JP2685014B2 - 高周波増幅器 - Google Patents

高周波増幅器

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JP2685014B2 JP7040170A JP4017095A JP2685014B2 JP 2685014 B2 JP2685014 B2 JP 2685014B2 JP 7040170 A JP7040170 A JP 7040170A JP 4017095 A JP4017095 A JP 4017095A JP 2685014 B2 JP2685014 B2 JP 2685014B2
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  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、GaAs SBG F
ET(ガリウム砒素 ショットキ・バリア・ゲート型F
ET。以後、単にGaAsFETと記す)のようなマイ
クロ波帯トランジスタを用いた高周波増幅器に関し、特
に、例えばPHS(パーソナル・ハンディフォン・シス
テム:Personal Handyーphone S
ystem)など、L〜S帯の移動体通信システム用携
帯機の受信フロントエンド部に用いて好適な、AGC機
能付きの高周波増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波帯信号のような高周波信号を
低雑音で増幅するための増幅器に用いる素子としては、
高速性と低雑音性とから、主に、GaAsFETが用い
られている。この種のGaAsFET増幅器が用いられ
るL〜S帯移動体通信システム用携帯機の受信フロント
エンド部の一例のブロック図を、図3に示す。図3を参
照して、アンテナ1から入力された受信信号はバンドパ
スフィルタ2を通り、低雑音増幅器3で電力増幅され
る。この増幅器3が、本発明の対象となる部分である。
増幅器3の出力は更にバンドパスフィルタ4を通った
後、ミキサ5で局部発振器(図示せず)からのローカル
・オシレータ信号LOと混合され、中間周波信号IFに
変換されて次段(図示せず)に送られる。
【0003】ここで、上述の増幅器3を構成するGaA
sFETにおける直流ゲートバイアス電圧は、従来、あ
る一定値に固定されているのが一般的であった。このた
め、増幅器3のNFやゲイン特性は、ある一定値で変化
しない。ところが移動体通信では、基地局と携帯機との
距離や周囲の環境等に応じて、携帯機のアンテナ1から
入力される受信信号のレベルが大きく変化する。従って
場合によっては受信信号が過入力となりミキサ5が飽和
し、受信信号を復調して情報を取り出すことが不可能と
なることがある。このような事態に対処するため、通
常、増幅器3のゲインをあるレベル以下に抑え、受信信
号レベルが過入力となったときにもミキサ5が飽和しな
いように設計する。しかしながらこのようにすると、逆
に、受信信号レベルが低いときの受信感度が低下してし
まうという問題が生じる。
【0004】そこで、増幅器3のGaAsFETに供給
するゲートバイアス電圧を外部の回路により制御し、自
動的にゲインを変化させるように構成した、AGC機能
付き増幅器が提案された。図4に、そのような増幅器の
一例として、実開平1ー160709号公報に開示され
た増幅器のブロック図を示す。図4を参照して、この図
に示される増幅器では、GaAsFET増幅器14の出
力レベルを検出回路16により検出する。そして検出さ
れたレベルと基準電圧とを比較回路(演算増幅器18と
電圧発生回路19とからなる)で比較し、その比較結果
に応じて、D/Dコンバータ17でGaAsFETのゲ
ートバイアス電圧を変化させることにより、増幅器14
の出力電力量Pout を制御している。つまり、上記公報
記載のAGC機能付き増幅器において出力電力量Pout
は、高周波入力信号の入力電力量Pinによって直接にで
はなく、増幅器の出力レベル検出というプロセスを介し
て間接的に制御されていることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報記載のAGC
機能付きGaAsFET増幅器を、例えば、図3に示す
L〜S帯移動体通信用携帯機の受信フロントエンド部に
適用しようとすると、増幅器14の出力レベルを検出す
るために、検出回路16、オフセット電圧発生回路1
9、演算増幅器18など、周辺部品や回路が多数必要と
なる。又、検出した出力レベルに応じてGaAsFET
のゲートバイアス電圧を変化させるために、ゲートバイ
アス電圧のレベルを決めるプログラムや、そのプログラ
ムに応じて実際にゲートバイアス電圧を供給するための
D/Dコンバータ17など、余分なソフトや回路が必要
になる。更に、図示はされていないが、信号ライン上
に、増幅器の出力レベルを検出するためのカプラ(方向
性結合器)或いは検波用のダイオードが必要となる。す
なわち、部品の管理工数、組み立て工数の増加などによ
るコスト上昇のみならず、実装面積が大きくなり、又、
これらの影響により損失が生じるという問題がある。
【0006】携帯電話やデジタルコードレス等のセット
では、小型化、低消費電力化、低コスト化といった様々
な制約が厳しく、上記公報記載の増幅器実用化に伴って
生じる、使用部品、回路点数の増加、それに伴う消費電
力の増大、実装面積の増加、コスト上昇は許されること
ではない。
【0007】本発明の高周波増幅器は、GaAsショッ
トキ・バリア・ゲート型FETのような障壁ゲート型の
高周波電界効果型トランジスタを増幅素子として用い
て、前記トランジスタのゲート電極に入力される高周波
信号を電力増幅する高周波増幅器において、過入力電力
時の増幅利得を、前記ゲート電極に入力される高周波信
号自体によって直接、低下させる手段を設けたことを
徴とする。
【0008】上記の高周波増幅器において、前記過入力
電力時の増幅利得の低下は、前記高周波入力信号の電圧
振幅により前記トランジスタの実効的なゲートバイアス
電圧を変化させることによるものであることを特徴とす
る。
【0009】そして、前記高周波入力信号の電圧振幅に
よる実効的ゲートバイアス電圧の変化が、入力信号に応
じて前記障壁ゲートを通して流れる逆方向ゲート電流の
大きさの、入力信号電圧の極性に対する非対称性に基づ
くものであることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明の高周波増幅器では、増幅素子としての
障壁ゲート型FETのゲート電流ー電圧特性曲線の勾配
が、逆方向領域で、ゲート・ソース間電圧(ダイオード
のアノード・カソード間電圧に相当する)の或る値を境
にして、非対称であることを利用する。すなわち、FE
Tのゲート・ソース間電圧を高周波入力信号により、上
記のゲート電流ー電圧特性中の変化点を中心にして+方
向と−方向に均等にスイングさせると、逆方向ゲート電
流は、もともとの電流に電流変化率の大きい方の分が差
として加わったものとなり、変化する。その変化の方向
は、(チャネルからゲート障壁を越えてゲート電極に向
う)逆方向ゲート電流を減少させる方向である。本発明
においては、この逆方向ゲート電流の減少により、FE
Tのゲート電圧を決める抵抗に流れる電流が減少する。
その結果、FETの実効的なゲートバイアス電圧が負方
向に深くなり、ドレイン・ソース間電流が減少して、増
幅器としてのゲインが自動的に低下する。
【0011】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例について、図面
を参照して説明する。図1(a)は、本発明の一実施例
の回路図である。同図を参照すると、本実施例の高周波
増幅器は、縦列2段のGaAsFET増幅段で構成され
ている。初段増幅段を構成するGaAsFETQ1 は、
nチャネル、ディプリーション型のFETである。ドレ
イン電極は負荷抵抗RL1を介して電源電圧供給線(電圧
DD=5.8V)6に接続され、ソース電極はグランド
ライン(基準電位)7に接続されている。ゲート電極に
は、グランドライン7とゲート電圧供給線(電圧VGG
−3.0V)8との間を直列接続の2つの抵抗RG1,R
G2で抵抗分割して得られる直流バイアス電圧が与えられ
ている。終段増幅段も、増幅素子としてのGaAsFE
TQ2と、負荷抵抗RL2と、ゲートバイアス回路を構成
する直列接続の2つの抵抗RG3,RG4とからなる。FE
TQ2 もnチャネル、ディプリーション型である。上記
の回路素子は、初段増幅段におけると同様に接続されて
いる。初段増幅段と終段増幅段とは、L成分を持つマイ
クロストリップラインにより容量を介して接続されてい
る。尚、本実施例は縦列2段の増幅段で構成されている
が、図1(a)に示す回路図から明かなように、終段増
幅段は初段増幅段と同一構成である。この増幅段は、全
体としての増幅率の調整や出力インピーダンス調整のた
めの出力段として用いられている。従って、本発明が2
段構成である必然性は特にはなく、初段または終段だけ
の1段構成の増幅器であっても、本発明の作用、効果は
得られる。この理由により、以後の説明は主に初段の増
幅段について行う。
【0012】以下に、本実施例の動作を説明する。図1
において、例えばいま、RG1=2kΩ、RG2=1kΩ、
G3=RG4=3kΩとし、VGG=−3.0Vとする。こ
のとき、初段増幅段では、抵抗RG2をゲート電圧供給線
8からグランドライン7方向に流れる電流IR2は、IR2
=−1.0mAであり、初段GaAsFETQ1 のゲー
ト電極には、ゲートバイアス電圧VG1=−2.0Vが掛
かっている。但しこの場合、後述するように、FETQ
1 のゲート部のショットキ・バリア・ダイオードには逆
方向ゲート電流、つまりゲート電極側から抵抗RG1,R
G2の直列接続点方向の電流が流れているが、ここではそ
の逆方向ゲート電流は無視している。同様に、終段増幅
段では、抵抗RG4をゲート電圧供給線8側からグランド
ライン7方向に電流IR4=−0.5mAが流れており、
この電流IR4によって終段GaAsFETQ2 のゲート
電極には、直流ゲートバイアス電圧VG2=−1.5Vが
掛かっている。
【0013】この状態で、FETQ1 のゲート電極に入
力信号が入力された場合を考える。始めに、図1(b)
に、GaAsFETQ1 のゲート電流IGS(ショットキ
・バリアを通してゲート電極側からチャネルに流れ込む
方向を正とする)のゲート・ソース間電圧VGS(ゲート
電極側からソース電極への方向を正とする)依存性を示
す。但し同図は、逆方向電流側の縦軸を、順方向電流側
の縦軸に対して拡大して示してある。図1(b)を参照
すると、逆方向電流の場合、VGS≒−2.0V付近で電
流曲線の勾配が大きく変化している。すなわち、逆方向
ゲート電圧VGSが(絶対値で)大きい領域での勾配は緩
やかであり、これに対し、逆方向ゲート電圧が小さい領
域での勾配は、急である。この現象は、本発明に特有な
ものではなく、ショットキ・バリア・ダイオードの電流
ー電圧特性について、一般に言えることである。ここ
で、高周波入力信号を入力する。つまり、図1(b)中
に示すように、FETQ1 のゲート・ソース間電圧をV
GS=−2.0Vを中心として増減させると、電圧VGS
変化により、抵抗RG2を流れる電流IR2が変化する。そ
の場合、ゲート・ソース間電圧VGSは−2.0Vを中心
にして+方向と−方向に均等にスイングするのである
が、ゲート電流IGSがゲート・ソース間電圧VGSに対し
て非対称な変化をするので、電流変化の大きい方の分が
差として表れ、ゲート電流IGSは平均的には電流変化率
の大きい方に偏る。この場合は、負方向のゲート電流が
減少する。つまり、高周波信号を入力することによっ
て、ゲート電極から抵抗RG1,RG2の直列接続点へ流れ
込む電流が減少する。その結果、抵抗RG2を流れる電流
が減少し、2つの抵抗RG1,RG2の接続点の電圧、すな
わちFETQ1 のゲート電圧がゲート電圧供給線8の電
圧(=−3.0V)に近付く。このようにしてゲート電
圧がより深い方向に変動することにより、ゲート電極下
の空乏層がそれまでよりもチャネル中に広がってゆき、
ドレイン・ソース間電流が減少して増幅率が低下する。
ここで、図1(b)のゲート電流ー電圧特性から明かな
ように、上記の高周波信号の入力によるゲート電圧のマ
イナス方向への移動、増幅率の低下は、高周波入力信号
の振幅、換言すれば入力信号の電力が大きいほど、大き
い。
【0014】本実施例において、図1(a)中の前段の
増幅器(FETQ1 を増幅素子とする)について、ドレ
イン電極への電源電圧VDD=5.8V、ゲート電圧供給
線8の電圧VGG=−3.0Vとしたときの、高周波信号
(周波数f=1.9GHz)の入力電力Pinと、増幅信
号の出力電力Pout 、ゲインGP 及び抵抗RG2を流れる
電流IR2との関係を、図2に示す。図2を参照して、入
力電力Pinが小さく−20〜−15dBmの範囲にある
ときは、電流IR2=−1.0mAとほぼ一定である。出
力電力Pout は入力電力Pinに比例して増加し、従っ
て、ゲインGP は13dB一定である。入力電力Pin
増加すると、Pin=−14dBm近辺から電流IR2
(絶対値で)減少し始め、入力電力Pin=−9dBmの
とき、IR2=−0.7mAとなった。このとき、FET
1 のゲート電圧VGS=−2.3Vであった。電流IR2
の減少に伴なって出力電力Pout 、ゲインGP とも減少
し、近飽和点すなわち電流IR2=−0.7mAでゲート
電圧VGS=−2.3Vのとき、ゲインGP が6〜7dB
低下することが確認された。
【0015】以上の動作説明から分かるように、本発明
の増幅器においては、増幅器のゲインGP は出力電力P
out によって間接的に制御されるのではなく、入力電力
inによって直接制御される。これは、本発明における
増幅素子が、GaAsFETのような、ショットキ・バ
リア・ゲート型FETであることによる。SBGFET
では、MOSFETにおけるゲート容量の充・放電電流
とは異って、ゲート電圧に応じて障壁を通ってゲート電
流が流れる。このゲート電流に関して言えば、従来の増
幅器ではGaAsFETを用いるものであっても、ゲー
トバイアス回路に例えば数十kΩというような大きな抵
抗を用いて、ゲート電流を殆ど流さないようにしてい
る。このような構成の場合、入力電力量が増加してもゲ
ート電圧は殆んど変らないので、近飽和点でのゲインの
低下はたかだか1dB程度でしかない。一方、ゲイン調
節のためにバイアスポイントを変えるには、前述の公報
記載の増幅器におけるように、ゲートバイアス用電源回
路(本実施例におけるゲート電圧供給線8に相当する)
の出力電圧そのものを変化させるようにせざるを得な
い。これに対し本発明は、逆方向ゲート電流が流れるこ
とを積極的に利用している。すなわち、逆方向ゲート電
流の電流ー電圧特性が直流的なバイアスポイントに対し
て非対称であることに着目し、その特性の変化点近辺に
直流バイアスポイントを決めている。その直流バイアス
ポイントの設定には、2つの抵抗RG1,RG2の抵抗分割
回路を用いる。このような構成によれば、直流バイアス
ポイントは、2つの抵抗値の比だけによって決定でき
る。一方、高周波信号入力によるゲインの低下量は、抵
抗の絶対値によって決められる。本発明において、入力
電力PinによるゲインGP の直接制御には、直流バイア
ス電圧と、ゲートバイアス回路の抵抗RG2の絶対値とが
独立して選択できることが必要であるが、抵抗分割によ
るバイアス回路がこのことを可能にしている。
【0016】本実施例の増幅器を、国内のデジタルコー
ドレスシステムであるPHS(f=1.9GHz)に適
用するものとし、図3に示すブロック図で、バンドパス
フィルタ2,4のロスを2dB、ミキサ5は、インター
セプト・ポイント(Intercept Poit:3
次の高調波歪IM3 と出力Pout のレベルとが同じにな
るポイント)IP3 =0dBm、NF=12dBとし、
増幅器3には本実施例を用い、ミキサ5のオーバーロー
ドを防ぐため、ゲイン=15dB、NF=2dBとし
て、フロントエンド部の特性を計算すると、トータルN
F=6dB、ミキサ前迄で11dBのゲインとなる。本
実施例の増幅器によれば、図2から、ゲート電圧の−方
向への変化が0.3Vを越えるような過入力時に、約1
0dB程度のゲイン低下が期待できるので、通常時のゲ
インを25dB程度にまで持ち上げることができる。こ
のとき、フロントエンドの特性も、トータルNF=5d
B、ミキサ前迄で21dBのゲインとなり、特性が向上
する。これによって、受信信号レベルが弱い時の受信感
度を向上させることができるので、従来のセットに比べ
受信のダイナミックレンジが10〜15dB程度広くな
る。又、その際に特別な制御システムや回路等は必要な
いので、部品点数やセットの実装面積を増やすことな
く、セットの特性向上を実現可能である。
【0017】本実施例において抵抗RG1,RG2の抵抗値
は、GaAsFETQ1 のピンチオフ電圧や、ゲート電
流ー電圧特性あるいは耐圧などの直流特性と、使用周波
数、必要な出力電力量Pout 、ゲインGP 或いは外付け
回路の構成などのような交流特性とを考慮して、最適な
値に設定する。又、後段GaAsFETQ2 のゲート抵
抗RG3,RG4の抵抗値を、抵抗RG1,RG2の抵抗値の2
倍程度以上に選び、前段増幅段の抵抗RG2を流れる電流
R2に比べ終段増幅段の抵抗RG4を流れる電流IR4の方
が小さくなるように設定すると、終段FETQ2 のアイ
ドル電流がほとんど変動しないので、出力側のインピー
ダンスは変動せず、次段のミキサへの影響をほとんど無
視できるようになるので好都合であるが、勿論、必要に
応じて他の抵抗値に設定しても構わない。
【0018】尚、本実施例では 増幅素子としてGaA
s SBGFETを用いた例について述べたが、増幅素
子はこれに限らず、障壁ゲート型のFETであれば他の
構造のFETであっても、良い。そのような素子として
は、例えば、異る半導体どうしを接合させたヘテロ接合
ゲート構造のFETや、シリコンのSBGFETが挙ら
れる。更には、pn接合ゲート構造のFETであって
も、良い。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による増幅
器は、GaAsFETのような、ゲート部にショットキ
・バリアやヘテロ接合、あるいはpn接合などの障壁を
持つ構造のFETを増幅素子とする増幅器において、ゲ
ート障壁を通して流れる逆方向電流がゲートの直流バイ
アスポイントに対して非対称な挙動を示すことを利用し
て障壁ゲートに電流を流すことにより、入力電力によっ
てゲインを直接制御し、過入力時のゲインを自動的に低
下させるように構成している。
【0020】これにより本発明によれば、出力電力を監
視し、その監視結果に応じてゲート電圧を変化させると
いう従来の増幅器に比べ、簡単な回路構成で、過入力時
のゲインを低下させることが可能である。
【0021】本発明による増幅器は、従来の増幅器とは
異って、ゲイン制御のための周辺部品や制御プログラム
を特には必要としないので、従来の増幅器に比べて実装
面積の点で優れ、又、製造時の部品管理工数、組立工数
の削減など、製造コスト削減が可能である。
【0022】本発明において、特にGaAsFETのよ
うなマイクロ波帯トランジスタを増幅素子として用いた
ものは、例えばPHSなど、小型性、低コスト性が重視
されるL〜S帯の移動体通信システム用携帯機の受信フ
ロントエンド部に用いると、その効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の回路図および、これに用い
たGaAsFETのショットキ・バリア・ゲートの電流
ー電圧特性を示す図である。
【図2】図1に示す回路における初段増幅段の特性を示
す図である。
【図3】PHSの受信フロントエンド部のブロック図で
ある。
【図4】従来の増幅器の一例のブロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ 2,4 バンドパスフィルタ 3 増幅器 5 ミキサ 6 電源電圧供給線 7 グランドライン 8 ゲート電圧供給線 12 電源回路 14 増幅器 15 電源回路 16 検出回路 17 D/Dコンバータ 18 演算増幅器 19 電圧発生回路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAsショットキ・バリア・ゲート型
    FETのような障壁ゲート型の高周波電界効果型トラン
    ジスタを増幅素子として用いて、前記トランジスタのゲ
    ート電極に入力される高周波信号を電力増幅する高周波
    増幅器において、 過入力電力時の増幅利得を、前記ゲート電極に入力され
    る高周波信号自体によって直接、低下させる手段を設け
    たことを特徴とする高周波増幅器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高周波増幅器において、 前記過入力電力時の増幅利得の低下が、前記高周波入力
    信号の電圧振幅により前記トランジスタの実効的なゲー
    トバイアス電圧を変化させることによるものであること
    を特徴とする高周波増幅器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の高周波増幅器において、 前記高周波入力信号の電圧振幅による実効的ゲートバイ
    アス電圧の変化が、入力信号に応じて前記障壁ゲートを
    通して流れる逆方向ゲート電流の大きさの、入力信号電
    圧の極性に対する非対称性に基づくものであることを特
    徴とする高周波増幅器。
  4. 【請求項4】 GaAsショットキ・バリア・ゲート型
    FETのような障壁ゲート型で、nチャネル、ディプリ
    ーション型の高周波電界効果型トランジスタと、 与えられた負の直流電圧を抵抗分割して所定の負直流電
    圧を出力する直列接続の2つの抵抗とを少なくとも含
    み、 前記2つの抵抗の直列接続点からの負直流電圧を前記ト
    ランジスタの直流ゲートバイアス電圧として与え、外部
    からの高周波信号を前記トランジスタのゲート入力と
    し、前記トランジスタのドレイン出力を増幅出力として
    取り出すように構成し、前記トランジスタの直流ゲートバイアス電圧を、ゲート
    ・ソース間電圧が、障壁ゲートの電流・電圧特性におけ
    る逆方向電流の勾配の変化点近傍の電圧に設定した こと
    を特徴とする高周波増幅器。
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