるL
ZW符号の復号化処理について具体的に説明すると、ス
テップ1の処理に従って、文字aが参照番号1、文字b
が参照番号2、文字cが参照番号3とともに辞書に登録
される。次に、ステップ2の処理に従って、入力データ
の先頭符号1が読み出されて、その符号1の指す文字a
が出力される。続いて、ステップ3の処理に従って、入
力データの第2番目の符号2が読み出され、ステップ5
ないしステップ7の処理に従って、その符号2の指す文
字bが出力されるとともに、前回処理した符号1と今回
復元した文字列の先頭の1文字bとの組み合わせの文字
列1bが参照番号4とともに辞書に登録される。
【0021】続いて、ステップ3の処理に従って、入力
符号列の第3番目の符号4が読み出され、ステップ5な
いしステップ7の処理に従って、その符号4の指す文字
列abが出力されるとともに、前回処理した符号2と今
回復元した文字列の先頭の1文字aとの組み合わせの文
字列2aが参照番号5とともに辞書に登録される。以下
同様の処理を繰り返していくことで、図14に示すよう
な符号化が実行されていくことになるが、入力データの
第6番目の符号8が読み出されるときには、符号8はこ
の復元時には辞書に登録されていない。これから、ステ
ップ9の処理に従って例外処理が実行されて、前回処理
した符号5に前回復元した文字列baの先頭文字bを加
えた文字列5bが求められ、これを復元していくことで
符号8の指す文字列babが求められて出力されるとと
もに、前回処理した符号5に今回復元した文字列の先頭
文字bを加えた文字列5bが参照番号8とともに辞書に
登録されることになるのである。
【0022】次に、LZW符号によるデータ圧縮・復元
処理形態を採る通信システムにおいての従来のデータ圧
縮・復元処理の誤り制御処理について説明する。図15
に、LZW符号によるデータ圧縮・復元処理形態を採る
通信システムにおいての従来のデータ圧縮・復元処理の
誤り制御処理フロー、図16に、この制御処理フローを
実現する回路構成を図示する。
【0023】すなわち、従来の通信システムでは、圧縮
側は、図15の処理フローに示すように、先ず最初に、
ステップ1で、辞書データを単一文字登録のものにクリ
アすると、次に、ステップ2で、符号化対象となる入力
データをユニバーサル符号化することで圧縮データを生
成し、続くステップ3で、このユニバーサル符号化と同
期させて辞書データを蓄積していく。続いて、ステップ
4で、生成した圧縮データを復元側に送信していく。こ
のとき、ステップ5で、誤り検出符号を付加するととも
に、復元側から通信上の誤りによる再送要求がある場合
には、それに応答して圧縮データを再送していく。
【0024】そして、続くステップ6で、復元側から復
元エラーによる再送要求があるか否かを判断して、再送
要求がないと判断するときには、ステップ7に進んで、
符号化対象の最終データであるか否かを判断して、最終
データであるときには処理を終了し、最終データでない
ときにはステップ2に戻って、圧縮データの生成・送信
処理を続行する。そして、ステップ6で、再送要求があ
ると判断するときには、ステップ8に進んで、入力デー
タを再入力してステップ1に戻っていくことで、圧縮デ
ータの生成・送信処理を始めからやり直していく。
【0025】一方、復元側は、ステップ9で、辞書デー
タを単一文字登録のものにクリアすると、次に、ステッ
プ10で、圧縮側から送信されてくる圧縮データに付加
されている誤り検出符号に従って、通信上の誤りが発生
したのか否かを検出して、誤りが発生している場合には
再送要求を発行する。なお、この再送処理は、圧縮側と
復元側の双方がバッファメモリを持って、このバッファ
メモリ間でデータを再送していく構成を採るものである
ことから、圧縮側のユニバーサル符号化処理や復元側の
ユニバーサル復号化処理に影響を与えることはなく、ス
テップ6で説明した再送要求とはならない。続いて、ス
テップ11で、圧縮側から送信されてくる圧縮データを
受信し、続くステップ12で、この受信した圧縮データ
をユニバーサル復号化することで復元データを生成し、
続くステップ13で、このユニバーサル復号化と同期さ
せて辞書データを蓄積していく。
【0026】そして、続くステップ14で、ユニバーサ
ル復号化処理時に復元エラーが発生したのか否かを判断
して、復元エラーが発生しないと判断するときには、ス
テップ15に進んで、復元化対象の最終データであるか
否かを判断して、最終データであるときには処理を終了
し、最終データでないときにはステップ11に戻って、
圧縮データの受信処理と復元データの生成処理を続行す
る。そして、ステップ14で、復元エラーが発生したと
判断するときには、ステップ16に進んで、圧縮側に対
して復元エラーによる再送要求を発行し、続くステップ
17で、入力データを再入力してステップ9に戻ってい
くことで、圧縮データの受信処理と復元データの生成処
理を始めからやり直していく。
【0027】このようにして、ユニバーサル符号を用い
る従来の通信システムのデータ圧縮・復元処理では、復
元側で復元エラーが発生すると、圧縮側は、最初から符
号化処理をやり直して圧縮データを生成して復元側に再
送していくという構成を採っていたのである。そして、
この図15に示す処理フローでは省略してあるが、圧縮
側で圧縮エラーが発生するときにも、圧縮側は、最初か
ら符号化処理をやり直して圧縮データを生成して復元側
に再送していくという構成を採っていた。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のデータ圧縮・復元処理の誤り制御処理では、
圧縮エラー及び復元エラーが発生すると、圧縮側は、最
初から符号化処理をやり直して圧縮データを生成して復
元側に再送していくという構成を採っていることから、
図17に示すように、通信時間がかかるとともに、エラ
ーが発生するときにデータ圧縮率が著しく悪化してしま
うという問題点があった。
【0029】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、ユニバーサル符号に従うデータ圧縮・復元処
理において、圧縮側及び復元側でエラーが発生する場合
に適切に対処できるようにする新たなデータ圧縮・復元
処理における誤り制御処理方式の提供を目的とするもの
である。
【0030】
【課題を解決するための手段】図1に本発明の第1の発
明の原理構成、図2に本発明の第2の発明の原理構成を
図示する。
【0031】図1及び図2中、1は本発明を具備する圧
縮側装置であって、ユニバーサル符号化処理に従って処
理対象データの圧縮データを生成するもの、2は本発明
を具備する復元側装置であって、ユニバーサル復号化処
理に従って圧縮側装置1により生成された圧縮データを
復元するもの、3は通信路であって、圧縮側装置1の生
成する圧縮データを復元側装置2に転送するものであ
る。
【0032】図1に示す第1の発明の圧縮側装置1は、
符号化手段10と、蓄積手段11と、期間検出手段12
と、付加手段13と、再開手段14aと、エラー検出手
段15と、発行手段16と、誤り検出符号付加手段17
と、再供給手段18とを備える。
【0033】この符号化手段10は、学習データを蓄積
手段11に蓄積しつつ、この蓄積手段11の管理する学
習データを基にして処理対象データのユニバーサル符号
化処理を実行する。期間検出手段12は、符号化手段1
0に入力される処理対象データのデータ数や、符号化手
段10の出力する圧縮データの符号数に従って、符号化
手段10の実行する符号化処理の周期的な一定期間経過
を検出する。付加手段13は、期間検出手段12の検出
する一定期間毎に、符号化手段10の出力する圧縮デー
タに識別符号を付加する。
【0034】再開手段14aは、エラーが発生するとき
に、蓄積手段11の管理する学習データを正常一定期間
のものまでのものに復帰させてから、符号化手段10に
対して符号化処理の再開を指示する。エラー検出手段1
5は、期間検出手段12の検出する一定期間を検出単位
として、符号化手段10の実行する符号化処理で発生す
る圧縮エラーを検出する。発行手段16は、エラー検出
手段15がエラー発生を検出するときに、復元側装置2
に対してエラー通知を発行する。誤り検出符号付加手段
17は、符号化手段10の出力する圧縮データに、通信
上の誤りを検出可能とする誤り検出符号を付加する。再
供給手段18は、エラーが発生するときに、エラー発生
期間の処理対象データを符号化手段10に再供給する。
【0035】図1に示す第1の発明の圧縮側装置1は、
復号化手段20と、蓄積手段21と、期間検出手段22
と、再開手段23aと、エラー検出手段24と、発行手
段25と、誤り検出手段26とを備える。
【0036】この復号化手段20は、学習データを蓄積
手段21に蓄積しつつ、この蓄積手段21の管理する学
習データを基にして処理対象符号のユニバーサル復号化
処理を実行する。期間検出手段22は、圧縮側装置1の
期間検出手段12と等価な処理を実行することで、復号
化手段20の実行する復号化処理の周期的な一定期間
(圧縮側装置1の期間検出手段12の検出する一定期間
と同一期間長)経過を検出する。再開手段23aは、エ
ラーが発生するときに、蓄積手段21の管理する学習デ
ータを正常一定期間のものまでのものに復帰させてか
ら、復号化手段20に対して復号化処理の再開を指示す
る。
【0037】エラー検出手段24は、期間検出手段22
の検出する一定期間毎に、処理対象符号に識別符号が付
加されているか否かをチェックすることでエラー発生を
検出し、これに加えて、期間検出手段22の検出する一
定期間を検出単位として、復号化手段20の実行する復
号化処理で発生する復元エラーを検出する。発行手段2
5は、エラー検出手段24がエラー発生を検出するとき
に、圧縮側装置1に対してエラー通知を発行する。誤り
検出手段26は、圧縮側装置1の誤り検出符号付加手段
17の付加する誤り検出符号に従って通信上の誤りを検
出する。
【0038】図2に示す第2の発明の圧縮側装置1は、
図1で説明した符号化手段10と、図1で説明した蓄積
手段11と、図1で説明した期間検出手段12と、図1
で説明した付加手段13と、再開手段14bと、図1で
説明したエラー検出手段15と、図1で説明した発行手
段16と、図1で説明した誤り検出符号付加手段17と
を備える。
【0039】この再開手段14bは、エラーが発生する
ときに、蓄積手段11の管理する学習データを正常一定
期間のものまでのものに復帰させてから、符号化手段1
0に対してエラー発生期間に続く一定期間の処理対象デ
ータからの符号化処理の再開を指示する。
【0040】図2に示す第2の発明の復元側装置2は、
図1で説明した復号化手段20と、図1で説明した蓄積
手段21と、図1で説明した期間検出手段22と、再開
手段23bと、図1で説明したエラー検出手段24と、
図1で説明した発行手段25と、図1で説明した誤り検
出手段26と、エラー処理手段27とを備える。
【0041】この再開手段23bは、エラーが発生する
ときに、蓄積手段21の管理する学習データを正常一定
期間のものまでのものに復帰させてから、復号化手段2
0に対してエラー発生期間に続く一定期間の処理対象符
号からの復号化処理の再開を指示する。エラー処理手段
27は、エラーが発生するときに、エラー発生期間の復
元データとして隣接する一定期間の復元データを設定す
る。
【0042】
【作用】本発明の第1の発明では、圧縮側装置1では、
期間検出手段12は、符号化手段10の実行するユニバ
ーサル符号化処理の周期的な一定期間経過を検出し、こ
の検出結果を受けて、蓄積手段11は、どの一定期間で
学習されたのかを識別しつつ学習データを蓄積し、エラ
ー検出手段15は、一定期間を検出単位としてエラーが
発生したのか否かを検出していくとともに、付加手段1
3は、一定期間毎に識別符号を付加していく。一方、復
元側装置2では、期間検出手段22は、圧縮側装置1の
期間検出手段12の検出処理と同期をとって、復号化手
段20の実行するユニバーサル復号化処理の周期的な一
定期間経過を検出し、この検出結果を受けて、蓄積手段
21は、どの一定期間で学習されたのかを識別しつつ学
習データを蓄積していくとともに、エラー検出手段24
は、一定期間を検出単位としてエラーが発生したのか否
かを検出していく。
【0043】このようにして、圧縮側装置1の蓄積手段
11の学習データは、エラーが発生しなければ、図3
(a)に示すように、初期登録値から順次増加していく
ことになり、これに対応して、符号化手段10の実行す
るユニバーサル符号化処理のデータ圧縮率は、図3
(b)に示すように、順次良くなっていくことになる。
【0044】この処理にあって、復元側装置2のエラー
検出手段24が復元側のエラー発生を検出すると、再開
手段23aは、蓄積手段21の管理する学習データを正
常一定期間のものまでのものに復帰させてから、復号化
手段20に対して復号化処理の再開を指示し、発行手段
25は、圧縮側装置1の再開手段14aと再供給手段1
8に対してエラー発生を通知し、このエラー通知を受け
て、再供給手段18は、エラー発生期間の処理対象デー
タを符号化手段10に再供給し、再開手段14aは、蓄
積手段11の管理する学習データを正常一定期間のもの
までのものに復帰させてから、符号化手段10に対して
符号化処理の再開を指示する。
【0045】そして、圧縮側装置1のエラー検出手段1
5が圧縮側のエラー発生を検出すると、再供給手段18
は、エラー発生期間の処理対象データを符号化手段10
に再供給し、再開手段14aは、蓄積手段11の管理す
る学習データを正常一定期間のものまでのものに復帰さ
せてから、符号化手段10に対して符号化処理の再開を
指示し、発行手段16は、復元側装置2の再開手段23
aに対してエラー発生を通知し、このエラー通知を受け
て、再開手段23aは、蓄積手段21の管理する学習デ
ータを正常一定期間のものまでのものに復帰させてか
ら、復号化手段20に対して復号化処理の再開を指示す
る。
【0046】ここで、再供給手段18は、エラー発生期
間の処理対象データの再供給を実現するために、例えば
図5に示すように、同一一定期間の処理対象データを同
時に保持する構成を採って、片方の処理対象データの送
出中にエラーが発生すると、もう一方の処理対象データ
を再供給していくよう処理することになる。
【0047】このように、第1の発明では、一定期間を
検出単位としてエラーが発生したのか否かを検出する構
成を採って、エラーが発生する場合には、学習データを
正常一定期間のものまでのものに復帰させてから、その
エラー発生期間のデータの圧縮処理と復元処理とをやり
直していく構成を採ることから、圧縮側/復元側のいず
れでエラーが発生しても、符号化/復号化処理を最初か
らやり直すことなくそのままデータの圧縮/復元処理を
続行できるようになる。これから、高いデータ圧縮率を
実現しつつ高速にデータを転送できるようになるのであ
る。
【0048】図5に、この第1の発明の処理の説明図を
図示する。すなわち、図5(a)に示すように、一定期
間Bでエラーが発生すると、その前の一定期間Aまでの
学習データを使って一定期間Bの処理対象データの圧縮
処理と復元処理とが再開されて、それ以降の一定期間の
処理対象データの圧縮処理と復元処理とが続行されてい
くことになることから、図5(b)に示すように、エラ
ー発生時点でデータ圧縮率が若干悪化するものの、従来
よりも高いデータ圧縮率でもって処理対象データの圧縮
処理と復元処理とが実行されるのである。
【0049】本発明の第2の発明では、圧縮側装置1で
は、期間検出手段12は、符号化手段10の実行するユ
ニバーサル符号化処理の周期的な一定期間経過を検出
し、この検出結果を受けて、蓄積手段11は、どの一定
期間で学習されたのかを識別しつつ学習データを蓄積
し、エラー検出手段15は、一定期間を検出単位として
エラーが発生したのか否かを検出していくとともに、付
加手段13は、一定期間毎に識別符号を付加していく。
一方、復元側装置2では、期間検出手段22は、圧縮側
装置1の期間検出手段12の検出処理と同期をとって、
復号化手段20の実行するユニバーサル復号化処理の周
期的な一定期間経過を検出し、この検出結果を受けて、
蓄積手段21は、どの一定期間で学習されたのかを識別
しつつ学習データを蓄積していくとともに、エラー検出
手段24は、一定期間を検出単位としてエラーが発生し
たのか否かを検出していく。
【0050】このようにして、圧縮側装置1の蓄積手段
11の学習データは、エラーが発生しなければ、図3
(a)に示すように、初期登録値から順次増加していく
ことになり、これに対応して、符号化手段10の実行す
るユニバーサル符号化処理のデータ圧縮率は、図3
(b)に示すように、順次良くなっていくことになる。
【0051】この処理にあって、復元側装置2のエラー
検出手段24が復元側のエラー発生を検出すると、エラ
ー処理手段27は、例えば1回前の一定期間の復元デー
タをそのエラー発生期間の復元データとして設定し、再
開手段23bは、蓄積手段21の管理する学習データを
正常一定期間のものまでのものに復帰させてから、復号
化手段20に対してエラー発生期間に続く一定期間の処
理対象符号からの復号化処理の再開を指示し、発行手段
25は、圧縮側装置1の再開手段14bに対してエラー
発生を通知し、このエラー通知を受けて、再開手段14
bは、蓄積手段11の管理する学習データを正常一定期
間のものまでのものに復帰させてから、符号化手段10
に対してエラー発生期間に続く一定期間の処理対象デー
タからの符号化処理の再開を指示する。
【0052】そして、圧縮側装置1のエラー検出手段1
5が圧縮側のエラー発生を検出すると、再開手段14b
は、蓄積手段11の管理する学習データを正常一定期間
のものまでのものに復帰させてから、符号化手段10に
対してエラー発生期間に続く一定期間の処理対象データ
からの符号化処理の再開を指示し、発行手段16は、復
元側装置2のエラー処理手段27と再開手段23bに対
してエラー発生を通知し、このエラー通知を受けて、エ
ラー処理手段27は、例えば1回前の一定期間の復元デ
ータをそのエラー発生期間の復元データとして設定する
とともに、再開手段23bは、蓄積手段21の管理する
学習データを正常一定期間のものまでのものに復帰させ
てから、復号化手段20に対してエラー発生期間に続く
一定期間の処理対象符号からの復号化処理の再開を指示
する。
【0053】ここで、エラー処理手段27は、例えば1
回前の一定期間の復元データをそのエラー発生期間の復
元データとして設定するために、例えば図6に示すよう
に、復号化手段20の出力する復元データと、その復元
データの1回前の一定期間の復元データとを同時に保持
する構成を採って、エラーが発生しない場合には、復号
化手段20の出力する復元データをその出力順のままに
出力し、エラーが発生する場合には、そのエラー発生期
間の復元データを1回前の一定期間の復元データに置き
換えて出力していくよう処理することになる。
【0054】このように、第2の発明では、一定期間を
検出単位としてエラーが発生したのか否かを検出する構
成を採って、エラーが発生する場合には、そのエラー発
生期間の復元データを隣接する一定期間のものに置き換
えるとともに、学習データを正常一定期間のものまでの
ものに復帰させてから、そのエラー発生期間に続く一定
期間のデータの圧縮処理と復元処理とを続行していく構
成を採ることから、圧縮側/復元側のいずれでエラーが
発生しても、そのエラー発生期間の復元データが近似的
なものにはなるものの、符号化/復号化処理を最初から
やり直すことなくそのままデータの圧縮/復元処理を続
行できるようになる。これから、高いデータ圧縮率を実
現しつつ高速にデータを転送できるようになるのであ
る。
【0055】図7に、この第2の発明の処理の説明図を
図示する。すなわち、図7(a)に示すように、一定期
間Bでエラーが発生すると、その一定期間Bの復元デー
タとしてその前の一定期間Aの復元データが設定され、
一定期間Bに続く一定期間Cからの処理対象データの圧
縮処理と復元処理は、一定期間Aまでの学習データを使
って再開されて続行されていくことから、図7(b)に
示すように、エラー発生時点でデータ圧縮率が若干悪化
するものの、従来よりも高いデータ圧縮率でもって処理
対象データの圧縮処理と復元処理とが実行されるのであ
る。
【0056】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を詳細に説明す
る。図8に、本発明のデータ圧縮・復元処理の誤り制御
処理フローの一実施例を図示する。次に、この処理フロ
ーに従って、本発明を詳細に説明する。
【0057】本発明を具備する通信システムでは、図1
で説明した圧縮側装置1は、ステップ1で、辞書データ
を正常一定期間状態(処理の開始時点では、単一文字登
録の初期状態)のものに設定すると、次に、ステップ2
で、符号化対象となる入力データをユニバーサル符号化
することで圧縮データを生成し、続くステップ3で、こ
のユニバーサル符号化と同期させて辞書データを蓄積し
ていく。
【0058】続いて、ステップ4で、例えば符号化した
処理対象データのデータ数に従って、ユニバーサル符号
化処理の進行が周期的な一定期間に達したのか否かを判
断して、一定期間に達したことを判断するときには、ス
テップ5に進んで、その旨を表示する識別符号を付加し
てから、続くステップ6で、生成した圧縮データを図1
で説明した復元側装置2に送信していく。一方、ステッ
プ4で、一定期間に達していないことを判断するときに
は、ステップ5の処理を実行することなく直ちにステッ
プ6に進んで、生成した圧縮データを復元側装置2に送
信していく。このとき、ステップ7で、通信上のエラー
を検出可能とする誤り検出符号を付加するとともに、復
元側装置2から通信上の誤りによる再送要求がある場合
には、それに応答して圧縮データを再送していく。
【0059】そして、続くステップ8で、符号化対象の
最終データであるか否かを判断して、最終データである
ときには処理を終了し、最終データでないときにはステ
ップ9に進んで、圧縮エラーが発生したか否かを判断し
て、圧縮エラーが発生していないことを判断するとき
に、続くステップ10で、復元側装置2からエラー通知
が送られてきたのか否かを判断して、エラー通知が送ら
れてこないときには、ステップ2に戻って、一定期間を
判断しつつユニバール符号化処理を続行することで、圧
縮データの生成・送信処理を続行していく。一方、ステ
ップ9で、圧縮エラーが発生したことを判断するときに
は、ステップ11に進んで、復元側装置2にその旨を通
知し、続くステップ12aで、図4で示したような再供
給機構に従って、エラー発生期間の処理対象データを再
度符号化対象として設定してから、ステップ1に戻り辞
書データを正常一定期間状態のものに復帰させていくこ
とで、エラー発生期間の処理対象データからユニバール
符号化処理を再開していく。そして、ステップ10で、
復元側装置2からエラー通知が送られてきたときには、
直ちにステップ12aに進んで、エラー発生期間の処理
対象データを再度符号化対象として設定してから、ステ
ップ1に戻り辞書データを正常一定期間状態のものに復
帰させていくことで、エラー発生期間の処理対象データ
からユニバール符号化処理を再開していく。
【0060】一方、復元側装置2は、ステップ13で、
辞書データを圧縮側装置1と同一の正常一定期間状態
(処理の開始時点では、単一文字登録の初期状態)のも
のに設定すると、次に、ステップ14で、圧縮側装置1
から送信されてくる圧縮データに付加されている誤り検
出符号に従って、通信上の誤りが発生したのか否かを検
出して、誤りが発生している場合には再送要求を発行す
る。なお、この再送処理は、圧縮側装置1と復元側装置
2の双方がバッファメモリを持って、このバッファメモ
リ間でデータを再送していく構成を採るものであること
から、圧縮側装置1のユニバーサル符号化処理や復元側
装置2のユニバーサル復号化処理に影響を与えることは
ない。
【0061】続いて、ステップ15で、圧縮側装置1か
ら送信されてくる圧縮データを受信し、続くステップ1
6で、復元した復元データのデータ数に従って、ユニバ
ーサル復号化処理の進行が周期的な一定期間に達したの
か否かを判断して、一定期間に達したことを判断すると
きには、ステップ17に進んで、圧縮側装置1の付加す
る識別符号が存在するのか否かを判断する。このステッ
プ17で、識別符号が存在することを判断するときに
は、ステップ18に進んで、識別符号を除去し、続くス
テップ19で、ステップ15で受信した圧縮データをユ
ニバーサル復号化することで復元データを生成し、続く
ステップ20で、このユニバーサル復号化と同期させて
辞書データを蓄積していく。一方、ステップ16で、一
定期間に達しないことを判断するときには、ステップ1
7及びステップ18の処理を実行することなく、直ちに
ステップ19に進んで、ユニバーサル復号化処理を実行
していく。
【0062】そして、続くステップ21で、符号化対象
の最終データであるか否かを判断して、最終データであ
るときには処理を終了し、最終データでないときにはス
テップ22に進んで、復元エラーが発生したか否かを判
断して、復元エラーが発生していないことを判断すると
きには、続くステップ23で、圧縮側装置1からエラー
通知が送られてきたのか否かを判断して、エラー通知が
送られてこないときには、ステップ15に戻って、圧縮
データの受信処理を続行していく。
【0063】一方、ステップ17で、識別符号が存在し
ないことを判断するときと、ステップ22で、復元エラ
ーが発生したことを判断するときには、ステップ24に
進んで、圧縮側装置1にその旨を通知してから、ステッ
プ13に戻り辞書データを正常一定期間状態のものに復
帰させていくことで、圧縮側装置1から再送されてくる
エラー発生期間の処理対象データからのユニバール復号
化処理を再開していく。そして、ステップ23で、圧縮
側装置1からエラー通知が送られてきたことを判断する
ときには、直ちに、ステップ13に戻り辞書データを正
常一定期間状態のものに復帰させていくことで、圧縮側
装置1から再送されてくるエラー発生期間の処理対象デ
ータからのユニバール復号化処理を再開していく。
【0064】このように、この図8の処理フローによる
データ圧縮・復元処理の誤り制御処理では、一定期間を
検出単位としてエラーが発生したのか否かを検出する構
成を採って、エラーが発生する場合には、辞書データを
正常一定期間のものまでのものに復帰させてから、その
エラー発生期間のデータの圧縮処理と復元処理とをやり
直していく構成を採ることから、圧縮側/復元側のいず
れでエラーが発生しても、符号化/復号化処理を最初か
らやり直すことなくそのままデータの圧縮/復元処理を
続行できるようになる。これから、高いデータ圧縮率を
実現しつつ高速にデータを転送できるようになるのであ
る。
【0065】図9に、本発明のデータ圧縮・復元処理の
誤り制御処理フローの他の実施例を図示する。この処理
フローと、図8で説明した処理フローとの違いは、図8
の処理フローでは、ステップ12aで、エラー発生期間
の処理対象データを再度符号化対象として設定するよう
に処理していたのに対して、この処理フローでは、ステ
ップ12bで、エラー発生期間の終了まで処理対象デー
タを飛ばしていくように処理することにある。そして、
図8の処理フローでは、ステップ23で、圧縮側装置1
からエラー通知が送られてきたと判断するときと、ステ
ップ24で、圧縮側装置1に復元エラーを通知したとき
には、その後直ちにステップ13に戻っていくように処
理していたのに対して、この処理フローでは、いずれの
場合もステップ25に進んで、エラー発生期間の終了ま
で処理対象符号を飛ばしていくように処理するととも
に、続くステップ26で、1回前の一定期間の復元デー
タをエラー発生期間の復元データとして設定してから、
ステップ13に戻っていくように処理することにある。
【0066】このように、この図9の処理フローによる
データ圧縮・復元処理の誤り制御処理では、一定期間を
検出単位としてエラーが発生したのか否かを検出する構
成を採って、エラーが発生する場合には、そのエラー発
生期間の復元データを隣接する一定期間のものに置き換
えるとともに、辞書データを正常一定期間のものまでの
ものに復帰させてから、そのエラー発生期間に続く一定
期間のデータの圧縮処理と復元処理とを続行していく構
成を採ることから、圧縮側/復元側のいずれでエラーが
発生しても、そのエラー発生期間の復元データが近似的
なものにはなるものの、符号化/復号化処理を最初から
やり直すことなくそのままデータの圧縮/復元処理を続
行できるようになる。これから、高いデータ圧縮率を実
現しつつ高速にデータを転送できるようになるのであ
る。
【0067】図示実施例について説明したが、本発明は
これに限定されるものではない。例えば、実施例では、
エラー発生期間の復元データとして、その前の一定期間
の復元データを用いることで本発明を開示したが、これ
に限られることなく、その後の一定期間の復元データを
用いるものであってもよいのである。また、本発明は、
LZW符号に従うユニバーサル符号に限られることな
く、算術符号のような他のユニバーサル符号を用いるも
のに対してもそのまま適用できるのである。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ユニバーサル符号に従うデータ圧縮・復元処理におい
て、圧縮側/復元側のいずれでエラーが発生しても、符
号化/復号化処理を最初からやり直すことなくそのまま
データの圧縮/復元処理を続行できるようになる。これ
から、高いデータ圧縮率を実現しつつ高速にデータを転
送できるようになるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の原理構成図である。
【図3】本発明の処理の説明図である。
【図4】再供給手段の一構成例である。
【図5】第1の発明の処理の説明図である。
【図6】エラー処理手段の一構成例である。
【図7】第2の発明の処理の説明図である。
【図8】本発明の処理フローの一実施例である。
【図9】本発明の処理フローの他の実施例である。
【図10】LZW符号によるデータ符号化処理の説明図
である。
【図11】LZW符号によるデータ復元化処理の説明図
である。
【図12】LZW符号における辞書登録構成の説明図で
ある。
【図13】LZW符号によるデータ符号化処理の説明図
である。
【図14】LZW符号によるデータ復元化処理の説明図
である。
【図15】従来技術の説明図である。
【図16】従来技術の説明図である。
【図17】従来技術の問題点の説明図である。
【符号の説明】
1 圧縮側装置 2 復元側装置 3 通信路 10 符号化手段 11 蓄積手段 12 期間検出手段 13 付加手段 14a,b 再開手段 15 エラー検出手段 16 発行手段 17 誤り検出符号付加手段 18 再供給手段 20 復号化手段 21 蓄積手段 22 期間検出手段 23a,b 再開手段 24 エラー検出手段 25 発行手段 26 誤り検出手段 27 エラー処理手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 広隆 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データ圧縮・復元処理における誤り制御
    処理方式であって、 圧縮側では、学習データを蓄積手段(11)に蓄積しつつ、
    該蓄積手段(11)の管理する学習データを基にして処理対
    象データのユニバーサル符号化処理を実行する符号化手
    段(10)と、該符号化手段(10)の実行する符号化処理の周
    期的な一定期間経過を検出する期間検出手段(12)と、該
    期間検出手段(12)の検出する一定期間毎に、該符号化手
    段(10)の出力する圧縮データに識別符号を付加する付加
    手段(13)と、復元側からエラー通知を受け取るときに、
    エラー発生期間の処理対象データを該符号化手段(10)に
    再供給する再供給手段(18)と、復元側からエラー通知を
    受け取るときに、該蓄積手段(11)の管理する学習データ
    を正常一定期間のものまでに復帰させてから、該符号化
    手段(10)に対して符号化処理の再開を指示する再開手段
    (14a) とを備え、 一方、復元側では、学習データを蓄積手段(21)に蓄積し
    つつ、該蓄積手段(21)の管理する学習データを基にして
    処理対象符号のユニバーサル復号化処理を実行する復号
    化手段(20)と、該復号化手段(20)の実行する復号化処理
    の周期的な上記一定期間経過を検出する期間検出手段(2
    2)と、該期間検出手段(22)の検出する一定期間毎に、処
    理対象符号に識別符号が付加されているか否かをチェッ
    クすることでエラー発生を検出するエラー検出手段(24)
    と、該エラー検出手段(24)がエラー発生を検出するとき
    に、圧縮側に対してエラー通知を発行する発行手段(25)
    と、該エラー検出手段(24)がエラー発生を検出するとき
    に、該蓄積手段(21)の管理する学習データを正常一定期
    間のものまでに復帰させてから、該復号化手段(20)に対
    して復号化処理の再開を指示する再開手段(23a) とを備
    えることを、 特徴とするデータ圧縮・復元処理におけ
    る誤り制御処理方式。
  2. 【請求項2】 データ圧縮・復元処理における誤り制御
    処理方式であって、 圧縮側では、学習データを蓄積手段(11)に蓄積しつつ、
    該蓄積手段(11)の管理する学習データを基にして処理対
    象データのユニバーサル符号化処理を実行する符号化手
    段(10)と、該符号化手段(10)の実行する符号化処理の周
    期的な一定期間経過を検出する期間検出手段(12)と、該
    期間検出手段(12)の検出する一定期間毎に、該符号化手
    段(10)の出力する圧縮データに識別符号を付加する付加
    手段(13)と、復元側からエラー通知を受け取るときに、
    該蓄積手段(11)の管理する学習データを正常一定期間の
    ものまでに復帰させてから、該符号化手段(10)に対して
    エラー発生期間に続く一定期間の処理対象データからの
    符号化処理の再開を指示する再開手段(14b) とを備え、 一方、復元側では、学習データを蓄積手段(21)に蓄積し
    つつ、該蓄積手段(21)の管理する学習データを基にして
    処理対象符号のユニバーサル復号化処理を実行する復号
    化手段(20)と、該復号化手段(20)の実行する復号化処理
    の周期的な上記一定期間経過を検出する期間検出手段(2
    2)と、該期間検出手段(22)の検出する一定期間毎に、処
    理対象符号に識別符号が付加されているか否かをチェッ
    クすることでエラー発生を検出するエラー検出手段(24)
    と、該エラー検出手段(24)がエラー発生を検出するとき
    に、圧縮側に対してエラー通知を発行する発行手段(25)
    と、該エラー検出手段(24)がエラー発生を検出するとき
    に、該蓄積手段(21)の管理する学習データを正常一定期
    間のものまでに復帰させてから、該復号化手段(20)に対
    してエラー発生期間に続く一定期間の処理対象符号から
    の復号化処理の再開を指示する再開手段(23b) と、該エ
    ラー検出手段(24)がエラー発生を検出するときに、該エ
    ラー発生期間の復元データとして隣接する一定期間の復
    元データを設定するエラー処理手段(27)とを備えること
    を、 特徴とするデータ圧縮・復元処理における誤り制御処理
    方式。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のデータ圧縮・復元
    処理における誤り制御処理方式において、 復元側の備えるエラー検出手段(24)は、期間検出手段(2
    2)の検出する一定期間を検出単位として、復号化手段(2
    0)の実行する復号化処理で発生するエラーについても検
    出するよう処理することを、 特徴とするデータ圧縮・復元処理における誤り制御処理
    方式。
  4. 【請求項4】 請求項1又は3記載のデータ圧縮・復元
    処理における誤り制御処理方式において、 圧縮側が、期間検出手段(12)の検出する一定期間を検出
    単位として、符号化手段(10)の実行する符号化処理で発
    生するエラーを検出するエラー検出手段(15)と、該エラ
    ー検出手段(15)がエラー発生を検出するときに、復元側
    に対してエラー通知を発行する発行手段(16)とを備える
    構成を採り、かつ、再開手段(14a) は、該エラー検出手
    段(15)がエラー発生を検出するときにも再開処理を実行
    するとともに、再供給手段(18)は、該エラー検出手段(1
    5)がエラー発生を検出するときにも再供給処理を実行す
    るよう処理し、 一方、復元側の再開手段(23a) は、圧縮側からエラー通
    知を受け取るときにも再開処理を実行するよう処理する
    ことを、 特徴とするデータ圧縮・復元処理における誤り制御処理
    方式。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載のデータ圧縮・復元
    処理における誤り制御処理方式において、 圧縮側が、期間検出手段(12)の検出する一定期間を検出
    単位として、符号化手段(10)の実行する符号化処理で発
    生するエラーを検出するエラー検出手段(15)と、該エラ
    ー検出手段(15)がエラー発生を検出するときに、復元側
    に対してエラー通知を発行する発行手段(16)とを備える
    構成を採り、かつ、再開手段(14b) は、該エラー検出手
    段(15)がエラー発生を検出するときにも再開処理を実行
    するよう処理し、 一方、復元側の再開手段(23b) は、圧縮側からエラー通
    知を受け取るときにも再開処理を実行するとともに、エ
    ラー処理手段(27)は、圧縮側からエラー通知を受け取る
    ときにもエラー処理を実行するよう処理することを、 特徴とするデータ圧縮・復元処理における誤り制御処理
    方式。
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