JP2690867B2 - ガスアシストインジェクション成形用樹脂組成物 - Google Patents
ガスアシストインジェクション成形用樹脂組成物Info
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Description
所定の機械的強度を有するとともに耐熱性・耐薬品性に
優れ、例えば自動車エンジンの中空管部品の成形に好適
なガスアシストインジェクション成形用樹脂組成物に関
する。
車エンジン等に使用される複雑な形状の中空管や中空曲
管を樹脂材料により製造する方法としては、例えば、ガ
スアシストインジェクション成形法が知られている。こ
のガスアシストインジェクション成形法とは、「溶融流
動状態の樹脂材料を金型内のキャビティに導入し、この
樹脂材料内に加圧ガスを注入し、ガス圧により樹脂材料
を金型内面に向かって押しつけつつ薄肉化し、所定形状
の管状体を製造すること」を特徴とする成形方法であ
る。このガスアシストインジェクション成形法により自
動車エンジンに使用される中空曲管を成形する場合、成
形材料には耐熱性・耐不凍液(LLC)性・耐油性等の
物理特性と、加圧ガス注入時の流れがよく、中空部側に
強固なスキン層を短時間に形成する流動特性が必要とさ
れる。成形材料によっては、加圧ガス注入時の樹脂の流
れが不十分であったり、中空部側スキン層の形成が遅
く、強度が不十分になり、所定の中空率を有する中空管
や中空曲管が得られないことがある。
脂にガラス短繊維を配合した材料は一部の自動車エンジ
ン部品に使える性能を有し、且つ中空曲管成形も可能な
材料であるが、このような脂肪族系ポリアミド樹脂をベ
ースとする材料では耐熱性や耐不凍液(LLC)性に限
界があり、最近の高性能化した自動車エンジンには使用
が難しくなっており、非常に狭い用途にしか使用できな
い。
香環を持つ芳香族ポリアミドが市販されており、例え
ば、メタキシレンジアミドを原料とするタイプ(三菱エ
ンジニアリングプラスチックス(株)製の商品名「レニ
ー」等)と、アジピン酸側に芳香環を有するタイプ(帝
人アモコエンジニアリングプラスチックス(株)製の商
品名「アモデル」や、BASFエンジニアリングプラス
チックス(株)製の商品名「ウルトラミッドT」等)が
ある。これらは一般に脂肪族ポリアミドよりも耐熱性や
耐不凍液性に優れ、高性能であるが、脂肪族系に比べて
結晶化速度が遅く、結晶化度も小さいため、ガスアシス
トインジェクションによる中空管の成形では、中空部側
のスキン層の形成が遅く、強度も低くなり、離型時のガ
ス排出工程において中空部が負圧になる際、固化してい
ない樹脂がスキン層を破って中空部を塞いでしまうとい
う問題がある。
(以下「PPS」という)は大別すると架橋型と直鎖型
があるが、いずれも溶融時の伸び性に欠け、ガス射出工
程で十分なガス圧力・速度を与えられず、良好な中空部
が得られないという問題があり、ブロー成形でも同様の
問題が発生する。
ガスアシストインジェクション装置は、容量制御方式
(商標名「CINPRES」のもの)と圧力制御方式
(商標名「AGI」のもの)があるが、上記の問題はい
ずれの方式においても成形条件の調整だけでは回避する
ことはできない。
に、そのコストパフォーマンス性から耐熱性・耐薬品性
の要求される構造部材の原料として用途が拡大されてお
り、それを原料として安価な方法で中空曲管が得られれ
ば、さらに産業上の利用分野が拡大されることが期待さ
れる。
性を示すポリマーとして注目され、様々な用途に適用さ
れつつあり、中空曲管の成形材料としての適性も有する
が、高価である。
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、芳香
族ポリアミド、PPSおよび芳香族ポリエステルの各素
材の利点を活かした、自動車エンジンの中空管の成形材
料として好適で安価なガスアシストインジェクション成
形用樹脂組成物を提供することにある。
に本発明の要旨は、以下の配合を有する50〜85重量
%の樹脂部と残部が以下の配合の補強材からなることを
特徴とするガスアシストインジェクション成形用樹脂組
成物にある。
単独もしくはこれらの混合物をAとし、液晶ポリマーI
I型の芳香族ポリエステルをBとした場合に、A:Bの
重量比率が5:1〜1:5の範囲内で混合したものであ
る。
0重量%、炭素繊維単独として10〜30重量%または
これらの混合物が50重量%以下である。
中に芳香環を有するポリアミド全般をいい、PPSは架
橋型、直鎖型を問わない。
充填材を配合することも可能である。
ドメイン構造を有し、そのため溶融粘度は低いが、剪断
方向に配向されたドメインを形成することにより、ガス
射出工程における材料の伸びが改善される。さらに、結
晶化速度、結晶化度とも高いゆえ、スキン/コア層を形
成しやすく、スキン層はフィブリル構造であるため、中
空部側のスキン層を短時間に且つ高強度なものとするこ
とができる。従って、芳香族ポリアミドおよびPPSを
使用することによる中空成形時の問題は発生しない。
に限定したのは、I型やIII型では、相手ポリマーと
の溶融温度が違い過ぎ、混合に問題が生じるためであ
る。
15重量%以下では安定した中空成形性の改善効果が期
待できず、一方、85重量%以上になると中空比率が低
下する上、コスト面でも不利となるので、前記樹脂Aと
樹脂Bの重量比率は、5/1(B:16.7重量%)〜
1/5(B:83.3重量%)の範囲とされる。
により、機械的強度を向上することができる。しかし、
これら繊維の配合量が増加するほど、中空部の内面平滑
性が低下するという問題が生じ、逆に少なすぎると期待
する補強効果が得られないので、ガラス繊維単独では1
5〜50重量%、炭素繊維単独では10〜30重量%、
またはこれらの混合物として50重量%以下とされる。
特にガスアシストインジェクション成形においては、通
常の射出成形における保圧工程に相当するガス保持工程
でのガス保持圧力が最大でも10MPa程度と小さいた
め、中空部スキン層近くの短繊維が浮きでてしまうから
である。これを避けるためには、「短繊維径を小さくす
ることにより、繊維の本数を増やして繊維同士を絡みや
すくし、その結果、短繊維の見かけ表面積/重量比が大
きくなって、スキン層から沈みこみやすくすることによ
り中空部の表面平滑性を向上させる方法」や「液晶ポリ
マーII型は相手ポリマーに対してアロイ化するよりド
ライブレンドにて混合する方が冷却固化中の相分離が顕
著になり、液晶ポリマーII型がリッチなスキン層を形
成させて中空部の表面平滑性を向上させる方法」があ
り、これらの方法は、本出願人によりすでに特許出願さ
れた。補強材であるガラス繊維または炭素繊維は最終樹
脂組成物で所定の配合量となるようにA成分またはB成
分に混合して用いるが、上記の点より、あらかじめ芳香
族ポリエステルの相手ポリマーに配合しておく方が好ま
しい。
のような比率(重量部)で混合した樹脂組成物を、図1
に示すようなガスゲート1およびキャビティ2を有する
金型で、住友重機械プラスチックマシナリー(株)製の
射出成形機(商品名「SG−220」のもの)と三菱エ
ンジニアリングプラスチックス(株)製のガス射出ユニ
ット(商品名「CINPRES Mark II」のも
の)を使用して、中空曲管を射出成形した結果、安定し
た中空曲管が得られた。得られた中空曲管の中空部表面
は平滑ではあるが、うねり状の凹凸を有していた。表1
には、この中空部表面のうねり状の凹凸を中空部の表面
粗度(Rmax 、μm)として併せて示した。
成物を用いて実施例1〜9と同様に中空曲管を成形した
が、いずれも中空曲管を得ることができなかった。
空部表面粗度は、ガラス繊維の添加量が増えるにつれて
大きくなる傾向を示しているが、いずれも実用上、問題
のないレベルである。
するとともに耐熱性・耐薬品性に優れた、中空管用の材
料として好適で安価なガスアシストインジェクション成
形用樹脂組成物を提供することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 以下の配合を有する50〜85重量%の
樹脂部と残部が以下の配合の補強材からなることを特徴
とするガスアシストインジェクション成形用樹脂組成
物。樹脂部は、芳香族ポリアミド単独、ポリフェニレン
サルファイド単独もしくはこれらの混合物をAとし、液
晶ポリマーII型の芳香族ポリエステルをBとした場合
に、A:Bの重量比率が5:1〜1:5の範囲内で混合
したものである。補強材は、ガラス繊維単独として15
〜50重量%、炭素繊維単独として10〜30重量%ま
たはこれらの混合物が50重量%以下である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7038070A JP2690867B2 (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | ガスアシストインジェクション成形用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7038070A JP2690867B2 (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | ガスアシストインジェクション成形用樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08229942A JPH08229942A (ja) | 1996-09-10 |
JP2690867B2 true JP2690867B2 (ja) | 1997-12-17 |
Family
ID=12515238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7038070A Expired - Fee Related JP2690867B2 (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | ガスアシストインジェクション成形用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2690867B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1788027B1 (de) * | 2005-11-18 | 2007-07-18 | EMS-Chemie AG | Verstärkte Polyamidformmassen |
DE502005001078D1 (de) * | 2005-11-18 | 2007-08-30 | Ems Chemie Ag | Verstärkte Polyamidformmassen |
KR20220120616A (ko) * | 2020-01-22 | 2022-08-30 | 에네오스 가부시키가이샤 | 수지 조성물 및 상기 수지 조성물로 이루어지는 수지 성형품 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02229857A (ja) * | 1988-11-15 | 1990-09-12 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 耐熱性熱可塑性樹脂組成物 |
-
1995
- 1995-02-27 JP JP7038070A patent/JP2690867B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
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JPH02229857A (ja) * | 1988-11-15 | 1990-09-12 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 耐熱性熱可塑性樹脂組成物 |
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JPH08229942A (ja) | 1996-09-10 |
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