JP2691255B2 - 複局伝送方法及びその受信装置 - Google Patents

複局伝送方法及びその受信装置

Info

Publication number
JP2691255B2
JP2691255B2 JP50634594A JP50634594A JP2691255B2 JP 2691255 B2 JP2691255 B2 JP 2691255B2 JP 50634594 A JP50634594 A JP 50634594A JP 50634594 A JP50634594 A JP 50634594A JP 2691255 B2 JP2691255 B2 JP 2691255B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
transmission
training
station
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP50634594A
Other languages
English (en)
Inventor
博 鈴木
Original Assignee
エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社 filed Critical エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社
Priority to JP50634594A priority Critical patent/JP2691255B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2691255B2 publication Critical patent/JP2691255B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、移動通信システム及び放送システムに利
用され、ゾーン境界付近での信号の連続性を保持するた
めに行われている、複数局から同一信号を送信する複局
伝送方法及びその受信装置に関する。
無線通信、とりわけ移動通信においては、限られた周
波数帯域で多くの伝送路を実現する必要があり、周波数
の場所的繰り返し利用が重要な技術である。たとえば、
移動通信ではセルラ方式が利用されてきた。セルラ方式
では、サービスエリアが複数のセル、すなわちゾーンに
分割され、各セルに異なる周波数を割り当てることによ
って、セル間の干渉が防止されているか、相互に影響し
ない程度に十分離れたセルには既に割り当てた周波数を
再び割り当て、周波数の場所的繰り返し利用が計られで
いる。このようなセルラ方式においては、セル、すなわ
ちゾーンの間を移動しても連続的に通話が行なえるよう
に、ゾーン切替に伴うチャネル切替が必要である。
従来のゾーン切替方式の原理を図1に示す。基地局BS
1,BS2の各受持ちゾーンZ1,Z2が隣接していて、移動機M
がゾーンZ1,Z2の境界を基地局BS1からBS2へ移動してい
るとする。基地局BS1,BS2から移動機へ送るべき下り信
号は交換局13から切替が行なわれる2つの基地局BS1とB
S2に伝送される。移動機Mへの下り無線回線は、はじめ
は基地局BS1を介して第1チャネルCH1により設定されて
いる。移動機Mの移動に伴って第1チャネルCH1の電界
強度が低下すると、下り無線回線として基地局BS2を介
して第2チャネルCH2が設定され、それと同時に第1チ
ャネルCH1は切断される。通常FDMA(周波数分割多元接
続)またはTDMA(時分割多元接続)によりアクセスチャ
ネルが設定されているので、同一チャネルを隣接するゾ
ーンで使用することはできない。したがって、2つのチ
ャネルCH1とCH2のキャリア(搬送波)周波数は異なって
いる。そのため、切替は連続的に行なうことができず、
切替時に瞬断が起きていた。音声通話においては、この
瞬断は、通話品質に大きな影響を与えない程度に十分短
いものにできるが、画像やデータ通信などのマルチメデ
ィア伝送では、ディジタル信号が高速に伝送されている
ことが多いので、前記瞬断が品質低下に与える影響が大
きくなるという欠点があった。
一方、CDMA(符号分割多元接続)によるゾーン切替で
はスクランブルコード(符号)によるチャネル設定が行
なわれ、接続ゾーンにおいても同一キャリア周波数が利
用されている。そこで隣接ゾーンでスクランブルコード
を変えて複局伝送を行えば、容易に2つの基地局からの
信号を受信でき、瞬断のない受信が可能になる。しか
し、この方法はCDMA固有の方法であり、FDMA,TDMAでは
利用できないという欠点があった。また、スクランブル
コードで決まるチャネルを区別するため、スクランブル
コードを変える必要があった。スクランブルコードを変
えずに、2つの基地局の逆スクランブルを行うための逆
変換器による検出パルスが重ならないようにスクランブ
ルコードのタイミングをシフトさせる方法があるが、基
地局の間の送信タイミングを精度よく合わせておく必要
があった。
一方、移動通信システムにおける下り制御信号などに
おいては、広域に移動機を呼び出す必要がある。広域の
エリアを低送信出力でカバーするためには、そのエリア
を複数のゾーンに分割して、各ゾーンに同一の信号を送
信する複局送信方式が必要である。
複局送信方式においては、同一信号が各ゾーンから送
出されていても、送信キャリア周波数、送信データタイ
ミングなどが完全に一致することはないので、ゾーン境
界で複数のゾーンからの信号がお互いに干渉する問題が
あった。この問題を解決するために、従来、周波数オフ
セット形の送信ダイバーシチなどが利用されてきた。こ
の方法では、各ゾーンの送信キャリアの周波数を変調帯
域の1/2から1/4程度オフセットさせて、受信側えは遅延
検波器で受信することにより、ダイバーシチ受信を可能
とする方式がある。しかしながら、データのタイミング
が揃っていないと互いに干渉となってしまい、しかも周
波数をオフセットした分だけ受信帯域が広がり、狭帯域
化が難しいという欠点があった。
この発明では、アクセス方式にかかわらず、切替時の
信号不連続性が発生しないゾーン切替を可能とし、同時
に複数の基地局から同一信号を受信帯域を広げることな
く受信して、ダイバーシチ効果による高信頼度受信を可
能とする複局伝送方法及びその受信装置を提供すること
を目的としている。
発明の開示 この発明によれば、サービスエリア内が複数のゾーン
に分割され、各ゾーン内に基地局が設けられ、移動機が
在圏ゾーンの基地局を通して通信を行う移動通信システ
ム内で、上記移動機が隣接するゾーンとの境界を横切る
場合に、在圏ゾーンの基地局と少なくとも1つの隣接ゾ
ーンの基地局から同一信号を送信する複局伝送方法にお
いて、以下のステップを含む: (a) 上記移動機宛の同一下り信号系列を上記移動機
の在圏ゾーンの基地局と少なくとも1つの隣接ゾーンの
基地局を含むN個の基地局にそれぞれ送信し、上記Nは
2以上の整数であり、 (b) 上記下り信号を所望の変換手順により互いに擬
似直交するN個の送信信号系列に変換し、 (c) N個の各上記基地局は受信した送信信号系列
に、フレーム毎に予め決めた互いに擬似直交するトレー
ニング信号を付加してフレーム化信号系列を生成し、 (d) N個の上記基地局は上記フレーム化信号系列を
それぞれ同一チャネルの送信電波で送信し、 (e) 上記移動機は各上記基地局からの上記送信電波
を受信し、既知のN個の上記トレーニング信号を用いて
それぞれの上記基地局からのN個の送信信号系列に分離
し、 (f) その分離されたN個の上記送信信号系列に対し
上記変換手順と逆の変換手順の処理を行ってN個の受信
信号系列を得る。
この発明の受信装置は同一チャネルの受信波を、その
トレーニング信号を用い、そのトレーニング信号ごとの
複数の信号系列に分離する分離手段と、これら分離され
た信号系列にその送信側で施された変換と逆の変換をし
て信号系列を復元する逆変換手段と、これら復元された
信号系列から上記分離時の信頼度の高い信号系列を出力
する手段とを具備する。
図面の簡単な説明 図1は従来のゾーン切替方式の原理を示すブロック
図、 図2はこの発明の実施例の送信側のブロック図、 図3Aは図2における信号変換部21をメモリを使ったイ
ンタリーブにより実施する場合の構成を示す図、 図3Bは図2における信号変換部21をスクランブルによ
り実施する場合の構成を示す図、 図4は送信信号のフレーム構成を示す図、 図5はこの発明の実施例の受信側のブロック図、 図6Aは信号分離部の要部を構成する非線形干渉キャン
セラのブロック図、 図6Bは線形干渉キャンセラのブロック図。
発明を実施するための最良の形態 この発明の実施例の基地局側を図2に示す。基地局側
で、移動機M宛の下り入力信号変換部14により相異なる
2つの送信信号系列T1とT2に変換される。変換は、2つ
の送信信号系列T1とT2が互いに統計的に独立な、つまり
例えば±10シンボル程度の相互相関がほぼゼロ(即ち互
いに直交あるいは疑似直交する)信号系列の見なすこと
ができるようにするもので、一例としてサイズの異なる
インターリーブを行う。インターリーブは、例えば図3A
に模式的に示すように、同一信号系列DIをサイズの異な
るメモリ14M1,14M2にそれぞれ実線矢印で示す行方向に
順次書き込んだ後、これらのメモリ14M1,14M2を破線矢
印で示す列方向に読み出すことにより変換を行う。メモ
リ数を同一にして縦横比を変えれば、この様にして得ら
れるインターリーブされた信号系列T1,T2は互いに疑似
直交となる。又、伝送路においてバースト的誤りが生じ
ても、逆変換により元の信号系列に戻した時に、誤りが
分散し、誤り訂正が有効に作用する。あるいは入力信号
DIをインタリーブしたものとしないものとそれぞれ2つ
の送信信号系列T1,T2としてもよい。
相互相関がほぼゼロの信号系列を生成する他の方法と
しては、図3Bに示すように入力信号DIをスクランブラ14
S1,14S2においてスクランブルコード発生部14C1,14C2に
より発生した異なるスクランブルコードSC1,SC2でスク
ランブルしてそれぞれ送信信号系列T1,T2としてもよ
い。この場合も入力信号DIをスクランブルしたものとし
ないものを送信信号系列T1,T2としてもよい。なお、信
号変換部21は交換局13内に設けてもよいし、信号変換部
21の各構成部を対応する基地局BS1,BS2内に設けてもよ
いし、あるいは単独に設けてもよい。この発明では後述
するように基地局BS1,BS2で各フレームに付加されるト
レーニング信号が少なくとも互いに直交すればよく、信
号変換部21を設けないでもよい。その場合は同じ入力信
号DIを基地局BS1,BS2のフレーム化回路21、22に与え
る。又、必要に応じて信号変換部14は誤り訂正符号を送
信信号系列に付加してもよい。
これら送信信号系列T1,T2はそれぞれ互いに隣接する
ゾーンZ1,Z2内の基地局BS1,BS2へ伝送される。基地局BS
1,BS2内のフレーム化回路FR1とFR2において送信信号系
列T1,T2はそれぞれフレーム化信号系列F1とF2に変換さ
れる。このフレーム化において、この発明では図4に示
すように2つの基地局BS1とBS2でレジスタRG1,RG2に保
持された相異なる固有のトレーニング信号TRN1,TRN2が
一定長毎の送信データDATA(送信信号系列T1,T2)に付
与され、各フレームが形成される。トレーニング信号TR
N1,TRN2には互いに直交または疑似直交している信号を
用いる。つまり両トレーニング信号TRN1,TRN2の対応す
るシンボルを掛算してその和をとるとほぼゼロになるよ
うなものを用いる。
この様にトレーニング信号TRN1,TRN2として相互に直
交性の良いものを利用すると、後述する図5の信号分離
部20において相関処理を伴う係数設定(タップ係数の設
定、或いは重み係数の設定)の精度を高くすることがで
きる。ただし、マルチパス伝搬路における遅延時間分散
により符号間干渉が発生する場合では、信号分離部20に
おいて等化作用が伴うので、更に各マルチパス成分を分
離する必要がある。そのため、トレーニング信号TRN1,T
RN2には直交性だけでなく自己相関特性についても優れ
たものが必要である。即ち、各トレーニング信号TRN1,T
RN2の自己相関関数は時間差0(位相差0)を中心とす
る位置で鋭いピークとなり、その他の領域では無視でき
る程度に小さくなるものが好ましい。自己相関性の良い
トレーニング信号はタイミング再生様の信号としても利
用できる。ただし、上述した2つの特性、即ち直交性と
自己相関性は相互に影響し合うので、この発明に適用す
るシステムにおいて最適化することが望ましい。
図2のフレーム化回路FR1,FR2で生成されたこれらフ
レーム化信号系列F1とF2は送信機TR1とTR2によりそれぞ
れ変調波C1,C2に変換され、それぞれ送信アンテナANT−
T1とANT−T2から放射される。2つの変調波C1とC2はFDM
A,TDMA,CDMAなどのアクセスチャネル群において同一の
チャネルを使用しているものとする。また、送信アンテ
ナANT−TIとANT−2には場所的に十分離れており、2つ
の変調波C1とC2を移動機Mで受信したときに、それぞれ
の変調波C1,C2の電波伝搬による変動十分独立とみなせ
るものとする。
図5は各移動機Mの構成を示すブロック図であり、移
動機Mは同一チャネルの変調波C1とC2をそれらの合成波
として同時に受信アンテナANT−Rで受信する。受信さ
れた信号は受信機19Rで復調され、得られたベースバン
ド信号はディジタル信号として出力される。このベース
バンド信号は信号分離部20内で増幅され、変調波C1とC2
に対応する受信信号系列R1,R2に分離される。この分離
には各変調波に含まれるトレーニング信号が用いられ、
また分離はいわゆる干渉キャンセラの技術を用いて行う
ことができる。干渉キャンセラには非線形干渉キャンセ
ラと線形キャンセラがある。図5のように受信アンテナ
ANT−Rが1本の場合には非線形タイプしか用いること
ができない。受信アンテナが2本以上あるときには、非
線形タイプ及び線形タイプのいずれも用いることができ
る。
キャンセラの詳細な動作については、線形タイプにつ
いては、R.T.Compton,Jrの“Adaprive Antennas,Concep
t and Performance",Prentice−Hall,1988、又は鈴木、
“最小2乗合成ダイバーシチ受信における信号伝送特
性”、電子情報通信学会論文誌B−II,vol.J75−B−I
I,No.8,pp.524−534,1992年8月、また、非線形タイプ
については、吉野仁,鈴木博,“RLS−MLSEを拡張した
適応干渉キャンセラ",電子情報通信学会,信学技報RCS9
2−120(1933−01)に説明されている。何れの方法も、
予測される予め決めた数の基地局からの受信信号をそれ
ぞれ分離し、その中の着目している希望受信信号に対
し、それ意外の受信信号を干渉し号とみなし、合成受信
波の受信信号からこれらの分離された干渉信号を減算す
ることにより、希望受信信号に対する背景雑音を著しく
低減している。この発明においては、これらの受信信号
の1つ1つをそれぞれ希望受信信号と見なして同様の処
理を行うことにより全ての受信信号を分離する。
分離された受信信号系列R1,R2はそれぞれ逆変換回路3
1、32で図3A又は3Bで示した変換に対する逆変換処理を
行い送信信号系列SR1,SR2が受信信号系列として得られ
る。これらの受信信号系列SR1,SR2は信号再生部33に与
えられ、信号分離部20において信号分離処理に際して得
られた推定誤差に対応する尤度M1′,M2′に基づいて1
つの受信信号系列を選択し、出力端子OUTに出力する。
次に信号分離部20内の干渉キャンセラの基本構成例を
示す。図6Aは非線形干渉キャンセラのブロック図であ
り、図6Bは線形キャンセラのブロック図である。図6Aの
非線形干渉キャンセラの場合、2つの変調波C1,C2の合
成波が受信機19Rにより検波されて得られたベースバン
ド信号のサンプル値Y(n)が入力信号として入力端子
2Tに与えられる。一方、最尤系列推定器24は各入力信号
Y(n)が入力端子2Tに与えられる毎に、それぞれ信号
の遷移する所定の状態数の2つの信号系列の候補(符号
系列候補)CSC1,CSC2を生成し、レプリカ生成器22R1,22
R2にそれぞれ与える。レプリカ生成器22R1,22R2はそれ
ぞれの変調波C1,C2の伝送路特性を推定するパラメー
タ、即ちそれぞれの伝送路のインパルスレンポンスH1,H
2をタップ係数として与えられるトランスバーサルフィ
ルタによって構成され、最尤系列推定器24によって出力
された信号系列候補CSC1,CSC2とタップ係数H1,H2との内
積演算(畳み込み演算)により推定信号、即ちレプリカ
RP1,RP2を生成する。
これらのレプリカRP1,RP2は減算器21A1,21A2に与えら
れ、入力信号Y(n)から順次減算し、推定誤差εを得
ることを2つの信号系列の全ての候補について繰り返
し、尤度計算部23で得られる推定誤差の自乗|ε|2が最
小となる2つの符号系列候補の組が最も確からしい2つ
の符号系列として決定され、その符号系列に基づいて出
力端子に推定送信信号R1,R2とを出力し、それと共に、
それら符号系列のメトリックM1,M2を推定誤差εから計
算して出力する。これらの最尤系列推定方法に付いては
前述の文献に説明されており、又PCT出願公開WO94/1760
0(1944年8月4日公開)にも詳細に説明されている。
又、最尤系列推定アルゴリムズムの1つとして、例えば
ビタビアルゴリズムを使ってもよい。
移動機M(図2)は予め在圏ゾーンZ1の基地局BS1か
ら制御チャネルを通して受信したその在圏ゾーンZ1とそ
れに隣接するゾーンZ2のトレーニング信号パターンTRN
1,TRN2をレジスタ27G1,27G2に保持している。或いは移
動機Mは各ゾーンZ1,Z2,…に割り当てられた識別番号と
対応するトレーニング信号パターンTRN1,TRN2,…を予め
表としてメモリに有しており、在圏基地局Z1から制御チ
ャネルを通して受信したそのゾーンZ1それに隣接するゾ
ーンZ2の識別番号を使って対応するトレーニング信号パ
ターンを表から読み出してレジスタ27G1,27G2に保持し
てもよい。移動機Mの受信機19Rが各フレーム中のトレ
ーニング信号TRN1,TRN2を受信している期間に、それぞ
れのトレーニング信号パターンTRN1,TRN2がスイッチ26S
1,26S2を介してレジスタ27G1,27G2から伝送路パラメー
タ推定部25とレプリカ生成器22R1,22R2に与えられる。
レプリカ生成器22R1,22R2は与えられたタップ係数H1,
H2により制御されてトレーニング信号パターンTRN1,TRN
2からその受信信号のレプリカ(推定受信トレーニング
信号)を生成し、減算器21A1,22A2に与える。パラメー
タ推定部25は例えば適応アルゴリズムにより、推定誤差
信号の電力|ε|2が最小となるようにトレーニングパタ
ーンTRN1,TRN2に対するタップ係数H1,H2を決定する。こ
の様にして決定されたタップ係数H1,H2が与えられたレ
プリカ生成器(トランスバーサルフィルタ)22R1,22R2
はそれぞれの変調信号C1,C2が伝搬する伝送路の特性
(インパルスレスポンス)を模擬していることになる。
受信フレーム中のデータDATAを受信中にはこの様にして
決定したタップ係数H1,H2がレプリカ生成器22R1,22R2に
与えられ、前述のようにして最尤系列推定器24は2つの
送信信号系列(受信データ)の組を最尤推定する。ま
た、信号系列R1,R2の判定に使用された尤度(例えば1/|
ε|2)から判定パスのメトリック(推定信号系列の信頼
度)M1,M2を周知の方法により計算して出力する。図2
に示したように、信号変換部14で入力信号系列を互いに
疑似直交する送信信号系列T1,T2に変換した場合には、
必要に応じてデータDATA受信期間に上述のようにして判
定した2つの送信信号系列を使って再び推定誤差電力|
ε|2が最小となるようにタップ係数H1,H2を修正するこ
とができる。この図6Aの例では、メトリックM1とM2は同
じ値となる。以上、シングルブランチによる動作を説明
したが、ダイバーシティ受信の構成も考えられ、その場
合も同様に動作する。
図6Bは線形干渉キャンセラにより信号分離部20を構成
する場合を示し、2つの受信アンテナANT−R1,ANT−R2
からのそれぞれの合成受信波が受信機19R1,19R2でそれ
ぞれベースバンド信号Y1,Y2に変換されて信号分離部20
の入力端子2T1と2T2に入力される。これらのベースバン
ド信号Y1,Y2はそれぞれ重み付け回路21W11,21W12で重み
係数W11とW12により思み付けされ、加算回路22A1で合成
され、1つの送信変調信号C1に対する推定信号として出
力される。その推定信号出力は判定回路24D1でしきい値
以上か以下かの判定がなされて推定送信信号系列R1とし
て出力端子から出力される。判定回路24D1の入力と出力
との信号の差分(推定誤差)を差回路23E1でとってメト
リック信号M1として出力する。
送信フレーム中のトレーニング信号受信期間に、レジ
スタ27G1からスイッチ26S1を介してトレーニング信号パ
ターンTRN1を判定出力の代わりに差回路23E1に与え、こ
の差分の絶対値の自乗|ε|が最小となるように制御回
路25C1が重み付け係数W11とW12を決定する。その決定さ
れた係数W11、W12を使って送信フレーム中のデータ受信
期間中に受信信号Y1,Y2を重み付け加算することにより
推定送信信号R1を得ることができる。この時、差回路23
E1の差分出力、すなわち誤差成分εが小さくなるのは変
調波C2がキャンセルされるためである。
同様に入力端子2T1,2T2よりの信号Y1,Y2が、それぞれ
重み付け回路21W21,21W22及び合成回路22A2で重み付け
加算され、その加算出力が判定回路24D2でレベル判定さ
れる。トレーニング信号受信期間にレジスタ27G2からの
トレーニング信号パターンTRN2をスイッチ26S2を介して
差回路23E2に与えて、差回路23E2により合成回路22A2の
出力との差分を得る。その差分が最小となるように制御
回路25C2により重み係数W21,W22が決定され、その重み
係数を使って受信フレーム中のデータDATA受信期間に入
力信号Y1,Y2の重み付け加算を行うことにより変調波C1
がキャンセルされて送信信号系列R2が出力される。この
図6Bでは、メトリック信号M1,M2は互いに異なってい
る。これら2つのメトリック信号M1,M2の2乗和をとっ
て共通のメトリック信号として図6Aのように分配しても
よい。
この様にトレーニング信号の受信中に、図6Aにおける
伝送路パラメー推定部25によるタップ係数H1,H2の設定
が正しく行われ、または図6Bにおける重み係数W11,W12,
W21,W22が正しく決定される。
これら図6A,6Bに示す干渉キャンセラでは、一方の変
調波、たとえばC1を抽出するとき、他方の変調波C2は干
渉波として扱うことにより各変調波に含まれる送信信号
系列T1とT2に対応した復調された送信信号系列R1とR2が
抽出されている。このようにして抽出された送信信号系
列R1とR2は、図5中の各逆変換回路31と32で、送信側の
信号変換部14(図2)での変換と逆の変換が施されて受
信信号系列SR1とSR2が生成される。これらの逆変換回路
31、32は、送信側の信号変換部14が図3Aに示すようなイ
ンターリーブを行う場合は、逆変換回路31、32にそれぞ
れ図3Aと同様のサイズの異なる2つのメモリを設け、図
3Aとは逆に受信信号系列R1,R2を列方向に書き込み、行
方向に読み出すように構成すればよい。また、送信側が
図3Bに示すようにスウランブルコードSC1,SC2による信
号変換を行う場合には、逆変換回路31、32にそれぞれ乗
算器を設け、受信信号系列R1,R2をこれらのスクランブ
ルコードSC1,SC2で逆変換すればよい。
これらの信号系列SR1,SR2には、信号分離部20内の干
渉キャンセラが出力する分離時の信頼度を表すメトリッ
ク信号M1,M2が同期して出力される。メトリックは、レ
ベル、或いは分離処理における推定誤差|ε|の逆数1/
|ε|、又はその2乗、或いは負数−|ε|または−|
ε|2等で表され、その値が大きいほど信頼性が高いとす
る。更に、逆変換において、例えば誤り訂正の復号で使
われるメトリックを用いて受信信号系列SR1,SR2の総合
的なメトリックM1′,M2′が生成される。信号変換部14
の変換が単にインターリーブなどの順序の入れ替えであ
れば、逆変換にともなってM1′とM2′は単にM1とM2の順
序を入れ換えたものとなる。逆変換回路31、32からのメ
トリックが異なる2つの受信信号系列SR1とSR2とから、
信号再生部33で最適な復調データDOを生成して、出力端
子OUTから出力する。その生成方法としては、(1)メ
トリックが大きな方の受信信号系列を選択する、(2)
判定された受信信号系列に更にメトリックの重み付けを
して合成してから判定する、(3)逆変換ではディイン
ターリーブのみを行い、誤り訂正の復号においてメトリ
ックの大きい受信信号系列のデータを選択しながら復号
する、等の様々な方法が考えられる。
以上の動作は、チャネル切り替えおよび複局送信方式
で基本的に同じである。ただし、チャネル切り替えで
は、切り替え先からの電波の受信電界強度が強くなると
元のゾーンからの信号送出しを止める機能がある。上述
は同一信号を2つの基地局から送信したが、図2に破線
で第3の隣接ゾーンの基地局BS3を示すように、3つ以
上の基地局BS1,BS2,BS3,…から送信してもよい。その数
をNとすると、図6Aの信号分離部20は、減算回路21A1,2
1A2,…、レプリカ生成回路22R1,22R2,…、スイッチ26S
1,26S2,…、レジスタ27G1,27G2,…をそれぞれN個設け
ればよい。また図6Bの信号分離部20の場合は、N個の受
信機19R1,19R2,…からの信号Y1,Y2,…に対し、合成回路
22A1,22A2,…、判定回路24D1,24D2,…、差回路23E1,23E
2,…、制御回路25C1,25C2,…、スイッチ26S1,26S2,…、
レジスタ27G1,27G2,…をそれぞれN個設ける。又N個の
入力信号Y1,Y2,…に対しN組の重み付き加算を行うため
のN2個の重み付け回路21W11,…、21WNNを設ければよ
い。
この発明は、以上のように動作するので、アクセス方
式によらず、同一チャネルを用いてゾーン切替が可能で
ある。ゾーン切替時に瞬断がないので高速ディジタル信
号伝送の信頼性低下が生じない。また、ゾーン切替時に
は一般にゾーン境界付近に位置しているから受信電界が
弱くなるがこの発明によれば複数の基地局から同時に受
信しているのでダイバーシチ効果が得られ、伝送特性が
向上する。
従ってこの発明は大容量かつ、マルチメディアに対応
したディジタル移動通信、携帯電話方式に適用すると効
果的であり、また、広域エリアを複数のゾーンにわけて
放送モードで伝送を行うときにも効果的である。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サービスエリア内が複数のゾーンに分割さ
    れ、各ゾーン内に基地局が設けられ、移動機が在圏ゾー
    ンの基地局を通して通信を行う移動通信システム内で、
    上記移動機が隣接するゾーンとの境界を横切る場合に、
    在圏ゾーンの基地局と少なくとも1つの隣接ゾーンの基
    地局から同一信号を送信する複局伝送方法において、以
    下のステップを含む: (a) 上記移動機宛の同一下り信号系列を上記移動機
    の在圏ゾーンの基地局と少なくとも1つの隣接ゾーンの
    基地局を含むN個の基地局にそれぞれ送信し、上記Nは
    2以上の整数であり、 (b) 上記下り信号を所望の変換手順により互いに擬
    似直交するN個の送信信号系列に変換し、 (c) N個の各上記基地局は受信した送信信号系列
    に、フレーム毎に予め決めた互いに擬似直交するトレー
    ニング信号を付加してフレーム化信号系列を生成し、 (d) N個の上記基地局は上記フレーム化信号系列を
    それぞれ同一チャネルの送信電波で送信し、 (e) 上記移動機は各上記基地局からの上記送信電波
    を受信し、既知のN個の上記トレーニング信号を用いて
    それぞれの上記基地局からのN個の送信信号系列に分離
    し、 (f) その分離されたN個の上記送信信号系列に対し
    上記変換手順と逆の変換手順の処理を行ってN個の受信
    信号系列を得る 複局伝送方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、上記変換
    手順は上記下り信号系列に対し少なくとも(N−1)個
    の異なるタイミングでそれぞれインターリーブ処理を行
    って少なくともN個の互いに異なる上記送信信号系列を
    得る手順である複局伝送方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方法において、上記変換
    手順は上記下り信号系列に対し、少なくとも(N−1)
    個の異なるスクランブルコードによりそれぞれスクラン
    ブル処理を行って少なくともN個の互いに異なる上記送
    信信号系列を得る手順である複局伝送方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法において、上記ステ
    ップ(e)は上記受信した信号中の上記トレーニング信
    号の期間にN個の既知の上記トレーニング信号を用いて
    それぞれの上記基地局からの伝送路特性を推定し、推定
    した伝送路特性により上記フレーム化信号系列を模擬す
    るN個のレプリカを生成し、上記受信した信号系列から
    N個の上記レプリカを減算し、それによって得た推定誤
    差が最小となるように最尤系列推定を行ってN個の上記
    送信信号系列を決定する複局伝送方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の方法において、上記移動
    機は上記送信電波の合成波をN個の異なるアンテナを通
    してN個の受信機により受信し、上記ステップ(e)は
    上記受信した信号中の上記トレーニング信号期間にN個
    の各上記受信機のベースバンドを出力をN個の重み係数
    により重み付け加算して得た信号系列が上記N個のトレ
    ーニング信号の1つに一致するように上記N個の重み係
    数を決定することを、N個の上記トレーニング信号のそ
    れぞれについて行って各組がN個の重み係数からなるN
    組の重み係数を決定し、上記受信信号中のデータ信号期
    間において上記N組の重み係数のそれぞれにより上記N
    個のベースバンド出力を重み付き加算することにより得
    られるN個の出力信号系列を上記N個の送信信号系列と
    決定する複局伝送方法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の方法において、上記ステ
    ップ(e)はN個の上記受信信号系列のそれぞれのメト
    リックを求めるステップと、N個の上記出力信号系列の
    内、最大のメトリックを有する信号系列を選択して出力
    するステップを含む複局伝送方法。
  7. 【請求項7】同一信号を変換して得られた互いに疑似直
    交するN個の信号系列をN個の隣接ゾーンのそれぞれの
    基地局においてフレーム化し、互いに直交するトレーニ
    ング信号を付加して送信された変調波を受信し、所望の
    基地局からの送信信号系列を選択出力する移動機の受信
    装置であり、 同一チャネルの受信波から、互いに疑似直交する既知の
    N個のトレーニング信号パターンを用いて、それらのト
    レーニング信号パターンに対応するN個の受信信号系列
    に分離出力すると共に、それらの信頼度を表すメトリッ
    クを出力する信号分離手段と、Nは2以上の整数であ
    り、 これら分離されたN個の上記受信信号系列にその送信側
    で施された変換と逆の変換をして送信信号系列を復元す
    る逆変換手段と、 これら復元されたN個の送信信号系列から、上記信号分
    離時の上記メトリックの大きい送信信号系列を選択出力
    する手段と、 を具備する受信装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の装置において、上記信号
    分離手段は、 受信信号が入力される毎にN個の信号系列候補を生成し
    てそれぞれ与えられた伝送路パラメータにより制御され
    て伝送路を模擬し、受信信号系列候補から上記受信信号
    に対するN個のレプリカを生成するN個のレプリカ生成
    手段と、 上記受信信号から上記N個のレプリカを減算して推定誤
    差を出力する減算手段と、 上記受信信号が入力される毎に全ての受信信号系列候補
    を順次生成し、それらの候補に対する上記推定誤差から
    尤度を求め、上記尤度が最大となる受信信号系列を判定
    する最尤系列推定手段と、 N個の上記隣接ゾーンにそれぞれ固有のトレーニング信
    号パターンを保持するパターン保持手段と、 上記受信信号中の上記トレーニング信号受信期間に上記
    パターン保持手段からのN個の上記トレーニング信号パ
    ターンをN個の上記レプリカ生成手段に供給して上記ト
    レーニング信号のレプリカを生成させるスイッチ手段
    と、 上記トレーニング信号の受信期間に上記推定誤差が最小
    となるように上記トレーニング生成手段に与える伝送路
    パラメータを生成する伝送路パラメータ生成手段、とを
    含む受信装置。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の装置はN個の異なる位置
    に設けられたアンテナを有し、上記信号分離手段は、 上記N個のアンテナからのN個の受信信号に対する重み
    付き加算をN通り生成するN個の重み付き加算手段と、 N個の上記重み付き加算手段の出力をそれぞれレベル判
    定して受信信号をそれぞれ出力するN個の判定手段と、 N個の上記隣接ゾーンにそれぞれ固有のトレーニング信
    号パターンを保持するパターン保持手段と、 上記受信信号中のトレーニング信号の受信期間中に上記
    重み付き加算手段の出力と上記パターン保持手段からの
    上記トレーニング信号パターンとの差を求めるN個の減
    算手段と、 上記トレーニング信号受信期間中に上記差が最小になる
    ように上記重み付き加算手段の重み係数を決定するN個
    の制御手段、 とを含む受信装置。
JP50634594A 1993-10-12 1994-10-11 複局伝送方法及びその受信装置 Expired - Lifetime JP2691255B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP50634594A JP2691255B2 (ja) 1993-10-12 1994-10-11 複局伝送方法及びその受信装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-254112 1993-10-12
JP25411293 1993-10-12
JP50634594A JP2691255B2 (ja) 1993-10-12 1994-10-11 複局伝送方法及びその受信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2691255B2 true JP2691255B2 (ja) 1997-12-17

Family

ID=26541537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50634594A Expired - Lifetime JP2691255B2 (ja) 1993-10-12 1994-10-11 複局伝送方法及びその受信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2691255B2 (ja)

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
電子情報通信学会 信学技報RCS92−120

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6483866B1 (en) Multi-station transmission method and receiver for inverse transforming two pseudo-orthogonal transmission sequences used for metric calculation and base station selection based thereon
US5859842A (en) Antenna diversity techniques
KR100397772B1 (ko) 직교 블럭 엔코딩 통신 시스템 및 그 방법
Jung et al. Joint detection with coherent receiver antenna diversity in CDMA mobile radio systems
US6996375B2 (en) Transmit diversity and separating multiple loopback signals
US8027650B2 (en) Iterative multi-stage detection technique for a diversity receiver having multiple antenna elements
JP4359388B2 (ja) ダイレクトシーケンススペクトル拡散通信システムにおけるデータのジョイント検出のための方法および装置
US5901185A (en) Systems and methods for data-augmented, pilot-symbol-assisted radiotelephone communications
JP4195784B2 (ja) 多段rake結合方法および装置
JP2992670B2 (ja) 移動体通信装置
JP2734953B2 (ja) Cdma受信装置
EP0807345B1 (en) Cdma data transmission method, transmitter, and receiver using a super symbol for interference elimination
JPH0730519A (ja) Cdma受信機
US8565287B2 (en) Method and system for per-cell interference estimation for interference suppression
KR19990063551A (ko) 전개 스펙트럼 통신 시스템에서 적응 등화를이용하여 간섭을억제하기 위한 통신 장치 및 방법
US6301316B1 (en) Frequency sharing mobile communication system equipped with diversity receiver incorporated with shared wave canceller
US8498321B2 (en) Method and system for optimizing programmable interference suppression
WO2006118412A2 (en) An apparaus and method for receiving signals in multi-carrier multiple access systems
JP2002232327A (ja) 受信装置に用いるパス選択方法および回路
JP2691255B2 (ja) 複局伝送方法及びその受信装置
KR20020039424A (ko) 페이딩 적응형 초고성능 공간-시간 배열 수신 시스템 및그 방법
Georgoulis Transmitter based techniques for ISI and MAI mitigation in CDMA-TDD downlink
JPH09298489A (ja) Cdma方式移動通信装置
JPH0969808A (ja) 空間ダイバーシチ送受信装置
GB2376601A (en) Transmission diversity in a cellular radio communication system