JP2692736B2 - 金−イオン交換膜接合体の製造方法 - Google Patents
金−イオン交換膜接合体の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陽イオン交換膜の
表面に金を接合した金−イオン交換膜接合体の製造方法
に関する。
表面に金を接合した金−イオン交換膜接合体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒金属とイオン交換膜との接合体は、
固体高分子電解質を用いる水、ハロゲン酸、ハロゲン化
物などの電解装置、燃料電池などの分野で使用されてい
る。
固体高分子電解質を用いる水、ハロゲン酸、ハロゲン化
物などの電解装置、燃料電池などの分野で使用されてい
る。
【0003】電解反応を伴うこれらの装置類の電解槽に
組み込まれる触媒金属−イオン交換膜接合体は、主に白
金族金属とイオン交換膜との接合体である。特に、強酸
性である過フルオロカーボンスルホン酸型陽イオン交換
膜を用いる電解槽の場合には、高度の化学的安定性と耐
久性とが求められるので、貴金属とある種の金属酸化物
のみが電極触媒として使用可能である。
組み込まれる触媒金属−イオン交換膜接合体は、主に白
金族金属とイオン交換膜との接合体である。特に、強酸
性である過フルオロカーボンスルホン酸型陽イオン交換
膜を用いる電解槽の場合には、高度の化学的安定性と耐
久性とが求められるので、貴金属とある種の金属酸化物
のみが電極触媒として使用可能である。
【0004】白金族金属とイオン交換膜とからなる接合
体としては、例えば、Pt/M/Pt、Pt/M/Rh、Pt/M/Pt-Ir、Pd/
M/Pt(Mは、膜を表す)などが知られており、その製造
方法は、湿式法と乾式法とに大別される。より具体的
に、湿式法としては、浸透法(特公昭56−36873
号公報など参照)および吸着還元・成長法(特公昭58
−47471号公報、特公昭59−33667号公報、
特公平2−20709号公報など参照)が知られてお
り、また乾式法としては、ホットプレス法(特開昭52
−78788号公報など参照)が知られており、いずれ
の方法によっても、すでに密着性に優れた白金族金属−
イオン交換膜接合体が得られている。
体としては、例えば、Pt/M/Pt、Pt/M/Rh、Pt/M/Pt-Ir、Pd/
M/Pt(Mは、膜を表す)などが知られており、その製造
方法は、湿式法と乾式法とに大別される。より具体的
に、湿式法としては、浸透法(特公昭56−36873
号公報など参照)および吸着還元・成長法(特公昭58
−47471号公報、特公昭59−33667号公報、
特公平2−20709号公報など参照)が知られてお
り、また乾式法としては、ホットプレス法(特開昭52
−78788号公報など参照)が知られており、いずれ
の方法によっても、すでに密着性に優れた白金族金属−
イオン交換膜接合体が得られている。
【0005】一方、金は、白金族金属とは異なる特有の
触媒特性を有しているので、密着性に優れた金−イオン
交換膜接合体を得ることができれば、有機電解、回収CO
2の還元による有用物質の合成など環境化学などの分野
での広い応用が期待される。例えば、陰イオンである塩
化金酸イオン(AuCl4 -)と水素化ホウ素ナトリウムを用
いて浸透法によりイオン交換膜表面に強制的に金を析出
させた方法が報告されているが(J. Electroanal. Che
m.,235, 393(1987))、より密着性に優れ、接触抵抗
の小さい金−イオン交換膜接合体を作製することによ
り、各種電解反応の効率および接合体の耐久性の向上が
実現できる可能性がある。
触媒特性を有しているので、密着性に優れた金−イオン
交換膜接合体を得ることができれば、有機電解、回収CO
2の還元による有用物質の合成など環境化学などの分野
での広い応用が期待される。例えば、陰イオンである塩
化金酸イオン(AuCl4 -)と水素化ホウ素ナトリウムを用
いて浸透法によりイオン交換膜表面に強制的に金を析出
させた方法が報告されているが(J. Electroanal. Che
m.,235, 393(1987))、より密着性に優れ、接触抵抗
の小さい金−イオン交換膜接合体を作製することによ
り、各種電解反応の効率および接合体の耐久性の向上が
実現できる可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、密
着性に優れ、接触抵抗の小さい金−イオン交換膜接合体
の製造方法を提供することを主な目的とする。
着性に優れ、接触抵抗の小さい金−イオン交換膜接合体
の製造方法を提供することを主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この様な技
術の現状に留意しつつ、研究を重ねた結果、ジクロロ
(1,10−フェナントロリン)金(III)塩化物([Au
(phen)Cl2]Cl;以下においては、「ジクロロ(1,10
−フェナントロリン)金(III)塩化物」を単に「金(I
II)フェナントロリン錯体」或いは「金(III)錯体」
或いは「金錯体」ということがある)が、陽イオン交換
膜に対する吸着性に優れていること、また陽イオン交換
膜に吸着されたこの金錯体について、従来から公知の種
々の還元剤の作用を検討した結果、密着性、純度および
各種電極特性に優れた金層を析出させるためには、亜硫
酸塩またはアスコルビン酸或いはその塩による還元が好
適であることを見出した。
術の現状に留意しつつ、研究を重ねた結果、ジクロロ
(1,10−フェナントロリン)金(III)塩化物([Au
(phen)Cl2]Cl;以下においては、「ジクロロ(1,10
−フェナントロリン)金(III)塩化物」を単に「金(I
II)フェナントロリン錯体」或いは「金(III)錯体」
或いは「金錯体」ということがある)が、陽イオン交換
膜に対する吸着性に優れていること、また陽イオン交換
膜に吸着されたこの金錯体について、従来から公知の種
々の還元剤の作用を検討した結果、密着性、純度および
各種電極特性に優れた金層を析出させるためには、亜硫
酸塩またはアスコルビン酸或いはその塩による還元が好
適であることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、下記の金−イオン交
換膜接合体の製造方法を提供するものである; 1.陽イオン交換膜に金のフェナントロリン錯体をイオ
ン交換吸着させた後、亜硫酸塩水溶液および/またはア
スコルビン酸或いはその塩の水溶液により還元処理する
ことを特徴とする金−イオン交換膜接合体の製造方法。
換膜接合体の製造方法を提供するものである; 1.陽イオン交換膜に金のフェナントロリン錯体をイオ
ン交換吸着させた後、亜硫酸塩水溶液および/またはア
スコルビン酸或いはその塩の水溶液により還元処理する
ことを特徴とする金−イオン交換膜接合体の製造方法。
【0009】
【発明の実施の態様】本発明で使用する金(III)フェ
ナントロリン錯体は、J. Chem. Soc., 1959,682 に記載
されており、容易に合成および単離でき、また水溶液中
でも比較的安定である。
ナントロリン錯体は、J. Chem. Soc., 1959,682 に記載
されており、容易に合成および単離でき、また水溶液中
でも比較的安定である。
【0010】本発明においては、まず陽イオン交換膜
(例えば、過フロロカーボンスルホン酸型の陽イオン交
換膜;以下においては、「陽イオン交換膜」を単に「イ
オン交換膜」ということがある)に金(III)フェナン
トロリン錯体をイオン交換吸着させる。この吸着操作に
より、金(III)フェナントロリン錯体は、イオン交換
膜中の陽イオンとイオン交換され、イオン交換膜中に取
り込まれる(吸着過程)。
(例えば、過フロロカーボンスルホン酸型の陽イオン交
換膜;以下においては、「陽イオン交換膜」を単に「イ
オン交換膜」ということがある)に金(III)フェナン
トロリン錯体をイオン交換吸着させる。この吸着操作に
より、金(III)フェナントロリン錯体は、イオン交換
膜中の陽イオンとイオン交換され、イオン交換膜中に取
り込まれる(吸着過程)。
【0011】吸着操作は、通常、濃度10-4〜10-1m
ol/l程度(より好ましくは5×10-3〜10-2mo
l/l程度)、温度10〜80℃程度(より好ましくは
20〜40℃程度)、pH2〜10程度(より好ましく
はpH3〜5程度)の金(III)フェナントロリン錯体
の水溶液に、イオン交換膜を浸漬する。水溶液のpH
は、高すぎても或いは低すぎても、金(III)フェナン
トロリン錯体イオンの吸着が不完全となる。浸漬時間
は、特に限定されないが、通常温度25℃で約4時間の
浸漬により、理論吸着量に達する。もちろん、それ以上
の時間、例えば、一晩浸漬した状態で放置しても良く、
或いは攪拌下に浸漬しても差し支えない。
ol/l程度(より好ましくは5×10-3〜10-2mo
l/l程度)、温度10〜80℃程度(より好ましくは
20〜40℃程度)、pH2〜10程度(より好ましく
はpH3〜5程度)の金(III)フェナントロリン錯体
の水溶液に、イオン交換膜を浸漬する。水溶液のpH
は、高すぎても或いは低すぎても、金(III)フェナン
トロリン錯体イオンの吸着が不完全となる。浸漬時間
は、特に限定されないが、通常温度25℃で約4時間の
浸漬により、理論吸着量に達する。もちろん、それ以上
の時間、例えば、一晩浸漬した状態で放置しても良く、
或いは攪拌下に浸漬しても差し支えない。
【0012】上記の様にして、金(III)フェナントロ
リン錯体の吸着操作を終えたイオン交換膜を水洗した
後、還元剤水溶液で処理することにより、金の触媒層を
形成させる(還元過程)。
リン錯体の吸着操作を終えたイオン交換膜を水洗した
後、還元剤水溶液で処理することにより、金の触媒層を
形成させる(還元過程)。
【0013】還元剤としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫
酸カリウムなどの亜硫酸塩、アスコルビン酸、アスコル
ビン酸ナトリウムなどの塩類の少なくとも1種を使用す
る。イオン交換膜表面に金層を析出させるためには、初
期に析出した金層上で膜内の金錯体と外部の還元剤とが
最適条件下に拡散し、金層を連続的に成長させる必要が
ある。このためには、還元剤としては、陽イオン交換膜
に対する吸着性のない、陰イオン性のもので、適切な酸
化還元力を有するものが適しており、この様な要件を充
足するには、還元操作に際してのpHなどの処理条件を
適切に調整することが重要である。本発明においては、
還元剤水溶液のpHを2〜10程度(より好ましくは3
〜9程度)、濃度を10-4〜10-1mol/l程度(よ
り好ましくは10-3〜10-2mol/l程度)、温度を
20〜90℃程度(より好ましくは40〜80℃程度)
として、上記の還元処理を行う。
酸カリウムなどの亜硫酸塩、アスコルビン酸、アスコル
ビン酸ナトリウムなどの塩類の少なくとも1種を使用す
る。イオン交換膜表面に金層を析出させるためには、初
期に析出した金層上で膜内の金錯体と外部の還元剤とが
最適条件下に拡散し、金層を連続的に成長させる必要が
ある。このためには、還元剤としては、陽イオン交換膜
に対する吸着性のない、陰イオン性のもので、適切な酸
化還元力を有するものが適しており、この様な要件を充
足するには、還元操作に際してのpHなどの処理条件を
適切に調整することが重要である。本発明においては、
還元剤水溶液のpHを2〜10程度(より好ましくは3
〜9程度)、濃度を10-4〜10-1mol/l程度(よ
り好ましくは10-3〜10-2mol/l程度)、温度を
20〜90℃程度(より好ましくは40〜80℃程度)
として、上記の還元処理を行う。
【0014】上記の還元過程において、他の還元剤、例
えばジメチルアミンボラン、ヒドラジンなどを使用する
場合には、確かに金(III)フェナントロリン錯体は還
元されるが、本発明の所望の効果は得られない。より具
体的には、ジメチルアミンボランは、金の自己触媒反応
を促進する還元剤として知られているが、本発明で使用
すると、還元反応の調節が困難であり、また、陽イオン
交換膜の汚染が激しいので、膜表面には黒色を帯びた不
均一な金の薄層が析出する。その理由は、明らかではな
いが、イオン交換膜内部にまで金が析出してしまうの
で、膜表面に均一層が形成されないためと推測される。
ヒドラジンを使用する場合にも、イオン交換膜内部にま
で浸透するので、膜表面には、良好な金被覆層が形成さ
れず、膜内への金錯体吸着量に対する膜表面への金の析
出率は極めて低い。
えばジメチルアミンボラン、ヒドラジンなどを使用する
場合には、確かに金(III)フェナントロリン錯体は還
元されるが、本発明の所望の効果は得られない。より具
体的には、ジメチルアミンボランは、金の自己触媒反応
を促進する還元剤として知られているが、本発明で使用
すると、還元反応の調節が困難であり、また、陽イオン
交換膜の汚染が激しいので、膜表面には黒色を帯びた不
均一な金の薄層が析出する。その理由は、明らかではな
いが、イオン交換膜内部にまで金が析出してしまうの
で、膜表面に均一層が形成されないためと推測される。
ヒドラジンを使用する場合にも、イオン交換膜内部にま
で浸透するので、膜表面には、良好な金被覆層が形成さ
れず、膜内への金錯体吸着量に対する膜表面への金の析
出率は極めて低い。
【0015】これに対し、本発明方法は、操作上におい
ても、また得られる金−イオン交換膜においても、従来
技術に比して多くの利点を有している。すなわち、本発
明方法では、還元反応中のpHの許容範囲が比較的広
く、しかも短時間で還元反応が完了する。また、還元剤
水溶液が安定であり、溶液状態での保存が可能である。
さらに、亜硫酸塩および/またはアスコルビン酸或いは
その塩の水溶液による還元によりイオン交換膜表面に形
成される金層は、密着性に優れ、接触抵抗が小さく、色
調にむらのない、均一な接合層である。
ても、また得られる金−イオン交換膜においても、従来
技術に比して多くの利点を有している。すなわち、本発
明方法では、還元反応中のpHの許容範囲が比較的広
く、しかも短時間で還元反応が完了する。また、還元剤
水溶液が安定であり、溶液状態での保存が可能である。
さらに、亜硫酸塩および/またはアスコルビン酸或いは
その塩の水溶液による還元によりイオン交換膜表面に形
成される金層は、密着性に優れ、接触抵抗が小さく、色
調にむらのない、均一な接合層である。
【0016】次いで、得られた金−イオン交換膜接合体
を、塩酸、硫酸などの酸の水溶液および水で処理するこ
とにより、イオン交換膜中に残存している吸着物を除去
する。
を、塩酸、硫酸などの酸の水溶液および水で処理するこ
とにより、イオン交換膜中に残存している吸着物を除去
する。
【0017】かくして、金錯体の吸着量の95%以上が
金として膜表面に析出し、金錯体の吸着量を調節するこ
とにより、0.5〜2mg/cm2程度、厚さ0.5〜
2μm程度の金層の形成が可能である。
金として膜表面に析出し、金錯体の吸着量を調節するこ
とにより、0.5〜2mg/cm2程度、厚さ0.5〜
2μm程度の金層の形成が可能である。
【0018】実施例の結果を示す表1から明らかな様
に、本発明方法による金−イオン交換膜接合体中の金の
結晶子のサイズは比較的大きく、析出金層がセル構成材
料の接触抵抗の低減にも寄与することから、本発明方法
による金−イオン交換膜接合体は、電極材料として、有
用である。
に、本発明方法による金−イオン交換膜接合体中の金の
結晶子のサイズは比較的大きく、析出金層がセル構成材
料の接触抵抗の低減にも寄与することから、本発明方法
による金−イオン交換膜接合体は、電極材料として、有
用である。
【0019】本発明による金−イオン交換膜接合体の金
層の厚さをさらに厚くする必要がある場合には、金−イ
オン交換膜接合体を市販の無電解金めっき液(例えば、
シアン化金カリウム、シアン化カリウムを主成分とする
めっき液)で処理することにより、金層を約4μm程度
までの任意の厚みに成長させることができる(成長過
程)。
層の厚さをさらに厚くする必要がある場合には、金−イ
オン交換膜接合体を市販の無電解金めっき液(例えば、
シアン化金カリウム、シアン化カリウムを主成分とする
めっき液)で処理することにより、金層を約4μm程度
までの任意の厚みに成長させることができる(成長過
程)。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。
説明する。
【0021】実施例1 30mm×40mmの過フルオロカーボンスルホン酸型陽イオン
交換膜(商標「ナフィオン117」、デュポン社製)を
10%塩酸と水でそれぞれ30分煮沸して、前処理した後、
金(III)フェナントロリン錯体溶液(7×10-3mol/l)
に浸漬し、25℃で16時間攪拌することにより、金(II
I)錯体をイオン交換膜に飽和吸着させた。
交換膜(商標「ナフィオン117」、デュポン社製)を
10%塩酸と水でそれぞれ30分煮沸して、前処理した後、
金(III)フェナントロリン錯体溶液(7×10-3mol/l)
に浸漬し、25℃で16時間攪拌することにより、金(II
I)錯体をイオン交換膜に飽和吸着させた。
【0022】次いで、この金(III)錯体を吸着したイ
オン交換膜を水洗し、1×10-2mol/lの亜硫酸ナトリウム
水溶液を用いて60〜80℃で3時間還元した後、10%硫酸お
よび熱水で順次処理することにより、陽イオン交換膜表
面への金の接合を行った。
オン交換膜を水洗し、1×10-2mol/lの亜硫酸ナトリウム
水溶液を用いて60〜80℃で3時間還元した後、10%硫酸お
よび熱水で順次処理することにより、陽イオン交換膜表
面への金の接合を行った。
【0023】得られた金−イオン交換膜接合体における
金層の物性を表1に示す。
金層の物性を表1に示す。
【0024】表1に示す結果から、本発明方法によれ
ば、膜表面に約2mg/cm2で2μmの金層が形成されている
ことが明らかである。また、結晶子サイズが比較的大き
く、電導性および外観の色に優れていることから、金の
析出状態が均一であることが明らかである。
ば、膜表面に約2mg/cm2で2μmの金層が形成されている
ことが明らかである。また、結晶子サイズが比較的大き
く、電導性および外観の色に優れていることから、金の
析出状態が均一であることが明らかである。
【0025】実施例2 還元剤水溶液として8×10-3mol/lのアスコルビン酸ナト
リウム水溶液を用いる以外は実施例1と同様にして金−
イオン交換膜接合体を得た。その金層の物性を表1に示
す。
リウム水溶液を用いる以外は実施例1と同様にして金−
イオン交換膜接合体を得た。その金層の物性を表1に示
す。
【0026】実施例1と同様に、接触抵抗の小さい電導
性に優れた金−イオン交換膜接合体が得られていること
が明らかである。
性に優れた金−イオン交換膜接合体が得られていること
が明らかである。
【0027】
【表1】
【0028】注:接触抵抗は、電極面積1cm2のセルを
用いて、10kgf/cm2で白金製のメッシュに接合体を押し
当て、ゼロキャップ方式(電極圧接方式)により測定。
陽イオン交換膜(商標「ナフィオン117」、デュポン
社製)自体の接触抵抗は、8Ωである。
用いて、10kgf/cm2で白金製のメッシュに接合体を押し
当て、ゼロキャップ方式(電極圧接方式)により測定。
陽イオン交換膜(商標「ナフィオン117」、デュポン
社製)自体の接触抵抗は、8Ωである。
【0029】実施例3 直径約80mm過フルオロカーボンスルホン酸型陽イオン交
換膜(商標「ナフィオン117」、デュポン社製)の表
面をサンドブラストして粗面化した後、10%塩酸と水で
それぞれ30分煮沸して、前処理した。
換膜(商標「ナフィオン117」、デュポン社製)の表
面をサンドブラストして粗面化した後、10%塩酸と水で
それぞれ30分煮沸して、前処理した。
【0030】次いで、めっき用セルに膜を挟み、両側の
各室に吸着液として金(III)フェナントロリン錯体溶
液(7×10-3mol/l)を入れ、25℃で18時間放置して膜中
に金錯体をイオン交換吸着させた後、吸着液を抜き、水
洗した。
各室に吸着液として金(III)フェナントロリン錯体溶
液(7×10-3mol/l)を入れ、25℃で18時間放置して膜中
に金錯体をイオン交換吸着させた後、吸着液を抜き、水
洗した。
【0031】次いで、上記のセルの各室に1×10-2mol/l
の亜硫酸ナトリウム水溶液を通し、60〜80℃で約4時間
還元を行い、約2μmの金層を膜の両面に析出させた
後、10%塩酸および熱水で順次処理することにより、陽
イオン交換膜表面への金の接合を行った。
の亜硫酸ナトリウム水溶液を通し、60〜80℃で約4時間
還元を行い、約2μmの金層を膜の両面に析出させた
後、10%塩酸および熱水で順次処理することにより、陽
イオン交換膜表面への金の接合を行った。
【0032】次いで、上記のセルに厚付無電解めっき液
(「セラゴールド5010」、日本エレクトロプレイティン
グエンジニヤース(株)製)を入れ、65℃で2時間反応
を行った結果、陽イオン交換膜表面に約4μmの金層が
形成された。
(「セラゴールド5010」、日本エレクトロプレイティン
グエンジニヤース(株)製)を入れ、65℃で2時間反応
を行った結果、陽イオン交換膜表面に約4μmの金層が
形成された。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、次の様な効果が奏され
る。
る。
【0034】(1)陽イオン交換膜と金との密着性に優
れ、接触抵抗の小さい金−イオン交換膜接合体の作製が
可能である。
れ、接触抵抗の小さい金−イオン交換膜接合体の作製が
可能である。
【0035】(2)本発明方法により得られる金−イオ
ン交換膜接合体は、電極材料として有用である。
ン交換膜接合体は、電極材料として有用である。
【0036】(3)本発明方法で得られた接合体上にさ
らに金層を成長させることにより、固体高分子電解質を
用いた各種電解槽での実用上の使用に耐える、触媒電極
接合体を得ることができる。
らに金層を成長させることにより、固体高分子電解質を
用いた各種電解槽での実用上の使用に耐える、触媒電極
接合体を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】陽イオン交換膜に金のフェナントロリン錯
体をイオン交換吸着させた後、亜硫酸塩水溶液および/
またはアスコルビン酸或いはその塩の水溶液により還元
処理することを特徴とする金−イオン交換膜接合体の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7273431A JP2692736B2 (ja) | 1995-09-26 | 1995-09-26 | 金−イオン交換膜接合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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-
1995
- 1995-09-26 JP JP7273431A patent/JP2692736B2/ja not_active Expired - Lifetime
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