JP2689486B2 - 低酸素粉末高速度工具鋼の製造方法 - Google Patents
低酸素粉末高速度工具鋼の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、低酸素粉末高速度工具鋼の製造方法に関
し、特に破断強度の高い焼結高速度工具鋼の製造方法に
関する。
し、特に破断強度の高い焼結高速度工具鋼の製造方法に
関する。
(従来の技術) 一般に高速度鋼は、添加元素が多く偏析が起りやすい
ため、通常のインゴット法による製造では均一な炭化物
粒度を得ることは困難である。これに対し、焼結法によ
る高速度鋼の製造では、高速度合金粉末を用いて偏析を
少なくし、結晶粒を微細にし、炭化物を均一かつ微細に
分布させることにより、靭性を向上し切削性の改善を図
ることが可能である。
ため、通常のインゴット法による製造では均一な炭化物
粒度を得ることは困難である。これに対し、焼結法によ
る高速度鋼の製造では、高速度合金粉末を用いて偏析を
少なくし、結晶粒を微細にし、炭化物を均一かつ微細に
分布させることにより、靭性を向上し切削性の改善を図
ることが可能である。
溶湯噴霧法により得られた合金鋼粉末から焼結高速度
鋼を製造するプロセスは、例えば高圧ガス噴霧法により
得られた鋼粉末を熱間静水圧プレス(HIP)で加圧焼結
してビレットを製造し、その後通常の溶製材の場合と同
様の加工法により前記ビレットから鍛造または押出し等
により製品を造る。
鋼を製造するプロセスは、例えば高圧ガス噴霧法により
得られた鋼粉末を熱間静水圧プレス(HIP)で加圧焼結
してビレットを製造し、その後通常の溶製材の場合と同
様の加工法により前記ビレットから鍛造または押出し等
により製品を造る。
得られた焼結高速度鋼は、通常の溶製材からなる高速
度鋼では製造困難あるいは製造不可能は成分を添加させ
ることができるため、従来の溶製材の高速度鋼に比べ高
硬度ハイスにでき、被研削性や切削性をかなり向上させ
ることができる。
度鋼では製造困難あるいは製造不可能は成分を添加させ
ることができるため、従来の溶製材の高速度鋼に比べ高
硬度ハイスにでき、被研削性や切削性をかなり向上させ
ることができる。
(発明が解決しようとする課題) しかし、従来の粉末高速度工具鋼の製造は、溶湯噴霧
法等により製造した鋼粉末を熱間静水圧プレス(HIP)
した後、得られた成形体を鍛造または押出しにより最終
製品またはこれに近い製品にしていたので、製造工程が
多段階となって複雑になり、最終製品の製造コストが高
くなるという問題がある。
法等により製造した鋼粉末を熱間静水圧プレス(HIP)
した後、得られた成形体を鍛造または押出しにより最終
製品またはこれに近い製品にしていたので、製造工程が
多段階となって複雑になり、最終製品の製造コストが高
くなるという問題がある。
また、粉末製造時の粉末中の酸素含有量が高いと、焼
結体もそのまま酸素含有量が高く、製品の抗折力が低下
するという問題がある。
結体もそのまま酸素含有量が高く、製品の抗折力が低下
するという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされ
たもので、鍛造前の高温加熱の際に脱気を行ない、焼結
と鍛造を同時に行ない、工程を減らし、作業効率よく粉
末高速度工具鋼を製造し、製造コストを安くした粉末高
速度工具鋼の製造方法を提供することを目的とする。
たもので、鍛造前の高温加熱の際に脱気を行ない、焼結
と鍛造を同時に行ない、工程を減らし、作業効率よく粉
末高速度工具鋼を製造し、製造コストを安くした粉末高
速度工具鋼の製造方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) そのために、本発明の低酸素粉末高速度工具鋼の製造
方法は、高速度鋼粉末を容器に充填し、この容器内を圧
力10-3〜10-5Torrの真空に引いて1100℃以上の高温で5
〜15時間脱気し、この容器内の高速度鋼粉末を該容器内
に入れた状態で熱間鍛造し、含有酸素濃度を25ppm以下
とした焼結体を製造することを特徴とする。
方法は、高速度鋼粉末を容器に充填し、この容器内を圧
力10-3〜10-5Torrの真空に引いて1100℃以上の高温で5
〜15時間脱気し、この容器内の高速度鋼粉末を該容器内
に入れた状態で熱間鍛造し、含有酸素濃度を25ppm以下
とした焼結体を製造することを特徴とする。
前記高速度鋼粉末は、例えばガス噴霧法、水噴霧法等
の溶湯噴霧法により製造した鋼粉末を用いるが、必ずし
もこの方法による鋼粉末でなくとも良い。鋼粉末を充填
する容器は、例えば軟鋼製の缶を用いる。
の溶湯噴霧法により製造した鋼粉末を用いるが、必ずし
もこの方法による鋼粉末でなくとも良い。鋼粉末を充填
する容器は、例えば軟鋼製の缶を用いる。
前記容器内の圧力は、10-3〜10-5Torrに設定する。真
空度が10-3Torrより悪いと、熱間鍛造後25ppm以下の酸
素濃度が得られず、機械的性質が十分に向上しない。ま
た、10-5Torrより真空度を上げることは経済的でない。
なお、真空還元時間は5〜15時間が望ましい。
空度が10-3Torrより悪いと、熱間鍛造後25ppm以下の酸
素濃度が得られず、機械的性質が十分に向上しない。ま
た、10-5Torrより真空度を上げることは経済的でない。
なお、真空還元時間は5〜15時間が望ましい。
前記熱間鍛造法は、例えば高速鍛造法を用いるとよい
が、必ずしもこれに限られるものでない。
が、必ずしもこれに限られるものでない。
(作用) 本発明の低酸素粉末高速度工具鋼の製造方法を用いる
と、真空雰囲気に近い雰囲気で焼結および熱間鍛造が行
なわれるため、鋼粉末中のCとOが反応し自己還元作用
が促進され、製品中の酸素濃度を低くすることができる
ので、焼結鍛造後の焼結体は高密度になり、工具鋼に必
要とされる高靭性、高切削性が得られる。
と、真空雰囲気に近い雰囲気で焼結および熱間鍛造が行
なわれるため、鋼粉末中のCとOが反応し自己還元作用
が促進され、製品中の酸素濃度を低くすることができる
ので、焼結鍛造後の焼結体は高密度になり、工具鋼に必
要とされる高靭性、高切削性が得られる。
(実施例) 本発明の実施例について説明する。
ガス噴霧により製造した高速度鋼粉末を軟鋼製の缶に
充填し、缶内の温度、真空度を各種変化させて10時間保
持した。
充填し、缶内の温度、真空度を各種変化させて10時間保
持した。
ここに高速度鋼粉末は、その化学組成が、 0.8%(重量%、以下同様)C、4%Cr、4.3%Mo、1%
V、残部実質的にFeのものを用いた。
V、残部実質的にFeのものを用いた。
得られた缶内の高速度鋼粉末を缶に詰めたままの状態
で高速鍛造した。鍛造時に高速度鋼粉末は焼結された。
で高速鍛造した。鍛造時に高速度鋼粉末は焼結された。
缶内から焼結体を取出し、焼結体の酸素濃度を測定し
たところ、第1図に示す結果が得られた。
たところ、第1図に示す結果が得られた。
第1図に示す結果から明らかなように、鍛造前の加熱
温度が高いほど焼結体の含有酸素濃度は低くなり、例え
ば真空度10-3Torrでは1100℃以上に加熱すると、焼結体
の含有酸素濃度は、25ppm以下になる。これに対し、比
較例として、缶内の高速度鋼粉末を還元しないで高温で
焼結鍛造すると、焼結体の含有酸素濃度は150ppmの高酸
素濃度であった。
温度が高いほど焼結体の含有酸素濃度は低くなり、例え
ば真空度10-3Torrでは1100℃以上に加熱すると、焼結体
の含有酸素濃度は、25ppm以下になる。これに対し、比
較例として、缶内の高速度鋼粉末を還元しないで高温で
焼結鍛造すると、焼結体の含有酸素濃度は150ppmの高酸
素濃度であった。
第2図は、焼結体の酸素濃度と曲げ破断強さの関係を
示している。このグラフより酸素濃度が低いほど、曲げ
破断強さが高くなることが解る。すなわち、靭性等の高
速度鋼に必要な良好な特性が得られる。
示している。このグラフより酸素濃度が低いほど、曲げ
破断強さが高くなることが解る。すなわち、靭性等の高
速度鋼に必要な良好な特性が得られる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の低酸素粉末高速度工具
鋼の製造方法によれば、容器に充填した高速度工具鋼粉
末を熱間鍛造するので、鋼粉末から簡単な工程で最終製
品に応じた形状の低酸素焼結高速度鋼が得られ、製造時
の作業性を向上し製造コストの低廉化をはかることがで
きる。
鋼の製造方法によれば、容器に充填した高速度工具鋼粉
末を熱間鍛造するので、鋼粉末から簡単な工程で最終製
品に応じた形状の低酸素焼結高速度鋼が得られ、製造時
の作業性を向上し製造コストの低廉化をはかることがで
きる。
また、本発明の製法によれば、容器に充填した高速度
工具鋼粉末を高温に加熱し真空に近い滅圧下で脱気する
ようにしたため、脱気中にCO反応を促進させて脱酸が行
なわれるので、熱間鍛造後の焼結体は、高密度でしか
も、機械的性質の良好な焼結高速度工具鋼として用いる
ことができる。
工具鋼粉末を高温に加熱し真空に近い滅圧下で脱気する
ようにしたため、脱気中にCO反応を促進させて脱酸が行
なわれるので、熱間鍛造後の焼結体は、高密度でしか
も、機械的性質の良好な焼結高速度工具鋼として用いる
ことができる。
第1図は本発明の実施例における容器内の酸素濃度と還
元条件との関係を表わすグラフ、第2図は酸素濃度と曲
げ破断強さの関係を示すグラフである。
元条件との関係を表わすグラフ、第2図は酸素濃度と曲
げ破断強さの関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】高速度鋼粉末を容器に充填し、この容器内
を圧力10-3〜10-5Torrの真空に引いて1100℃以上の高温
で5〜15時間脱気し、この容器内の高速度鋼粉末を該容
器内に入れた状態で熱間鍛造し、含有酸素濃度を25ppm
以下とした焼結体を製造することを特徴とする低酸素粉
末高速度工具鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63138111A JP2689486B2 (ja) | 1988-06-03 | 1988-06-03 | 低酸素粉末高速度工具鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63138111A JP2689486B2 (ja) | 1988-06-03 | 1988-06-03 | 低酸素粉末高速度工具鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02138403A JPH02138403A (ja) | 1990-05-28 |
JP2689486B2 true JP2689486B2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=15214211
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63138111A Expired - Lifetime JP2689486B2 (ja) | 1988-06-03 | 1988-06-03 | 低酸素粉末高速度工具鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2689486B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4975916B2 (ja) * | 2001-09-21 | 2012-07-11 | 株式会社日立製作所 | 高靭性高強度フェライト鋼とその製法 |
EP2494183B1 (en) * | 2009-10-30 | 2018-01-10 | Man Diesel & Turbo, Filial Af Man Diesel & Turbo Se, Tyskland | A nozzle for a fuel valve in a diesel engine |
US10094007B2 (en) * | 2013-10-24 | 2018-10-09 | Crs Holdings Inc. | Method of manufacturing a ferrous alloy article using powder metallurgy processing |
CN105039824B (zh) * | 2015-06-25 | 2017-09-29 | 安泰科技股份有限公司 | 金刚石圆锯片刀头及其制备方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1981003451A1 (en) * | 1980-05-30 | 1981-12-10 | Uk Nii Spezial Stalei Splavov | Method of making tool articles with steel powders |
US4609526A (en) * | 1984-05-14 | 1986-09-02 | Crucible Materials Corporation | Method for compacting alloy powder |
-
1988
- 1988-06-03 JP JP63138111A patent/JP2689486B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02138403A (ja) | 1990-05-28 |
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