JP2681977B2 - 車両用駆動系クラッチ制御装置 - Google Patents

車両用駆動系クラッチ制御装置

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JP2681977B2
JP2681977B2 JP63052899A JP5289988A JP2681977B2 JP 2681977 B2 JP2681977 B2 JP 2681977B2 JP 63052899 A JP63052899 A JP 63052899A JP 5289988 A JP5289988 A JP 5289988A JP 2681977 B2 JP2681977 B2 JP 2681977B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、四輪駆動車の駆動力配分制御装置や左右駆
動軸間や前後駆動軸間のディファレンシャル機構の差動
制限制御装置として用いられる車両用駆動系クラッチ制
御装置に関する。
(従来の技術) 従来、車両用駆動系クラッチ制御装置のクラッチ発熱
抑制制御としては、例えば、特開昭62-175223号公報に
記載されている制御が知られている。
この従来装置では、クラッチを損傷させたり、適切な
伝達トルクの可変制御に影響を与えるクラッチ発熱に対
し、クラッチの発熱量を検出し、検出された発熱量が許
容値を越えたらクラッチの摩擦部材相互間のすべり量を
零とするクラッチ締結固定制御を行ない、すべり摩擦に
よるその後の発熱を抑えるようにしている。
尚、クラッチの発熱量は、入出力軸の回転速度差と伝達
トルクとの積で演算により求められる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来のクラッチ発熱抑制制
御にあっては、クラッチ締結固定制御の開始判断はクラ
ッチ発熱量の検出で出来るが、発熱量が許容値を越えた
らクラッチの摩擦部材相互間のすべり量を零とするクラ
ッチ締結固定制御に入る為、この制御中のクラッチ発熱
量は演算上零になってしまい(入出力軸の回転速度差
零)、制御解除判断をクラッチの発熱量の検出に基づい
て行なうことが出来ない。従って、この従来例では、制
御の解除判断を行なう為、新たにアクセルOFFセンサを
追加し、アクセルOFF時にクラッチ締結固定制御の解除
を行なうようにしている。
即ち、アクセルOFFセンサの追加によりコスト的に不
利であると共に、アクセルOFF操作を行なわない限り
は、クラッチ発熱が充分に抑制されていてもクラッチ締
結固定が維持され、伝達トルクの可変制御の禁止状態が
長時間続いたり、四輪駆動車ではタイトコーナブレーキ
ング現象も発生してしまうという課題があった。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上述のような課題を解決することを目的と
してなされたもので、この目的達成のために本発明で
は、以下に述べる手段とした。
本発明の解決手段は、エンジン駆動力を前後輪または
左右輪に分配可能な位置に設けられ、外部からのクラッ
チトルクで締結される摩擦クラッチと、 前記摩擦クラッチの外部に設けられ、所定の入力情報
及び制御内容に基づいて前記クラッチトルクの増減制御
をするクラッチトルク制御手段とを備えた車両用駆動系
クラッチ制御装置において、 前記クラッチトルク制御手段は、伝達トルクの可変制
御で付与されるべき目標クラッチトルクと前後輪または
左右輪の回転速度差により前記摩擦クラッチの発熱量を
検出するクラッチ発熱量検出部を有し、 該クラッチ発熱量検出部により検出されたクラッチ発
熱量検出値が許容値を越えた場合には、徐々にクラッチ
トルクを増加するクラッチ発熱保護ロジックを開始し、
その後、クラッチ発熱量検出値が許容値内に復帰したら
クラッチトルクを減少し、トルク減少によりクラッチ発
熱量検出値が再び許容値を越えたらクラッチトルクを増
加するという増減制御を、クラッチ発熱量が許容値以下
で、且つ、目標クラッチトルクがクラッチ発熱を保護す
るプロテクトトルクを越えているというクラッチ発熱保
護ロジックの解除条件を満足するまで行なう手段である
事を特徴とする。
(作用) 走行中、クラッチ発熱量検出部部は、伝達トルクの可
変制御で付与されるべき目標クラッチトルクと前後輪ま
たは左右輪の回転速度差により摩擦クラッチの発熱量が
検出される。
クラッチ発熱量検出部により検出されたクラッチ発熱
量が許容値以下の場合には、クラッチトルク制御手段に
おいて、最適の前後輪駆動力配分比や差動制限力が得ら
れる通常制御によるクラッチトルクの増減制御が行なわ
れる。
クラッチ発熱量検出部により検出されたクラッチ発熱
量検出値が許容値を越えた場合には、クラッチトルク制
御手段において、徐々にクラッチトルクを増加するクラ
ッチ発熱保護ロジックが開始され、摩擦クラッチの相対
回転速度差を小さく抑えることで発熱が抑制される。
その後、クラッチトルク制御手段では、クラッチ発熱
量検出値が許容値内に復帰したらクラッチトルクを減少
し、トルク減少によりクラッチ発熱量検出値が再び許容
値を越えたらクラッチトルクを増加するという増減制御
が、クラッチ発熱量が許容値以下で、且つ、目標クラッ
チトルクがクラッチ発熱を保護するプロテクトトルクを
越えているというクラッチ発熱保護ロジックの解除条件
を満足するまで行なわれる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
尚、この実施例を述べるにあたって、四輪駆動車の駆動
力配分制御装置を例にとる。
まず、構成を説明する。
実施例の駆動力配分制御装置が適応される四輪駆動車
の駆動系は、第1図に示すように、エンジン1,トランス
ミッション2,トランスファ入力軸3,トランスファクラッ
チ装置A,リヤプロペラシャフト4,リヤディファレンシャ
ル5,後輪6,トランスファ出力軸7,フロントプロペラシャ
フト8,フロントディファレンシャル9,前輪10を備えてい
て、後輪へはトランスミッション2を経過してきたエン
ジン駆動力が直接伝達され、前輪10へは前記トランスフ
ァ入出力軸3,7間に設けてあるトランスファクラッチ装
置Cを介して伝達される。
そして、前記トランスファクラッチ装置Cの外部に
は、所定の入力情報及び前記内容に基づいてクラッチト
ルクとなる制御油圧Pcを作り出すクラッチトルク制御手
段として油圧制御装置20が設けられている。
この油圧制御装置20は、リリーフスイッチ21により駆動
または停止するモータ22と、該モータ22により作動して
リザーバタンク23から吸い上げる油圧ポンプ24と、該油
圧ポンプ24からのポンプ吐出圧(一次圧)をチェックバ
ルブ25を介して蓄えるアキュムレータ26と、該アキュム
レータ26からのライン圧(二次圧)をコントロールユニ
ット27からの制御電流iにより所定の制御油圧Pcに調整
する電磁比例圧力弁28とを備え、制御油圧パイプ29を経
過して制御油圧ポート30に供給される。
尚、コントロールユニット27は、電子制御回路構成であ
り、情報入力センサとして前輪回転速センサ31や後輪回
転速センサ32等を備え、通常の場合は、例えば、第3図
に示すようなトルク特性に従って、前後輪回転速度差N
realに応じた目標クラッチトルクTが得られる、即
ち、走行状態に応じて最適な前後輪駆動力分配比が得ら
れる制御が行なわれるが、演算による検出で得られたク
ラッチ発熱量Q(=T×N real)が所定の許容値A0
越えた場合には、徐々に指令クラッチトルクTCを増加
し、その後、検出されたクラッチ発熱量Qが許容値A0
に復帰したらクラッチ発熱量Qが許容値A0以下を保つよ
うに指令クラッチトルクTCを増加又は減少し、多板摩擦
クラッチ60の過熱を防止するクラッチ発熱対応制御が行
なわれる。
前記トランスファクラッチ装置Cは、第2図に示すよ
うに、外部の油圧制御装置20からの制御油圧Pcにより作
動する押圧機構40で締結される多板摩擦クラッチ60と、
トランスファ入力軸3側に設けられ、トランスファケー
ス11及びケースカバー12内のクラッチ冷却用の潤滑油15
を吸い上げて多板摩擦クラッチ60の内側位置に潤滑油15
を導く潤滑ポンプ70とを有している。
前記多板摩擦クラッチ60の押圧機構40としては、シリ
ンダブロック41、ピストン室42、ピストン43、ピストン
ロッド44、揺動プレート45、揺動ピン46、固定プレッシ
ャプレート47、ベアリング48、回転プレッシャプレート
49、プレッシャブロック50、リターンスプリング51を備
えている。
前記多板摩擦クラッチ60は、トランスファ入力軸3と
スプライン結合するクラッチドラム61と、該クラッチド
ラム61側にスプライン嵌合するドライブプレート62と、
該ドライブプレート62の間に挟装されるドリブンプレー
ト63と、該ドリブンプレート63をスプライン嵌合させ、
トランスファ入力軸3に対してはニードルベアリング64
で回転可能に支持されているクラッチハブ65とを備えて
いる。
尚、前記クラッチハブ65からは、第1スプロケット66→
チェーン67→第2スプロケット68を経過してトランスフ
ァ出力軸7に駆動トルクが伝達される。
前記潤滑ポンプ70は、トランスファ入力軸3の入口部
のポンプハウジング71及びポンプカバー72内に設けられ
たトロコイドポンプタイプのもので、その吸入ポート73
は、吸い込み口74を有するサクションチューブ75と連通
し、その吐出ポート76は、トランスファ入力軸3に形成
された径方向油路77,軸方向油路78及び径方向油路79と
クラッチハブ65に形成された油穴80,81に連通し、トラ
ンスファケース11内のクラッチ冷却用の潤滑油15を吸い
上げて多板摩擦クラッチ60に潤滑油15を導き、油穴82か
ら排出する。
前記トランスファケース11の下部に貯留させているク
ラッチ冷却用の潤滑油15には、トランスファ入力軸3と
はオフセットして設けられた前輪10へのトランスファ出
力軸7及びチェーン67が浸漬されると共に、潤滑ポンプ
70の吸い込み口74が配置されている。
尚、第2図中、90は継手フランジ、91,92,93はシー
ル、94,95,96,97,98はベアリングである。
次に、作用を説明する。
まず、請求項1及び請求項2に対応する第1実施例の
コントロールユニット27で行なわれるクラッチトルク制
御処理作動の流れを第4図のフローチャート図により述
べる。
ステップ101では、前後輪回転速度差N realに応じた
目標クラッチトルクTが得られる、即ち、走行状態に
応じて最適な前後輪駆動力配分比が得られる通常制御が
行なわれる。
尚、目標クラッチトルクTは、前後輪回転速度差N re
alから以下の演算式で求められる。
=f(N real) (第3図) N real=|Nr−Nf| ステップ102では、現在、クラッチ発熱保護ロジック
が作動中か否かがQFLGにより判断される。そして、QFLG
>0(=1)の場合には、保護ロジック作動中であるの
でステップ115へ進むが、QFLG≦0(=0)の場合に
は、保護ロジック作動中ではないので、ステップ103以
降に進む。
ステップ103では、前回のクラッチ発熱保護ロジック
が終了してからの時間をカウントするQENDカウンタがイ
ンクリメントされる。
ステップ104では、クラッチ発熱量Qが目標クラッチ
トルクTと前後輪回転速度差N realの積で計算され
る。
Q=T×N real ステップ105では、クラッチ発熱量Qが許容値A0より
大きいか否かが判断される。
そして、クラッチ発熱量Qが許容値A0以下の場合には
(Q≦A0)、ステップ114において、クラッチ発熱量Q
が許容値A0を越えてからの時間をカウントするQCNTカウ
ンタをクリアにし、更に、ステップ112において、目標
クラッチトルクTを指令クラッチトルクTCとして、こ
の指令クラッチトルクTCが得られる制御油圧Pcに調整す
る制御電流iが電磁比例圧力弁28に出力される。
また、前記ステップ105での判断で、クラッチ発熱量
Qが許容値A0より大きい場合には(Q>A0)、ステップ
106以降に進む。
ステップ106では、QENDカウンタがチェックされる。
そして、QEND<A4であり、QENDカウンタの値が設定値
A4より小さい場合には、前回クラッチが発熱した後、直
ちに再発熱し熱容量に余裕がないと判断して、直ちにク
ラッチトルクを増加する為にステップ109へ飛ぶ。
また、QEND≧A4であり、QENDカウンタの値が設定値A4
以上の場合には、クラッチの熱容量に余裕がある為、ス
テップ107及びステップ108において設定時間A1だけ待
つ。
ステップ107では、QCNTがインクリメントされる。
ステップ108では、QCNTの値が設定時間A1より大きい
か否かが判断される。
そして、QCNT>A1の場合には、ステップ109〜ステッ
プ113へ進み、ステップ113では、プロテクトトルクTQ
指令クラッチトルクTCとして、この指令クラッチトルク
TCが得られる制御油圧Pcに調整する制御電流iが電磁比
例圧力弁28に出力される。
また、QCNT≦A1の場合には、通常制御での出力をする
ステップ112へ進む。
ステップ109では、クラッチ発熱保護ロジックより計
算されるプロテクトトルクTQが1制御周期前の指令クラ
ッチトルクTCOにより計算される。
TQ=TCO+A2 A2;設定値 ステップ111では、QFLGに1を入れ、クラッチ発熱保
護ロジックが作動中であることを明示される。
ステップ111では、目標クラッチトルクTとプロテ
クトトルクTQとの大小を比較され、大きい方を指令クラ
ッチトルクTCとする。
TQ>T ;TC=TQ TQ≦T ;TC=T 以上は、クラッチ発熱の検出処理と初期動作処理であ
る。
次に、クラッチ発熱保護ロジック作動中の動作処理を
説明する。
ステップ102において、QFLG=1の場合には、ステッ
プ115以降へ進む。
ステップ115では、クラッチ発熱量Qが1制御周期前
の指令クラッチトルクTCO(現在かかっているクラッチ
トルク)と前後輪回転速度差N realより計算される。
Q=TCO×N real ステップ116では、クラッチ発熱量Qが許容値A0より
大きいか否かが判断される。
そして、Q>A0の場合には、クラッチトルクを増加す
る為、ステップ117へ進み、ステップ117では、プロテク
トトルクTQの増加が計算される。
TQ=TCO+A2 A2;設定値 その後、ステップ111へ飛び、プロテクトトルクTQと目
標クラッチトルクTとの大きい方をステップ112また
はステップ113から出力する。
また、Q≦A0の場合には、クラッチトルクを減少する
為、ステップ118へ進み、ステップ118では、プロテクト
トルクTQの減少が計算される。
TQ=TCO−A3 A3;設定値 次に、ステップ119へ進み、目標クラッチトルクT
プロテクトトルクTQとの大小の比較がなされる。
≦TQの場合;ステップ113へ進み、プロテクトトル
クTQが指令クラッチトルクTCとして出力される。
>TQの場合;Q≦A0(ステップ116)で、且つ、T
>TQというクラッチ発熱保護ロジックの作動解除条件を
満足することで、ステップ120へ進み、クラッチ発熱保
護ロジックが終了する。
ステップ120では、QFLG,QCNT,QENDがそれぞれクリア
される。
次に、第1実施例でのクラッチトルク制御作用を述べ
る。
(イ)保護ロジック非作動中でQ≦A0の時 クラッチ発熱保護ロジックが非作動中で、クラッチ発
熱量Qが許容値A0以下の場合には、ステップ101→ステ
ップ102→ステップ103→ステップ104→ステップ105→ス
テップ114→ステップ112へ進む制御作動の流れとなり、
コントロールユニット27では、第3図に示す目標クラッ
チトルク特性に従って、最適の前後輪駆動力配分比が得
られる通常制御による指令クラッチトルクTCの増減制御
が行なわれる。
(ロ)Q>A0の時 クラッチ発熱量Qが許容値A0を越えた場合には、クラ
ッチ発熱保護ロジックが作動中になると共に、コントロ
ールユニット27では、設定値A2が加算されるプロテクト
ルトルクTQにより、徐々に指令クラッチトルクTCを増加
させ(ステップ109及びステップ117)、多板摩擦クラッ
チ60の発熱量を抑制する。その後、クラッチ発熱量Qが
許容値A0内に復帰したらクラッチ発熱量Qが許容値A0
下を保つように指令クラッチトルクTCの増減制御が行な
われる(ステップ117及びステップ118)。
そして、Q≦A0で、且つ、T>TQの条件を満足すれ
ば、クラッチ発熱保護ロジックの作動が解除される。
(ハ)再発熱時 ステップ106〜ステップ109の処理によって、設定時間
A4内に再びクラッチ発熱量Qが許容値A0を越える場合に
は、直ちに指令クラッチトルクTCを増加するが、設定時
間A4以上クラッチ発熱量Qが許容値A0内にあった後、発
熱した場合には、設定時間A1だけ指令クラッチトルクTC
の増加が待たれる。
以上説明してきたように、第1実施例の駆動力配分制
御装置では、以下に列挙する効果が得られる。
指令クラッチトルクTCの増減制御により発熱量Qの検
出が常に可能な為、アクセルOFFセンサ等の追加が不要
でコスト的に有利であると共に、伝達トルクの可変制御
の禁止状態が長時間続くことも、四輪駆動車ではタイト
コーナブレーキング現象が発生することもなく、多板摩
擦クラッチ60の過熱を防止することが出来る。
再発熱時には、多板摩擦クラッチ60の熱容量の余裕に
応じて指令クラッチトルクTCの増加制御を行なうように
している為、熱容量に余裕のない時には、直ちに指令ク
ラッチトルクTCの増加を行なうことで、多板摩擦クラッ
チ60の発熱からの保護を確保しながら、熱容量に余裕の
ある時には、設定時間A1だけ指令クラッチトルクTCの増
加を待つことで、クラッチトルクが高めとなるクラッチ
発熱保護ロジックの作動時間が短縮され、通常制御作動
時間を長く保つことが出来る。
次に、請求項1及び請求項3に対応する第2実施例の
コントロールユニット27で行なわれるクラッチトルク制
御処理作動の流れを第5図のフローチャート図により述
べる。
この第2実施例は、再発熱時のクラッチ発熱許容値を
徐々に小さくする例である。
ステップ205では、QENDカウンタがチェックされる。
そして、QEND≦A4であり、設定時間A4以内に再発熱し
た場合、ステップ208以降で発熱許容値QXを小さい値に
変更制御する。
ステップ208では、再発熱対策として、例えば、再発
熱の場合、許容値を1/2とすると、現在の発熱量Qと1/2
QXとが比較される。
Q≦1/2 QXの場合;再発熱としないでステップ214で目
標クラッチトルクTが指令クラッチトルクTCとして出
力される。
Q>1/2 QXの場合;再発熱したと判断して、ステップ20
9で発熱許容値QXを小さくする。
QX=1/2 QX≧A5 A5;設定値 また、ステップ205でQEND>A4であり、QENDカウンタ
が設定時間A4以上の場合には、充分冷却されたと判断し
て、ステップ206で発熱許容値QXをA0とする。
その他のステップに関しては、第4図に示す第1実施
例の場合と同様であるので、ここでは説明を省略する。
従って、この第2実施例では、上記の効果に加え
て、以下に述べる効果が得られる。
クラッチ発熱を短時間で繰り返した場合、発熱許容値
QXを小さくする制御を行なうようにした為、クラッチの
熱容量の余裕が少なくなっている時に、クラッチ冷却を
充分に行なうことが出来る。
次に、請求項1及び請求項4に対応する第3実施例の
コントロールユニット27で行なわれるクラッチトルク制
御処理作動の流れを第6図のフローチャート図により述
べる。
この第3実施例は、横加速度Ygによりロジック定数を
変更する例である。
ステップ302では、横加速度センサ等により横加速度Y
gが読み込まれる。
ステップ303では、横加速度Ygに基づいて各変数が計
算される。
・クラッチ増加設定値ΔTP ΔTP=f(Yg)=A2′/Yg 即ち、Ygの増加と共にΔTPを小さくする。
・クラッチ減少設定値ΔTN ΔTN=f(Yg)=A3′/Yg 即ち、Ygの増加と共にΔTNを小さくする。
以上のΔTP,ΔTNは、クラッチトルクの変化幅を小さく
して車両挙動への影響を小さくスムーズにしている。
・発熱検出後のクラッチトルク増加までの待ち時間W ti
me W time=f(Yg)=A1′×Yg 即ち、Ygの増加と共にW timeを大きくし、クラッチト
ルクを増加するのを待つ時間を長くして、車両が旋回限
界にある時程、車両への影響を出づらくしている。
上記クラッチ増加設定値ΔTPは、ステップ311及びステ
ップ319に影響し、クラッチ減少設定値ΔTNは、ステッ
プ320に影響し、待ち時間W timeはステップ310に影響す
る。
その他のステップに関しては、第4図に示す第1実施
例の場合と同様であるので、ここでは説明を省略する。
従って、この第3実施例では、上記の効果に加え
て、以下に述べる効果が得られる。
横加速度Ygによりロジック定数を変更するようにして
いる為、横加速度Ygが大きい場合には、指令クラッチト
ルクTCを徐々に上げることで、急な強アンダーステアを
防止出来る。
つまり、乾燥路での急旋回等の場合、クラッチトルクが
急増すると、急に強アンダーステアとなって危険であ
る。
また、横加速度Ygが小さい場合には、指令クラッチトル
クTCを急増することで、多板摩擦クラッチ600を発熱か
ら保護することが出来る。
つまり、横加速度Ygが小さい直進時にはクラッチトルク
が急変しても車両挙動に影響が無いし、低μ路旋回時に
は、既にクラッチトルクが大きくなっており、更に、ク
ラッチトルクを増加しても車両挙動変化は小さい。
以上、実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体
的な構成及び制御内容はこの実施例に限られるものでは
ない。
例えば、実施例では、四輪駆動車の駆動力配分制御装
置への適応例を示したが、左右輪や前後輪の差動制限制
御装置としても適応できる。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の車両用駆動系クラ
ッチ制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られ
る。
(1)伝達トルクの可変制御で付与されるべき目標クラ
ッチトルクと前後輪または左右輪の回転速度差により摩
擦クラッチの発熱量を検出するため、クラッチ発熱保護
ロジックに入ってもクラッチ発熱量の検出が常に可能で
あり、アクセルOFFセンサ等の追加が不要でコスト的に
有利である。
(2)クラッチ発熱保護ロジックの解除を摩擦クラッチ
の発熱量と目標クラッチトルクを監視して行なうように
したため、解除条件をクラッチ発熱量とは無関係なアク
セルOFF操作等とする場合のように伝達トルクの可変制
御の禁止状態が長時間続くことも、四輪駆動車ではタイ
トコーナブレーキング現象が発生することもなく、摩擦
クラッチの過熱を防止することが出来る。
(3)クラッチ発熱保護ロジックの解除条件を、クラッ
チ発熱量が許容値以下で、且つ、目標クラッチトルクが
クラッチ発熱を保護するプロテクトトルクを越えている
という条件としたため、クラッチ発熱量検出値と許容値
の大小関係のみを開始条件と解除条件とする場合のよう
に、発熱量検出値が発熱量許容値領域で変動する時にク
ラッチ発熱保護の制御開始と制御解除が繰り返される、
いわゆる、制御ハンチングを防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の駆動力配分制御装置を適応した
四輪駆動車の駆動系及び制御系を示す図、第2図は実施
例装置に用いられたトランスファクラッチ装置を示す断
面図、第3図は目標クラッチトルク特性図、第4図は第
1実施例のコントロールユニットでのクラッチトルク制
御作動の流れを示すフローチャート図、第5図は第2実
施例のコントロールユニットでのクラッチトルク制御作
動の流れを示すフローチャート図、第6図は第3実施例
のコントロールユニットでのクラッチトルク制御作動の
流れを示すフローチャート図である。 C……トランスファクラッチ装置 1……エンジン 2……トランスミッション 3……トランスファ入力軸 7……トランスファ出力軸 20……油圧制御装置(クラッチトルク制御手段) 60……多板摩擦クラッチ(摩擦クラッチ)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン駆動力を前後輪または左右輪に分
    配可能な位置に設けられ、外部からのクラッチトルクで
    締結される摩擦クラッチと、 前記摩擦クラッチの外部に設けられ、所定の入力情報及
    び制御内容に基づいて前記クラッチトルクの増減制御を
    するクラッチトルク制御手段とを備えた車両用駆動系ク
    ラッチ制御装置において、 前記クラッチトルク制御手段は、伝達トルクの可変制御
    で付与されるべき目標クラッチトルクと前後輪または左
    右輪の回転速度差により前記摩擦クラッチの発熱量を検
    出するクラッチ発熱量検出部を有し、 該クラッチ発熱量検出部により検出されたクラッチ発熱
    量検出値が許容値を越えた場合には、徐々にクラッチト
    ルクを増加するクラッチ発熱保護ロジックを開始し、そ
    の後、クラッチ発熱量検出値が許容値内に復帰したらク
    ラッチトルクを減少し、トルク減少によりクラッチ発熱
    量検出値が再び許容値を越えたらクラッチトルクを増加
    するという増減制御を、クラッチ発熱量が許容値以下
    で、且つ、目標クラッチトルクがクラッチ発熱を保護す
    るプロテクトトルクを越えているというクラッチ発熱保
    護ロジックの解除条件を満足するまで行なう手段である
    事を特徴とする車両用駆動系クラッチ制御装置。
  2. 【請求項2】前記クラッチトルク制御手段は、設定時間
    内でクラッチ発熱量が許容値を再び越える場合は、直ち
    にクラッチトルクを増加するが、設定時間以上クラッチ
    発熱量が許容値内にあった後に発熱した場合には、発熱
    量が許容値を越えた時点から設定時間だけクラッチトル
    ク増加を待つ制御を行なう手段である請求項1記載の車
    両用駆動系クラッチ制御装置。
  3. 【請求項3】前記クラッチトルク制御手段は、クラッチ
    発熱量が許容値を越えた後に許容値内に復帰した場合、
    復帰後の設定時間内はクラッチ発熱量の許容値を小さく
    する制御を行なう手段である請求項1又は請求項2記載
    の車両用駆動系クラッチ制御装置。
  4. 【請求項4】前記クラッチトルク制御手段は、横加速度
    に応じてクラッチトルクの制御定数が変化し、横加速度
    が大きくなるに従ってクラッチトルクの単位時間当たり
    の増加量及び減少量を小さくする制御を行なう手段であ
    る請求項1又は請求項2又は請求項3記載の車両用駆動
    系クラッチ制御装置。
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