JP2688646B2 - 弦楽器、ネック部材、およびその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ この発明は、電子ギター、電気（エレキ）ギター、ギ
ターシンセサイザ、電子バイオリン等の弦楽器、この弦
楽器に使用されるネック部材、およびその製造方法に関
する。

［従来技術とその問題点］ 近時、弦楽器の全体（ボディ部およびネック部）又は
一部（ボディ部あるいはネック部のいずれか一方）を合
成樹脂（例えば、炭素繊維強化樹脂等）にて構成した電
子ギターや電気ギター等が知られている（例えば、特開
昭60-21094号公報および特開昭61-259293号公報等参
照）。このように弦楽器等を合成樹脂にて構成する理由
は、従来より弦楽器に使用されていた楓、ブナ、マホガ
ニー等の木材は高価であり且つ入手しにくい上、品質に
バラツキが生じ易く、しかも長期間に亘るシーズニング
処理を必要とするので量産に不向きである等の事情によ
る。

ところで、弦楽器のネック部のフィンガボード上には
多数のフレットが配設されているが、これらのフレット
は、従来、ネック部が樹脂成形材料によって形成されて
いる場合でも木製（ウッド）でネック部が形成されてい
る場合と同じように、その１個１個をフィンガボード上
に、個別に装着する構造になっている。このため、樹脂
ネック部のフィンガボード上の所定部位に多数のフレッ
ト嵌合溝を形成し、単品の各フレットを、このフレット
嵌合溝に打ち込み等で嵌着することとしている。

しかし、このように、フィンガボードに対して単品の
多数のフレットを個別に装着する方法は取付作業が大変
であり、量産に適さないばかりか、フィンガボードに対
する各フレットの結合力が弱い場合には、各フレットが
フィンガボードから外れてしまうこともあった。また、
このように各フレットを個別に装着する方法によると、
フィンガボード上における各フレット頭部の高さを均一
にすることが難しい。仮に、各フレットの頭部の高さが
不均一、すなわち、面一となっていないと、フィンガボ
ード上に張設されている弦を押弦した場合、押弦操作状
態にバラツキが生じ易く、確実な押弦操作をし得ないこ
とがあった。

また、樹脂ネック部や樹脂ボディ部は木製のそれに比
べて剛性に劣る嫌いがあり、そのために、樹脂ネック部
および樹脂ボディ部上に、弦が相当高い張力で張られた
場合、樹脂ネック部や樹脂ボディ部がその弦の張力で変
形して反りが生じてしまうことがあった。

［発明の目的］ この発明は、上述の如き事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、多数のフレットを樹脂ネ
ック部のフィンガボード上に容易かつ確実に形成するこ
とができ、しかもフィンガボード上に形成される各フレ
ットの高さが均一であり、更には樹脂ネック部および樹
脂ボディ部の剛性アップが図れるようにした弦楽器、ネ
ック部材、およびこのような弦楽器、ネック部材を容易
に製造することの可能な製造方法を提供することにあ
る。

［発明の要点］ 上記目的を達成するために、請求項１記載の発明に係
る弦楽器は、ボディ部と該ボディ部から突出するネック
部とからなる弦楽器において、前記ネック部内に、複数
のフレットが形成されてなる構造部材を、前記各フレッ
トが前記ネック部上面に形成されたフィンガーボード面
上に突出するように埋設する一方で、前記構造部材の一
端を、前記ボディ部内に埋設させるように、前記ネック
部から延出したことを要点とする。

また、請求項４記載の発明に係る弦楽器は、複数のフ
レットを有する構造部材を、ボディ部と該ボディ部から
突出する樹脂製のネック部とのうち、少なくとも樹脂製
のネック部内に、前記各フレットの頭部のみが前記ネッ
ク部上面に形成されたフィンガーボード面上に突出する
ように埋設したことを要点とする。

また、請求項５記載の発明に係る弦楽器の製造方法
は、複数のフレットを有する構造部材を形成する工程
と、ボディ部と該ボディ部から突出するネック部とのう
ち、少なくともネック部を形成する工程であり、該ネッ
ク部内に前記構造部材を、前記各フレットが前記ネック
部上面に形成されるフィンガーボード面上に突出するよ
うに埋設した状態で該ネック部を樹脂成形する工程とを
備えたことを要点とする。

また、請求項６記載の発明に係るネック部材は、複数
のフレットが形成されてなる構造部材を、ネック部内
に、前記各フレットが前記ネック部上面に形成されたフ
ィンガーボード面上に突出するように埋設する一方で、
前記構造部材の一端を、前記ネック部が結合されたボデ
ィ部内に埋設させるように、前記ネック部から延出した
ことを要点とする。

また、請求項７記載の発明に係るネック部材は、複数
のフレットを有する構造部材を、樹脂製のネック部内
に、前記各フレットの頭部のみが前記ネック部上面に形
成されたフィンガーボード面上に突出するように埋設し
たことを要点とする。

更に、請求項８記載の発明に係るネック部材の製造方
法は、複数のフレットを有する構造部材を形成する工程
と、前記構造部材を、前記各フレットがネック部上面に
形成されるフィンガーボード面上に突出するように埋設
した状態で前記ネック部を樹脂成形する工程とを備えた
ことを要点としている。

［実施例］ 以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的かつ
詳細に説明する。

〈第１実施例〉 第１図はこの発明を電子弦楽器に適用した場合の第１
実施例を示している。

この第１実施例の弦楽器では、複数のフレット14を有
する構造部材16を、ボディ部１と該ボディ部１から突出
する樹脂製のネック部２とのうち、少なくとも樹脂製の
ネック部２の内に、前記各フレット14の頭部のみが前記
ネック部２の上面に形成されたフィンガーボード面2a上
に突出するように埋設している。

このような構成によれば、ネック部２の上面に形成さ
れたフィンガーボード面2a上に設けられる各フレット14
を個別に設ける必要がなく、このためフィンガーボード
面2a上に各フレット14を容易かつ確実に形成することが
できる上に、各フレット14の頭部の高さが均一になり、
確実な押弦操作を行える。

また、樹脂製のネック部２の内に、各フレット14の頭
部のみがネック部２の上面に形成されたフィンガーボー
ド面2a上に突出するように、複数のフレット14が形成さ
れてなる構造部材を埋設しているので、各フレット14の
頭部を除く構造部材のほぼ全体が樹脂製のネック部２内
に埋設されることから、各フレット14をネック部２に強
固に固定することができる。

以下、このような構成の詳細について説明する。

まず、第１図に基づいて、この電子弦楽器の構成の概
要について述べる。

この電子弦楽器は、ボディ部１とネック部２とが合成
樹脂にて一体成形された弦楽器本体３を備えている。こ
の弦楽器本体３のボディ部１およびネック部２を形成す
る合成樹脂は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂をベー
スに、ガラス繊維強化のシートモールディングコンパウ
ンド等の成形材料を含有させたもの、或いは繊維強化発
泡樹脂材料（炭素繊維、プラミド繊維、ガラス繊維、金
属繊維等の強化用繊維で強化された、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール系樹脂等
の発泡樹脂）、または短繊維の炭素繊維等が用いられて
いる。

このような弦楽器本体３の上面側には、ボディ部１の
略中央部からネック部１の端部に形成したヘッド部４に
かけて多数（６本）の弦５が張設されている。これらの
弦５の一端はボディ部１の略中央部に設けられたブリッ
ジ（図示せず）に固定され、他端はヘッド部４に設けら
れた張弦機構６に結合されている。そして、ボディ部１
側には、スピーカ７、弦トリガー用電磁式ピックアップ
８、電源スイッチ９、ミュートスイッチ10、音色選択ス
イッチ11、フィルインスイッチ12、自動リズムスタート
／ストップスイッチ13等が設けられ、ネック部２側には
多数のフレット14が設けられている。

第２図および第３図は第１実施例に係るネック部２を
示している。

ネック部２は、その長手方向と直交する断面が半月状
の形状をなしていて、その軸心部に半月状の中空部15が
形成されている。このようなネック部２内の中空部15上
方のフィンガボード2aに近い部位には上記多数のフレッ
ト14を一体成形した構造部材16が埋設されている。この
場合、各フレット14の下部は、ネック部２を形成する樹
脂成形体17内に位置し、その上部は、ポリエステル等の
表層（化粧）シート18を貼着したフィンガボード面2aか
ら突出している。

この場合の構造部材16は帯板状をなした一枚の銅板、
ステンレス板等の金属板や硬質合成樹脂板等からなり、
各フレット14は折り曲げ（略Ｕ字状）によって一体形成
されている。各フレット14、14間には剛性を高めるため
コ字状に折曲成形された水平壁部20および垂直壁部21が
形成され、更にその水平壁部20の中央部に樹脂成形体17
との結合力を高め且つ軽量化を図るための大口径の方形
の開口19が形成されている。また、各フレット14、14間
の水平壁部20と垂直壁部21にも樹脂成形体17との結合力
を高める多数の円形の小穴22が形成されている。

このような構造部材16は、水平壁部20の水平度が高く
且つ各フレット14の頭部の高さが均一となるように形成
されて、ネック部２を形成する樹脂成形体17内におい
て、水平壁部20がフィンガボード面2aと平行するように
して埋設されている。しかして、構造部材16がネック部
２の所定位置に埋設されると、フィンガボード面2a上に
は同時に多数のフレット14がそれぞれフィンガボード面
2a上において、互いに高さ（ｌ）が均一で確実に取り付
けられることになる。また、このように構造部材16が埋
設された樹脂ネック部２は、この構造部材16の剛性と相
まって、より一層、剛性が高められ、弦５の張力を高め
ても変形して反ることもなくなる。

〈製造方法〉 次に、上記第１実施例に係る弦楽器の製造方法の一例
を第４図に基づいて述べる。

まず、第４図（ａ）に示す第１工程にて、構造部材16
を構成するための所定寸法を有した帯板状の素材23をシ
ャーリング機等で切断形成する。次に、第４図（ｂ）に
示す第２工程にて、素材23の所定位置に各フレット14を
折り曲げ形成するための切り込み24と開口19と小穴22と
をプレス機等で打ち抜き形成する。この打ち抜きを終え
た素材23は次の第４図（ｃ）に示す第３工程において、
各フレット14および垂直壁部21をプレス機等で折り曲げ
形成すると構造部材16が構成される。このようにして構
成された構造部材16は第４図（ｄ）に示す第４工程にお
いてボディ部１とともに樹脂成形されるネック部２に一
体モールドされる。すなわち、この第４工程において
は、構造部材16はネック部２を成形するための金型のキ
ャビティ内の所定位置に配置されたあと、この状態にあ
るキャビティ内に樹脂成形材料を加圧注入する。すると
構造部材16はネック部２を形成する樹脂成形体17内に一
体的にモールドされることとなる。

〈第２実施例〉 上述した第１実施例における構造部材16は帯板状をな
した一枚の金属板や硬質合成樹脂板等を、打ち抜き成形
法および折曲成形法等により構成しているが、この第２
実施例においては、第５図に示すように、多数のフレッ
ト14を鋳造成形法により一体形成している。このような
成形法により鋳造部材16Aを形成すると、同時に開口19
や小穴22の形成もできて製作が容易となる。

〈第３実施例〉 第６図および第７図に示すように、この第３実施例に
おいては、鋳造構造部材16Bの水平壁部20の下面の所定
位置に、ネック部２の外周形状に沿う形状（円弧状）を
なした板状の多数の補強リブ25を形成している。このよ
うな鋳造構造部材16Bとした場合、更に高剛性の構造と
することができる。また、このように構成した場合、こ
れらの補強リブ25と水平壁部20および各補強リブ25に形
成された小穴22の相互作用により樹脂成形体17と鋳造構
造部材16Bとの結合力を、より一層、高めることができ
る。

〈第４実施例〉 第８図はこの発明が適用された第４実施例に係る上記
ボディ部１とネック部２を示している。

ネック部２およびこれに埋設された構造部材16Cの構
成は基本的に第２図および第３図に示したものと同様で
ある。この実施例の場合、構造部材16Cのボディ部１側
の一端をボディ部１の略中央部付近にまで延出して、そ
の延出部26に、第９図に示すように長手方向に沿った多
数の逆Ｕ字状の補強リブ27を形成している。この補強リ
ブ27は多数のフレット14と同様に折り曲げにより一体形
成されたものであり、第４図（ｂ）の第２工程（打ち抜
き工程）において所定の位置に切り込みを入れ、第４図
（ｃ）の第３工程（折り曲げ工程）において図示のよう
に折り曲げ形成する。

このように構成された弦楽器によれば、ネック部２の
みならずボディ部１自体の剛性をも高めることができる
ので、弦楽器本体３全体の剛性がアップする。なお、こ
の実施例の場合とは異なり、ボディ部１とネック部２と
を別体に構成し、これらを結合して弦楽器を構成する場
合には、構造部材16Cの延出部26がネック部２とボディ
部１との結合部材としての機能を果すことができるの
で、この構造部材16Cにより、両者の結合力を高めるこ
ともできる。

なお、この弦楽器を製造するには、上述した第１実施
例において示す構造部材16を製造する第２工程と第３工
程のほかに、補強リブ27部分を形成する工程が加えられ
る点、および構造部材16Cをモールドする別の工程で構
造部材16Cの延出部26が金型のキャビティ内のボディ部
１の形成部分に配置される点を除けば第１実施例におい
て弦楽器を製造する場合と全く変りないので、ここでは
その製造方法の説明を省略する。

〈第５実施例〉 次に、第10図および第11図は、第５実施例に係る鋳造
構造部材16Dを示す。この第５実施例においては、鋳造
構造部材16Dの一端がボディ部１内にまで延出されてお
り、この延出部26Aがボディ部１の外形形状に略沿った
環状部26aとこの環状部26aをまたがるブリッジ部26bと
で構成されている。このようにボディ部１の略全体内に
亘って延出部26Aが配置されるようにすると、ボディ部
１自体の剛性が更に高められるばかりでなく、ボディ部
１とネック部２との一体性を一段と高めることもでき
る。また、この延出部26Aをボディ部１に設けられる種
々の部品（例えば、電源スイッチ９やボディ部１上に張
設される弦５の一端を支持する弦支持体（弦ブリッ
ジ））の取り付け用ベースとして利用することもでき
る。

〈第６実施例〉 次に、第12図は第６実施例に係るネック部材を示す。

この第６実施例におけるネック部材は、ネック部２を
形成している樹脂成形体17の外周に、筒状の構造部材16
Eを、一体的に形成することにより構成されている。前
記構造部材16Eは、前記樹脂成形体17の外周に形成され
た筒状部16eと多数のフレット14とから、金属材料また
は繊維強化複合材料（例えば、炭素繊維、ガラス繊維）
等から一体成形されている。

なお、樹脂成形体17と構造部材16Eとの一体化は、い
わゆるインサート成形法、アウトサート成形法により行
うが、このほかに、樹脂成形体17の外周に、接着剤を介
して、筒状の構造部材16Eを被着することにより行って
もよい。

このように構成した場合には、極めて簡単な構成で、
ネック部２の全体を構造部材16Eで強靭化、高強度化す
ることができるので、ネック部２が弦張力により反るの
を確実に防止することができる。このため、アジャスト
ロッドなどを用いる必要がなくなる。

なお、この実施例では電子弦楽器に適用した場合を示
したが、その他の電気（エレキ）ギター、ギターシンセ
サイザ、電子バイオリンのほか、伝統的な自然撥弦楽
器、自然擦弦楽器等に巾広く適用することができる。

［発明の効果］ 以上説明したように、請求項１および６記載の発明に
よれば、複数のフレットが形成されてなる構造部材を、
ネック部内に、各フレットがネック部上面に形成された
フィンガーボード面上に突出するように埋設したので、
フィンガーボード面上に設けられる各フレットを個別に
設ける必要がなく、このためフィンガーボード面上に各
フレットを容易かつ確実に形成することができるととも
に、フレットをネック部に確実かつ強固に固定すること
ができる上、各フレットの頭部の高さが均一になり、確
実な押弦操作ができ、しかも構造部材の一端をネック部
が結合されたボディ部内に埋設させるようにネック部か
ら延出したので、ネック部とボディ部との結合力を高め
ることができる。

また、請求項４および７記載の発明によれば、複数の
フレットを有する構造部材を、樹脂製のネック部内に、
各フレットの頭部のみが樹脂製のネック部上面に形成さ
れたフィンガーボード面上に突出するように埋設したの
で、各フレットの頭部を除く構造部材のほぼ全体が樹脂
製のネック部内に埋設されることから、各フレットをネ
ック部に確実かつ強固に固定することができる。

更に、請求項５および８記載の発明によれば、複数の
フレットを有する構造部材を形成する工程と、この構造
部材を、各フレットがネック部上面に形成されるフィン
ガーボード面上に突出するように埋設した状態でネック
部を樹脂成形する工程とによって製造することにより、
各フレットがネック部に確実かつ強固に固定され、かつ
ネック部全体の剛性の高いものを簡単かつ容易に製造す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面はそれぞれこの発明の実施例を示し、第１図は第１
実施例に係る電子弦楽器の平面図、第２図は第１実施例
に示したネック部の一部を切欠した斜視図、第３図は第
２図のIII-III線に沿う断面図、第４図は第１実施例に
示した弦楽器の製造工程図、第５図は第２図および第３
図の構造部材を鋳造構造部材に代えた場合の第２実施例
を示す斜視図、第６図は第３実施例に係る鋳造構造部材
の構造例を示した斜視図、第７図は同鋳造構造部材を一
体モールドしたネック部の断面図、第８図は第４実施例
を示したボディ部およびネック部の要部平面図、第９図
は同第４実施例で使用された構造部材の斜視図、第10図
は第５実施例を示した弦楽器の平面図、第11図は同実施
例で使用された鋳造構造部材の一部を切除した斜視図、
第12図は第６実施例に係るネック部材を示す一部破断斜
視図である。 １……ボディ部、２……ネック部、３……弦楽器本体、
14……フレット、16、16C、16E……構造部材、16A、16
B、16D……鋳造構造部材。

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ボディ部と該ボディ部から突出するネック
   部とからなる弦楽器において、 前記ネック部内に、複数のフレットが形成されてなる構
   造部材を、前記各フレットが前記ネック部上面に形成さ
   れたフィンガーボード面上に突出するように埋設する一
   方で、前記構造部材の一端を、前記ボディ部内に埋設さ
   せるように、前記ネック部から延出したことを特徴とす
   る弦楽器。
2. 【請求項２】前記構造部材は、硬質板材からなり、前記
   フレットは、該硬質板材の所定部位を折り曲げて形成し
   たことを特徴とする請求項１記載の弦楽器。
3. 【請求項３】前記構造部材は、前記フレットを一体形成
   してなる鋳造構造部材であることを特徴とする請求項１
   記載の弦楽器。
4. 【請求項４】複数のフレットを有する構造部材を、ボデ
   ィ部と該ボディ部から突出する樹脂製のネック部とのう
   ち、少なくとも樹脂製のネック部内に、前記各フレット
   の頭部のみが前記ネック部上面に形成されたフィンガー
   ボード面上に突出するように埋設したことを特徴とする
   弦楽器。
5. 【請求項５】複数のフレットを有する構造部材を形成す
   る工程と、 ボディ部と該ボディ部から突出するネック部とのうち、
   少なくともネック部を形成する工程であり、該ネック部
   内に前記構造部材を、前記各フレットが前記ネック部上
   面に形成されるフィンガーボード面上に突出するように
   埋設した状態で該ネック部を樹脂成形する工程と、 を備えたことを特徴とする弦楽器の製造方法。
6. 【請求項６】複数のフレットが形成されてなる構造部材
   を、ネック部内に、前記各フレットが前記ネック部上面
   に形成されたフィンガーボード面上に突出するように埋
   設する一方で、前記構造部材の一端を、前記ネック部が
   結合されたボディ部内に埋設させるように、前記ネック
   部から延出したことを特徴とするネック部材。
7. 【請求項７】複数のフレットを有する構造部材を、樹脂
   製のネック部内に、前記各フレットの頭部のみが前記ネ
   ック部上面に形成されたフィンガーボード面上に突出す
   るように埋設したことを特徴とするネック部材。
8. 【請求項８】複数のフレットを有する構造部材を形成す
   る工程と、 前記構造部材を、前記各フレットがネック部上面に形成
   されるフィンガーボード面上に突出するように埋設した
   状態で前記ネック部を樹脂成形する工程と、 を備えたことを特徴とするネック部材の製造方法。