JP2689200B2 - 金属溶射皮膜の改質溶射方法及びその装置 - Google Patents

金属溶射皮膜の改質溶射方法及びその装置

Info

Publication number
JP2689200B2
JP2689200B2 JP4177570A JP17757092A JP2689200B2 JP 2689200 B2 JP2689200 B2 JP 2689200B2 JP 4177570 A JP4177570 A JP 4177570A JP 17757092 A JP17757092 A JP 17757092A JP 2689200 B2 JP2689200 B2 JP 2689200B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sprayed
cover
gas
spraying
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4177570A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0681116A (ja
Inventor
幹男 竹本
軍二 植野
Original Assignee
カンメタエンジニアリング株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カンメタエンジニアリング株式会社 filed Critical カンメタエンジニアリング株式会社
Priority to JP4177570A priority Critical patent/JP2689200B2/ja
Publication of JPH0681116A publication Critical patent/JPH0681116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2689200B2 publication Critical patent/JP2689200B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、金属溶射皮膜の改質
溶射方法及びその装置に関し、詳しくは、手持ち式のア
ーク溶線式溶射機又はガス溶線式溶射機により溶射皮膜
を形成する金属溶射皮膜の改質溶射方法及びその装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アーク溶線式溶射機又はガス溶線
式溶射機の金属溶射により、金属表面に皮膜を形成する
に際して、例えば図14に示すような装置が用いられ
た。これは、一般的なアーク溶線式溶射設備を示してい
る。この図14において、800はエアーコンプレッサ
ー、801は冷却水の収容部、802はエアーレシーバ
ー、803はエアー除湿機、804はエアークリーナ
ー、805はエアー調整器、806はアーク溶射制御ト
ランス、807はエアー流量計、808は溶射材料ワイ
ヤーコントロール装置、809はアーク溶射機、810
は被溶射体を示している。このアーク溶射機809は、
図15へ示すように、先端にエアーキャップ811が螺
着している。そして、エアーコンプレッサー800によ
って送られてくる高速圧縮空気814を噴射口815よ
り噴射し、通電ワイヤー材812から電気アーク813
を飛ばすのである。
【0003】又図16に示すものは、一般的なガス溶線
式溶射設備である。この図16において、900はエア
ーコンプレッサー、901は冷却水の収容部、902は
エアーレシーバー、903はエアー除湿機、904はエ
アークリーナー、905はエアー調整器、906はアセ
チレン又はプロパンのボンベ、907は酸素又は水素の
ボンベ、908ばガス流量計、909はエアー流量計、
910は溶射材料ワイヤーコントロール装置、911は
ガス溶射機、912は被溶射体を示している。このガス
溶射機911は、図17へ示すように、ノズル914先
端にエアーキャップ915が装着されている。そして、
この装置において、熱源としてガス燃焼炎、電気、アー
ク炎、プラズマアーク炎が用いられる。916は、圧縮
空気又は不活性ガスを示している。又917は溶射材料
(粉末線)を、918は空気流を、919は燃焼ガスを
夫々示している。このようなガス溶射機911におい
て、溶射しつつある材料先端920から、微細化された
金属粒子921が飛ばされ、被溶射体912である前処
理された母材922表面に溶射金属層923を形成する
のである。
【0004】このような上記アーク溶線式溶射機及びガ
ス溶線式溶射機の何れにあっても、被溶射体の表面に対
し溶射するに際して、被溶射体から適当な距離(ガス溶
線式の場合は10〜25cm前後)をおいて、溶射機か
ら皮膜形成を行おうとする金属の溶射を行っていたので
ある。特にこの図16へ示す溶射機は、手持ちで、溶射
を行うものであるため、可搬性に優れ、現場での補修に
用いることができ便利である。
【0005】一方、このような従来の溶射装置では、溶
射皮膜の多孔性を改善して無気孔の皮膜を形成すること
ができなかった。更に皮膜形成後に適当な後処理(熱拡
散、加熱溶融、加熱封孔含浸、又は封孔剤の真空加熱含
浸、有機又は無機質の封孔剤塗布又は浸漬当の何れか
の)工程を必要とした。特に溶射皮膜のまま耐食や環境
遮断を必要とする場合は全て上記の後処理を必要とした
のであった。
【0006】具体的に説明すると、アーク溶線式溶射機
によって、例えば母材にチタン溶射皮膜を形成した場
合、図18に示すように母材b(SUS304)の表面
の皮膜aには多くの孔cが存在するのである(この図1
8は、倍率100倍の断面写真を濃墨によりトレースし
たものである)。
【0007】又ガス溶線式溶射機によって、例えば通常
のエアー方式によるタンタル溶射皮膜を母材に形成した
場合を例に採ると、図19に示すように、この場合も又
母材b(SUS304)の表面の皮膜aには多くの孔c
が存在するのである(この図19は、倍率100倍の断
面写真を濃墨によりトレースしたものである)。
【0008】このように溶射皮膜に生じた多くの孔を、
封孔等の溶射後の適当な処理によって塞ぐのは面倒であ
る。一方、溶射による酸化皮膜の形成を改善すべく、特
開昭64−25964号公報及び特開昭48−1003
32号公報に見られる提案がなされている。
【0009】この特開昭64−25964号公報に掲げ
られた発明は、基材の表面に気体噴射用ノズルを向け、
前記ノズルの前方に、1対の金属ワイヤを連続的に供給
し、前記1対の金属ワイヤの先端部間にアークを発生さ
せ、前記アークの熱によって前記1対の金属ワイヤの先
端部を溶融させ、前記ノズルから気体を前記溶融金属に
向けて噴射して前記溶融金属を飛散させ、画して飛散し
た溶融金属粒子を、前記基材の表面に付着させることか
らなるアーク溶射方法において、溶射雰囲気を不活性ガ
ス雰囲気に保ち、前記ノズルから不活性ガスを前記溶融
金属に向けて噴射することを特徴とするアーク溶射方法
なるものである。そして、この特開昭64−25964
号公報には、上記不活性ガス雰囲気を保つためにカバー
を用いることが掲げられている。
【0010】又、上記特開昭48−100332号公報
に掲げられた発明は、金属溶射法による溶射被膜鋼材の
製造法において、溶射域を包むように不活性ガスを吹き
出させることによって不活性ガスカーテンを作成せしめ
るか、又はカバーを設けてその内部で不活性ガスを吹き
込みながら周囲の空気雰囲気を遮断して、その内部で同
様の不活性ガスを使用して溶融金属を溶射することを特
徴とする溶射皮膜鋼材の製造方法なるものである。これ
にも、外気を遮断して皮膜中の酸化物の発生を低下させ
方法の一つとして、カバーを用いるものが掲げられてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このようなカバーの形
成によって、空孔の発生も低減することが期待されるも
のであった。しかし、上記両公報の何れにも、そのカバ
ー内の、雰囲気を排出するための手段は何ら掲げられて
おらず、カバー内の気体を排出するためには、カバー先
端を、被溶射面から離して、カバー内部の気体を排出す
る必要があった。このため、上述のような手持ち式の溶
射機では、常に一定の間隔で溶射を行うことができず、
ムラの生じ易いものとなっていた。
【0012】本願発明は、上記課題の解決を目的とし、
溶射の機動性の良さと、空孔がなく厚みにムラのない溶
射皮膜の形成の両立を図るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本願第1の発明
に係る金属溶射皮膜の改質溶射方法は、アーク溶線式溶
射機又はガス溶線式溶射機による金属溶射に際し、噴射
のためのガスとして不活性ガスを使用し、噴射口から被
溶射面に至る噴射物の飛散経路の周囲を、適当なカバー
9によって囲うことを特徴とし、下記の構成を採るもの
である。即ち、上記カバー9の先端周縁に切欠部を形成
して、カバー9先端を被溶射面に当接させて溶射を行
い、このとき、切欠部よりカバー9内部の排気を行うこ
とを特徴とする。
【0014】又本願第2の発明に係る金属溶射皮膜の改
質溶射方法は、アーク溶線式溶射機又はガス溶線式溶射
機による金属溶射に際し、噴射のためのガスとして不活
性ガスを使用し、噴射口から被溶射面に至る噴射物の飛
散経路の周囲を、適当なカバー9によって囲うものにつ
いて下記の構成を採るものである。即ち、上記カバー9
の先端に突起95を形成し、この突起95先端を被溶射
面に当接させて溶射を行い、このとき、突起95と被溶
射面との間の隙間よりカバー9内部の排気を行うことを
特徴とする。
【0015】そして本願第3の発明に係る金属溶射皮膜
の改質溶射装置は、アーク溶線式溶射機又はガス溶線式
溶射機と、カバー9とを備えてなり、上記溶射機は、噴
射口より不活性ガスを用いて溶射金属を噴射するもので
あり、上記カバー9は、上記溶射機の噴射口に設けら
れ、上記噴射口から被溶射面に至る噴射物の飛散経路の
周囲を囲うものについて下記の構成を採るものである。
即ち、上記カバー9は、その先端周縁に切欠部として形
成された適宜数の排気部94が設けられたものである。
【0016】又本願第4の発明に係る金属溶射皮膜の改
質溶射装置は、アーク溶線式溶射機又はガス溶線式溶射
機と、カバー9とを備えてなり、上記溶射機は、噴射口
より不活性ガスを用いて溶射金属を噴射するものであ
り、上記カバー9は、上記溶射機の噴射口に設けられ、
上記噴射口から被溶射面に至る噴射物の飛散経路の周囲
を囲うものについて下記の構成を採るものである。即
ち、上記カバー9は、その先端に突起95が設けられ、
突起95先端を被溶射面へ当接させた際、カバー9と被
溶射面との間に排気用の隙間が確保されるものである。
【0017】
【作用】上述の通り、本願第1の発明に係る金属溶射皮
膜の改質溶射方法にあっては、カバー9の先端の突起9
5先端を被溶射面に当接させた状態にて溶射を行い、切
欠部よりカバー内部の排気を行うものである。このよう
にカバー9の先端を被溶射面へ当接させて溶射を行うこ
とにより、被溶射面へ対し常に一定の距離を以て溶射を
行うこととなり、厚みにムラのない皮膜を得ることがで
きる。
【0018】上述の通り、本願第2の発明に係る金属溶
射皮膜の改質溶射方法にあっては、カバー9の先端の突
起95先端を被溶射面に当接させた状態にて溶射を行
い、突起95と被溶射面との間の隙間よりカバー9内部
の排気を行うものである。このようにカバー9(突起9
5)の先端を被溶射面へ当接させて溶射を行うことによ
り、被溶射面へ対し常に一定の距離を以て溶射を行うこ
ととなり、厚みにムラのない皮膜を得ることができる。
【0019】又上述の通り、本願第3の発明に係る金属
溶射皮膜の改質溶射装置にあっては、上記カバー9の先
端周縁に切欠部を形成することにより、排気部94が備
えられたものであるため、カバー9の先端を被溶射面へ
当接させても、この排気部94より、カバー9内部の排
気を行うことができる。このため、カバー9の先端を被
溶射面へ当接させた溶射が可能となり、被溶射面へ対し
常に一定の距離で、溶射を行うことができる。
【0020】更に、本願第4の発明に係る金属溶射皮膜
の改質溶射装置にあっては、上記カバー9の先端に突起
95が設けられたものであるため、カバー9の先端を被
溶射面へ当接させても、この突起95と被溶射面との間
に生じる隙間から、カバー9内部の排気を行うことがで
きる。このため、カバー9(突起95)の先端を被溶射
面へ当接させた溶射が可能となり、被溶射面へ対し常に
一定の距離で、溶射を行うことができる。
【0021】
【実施例】以下、図面を基に本願発明の実施例を具体的
に説咀する。図1へ本願発明の一実施例を掲げる。この
図1に示すものは、アーク溶線式溶射機において本願発
明を実施したものである。先ず、1次ガス101とし
て、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)又は窒素(N
)等の不活性ガスを収容した第1ガスボンベ1と、同
じく2次ガス102として、アルゴン(Ar)、ヘリウ
ム(He)又は窒素(N)等の不活性ガスを収容した
第2ガスボンベ2とを用意する。11は第1ガスボンベ
1のガス圧力調整器を示しており、21は第2ガスボン
ベ2のガス圧力調整器を示している。
【0022】上記第1ガスボンベ1は、管13と、この
管13に続く管14によってアーク溶射機3に接続され
ている。管13と管14との間には、ガス流量計15が
介されている。同じく上記第1ガスボンベ2は、管23
と、この管23に続く管24によってアーク溶射機3に
接続されている。管23と管24との間には、ガス流量
計25が介されている。
【0023】上記溶射機3は、図1に示すワイヤーコン
トロール装置のドラム4、ドラム5より、溶射材料6,
7が供給される。8はアーク制御トランスを示してい
る。
【0024】図1へ示すように溶射機3は、作業を行う
ものが、手に持ち、被溶射体100へ向かって溶射する
ことが可能な形状、寸法のものである。このように溶射
機3は、携帯用のものを採用することが、機動性の面で
有利であり、現地での溶射を可能とするものである。そ
してこの溶射機3は、被溶射体100に対向する先端に
後述するカバー9が設けられる。
【0025】管14は、既述の通り、溶射機3へ接続さ
れ、図2へ示す溶射機3の1次ガスの噴出路12へ連絡
するものである。管24は、溶射機3へ接続され、図2
へ示す溶射機3(この図2に示す実施例においては、後
述するカバー9)の導入路22へ連絡するものである。
【0026】図2に示す31は、通電ワイヤー(通電ア
ーク)を示している。この図2は、溶射機3の先端付近
及び、後述するカバー9の断面を示しているのである
が、図面の煩雑化を避けるため、ハッチングは省略して
ある。溶射機3の先端周囲は、螺刻部32が形成されて
おり、ここに円筒形のカバー9後端が螺合する。詳述す
ると、カバー9の後端の内周面に螺刻部90が形成され
ており、この螺刻部90と上記溶射機3の螺刻部32が
螺合するのである。
【0027】上記カバー9は、円筒形の部材であり、少
なくとも溶射機3の通電ワイヤー31先端から被溶射体
100に至る空間を覆うものである。このとき、溶射状
況が外部から観察可能なように、少なくともカバー9に
おいて溶射金属の飛散経路付近は、透明なプラスチック
等の素材によって形成しておくのが効果的である。内部
の観察が不必要であれば、カバー9はアルミ等の他の素
材によって形成して実施することも可能である。
【0028】又このカバー9は、溶射機3先端に一体に
形成されたものであっても実施可能であるが、上述のよ
うに取り外し可能な構成を採ることによって、溶射機3
を従来の溶射にも使用することが可能であり、使用用途
の拡大という点で効果的である。
【0029】更にこの図2へ示すカバー9は、後端内部
に隔壁93が形成されている。この隔壁93の中央に
は、噴出口91が形成されており、この噴出口91を取
り囲んで、適宜数の導入口92が形成されている。
【0030】そしてカバー9の先端周縁には、適宜数の
排気部94が形成されている。この排気部94は、適当
な形状の切欠部として刻設されたものである。図2にお
いて、この排気部94は長円或いは真円を半分にした形
状のものを示したが、このような形状のものに限定する
ものではなく、この他矩形等の多角形やその他の曲線図
形の切欠部として形成されたものであってもよい。又こ
の図2に示した実施例と異なり、図3へ示すように、カ
バー9の先端周縁に適当な突起95を形成して、この突
起95の高さ分カバー9先端と被溶射体100との間に
間隙をかせぎ、この間隙に排出部94の役目を荷なわせ
ることも可能である。上記排出部94等の形成は、図3
へ示す通り、被溶射体100に対してカバー9先端を接
触させることを前提としてなすものである。
【0031】上述のように構成されたアーク溶線式溶射
機において、噴出路12から送られてくる既述の1次ガ
ス101(1次高速不活性ガス)は、噴出口91を通じ
て、放出され、アークを飛ばすのである。105はこの
とき飛散する溶射金属を示している。この際、溶射金属
105の被溶射体100に至までの飛散経路の周囲は、
カバー9に囲われる。即ちカバー9は、チャンバーをな
しているのである。このようにカバー9がチャンバーと
して、溶射金属105の飛散経路周囲を囲うことによ
り、飛散中の溶射金属105に孔の原因となる空気が混
入しない。又1次ガス101の噴射圧は、必要に応じ適
宜選択すればよい。通常約60ポンドが適当である。
【0032】又このとき、溶射と同時に既述の2次ガス
102は、導入路22から導入口92を通じて、カバー
9内部へ導入され、カバー9内の圧を更に高め、外気が
カバー9内へ侵入するのをより完全に防ぐものである。
このようにして、溶射金属105は、被溶射体100の
母材表面103へ皮膜104を形成するのである。そし
て、1次ガス101及び2次ガス102等の、カバー内
に充満し不活性雰囲気を形成しているガスは、既述の排
気部94を通じて外部へ排出される。
【0033】カバー9の長さ及び径は、噴射圧等の各要
素に応じて適宜変更可能である。更にカバー9の形状
は、上記の円筒形のものに限定するものではない。これ
は、1次ガス101の噴出口91の形状に対応して選択
すればよい。詳述すると1次ガス101の噴出口91の
形状が円形である場合、溶射金属105の飛散空間の形
状が円錐状となるため、カバー9の形状は円筒形或いは
円錐(円錐台)形が好ましいのである。従って、上記噴
出口91の形状が多角形の場合、カバー9の形状は対応
する(中空の)多角柱形或いは多角錐(多角錐台)形が
好ましい。又上記噴出口91が他の形状を採るのであれ
ば、カバー9はこの形状に対応する断面形状を持つもの
を採用すればよいのである。例えば、噴出口91の形状
が十字型である場合、カバー9の断面形状(正確にはカ
バー9内周の断面形状)も、十字型にすればよく、噴出
口91の形状が楕円或いは長円の場合、カバー9の断面
形状(正確にはカバー9内周の断面形状)も楕円或いは
長円にすればよいのである。勿論噴出口91の大きさに
ついては、多少の大小の違いがあっても問題なく、又上
記整合は厳密なものではなく、形状の違いがあっても問
題はない。通常溶射器3の噴射口92には、口を形成す
るキャップ(図示しない)が嵌められ、このキャップを
交換することによって噴射口92の口の形状が選択可能
となっている。
【0034】次にガス溶線式溶射機において、本願発明
を実施した例を、図4に示す。先ずアーク溶線式溶射機
同様、1次ガス101として、アルゴン(Ar)、ヘリ
ウム(He)又は窒素(N)等の不活性ガスを収容し
た第1ガスボンベ1と、同じく2次ガス102として、
アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)又は窒素(N
等の不活性ガスを収容した第2ガスボンベ2とを用意す
る。11は第1ガスボンベ1のガス圧力調整器を示して
おり、21は第2ガスボンベ2のガス圧力調整器を示し
ている。
【0035】上記第1ガスボンベ1は、管13と、この
管13に続く管14によってガス溶射機300に接続さ
れている。管13と管14との間には、ガス流量計15
が介されている。同じく上記第1ガスボンベ2は、管2
3と、この管23に続く管24によってガス溶射機30
0に接続されている。管23と管24との間には、ガス
流量計25が介されている。
【0036】図4の201はアセチレン、プロパンガス
ボンベを示しており、202は酸素、水素ガスボンベを
示している。203はアセチレン又はプロパンガス圧力
調整器を示し、204は酸素又は水素圧力調整器を示し
ている。そして205は、アセチレン・酸素(又はプロ
パンガスボンベ・水素)流量計を示している。
【0037】そして、ガス渚射機300は、ワイヤーコ
ントロール装置206溶射材料207が供給される。こ
のガス熔射機300は、図5へ示すように、ノズル20
8先端にエアーキャップ209が装着されている。そし
て、この装置において、熱源としてガス燃焼炎、電気、
アーク炎、プラズマアーク炎が用いられる。207は上
述の溶射材料(粉末線)を、210は燃焼ガスを夫々示
している。このようなガス溶射機300において、溶射
しつつある材料先端211から、微細化された金属粒子
(溶射金属105)が飛ばされ、被溶射体100である
前処理された母材103表面に溶射金属層(皮膜10
4)を形成するのである。
【0038】管14は、既述の通り、溶射機300へ接
続され、図5へ示す溶射機3の1次ガスの噴出路12へ
連絡するものである。管24は、溶射機300へ接続さ
れ、図5へ示す溶射機300(この図5に示す実施例に
おいては、カバー9)の導入路22へ連絡するものであ
る。
【0039】この図5は、溶射機300の先端付近及
び、後述するカバー9の断面を示しているのであるが、
図面の煩雑化を避けるため、ハッチングは省略してあ
る。図4へ示すように溶射機300は、図1に示すアー
ク溶射機3と同様作業を行うものが、手に持ち、被溶射
体100へ向かって溶射することが可能な形状、寸法の
ものである。このようにガス溶射機300も、携帯用の
ものを採用することが、機動性の面で有利であり、現地
での溶射を可能とするものである。
【0040】そしてこの溶射機300は、図1に示すア
ーク溶射機3と同様被溶射体100に対向する先端に後
述するカバー9が設けられる。
【0041】図2の実施例で説明したものと同様カバー
9は、円筒形の部材であり、少なくとも溶射機300の
溶融しつつある材料先端211から被溶射体100に至
る空間を覆うものである。このとき、溶射状況が外部か
ら観察可能なように、少なくともカバー9において溶射
金属の飛散経路付近は、透明なプラスチック等の素材に
よって形成しておくのが効果的である。内部の観察が不
必要であれば、カバー9はアルミ等の他の素材によって
形成して実施することも可能である。
【0042】又このカバー9は、溶射機300先端に一
体に形成されたものであっても実施可能であるが、図2
のもの同様取り外し可能な構成を採ることによって、溶
射機3を従来の溶射にも使用することが可能であり、使
用用途の拡大という点で効果的である。
【0043】図5へ示すカバー9も、後端内部に隔壁9
3が形成されている。この隔壁93の中央には、噴出口
91が形成されており、この噴出口91を取り囲んで、
適宜数の導入口92が形成されている。
【0044】カバー9の先端周縁には、適宜数の排気部
94が形成されている。この排気部94は、適当な形状
の切欠部として刻設されたものである。図5において、
この排気部94は図2の実施例のものと同様の長円或い
は真円を半分にした形状のものを示したが、このような
形状のものに限定するものではなく、この他矩形等の多
角形やその他の血線図形の切欠部として形成されたもの
であってもよい。又この場合も先に説明した図3へ示す
ように、カバー9の先端周縁に適当な突起95を形成し
て、この突起95の高さ分カバー9先端と被溶射体10
0との間に間隙をかせぎ、この間隙に排出部94の役目
を荷なわせるものとしても実施可能であ。この排出部9
4等の形成は、図5へ示す通り、被溶射体100に対し
てカバー9先端を接触させることを前提としてなすもの
である。
【0045】上述のように構成されたアーク溶線式溶射
機において、噴出路12から送られてくる既述の1次ガ
ス101(1次高速不活性ガス)は、噴出口91を通じ
て、放出され、溶融しつつある材料先端211を飛ばす
のである。105はこのとき飛散する溶射金属を示して
いる。この際、溶射金属105の被溶射体100に至ま
での飛散経路の周囲は、上記カバー9に囲われる。即ち
カバー9は、チャンバーをなしているのである。このよ
うにカバー9がチャンバーとして、溶射金属105の飛
散経路周囲を囲うことにより、飛散中の溶射金属105
に孔の原因となる空気が混入しない。又このとき、溶射
と同時に既述の2次ガス102は、導入路22から導入
口92を通じて、カバー9内部へ導入され、カバー9内
の圧を更に高め、外気がカバー9内へ侵入するのをより
完全に防ぐものである。
【0046】このようにして、溶射金属105は、被溶
射体100の母材表面103へ皮膜104を形成するの
である。そして、1次ガス101及び2次ガス102等
の、カバー内に充満し不活性雰囲気を形成しているガス
は、既述の排気部94を通じて外部へ排出される。この
実施例においても、カバー9の長さ及び径は、噴射圧等
の各要素に応じて適宜変更可能であり、カバー9の形状
は、上記の円筒形のものに限定するものではない。即ち
図2のものの説明において述べた他の形状を採用するこ
とが可能である。
【0047】上記各実施例では、アーク溶線式溶射機及
びガス溶線式溶射機の何れの溶射装置による場合も2次
ガス102をカバー9内へ導入するものとして説明した
が、この2次ガス102を用いずに、溶射しても、従来
のアーク溶線式溶射及びガス溶線式溶射に比して格段に
皮膜の孔が低減する。即ちこの場合第2ガスボンベ2や
管23,24、カバー9の導入路22及び導入口92等
の構成を設けずに実施してもよいのである。
【0048】上述した通り、噴射のための1次ガスとし
て不活性ガスを使用し、噴射口から被溶射面に至る噴射
物の飛散経路の周囲を、カバー9によって囲うことによ
り、噴射がカバー9内部の圧力を外圧より高くすること
になり、外部から噴射物に空気が混入することが抑えら
る。更に、噴射のための1次ガスとは別に不活性ガスで
ある2次ガスをカバー9の内側に導入するものであるた
め、カバー9内部の圧力をカバー9外部の圧力より更に
高くすることが可能であり、外部からカバー9内への空
気の混入をほぼ完全に抑えることが可能である。このた
め、耐食性、耐薬品性或いは耐候性等各種用途の皮膜に
おいて、孔(ピンホール)の発生を低減することが可能
である。又、皮膜に適度な柔らかさを必要とする場合、
従来の溶射では、空気中の窒素により、窒化皮膜が形成
され硬化してしまうと問題があったが、本願発明を利用
することにより、外気を絶ち空気の混入が生じないた
め、窒化皮膜を生じさせず、所望する柔らかさを持った
金属皮膜の形成が可能である。更に、従来必要とした皮
膜の後処理工程を排除或いは簡略化することが可能とな
り、労力、コスト及び工程時間の低減に多大な功を奏す
る。特にニオブ、チタン、タンタル等の高級材料の溶射
においても、高価な真空チャンバーを用いる必要もな
く、又プラズマ等の高電力を必要とする方法を採用ぜず
とも、ノンピンホールの溶射皮膜を得ることが可能とな
り、コストの低減に極めて効果的である。又、カバー9
を溶射器の噴射口付近に取り外し自在に取付け可能なる
ものとしたことにより、従来より在るアーク溶線式溶射
機、ガス溶線式溶射機或いはその他の溶射機をそのまま
利用して、本願発明を実施することが可能である。これ
は、現地補修等の作業が可能な可搬性を有する装置にお
いて特に効果的である。
【0049】次に上述してきた装置によって得られた溶
射皮膜について説明する。先ずアーク溶射において得ら
れた皮膜について、図6、図7及び図8を用いて順に説
明する(各図は、倍率100倍の断面写真を濃墨により
トレースしたものである)。
【0050】図6に示すものは、チタン(Ti)を溶射
して母材103(SUS304)へ皮膜104を形成し
たものである。この皮膜104は、1次ガス101とし
て、窒素ガスのみ使用して得たチタン溶射皮膜層であ
る。図18に示したものに比して、孔cは、顕著に低減
している。
【0051】図7に示すものは、同じくチタン(Ti)
を溶射して母材103(SUS304)へ皮膜104を
形成したものである。この皮膜104は、1次ガス10
1として、アルゴンガスのみ使用して得たチタン溶射皮
膜層である。図18に示したものに比して、孔cは、顕
著に低減している。
【0052】図8に示すものは、同じくチタン(Ti)
を溶射して母材103(SUS304)へ皮膜104を
形成したものである。この皮膜104は、1次ガス10
1として、アルゴンガスを使用し、2次ガス102とし
て同じくアルゴンガスを使用して得たチタン溶射皮膜層
である。図18に示したものに比して、孔cは、格段に
低減し、殆ど皆無といってよい状態である。
【0053】次に既述の装置によるガス溶射にて得られ
た皮膜について、図9、図10及び図11を用いて順に
説明する(各図は、倍率100倍の断面写真を濃墨によ
りトレースしたものである)。
【0054】図9に示すものは、タンタル(Ta)を溶
射して母材103(SUS304)へ皮膜104を形成
したものである。この皮膜104は、1次ガス101と
して、窒素ガスのみ使用して得たタンタル溶射皮膜層で
ある。図19に示したものに比して、孔cは、顕著に低
減している。
【0055】図10に示すものは、同じくタンタル(T
a)を溶射して母材103(SUS304)へ皮膜10
4を形成したものである。この皮膜104は、1次ガス
101として、アルゴンガスのみ使用して得たタンタル
溶射皮膜層である。図19に示したものに比して、孔c
は、顕著に低減している。
【0056】図11に示すものは、同じくタンタル(T
a)を溶射して母材103(SUS304)へ皮膜10
4を形成したものである。この皮膜104は、1次ガス
101として、アルゴンガスを使用し、2次ガス102
として同じくアルゴンガスを使用して得たタンタル溶射
皮膜層である。図19に示したものに比して、孔cは、
格段に低減し、殆ど皆無といってよい状態である。
【0057】最後に2次ガス102を用いずに実施した
場合の評価について述べる。この場合も総じて、フェロ
キシル試験にて気孔は発生しなかったが、断面を観察す
ると、斑点状にボイド(空孔)が若干発生した(図1
2、図13参照。尚図12は倍率50倍の断面写真を、
図13は倍率100倍の断面写真を、夫々濃墨によりト
レースしたものである。双方共に2次ガス102を使用
せず、母材103(SUS304)へ既述のアーク溶射
方法を使用してチタンを溶射し、皮膜104を形成した
ものである)。しかし、皮膜の硬さ等も2次ガス102
を用いた場合とほぼ同じである。従って、不活性の1次
ガス101と、カバー9の使用により、耐食皮膜等の皮
膜を形成した場合も、その耐食性の効果には、2次ガス
102を用いたものと比して、遜色はない。しかし、使
用温度条件により、上記空孔(空洞)内に密閉された気
体の膨張の可能性を考慮すると最も望ましくは、2次ガ
ス102を用いて実施することである。又上記図6〜図
13に示すものは、母材103として、SUS304が
用いられているが、これは、試験データを採るために便
宜上採用したものであり、実施に際し、当然このSUS
304以外の対象に対しても溶射を行い、本願発明の効
果を享受することができる。表1に、各条件下にてアー
ク溶線式溶射法によるチタンの溶射を行い、得られた皮
膜の比較評価を掲げておく。
【0058】
【表1】
【0059】上記表1のサンプル1は、従来の圧縮空気
を里いてアーク溶線式溶射を行って得られたものであ
る。又上記表1のサンプル2は、従来のアーク溶線式溶
射において、アルゴンを用いて得られたものである。そ
して上記表1のサンプル3は、従来のアーク溶線式溶射
において、窒素を用いて得られたものである。更に上記
表1のサンプル4は、既述のアーク溶線式溶射におい
て、1次ガス101に窒素を用い、2次ガス102を用
いずに得られたものである。又上記表1のサンプル5
は、既述のアーク溶線式溶射において、1次ガス101
にアルゴンを用い、2次ガス102を用いずに得られた
ものである。更に又上記表1のサンプル6は、既述のア
ーク溶線式溶射において、1次ガス101にアルゴンを
用い、2次ガス102に同じくアルゴンを用いて得られ
たものである。
【0060】
【発明の効果】上述のような構成を援る本願第1の発明
にあっては、噴射のためのガスとして不活性ガスを使用
し、噴射口から被溶射面に至る噴射物の飛散経路の周囲
を適当なカバーによって囲うものであるため、噴射のガ
スはもとより、外部から噴射物に、孔発生要因である空
気が混入することが抑えられるため、溶射皮膜に生ずる
孔が低減される。特に、この際に、カバーの先端を被溶
射面に当接させた状態にて溶射を行い、厚みにムラのな
い皮膜を得ることができる。このような溶射の方法は、
可搬性を有する手持ち式の装置を用いる場合に、極めて
有効であり、可搬性のために犠牲になりがちな、被膜の
膜厚の精度を維持するものである。
【0061】本願第2の発明も、上記第1の発明と同様
の目的を達する。即ち、空孔の低減を図ると共に、その
際特に、カバーの先端を被溶射面に当接させた状態にて
溶射を行い、厚みにムラのない皮膜を得ることができ
る。又、これにて、手持ち式の溶射装置を用いて実施す
る場合にも、被膜の膜厚の精度を維持することができる
のである。
【0062】そして本願第3の発明は、アーク溶線式溶
射機又はガス溶線式溶射機の噴射口にカバーを設け、噴
射口より不活性ガスを用いて溶射金属を噴射することに
よって、噴射口から被溶射面に至る噴射物の飛散経路途
中で孔発生要因である空気の混入が抑えられる。そし
て、特に、切欠部である排気部より、カバー内部の排気
を行うことができるため、カバー先端を被溶射面へ当接
させた溶射が可能となり、被溶射面へ対し常に一定の距
離で、溶射を行うことができる。これは、手持ち式の溶
射装置において、特に精度の向上に功を奏するものであ
る。
【0063】又本願第4の発明も、上記第3の発明と同
様の目的を達する。即ち、空孔を排除すると共に、可搬
性と高い精度を両立することが可能な溶射を実現し得
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施例を示す略全体正面図であ
る。
【図2】上記実施例の略要部断面図である。
【図3】上記実施例の略要部断斜視図である。
【図4】本願発明の他の実施例を示す略全体正面図であ
る。
【図5】上記他の実施例の略要部断面図である。
【図6】本願発明の実施によって得られたチタン溶射皮
膜の拡大断面図である。
【図7】本願発明の実施によって得られたチタン溶射皮
膜の拡大断面図である。
【図8】本願発明の実施によって得られたチタン溶射皮
膜の拡大断面図である。
【図9】本願発明の実施によって得られたタンタル溶射
皮膜の拡大断面図である。
【図10】本願発明の実施によって得られたタンタル溶
射皮膜の拡大断面図である。
【図11】本願発明の実施によって得られたタンタル溶
射皮膜の拡大断面図である。
【図12】本願発明の実施によって得られたチタン溶射
皮膜の拡大断面図である。
【図13】本願発明の実施によって得られたチタン溶射
皮膜の拡大断面図である。
【図14】従来の一般的なアーク溶線式溶射設備の略全
体正面図である。
【図15】上記従来の一般的なアーク溶線式溶射設備の
略要部断面図である。
【図16】従来の一般的なガス溶線式溶射設備の略全体
正面図である。
【図17】上記従来の一般的なガス溶線式溶射設備の略
要部断面図である。
【図18】上記従来の一般的なアーク溶線式溶射によっ
て得られたチタン溶射皮膜の拡大断面図である。
【図19】上記従来の一般的なガス溶線式溶射設によっ
て得られたタンタル溶射皮膜の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 第1ガスボンベ 2 第2ガスボンベ 3 溶射機 9 カバー 91 噴射口 92 導入口

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク溶線式溶射機又はガス溶線式溶射
    機による金属溶射に際し、噴射のためのガスとして不活
    性ガスを使用し、噴射口から被溶射面に至る噴射物の飛
    散経路の周囲を、適当なカバー(9)によって囲う金属
    溶射皮膜の改質溶射方法において、 上記カバー(9)の先端周縁に切欠部を形成して、カバ
    ー(9)先端を被溶射面に当接させて溶射を行い、この
    とき、切欠部よりカバー(9)内部の排気を行うことを
    特徴とする金属溶射皮膜の改質溶射方法。
  2. 【請求項2】 アーク溶線式溶射機又はガス溶線式溶射
    機による金属溶射に際し、噴射のためのガスとして不活
    性ガスを使用し、噴射口から被溶射面に至る噴射物の飛
    散経路の周囲を、適当なカバー(9)によって囲う金属
    溶射皮膜の改質溶射方法において、 上記カバー(9)の先端に突起(95)を形成し、この
    突起(95)先端を被溶射面に当接させて溶射を行い、
    このとき、突起(95)と被溶射面との間の隙間よりカ
    バー(9)内部の排気を行うことを特徴とする金属溶射
    皮膜の改質溶射方法。
  3. 【請求項3】 アーク溶線式溶射機又はガス溶線式溶射
    機と、カバー(9)とを備えてなり、上記溶射機は、噴
    射口より不活性ガスを用いて溶射金属を噴射するもので
    あり、上記カバー(9)は、上記溶射機の噴射口に設け
    られ、上記噴射口から被溶射面に至る噴射物の飛散経路
    の周囲を囲うものである金属溶射皮膜の改質溶射装置に
    おいて、 上記カバー(9)は、その先端周縁に切欠部として形成
    された適宜数の排気部(94)が設けられたものである
    ことを特徴とする金属溶射皮膜の改質溶射装置。
  4. 【請求項4】 アーク溶線式溶射機又はガス溶線式溶射
    機と、カバー(9)とを備えてなり、上記溶射機は、噴
    射口より不活性ガスを用いて溶射金属を噴射するもので
    あり、上記カバー(9)は、上記溶射機の噴射口に設け
    られ、上記噴射口から被溶射面に至る噴射物の飛散経路
    の周囲を囲うものである金属溶射皮膜の改質溶射装置に
    おいて、 上記カバー(9)は、その先端に突起(95)が設けら
    れ、突起(95)先端を被溶射面へ当接させた際、カバ
    ー(9)と被溶射面との間に排気用の隙間が確保される
    ものであることを特徴とする金属溶射皮膜の改質溶射装
    置。
JP4177570A 1992-06-10 1992-06-10 金属溶射皮膜の改質溶射方法及びその装置 Expired - Lifetime JP2689200B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4177570A JP2689200B2 (ja) 1992-06-10 1992-06-10 金属溶射皮膜の改質溶射方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4177570A JP2689200B2 (ja) 1992-06-10 1992-06-10 金属溶射皮膜の改質溶射方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0681116A JPH0681116A (ja) 1994-03-22
JP2689200B2 true JP2689200B2 (ja) 1997-12-10

Family

ID=16033283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4177570A Expired - Lifetime JP2689200B2 (ja) 1992-06-10 1992-06-10 金属溶射皮膜の改質溶射方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2689200B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5539383B2 (ja) * 1972-04-01 1980-10-11
JPS6425964A (en) * 1987-07-20 1989-01-27 Nippon Kokan Kk Arc thermal spraying method

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0681116A (ja) 1994-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU605002B2 (en) Apparatus and process for producing high density thermal spray coatings
US5662266A (en) Process and apparatus for shrouding a turbulent gas jet
JP5260847B2 (ja) 過冷却液相金属皮膜の形成用溶射装置および過冷却液相金属皮膜の製造方法
US5858470A (en) Small particle plasma spray apparatus, method and coated article
US5744777A (en) Small particle plasma spray apparatus, method and coated article
US5486383A (en) Laminar flow shielding of fluid jet
JP2752588B2 (ja) 溶融金属表面の被覆用媒体による被覆装置及び方法
JPH05279182A (ja) ダイヤモンドの製造法および製造装置
JP3661017B2 (ja) 溶射用トーチ
JP2689200B2 (ja) 金属溶射皮膜の改質溶射方法及びその装置
JP2008174784A (ja) 溶射によるアモルファス皮膜の形成方法
JP3496012B2 (ja) インナートーチ
JP3241153B2 (ja) 溶射装置
KR102607741B1 (ko) 금속 와이어 및 금속 파우더를 이용한 금속 용사 장치
JPS633747Y2 (ja)
JPH04165060A (ja) 水中構造物の防食方法および水中溶射装置
JPS6399000A (ja) プラズマジエツト溶射装置
KR102180725B1 (ko) 용사 코팅 장치
JPH0225558A (ja) 溶射方法
JPS6031901B2 (ja) プラズマ溶射皮膜形成方法
JP3005902B2 (ja) プラズマ溶射装置
JP3881895B2 (ja) プラズマ溶射装置
KR100323494B1 (ko) 분말강화재 분사용 플라즈마건 장치
JP6715694B2 (ja) プラズマ溶射装置
JP2000246446A (ja) 溶接トーチのスパッタ付着防止方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070829

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080829

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090829

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100829

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100829

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term