JP2685606B2 - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP2685606B2 JP1297353A JP29735389A JP2685606B2 JP 2685606 B2 JP2685606 B2 JP 2685606B2 JP 1297353 A JP1297353 A JP 1297353A JP 29735389 A JP29735389 A JP 29735389A JP 2685606 B2 JP2685606 B2 JP 2685606B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は多重式パルス変調インバータにおける出力電
圧の高調波を低減したインバータ装置に関する。
〔従来の技術〕
交流電動機の回転速度を制御する場合、PWMインバー
タ装置が用いられるが、従来のPWMインバータの出力電
圧は正,負の2レベルのため、出力電流に含まれる高調
波成分が大きい問題がある。
そこで、従来ではPWMインバータの出力電流に含まれ
る高調波成分を低減する方法として、アイ・イー・イー
・イー,ペスク88,レコード(1988年)第1255頁から第1
262頁(IEEE,PESC88,REORD(1988)pp1255−1262)に記
載のように、PWMインバータを直列に多重化してインバ
ータの出力電圧を正,0,負の3つのレベルにして高調波
成分を低減する方法が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は各相電圧の高調波成分を低減する反
面、線間電圧の高調波低減法として2種類の搬送波を利
用した二重変調方式が用いられているが、いずれも出力
電圧に高調波が多くなる問題があつた。
本発明の目的は上記問題に鑑み、多重式インバータの
線間出力電圧の高調波を低減し、高調波の少ない交流出
力を得るためのインバータ装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は負側にバイアスされた出力電圧指令と搬送
波信号とを比較する第1の比較器と、正側にバイアスさ
れた出力電圧指令と搬送波信号とを比較する第2の比較
器とを設け、第1と第2比較器の出力信号が正のときに
は多重式インバータの出力電圧が正,第1と第2の比較
器の出力信号が負のときには多重式インバータの出力電
圧が負、第1と第2の比較器の出力信号が異なるときに
は直列多重インバータの出力電圧が0となるように制御
することにより達成される。
〔作用〕
多重インバータ出力電流の高調波は、線間電圧に含ま
れる高調波の大きさに比例する。この線間電圧に含まれ
る高調波電圧の大きさは多重インバータの多相出力電圧
パルスの位相関係を変化させることにより変わる。した
がつて、直列多重インバータの線間電圧に含まれる高調
波電圧は、パルス幅変調方式により変化する。インバー
タの出力電圧指令を正側にバイアスしたものと搬送波信
号とを比較する第1の比較器と、出力電圧指令を負側に
バイアスしたものと搬送波信号とを比較する第2の比較
器とを設けて、各相出力電圧をパルス幅変調することに
よりインバータの線間電圧に含まれる高調波の大きさが
小さくなるように、同一搬送波信号を用いることによ
り、線間電圧に含まれる高調波の大きさを低減すること
ができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。こ
の図は直列多重式インバータを対象にしたものである。
第1図において、直列多重インバータ1は直流を正,0,
負の3レベルの交流電圧に変換し、交流電動機2に3相
の交流電圧を供給する。15は直流電源、16,17は平滑コ
ンデンサで、それらの端子の一方は直流電源15に接続さ
れ、また他方は相互接続されて、その接続点を直流電源
中性点として使用するものである。平滑コンデンサ16,1
7の出力にはインバータ回路が接続されている。このイ
ンバータ回路において、31〜34,41〜44,51〜54はゲート
ターンオフサイリスタ、35〜38,45〜48,55〜58はフライ
ホイルダイオード、39,40,49,50,59,60はゲートターン
オフサイリスタ32,42,52のアノード電位及びゲートター
ンオフサイリスタ33,43,53のカソード電位を直流電源中
性点電位にクランプするためのクランプダイオードであ
る。また、インバータの出力はゲートターンオフサイリ
スタ32と33,42と43,52と53の各相互接続点U,V,Wが各相
の出力端子となり交流電動機2に接続されている。
次に、本発明に関するPWM変調方式の構成と動作を説
明する。なお、実施例ではU相についてのみ示すが、V,
W相についても同様の構成と動作を行う。3はパルス幅
変調波制御のための搬送波信号SH*を発生する発振器、
6,7は発振器3の搬送波信号SH*の最大値の− 1/2及び1
/2のバのバイアス信号を与えるための定数器、4,5は定
数器6,7の信号とU相の出力電圧指令信号VU*を加算
し、負側には所定値バイアスされた出力電圧指令信号V
U1*と正側に所定値バイアスされた出力電圧指令信号V
U2*を出力し、比較器8,9に加える。8,9は出力電圧指令
信号VU1*,VU2*と搬送波信号SH*とを比較し、インバ
ータ1を構成するスイツチング素子31〜34をオン,オフ
するためのパルス幅変調信号(PWMパルス)を発生す
る。10,11は否定回路である。
この実施例の基本動作は以下の通りである。ゲートタ
ーンオフサイリスタ31と33及び32と34は各々が互いに逆
の関係でオン,オフするように動作する。すなわち、31
がオンのとき、33はオフ、逆に31がオフのときは33がオ
ン、また32がオンのときは34がオフ、逆に32がオフのと
きは34がオン動作を行う。ゲートターンオフサイリスタ
31と32がオンの状態のとき+E、また、32と33がオン状
態のとき0、さらに33と34がオン状態のとき−Eの出力
電圧が得られる。この結果、出力端子Uの電圧は+E,0,
−Eの間で変化し、インバータ出力相電圧の高調波含有
率が低減される。しかし、問題となる出力電流高調波に
関するものは線間電圧高調波でありその低減が課題であ
るが、従来のパルス幅変調方式ではいずれも線間電圧に
含まれる高調波成分が多く含まれる問題がある。
そこで、本発明では第1図に示すようなパルス幅変調
方式として、直列多重インバータの線間電圧の高調波含
有率を低減するようにしている。第1図の本発明では加
算器4,5の入力信号である出力電圧指令信号を負側及び
正側にそれぞれバイアスして加算するようにし、第3図
の比較器8,9の出力信号H1,H2に応じてゲートターンオフ
サイリスタ31〜34をオン,オフ制御することにより達成
できる。第2図において、信号H1,H2が“1"は出力電圧
指令VU1*,VU2*が搬送波信号に比例して大きい場合を
表わし、“0"はその逆を表わす。第1図の実施例ではH1
=1でかつH2=0というモードは発生しない。
第3図は第1図に示す本発明のパルス幅変調方式によ
る直列多重インバータ出力の電圧指令XU1*,VU2*、相
電圧VU、線間電圧VU-Vの動作波形である。本発明のパル
ス幅変調方式により、線間電圧に含まれる±2Eで変化す
る高調波成分をなくすることができる。ここに、2Eは直
流電源15の電圧である。
第4図は本発明の第2の実施例である。第1図の第1
実施例と同一物には同じ番号を付しているので説明を省
略する。第2実施例が第1実施例と異なる点はインバー
タに並列多重インバータを適用したところにある。第4
図において、並列多重インバータ60は直流電圧を正,0,
負の3つのレベルの交流電圧に変換し、交流電動機2に
3相の交流電圧を供給する。並列多重インバータ60は直
流電源61,62と平滑コンデンサ63とインバータ64,65及び
中間タツプ付直流リアクトル66U,66V,66Wから構成され
る。平滑コンデンサ63は直流電源61,62を直列接続した
ものに並列接続され、直流電源61と62の接続点が接地さ
れる。インバータ64,65はグレーツ結線されたゲートタ
ーンオフサイリスタS1U〜S4Wとそれらに逆並列接続され
た帰還ダイオードD1U〜D4Wとから構成される。インバー
タ64とインバータ65の各相U,V,Wの交流出力端は各々中
間タツプ付直流リアクトル66U,66V,66Wの両端に接続さ
れている。直流リアクトル66U,66V,66Wの中間タツプに
は交流電動機2が接続される。多重インバータに並列多
重インバータ60を適用した場合、インバータ64,65は直
列接続された多重インバータと同様に考えることができ
る。したがつて、本発明のパルス幅変調方式を適用した
場合、前述と同様に線間電圧に含まれる高調波成分を低
減することができる。なお、第1実施例及び第2実施例
ではインバータのスイツチング素子としてゲートターン
オフサイリスタ(GTO)を用いた場合について説明した
が、バイポーラトランジスタ、MOSFET,IGBT,SIトランジ
スタなどの自己消弧素子を用いたインバータ、あるいは
サイリスタを用いたインバータに適用可能である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、直列多重インバータの線間出力電圧
の高調波を低減できるので高調波の少ない交流電流を負
荷に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成図、第2図は本発
明の第1,第2比較器の出力信号とインバータ出力電圧の
関係図、第3図は本発明の直列多重インバータの出力電
圧波形図、第4図は本発明の他の実施例を示す構成図で
ある。 1……直列多重インバータ、2……交流電動機、3……
発振器、8,9……比較器、10,11……否定回路、15……直
流電源、16,17……平滑コンデンサ、31〜34,41〜44,51
〜54……ゲートターンオフサイリスタ。
フロントページの続き (72)発明者 戸張 和明 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 神山 健三 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (56)参考文献 特開 平3−36964(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流電源及び直流回路のリプル電流を吸収
    するための平滑コンデンサにより構成され、中性点出力
    を有する直流回路と、第1から第4の4つのスイツチン
    グ素子が直列接続されて前記直流回路の端子に接続さ
    れ、かつ、第2および第3の素子の相互接続点にインバ
    ータ出力端子に接続され、またこれら第1,第2の相互接
    続点と第3,第4の接続点は前記直流回路の中性点とダイ
    オードを介して接続されることにより構成され、インバ
    ータの各相出力電圧指令に応じてパルス幅変調制御され
    る直列多重インバータにおいて、前記出力電圧指令を負
    側及び正側に所定値バイアスし、搬送波信号を加え前記
    負側にバイアスされた出力電圧指令と搬送波信号とを比
    較する第1の比較器と、前記正側にバイアスされた出力
    電圧指令と搬送波信号とを比較する第2の比較器とを備
    え、第1と第2の比較器の出力信号が1のときには前記
    直列インバータの出力電圧を正、第1と第2の比較器の
    出力信号が0のときには該出力電圧を負、第1と第2の
    比較器の出力信号が異なるときには該出力電圧を0とす
    るように制御することを特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】直流電源及びインバータ出力を多重化する
    ための直流リアクトルより構成され、インバータの各相
    出力電圧指令に応じてパルス幅変調制御する並列多重イ
    ンバータにおいて、前記出力電圧指令を負側及び正側に
    所定値バイアスし、搬送波信号を加え全基前記負布側に
    バイアスされた出力電圧指令と搬送波信号とを比較する
    第1の比較器と、前記正側にバイアスされた出力電圧指
    令と搬送波信号とを比較する第2の比較器ときを備え、
    第1と第2の比較器の出力信号が1のときには前記並列
    インバータの出力電圧を正、第1と第2の比較器の出力
    信号が0のときには該出力電圧を負、第1と第2の比較
    器の出力信号が異なるときには該出力電圧を0とするよ
    うに制御することを特徴とするインバータ装置。
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JP2696010B2 (ja) * 1991-07-04 1998-01-14 三菱電機株式会社 並列多重インバータ装置のパルス幅変調方式
JP2915668B2 (ja) * 1992-01-08 1999-07-05 三菱電機株式会社 インバータ装置の制御装置
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