JP7396278B2 - 楽器 - Google Patents

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Description

本開示は、発音体として弦を備える楽器に関する。
ギターやバイオリンのように発音体の役割を果たす弦と弦を支持する胴とを有する楽器の演奏音の質を向上させる技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、ギターやバイオリンの胴板の内側に溝を設けることで、美しく響きのある音が奏でられるようにする技術が開示されている。以下では、楽器の演奏音を美しく響きのある音にすることを「楽器の鳴りをよくする」という。
特開2001-154662号公報
特許文献1に開示の技術は楽器の胴が中空であることが前提となっている。このため、中空ではない胴(すなわち、中実の胴)を有するエレキギターやエレキベースには適用することができない。
本開示は以上に説明した課題に鑑みて為されたものであり、発音体として弦を備える楽器の鳴りをよくする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本開示は、複数の弦と、非対称に突出する複数の角部を有し、前記複数の弦を第1面で支持する胴と、を備え、前記胴の前記第1面には、幅及び深さが一定であって、直線状に延びる溝が形成され、前記溝は、前記複数の角部のうち他の角部よりも固有振動数が高い角部の固有振動数と、前記他の角部の固有振動数とが、同等になるように、前記胴の一部に形成される楽器、を提供する。
より好ましい態様の楽器においては、前記溝は、前記複数の弦が延びる方向と交わる方向に直線状に延びる。
より好ましい態様の楽器において、前記溝は、前記複数の弦の延びる方向と交わる方向における前記胴の振動を調整するために設けられる。
また、より好ましい態様の楽器において、前記溝は、記他の角部よりも固有振動数が高い角部の根本に設けられる。
た、より好ましい態様の楽器においては、前記固有振動数が他の角部よりも高い角部の根本には、前記溝として、当該角部の突出方向に延びる溝と、当該突出方向と交わる方向に延びる溝の少なくとも一方が設けられる。
また、より好ましい態様の楽器においては、前記胴の前記第1面をガードするガードをさらに備え、前記溝は、前記ガードが前記第1面に装着されている状態では、前記胴の前記一部であって、前記溝が前記ガードに覆い隠される位置に形成される。
本開示の第1実施形態による楽器10の外観を示す図である。 楽器10の胴11の平面図である。 溝120A、溝120Bおよび溝130の設けられていない胴11Aの平面図である。 胴11Aの各部の振動の大きさをハッチングパターンで表現した模式図である。 胴11の各部の振動の大きさをハッチングパターンで表現した模式図である。 溝120A、溝120Bおよび溝130に代えて窪み部140を設けた胴11の平面図である。 溝120A、溝120Bおよび溝130に代えて直線上に並ぶ複数の小穴150を設けた胴11Cの平面図である。 本開示の第2実施形態による楽器210の胴11Dの外観を示す図である。 挿入部材225、235の斜視図である。 挿入部材225,235の断面図である。
以下、図面を参照しつつ本開示の実施形態を説明する。(A:実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態による楽器10の構成を示す図である。
本実施形態の楽器10はエレキギターである。図1に示すように、楽器10は、胴11と、一端が胴11に接続され他端がヘッド13に接続された棹状のネック12と、ヘッド13とを有する。胴11の表面(胴の向かい合う2つの面のうち、複数の弦を支持する面であり、第1面の一例)に設けられたブリッジ14とヘッド13との間には、発音体として機能する6本の弦が張設されている。以下では、弦の延びる方向をY方向と呼び、6本の弦の並ぶ方向をX方向或いは左右方向と呼ぶ。本実施形態の楽器10は発音体として機能する弦を6本有しているが、本開示に係る楽器の有する弦の数は1~5本であってもよく、また7本以上であってもよい。
ブリッジ14には、弦の張力を変えて音高を変化させるためのトレモロレバー15が設けられている。図1では詳細な図示を省略したが、ネック12には、6本の弦を手指で押さえて弾くことで特定の音高の演奏音を奏でる際の押さえ位置の目安となる複数のフレットが設けられている。本実施形態の楽器10においてネック12に設けられるフレットの数は20~23であるが、フレットの数は19以下であってもよく、また24以上であってもよい。また、ネック12にフレットを設けない態様であってもよい。また、トレモロレバー15がブリッジ14に設けられていなくてもよい。
上記6本の弦は各々異なる太さを有し、細いものから太くなる順に1弦、2弦、3弦・・・6弦と呼ばれる。本実施形態の楽器10において、1弦から6弦の各弦を手指で押さず、かつトレモロレバー15を操作せずに弾いたときの演奏音の周波数は、それぞれ330Hz、247Hz、196Hz、147Hz、110Hz、82Hzであるが、これらの周波数に限定される訳ではない。楽器10の演奏者が上記6本の弦の何れかをピックで弾くと、当該弦の張力および手指で押さえられた位置に応じて当該弦に発生した振動はピックアップ16においてその振動波形を表す電気信号(以下、音信号)に変換される。ピックアップ16から出力された音信号は胴11に内蔵されたアンプによる増幅を経て外部スピーカユニットに与えられ、当該音信号に応じた音が外部スピーカユニットから出力される。図1では、アンプと外部スピーカユニットの図示は省略されている。
胴11の表面には、ブリッジ14の他にピックガード17が設けられている。ピックガード17は、樹脂または金属で形成された板状の部材である。ピックガード17は、楽器10を演奏する過程でピックが胴11に触れる等することで胴11に傷がつくことを防ぐために設けられている。ピックガード17の表面には、ピックアップ16、および音量レベルを調整する音量ボリューム18が設けられている。音量ボリューム18は、胴11に内蔵されたアンプにおける音信号の増幅量を楽器10の演奏者に指定させるための操作子である。胴11に内蔵されたアンプは、ピックアップ16から出力された音信号を音量ボリューム18の回転角度に応じて増幅し、胴11の側面のジャックに接続されたオーディオケーブルを介して外部スピーカユニットに出力する。図1では、胴11の側面のジャックの図示は省略されている。
図2は、ピックガード17を取り外した状態の胴11の平面図である。
胴11は木材或いは樹脂により形成された中実部材である。胴11は、ネック12を左右方向の中心としたときに非対称に突出する角部100Rおよび角部100Lを有する。図1および図2に示すように、本実施形態では、角部100Lの方が角部100Rよりも大きく突出している。また、胴11には、ピックアップ16から出力された音信号を増幅するアンプなどの電子回路を収納するための窪み部110A、窪み部110Bおよび窪み部110Cが設けられている。
加えて、胴11の表面には、角部100Rの根本付近に、角部100Rの突出方向(図2におけるα方向、すなわち、弦6が延びる方向であるY方向と交わる方向の一例)に延びる溝120Aおよび溝120Bと、角部100Rの突出方向と交わる方向(図2におけるβ方向、すなわち、弦6が延びる方向であるY方向と交わる方向の一例)に延びる溝130とが設けられている。以下では、溝120Aと溝120Bを区別する必要がない場合には「溝120」と表記する。なお、溝120A、120B及び130は、直線状に延びるように形成されており、溝120A、120B及び130が直線状に延びる範囲にわたって幅及び深さが一定である。図2に示すように溝130の一方の端は窪み部110Bに達しており、他方の端は窪み部110Cに達している。また、溝120の2つの端のうちの一方は溝130に達している。つまり、溝120は溝130から分枝する溝である。本実施形態の特徴は、溝120および溝130を角部100Rの根本付近に設けた点にある。溝120および溝130を角部100Rの根本付近に設けた理由は次の通りである。
ピックで弾く等により弦に発生した振動はブリッジ14を介して胴11に伝わり、胴11を振動させる。本願発明者は、弦の振動に応じて胴11に発生する振動が楽器の演奏音に影響を与えることを実験により解明した。より詳細に説明すると、本願発明者は、胴11と同じように角部100Lおよび角部100Rを有しかつ溝120および130の設けられていない胴11A(図3参照)について、弦の振動に応じて当該胴11Aに発生する振動に偏りがあることを実験により確かめた。ここで、「弦の振動に応じて胴に発生する振動に偏りがある」とは、胴の特定の部分については弦の振動に応じて大きく振動する一方、さほど振動しない部分もあるといったように、胴の部分毎に弦の振動に応じた振動の大きさが区々であることをいう。図4は、胴11Aに周波数331Hzの振動を与えた場合の胴11Aの各部の振動の大きさをハッチングパターンで示した模式図である。なお、図4では、窪み部110A、窪み部110Bおよび窪み部110Cとブリッジ14の輪郭が点線で描画されている。図4では最も振動の大きい部分には網掛けのハッチングが、次に振動が大きい部分には縦線のハッチングが、その次に振動が大きい部分には斜め線のハッチングがそれぞれ付されている。そして、図4では、ほとんど振動しない部分にはハッチングは付されていない。
図4を参照すれば明らかなように、胴11Aに周波数331Hzの振動を与えると、角部100Lは角部100Rに比較して大きく振動していることが判る。なお、胴11Aに周波数346Hzの振動を与えた場合には、図4に示す例とは逆に角部100Rの方が角部100Lよりも大きく振動することが判った。これらの実験結果からは、角部100Rと角部100Lとでは基本モードの周波数(固有振動数)が異なり、角部100Rの固有振動数の方が角部100Lの固有振動数よりも高くなっていることが判る。
本願発明者は、胴11Aにおける角部100Rと角部100Lの固有振動の相違を、胴11Aの形状の非対称性に起因する両角部の撓み剛性(以下、単に「剛性」)の相違、すなわち角部100Rの方が角部100Lよりも剛性が高いことによるものと考えた。弦と弦を支持する胴とを有する楽器の鳴りをよくするには、弦の振動に応じて胴全体が偏りなく振動することが好ましい。そこで、本願発明者は、角部100Rの剛性を低くして固有振動数を引き下げるために、角部100Rの根本付近に溝120および溝130を設けることに想い至った。
図5は、胴11に周波数331Hzの振動を与えた場合の胴11Aの各部の振動の大きさをハッチングパターンで示した模式図である。図5においても、図4と同様に振動の大きさがハッチングパターンで表されており、窪み部110A、窪み部110B、および窪み部110Cとブリッジ14の輪郭が点線で描画されている。なお、図5では、図面が煩雑になることを避けるため、溝120A、溝120Bおよび溝130の輪郭線の描画は省略されている。図5を参照すれば明らかなように、胴11に周波数331Hzの振動を与えたときの角部100Lの振動と角部100Rの振動の大きさは略同等になっている。これは、角部100Rの剛性が低下し固有振動数が角部100Lの固有振動数程度まで低下したことを意味する。角部100Rの固有振動数と角部100Lの固有振動数とが同等であれば、より高い周波数においても角部100Lと角部100Rは同等に振動すること、すなわち角部100Rと角部100Lの振動特性が揃うことが期待される。
角部100Rの剛性を引き下げることは、図6に示す胴11Bのように窪み部110A~110Cと同様の窪み部140を角部100Rに設けることでも実現可能であるかに見える。しかし、図6に示すように角部100Rに窪み部140を設けた胴11Bでは、角部100Rの質量が低下し、固有振動数の上昇を招いてしまう。したがって、図2に示すように溝120および130を角部100Rの根本付近に設けることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、非対称に突出する角部100Rおよび角部100Lのうちの剛性が高い方の根本に溝120および溝130を設けることで、胴11の左右方向の振動特性が揃い、弦の振動に応じて胴11全体が偏りなく振動する。胴11の左右方向の振動特性が揃うとは、胴11の左右方向の各部において基本モードの固有振動数と振動の大きさ(すなわち、振幅)が略同等になることをいう。胴11の左右方向の振動特性が揃う結果、溝120および溝130を設けない場合に比較して楽器の鳴りがよくなる。つまり、本実施形態によれば、発音体として機能する弦と弦を支持する胴とを有する楽器の鳴りをよくすることが可能になる。また、ピックガード17を胴11に装着した状態では、溝120および溝130はピックガード17によって覆い隠されて見えなくなる。したがって、溝120および溝130を胴11に設けても楽器10の外観に影響は生じない。ロック歌手のようなエレキギターの演奏者は、楽器の鳴りがよいことに加えて、ステージ映えの観点から楽器の外観のよさを求めることが多い。本実施形態によれば、楽器10の外観に影響は生じないので、鳴りの良さに加えて外観のよさを求める演奏者のニーズに応えることができる。このように、本実施形態によれば、発音体として機能する弦と弦を支持する胴とを有する楽器の外観に影響が生じることを回避しつつ、楽器の鳴りをよくすることが可能になる。
次に、本開示の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の楽器210において、第1実施形態と同じ構成については、第1実施形態と同じ符号を用い、その説明は省略する。また、楽器210においては、ヘッド、ネック、ブリッジ、弦、トレモロレバー、ピックアップ、ピックガード及び音量ボリュームは、第1実施形態と同じである。
本実施形態の胴11Dの表面には、2つの溝220、230が形成されている。2つの溝220、230は、弦の並ぶ方向、つまりX方向に直線状に延びている。溝220は、ブリッジ14から離間した位置に形成され、溝230は、溝220から離間した位置に、溝220と平行になるように形成されている。溝220のX方向の長さは、ブリッジ14のX方向の長さよりも長く、溝230のX方向の長さは、例えば、50mmから60mmであり、溝220のX方向の長さよりも長い。なお、溝220、230が延びる方向はX方向以外の方向でも良く、例えば、弦が延びる方向と交わる方向でも良い。また、溝220と溝230のX方向の長さは同じでも良いし、溝220のX方向の長さが、溝230のX方向の長さよりも長くても良い。
溝220、230は、直線状に延びる範囲にわたって幅及び深さが一定であり、溝220と溝230の幅及び深さは同じである。なお、溝220と溝230の幅及び深さのうちの少なくとも1つを互いに異なるものとしても良い。
また、溝220、230には、挿入部材225、235がそれぞれ挿入される。挿入部材225(第1部材の一例)は、図9に示すように、カーボンプレート226(第1剛性部の一例)、マホガニー材227(第2剛性部の一例)及びカーボンプレート228(第3剛性部の一例)有している。カーボンプレート226、228は、板状の炭素繊維強化プラスチック(CFRP:carbon fiber reinforced plastic)であり、マホガニー材227の表面及びこれと向かい合う裏面に、接着剤によって固定されている。また、挿入部材235(第1部材の一例)も同様に、板状の炭素繊維強化プラスチックのカーボンプレート236(第1剛性部の一例)、238(第3剛性部の一例)が、マホガニー材237(第2剛性部の一例)の表面及び裏面に、接着剤によって固定されている。挿入部材225、235の幅、長さ及び厚さ(溝220、230の深さ方向に対応する長さ)は、溝220、230の幅、長さ及び深さと略同じか、わずかに小さくなるように形成される。例えば、挿入部材235の長手方向の長さは、50mmから60mm程度であり、挿入部材225の長手方向の長さよりも長い。また、カーボンプレート226,228,236,238の厚さは、例えば2mmから3mmであり、マホガニー材227、237の厚さ(表面から裏面までの距離)は、例えば、30mm程度である。
図8及び図10に示すように、挿入部材225、235は、溝220、230に挿入され、挿入された部分が接着剤によって胴11Dに固定され、胴11Dと一体化される。すなわち、挿入部材225、235は、胴11Dの一部として、胴11Dと一体となって振動する。ここで、図10に示すように、挿入部材225、235が溝220、230に挿入され、胴11Dに固定された状態において、カーボンプレート226、236の表面が、溝220、230の深さ方向において、胴11Dの表面と同じ位置とされている。これにより、カーボンプレート226、236は、胴11Dの表面と一体的に振動することになる。また、カーボンプレート228、238は、溝220、230の深さ方向において、胴11Dの裏面と近い位置とされている。これにより、カーボンプレート228、238は、胴11Dの裏面と一体的に振動することになる。カーボンプレート226、228、236、238を構成する炭素繊維強化プラスチックは、胴11Dを構成する木材又は樹脂に比べて著しく剛性が高い特性を有している。従って、胴11Dにおいて、溝220、230が形成され、挿入部材225、235が配置された部分の剛性は、胴11Dにおける他の部分の剛性よりも高いものとなる。このように、胴11Dの一部の剛性を他の部分よりも高くすることにより、胴11Dの振動特性をコントロールすることができるため、発音体として機能する弦と弦を支持する胴とを有する楽器の鳴りを良くすることが可能となる。なお、胴11Dにおける溝220、230を形成する位置、溝の長さ、幅及び深さは、適宜変更することができる。また、カーボンプレート226、228のうちの一方だけを用いることも可能である。
また、本実施形態においては、挿入部材225、235の長さ、幅及び厚さを、溝220、230の長さ、幅及び深さと略同じか、わずかに小さいものとしたが、挿入部材を胴に一体化させ、胴の振動特性をコントロールすることが可能であれば、溝の長さ、幅及び深さに対して、挿入部材の長さ、幅及び深さを小さくすることも可能である。例えば、図8において、窪み部110C内に挿入部材を挿入し、窪み部110Cの底部に挿入部材を固定させて、胴の窪み部110Cの振動特定をコントロールしても良い。
また、挿入部材の長さ及び幅を、溝の長さ及び幅よりもわずかに大きく形成し、挿入部材を溝内に圧入させて、挿入部材を胴と一体化させても良い。
また、本実施形態においては、挿入部材を構成する素材として、カーボンプレート及びマホガニー材を用いたが、これに限られず、挿入部材の剛性が胴の剛性よりも高くなるような素材を選択することができる。例えば、挿入部材を構成する素材として、胴を構成する木材又は樹脂よりも剛性の高い金属等を用いることができる。
(B:その他の実施形態)
以上、本開示の一実施形態について説明したが、上記実施形態以外にも以下の実施形態が考えられる。(1)上記実施形態では、溝120および溝130は、ピックガード17を胴11に装着した状態において当該ピックガード17により覆い隠されるように設けられていた。しかし、溝120および溝130がピックガード17により覆い隠されることは必須ではない。ピックガード17を胴11に装着した状態において溝120或いは溝130の一部がピックガード17からはみ出して露出してもよい。胴11の平面形状の輪郭は溝120および130を設けない場合と同じであるため、溝120或いは溝130の一部または全部が露出していたとしても、胴11を有する楽器の外観に与える影響は小さいからである。
(2)上記実施形態における溝130の一端は窪み部110Bに達しており、他端は窪み部110Cに達していた。しかし、溝130の一端が窪み部110Bに達していることは必須ではなく、他端が窪み部110Cに達していることも必須ではない。溝120についても、その一端が溝130に達していること、すなわち溝130から分枝する溝であることは必須ではない。要は、溝を長くすることにより失われる角部100Rの質量と、角部100Rの剛性の引き下げ量(角部100Rの固有振動数の引き下げ量)とを考慮しつつ、胴11の左右方向の振動特性が揃うように溝120および溝130の長さを定めるようにすればよい。溝120および溝130の幅、溝120および溝130の深さについても同様である。また、溝120および溝130は直線状に延びていたが、曲線状に延びていてもよい。また、溝120および溝130の深さ或いは幅が一様である必要はなく、各々の延びる方向に沿って深さが変化してもよい。溝120および溝130の各々の形状、長さ、幅および深さは、胴11の左右方向の振動特性を揃えるという目的を達成できる範囲で任意である。
(3)上記実施形態の胴11には、非対称に突出する角部100Lおよび角部100Rのうちの剛性の高い方の根本付近に当該剛性の高い方の角部(固有振動数の高い方の角部)の突出方向に延びる溝120Aおよび溝120Bと当該突出方向と交わる方向に延びる溝130が設けられていた。しかし、溝120は1本であってもよく、また3本以上であってもよい。溝120の数が多いほど、角部の剛性の引き下げ量は大きくなるので、溝120の数を増やすことにより失われる角部の質量と、当該角部についての剛性の引き下げ量とを考慮しつつ、胴11の左右方向の振動特性が揃うように溝120の数を定めるようにすればよい。同様に複数本の溝130を剛性の高い方の角部の根本付近に設けてもよい。溝120および溝130の数は、胴11の左右方向の振動特性を揃えるという目的を達成できる範囲で任意である。
また、上記実施形態では、溝120と溝130の両方を剛性の高い方の角部の根本付近に設けたが、溝120と溝130の何れか一方を設けてもよい。また、剛性の高い方の角部の根本には溝120と溝130の両方を設け、剛性の低い方の角部の根本には溝120と溝130の何れか一方を設けるようにしてもよい。このような態様によれば、剛性の高い方の角部の根本のみに溝を設ける態様に比較して胴11の左右方向の振動特性の微調整が可能になる。要は、溝を設けることにより失われる角部の質量と、当該角部についての剛性の引き下げ量とを考慮しつつ、胴11の左右方向の振動特性が揃うように各角部の根本付近に設ける溝の種類および数、すなわち、溝の配置、を定めるようにすればよい。
(4)上記実施形態の胴11は、非対称に突出する2との角部を有していた。しかし、弦と、弦を支持する胴であって非対称に突出する角部を3つ以上有する胴と、を備えた楽器に本開示を適用してもよい。この場合、弦の延びる方向と交わる方向における当該胴全体の振動特性が揃うように、複数の角部のうち最も剛性の高い角部の根本付近に当該角部の剛性を引き下げるための溝を設けるとともに、1または複数の他の角部の根本付近にも当該他の角部の剛性を引き下げるための溝を設けてもよい。本態様によれば、弦と、弦を支持する胴であって非対称に突出する角部を3つ以上有する胴と、を備えた楽器の鳴りをよくすることが可能になる。
(5)上記実施形態では、弦の延びる方向と交わる方向における胴11の振動を調整するため、すなわち、弦の延びる方向と交わる方向における胴の局所的な剛性を調整するために、溝(換言すれば、溝状に延びる穴)を胴11に設けた。しかし、溝状に延びる穴に代えて、図7に示すように直線上に並ぶ複数の小穴150を設けることで胴11Cの局所的な剛性を調整してもよい。直線上に並ぶ複数の小穴を設けることによっても、質量の大幅な減少を避けつつ、胴11Cの局所的な剛性を引き下げることができると考えられるからである。要は、溝状に延びる穴であるか直線上に並ぶ複数の小穴であるかを問わず、弦の振動に応じて当該弦を支持する胴に発生する振動を調整するための穴を当該胴の一部に設けることで、弦の延びる方向と交わる方向における当該胴の振動を調整する態様であればよい。
(7)上記実施形態ではエレキギターへの本開示の適用例を説明したが、エレエレキベースへの適用も可能である。また、本開示の適用対象の楽器は、エレキギターやエレキベースなどの電子楽器には限定されず、琴などの電子楽器以外の楽器への適用も可能である。要は、発音体として機能する弦と弦を支持する胴とを有する楽器であれば、非対称に突出する複数の角部を有するか否かなど胴の形状を問わずに本開示の適用が可能である。発音体として機能する弦を支持する胴が木材など天然素材で形成されている場合には、対称形状に胴が形成されている場合であっても、素材の不均一さに起因して胴の剛性が不均一になり得るが、本開示を適用することで鳴りをよくすることができるからである。
10…楽器、11,11A、11B、11C…胴、12…ネック、13…ヘッド、14…ブリッジ、15…トレモロレバー、16…ピックアップ、17…ピックガード、18…音量ボリューム、100R、100L…角部、110A、110B、110C、140…窪み部、120,120A、120B、130…溝、150…小穴。

Claims (6)

  1. 複数の弦と、
    非対称に突出する複数の角部を有し、前記複数の弦を第1面で支持する胴と、を備え、
    前記胴の前記第1面には、幅及び深さが一定であって、直線状に延びる溝が形成され、
    前記溝は、前記複数の角部のうち他の角部よりも固有振動数が高い角部の固有振動数と、前記他の角部の固有振動数とが、同等になるように、前記胴の一部に形成される楽器。
  2. 前記溝は、前記複数の弦が延びる方向と交わる方向に直線状に延びる請求項1に記載の楽器。
  3. 前記溝は、前記複数の弦の延びる方向と交わる方向における前記胴の振動を調整するために設けられる請求項1又は2に記載の楽器。
  4. 前記溝は、記他の角部よりも固有振動数が高い角部の根本に設けられる請求項3に記載の楽器。
  5. 前記固有振動数が他の角部よりも高い角部の根本には、前記溝として、当該角部の突出方向に延びる溝と、当該突出方向と交わる方向に延びる溝の少なくとも一方が設けられる請求項4に記載の楽器。
  6. 前記胴の前記第1面をガードするガードをさらに備え、
    前記溝は、前記ガードが前記第1面に装着されている状態では、前記胴の前記一部であって、前記溝が前記ガードに覆い隠される位置に形成される請求項1又は2に記載の楽器
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