JP2684920B2 - 半導体装置の樹脂封止金型及び製造方法 - Google Patents

半導体装置の樹脂封止金型及び製造方法

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JP2684920B2 JP10717492A JP10717492A JP2684920B2 JP 2684920 B2 JP2684920 B2 JP 2684920B2 JP 10717492 A JP10717492 A JP 10717492A JP 10717492 A JP10717492 A JP 10717492A JP 2684920 B2 JP2684920 B2 JP 2684920B2
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  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置のリードフ
レームに搭載された半導体素子を樹脂封止する封止金型
及び半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4はリードフレームに半導体素子がダ
イボンディングされ、半導体素子とリードフレームのイ
ンナーリードを結線したようすを示す平面図である。
又、図5は従来の半導体素子を樹脂封止する金型の斜視
図である。
【0003】図4において、半導体素子1はリードフレ
ーム2に通常Ag(銀)ペースト等の樹脂で固着され
る。Agペースト等の樹脂を加熱硬化した後、半導体素
子1のボンディングパッドとリードフレーム2のインナ
ーリード3とをAu等の金属細線4で結線する。又、リ
ードフレーム2はガイドホール5が形成されている。こ
のリードフレーム組立体を、図5に示す上金型6と下金
型7を開き、リードフレーム2のガイドホール5を金型
に設置された位置決めピン8にかん合させることで位置
合せを行う。位置合せ後、下金型6と上金型7を閉じ
る。次に樹脂の粉体をタブレット状に加工した封止樹脂
9を封止金型のポット部10に挿入し、図示しないプレ
ス機でプランジャー11を下方に移動させる。封止樹脂
9は熱硬化樹脂が一般的である。封止金型はヒーター1
2で180℃近辺に加熱されているので、封止樹脂9は
一旦溶融する。溶融した封止樹脂9は流路であるランナ
ー部13を流れ、ランナー部13に設けられたゲート部
14を通過し、上下金型6,7で形成されるキャビティ
ー部15に流れ込む。封止樹脂9の充填が完了すると数
分後に封止樹脂9は硬化し、上下金型6,7を開口しリ
ードフレーム2が取り出され封止が完了する。
【0004】尚、その後リードフレーム2の不要な部分
を除去し半田めっきや捺印が施こされ半導体装置の完成
品となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術の問題を
図6を用いて説明する。図6(a)は平断面図、図6
(b)は図6(a)のC−C部の縦断面図である。
【0006】半導体素子の封止金型及び封止方法の場
合、上金型のキャビティと下金型のキャビティの深さが
同等でないものは封止樹脂の上金型のキャビティと下金
型のキャビティの流動速度の差異により、金型中の空気
を巻き込みボイド不良が発生する問題点がある。
【0007】仮に、上金型のキャビティ深さが極端に深
く、下金型のキャビティ深さが極端に浅い場合、すなわ
ちリードフレーム2上の半導体素子1と上金型の上側の
底面との距離がリードフレーム2と下金型の下側の底面
との距離に比べて非常に大きい場合、溶融した樹脂は、
上金型のキャビティの流れ19が下金型のキャビティの
流れ18に比較して速く流れる。このため、ゲート部の
対辺に流れた上金型内の封止樹脂は下金型内に流れ込み
下金型内の樹脂に接することになる。この時金型内の残
留した空気によりボイド20が下金型のキャビティに発
生する問題が生じる。
【0008】特に、近年ではメモリカードはどの用途か
ら厚さが1.27mm(最大)であるメモリ素子系では
TSOP(Thin Small Outline P
ackage),ゲートアレイ素子系ではTQFP(T
hin Quad FlatPackage)と呼ばれ
る超小型薄型パッケージが出現している。
【0009】これらの超小型薄型パッケージは上金型の
キャビティ深さが0.5〜0.7mm程度,下金型のキ
ャビティ深さが0.3〜0.6mm程度であるのが、パ
ッケージの薄さに加え、これらのパッケージは表面実装
型であることからIRリフロー,VPSなどの自動ライ
ンで実装が行われる。両者の実装方式もパッケージ全体
が加熱されるためパッケージ内に発生する熱応力は大き
い。
【0010】特に半導体素子サイズが大きくかつ樹脂が
吸湿している状態ではダイパッド裏面と樹脂間の水分の
気化による水蒸気圧により実装時に界面剥離が生じ封止
樹脂にクラックが発生することがある。このクラックの
耐性を向上させるにはダイパッド裏面の樹脂厚を厚くす
ることが有望であるが前述した上金型のキャビティと下
金型のキャビティの封止樹脂の流動の速さの相違からボ
イドが発生する問題が生じる。
【0011】逆に、これらの超小型薄型パッケージの場
合、上金型のキャビティ深さが0.5〜0.7mm程度
と薄いため、金属細線の線径の違いやワイヤボンディン
グ装置の違いによっては金属細線が封止樹脂表面から露
出する問題がある。
【0012】この問題を回避するためには上金型のキャ
ビティを深くする必要がある。しかし前述したように、
この場合は上金型側にボイドが発生する問題点がある。
このように自由に上下金型のキャビティ深さを決定する
ことができないという問題が近年のパッケージには生じ
ている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の封止金型は、封
止樹脂を加圧するプランジャーと、封止樹脂を挿入する
カル部と、封止樹脂の流路であるランナー部と、半導体
装置の外形を決定する上金型と下金型のキャビティ部
と、金型を高温保持するヒーター部とを有する樹脂封止
金型であり、キャビティ部の底面の面が、その面に平行
に移動可能である特徴を備えている。
【0014】また、上記金型において封止樹脂のキャビ
ティ充填中に封止樹脂の流れの遅い方の金型のキャビテ
ィ部の底面を封止樹脂の充填方向に沿って移動させる
か、または、流れの速い方の金型のキャビティ部の底面
を封止樹脂の流動方向とは逆に移動させながら、封止樹
脂の充填を行う。
【0015】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。図1は本発明の第1の実施例を示す斜視図である。
図2は図1のA−A部の断面を拡大して示した断面図で
ある。
【0016】従来技術の場合と同様に、ヒーター12を
それぞれ有した上金型6と下金型7を開口し半導体素子
が搭載されたリードフレームのガイドホールを金型に設
置された位置決めピン8にかん合させる。位置決め後、
下金型6と上金型7をクランプし、次に樹脂の粉体をタ
ブレット状に加工した封止樹脂9を封止金型のポッド部
10に挿入し、図示しないプレス機でプランジャー11
を下方に移動させる。同時に封止樹脂9は溶融する。溶
融した封止樹脂9は流路であるランナー部13を流れラ
ンナー部13に設けられたゲート部14を通過しキャビ
ティ部15に流れ込む。
【0017】しかしながら、図6に示したように上金型
のキャビティ部と下金型のキャビティ部の深さが極端に
異なる場合は深いキャビティの樹脂の流動19の方が浅
いキャビティの樹脂の流動18に比較して速いので、金
型内の空気20を巻き込みボイド不良が発生する。これ
に対応するため図2に示すように本発明の第1の実施例
では、リードフレームを載置する下金型7の全底面を移
動部分16で構成する。移動部分16はリードフレーム
には接しないで図面の紙の表面に垂直方向に移動する。
ここでプランジャー11の動作と同様に、図示しないプ
レス機でキャビティの底面部16を制御移動させる。す
なわちキャビティ底面を構成する移動部分16はプレス
機の油圧で制御されるシリンダやギヤなどの機構により
容易に動作をし移動可能な構造を得ることができる。し
たがって、プランジャー11のプレス機と可変部分のプ
レス機の動作を電気回路により同調させることで容易に
実現可能である。
【0018】例えば図6のようなリードフレーム組立体
との関係においては、移動部分16は封止樹脂の充填方
向に沿って移動させることによって、狭い空間を流れる
下側の樹脂の流れを固定されているリードフレーム組立
体に対して速くするように調整する。
【0019】図3は本発明の第2の実施例を示すもの
で、第1の実施例と同様に、図1のA−A部を拡大して
示した断面図である。この第2の実施例では下金型7の
底面の半導体素子搭載部と同等な幅の中央部分を移動部
分17で構成したものである。第1の実施例と同様に図
示しないプレス機などの機構により、キャビティの底面
部を容易に可変とすることができる。前述したように、
封止樹脂の流動は図6に示すごとくキャビティの浅い方
の流動が一般にキャビティの深い方の流動に比較して流
動が遅くなる。また半導体素子搭載部や半導体素子の表
裏面に沿った流動に比較して、半導体素子搭載部や半導
体素子の側面の流動の方が速い。したがって第2実施例
の場合、キャビティの底面部の移動部分17を半導体素
子搭載部と同様な大きさにすることで流動の遅い方のキ
ャビティを流動の進行方向に移動させることで効率よく
上金型と下金型のキャビティの流動を調整できるメリッ
トがある。 尚、上記第1および第2の実施例では下金
型の底面を移動部分で構成した場合を示したが、上金型
の底面すなわちモールド装置にセットしたときのキャビ
ティの上内面を移動部分とすることも可能である。この
場合に図6のリードフレーム組立体の関係においては、
上金型の移動部分は封止樹脂の充填方向とは逆の方向に
移動させ広い空間を流れる上側の樹脂の流れを固定され
たリードフレーム組立体に対して遅くするように調整す
る。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は封止金型
のキャビティ部の底面に移動部分を設けたことで、上金
型のキャビティの深さと下金型のキャビティの深さが著
しく異なる場合でもキャビティ底部を可変すなわち移動
することで封止樹脂の流動を調節することが可能であ
る。
【0021】したがって、金型内に残留した空気の巻き
込みによるボイドの発生を防止することができる。
【0022】表1は26ピン300ミルTSOPタイプ
において上金型のキャビティの深さが0.6mm,下金
型のキャビティの深さが0.4mmで半導体素子サイズ
5×14mm2 を搭載したものの封止後におけるボイド
発生率を示したものである。従来の金型では100%に
近いボイド発生率を示しているが、本発明の第1および
第2の実施例ではほとんどボイドが発生しないことがわ
かる。
【0023】尚、本発明の実施例では封止樹脂がキャビ
ティ内に侵入すると同時にキャビティの底面部を0.3
mm/秒のスピードで移動させている。
【0024】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A部を拡大して示した本発明の第1
の実施例の断面図である。
【図3】図1のA−A部を拡大して示した本発明の第2
の実施例の断面図である。
【図4】リードフレームに半導体素子が搭載されたリー
ドフレーム組立体を示す平面図である。
【図5】従来技術を示す斜視図である。
【図6】下金型のキャビティが浅く、上金型のキャビテ
ィが深い場合の封止樹脂の流動を示す図であり、(a)
は平面図、(b)は(a)のC−C部の断面図である。
【符号の説明】
1 半導体素子 2 リードフレーム 3 インナーリード 4 金属細線 5 ガイドホール 6 上金型 7 下金型 8 位置決めピン 9 封止樹脂 10 ポッド部 11 プランジャー 12 ヒーター 13 ランナー部 14 ゲート部 15 キャビティ部 16,17 移動部分 18 浅いキャビティの樹脂の流動 19 深いキャビティの樹脂の流動 20 金型内の空気の巻き込み

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 封止樹脂を加圧するプランジャーと、封
    止樹脂を挿入するカル部と、封止樹脂の流路であるラン
    ナー部及びゲート部と、半導体装置の外形を決定する上
    金型と下金型のキャビティ部と、封止金型を高温保持す
    るヒーター部とを有する半導体装置の樹脂封止金型にお
    いて、前記キャビティ部の底面がその面に平行に移動可
    能であることを特徴とする半導体装置の樹脂封止金型。
  2. 【請求項2】 上記金型において、封止樹脂のキャビテ
    ィ充填中に、流れの遅い方の金型のキャビティ部の底面
    を封止樹脂の充填方向に沿って移動させるか、または流
    れの速い方の金型のキャビティ部の底面を封止樹脂の流
    動方向とは逆に移動させることを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
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