JP2689310C - - Google Patents

Info

Publication number
JP2689310C
JP2689310C JP2689310C JP 2689310 C JP2689310 C JP 2689310C JP 2689310 C JP2689310 C JP 2689310C
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
plasma
secondary gas
cutting
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
Other languages
English (en)
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Publication date

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、プラズマ切断機に用いられる切断用プラズマト
ーチ及びプラズマ切断方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】・第1の従来技術(水冷トーチ) プラズマ切断機に用いられるトーチで電極とノズルが冷却水により冷却されるも
のは、トーチ本体に電極が取りつけられ、それに絶縁体及び電極の軸の周囲に旋
回させて作動ガスを噴出させるためのガス噴出口を介して、ノズルが取り付けら
れ、そのノズルのノズルオリフィスを含む先端部を除く他の部分を被覆し、ノズ
ルをトーチ本体に固定するノズ ルキャップがトーチ本体に螺着される。そして電極を冷却した冷却水は、トーチ
本体内部に形成された冷却水通路を通り、トーチ本体とノズルとノズルキャップ
により成形される空間の経由して、ノズルを冷却し、再びトーチ本体に形成され
た冷却水通路に戻る構成となっている。 【0003】・第2の従来技術(空冷ノズルにおけるノズル保護キャップ) プラズマトーチにおいてノズル先端が露出していると、切断開始時に厚板のピア
ッシング(穴開け切断)を行うとノズルに吹き上がった溶融金属(ドロス)がノ
ズルに付着しノズルを溶損したり、あるいは、ノズルと被切断材が接触するとダ
ブルアークと呼ばれる不正放電が起こりノズルを損傷することがある。そのため
空冷ノズルに於いて、ノズル先端部を保護するためにノズルとは電気的に絶縁さ
れた金属製のノズル保護キャップを取り付けるとともに、ノズルを冷却するガス
をそのままノズルとノズル保護キャップの間に流すことで、吹き上がってくる溶
融金属を吹き飛ばし、ノズルを保護する方法が米国特許第4861962号(ハ
イパー 1989年8月29日出願)に開示されている。 【0004】・第3の従来技術(溶接トーチにおけるノズル保護キャップ) 上記第2の従来技術と同様に、ノズルの周囲に、ノズルとは電気的に絶縁された
金属製のノズル保護キャップを取り付け、ノズルとノズル保護キャップの間に2
次ガスを流す構成となっているプラズマ溶接トーチが特公昭53−119753
号公報(日立精工 昭和52年3月30日出願)に開示されている。 【0005】 ・第4の従来技術(旋回気流効果による切断面の傾斜) プラズマ切断では一般的に切断溝(カーフ)の表側が広く、裏側が狭くなってい
る。そのため切断面は垂直とならず傾いている。しかし一方で、アークの安定化
のために、電極の軸の周囲に作動ガスを旋回させて噴出する構成のプラズマトー
チに於いては、その切断面が左右対象とはなら ず、非対象となることが知られている。このことを利用すると、表カーフ幅が広
く、裏カーフ幅が狭くなっている状況に於いても、作動ガスの旋回によって、片
側の切断面だけであれば、垂直な切断を行うことができることが溶接技術198
8年6月号に開示されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記各従来技術にあっては、(1)ノズルの保
護、(2)2次ガスによるプラズマアークの緊縮、(3)ノズル保護キャップの
温度上昇、(4)旋回気流効果の調整、(5)冷却水面路の電気腐食の点につい
て以下のような問題があった。 【0007】(1)ノズルの保護 プラズマ切断に於いては、切断開始時に厚板のピアッシング(穴開け切断)を行
うとノズルに吹き上がった溶融金属がノズルに付着しノズルを溶損したり、ある
いは、ノズルと被切断材が接触するとダブルアークと呼ばれる不正放電が起こり
ノズルを損傷することがある。従って、第1の従来技術にあるようにノズルが露
出しているプラズマトーチでは厚板のピアッシングを行う際には、メインアーク
が移行する最高の高さでピアッシングを行い、ピアッシング時の溶融金属(ドロ
ス)の吹き上がりを避けて、穴が貫通した後、トーチを切断に適した高さまで下
げて切断を開始するという方法が採用されている。しかし、この方法によると切
断開始時のトーチの高さ制御が複雑となることは避けられず、また、切断中ある
いは終了時に、被切断材が熱変形や支持の状態によっては、跳ね上がってくるこ
とがあり、それを避けるのは困難で、ノズルと被切断材が接触することでダブル
アークが発生し、ノズルを損傷する危険性を回避することはできない。このよう
なことを考慮して、第2の従来技術にあるように空冷されたノズルを有するトー
チに於いては、上記のピアッシング時のノズルへのドロスの付着や被切断材との
電気的な接触を防止するための、ノズル保護キャップの機構が開示されている。
しかしながら、第2の従来技術では、空冷ノズル方式のプラズマトーチに対して
適用されており、第2の従来技術にあるようなノズルを水冷するプ ラズマトーチにはトーチ先端部の形状が異なるため適用できない。また、ノズル
を空冷している冷却ガスを利用する機構となっているため、多量の冷却ガスを流
す必要があり、これを確保するためにノズル保護キャップにはトーチ軸上プラズ
マアークを通す開口部以外にこの複数の開口部が設けられている。このため、被
切断材の表面には多量の冷却ガスが噴出するため、プラズマアークへの擾乱が増
加し切断に悪影響がでる問題があった。また、第3の従来技術では、水冷のノズ
ルに対して保護キャップが適応されているが、その機能は、被切断材とノズルの
接触を防止する機能は有するものの、2次ガスで溶接部を大気から遮断するため
のもので、ノズル保護キャップの開口部が広く開いているため、切断の場合のビ
アッシング時のドロスの吹き上がりからノズルを守る機能は有していない。 【0008】 (2)2次ガスによるプラズマアークの緊縮 プラズマ切断では、アークをノズルにより細く絞り込むことで、高温高速のアー
クプラズマを得ている。小さいノズル径を有するノズルに、より多くの電流を流
すことができれば、狭い切断溝幅で高速で切断できる。しかし、電流を増大して
いくと、電流がノズルオリフィスを通過せずノズルの金属部を流れるダブルアー
クと呼ばれる現象が起こり、切断能力が低下するだけではなくノズルを損傷して
しまう。第1の従来技術では、アークを細く絞り込むために、電極の周囲に作動
ガスを強く旋回させて噴出させるとともに、ノズルを水冷することでダブルアー
クが起こりにくくしている。しかし、ノズルを噴出したプラズマアークは、ノズ
ルによる拘束が解除され膨脹するので、切断溝幅が広がってしまう問題が残って
いる。第2の従来技術では、ノズルが水冷されていないためノズルの冷却が不十
分でダブルアークが起こり易く、電流を大幅に増大することが困難である。また
、ノズル保護キャップによりプラズマアークを包囲するように供給される2次ガ
スを使って、ノズルから噴出したアークを更に絞り込むことができるが、この第
2の従来技術では、プラズマガ スを包囲する様に2次ガスを流すための中央の開口部以外に、ノズル冷却のため
にガス流量を増やすための開口部が設けられており、アークを包囲する2次ガス
だけを独立して制御することができず、そのためにプラズマアークを更に絞り込
むのに十分な2次ガスの流速あるいは圧力を得ることが困難である。 【0009】(3)ノズル保護キャップの温度上昇 第2の従来技術、あるいは第3の従来技術にあるノズル保護キャップは、2次ガ
スによる空冷しか行われないため、プラズマアークあるいは切断面からの輻射に
より温度が上がってしまう。そのため、ノズルや電極などの消耗部品の交換の際
には、アーク停止後しばらく2次ガスを流して冷却するか、あるいは、手袋をは
めて交換するかしなければならず、交換時の作業性が悪かった。 【0010】(4)旋回気流効果の調整 第4の従来技術に示したように、旋回気流効果によって切断面が傾斜することを
利用して、片側の切断面について垂直な切断面を得ることが可能である。しかし
、被切断材の板厚や切断速度に合わせて、接断面の傾斜の程度を調整しようとす
ると、旋回気流の強度つまり作動ガス流量の増減が必要となる。しかし、作動ガ
ス流量はアークを安定に保持するための最適値があり、作動ガス流量を増減する
とアークが不安定となってしまい、切断面の傾斜の程度を調整することは困難で
ある。 【0011】(5)冷却水通路の電気腐食 第1の従来技術で示したように、電極とノズルが水冷されるプラズマトーチでは
電極及びノズルは、トーチ本体のそれぞれ絶縁された金属部に当接され固定され
るとともに、それぞれの金属部には、直流電源から電力が供給されている。そし
て、冷却水は電極とノズルを冷却するように、電極側金属部とノズル側金属部を
連結する冷却水通路が設けられている。プラズマアークが発生している時には、
電極側金属部とノズル側金属部との間には電位差が発生している。この時それぞ
れの金属部は電気的に絶縁された状態でトーチ本体が構成されているが、それぞ
れの金属 部が冷却水通路で連結されており、そこに冷却水が流れているため、冷却水を介
して微弱な電流が流れる。この電流は微弱なのでアークの発生には何等支障は起
きないが、この電流によって、トーチ本体の金属部が徐々に電気化学的な作用に
よって腐食が進行し、トーチが、いずれは使用不能に陥る問題を、電極及びノズ
ルが水冷されるトーチでは抱えている。 【0012】本発明は上記従来の技術の各問題点のうち、旋回気流効果の調整に
対する問題点を解決しようとするもので、被切断材の切断面の傾斜垂直方向に変
化することができると共に、切断面の傾斜の程度を調節できるようにした切断用
プラズマトーチ及びプラズマ切断方法を提供することを目的とするものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る切断用
プラズマトーチは、プラズマアークの旋回流の外周に2次ガスを噴出させるよう
にした切断用プラズマトーチにおいて、上記プラズマアークを噴出するためのノ
ズルと、上記ノズルを冷却するための冷却流体通路と、上記プラズマアークの旋
回流の外周に2次ガスを噴出させるための2次ガス通路と、上記2次ガスを上記
プラズマアークの旋回流と同一方向に旋回させる機構とを有し、上記2次ガスの
旋回強度により切断面の傾斜の程度を調整できるようになっている。 【0014】また本発明に係る上記切断用プラズマトーチを用いたプラズマ切断
方法は、プラズマアークの旋回流の外周に2次ガスを噴出させるプラズマ切断方
法において、上記2次ガスを上記プラズマアークの旋回流と同一方向に旋回させ
て噴射させ、かつ上記2次ガスの旋回強度により切断面の傾斜の程度を調節する
ようにした。 【0015】 【作用】プラズマガスと共にノズルより噴出したプラズマアークはプラズマトー
チの先端より噴出される。このとき、プラズマアークの外周から2次ガスが噴出
されるが、このときの2次ガスは旋回機構にて整流さ れる。プラズマガスはプラズマガス流入路にて旋回流が与えられ、また2次ガス
も旋回機構にて上記プラズマガスと同一方向の旋回流が与えられることで、プラ
ズマガスをさらに旋回することできる。このため、2次ガスの旋回強度の調整に
よってプラズマアークの旋回強度を変えて切断面の傾斜の程度を調節することが
可能となる。 【0016】 【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図中1は電極、2はこの
電極1の先端に対向する位置にノズル保持部材3にて保持されて設けられたノズ
ル、4は上記ノズル1の下端部分を除き、その他の部分を被覆するノズルキャッ
プ、5はこのノズルキャップ4の外側を被覆するノズル保護キャップである。そ
して上記電極1の周囲には、この周囲からノズル2に連通するプラズマガス通路
6が設けてあり、またノズル2とノズルキャップ4との間には冷却水通路7が設
けてあり、さらに、ノズルキャップ4とノズル保護キャップ5との間にはノズル
2の先端側に開放された2次ガス通路8が設けられている。上記ノズル保護キャ
ップ5はノズルキャップ4に対して電気的に絶縁された状態となっており、また
ノズル2はノズルキャップ4の先端部でも支持されている。 【0017】上記電極1の内側には冷却水室9が設けてあり、この冷却水室9は
上記冷却水通路7に連通されている。そしてこれらの一方の冷却水室9に冷却水
流入路10が接続してあり、他方の冷却水通路7に冷却水流出路10aが接続し
てある。一方上記プラズマガス通路6にはプラズマガス流入路11が、また2次
ガス通路8には2次ガス流入路12がそれぞれ接続してある。13は上記各部材
を支持するトーチ本体で、これは電極1及びノズル2に対して絶縁されている。
そして上記ノズル保護キャップ5はこのトーチ本体13に螺着されている。 【0018】ノズルキャップ4とノズル保護キャップ5との間に構成される2次
ガス通路8はテーパ環状に形成されているが、この2次ガス通路8内に絶縁材料
にて構成され、かつスペーサをかねるインシュレータ14が、ノズルキャップ4
及びノズル保護キャップ5のそれぞれの壁面 に対して気密状にして介装してある。そしてこのインシュレータ14にはこれの
上流側と下流側とを連通する整流路となる小孔15が円周方向に複数個開口して
ある。この整流通路となる小孔15は図2(a)に示す小孔15に替えて図2(
b)に示すように、内面(あるいは外面)に溝15aにしてもよい。また本発明
の実施例では、図2(c),(d),(e)に示すように、上記整流通路となる小孔1
5及び溝15aは軸心に対してうず巻き状に設けてある。なお図2(a),(b)に
示したインシュレータ14は2次ガス通路8のテーパ環状の形状にあわせてテー
パ状に形成されているが、このように形状にかぎるものではなく、図2の(c),
(d),(e)に示すように断面矩形状にして、整流された2次ガスは軸心方向に流
れるようにしてもよい。 【0019】上記インシュレータ14は2次ガス通路8の途中、すなわち、2次
ガスの噴出口端より空間を有した位置に配置して設けられていて、このインシュ
レータ14の下流側に、このインシュレータ14から2次ガス通路8の2次ガス
の噴出口端にわたって環状のガス通路部が構成されており、インシュレータ14
から流出した2次ガスの旋回流成分がこの環状のガス通路部にて旋回方向に均一
にされるようになっている。 【0020】上記ノズル2のオリフィス16の径φ1とノズル保護キャップ5の
開口径φ2との比(φ2/φ1)は1.0〜5.0が適当であり、また好ましくは
2.0〜4.0である。ここでφ2/φ1<1.0の場合にはノズル保護キャップ
5の先端がプラズマアークの熱で変形して損傷してしまい、その上、2次ガスの
流れを乱してしまう。またφ2/φ>5.0の場合には、ドロスの吹き返りがノ
ズル2及びノズル2の下端面とノズル保護キャップ5の間のギャップ17に付着
してダブルアークが発生してしまう。また上記ギャップ17のギャップ寸法hは
0.5〜1.5mmが適当である。ここでh<0.5mmとした場合、2次ガス
の噴出する流速が速くなりすぎてアークを乱してしまう。上記インシュレータ1
4はふっ素系等の合成樹脂あるいはセラミックにて構成す る。 【0021】上記構成において、電極1からのプラズマアークは、この電極1の
周囲に設けられたプラズマガス通路6に供給されたプラズマガスと共にノズル2
及びノズル保護キャップ5の開口部を通って噴出される。このとき、ノズル2は
冷却水通路7を通る冷却水にて冷却される。また2次ガスは2次ガス通路8を通
ってギャップ17より上記プラズマの周囲を囲繞するようにして噴出されるが、
このときの2次ガスはインシュレータ14を通る間に整流される。すなわち、環
状の2次ガス通路8を通ってきた2次ガスはインシュレータ14の小孔15ある
いは溝15aにて構成される整流通路を通る間に整流される。 【0022】またこのとき、ノズル2の下端面とノズル保護キャップ5の間のギ
ャップ17のギャップ寸法hを最適値とすることにより、プラズマアークを包囲
するように噴出される2次ガスを十分な流量を十分速い流速で供給される。また
ノズル保護キャップ5の開口径φ2を最適にとることにより、ピアッシング時の
ドロスの吹き上がりからノズル2が保護される。 【0023】図3はインシュレータの変形例を示すもので、インシュレータ14
aは断面形状を矩形にした部材にて環状に構成されており、このインシュレータ
14aはノズルキャップ4aとノズル保護キャップ5aのそれぞれ対向部に形成
した段部に嵌合して取付けられている。そしてこのインシュレータ14aの外周
側に整流通路18が設けられている。 【0024】この構成によれば、ノズルキャップ4aとノズル保護キャップ5a
とはインシュレータ14aにて調心され、両部材の位置決めが容易に行なわれる
。 【0025】図4はノズル保護キャップを先端側と基端側とを別部材にした例を
示す。すなわち、ノズル保護キャップ5bはノズル本体13に螺着される基端部
19と、ノズル2側の先端部20とが別部材になっている。そしてこの先端部2
0側に上記インシュレータ14aが支持され ている。上記基端部19と先端部20との結合は、先端部20側にフランジ部2
0aを設け、このフランジ部20aに基端部19の先端側を嵌合固着するか、あ
るいはこのフランジ部20aにおいて両者を螺合固着してもよい。 【0026】プラズマトーチの使用に際してノズル保護キャップ5bの先端側が
破損するが、この実施例によれば、先端部20だけを交換でき、ノズル保護キャ
ップ全体を交換するものに対して経済的である。またノズル保護キャップ5bを
基端部19と先端部20とを分割したので、それぞれの材質を異ならせることが
でき、先端部20は熱伝導のよい材質で構成することで、高温の溶融金属が付着
したとしても、この溶融金属が短時間で冷却されて剥離しやすくなる。一方基端
部19は機械的強度に優れた材質で構成することで、トーチが被切断材と接触し
てもこれが変形しないようになる。 【0027】また図5はノズル保護キャップを冷却できるようにした実施例を示
す。すなわち、ノズル保護キャップ5cの基端部19aの内側に環状の冷却水室
21を設け、この冷却水室21に電極1の内側に設けられた電極1側の冷却水室
9に通路22にて連通してある。この構成によりノズル保護キャップ5cの基端
部は冷却水室21内の冷却水により冷却されこの部分の昇温が抑制される。 【0028】図6は上記ノズル保護キャップを冷却するための構成の他例を示す
もので、ノズル保護キャップ5dの冷却水室21aを上下方向に幅の広い環状に
構成してその容積を大きくすることにより、この部分の冷却能力が多くなってい
る。そしてこの冷却水室21aには電極1側の冷却水室9に連通する流入側の通
路22のほかに、ノズル2のまわりに設けた冷却水通路7に連通する出口側の通
路23が連通している。 【0029】また図7にて示したインシュレータ14aにおいて、これに設けた
整流通路18をトーチの中心に対してうず巻き状にすることにより、ノズル保護
キャップのギャップから噴出する2次ガス流を強制された旋回流にすることがで
きる。さらに電極1の周囲に設けられたプ ラズマガス通路6にプラズマガスを流入するための複数本のプラズマガス流入路
6aを図8に示すようにトーチの軸心に対して傾斜させて、プラズマガス通路6
に流入するプラズマガスに旋回流を与えるようにする。またこのとき、ノズル2
のオリフィス長Lはオリフィス径φ1に対してL/φ1≦2の関係にする。この
構成において、2次ガスの旋回方向とプラズマガスの旋回方向とが同一になるよ
うにする。 【0030】発明が解消しようとする課題の欄の項目(4)で述べたように、作
動ガス流量の調節により切断面の傾斜の程度を調節しようとすると、作動ガス流
量が最適範囲から外れてアークが不安定となる問題があるが、本実施例では2次
ガスをプラズマアークの旋回方向と同一方向に旋回させることにより、2次ガス
の旋回強度の調節によってプラズマアークの旋回強度を変えて切断面の傾斜の程
度を調節することが可能となる。そして図7で示す構成によるプラズマトーチに
て被切断材24を切断したときに、2次ガスの旋回流の上流側の切断壁24aが
垂直になり、他方の切断壁24bが開先状に傾斜されて切断される。このように
、例えば、2次ガスが上からみて右方向に旋回している場合、右側の切断壁24
aが垂直状になる。また、このとき、上記2次ガスは、インシュレータ14aを
出てから2次ガスの噴出口端に至る間の空間である環状のガス通路部内において
その旋回流成分が均一化される。また上記インシュレータ14aは2次ガス通路
内の段部に調心された状態で配置される。 【0031】さらに上記各実施例において、冷却水による電気化学的な腐食を低
減するためには、冷却水を介して流れる電流を減少してやらねばらないが、その
ためには、冷却水に接するトーチ本体の金属部分の面積を狭くしてやる必要があ
る。このことから図1に示すように、電極1側の冷却水室9とノズル2側の冷却
水通路10とを連通する流入路25に電気絶縁材料にて構成したチューブ26を
嵌合する。 【0032】 【発明の効果】本発明によれば、プラズマアークの旋回流の外周に2次 ガスを噴出させるようにした切断用プラズマトーチにおいて、上記プラズマアー
クを噴出するためのノズルと、上記ノズルを冷却するための冷却流体通路と、上
記プラズマアークの旋回流の外周に2次ガスを噴出させるための2次ガス通路と
、上記2次ガスを上記プラズマアークの旋回流と同一方向に旋回させる機構とを
有し、上記2次ガスの旋回強度により切断面の傾斜の程度を調整できるようにし
たことにより、被切断材の切断面の傾斜を垂直方向に変化することができ、また
2次ガスの旋回強度を変えて切断面の傾斜の程度が調節できる。 【0033】また本発明によれば、上記した切断用プラズマトーチを用いてプラ
ズマアークの旋回流の外周に2次ガスを噴出させるプラズマ切断方法において、
2次ガスを上記プラズマアークの旋回流と同一方向に旋回させて噴射させ、かつ
上記2次ガスの旋回強度により切断面の傾斜の程度を調節するようにしたことに
より、プラズマアークをさらに旋回することができる。このため、2次ガスの旋
回強度の調整によってプラズマアークの旋回強度を変えて切断面の傾斜の程度を
調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例を示す断面図である。 【図2】(a),(b),(c),(d),(e)はインシュレータのそれぞれ異なる実施
例を示す説明図である。 【図3】本発明の別の実施例を示す断面図である。 【図4】本発明の別の実施例を示す断面図である。 【図5】本発明の別の実施例を示す断面図である。 【図6】本発明の別の実施例を示す断面図である。 【図7】本発明の別の実施例を示すと共に、作用を示す断面図である。 【図8】プラズマガス流入路の構成を示す斜視図である。 【符号の説明】 1…電極 2…ノズル 3…ノズル保持部材 4…ノズルキャップ 5,5a,5b,5c,5d…ノズル保護キャップ 6…プラズマガス通路 7…冷却水通路 8…2次ガス通路 9,21…冷却水室 10…冷却水流入路 10a…冷却水流出路 11…プラズマガス流入路 12…2次ガス流入路 13…トーチ本体 14,14a…インシュレータ 15…小孔 15a…溝 16…オリフィス 17…ギャップ 18…整流通路 19,19a…基端部 20…先端部 20a…フランジ部 22,23…通路 24…被切断材 25…流入路 26…チューブ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 プラズマアークの旋回流の外周に2次ガスを噴出させるようにし
    た切断用プラズマトーチにおいて、 上記プラズマアークを噴出するためのノズルと、 上記ノズルを冷却するための冷却流体通路と、 上記プラズマアークの旋回流の外周に2次ガスを噴出させるための2次ガス通路
    と、 上記2次ガスを上記プラズマアークの旋回流と同一方向に旋回させる機構と を有し、上記2次ガスの旋回強度により切断面の傾斜の程度を調整できるように
    したことを特徴とする切断用プラズマトーチ。 【請求項2】 プラズマアークの旋回流の外周に2次ガスを噴出させるプラズマ
    切断方法において、上記2次ガスを上記プラズマアークの旋回流と同一方向に旋
    回させて噴射させ、かつ上記2次ガスの旋回強度により切断面の傾斜の程度を調
    節するようにしたことを特徴とする切断用プラズマトーチにおけるプラズマ切断
    方法。

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5393952A (en) Plasma torch for cutting use with nozzle protection cap having annular secondary GPS passage and insulator disposed in the secondary gas passage
US5756959A (en) Coolant tube for use in a liquid-cooled electrode disposed in a plasma arc torch
US5591356A (en) Plasma torch having cylindrical velocity reduction space between electrode end and nozzle orifice
EP0621815B1 (en) Nozzle and method of operation for a plasma arc torch
JP2640707B2 (ja) 切断用プラズマトーチ
US4777343A (en) Plasma arc apparatus
US8575510B2 (en) Nozzle for a liquid-cooled plasma burner, arrangement thereof with a nozzle cap, and liquid-cooled plasma burner comprising such an arrangement
KR101371979B1 (ko) 각진 쉴드 흐름 주입을 제공하는 플라즈마 아크 토치
US7754996B2 (en) Method and apparatus for alignment of components of a plasma arc torch
JP2739522B2 (ja) プラズマアークトーチ及びプラズマアークトーチを用いてプラズマアークにより工作物を突き通し、次いで切断する方法
JP3172532B2 (ja) プラズマアーク切断方法及び装置
KR100222512B1 (ko) 플라즈마 절단 방법 및 장치
US20080116179A1 (en) Method and apparatus for alignment of components of a plasma arc torch
JP2005118816A (ja) プラズマトーチ用のノズル
US6096992A (en) Low current water injection nozzle and associated method
JP2689310B2 (ja) 切断用プラズマトーチ及びプラズマ切断方法
WO1995003910A1 (en) Plasma torch
US6069339A (en) Dual flow nozzle shield for plasma-arc torch
JP2997224B2 (ja) プラズマ切断機
JP3635986B2 (ja) プラズマトーチ及びそのノズル
JPH0963790A (ja) プラズマトーチのノズル
JPH07185823A (ja) プラズマトーチ
JP2689310C (ja)
KR20060126307A (ko) 용접과 절단 작업의 상호 전환이 편리한 소형 플라즈마토치
WO1993016835A1 (en) Plasma torch for cutting