JP2997640B2 - 合成樹脂容器の矯正装置 - Google Patents

合成樹脂容器の矯正装置

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JP2997640B2
JP2997640B2 JP33902995A JP33902995A JP2997640B2 JP 2997640 B2 JP2997640 B2 JP 2997640B2 JP 33902995 A JP33902995 A JP 33902995A JP 33902995 A JP33902995 A JP 33902995A JP 2997640 B2 JP2997640 B2 JP 2997640B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、繰り返し使用等
によって底壁に有害な変形を生じた合成樹脂製通い容器
等の底壁を矯正するための合成樹脂容器の矯正装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】工業部品の輸送用や保管用の他、青果物
の出入荷用として使用されるポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリカーボネート等の熱可塑性合成樹脂からなる
通い容器は、使い捨てされる紙製容器に比べ、繰り返し
使用できることの有利性から、各種の大きさ、形状のも
のが一般に広く用いられている。
【0003】かかる合成樹脂容器は、元来所要の強度を
有するが、図10に誇張して示すように、収容物の重量
により容器(1)の底壁(2)が下方へ膨出することが
多い。特に収容物が金属部品であるような場合、その金
属部品に塗布されている防錆油の影響で、容器(1)の
底壁(2)が膨潤傾向を示すため、収容物の重量負荷に
より比較的短期間のうちに著しい変形として現れること
がある。
【0004】変形を生じた容器(1)は、設置状態で不
安定であり、上下複数段に正確にスタッキングできず、
収納性を低下させたり、コンベアによる移送をスムーズ
に行えず、作業効率の低下を来す要因となる。更にスタ
ッキング状態において、上段容器の底壁(2)が下段容
器の収容物に干渉し、収容物に圧潰変形を生じさせる恐
れもある。
【0005】このため、変形した容器(1)は新しいも
のと交換するのが好ましいが、そうするとコストの増大
を招くだけでなく、変形容器が産業廃棄物となって、環
境面にも悪影響を及ぼすことになる。
【0006】<発明の背景>そこで本願出願人は、変形
した合成樹脂容器を矯正し得る装置(特願平5−311
423号公報)を開発し、更に研究を進めて、図11に
示す樹脂容器矯正装置(特願平7−146489号公
報)を提案している。
【0007】この装置は、作業板(101)上に、加熱
セクション(110)及び冷却セクション(120)を
有し、各セクション(110)(120)に対応して、
昇降駆動可能な支柱(111)(121)が設けられて
いる。
【0008】一方の支柱(111)の上端には、可動熱
盤(112)が設けられるとともに、その可動熱盤(1
12)の上方に対応して固定熱盤(113)が配置さ
れ、支柱(111)の昇降駆動により、可動熱盤(11
2)が固定熱盤(113)に接離するよう構成されてい
る。
【0009】他方の支柱(121)の上端には、可動整
形体(122)が設けられるとともに、その可動整形体
(122)の上方に対応して、固定整形体(123)が
配置され、支柱(111)の昇降駆動により、可動整形
体(122)が固定整形体(123)に接離するよう構
成されている。
【0010】この矯正装置において、底壁(2)が膨出
状に変形した合成樹脂容器(1)を矯正するには以下の
ように行う。
【0011】まず始めに、両方の熱盤(112)(11
3)を図示しない加熱手段により加熱しておき、更に固
定整形体(123)を図示しない冷却手段により冷却し
ておく。
【0012】その状態において、矯正対象となる容器
(1)を反転させて、その容器(1)を可動熱盤(11
2)に被せるように作業板(101)上に載置する。続
いて可動熱盤(112)を上昇させて、容器(1)の底
壁(2)を両熱盤(112)(113)により挟圧して
加熱軟化させる。
【0013】続いて可動熱盤(112)を下降させた
後、加熱軟化した容器(1)を可動整形体(122)に
移載する。そして可動整形体(122)を上昇させて、
容器(1)の底壁(2)を両整形体(122)(12
3)により挟圧して、その状態で冷却固化する。
【0014】これにより容器底壁(2)がフラットな状
態に矯正されて、再使用可能なものとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記提案例
の矯正装置は、冷却セクション(120)において、一
対の整形体(122)(123)により挟圧して冷却固
化する際に、容器底壁(2)の外面側のみを冷却するよ
うにしているため、冷却効率が低くなる。更に矯正対象
となる通い容器等の樹脂容器(1)は、通常、図10に
示すように、底壁外面側が、格子状に形成されているた
め、その底壁(2)の固定整形体(123)との接触面
積が小さく熱交換率が低くなり、この点からも、冷却効
率が低下して、生産効率の低下及びコストの増大を招く
という問題があった。しかも樹脂容器(1)の底壁内面
側に配置される可動整形体(122)は、容器(1)に
より覆われるため、熱が放出され難く、矯正処理を繰り
返し行ううちに、次第に温度が上昇していき、冷却能力
が低下して、一段と、生産効率の低下及びコストの増大
を来す恐れがあった。
【0016】一方、矯正対象となる通い容器等の樹脂容
器(1)は、図10の想像線に示すように、購入初期の
状態では、高重量の内容物等に有効に対処できるよう
に、底壁(2)が内反り(上反り)状態に形成されてい
る。
【0017】ところが上記提案例の矯正装置において、
一対の整形体(122)(123)の挟圧面は、それぞ
れ平坦面に形成されているため、その整形体(122)
(123)により挟圧すると、底壁(2)はフラットな
形状に整形される。もちろん、底壁(2)をフラットに
矯正した容器(1)は、矯正前の容器よりも、格段に使
い勝手は良くなるが、購入初期の容器、すなわち、底壁
が良好な内反り状態のものと比較すると、底壁が下方へ
膨出変形し易い等の不具合が生じ易く、この点に、改良
の余地が残されている。
【0018】この発明の第1の目的は、上記の事情に鑑
みてなされたもので、高い冷却効率を得ることができ、
生産効率の向上及びコストの削減を図ることができる合
成樹脂容器の矯正装置を提供することを目的とする。
【0019】この発明の第2の目的は、上記の事情に鑑
みてなされたもので、変形容器の底壁を新品同様に良好
な内反り形状に矯正できる合成樹脂容器の矯正装置を提
供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本願第1の発明は、熱可塑性合成樹脂容器の変
形した底壁を矯正するための合成樹脂容器の矯正装置で
あって、前記合成樹脂容器の底壁を、内外両面から挟ん
で加熱し軟化させる一対の熱盤と、加熱軟化した前記合
成樹脂容器の底壁を、内外両面から挟んで整形し固化さ
せる一対の整形体と、前記一対の整形体をそれぞれ冷却
するための冷却手段とを備えるものを要旨とする。
【0021】この第1の発明の矯正装置においては、容
器底壁を内外両面から効率良く冷却できる。更に容器底
壁の内面側は、外面側とは異なり、ほぼ平面に形成され
るのが一般的であるため、可動矯正体と容器底壁との接
触面積を大きく確保できる。従って可動矯正体を冷却し
てそこから容器底壁を冷却することにより、容器底壁を
より一層効率良く冷却できる。
【0022】上記第2の目的を達成するため、本願第2
の発明は、熱可塑性合成樹脂容器の変形した底壁を矯正
するための合成樹脂容器の矯正装置であって、前記合成
樹脂容器の底壁を、内外両面から挟んで加熱し軟化させ
る一対の熱盤と、加熱軟化した前記合成樹脂容器の底壁
を、内外両面から挟んで整形し固化させる一対の整形体
と、前記一対の整形体のうち前記合成樹脂容器の外底側
に配置される整形体の挟圧面に設けられ、前記一対の整
形体の挟圧動作に伴って容器底壁の中間領域を容器内側
に押し込んで、容器底壁を内反り状態に成形するための
押込成形体と、前記一対の整形体のうち前記合成樹脂容
器の内底側に配置される整形体の挟圧面に設けられ、容
器底壁の外周領域を容器内側から支持するための支持部
材とを備えるものを要旨とする。
【0023】この第2の発明の矯正装置においては、整
形体の挟圧面に設けられた押込成形体が、一対の整形体
の挟圧動作に伴って樹脂容器の底壁中間領域を容器内側
に押し込むことにより、容器底壁を購入初期と同様の良
好な内反り状態に成形できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態>図1及び図2はそれぞれ第1の実施
形態である合成樹脂容器の矯正装置を示す正面断面図で
あって、本願第1の発明に関連するものである。
【0025】両図に示すように、この装置は、ハウジン
グ(10)内の所定高さ位置に作業板(11)が配置さ
れ、その作業板(11)の上側に加熱セクション(3
0)及び冷却セクション(40)が並んで設けられると
ともに、作業板(11)の下側に駆動手段(20)が設
けられている。
【0026】駆動手段(20)は、エックスリンク方式
を利用した機構をもって構成され、ハウジング(10)
に水平に固定された固定レール(22)と、その固定レ
ール(22)の上方に平行に配置される昇降レール(2
3)と、互いに中間部で回転自在に連結された第1及び
第2リンク(24)(25)とを有している。第1及び
第2のリンク(24)(25)の一端(24a)(25
a)は、固定レール(22)及び昇降レール(23)の
一端に回転自在にそれぞれ連結されるとともに、各リン
ク(24)(25)の他端(24b)(25b)は、各
レール(22)(23)に回転自在にかつレール長さ方
向に沿ってスライド自在にそれぞれ連結されている。
【0027】また昇降レール(23)の両端には、それ
ぞれ垂直に配置される加熱側及び冷却側支柱(31)
(41)の下端がそれぞれ固定され、各支柱(31)
(41)の上部が、作業板(11)に形成された貫通孔
(11a)(11b)を通って、加熱セクション(3
0)及び冷却セクション(40)に配置される。
【0028】また駆動手段(21)の下部において、油
圧シリンダ等の流体圧シリンダ(26)のシリンダチュ
ーブがハウジング(10)に回転自在に連結されるとと
もに、シリンダ(26)の進退ロッド先端が、第2リン
ク(23)の略中間位置に回転自在に連結されている。
【0029】そして、シリンダ(26)のロッドが進退
駆動することにより両リンク(24)(25)が互いに
逆方向に回転するよう起倒して、昇降レール(23)及
び支柱(31)(41)が初期の姿勢を保ったまま昇降
するよう構成されている。
【0030】図3に示すように、加熱セクション(3
0)には可動熱盤(32)が設けられている。この可動
熱盤(32)は、下から順次に積層された断熱板(32
a)と、電気的な面状ヒーター(32b)と、金属製の
放熱板(32c)とで構成されている。なお、放熱板
(32c)の表面に、合成樹脂容器(1)との離脱をス
ムーズに行うための離型剤層を設けるようにしても良
い。
【0031】この可動熱盤(32)の断熱板(32a)
側が上記加熱側支柱(31)の上端に水平に取り付けら
れている。
【0032】なお、この可動熱盤(32)は、シリンダ
(26)のロッドが後退して、支柱(31)が下降した
状態、すなわち可動熱盤(32)が下降した状態におい
ては、図1に示すように作業板(11)よりも少し上方
で水平に配置されるよう構成されている。
【0033】可動熱盤(32)の上方には、それと対向
するようにして、固定熱盤(35)が配置されている。
この固定熱盤(35)は、上から順次に積層された断熱
板(35a)と、電気的な面状ヒーター(35b)と、
金属製の放熱板(35c)とで構成されており、断熱板
(35a)側が、取付板(36)を介してハウジング
(10)に固定されている。なお、放熱板(35c)の
表面に、離型剤層を設けるようにしても良い。
【0034】一方図4に示すように、冷却セクション
(40)には、可動整形体(42)が設けられている。
この整形体(42)は、内部に冷却水を収容し得る保冷
ジャケットにより構成されており、上面の挟圧面が、樹
脂容器(1)の内底にほぼ倣う形状の平坦面に仕上げら
れている。
【0035】この可動整形体(42)が、その挟圧面を
水平にして、上記冷却側支柱(41)の上端に取り付け
られている。
【0036】なお、この可動整形体(42)は、支柱
(41)が下降した状態においては、上記可動熱盤(3
2)と同様で、作業板(11)よりも少し上方で水平に
配置されるよう構成されている。
【0037】ハウジング(10)の上記可動整形体(4
2)の上方に対向する位置には、固定整形体(45)が
取り付けられている。この固定整形体(45)は、内部
に冷却水を収容し得る保冷ジャケットにより構成されて
おり、下面が平坦な挟圧面に仕上げられている。
【0038】またこの矯正装置には、上記一対の整形体
(42)(45)内に冷却水(W)を循環させるための
冷却水循環機構等の冷却手段(50)が設けられてい
る。
【0039】図4に示すように冷却手段(50)は、可
動整形体(42)に冷却水(W)を供給するための冷却
水供給経路(51)と、可動整形体(42)と固定整形
体(45)とを接続する冷却水移送経路(52)と、固
定整形体(45)から冷却水(W)を排出するための冷
却水排出経路(53)等を有している。そして図示しな
い冷却水供給源から供給経路(51)に供給された冷却
水(W)が、供給経路(51)を通って可動整形体(4
2)に供給され、その内部を循環した後、移送経路(5
2)を通って固定整形体(45)に供給され、更にその
冷却水(W)が固定整形体(45)の内部を循環した
後、排出経路(53)を通って所定の排出箇所に排出さ
れるようなされている。
【0040】また可動整形体(42)と冷却水移送経路
(52)との接続部において、移送経路(52)に接続
された出口パイプ(52a)が、可動整形体(42)の
下壁を貫通して配置される。一方、可動整形体(42)
の内部上壁には、上記出口パイプ(52a)に対応して
座ぐり等の凹部(42a)が形成されており、その凹部
(42a)内に出口パイプ(52a)の先端が配置され
ている。この構成においては、出口パイプ(52a)の
先端、すなわち可動整形体(52)の内部における最上
位置から冷却水(W)が流出されることになるので、可
動整形体(52)内に冷却水(W)が十分に満たされな
い状態での冷却水(W)の流出を防止できる。このため
冷却水(W)の循環時には、可動整形体(52)の内部
に常に冷却水(W)が十分に満たされて、可動整形体
(52)の上壁(熱交換部)に冷却水(W)が確実に接
触し、後に詳述する樹脂容器(1)の冷却処理時におい
て、樹脂容器(1)を効率良く冷却できることになる。
【0041】以上の構成の矯正装置を用いて、底壁
(2)が下方に膨出状に変形した合成樹脂容器(1)を
矯正するには、以下のようにして行う。
【0042】まず始めに、熱盤(32)(35)を所定
温度に加熱しておき、更に整形体(42)(45)内に
冷却水(W)を循環させて冷却しておく。
【0043】そして加熱セクション(30)において、
図1に示すように矯正対象となる容器(1)を反転させ
て、その容器(1)を可動熱盤(32)に被せるように
作業板(11)に載置する。続いて昇降機構(21)を
作動させて、可動熱盤(32)を上昇させる。これによ
り容器(1)が可動熱盤(32)により持ち上げられ
て、図2及び図3に示すように容器(1)の底壁(2)
が固定熱盤(35)に押し付けられ、そして容器底壁
(2)が内外両面から熱盤(32)(35)により挟圧
されて、その状態で加熱される。
【0044】この加熱により、容器底壁(2)が、熱変
形温度より高く、溶融温度より低い温度に加熱されて軟
化し、ある程度平坦化される。そこで加熱処理を終了
し、図1に示すように可動熱盤(32)を下降させて容
器(1)を作業板(11)上に戻し、その容器(1)を
冷却セクション(40)に移す。
【0045】冷却セクション(40)では、加熱処理さ
れた容器(1)の底壁(2)が未だ熱変形温度以上の温
度を保持している軟化状態のもとに、その容器(1)を
反転させたまま、可動整形体(42)に被せるように作
業板(11)上に載置する。その一方、加熱セクション
(30)では、次の変形容器(1)を上記と同様に可動
熱盤(32)上にセットする。
【0046】その後、昇降機構(21)を作動させて図
2及び図4に示すように、可動熱盤(32)及び可動整
形体(42)を上昇させる。これにより加熱セクション
(30)では上記と同様の加熱処理が行われる一方、冷
却セクション(40)では冷却処理が行われる。すなわ
ち容器(1)が可動整形体(42)により持ち上げられ
て、図2及び図4に示すように容器(1)の底壁(2)
が固定整形体(45)に押し付けられて、容器底壁
(2)が内外両面から整形体(42)(45)により挟
圧される。これにより底壁(2)がフラットに整形され
てその状態で冷却水(W)により急速に冷却されて固化
する。
【0047】冷却後、可動整形体(42)を下降させて
容器(1)を作業板(11)上に戻して冷却セクション
(40)から取り出す。こうして取り出した容器(1)
は、底壁(2)がフラットな状態に整形されたものとな
り、再使用可能なものとなる。
【0048】なおこの矯正装置においては、容器(1)
を冷却セクション(40)から取り出した後、加熱セク
ション(30)で処理された容器(1)は冷却セクショ
ン(40)に移し、更に加熱セクション(30)には次
の変形容器(1)をセットし、加熱処理及び冷却処理を
順次並行して行い、すべての変形容器(1)を一連の処
理で矯正する。
【0049】以上のようにこの矯正装置によれば、冷却
セクション(40)において、容器底壁(2)を内外両
面から挟圧して整形固化する一対の整形体(42)(4
5)を共に冷却するよう構成しているため、底壁(2)
は内外両面から効率良く冷却される。更に容器底壁
(2)の内面側は、外面側のように格子状ではなく、ほ
ぼ平面に形成されるのが一般的であるため、底壁内面と
可動整形体(45)との接触面積を十分大きく確保する
ことができる。従って本実施形態のように可動整形体
(45)側から容器底壁(2)を冷却することにより、
熱交換をスムーズに行え、底壁(2)をより一層効率良
く冷却でき、生産効率の向上及びコストの削減を図るこ
とができる。
【0050】また本実施形態の矯正装置においては、冷
却水(W)を可動整形体(42)に供給してからその冷
却水(W)を固定整形体(45)に供給することによ
り、可動整形体(42)側の温度を固定整形体(45)
側のそれよりも低くなるように構成しているため、冷却
能力をより一層向上させることができる。すなわち、可
動整形体(42)は、容器(1)内に収容されるため、
固定整形体(45)と比べて、放熱し難く、容量も小さ
いので、温度上昇が大きくなりがちであるが、上記した
ように可動整形体(42)の温度を低く維持することに
より、可動整形体(42)及び固定整形体(45)によ
り容器底壁(2)を両面からバランス良く冷却できるよ
うになり、より一層冷却能力を向上させることができ
る。
【0051】更に温度上昇が大きい可動整形体(42)
は、上記したように冷却水供給時に内部に冷却水(W)
が十分満たされるよう構成しているため、冷却水(W)
と底壁(2)との間で熱伝導により効率良く熱交換され
て、この点からも、冷却能力を向上させることができ、
一段と生産効率の向上及びコストの削減を図ることがで
きる。
【0052】また本実施形態の矯正装置においては、重
量や容量の面でかなりの部分を占有する駆動手段(2
0)を装置下部に配置しているため、重量バランス及び
寸法バランスを図りつつ、装置上部の小型化ひいては装
置全体の小型化及びコンパクト化を図ることができる。
【0053】しかも駆動手段(20)は、単一のシリン
ダ(26)で作動させるものであるため、動作制御を簡
単に行え、作業効率の向上を図ることができる。その
上、油圧シリンダ(26)等の高価な部品を1つしか使
用していないので、より一層コストの削減を図ることが
できる。なお以下に説明する通り、単一のシリンダによ
る不利益は考えられない。すなわち上記のような矯正装
置では、加熱処理と冷却処理とは順次並行して行うのが
通例であり、両処理のうち短時間で行える処理は、他方
の長時間必要な処理に時間を合わせて行うことになる。
このためたとえ2つのシリンダを装備している装置であ
っても、実際には2つのシリンダを同期させて作動する
ことになる。従って、本実施形態のようにシリンダが1
つであっても、処理時間が長くなることがなく、シリン
ダが2つのものと同様に処理することができる。
【0054】またこの矯正装置においては、容器(1)
を反転させて、可動熱盤(32)及び可動整形体(4
2)に被せるだけで、簡単に容器(1)の位置決めを図
ることができるので、その位置決め作業を容易に行える
分、作業者への負担を軽減させることができる。なお、
容器(1)をセットする際に多少位置ずれがあっても、
その位置ずれは自動的に吸収される。すなわち、上記の
ような合成樹脂容器(1)は、通常、開放部側が大きく
底側が小さくなるように周側壁に傾斜勾配が形成されて
いるため、容器底壁(2)が、可動熱盤(32)及び可
動整形体(42)に対し多少位置ずれしていたとして
も、可動熱盤(32)及び可動整形体(42)が上昇し
たときに、それらが容器(1)の周側壁内面に当接する
ことにより、容器が正規の位置に自動的に移動する。従
って位置決めに必要な作業者の負担をより一層軽減でき
る。
【0055】またこの装置では、可動熱盤(32)及び
可動整形体(42)の支柱(31)(41)を昇降機構
(21)を介して昇降させるものであり、例えばシリン
ダロッドに可動熱盤等を直結するもののように支柱(3
1)(41)の回り止めを行う必要がなく、回り止め機
構を省略でき、装置の簡素化を図ることができる。更に
昇降機構(21)の簡単な設計変更により、状況に合わ
せて、容易に支柱(31)(41)のストロークや押込
強度を変更することができる。
【0056】また上記実施形態の矯正装置は、容器
(1)を整形体(42)(45)により挟圧して冷却す
るものであり、例えば容器を水槽内に浸漬するものでは
ないので、冷却水の飛散等の不具合を防止でき、容器の
水切り等の面倒な後処理も不要となる。
【0057】ところで、変形容器(1)の矯正を行う前
には、容器(1)を洗浄するのが通例であり、洗浄後、
容器(1)は、水切りのために反転させた状態に配置し
ておくことになる。一方、本実施形態の矯正装置は、容
器(1)を反転状態でセットするものであるため、洗浄
後の容器(1)を反転状態のままセットすることができ
る。従って作業者は容器(1)を反転させる作業を省略
でき、この点からも、作業者の負担を大いに軽減でき
る。
【0058】また本実施形態においては、可動熱盤(3
2)及び可動整形体(42)を、矯正対象となる容器
(1)の大きさに合わせて取り替えることにより、あら
ゆる種類の容器を処理することができる。なお参考まで
に、可動熱盤(32)及び可動整形体(42)は、容器
(1)の内底寸法よりも5mm程度小さいものを使用す
るが良い。
【0059】<第2の実施形態>図5ないし図7はそれ
ぞれ第2の実施形態である合成樹脂容器の矯正装置を示
す正面断面図であって、本願第2の発明に対応するもの
である。これらの図に示すように、この第2実施形態の
装置においては、冷却セクション(40)上側の固定整
形体(45)に押込成形体(60)が設けられるととも
に、冷却セクション(40)下側の可動整形体(42)
に支持枠(70)が設けられている点が、上記第1の実
施形態と相違している。
【0060】すなわち図5ないし図9に示すように、固
定整形体(45)の挟圧面には、容器底壁(2)の中間
領域に対応して、矩形状の押込成形体(60)が磁石等
を利用して着脱自在に取り付けられる。
【0061】一方、可動整形体(42)の挟圧面には、
上記押込成形体(60)に対応する部分が空洞となる環
状の支持枠(70)が、着脱自在に取り付けられる。
【0062】その他の構成は、上記第1の実施形態と同
様であるため、同一部分に同一符号を付して重複説明を
省略する。
【0063】この装置において、変形容器(2)は、加
熱セクション(30)において、上記と同様に、加熱軟
化処理された後。冷却セクション(40)において、以
下のように処理される。
【0064】すなわち図5に示すように、容器(2)を
加熱軟化状態のもとに可動整形体(42)に被せるよう
に作業板(11)上に載置した後、可動整形体(42)
とともに容器(1)を上昇させる。これにより図7及び
図9に示すように容器(1)の底壁(2)が固定整形体
(45)に押し付けられて、容器底壁(2)が内外両面
から整形体(42)(45)により挟圧される。このと
き容器底壁(2)の外周領域は支持枠(70)に支持さ
れた状態で、中間領域が押込成形体(60)により下側
(容器内側)に押し込まれ、底壁(2)が内反り状態に
成形されて、その状態で整形体(42)(45)により
急速に冷却されて固化する。
【0065】その後、可動整形体(42)を降下させて
容器(1)を作業板(11)上に戻して冷却セクション
(40)から取り出す。こうして取り出した容器(1)
は、底壁(2)が内反り状態に成形されたものとなる。
【0066】この矯正装置によれば、上記第1の実施形
態と同様に、同様の効果を得ることができる。
【0067】その上、本実施形態の装置では、容器底壁
(2)を購入初期の状態、すなわち内反り状態に成形で
きるので、耐変形性に非常に優れ、実質的に、新品と変
わりない程度にまで再生することができる。
【0068】更に押込成形体(60)や支持枠(70)
は、磁石等を利用して着脱自在に取り付けているため、
必要に応じて、取り外すことにより、容器底壁(2)を
フラットに整形することも可能である。
【0069】なお、この第2の実施形態においては、一
対の整形体(42)(45)のうち少なくともいずれか
片方、例えば上側の固定整形体(45)のみで、底壁
(2)を冷却できるように構成すれば、底壁(2)を内
反り状態に成形することは可能である。
【0070】また上記各実施形態においては、下側の熱
盤及び整形体を昇降駆動可能に構成して、一対の熱盤同
士及び整形体同士を接離するように構成しているが、本
発明は、それだけに限られず、例えば上側の熱盤及び整
形体を昇降駆動可能に構成して、一対の熱盤同士及び整
形体同士を接離するように構成しても良い。更に各熱盤
及び各整形体をそれぞれ昇降駆動可能に構成して、一対
の熱盤同士及び整形体同士を接離させるようにしても良
い。
【0071】また一対の熱盤及び整形体の接離方向も上
下方向のみに限られず、左右方向や前後方向であっても
斜め方向であっても良い。
【0072】更に冷却手段も上記のものだけに限られ
ず、整形体を冷却できるものであればどのような手段を
用いても良い。
【0073】
【発明の効果】以上のように、本願第1の発明の合成樹
脂容器の矯正装置によれば、容器底壁を内外両面から挟
圧して整形固化する一対の整形体をそれぞれ冷却するよ
う構成しているため、容器底壁を内外両面から効率良く
冷却でき、生産効率の向上及びコストの削減を図ること
ができる。更に容器底壁の内面側は、外面側とは異な
り、ほぼ平面に形成されるのが一般的であるため、可動
整形体と容器底壁との接触面積を大きく確保できる。従
って可動矯正体を冷却してそこから容器底壁を冷却する
ことにより、底壁をより一層効率良く冷却でき、一段と
生産効率の向上及びコストの削減を図ることができると
いう効果がある。
【0074】本願第2の発明の合成樹脂容器の矯正装置
によれば、容器底壁を、内外両面から挟んで整形し固化
させる一対の整形体のうち容器の外底側に配置される整
形体の挟圧面に押込成形体を設けているため、その押込
成形体が、一対の整形体の挟圧動作に伴って樹脂容器の
底壁中間領域を容器内側に押し込むことにより、容器底
壁を購入初期と同様の内反り状態に成形でき、耐変形性
等に非常に優れた新品同様の形状に矯正できるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態である合成樹脂容器
の矯正装置を概略的に示す正面断面図である。
【図2】第1実施形態において挟圧矯正処理中の矯正装
置を示す正面断面図である。
【図3】第1実施形態の矯正装置における加熱セクショ
ンを示す正面断面図である。
【図4】第1実施形態の矯正装置における冷却セクショ
ンを示す正面断面図である。
【図5】この発明の第2の実施形態である合成樹脂容器
の矯正装置を示す正面断面図である。
【図6】第2実施形態において挟圧矯正処理中の矯正装
置を示す正面断面図である。
【図7】第2実施形態の矯正装置における冷却セクショ
ンを示す正面断面図である。
【図8】第2実施形態において押込成形体と支持枠とを
分離した状態で示す斜視図である。
【図9】第2実施形態において押込成形体と支持枠とを
突き合わせた状態で示す斜視図である。
【図10】合成樹脂容器をその一部を切り欠いた状態で
示す側面図である。
【図11】提案例である合成樹脂容器の矯正装置を示す
正面断面図である。
【符号の説明】
1…合成樹脂容器 2…底壁 32、35…熱盤 42、45…整形体 50…冷却手段 60…押込成形体 70…支持枠(支持部材)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性合成樹脂容器の変形した底壁を
    矯正するための合成樹脂容器の矯正装置であって、 前記合成樹脂容器の底壁を、内外両面から挟んで加熱し
    軟化させる一対の熱盤と、 加熱軟化した前記合成樹脂容器の底壁を、内外両面から
    挟んで整形し固化させる一対の整形体と、 前記一対の整形体をそれぞれ冷却するための冷却手段と
    を備えることを特徴する合成樹脂容器の矯正装置。
  2. 【請求項2】 熱可塑性合成樹脂容器の変形した底壁を
    矯正するための合成樹脂容器の矯正装置であって、 前記合成樹脂容器の底壁を、内外両面から挟んで加熱し
    軟化させる一対の熱盤と、 加熱軟化した前記合成樹脂容器の底壁を、内外両面から
    挟んで整形し固化させる一対の整形体と、 前記一対の整形体のうち前記合成樹脂容器の外底側に配
    置される整形体の挟圧面に設けられ、前記一対の整形体
    の挟圧動作に伴って容器底壁の中間領域を容器内側に押
    し込んで、容器底壁を内反り状態に成形するための押込
    成形体と、 前記一対の整形体のうち前記合成樹脂容器の内底側に配
    置される整形体の挟圧面に設けられ、容器底壁の外周領
    域を容器内側から支持するための支持部材とを備えるこ
    とを特徴とする合成樹脂容器の矯正装置。
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