JP2692862B2 - 液体クロマトグラフィー用充填剤 - Google Patents

液体クロマトグラフィー用充填剤

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JP2692862B2 JP63152119A JP15211988A JP2692862B2 JP 2692862 B2 JP2692862 B2 JP 2692862B2 JP 63152119 A JP63152119 A JP 63152119A JP 15211988 A JP15211988 A JP 15211988A JP 2692862 B2 JP2692862 B2 JP 2692862B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は液体クロマトグラフィー用充填剤に関する。
更に詳しくは、特定の層間カチオンを有する実質的に真
球状の合成ヘクトライト及びそれらを焼成して得られる
新規な液体クロマトグラフィー用充填剤である。そして
これを用いることにより従来の充填剤では分離が困難で
あった各種物質の効率良く分離、分析ができ、さらに短
時間で効率よく分取精製可能な新規な液体クロマトグラ
フィー用充填剤を提供するものである。
[従来の技術] 液体クロマトグラフィーは、その分離機構により、大
きくは吸着クロマトグラフィーと分配クロマトグラフィ
ーに分類される。分配クロマトグラフィーは更に、溶離
液と充填剤の極性の関係から順相分配クロマトグラフィ
ーと逆相分配クロマトグラフィーとに分けられる。
吸着及び順相分配クロマトグラフィーにおける充填剤
としては、いずれも巨大孔と微細孔が網目状に分布した
全多孔性シリカ系がほとんどであり、その他アルミナ系
及びスチレンジビニルベンゼン、ヒドロキシメタクリレ
ートなどのポーラスポリマー系、また特殊な用途として
水酸化カルシウム粉末、リン酸カルシウムゲルなどが用
いられている。
逆相分配クロマトグラフィー用充填剤としては、ODS
に代表されるように、前記充填剤(例えばシリカ)を担
体とし、これにオクタデシル基等のアルキル基等を化学
結合させたものが多く用いられている。
一方、充填剤の粒子の形状には、球形と不定形がある
が、一般に、球形充填剤は高密度に再現性よく充填する
ことができることから、カラム効率が良い。
[発明が解決しようとする課題] 吸着及び順相分配クロマトグラフィーでは、孔径60Å
ないし100Å、比表面積約300〜500m2/gのシリカゲルが
最も広く普及している。シリカゲル表面の活性点はシラ
ノール基(Si−OH)で、このシラノール基に対する溶質
分子の官能基の吸着エネルギーが重要な要因となってい
る。従って、その適用は酸素、窒素原子を含む官能基
(カルボニル基、水酸基、アミノ基など)を少数個もつ
非イオン性分子に限られ、このような意味からシリカゲ
ル充填剤は中間極性をもつ、中位の分子量の溶質に良好
な適用される。このようなことからイオン性物質や極性
の強い物質には自ずとその適用範囲に限界がある。
一方、ポーラスポリマーはポリマーの種類により溶質
分子と特殊な相互作用をして、シリカゲル充填剤とは異
なった分離様式を示し、シリカゲル充填剤では分離が困
難であった溶質分子の分離も可能となる場合も多い。し
かしながら、ポリマーの溶解や膨潤などにより、分離効
率が低下するといった欠点をもっている。また、耐圧性
もシリカゲル充填剤には劣る。
また、シリカ表面にアルキル基を導入した従来の逆相
分配液体クロマトグラフィー用充填剤においては、シラ
ノール基とアルキルクロルシランとの反応が完結せずシ
ラノール基が10〜20%残存して逆相分配液体クロマトグ
ラフィーにおいて大きな問題点となっている。すなわ
ち、残存シラノール基が存在すると、極性物質との相互
作用が強く起こり、このため、分析や分取において極性
化合物のピークは幅尋となり、さらにテーリング現象が
起きる。さらに、残存シラノール基は、極性の大きい化
合物と非可逆的な吸着を起こすので、このために充填カ
ラムの劣化が早くなる。さらに、残存シラノール基の存
在およびシリカ質の存在により、耐酸性および耐アルカ
リ性が弱く、使用できる移動相溶媒のpH領域は、従来の
充填カラムの場合、pH2〜7に制限される等の数多くの
問題点が存在している。このため、従来の充填カラムの
一部には、ジメチルオクタデシルクロルシランあるいは
ジメチルオクチルクロルシランとの反応の後で、残存シ
ラノール基を封鎖するために、再度トリメチルクロルシ
ラン(TMS)等で処理したものもある。しかしながら、
トリメチルシリル化処理によっても、残存シラノール基
を完全になくすことはできない。
本発明者らは、このような事情に鑑み鋭意研究を重ね
た結果、合成ヘクトライトの層間イオンをナトリウム以
外の他の金属または有機イオンに実質的に交換した実質
的に真球状の合成ヘクトライトを充填剤として用いるこ
とにより、吸着及び順相分配クロマトグラフィーにおい
ては従来のシリカゲル充填剤やポーラスポリマーでは分
離が困難であった物質も効率良く分離できることを、ま
た逆相分配クロマトグラフィーにおいてはシラノール基
の影響が無いため、塩基性物質や強い極性の物質のピー
クがシャープで、長期にわたって使用可能であることを
見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到っ
た。
[課題を解決するための手段] 本発明に従えば、層間イオンがナトリウムイオン以外
の他のカチオンで実質的に置換されてなる実質的に真球
状の合成ヘクトライトからなる液体クロマトグラフィー
用充填剤が提供される。
また、本発明に従えば、層間イオンがナトリウムイオ
ン以外の他のカチオンで実質的に置換されてなる実質的
に真球状の合成ヘクトライトを焼成して得られる焼成合
成ヘクトライトからなる液体クロマトグラフィー用充填
剤が提供される。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明に用いる合成ヘクトライトとしては、例えばラ
ポナイト(ラポルテ社製)を用いることができる。
合成ヘクトライトは粉末表面やその層間で各種極性分
子と特殊な相互作用をする性質があり、そのため溶質分
子に対する選択性が吸着及び順相分配クロマトグラフィ
ーにおけるシリカゲル充填剤や逆相分配クロマトグラフ
ィーにおけるアルキル基を化学結合させた従来の充填剤
とは異なっており、新しいタイプの充填剤となってい
る。また一般にシリカ表面は酸性であるため、塩基性物
質と特異的な吸着をし、このような物質ではピークはテ
ーリングしてくる。これに対して、合成ヘクトライト表
面は塩基性であるため、塩基性物質に対してシャープな
ピークを得ることができる。
液体クロマトグラフィー用充填剤としては、球形であ
る程カラム効率が良くなる。本発明に係る充填剤も球形
であることを特徴とする。
本発明に係る充填剤を得る簡便な方法としてはまず、
実質的に真球状の合成ヘクトライトを得、その後、層間
の交換可能なカチオンをナトリウム以外のカチオンで置
換する方法があげられる。実質的に真球状の合成ヘクト
ライトを得るには噴霧乾燥法によるのが良い。これを用
いることにより、簡便で比較的粒径の整った実質的に真
球状の合成ヘクトライトが得られる。
すなわち、合成ヘクトライトを水性溶媒中に分散して
ゲル化し、しかる後に該分散液を噴霧乾燥する方法であ
る。
上記ゲルを調製するにあたっては合成ヘクトライトの
濃度が20重量%以下になるようにすることが望ましく、
特に望ましくは1〜10重量%である。20重量%を越える
濃度ではゲル粘度が高く、噴霧乾燥時の乾燥ノズルへの
液の送りが難しく、またノズルの目づまり等が生じてし
まう。
また上記ゲルの調製に際しては、合成ヘクトライトが十
分に分散、膨潤するように十分撹拌することが好まし
い。分散、膨潤が不十分な場合は噴霧乾燥時にノズルの
目づまりや、得られた球状の合成ヘクトライトがふぞろ
いとなる場合があり好ましくない。噴霧乾燥に際して
は、ディスクタイプや加圧ノズル式、2流体ノズル方式
などの一般的噴霧乾燥法が適用できる。
いずれの場合も噴霧時の入口空気温度は、合成ヘクトラ
イトが300℃位までは熱的に十分安定であることから、1
50〜300℃程度の広い温度範囲が設定できる。また排気
温度は、ノズルからの噴霧流量などによって規定される
が、大旨100℃前後でよい。こうして得られる実質的に
真球状の合成ヘクトライトの粒子径は2〜20μmであ
る。
これらの合成ヘクトライトの層間には、通常ナトリウ
ムイオンやリチウムイオンなどのカチオンが存在し、合
成ヘクトライト全体を電気的に中和しているが、これら
のカチオンは交換性であり、容易に他のカチオンと置き
換わることができる。このカチオン交換容量は合成ヘク
トライトの組成によっても異なるが、合成ヘクトライト
100g当り大凡60から150ミリ当量である。さらにこのよ
うに他の金属カチオンや有機カチオンに置き換わった合
成ヘクトライトは水膨潤性が無くなり、水と接してもゲ
ルとはならず粉末として存在している。前記のようにし
て得られた実質的に真球状の合成ヘクトライトそのまま
では、水に接すると膨潤し充填剤として適当でない。本
発明の充填剤は、この合成ヘクトライトの層間イオンを
他の金属カチオンや有機カチオンに換え、水膨潤性を無
くして充填剤として用いるものである。本発明の充填剤
は、吸着、順相分配、又は逆相分配クロマトグラフィー
のいずれにおいても用いることができるが、層間が有機
カチオンの場合、より疎水的な充填剤となり逆相分配ク
ロマトグラフィーに特に適している。
ナトリウム以外の金属カチオンとしては、銀、ルビジ
ウム、セシウムなどの一価カチオン、カルシウム、銅、
亜鉛、コバルト、カドミウル、ニッケルなどの二価カチ
オンやアルミニウム、鉄、ルテニウムなどの三価カチオ
ンなどが用いられる。有機カチオンとしては、ベンジル
ジメチルステアリルアンモニウムクロライド、ジメチル
ジステアリルアンモニウムクロライド、トリメチルステ
アリルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩
などを用いることができる。
層間カチオンの交換方法としては、水や有機溶媒に金
属イオンや有機カチオンの塩を溶解し、そこに実質的に
真球状の合成ヘクトライトを分散し、撹拌する。その
後、合成ヘクトライトを分離し、洗浄し、しかる後に乾
燥すればよい。
ここで用いる金属イオンや有機カチオンの塩として
は、これらの塩化物、硝酸塩、硫酸塩など溶解性のもの
であればいずれでもよい。有機溶媒としては、エタノー
ル、メタノール又はアセトンなどの一般的なものが用い
られる。
製造時の合成ヘクトライトの濃度は、特に制限はない
が20重量%以上になると、撹拌が困難となり、イオン交
換が行なわれ難くなる。分散液中の金属イオンや有機カ
チオンの量は、合成ヘクトライトのカチオン交換容量以
上であることが望ましい。イオン交換反応を行なう際の
分散液の温度は、何度でもよく、通常室温で充分であ
る。乾燥温度は、有機カチオン及び合成ヘクトライトの
分解温度以下であれば何度でもよい。
さらに、これらの粉末を焼成して用いても良い。焼成
温度、焼成時間は用いた合成ヘクトライトや分離しよう
とする溶質分子に応じて選択されるが、球状粉末が互い
に焼結を起こす温度以下であることが必要である。層間
イオンが金属イオンの場合、焼成により耐溶剤性は増
す。
このようにして得られた実質的に真球状の合成ヘクト
ライトの層間イオンがナトリウム以外の他のカチオンで
実質的に置換されていることは、次のようにして確認で
きる。即ち層間イオンが金属カチオンの場合には、原子
吸収光等を用いて元素分析すれば容易に交換したカチオ
ンの量を確認できる。同様に層間イオンが有機カチオン
の場合には、層間隔をX線回析測定から求めることによ
り層間隔の拡大をもって置換されたことが確認できる。
本発明の充填剤は必要に応じて通常の乾式分級法によ
り分級して液体クロマトグラフィー用充填剤として利用
される。
[発明の効果] 本発明の実質的に真球状の合成ヘクトライトからなる
充填剤は、一般に用いられるシリカを担体とした充填剤
に比べて、表面シラノール基の影響が無いため、特に塩
基性分子や極性分子に対してシャープなピークが得ら
れ、また層間に交換したカチオンにより、各々独特の分
離特性をもたせることができる。またこれらの分子に対
し幅広い溶離液で溶出可能であり、加えて実質的に真球
状であることからカラム効率が格段に良い新規な液体ク
ロマトグラフイー用充填剤である。
[実施例] 次に本発明の一層の理解のために、実施例をあげて更
に詳細に説明する。本発明はこれらによって限定される
ものではない。
実施例1 ラポナイトXLG300gをイオン交換水10に撹拌しなが
ら分散させる。得られたゲルをディスク式噴霧乾燥実験
器によりディスク回転数20,000rpm、入口空気温度約200
℃、排気温度約110℃で噴霧乾燥したところ、2〜20μ
mの実質的に真球状の粉末が240g得られた。このものの
走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
この実質的に真球状の合成ヘクトライトを乾式分級機
TARBO CLASSIFINER TC−15N(日清エンジニアリング社
製)を用いて分級し、5〜10μmの粒径の粉末を60gを
得た。
実施例2 エタノール500mlに塩化カルシウム(2水和物)2.21g
を溶解し、実施例1で得られた分級した実質的に真球状
の合成ヘクトライト10gを分散し、4時間撹拌する。そ
の後、濾過し水で洗浄し、80℃で乾燥して実質的に真球
状の粉末を得た。このもののカルシウム量を原子吸光を
用いて求めたところ2.2重量%であり、ほぼ100%カチオ
ン交換が行なわれたことが確認された。次いで該粉末5g
をパッカーとポンプを用いて、内径4.6mmおよび長さ25c
mのステンレススチール製カラムに平衡スラリー法で充
填し、充填カラムを作成した。
本カラムを高速液体クロマトグラフに接続し、移動相
として、n−ヘキサン:エタノール(90:10)を毎分1ml
で流し、炭化水素、エステル、ニトロ化合物およびアミ
ノ化合物の代表として、トルエン、安息香酸メチル、ニ
トロベンゼンおよびアニリンを選び、これらの標準混合
物を注入し、UV検出器を用いて280nmで検出し、クロマ
トガラムを得た。これを第2図に示す。この図によう
に、これらの物質が良好に分離されている。
比較例1 市販シリカゲル充填カラム(細孔60Å、粒径5μm)
を用いて、実施例2と同じ条件で同じ物質を分析した。
このクロマトグラムを第3図に示す。トルエン、安息香
酸メチル、ニトロベンゼンはシリカ表面との水素結合が
ほとんで無い事より同じような小さな保持時間をもち、
一方アニリンはシリカ表面との強い吸着により、これら
の分子より大きな保持時間をもっている。
このように、本発明の充填剤は塩基性であるアニリン
に対し、シリカゲル充填剤のように特異的な吸着をしな
いため、これらの分子の分離が極めてよい。
実施例3 エタノール500mlに塩化第二鉄(無水)4.87gを溶解
し、実施例1で得られた実質的に真球状の合成ヘクトラ
イト10gを分散し、4時間撹拌する。その後、濾過水洗
し、80℃で乾燥した後、500℃で4時間焼成し、実施例
2と同様にカラムに充填し、充填カラムを作成した。
本カラムを高速液体クロマトグラフに接続し、移動相
として、水:メタノール(20:80)を毎分1mlで流し、ナ
フタレンとアントラセンを注入し、UV検出器を用いて25
4nmで検出し、クロマトグラムを得た。これを第4図に
示す。この図のように、これらの物質が良好に分離され
ている。
実施例4 エタノール500mlにトリメチルモノステアリルアンモ
ニウムクロライド10.44gを溶解し、実施例1で得られた
分級した実質的に真球状の合成ヘクトライト10gを分散
し、4時間撹拌した。その後、濾過し水で洗浄し、80℃
で乾燥して、実質的に真球状の粉末を得た。このものの
層間隔をX線回析測定により求めたところ、実施例1の
分級した実質的に真球状の合成ヘクトライトに比べて約
3Å拡がっており、層間のイオンがトリメチルモノステ
アリルアンモニウムクロライドで置換されたことが確認
された。このようにして得られた粉末を実施例2と同様
にカラムに充填し、充填カラムを作成した。
本カラムを高速液体クロマトグラフに接続し、移動相
として、メタノールを毎分1mlで流し、ナフタレンとア
ントラセンを注入し、UV検出器を用いて254nmで検出
し、クロマトグラムを得た。これを第5図に示す。この
図のように、これらの物質が良好に分離されている。
比較列2 市販のODS−シリカゲル充填カラムを用いて、実施例
4と同じ条件で同じ物質を分析した。このクロマトグラ
ムを第6図に示す。
第5図と第6図の比較より、本発明の充填剤がこれら
の分離に従来のシリカゲル充填剤より優れていることが
わかる。
実施例5 エタノール500mlにジメチルステアリルアンモニウム
クロライド17.6gを溶解し、実施例1で得られた分級し
た実質的に真球状の合成ヘクトライト10gを分散し、4
時間撹拌する。その後、濾過し水で洗浄し、80℃で乾燥
する。そのようにして得られた粉末を実施例2と同様の
カラムに充填し、充填カラムを作成した。
本カラムを高速液体クロマトグラフに接続し、移動相
として、水を毎分1mlで流し、核酸アデニンを注入し、U
V検出器を用いて260nmで検出し、クロマトグラムを得
た。これを第7図に示す。この図のように、この物質が
シャープに検出されている。
比較列3 市販のODS−シリカゲル充填カラムを用いて、実施例
5と同じ条件で同じ物質を分析した。このクロマトグラ
ムを第8図に示す。このような塩基性物質はODS−シリ
カゲル充填剤表面に残存しているシラノール基との相互
作用によりピークはテーリングしている。
第7図と第8図の比較より、本発明の充填剤がこのよ
うな塩基性物質に対し従来のODS−シリカゲル充填剤よ
り優れていることがわかる。
実施例6 エタノール1に硝酸銀1.7gを溶解し、実施例1で得
られた分級した実質的に真球状の合成ヘクトライト10g
を分散し、4時間撹拌する。その後濾過、水で洗浄し、
80℃で乾燥し、実施例2と同様のカラムに充填し、充填
カラムを作成した。
本カラムを高速液体クロマトグラフに接続し、移動相
として、アセトンを毎分1mlで流し、各種の脂肪酸(パ
ルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、γ−リノレイン
酸)のエチルエステルの混合物を注入し、RI検出器を用
いて検出しクロマトグラムを得た。これを第9図に示
す。ODS−シリカゲルのような逆相系の充填剤を用いて
分析を行った場合は溶出順序が逆になり、パルミチン酸
とオレイン酸のピークが完全に重なってしまい、分離が
不可能であるが、本カラムを用いた場合は図から明らか
なようにきれいに分離している。また本カラムを用いた
場合は、試料負荷量が約5倍大きく、分取に適している
と言える。このように本カラムは不飽和度の違う物質の
分離に適していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で用いる真球状のラポナイトの粒子構造
を示す走査型電子顕微鏡写真である。 第2図は実施例2の充填剤を用いて、トルエン、安息香
酸メチル、ニトロベンゼンおよびアニリンを分析した場
合のクロマトグラムである。 第3図は市販シリカゲル充填カラム(細孔60Å、粒径5
μm)を用いて、トルエン、安息香酸メチル、ニトロベ
ンゼンおよびアニリンを分析した場合のクロマトグラム
である。 第2図と第3図において、1はトルエン、2は安息香酸
メチル、3はニトロベンゼン、4はアニリンを示してい
る。 第4図は実施例3の充填剤を用いて、ナフタレンとアン
トラセンを分析した場合のクロマトグラムである。 第5図は実施例4の充填剤を用いて、ナフタレンとアン
トラセンを分析した場合のクロマトグラムである。 第6図は市販ODS−シリカゲル充填カラムを用いて、ナ
フタレンとアントラセンを分析した場合のクロマトグラ
ムである。 第4図、第5図及び第6図において、1はナフタレン、
2はアントラセンを示している。 第7図は実施例5の充填剤を用いて、アデニンを分析し
た場合のクロマトグラムである。 第8図は市販ODS−シリカゲル充填カラムを用いて、ア
デニンを分析した場合のクロマトグラムである。 第9図は実施例6の充填剤を用いて、各種の脂肪酸(パ
ルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、γ−リノレイン
酸)のエチルエステルの混合物を分析した場合のクロマ
トグラムである。 第9図において、1はパルミチン酸エチルエステル、2
はオレイン酸エチルエステル、3はリノール酸エチルエ
ステル、4はγ−リノレイン酸エチルエステルを示して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 淳 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社資生堂研究所内 (72)発明者 大津 裕 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社資生堂研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−204138(JP,A) 特開 昭61−63521(JP,A) 特開 昭58−55332(JP,A) 特開 昭54−42378(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】層間イオンがナトリウムイオン以外の他の
    カチオンで実質的に置換されてなる実質的に真球状の合
    成ヘクトライトからなる液体クロマトグラフィー用充填
    剤。
  2. 【請求項2】層間イオンがナトリウムイオン以外の他の
    カチオンで実質的に置換されてなる実質的に真球状の合
    成ヘクトライトを焼成して得られる焼成合成ヘクトライ
    トからなる液体クロマトグラフィー用充填剤。
  3. 【請求項3】ナトリウムイオン以外の他のカチオンが一
    価乃至三価の金属カチオンである請求項1又は2に記載
    の液体クロマトグラフィー用充填剤。
  4. 【請求項4】ナトリウムイオン以外の他のカチオンが有
    機カチオンである請求項1又は2に記載の液体クロマト
    グラフィー用充填剤。
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