JP2682968B2 - 合成樹脂容器の矯正装置 - Google Patents

合成樹脂容器の矯正装置

Info

Publication number
JP2682968B2
JP2682968B2 JP14648995A JP14648995A JP2682968B2 JP 2682968 B2 JP2682968 B2 JP 2682968B2 JP 14648995 A JP14648995 A JP 14648995A JP 14648995 A JP14648995 A JP 14648995A JP 2682968 B2 JP2682968 B2 JP 2682968B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
movable
container
cooling
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14648995A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08336908A (ja
Inventor
正弘 桑名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nakanishi Metal Works Co Ltd
Original Assignee
Nakanishi Metal Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nakanishi Metal Works Co Ltd filed Critical Nakanishi Metal Works Co Ltd
Priority to JP14648995A priority Critical patent/JP2682968B2/ja
Publication of JPH08336908A publication Critical patent/JPH08336908A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2682968B2 publication Critical patent/JP2682968B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、繰り返し使用等によ
って底壁に有害な変形を生じた合成樹脂製通い容器等の
底壁を矯正するための合成樹脂容器の矯正装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】工業部品の輸送用や保管用のほか、青果
物の出入荷用として、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリカーボネート等の熱可塑性合成樹脂からなる通い容
器は、使い捨てされる紙製容器に比べ、繰り返し使用で
きることの有利性から、近時各種の大きさ、形状のもの
が一般に広く用いられている。
【0003】かかる合成樹脂容器は、元来所要の強度を
有するが、図6に誇張して示すように、収容物の重量に
より容器(1)の底壁(2)が下方へ膨出することが多
い。特に収容物が金属部品であるような場合、その金属
部品に塗布されている防錆油の影響で、容器(1)の底
壁(2)が膨潤傾向を示すため、収容物の重量負荷によ
り比較的短期間のうちに著しい変形として現れることが
ある。
【0004】このように底壁(2)に変形を生じた容器
(1)は、設置状態で不安定であり、上下複数段に正確
にスタッキングできず、収納性を低下させたり、コンベ
アによる移送をスムーズに行えず、作業効率の低下を来
す場合がある。更にスタッキング状態において、上段容
器の底壁(2)が下段容器の内容物に干渉し、収容物に
圧潰変形を生じさせる恐れもある。
【0005】このため、変形した容器(2)は新しいも
のと交換するのが好ましいが、そうすると、コストの増
大を招くだけでなく、変形容器が産業廃棄物となって、
公害問題の面からも、その廃棄処理に苦慮する。
【0006】そこで本出願人は、変形した合成樹脂容器
を矯正し得る装置(特願平5−311423号公報)を
提案した。この装置は、図11に示すように、架台フレ
ーム(110)上に、固定熱盤(112)及び可動熱盤
(113)を有する加熱装置(111)と、上下一対の
矯正プレート(122)(123)及び水槽(124)
を有する冷却装置(121)とを備える。
【0007】加熱装置(111)の可動熱盤(113)
は、流体圧シリンダ(116)によって昇降して固定熱
盤(112)に接離するよう構成されている。
【0008】また冷却装置(121)の下部矯正プレー
ト(123)は、水槽(124)内に圧縮ばね(13
1)により上方へ付勢された状態で水面上に配置される
一方、上部矯正プレート(122)は、別の流体圧シリ
ンダ(126)によって昇降して下部矯正プレート(1
23)に接離するよう構成されている。
【0009】この装置により合成樹脂容器(1)の底壁
(2)を矯正するには、固定熱盤(112)及び可動熱
盤(113)をあらかじめ所定温度に加熱してき、容器
(1)を加熱装置(111)における固定熱盤(11
2)上に載置する。そしてシリンダ(116)の駆動に
より、可動熱盤(113)を下降させ、容器(1)の底
壁(2)を上下両面から熱盤(112)(113)で挟
んで保持し加熱する。これにより容器底壁(3)は、軟
化して平坦化される。
【0010】続いて可動熱盤(113)を上昇復帰させ
た後、容器(1)を、冷却装置(121)の下部矯正プ
レート(123)上に載置する。そしてシリンダ(12
6)を駆動して上部矯正プレート(122)を下降さ
せ、容器底壁(3)を両プレート(122)(123)
間に挟み込み、続けてばね(13)を圧縮させながら上
部矯正プレート(122)を更に下降させ、容器(1)
を水槽(124)の冷却水内に没入する。こうして容器
底壁(2)を平坦化した状態で冷却固化する。
【0011】冷却後、上部矯正プレート(122)を上
昇復帰させ、水槽(124)から容器(1)を取り出
し、矯正処理を完了する。
【0012】こうして矯正処理された容器(1)は、有
害な変形が除去されてフラットな底壁(2)となり、再
使用が可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
矯正装置は、シリンダ(116)(126)等の駆動手
段が、重量や容量の面において、装置のかなりの部分を
占有することになるが、上記矯正装置のよう駆動手段が
装置上部に配置されていると、装置上部の寸法等が大き
くなり、装置バランスを考慮すると、装置下部も大きく
せざるを得ず、装置の大型化及び高重量化を来して、コ
ンパクト化を図れず、コストの増大を来すという問題が
生じる。しかも油圧シリンダ等の高価なシリンダ(11
6)(126)を2つも使用しているため、より一層コ
ストの増大を来すという問題もあった。
【0014】また上記矯正装置においては、固定熱盤
(112)や下部矯正プレート(1123)上に容器
(1)を載置する場合、多少でも位置ずれしていると、
容器(1)の周側壁の一部を熱盤(112)(113)
及び矯正プレート(122)(123)により挟み込ん
で、正確に矯正できなかったり、あるいは安全装置が作
動して作業を中断させてしまう恐れがある。このため、
作業者は、容器(2)を熱盤(112)や矯正プレート
(123)に対し正確に位置決めする必要があり、その
位置決め作業が面倒で、より一層作業効率の低下を招く
という問題も抱えている。
【0015】この発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、合成樹脂容器の底壁に生じる有害な変形を矯正
でき、その上、装置のコンパクト化及び低コスト化を図
ることができ、更に作業効率の向上を図ることができる
合成樹脂容器の矯正装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、底壁が変形した上方開放型の熱可塑性
合成樹脂容器の底壁を矯正するための合成樹脂容器の矯
正装置であって、加熱セクションと、それと並んで配置
される冷却セクションと、両セクションの下方に配置さ
れる駆動手段とを備え、前記加熱セクションは、所定の
高温域に設定可能で、かつ反転状態の前記合成樹脂容器
の底壁内面を載置し得る可動熱盤と、所定の高温域に設
定可能で、かつ前記可動熱盤の上方に対向して固定され
た固定熱盤とを具備し、前記冷却セクションは、反転状
態の前記合成樹脂容器の底壁内面を載置し得る冷却用可
動プレートと、所定の低温域に設定可能で、かつ前記冷
却用可動プレートの上方に対向して固定された冷却手段
とを具備し、前記駆動手段は、前記可動熱盤及び冷却用
可動プレートを昇降自在に支持する昇降機構と、その昇
降機構を作動し、前記可動熱盤及び冷却用可動プレート
を昇降させて、それらに載置された前記合成樹脂容器の
底壁外面を前記固定熱盤及び冷却手段に対し接離させる
単一の流体圧シリンダとを具備するものを要旨とする。
【0017】
【作用】この発明の合成樹脂容器の矯正装置は、可動熱
盤を上昇させてそれに載置された合成樹脂容器の底壁を
内外両面から可動熱盤及び固定熱盤で挟んで挟圧状態の
もとに加熱するとともに、冷却用可動プレートを上昇さ
せて、それに載置された容器の底壁を内外両面から可動
プレート及び冷却手段で挟んで挟圧状態のもとに冷却す
るものであるため、容器底壁の変形を除去して矯正する
ことができる。更に昇降機構及びシリンダ等の駆動手段
を装置下部に配置しているため、重量バランス及び寸法
バランスを図りつつ、装置の小型化及びコンパクト化を
図ることができる。更に油圧シリンダ等の高価なシリン
ダは1つだけしか使用していないので、コストの削減を
図ることができる。また容器を反転させて可動熱盤及び
可動プレートに被せるように配置するだけで、容器のセ
ットが完了するので、面倒な位置決め作業が不要とな
る。
【0018】
【実施例】図1及び図2はこの発明の一実施例である合
成樹脂容器の矯正装置を示す正断面図である。両図に示
すように、この装置は、ハウジング(10)内の所定の
高さ位置に、水平に作業板(11)が配置され、その作
業板(11)の上側に加熱セクション(30)及び冷却
セクション(40)が並んで設けられるとともに、作業
板(11)の下側に駆動手段(20)が設けられてい
る。
【0019】駆動手段(20)には、クロスバー方式を
利用した昇降機構(21)が設けられている。この昇降
機構(21)には、固定レール(22)及び昇降レール
(23)と、第1及び第2リンク(24)(25)とを
有している。固定レール(22)は、ハウジング(1
0)に水平に固定されている。また第1及び第2リンク
(24)(25)は互いに中間部で回転自在に連結され
ており、各リンク(24)(25)の一端(24a)
(25a)が、固定及び昇降レール(22)(23)の
一端に回転自在に連結されている。また第1リンク(2
4)の他端(24b)側には、図5に示すように、ロー
ラ(24c)が回転自在に取り付けられており、そのロ
ーラ(24c)が昇降レール(23)の溝内に転動自在
に収容され、これにより第1リンク(24)の他端(2
4bb)が、昇降レール(23)の他端側に回転自在に
かつレール長さ方向に沿ってスライド自在に連結されて
いる。更に第2リンク(25)の他端(25b)も、上
記と同様に、固定レール(22)の他端側に回転自在に
かつレール長さ方向に沿ってスライド自在に連結されて
いる。
【0020】また昇降レール(23)の両端には、それ
ぞれ垂直に配置される加熱側及び冷却側支柱(31)
(41)の下端がそれぞれ固定され、各支柱(31)
(41)の上部が、作業板(11)に形成された貫通孔
(11a)(11b)を通って、加熱セクション(3
0)及び冷却セクション(40)に配置される。
【0021】また昇降機構(21)の下側において、油
圧シリンダ等の流体圧シリンダ(26)のシリンダチュ
ーブがハウジング(10)に回転自在に連結されるとと
もに、シリンダ(26)の進退ロッド先端が、第2リン
ク(23)の略中間位置に回転自在に連結される。
【0022】そして、シリンダ(26)のロッドが進退
駆動することにより両リンク(24)(25)が互いに
逆方向に回転するよう起倒して、昇降レール(23)が
水平姿勢を保った状態で昇降し、支柱(31)(41)
が垂直姿勢を保ったまま昇降するように構成されてい
る。
【0023】図3に示すように、加熱セクション(3
0)には可動熱板(32)が設けられている。この可動
熱盤(32)は、下から順次に積層された断熱板(32
a)と、電気的な面状ヒーター(32b)と、金属製の
放熱板(32c)とで構成されている。なお、放熱板
(32c)の表面に、後述の容器(1)との離脱をスム
ーズい行うための離型剤層を設けるようにしても良い。
【0024】この可動熱盤(32)の放熱板(32c)
側が、ブラケット(33a)付きの取付板(33)に着
脱自在に取り付けられており、そのブラケット(33
a)が、軸部材(33b)を介して上記加熱側支柱(3
1)の上端に回転自在に取り付けられている。
【0025】また加熱側支柱(31)の上部外周には、
固定板(34)が固定される一方、取付板(33)の両
側裏面に立設されたガイド棒(34a)が上記固定板
(34)にスライド自在に貫設される。更に各ガイド棒
(34a)に外嵌された圧縮ばね(34b)が、取付板
(33)と固定板(34)との間に介在される。
【0026】なお、この可動熱盤(32)は、シリンダ
(26)のロッドが後退して、支柱(31)が下降した
状態、すなわち可動熱盤(32)が下降した状態におい
ては、図1に示すように、作業板(11)よりも少し上
方で水平に配置されるよう構成されている。
【0027】可動熱盤(32)の上方には、それと対向
するようにして、固定熱盤(35)が配置されている。
この固定熱盤(35)は、上から順次に積層された断熱
板(35a)と、電気的な面状ヒーター(35b)と、
金属製の放熱板(35c)とで構成されており、断熱板
(35a)側が、取付板(36)を介してハウジング
(10)に固定されている。なお、放熱板(35c)の
表面に、離型剤層を設けるようにしても良い。
【0028】一方図4に示すように、冷却セクション
(40)には、冷却用可動プレート(42)が設けられ
ている。このプレート(42)は、上記可動熱盤(3
2)と同様な構成で、冷却側支柱(41)に取り付けら
れている。すなわち可動プレート(42)が取付板(4
3)に着脱自在に取り付けられ、取付板(43)のブラ
ケット(43a)が軸部材(43b)を介して冷却側支
柱(41)に回転自在に取り付けられる。更に取付板
(43)に立設されたガイド棒(44a)が、支柱(4
1)側の固定板(44)にスライド自在に貫設され、ガ
イド棒(44a)に外嵌された圧縮ばね(44b)が、
取付板(43)と固定板(44)との間に介在されてい
る。
【0029】なお、この可動プレート(42)も、上記
可動熱盤(32)と同様で、下降状態においては、図1
に示すように作業板(11)よりも少し上方で水平に配
置されるよう構成している。
【0030】ハウジング(10)における上記可動プレ
ート(42)の上方に対応する位置には、冷却手段を構
成する冷却用水槽(45)が固定されている。この冷却
用水槽(45)の下壁(45c)は伝熱性の高い材料か
らなり、その下面は平坦面に形成されている。なお、水
槽(32)内の冷却水(W)を適当に循環させる手段
や、冷却水(W)を空冷する手段等を設けることによ
り、後述する容器底壁(2)の冷却を効率良く行うこと
ができる。
【0031】以上の構成において、上記シリンダ(2
6)の駆動によって昇降機構(21)を作動させると、
支柱(31)(41)とともに、可動熱盤(32)及び
可動プレート(42)が昇降して、固定熱盤(35)及
び冷却用水槽(45)に対し接離するよう構成されてい
る。
【0032】なお図示は省略しているが、この矯正装置
には、可動熱盤(32)及び固定熱盤(35)のヒータ
ー(32b)(35b)の駆動を制御して、熱盤(3
2)(35)の加熱時間及び加熱温度を任意に設定し得
る加熱制御手段が装備されている。
【0033】更に可動熱盤(32)及び可動プレート
(42)は、片手操作釦により上昇を開始し、所定の上
方位置に到達したのを光電管等のセンサにより検出し
て、タイマーにて一定時間保持するようになされてい
る。また作業板(11)の容器(1)を挿入する側に
は、光電管等によるエリアセンサが設置されており、可
動熱盤(32)及び可動プレート(42)が上昇あるい
は下降途中に、作業者の手等が作業板(11)側に誤っ
て入ったとしても、エリアセンサが作動して、可動熱盤
(32)等の上昇あるいは下降動作が停止して、作業者
の安全性を確保できるようになっている。
【0034】この矯正装置において、底壁(2)が膨隆
状に変形した合成樹脂容器(1)の矯正操作は以下のよ
うに行う。
【0035】まず始めに、可動熱盤(32)及び固定熱
盤(35)を所定温度に加熱しておき、更に冷却用水槽
(45)内に冷却水(W)を貯溜して水槽下壁(45
c)を所定温度まで冷却しておく。
【0036】そして加熱セクション(30)において、
図1に示すように矯正対象となる容器(1)を反転させ
て、その容器(1)を可動熱盤(32)に被せるように
作業板(11)上に載置する。続いてシリンダ(26)
の駆動により昇降機構(21)を作動させて、可動熱盤
(32)を上昇させる。これによりまず可動熱盤(3
2)が容器(1)の底壁内面に当接して、容器(1)が
熱盤(32)上に載置されその状態で上昇していき、図
2及び図3に示すように容器(1)の底壁(2)が固定
熱盤(35)に押し付けられて、容器底壁(2)が上下
両面から熱盤(32)(35)により挟圧され、その状
態で加熱される。なおこの挟圧操作において、容器
(1)がポリプロピレン系樹脂製のものである場合に
は、熱盤(32)(35)の加熱温度は120〜140
℃、加熱時間は約2分、加圧力は70〜80g/cm2
程度に設定するのが良い。
【0037】この加熱により、容器(1)の底壁(3)
は、熱変形温度より充分に高く、溶融温度より低い温度
に加熱軟化され、ある程度平坦化される。そこで、加熱
処理を終了し、図1に示すように可動熱盤(32)を下
降復帰させて容器(1)を作業板(11)上に戻し、そ
の容器(1)を冷却セクション(40)に移す。
【0038】冷却セクション(40)では、加熱処理さ
れた容器(1)の底壁(2)が未だ熱変形温度以上の温
度を保持している軟化状態のもとに、その容器(1)を
反転させたまま、可動プレート(42)に被せるように
作業板(11)上に載置する。その一方、加熱セクショ
ン(30)では、次の変形容器(1)を上記と同様に可
動熱盤(32)上にセットする。
【0039】その後シリンダ(26)の駆動により昇降
機構(21)を作動させて図2及び図4に示すように、
可動熱盤(32)及び可動プレート(42)を上昇させ
る。これにより加熱セクション(30)において上記と
同様な加熱処理が行われる。一方それと並行するように
して、冷却セクション(40)においては、可動プレー
ト(42)が容器(1)の底壁内面に当接して、容器
(1)が可動プレート(42)上に載置されその状態で
上昇していき、図2及び図4に示すように容器(1)の
底壁(2)が水槽(45)の下面に押し付けられて、容
器底壁(2)が上下両面から可動プレート(42)及び
水槽底壁(45c)により挟圧され、その状態で冷却さ
れる。これにより底壁(2)がフラットに整形され冷却
水(W)により急速に冷却されて固化する。なお容器
(1)が上記したようにポリプロピレン樹脂製の場合、
この冷却時間は2分間程度で充分である。
【0040】冷却後、可動プレート(42)を下降復帰
させて容器(1)を作業板(11)上に戻して装置から
取り出す。こうして取り出された容器(1)は、底壁
(2)がフラットな状態に矯正されたものとなり、再使
用可能なものに再生される。
【0041】なお容器(1)を装置から取り出した後、
加熱セクション(30)において処理された容器(1)
は冷却セクション(40)に移し、更に加熱セクション
(30)には次の変形容器(1)をセットし、加熱及び
冷却処理を順次並行して行い、すべての変形容器(1)
を一連の処理で矯正する。
【0042】この矯正装置によれば、重量や容量の面に
おいて装置のかなりの部分を占有する、昇降機構(2
1)及びシリンダ(26)等の駆動手段(20)を装置
下部に配置しているため、重量バランス及び寸法バラン
スを図りつつ、装置上部の小型化、ひいては装置全体の
小型化及びコンパクト化を図ることができ、コストの削
減を図ることができる。
【0043】しかも単一のシリンダ(26)で作動させ
るものであるため、動作制御を簡単に行え、作業効率の
向上を図ることができる。しかも油圧シリンダ等の高価
なシリンダ(26)を1つしか使用していないので、よ
り一層コストの削減を図ることができる。なお単一のシ
リンダにより動作させることによる不利益は考えられな
い。すなわち上記のような矯正装置では、加熱処理と冷
却処理とは順次並行して行うのが通例であり、両処理の
うち短時間で行える処理は、他方の長時間必要な処理と
時間を合わせて行うことになる。このため、従来例のよ
うに2つのシリンダを装備している装置であっても、実
際には2つのシリンダを同期させて作動することにな
る。従って、シリンダが1つであっても、処理時間が長
くなることはなく、シリンダが2つのものと同様に処理
することができる。
【0044】またこの矯正装置においては、変形容器
(1)を反転させて、可動熱盤(32)及び可動プレー
ト(42)に被せるように配置すれば、容器(1)の位
置決めを図ることができる。このように容器(1)の位
置決め作業を容易に行え、作業者への負担が軽減され、
一層作業効率の向上を図ることができる。なお、容器
(1)をセットする際に多少位置ずれがあっても、その
位置ずれは自動的に修正される。すなわち、上記のよう
な合成樹脂容器(1)は、通常、開放部側が大きく底側
が小さくなるように周側壁に傾斜勾配が形成されている
ため、容器底壁(2)が、可動熱盤(32)及び可動プ
レート(42)に対し多少位置ずれしていたとしても、
可動熱盤(32)及び可動プレート(42)が上昇いた
ときに、可動熱盤(32)及び可動プレート(42)の
周端縁が容器(1)の周側壁内面に当接して、容器
(1)が自動的に移動し位置決めされる。従って位置決
めにかかわる作業者への負担がより一層軽減されて、作
業効率をより一層向上させることができる。
【0045】更にこの矯正装置においては、可動熱盤
(32)及び可動プレート(42)を、支柱(31)
(41)に対し回転自在に取り付けて、ばね(34b)
(44b)の付勢力により水平姿勢に保持するようにし
ているため、容器底壁(2)の変形状態にかかわらず底
壁(2)全域をバランス良く均等に固定熱盤(35)及
び水槽底壁(35c)に押し付けることができる。この
ため、容器底壁(2)を高い精度で平坦に矯正すること
が可能となる。
【0046】またこの装置では、可動熱盤(32)及び
可動プレート(42)の支柱(31)(41)を昇降機
構(21)を介して昇降させるものであり、従来例のよ
うにシリンダロッドに可動熱盤等が直結されるものでは
ないから、支柱(31)(41)の回り止めを行う必要
がなく、その分装置の簡素化を図ることができる。更に
昇降機構(21)の設計変更により、状況に合わせて、
簡単に支柱(31)(41)のストロークや押込強度を
変更することができる。
【0047】また上記実施例の矯正装置では、冷却処理
時に容器(1)の底壁(2)を水槽(32)に押し当て
るものであり、従来のように容器を冷却水に浸漬するも
のではないので、冷却水の飛散等の不具合をも防止で
き、水切り等の面倒な後処理も不要となる。
【0048】しかも水槽(32)を装置上端に配置し
て、水槽底壁(45c)に容器(2)を押し付けて冷却
するものであるため、その冷却を効率良く行える。すな
わち、熱交換により高温となった冷却水(W)は対流し
て上方へ移動し、低温の冷却水(W)は下方へ移動する
ので、水槽(45)の下部には常に低温の冷却水(W)
が存在することになり、この低温の冷却水(W)により
常に上記冷却処理を行えるので、その冷却を効率良く行
える。
【0049】ところで、変形容器(1)の矯正を行う前
には、容器(1)の洗浄を行うことが多い。この場合、
容器(1)は洗浄された後、水切りのために反転した状
態となっている。このとき本実施例の矯正装置は、容器
(1)を反転状態でセットするものであるため、洗浄後
の容器(1)を反転状態のままセットすることができ
る。従って作業者は容器(1)を反転させる作業を省略
でき、この点においても、作業効率の向上を図ることが
できる。
【0050】また本実施例においては、可動熱盤(3
2)及び可動プレート(42)を、矯正対象となる容器
(1)の底壁(2)の大きさに合わせて取り替えること
により、あらゆる種類の容器を矯正することができる。
なお参考までに、可動熱盤(32)及び可動プレート
(42)は、容器(1)の内底寸法よりも5mm程度小
さいものを使用するのが良い。
【0051】
【発明の効果】以上のように、この発明の合成樹脂容器
の矯正装置によれば、可動熱盤を上昇させてそれに載置
された合成樹脂容器の底壁を内外両面から可動熱盤及び
固定熱盤で挟んで挟圧状態のもとに加熱するとともに、
冷却用可動プレートを上昇させて、それに載置された容
器の底壁を内外両面から可動プレート及び冷却手段で挟
んで挟圧状態のもとに冷却するものであるため、容器底
壁の変形を除去して矯正することができる。更に昇降機
構及びシリンダ等の駆動手段を装置下部に配置している
ため、重量バランス及び寸法バランスを図りつつ、装置
の小型化及びコンパクト化を図ることができ、コスト削
減を図ることができる。更に油圧シリンダ等の高価なシ
リンダは1つだけしか使用していないので、より一層コ
ストの削減を図ることができる。また容器を反転させて
可動熱盤及び可動プレートに被せるように配置するだけ
で、容器のセットが完了するので、面倒な位置決め作業
が不要となり、作業効率の向上を図ることができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である合成樹脂容器の矯正
装置を示す正断面図である。
【図2】実施例において矯正処理中の矯正装置を示す正
断面図である。
【図3】実施例の矯正装置における加熱セクションを示
す正断面図である。
【図4】実施例の矯正装置における冷却セクションを示
す正断面図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】従来における合成樹脂容器の矯正装置を示す正
面図である。
【図7】底壁が変形した合成樹脂容器を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…合成樹脂容器 2…底壁 20…駆動手段 21…昇降機構 26…シリンダ 30…加熱セクション 32…可動熱盤 35…固定熱盤 40…冷却セクション 42…可動プレート 45…冷却用水槽(冷却手段)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底壁が変形した上方開放型の熱可塑性合
    成樹脂容器の底壁を矯正するための合成樹脂容器の矯正
    装置であって、 加熱セクションと、それと並んで配置される冷却セクシ
    ョンと、両セクションの下方に配置される駆動手段とを
    備え、 前記加熱セクションは、所定の高温域に設定可能で、か
    つ反転状態の前記合成樹脂容器の底壁内面を載置し得る
    可動熱盤と、所定の高温域に設定可能で、かつ前記可動
    熱盤の上方に対向して固定された固定熱盤とを具備し、 前記冷却セクションは、反転状態の前記合成樹脂容器の
    底壁内面を載置し得る冷却用可動プレートと、所定の低
    温域に設定可能で、かつ前記冷却用可動プレートの上方
    に対向して固定された冷却手段とを具備し、 前記駆動手段は、前記可動熱盤及び冷却用可動プレート
    を昇降自在に支持する昇降機構と、その昇降機構を作動
    し、前記可動熱盤及び冷却用可動プレートを昇降させ
    て、それらに載置された前記合成樹脂容器の底壁外面を
    前記固定熱盤及び冷却手段に対し接離させる単一の流体
    圧シリンダとを具備することを特徴とする合成樹脂容器
    の矯正装置。
JP14648995A 1995-06-13 1995-06-13 合成樹脂容器の矯正装置 Expired - Fee Related JP2682968B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14648995A JP2682968B2 (ja) 1995-06-13 1995-06-13 合成樹脂容器の矯正装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14648995A JP2682968B2 (ja) 1995-06-13 1995-06-13 合成樹脂容器の矯正装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08336908A JPH08336908A (ja) 1996-12-24
JP2682968B2 true JP2682968B2 (ja) 1997-11-26

Family

ID=15408792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14648995A Expired - Fee Related JP2682968B2 (ja) 1995-06-13 1995-06-13 合成樹脂容器の矯正装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2682968B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6460535B2 (ja) * 2016-01-25 2019-01-30 有限会社東山鉄工 プラスチックコンテナの矯正装置及び矯正方法
CN105599190B (zh) * 2016-03-22 2017-09-05 潍坊科技学院 形状记忆树脂形状固化装置
CN105729783B (zh) * 2016-03-22 2017-09-12 杨丽 变压器修补用记忆树脂及其固化装置
CN105619672B (zh) * 2016-03-22 2017-10-27 杨丽 Sf6断路器修补用记忆树脂固化装置
CN105599191B (zh) * 2016-03-22 2017-09-22 国网黑龙江省电力有限公司齐齐哈尔供电公司 断路器修补用记忆树脂固化装置
CN109795075A (zh) * 2019-03-01 2019-05-24 浙江众泰汽车制造有限公司 一种气囊框整形矫正装置及其使用方法
CN110948914B (zh) * 2019-12-05 2021-12-28 临海市金都模塑股份有限公司 一种物流周转箱防形变装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08336908A (ja) 1996-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2682968B2 (ja) 合成樹脂容器の矯正装置
KR100616750B1 (ko) 온간 액압 성형 장치
CN116038228B (zh) 一种钢箱梁板拼装焊接用胎架
KR20110050996A (ko) 벤딩장치
CN207981894U (zh) 一种防厢板变形的校正工装
US3585836A (en) Apparatus for heat setting metal
US4795524A (en) Apparatus for fixing cap on end of filter element
JP2997640B2 (ja) 合成樹脂容器の矯正装置
CN217553120U (zh) 一种高周波热烫印装置
KR100931072B1 (ko) 압착식 열 전사장치
CN213223974U (zh) 一种具有夹持结构便于拆装上料的冲压模具
CN113983323A (zh) 一种同步带热接驳设备
CN220243756U (zh) 一种消毒供应用封袋机
CN218399763U (zh) 一种汽车地毯覆合成型机用钉框下料顶出装置
CN116175940B (zh) 一种冷模压装成型装置及其热冷模压装生产线
CN214687901U (zh) 一种板材加工模具
CN215151097U (zh) 一种手套浸胶装置
CN114011905B (zh) 一种板材液压矫正机
CN114571232B (zh) 一种电热水壶内胆成型装置
JPH0532255Y2 (ja)
CN215975946U (zh) 用于细长条状工件的网带式热处理设备上料装置
CN116619728A (zh) 一种汽车内饰件矫形装置
KR100742873B1 (ko) 가열로 내의 스트립 연속 공급장치
CN214687481U (zh) 一种模压装置
KR102373141B1 (ko) 필름 열포밍 장치

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080808

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080808

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090808

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100808

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees