JP2690144B2 - 膜型細胞培養装置 - Google Patents

膜型細胞培養装置

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JP2690144B2
JP2690144B2 JP1104294A JP10429489A JP2690144B2 JP 2690144 B2 JP2690144 B2 JP 2690144B2 JP 1104294 A JP1104294 A JP 1104294A JP 10429489 A JP10429489 A JP 10429489A JP 2690144 B2 JP2690144 B2 JP 2690144B2
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哲哉 峠
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哲哉 峠
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    • C12M29/00Means for introduction, extraction or recirculation of materials, e.g. pumps
    • C12M29/04Filters; Permeable or porous membranes or plates, e.g. dialysis

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は膜型細胞培養装置に関する。
〔従来の技術〕
近年、バイオテクノロジーの進歩にともない微生物や
細胞などを培養する装置が種々提案されている。
たとえば、浮游細胞を培養する装置として、回分操作
の必要な反応器を一部連続化した半回分反応器、さらに
は回分操作を連続操作に改善した連続槽型反応器などの
槽型反応器や連続操作に適した管型反応器などが提案さ
れ、利用されてきている。
前記改善は、回分操作を半連続化、連続化するという
点ではそれなりの効果があるが、いずれも浮游細胞と培
地およびその他必要とされる成分(たとえば血清、リン
ホカインなどの生理活性物質など)とを1つの系とした
装置である。
したがって、培養によりえられた細胞や有用産生物は
多量の培地などと共に存在するため、目的物の分離・精
製が容易でなく、前記細胞や有用産生物の濃度をいかに
して高めるか、また前記細胞や有用産生物の取出操作の
妨げとなる培地などをいかにして少なくするかなどが、
重要な課題となっている。
このような課題を解決するための装置として、培養槽
の内部に設けられた菌体または細胞は透過しないが培地
は透過する膜製の袋中で菌体または細胞を培養する装置
が提案されている(特開昭62−122580号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来装置を用いると袋中のものを取出すことによ
り、菌体または細胞濃度の高い液を取出すことができ、
多量の培地からこれらを分離・精製する手間が軽減され
るという効果が達成され、それなりの成果がえられる
が、供給された血清や細胞活性化物質は袋中にのみ存在
するわけではなく、袋外にも存在し、培地の交換時に排
出され、無駄に使用される。また生理活性物質などの産
生物も袋中にのみ存在するとは限らず、産生物を取出し
たいばあいには分離・精製に手間がかかるなどの問題が
ある。そのうえ袋中の培地などが必ずしも好ましい状態
に維持し難いなどの問題がある。とくに動物性細胞の培
養のばあいに重要なpHの安定、HCO3−レベルの維持(細
胞の種類にもよるが、通常26〜32meq/であることが好
ましい)などがはかりにくいという問題があり、従って
培養できる細胞の濃度にも制約があった。
本発明は上述の実状に鑑み、とくに培養される浮游細
胞や所望の産生物の濃度を高め、かつ培地の交換の手間
がかからず、良好な培地条件を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の膜型細胞培養装置は、 (a) 培地を収容する培地容器と、 (b) 前記培地容器内に収納配置され、平均ポアサイ
ズ30〜8000Åの柔軟な膜で培地と区画された細胞培養チ
ャンバーと、 (c) 流路開閉手段を備え、該流路開閉手段を介して
細胞培養チャンバーに細胞などを供給し、また回収する
ための供給・回収装置と、 (d) 流路開閉手段を備え、該流路開閉手段を介して
培地容器に培地を供給する供給装置と、 (e) 培地容器から培地を取出す取出装置と、 (f) 取出された培地を回収する回収容器と、 (g) 培地容器にガスを供給するガス供給手段とを備
えたことを特徴とする。
〔作 用〕
本発明の装置では、細胞培養チャンバーの膜が平均ポ
アサイズ30〜8000Åになっている。従って膜の平均ポア
サイズを回収する産生物の大きさ(一般に分子量の大き
さに比例する)に応じて適当に選べば、細胞や回収しよ
うとする産生物は細胞培養チャンバーの外に透過しない
ので高濃度の細胞や産生物を回収することができ、細胞
や所望の産生物の分離・精製が容易になる。また、膜の
平均ポアサイズを30〜50Å程度に選べば血清や細胞活性
化物質の使用量を少なくすることができる。
さらにまた本発明では、供給装置により培地を容器に
供給し、一定期間使用された培地を取出装置で取出せる
ので、培地を連続交換することができる。したがって、
培地の交換に手間がかからず、培地が常に一定の新鮮度
をもっているので、培地条件が良くなる。
〔実施例〕
つぎに本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の一実施例にかかわる培養装置の説明
図、第2〜3図は本発明に用いられる接続手段の説明図
である。
第1図において、(1)は培地を収容する培地容器、
(2)は平均ポアサイズ30〜8000Åの柔軟な膜(3)お
よび該膜を支持する支持部材(4)からなり、撹拌装置
(5)、細胞や血清や細胞活性化物質を供給するための
供給・回収装置(6)、エアフィルター(7)を有する
ガス抜き装置(8)を備えた細胞培養チャンバー、
(9)は2個のエアフィルター(10)を介してエアポン
プ(11)よりバブル方式でガスを供給するガス供給装
置、(12)は取出装置、(13)は培地供給装置で、最初
に培地容器(1)に培地を入れるときに使用される。供
給された培地は下部の孔(14)から培地容器中の培地に
供給される。なお、第1図の装置では培地供給装置(1
3)が細胞培地チャンバー(2)の保持手段を兼ねてい
る、(15)は供給装置、(16)は撹拌器である。
前記培地容器(1)とは、従来からの浮游細胞培養装
置におけるいわゆるカルチャーボトルにあたるものであ
り、その大きさ、形状、材質などにはとくに限定はな
く、従来からのカルチャーボトルのごとき、形状、材質
などのものであれば使用しうる。
このような容器(1)の好ましい具体例としては、た
とえば容量500〜5000ml程度の小型のもののばあい、硬
質ガラス、合成樹脂、金属などから形成された底面積50
〜300cm2程度で高さ10〜30cm程度の円筒状容器や、角柱
状容器、球状容器などがあげられる。
このような小型の装置では、通常、ガス供給装置
(9)、取出装置(12)、供給装置(15)、細胞培養チ
ャンバー(2)などの保持手段を兼ねる培地供給装置
(13)などは容器の口の部分に取付けられるため、口広
のものであるのが好ましい。これらの手段が設けられた
口の部分の残りの部分は、栓、蓋などで密封され、雑菌
などの混入が防止される。
また、容量が5程度以上の中〜大型のもののばあ
い、合成樹脂や金属などから形成された直径0.15〜2m程
度で、高さが0.3〜2m程度の円筒状容器や、角柱状容
器、球状容器などがあげられる。
このような大型の容器のばあい、ガス供給装置
(9)、取出装置(12)、供給装置(15)、ばあいによ
っては細胞培養チャンバー(2)などの保持手段を兼ね
る培地供給装置(13)などを容器の栓や蓋などに設ける
必然性がないばかりでなく、むしろこれらに取付けたば
あいには、容器の開閉が必要になったばあいなどには取
扱いづらい、重量のある装置をつり下げるのは好ましく
ない、などの理由から、通常は底面にすえつけ台を設け
てすえつけたり、側面に取付手段を設けて取付けるなど
するのが好ましい。
前記細胞培養チャンバー(2)は、平均ポアサイズ30
〜8000Åの柔軟な膜(3)および支持部材(4)からな
り、撹拌装置(5)を有し、細胞などの供給・回収装置
(6)およびガス抜き装置(8)を有する装置である。
細胞培養チャンバー(2)の大きさ、形状などにはと
くに限定はないが、培地容器(1)の容量の10〜50%程
度になるのが好ましく、チャンバーを形成する柔軟な膜
(3)と培地との接触面積が大きくなる方が好ましい。
前記細胞培養チャンバー(2)における膜(3)は、
平均ポアサイズを30〜8000Åの範囲で適当に選ぶことに
にょり、細胞および所望の産生物を効率よく回収するこ
とができる。また、平均ポアサイズを30〜50Å程度の範
囲で選べば細胞や産生物は勿論、供給された血清や生理
活性物質をも透過しないので血清や生理活性物質を節約
することができる。
前記膜を構成する材料には、とくに限定はないが、培
地を透過させる必要があるから、表面は親水性のもので
あることが必要である。それゆえ、膜を構成する材料の
好ましい具体例としては、たとえば再生セルロースなど
の親水性材料があげられる。たとえばセルローストリア
セテート、セルロースジアセテート、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスル
ホン、ポリアミドまたはポリエステルなどの親水性でな
い材料からなる膜のばあいには、たとえばエタノールに
浸漬させたり、水酸基を膜表面にグラフト重合などによ
り導入するなどの方法で膜を親水性にしうる。
前記支持部材(4)は、膜(3)が充分な強度を有さ
ず、僅かな力で変形するため、膜(3)のみでチャンバ
ーを形成したばあいにはチャンバーを支持したり、撹拌
装置(5)を設けたりするのが困難であるために使用す
る部材するである。それゆえ、適度の強度、硬さなどを
有するものであることが必要であるが、このようなもの
であるかぎり支持部材(4)の形状、大きさ、材質など
にはとくに限定はなく、膜(3)とともに形成する細胞
培養チャンバー(2)の形状などに応じて適宜選択して
使用すればよいが、膜(3)と培地とが充分接触し、チ
ャンバー内の培地交換のおこりやすいものであるのが好
ましい。
たとえば第1図に示す細胞培養チャンバー(2)にお
いてはチャンバーの上面および底面が支持部材(4)か
らなり、側面が膜(3)から形成されている。上面の支
持部材(4)は適度の強度、硬さなどを有するため、支
持手段を兼ねる培地供給装置(13)で上方から細胞培養
チャンバー(2)を支持することができ、細胞培養チャ
ンバー(2)に撹拌装置(5)、細胞などの供給・回収
装置(6)、ガス抜き装置(8)などの装置が容易に取
付けられうる。
上面の支持部材(4)は板状の部材であるのが好まし
いが、板状である必要はない。支持部材(4)が格子状
やスリット状などのように空隙を有するようなばあいに
は、この空隙部分には膜(3)をはるなどしてチャンバ
ーの内外を区切るようにする必要がある。また底面も支
持部材からなるばあいには、底面の支持部材の材質は比
重が培地より若干大きいものが好ましく、底面の支持部
材の比重が培地の比重より過大であったり、培地の比重
より軽いばあいには、上面の支持部材と底面の支持部材
とが相互に支持されるように両者を一体的に形成してお
く方が、底面が浮上したり、強度が充分でない膜(3)
に直接大きな力がかかるなどの問題がなくなるので好ま
しい。
第1図においては細胞培養チャンバー(2)を上から
支持しているが、下または横から支持してもよいことは
当然のことである。
第1図の(6)は細胞培養チャンバー(2)に浮游細
胞や血清や細胞活性化物質を供給し、増殖した細胞やそ
の産生物である生理活性物質などを回収する供給・回収
装置である。この装置(6)は上端にインジェクション
プラグ(21)、流路開閉手段としての三方活栓(22)が
設けられ、その下端が細胞培養チャンバー(2)の最下
部付近まで達している。
前記ガス供給装置(9)は培養に必要なガス、たとえ
ばO2をバブル方式により供給する装置であり、培養によ
り生ずるガス、たとえばCO2は取出装置(12)から排気
される。
ガス供給装置(9)の構造などにはとくに限定はな
く、一般に使用されているバブル方式のガス供給装置で
あれば使用しうる。また培地容器(1)内に設けられる
ガス供給装置(9)は1個でもよいが、要すれば2個以
上設けてもよい。
このようにして細胞培養を行なうと、バブル方式でガ
スが供給されるため、供給時に培地にゆれが生じ、培地
の状態の均一化、さらには細胞培養チャンバー(2)内
との培地の交換もおこりやすくなる。
本発明の装置には、第1図に示すように、撹拌装置
(5)が設けられているが、撹拌装置(5)を設けて細
胞培養チャンバー(2)内を撹拌するため、細胞培養手
段(2)内外の培地などの交換がおこりやすくなり、培
地を一定の状態に維持しやすくなる。また膜(3)など
を常にゆらし、細胞を浮游させやすくするため、細胞が
膜(3)の表面に付着するのが防止され、増殖しやすく
なる。
前記撹拌装置(5)は1秒間当り1/10〜1回転の割合
で回転し、かつ1分間当り1〜60回転の割合で回転する
装置である。撹拌は連続的に行なわれる必要はなく、前
記条件を満たす撹拌であればよく、低速で撹拌するため
細胞を傷めることなく細胞培養チャンバー(2)内の液
を均一にしうるとともに培地が膜(3)を透過しやすく
なり、細胞培養チャンバー(2)内外の液の交換がおこ
りやすくなる。
第1図には培養中の培地の状態をモニターする手段な
どは記載されていないが、随時設置しうることは当然の
ことである。
(15)は培地の供給装置で、上端にインジェクション
プラグ(23)と、流路開閉手段としての三方活栓(24)
を設えており、その下端は培地容器(1)内に入ってい
る。前記インジェクションプラグ(23)には培地供給バ
ッグ(25)がチューブ(26)を介して接続されており、
チューブ(26)には必要に応じクランプ(27)が取りつ
けられる。
なお、チューブ(26)とインジェクションプラグ(2
3)との接合は第2図のようになっている。第2図にお
いて、(31)はチューブ(26)に接続された針、(32)
はプラグ(23)を構成するゴム栓であり、針(31)をゴ
ム栓(32)に穿刺して連通される。またインジェクショ
ンプラグ(23)の代わりに第3図ににおけるような結合
手段を用いてもよい。(33)はチューブ(26)側の結合
部材であり、(34)はルアーコネクタである。結合部材
(33)をルアーコネクタ(34)に挿入して連通される。
以上のいずれの接続方法においても、接続時に汚染が
生じにくいという利点がある。
この装置により、常時新鮮な培地を一定量づつ供給し
て、培地条件を良好に保つことができる。
(12)は取出装置で、容器(1)内に挿入されたパイ
プの下端は細胞培培養時の培地の液面の高さになるよう
に位置決めされている。また外部に導出されたパイプに
は回収容器(28)が接続されている。培地容器(1)内
に供給装置(15)から培地を供給すれば、供給された培
地の量と等量の培地が取出装置(12)から取出される。
また、細胞培養チャンバー(2)の膜(3)の平均ポア
ーサイズを回収しようとする産生物を透過させる範囲に
選べば培地内にも産生物がチャンバー(2)内から流出
しているので、産生物も取出すことができる。前記膜
(3)が平均ポアーサイズ30〜50Åのものであれば産生
物はチャンバー(2)から外に流出しないので、取出装
置(12)からは培地のみ取出すことになる。
取り出された培地や産生物は、回収容器(28)内に回
収される。この回収容器(28)、取出装置(12)および
培地容器(1)は一つの系として密封をされていること
が好ましいがこの場合には、回収容器(28)にはガス抜
きのためのエアーフィルタ(29)を取りつける必要があ
る。
つぎに、本発明の細胞培養装置の使用例を第1図に示
す装置に基づいて説明する。まず最初の培地の供給は培
地供給装置(13)より行なわれる。この際、培地容器
(1)内の空気は取出装置(12)から放出しながら行な
うとスムーズに培地を供給することができる。
一方、培養する細胞、血清、リンホカインなどの細胞
活性化物質などを含む細胞浮游液が細胞などの供給装置
(6)から供給される。この際、細胞培養チャンバー
(2)内の空気を抜くためガス抜き手段(8)の開放下
で行なうと細胞などの供給をスムーズに行なうことがで
きる。
培地、細胞、血清、細胞活性化物質などの供給後、ガ
ス供給装置(9)より、たとえばCO2を5容量%程度含
有する空気がバブル方式により培地に導入され、取出装
置(12)から排気される。また撹拌装置(5)により細
胞培養チャンバー(2)内の液が1秒間当り1/10〜1回
転で、かつ1分間当り1〜60回転の割合で撹拌される。
供給されるガスの量は、培養する細胞の種類や密度な
どによっても異なり、一概には規定できないが、一般に
培地100ml当り30〜100ml/分程度の割合でガス供給が行
なわれる。
このようにして細胞培養を行なうと、バブル方式でガ
スが供給されるため、供給時に培地にゆれが生じ、培地
の状態の均一化、さらには細胞培チャンバー(2)内と
の培地の交換もおこりやすくなる。また細胞培養チャン
バー(2)内の液を撹拌するため、該チャンバー(2)
内の液が均一になるとともに膜(3)を透過しやすくな
り、細胞培養チャンバー(2)内外の液の交換がおこり
やすくなる。また、膜(3)として血清や生理活性物質
は透過しないが培地は透過する膜(平均ポアサイス30〜
50Å)を使用すれば、血清や細胞活性化物質は細胞培養
チャンバー(2)内にとどまり、これらの節約がはから
れる。さらに撹拌を1秒間当り1/10〜1回転で、かつ1
分間当り1〜60回転という低速で行なうため、細胞を傷
めることも少ない。
さらに、バッグ(25)および供給装置(15)を介して
常に新鮮な培地が供給されて、古い培地が取出装置(1
2)から取出される。したがって本発明においては、培
地が自動的に連続交換されるので、バッチ方式で人手に
より交換する手間が省ける。さらに培地が新鮮なので、
培地条件がよくなる。
本発明により培養される細胞としては、たとえばリン
パ球、骨髄細胞、マクロファージなどが、その際に使用
される細胞活性化物質としては、たとえばリンホカイン
やインターフェロンなどが、さらに培地としては、たと
えば牛胎児血清培地、無血清培地、ヒト血清培地などが
あげられる。
前記説明においては主として培養細胞をうるばあいを
念頭において説明したが、産生物をうるばあいについて
も同様であることは当然のことである。
このようにしてえられる産生物の具体例としては、た
とえばイムノグロブリンM、フィブリノーゲン、アルブ
ミン、リンホカイン、インシュリン、インターフェロ
ン、ウロキナーゼ、成長ホルモン、モノクローナル抗体
などの生理活性物質などがあげられる。
つぎに本発明を実施例に基づき説明する。
実施例1 第1図に示す装置とほぼ同様の装置を用いた。
第1図における培地容器(1)は硬質ガラス製で容量
3300ml、直径約150mm×高さ約190mmの円筒状容器、ガス
供給装置(9)はエアポンプ(11)とパイプで連通され
た孔径1mmの多数の小孔を有する筒状容器であった。そ
して培地容器(1)を外部から遮断する蓋体には、上面
および底面がいずれも直径約74mmのポリカーボネート製
の円板からなり、側面が直径約74mm、高さ約40mmの円柱
状(内容量約160ml)で、平均ポアサイズ40Åの再生セ
ルロース製の膜(側面の面積約92cm2)からなる細胞培
養チャンバー(2)を保持するための培地供給装置(1
3)や、エアフィルター(0.22μm)を有するガス抜き
装置(8)および細胞などの供給・回収装置(6)が細
胞培養チャンバー(2)にセットされた状態で取付けら
れており、さらにガス供給装置(9)、取出装置(1
2)、供給装置(15)、回収容器(28)が取付けられて
いた。
なお、細胞培養チャンバー(2)の底面は培地容器
(1)の底から約10mmうえになるようにセットされてお
り、上面の支持部材(4)には撹拌版装置(5)が取付
けられていた。
取出装置(12)から培地容器内の空気を放出しながら
培地としてRPMI−1640(味の素(株)製)1000mlを供給
したのち、細胞などの供給・回収装置(6)から細胞培
養チャンバー(2)にガス抜き装置(8)の開放下、リ
ンパ球106個/ml×1000ml、血清10ml、レンホカイン200
単位からなる細胞浮游液約110mlを供給した。そのの
ち、37℃で培養を行なった。なお、培養中、2個のエア
フィルター(0.22μm)を介してエアポンプからCO2
5容量%含有する空気を流量50mm/min、バルブ方式で供
給し、排気装置(12)から排気した。
また、1秒間当り1/2回転かつ1分間当り30回転で撹
拌した。
培養中、1日ごとに培地のpH、炭酸ガス分圧(PCO2
を測定し、7.2≦pH≦7.3、36mmHg≦PCO2≦40mmHgである
ことを確かめた。
20日間培養後、培養液には8×107個/mlの細胞が存在
していた。
〔発明の効果〕
本発明の装置により細胞を培養すると107〜108個/ml
という高密度に細胞を培養することができ、培養された
細胞や産生物の分離・精製が容易になる。また培養時に
培地を自動的、連続的に交換することができるので、培
地の交換に手間がかからず、常に良好な培地条件を維持
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例にかかわる培養の装置の説明
図、第2〜3図は本発明に用いられる接続手段の説明図
である。 (図面の主要符号) (1):培地容器 (2):細胞培養チャンバー (3):膜 (4):支持部材 (5):撹拌装置 (6):供給・回収装置 (9):ガス供給装置 (12):取出装置 (15):供給装置 (21)、(23):インジェクションプラグ (22)、(24):三方活栓 (28):回収容器

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)培地を収容する培地容器と、 (b)前記培地容器内に収納配置され、平均ポアサイズ
    30〜8000Åの柔軟な膜で培地と区画された細胞培養チャ
    ンバーと、 (c)流路開閉手段を備え該流路開閉手段を介して細胞
    培養チャンバーに細胞などを供給し、また回収するため
    の供給・回収装置と、 (d)流路開閉手段を備え、該流路開閉手段を介して培
    地容器に培地を供給する供給装置と、 (e)培地容器から培地を取出す取出装置と、 (f)取出された培地を回収する回収容器と、 (g)培地容器にガスを供給するガス供給手段とを備え
    てなる膜型細胞培養装置。
  2. 【請求項2】前記2個の流路開閉手段が三方活栓であ
    り、該三方活栓にインジェクションプラグを取りつけて
    なる請求項1記載の培養装置。
  3. 【請求項3】前記回収容器、取出装置および培地容器が
    密閉された系である請求項1または2記載の培養装置。
  4. 【請求項4】前記膜として、平均ポアサイズ30〜50Åの
    膜を用いてなる請求項1、2または3記載の培養装置。
  5. 【請求項5】前記膜が、再生セルロース製または親水化
    されたセルローストリアセテート、セルロースジアセテ
    ート、ポリプロピンレン、ポリエチレン、ポリテトラフ
    ルオロエチレン、ポリスルホン、ポリアミドもしくはポ
    リエステル製の膜からなる請求項1、2、3または4記
    載の培養装置。
JP1104294A 1989-04-24 1989-04-24 膜型細胞培養装置 Expired - Lifetime JP2690144B2 (ja)

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