JP2680826B2 - 内燃機関のプレタイム分配組立体のフラッピング防止用ランナー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、内燃機関のプレタイム（pre−timed）分配
組立体のフラッピンク防止用ランナーに関する。

〔従来の技術〕

内燃機関の分配組立体は実質的に、エンジンの寸法に
応じて単一又は複数リンク式の伝動チェーンにより位相
が一致して連結されている一対のスプロケットホイール
によって構成される。

一定の使用時間の後、このような伝動チェーンは長く
なり、始動時のフラッピング現象を起こす。

騒音源になり、さらには摩耗の原因になるので、かか
る現象は好ましくない。

従来技術よると、このような分配組立体の伝動チェー
ンを緊張させるためのチェーン緊張ランナーが、例え
ば、本出願人と同一の出願人によって出願された特許出
願第昭和57年第18085号において開示されているように
公知である。この従来技術では、要約すると、分配組立
体の伝動チェーンの２つの分岐を収容するようになって
いる一対のガイドが、分岐したハブによって構成されて
いる。前記ランナーは、所定の目的を達成するけれど
も、いくつかの欠点を有する。

前記ランナーを使用しても、分配組立体を良好に事前
に組み立てることはできず、従って、同じ分配組立体を
エンジンに組み立てる作業は簡素化されない。

さらに、任意の形式のエンジンに予定されている前記
ランナーを分配組立体に広範に採用することはできな
い。何故ならば、前記ランナーの側面の全体寸法が関連
する分配組立体の寸法よりもかなり大きいため、従来の
フラッピング防止用装置の交換品は同じ機能を果たすが
異なる着想を有するからである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明の目的は、きわめて小さな側面寸法を有し、分
配組立体を良好に事前に組み立てることができる分配組
立体のランナーを提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明のこれらの及びその他の目的は、伝動チェーン
によって連結された一対のスプロケットホイールによっ
て構成される内燃機関のプレタイム組立体のフラッピン
グ防止用ランナーにおいて、互いに並接して位置決めさ
れた第１のユニットと第２ユニットとを含み、これらの
各々は、第１円周縁部で接合されたチェーン支持用の２
つの末広がりの側縁部をもつ有形板によって構成され、
少なくとも前記ハーフランナーのうちの内面には、２つ
のハーフランナーを互いに接合する手段を備える突出し
た位置決め間隔面が設けられ、スプロケットホイールの
頂端と対向した第２縁部によって囲まれていることを特
徴とするフラッピング防止用ランナーによって得られ
る。

本発明を、添付図面を参照して、限定的な目的のため
にではなく単なる例示として説明する。

〔実施例〕 第１図乃至第４図を参照すると、全体として参照符号
10で示されている本発明のランナーは、より大きなスプ
ロケットホイール19、より小さなスプロケットホイール
20及び伝動チェーン21からなる分配組立体と関連してお
り、普通の留め具（図示せず）で互いに接合することが
でき、通し孔13に係合する第１ハーフランナー11と第２
ハーフランナーによって（ほぼＨ−形構造を呈して）構
成されている。

ハーフランナー11とハーフランナー12の両方は、より
大きな直径の第１円周縁部15とより小さな直径の第２円
周縁部16とによって接合されている一対の末広がりのガ
イド14を含む。位置決めスペーサ半平面17が、各ハーフ
ランナー11、12の内面から突出している。

各半平面17の厚さは分配組立体のスプロケットホイー
ル19、20の厚さの半分に等しく、ランナー10は、実質的
に縁部15、16のそれぞれと同心である一対の縁部22、23
と協同し、これらを定めるように設計されている。

第１ハーフランナー11と第２ハーフランナー12との唯
一の相違は、円周縁部15の広がりにある。すなわち、円
周縁部15の広がりは、第１ハーフランナーにおいてはか
なり長く、第２ハーフランナーにおいては、設置される
スプロケットホイール19のシャフト25の固定又は可動ス
リーブ24の半径と実質的に同一である。

縁部16は、スプロケットホイール20の駆動シャフト又
は他の同様の手段と関連したスリーブ26と協同する位置
決め要素を構成する。

ランナー10の第１ハーフ11と第２ハーフ12は、一対の
スプロケットホイール19、20と伝動チェーン21によって
構成されている調時した分配組立体18に接合されてい
る。

このようにして、ランナー10は、調時した状態で売買
されエンジンのシャフト25、27への適用を非常に簡単に
した分配組立体18とともに一体の本体を構成する。ラン
ナー10の安定性と機能性は、まず第１に、スプロケット
ホイール19、20を有する第１接触点まで伝動チェーン21
を支持し案内するために延長されているガイド14によっ
て得られ、第２に、第２ハーフランナー12の縁部15と、
分配シャフト25及び駆動シャフト27のスリーブ24、26を
形成するハーフランナー11と12の両方の縁部16との接触
によって得られる。

分配組立体18を組み立てるためには、まず、スプロケ
ットホイール19、20を伝動チェーン21の端部で互いに相
対的に時間を定めた状態に位置決めする。

次いで、ランナー10の第１ハーフランナー11と第２ハ
ーフランナー12を、伝動チェーンの２つの分岐がガイド
14の上に位置するように、スプロケットホイール19と20
との間に置いて互いに接合する。

かかる組み立て作業の終わりに、分配組立体18は一体
の本体を構成する。何故ならば、伝動チェーン21に載っ
ているガイド14及びスプロケットホイール19、20と反対
側の縁部22、23は、組立体が正確に作動するのに必要な
隙間を考慮した状態で、スプロケットホイール19、20
が、分配組立体全体の組立時に得られるような異なるタ
イミングを取らないようにするからである。

いわゆるプレアセンブル式組立体は、組立体をエンジ
ンに取り付ける組立作業をきわめて容易にする。

要素19、20、21の側面寸法と実質的に同一の側面寸法
を示す本発明の特徴は、全体寸法を減少させることが一
層切迫した要求であるエンジンにとって特に適当な適用
分野になることは明らかである。

しかしながら、かかる要求がそれほど緊急でないと
き、フランジ28、すなわち、スプロケットホイール19と
20との間を走行する伝動チェーン21の２つの分岐によっ
てガイド14が囲まれている実用的な実施例の変形形態が
可能である（第５図及び第６図参照）。

【図面の簡単な説明】

第１図は関係のある（鎖線で示した）伝動組立体と関連
した本発明のランナーの正面図、第２図は第１図のII−
II線における断面図、第３図は第２図のIII−III線にお
ける断面図、第４図は第２図のIV−IV線における断面
図、第５図は本発明の実用的な実施例の異なる形態によ
って達成されたランナーの正面図、第６図は第５図のラ
ンナーの側面図である。 10……フラッピング防止用ランナー、 11、12……ハーフランナー、 14……ガイド、 19、20……スプロケットホイール、 21……伝動チェーン、 28……フランジ。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】伝動チェーンによって連結された一対のス
   プロケットホイールによって構成される内燃機関の分配
   組立体のフラッピング防止用ランナーにおいて、互いに
   並接して位置決めされた第１ハーフランナー（11）と第
   ２ハーフランナー（12）とを含み、これらの各々は、円
   周位置決め縁部（15）、（16）で接合されたチェーン支
   持用の２つの末広がりのガイド（14）をもつ有形板によ
   って構成され、前記第１及び第２ハーフランナーの１つ
   の前記円周位置決め縁部（15、16）が、シャフト（26、
   27）に取り付けられたスリーブ（24、26）の半径と実質
   的に同じ半径を呈し、少なくとも前記ハーフランナー
   （11、12）のうちの１つの内面には、２つのハーフラン
   ナー（11）と（12）を互いに接合する手段を備える突出
   した位置決め間隔面（17）が設けられ、該位置決め間隔
   面（17）は、スプロケットホイール（19）、（20）の頂
   端とそれぞれ対向した一対の縁部（22）、（23）によっ
   て囲まれていることを特徴とするフラッピング防止用ラ
   ンナー。
2. 【請求項２】一対のスプロケットホイール（19）、（2
   0）と伝動チェーン（21）との間に収容され、前記要素
   とともに調時した分配組立体（18）を構成し、前記ラン
   ナー（10）は、分配組立体（18）の厚さとほぼ等しい厚
   さを有することを特徴とする請求項（１）記載のランナ
   ー。
3. 【請求項３】ガイド（14）には、伝動チェーン（21）を
   囲むフランジ（28）が設けられていることを特徴とする
   請求項（１）記載のランナー。