JP2680558B2 - 仕切弁ボックス - Google Patents

仕切弁ボックス

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JP2680558B2
JP2680558B2 JP7096438A JP9643895A JP2680558B2 JP 2680558 B2 JP2680558 B2 JP 2680558B2 JP 7096438 A JP7096438 A JP 7096438A JP 9643895 A JP9643895 A JP 9643895A JP 2680558 B2 JP2680558 B2 JP 2680558B2
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章生 明渡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水道・瓦斯・その他の
液体の輸送のために地中に埋設された管路に使用される
仕切弁ボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、水・瓦斯・その他の液体の輸送
は、管路を地中に埋設して行なっている。そして、人口
の増加・生活様式の変化とその程度・文化の向上等に伴
って各種の目的のために各種の管路は多様に敷設され、
かつ、分岐・延長・増設されて錯綜状態にある。都会地
においては、管路が何層にも重なりあい、その錯綜状態
は甚だしいものである。
【0003】また、これらの管路には、その輸送を制御
するために、各種の多数の弁類が配管と一体になって使
用されている。これらの弁の中でも、仕切弁が圧倒的に
多数を占めており、その仕切弁の所在を示すと共に、弁
の開閉に必要な空間を確保するための仕切弁ボックスが
使用されている。この仕切弁ボックスの構造の一例を図
12及び図13に基づいて説明する。まず、弁の上部に
配設されるボックス本体1が設けられている。このボッ
クス本体1は上方へ突出する筒状部2を有し、この筒状
部2の外周にはネジ部3が形成されていると共にその内
部は作業空間となっている。このようなボックス本体1
の筒状部2に螺合する筒体4が設けられ、この筒体4の
上部開口には、支軸5で起伏自在に保持された蓋6が設
けられている。この蓋6の上面には、「仕切弁」である
旨の表示部7が鋳込みにより一体に形成されている。こ
のように形成された仕切弁ボックスにおいては、蓋6の
上面を地表面に一致させてその蓋6の上面を地表から露
出させているため、仕切弁の所在を表示しており、か
つ、ボックス本体1の筒状部2により、仕切弁を操作す
るための作業空間が確保されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】敷設時から時間が経過
すると、仕切弁の敷設位置の地盤の変動等により、仕切
弁ボックスの蓋が地表に埋没したり、その地表から飛び
出したりする。この場合には、手で筒体4を回すことに
よりその筒体4の位置を上下させている。これにより、
蓋の上面と地表面とを一致させているものであるが、筒
体4を手で回しているので、その作業が大変である。
【0005】また、図12及び図13に示すように、蓋
6が支軸5により筒体4から離れないようにしている場
合には問題がないが、その蓋6を着脱自在のものとした
場合には、悪戯等により「蓋」の開け放ちの危険があ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
地中に埋設されたボックス本体と、蓋が開閉自在に取り
付けられた内筒とをネジ結合し、この内筒に内方へ突出
する突起を形成し、前記蓋に把手を上下動自在に取り付
け、この把手を水平面内の回動で前記突起の縁部に当接
させるようにしたものである。
【0007】請求項2記載の発明は、ボックス本体の内
周にネジ部を形成し、内筒の外周に前記ネジ部と螺合す
るネジ部を形成したものである。
【0008】
【0009】請求項記載の発明は、地中に埋設された
ボックス本体と、蓋が開閉自在に取り付けられた内筒と
をネジ結合し、この内筒に内方へ突出する突起を形成
し、前記蓋に把手を上下動自在に取り付け、この把手を
水平面内の回動で前記突起の縁部に当接させるように位
置決めするとともに前記把手に前記突起を挿通する切欠
を備えた抜け止め円板を固定した。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明によれば、蓋に設けられた
把手を持って回すことにより、その把手が内筒の突部に
当接して内筒に回転力を与えるため、蓋位置の上下動調
整を簡単に行なうことができる。
【0011】請求項2記載の発明によれば、回動する内
筒が土壌に接触するボックス本体の内部に存することか
らその回動を滑らかに行なわせることができてその作業
が容易なものである。
【0012】
【0013】請求項記載の発明によれば、抜け止め円
板の取付が容易であり、また、把手を用いて吊上げ、吊
下げ等の荷役作業を容易にし、据付け時における作業を
も容易にする。
【0014】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1乃至図7に基づ
いて説明する。まず、図1において、8は管路中に設け
られた仕切弁の一部であり、この仕切弁8の上端には仕
切弁キャップ9が取り付けられている。そして、コンク
リートで形成された環状枠状のスラブ10が地中に設置
され、このスラブ10の上部には、コンクリートにより
形成される枠体11が設けられている。この枠体11の
上部には、鋳鉄製のボックス本体12が取り付けられて
いる。このボックス本体12は、図2に示すように、そ
の下端に前記枠体11に嵌合する筒体13とその嵌合深
さを規制するフランジ14とを有する。また、前記ボッ
クス本体12は、上方へ突出する筒状部15を有し、こ
の筒状部15の内周にはネジ部16が形成されている。
ついで、前記ネジ部16に螺合するネジ部17が外周に
形成された内筒18が設けられている。この内筒18の
上部には、対称位置に二個の突起19が形成されてい
る。これらの突起19の両側は縁部20とされている。
また、これらの突起19の上には、上方に拡開するテー
パ部21を備えた蓋嵌合部22が形成されている。
【0015】ついで、前記蓋嵌合部22に嵌合する蓋2
3が設けられている。この蓋23の上面は、前記内筒1
8の上面と一致しているものである。そして、前記蓋2
3の上面には、「仕切弁」と表示された主表示部24が
鋳込みにより形成されている。また、前記蓋23の内面
25には、銘板26を取り付けるための銘板取付面27
とリブ28とが直交して形成されている。前記銘板取付
面27には、銘板26を取り付けるための小ネジ29が
ネジ着されている。また、前記蓋23の内面25には、
弁の種類・口径・配管系統・制御状況・その他の必要事
項を表示する表示体30が形成されている。この表示体
30は、前記銘板26を含むものであるが、鋳込みによ
り一体に形成された仕切弁等の表示部31とこれらの表
示部31を特定するための選択体32とよりなる。具体
的には、前記表示部31は、「仕切弁」「ソフト」等の
弁の種類と、「75」「100」「150」「200」
「250」「300」「400」等の口径と、「スト」
「泥」「送」「配」「給」等の配管系統等よりなり、制
御状況やその他の必要事項は前記銘板26に記載され
る。そして、それぞれの表示部31に近接させて、それ
ぞれ一つずつのネジ孔33が形成されており、それぞれ
複数の要件よりなっている弁の種類・口径・配管系統等
は、前記ネジ孔33に螺合する選択体32としての小ネ
ジ34により特定される。例えば、図6に図示したもの
では、弁の種類は「仕切弁」であり、口径は「75mm」
であり、配管系統は「給水」であることが特定されてい
る。なお、小ネジ34の材質は、ステンレス製とするこ
とにより錆びることがなく、長期間にわたって表示機能
を維持する。
【0016】また、前記蓋23には、所定直径の線材を
コの字形に屈曲させた把手35が取り付けられている。
すなわち、前記銘板取付面27の両端に貫通孔36が形
成され、上面には把手埋込溝37が形成されて前記把手
35が上下動自在に取り付けられている。そして、この
把手35の端部には、ナット38が取り付けられて抜け
止めされている。これらのナット38は、前記突起19
のない位置を通過するものであり、また、円周方向に位
置を変えれば、前記突起19の下面に当接するように設
けられている。また、前記把手埋込溝37の中央部に
は、前記把手35を引き上げるための凹部39が形成さ
れている。
【0017】このような構成において、敷設作業時に
は、スラブ10と枠体11とを配設し、その上にボック
ス本体12を取り付ける。スラブ10から地表までの設
置場所により種々の寸法になるが、その寸法に合わせた
高さの枠体11を選択して設置する。場合によっては、
複数個の枠体11を重ねて設置することもある。つい
で、ボックス本体12に内筒18をねじ結合する。この
時に、内筒18の上面が地表に一致するようにその回動
角度を調節する。すなわち、内筒18とボックス本体1
2とはネジ部16,17で結合されているため、内筒1
8を回すことによりその内筒18の高さは上下する。こ
の内筒18の回動は、後述するように、蓋23を取り付
けてから把手35を利用して行なうこともできる。つい
で、蓋23の取り付けに当っては、把手35のナット3
8を突起19のない位置に合わせてそのナット38を上
から下に通す。そして、把手35から手を離せば、把手
35は把手埋込溝37に落ちこんで蓋23の上面から把
手35が出っ張ることはない。
【0018】このようにして設置された状態において、
なんらかの理由で仕切弁等の操作を行なわなければなら
ない状態になった場合には、図4に示すように、凹部3
9を利用して把手35を上方へ引上げ、その把手35を
持ったまま蓋23を取り外す。この時、把手35のナッ
ト38を突起19に合わせなければならないが、把手3
5を位置方向に回してその把手35を突起19の縁部に
当接させてから多少戻すことにより、ナット38を突起
19に一致させることができる。そして、取り外された
蓋23を裏返すと、表示体30の状態が一目瞭然であ
り、図6に示したものにおいては、弁の種類が仕切弁で
あり、口径が75mmであり、管路系統が給水であること
が容易に認識できる。また、特に図示しないが、他の情
報に関しては、銘板26の表示により読み取れる。その
ため、施工図等の資料がなくても、現場において管路の
状態を知ることができ、必要な作業を直ちに行なうこと
が可能である。そのため、広域にわたって各種の施設が
破壊される災害時等においては、管理部門の機能も麻痺
していることから、従来であれば、現場において必要な
情報が得られず、その復旧が著しく遅延する恐れがある
ものであるが、前述のように蓋23の内面25に必要な
情報が表示されているため、きわめて迅速な対応ができ
る。勿論、平常時においても、錯綜した管路を整理把握
するのに大いに役立つものであり、また、担当者の交代
時に於いても、新任者の業務の遂行に寄与することが大
きい。
【0019】また、設置時から時間が経過すると、設置
場所の地盤が変化し、蓋23の部分が地表に埋まった
り、地表から出っ張ったりすることがある。この状態に
おいては、図5に示すように、把手35を持って回動さ
せると、その把手35が突起19の縁部に当接して内筒
18が回転する。これにより、内筒18の上下位置を調
節して蓋23の上面と地表とを一致させることが容易に
行なえる。しかも、この調節は、微小寸法であっても行
なうことができるため、地表との完全一致が可能であ
る。
【0020】次に、図8乃至図11に基づいて本発明の
第二の実施例を説明する。前記実施例と同一部分は同一
符号を用い、説明も省略する。本実施例は、把手35の
下端に抜け止め円板40をナット38により固定したも
のである。この抜け止め円板40は、その外周が内筒1
8の内周に嵌り込む状態でその内周径に近いものであ
り、前記把手35が挿入される挿入穴41と、前記突起
20が通り抜ける大きさの二個の切欠42とを有する。
【0021】このような構成において、蓋35の着脱に
当っては、突起20と切欠42とを図11に示すように
位置合わせする。これにより、蓋35の上下動は可能で
ある。また、設置時には、図11に示す状態から図10
に示すように約90°回動させておく。これにより、そ
の状態のままでは蓋35を上昇させようとしても突起2
0に抜け止め円板40が緩衝して取り外すことができな
い。そのため、悪戯による蓋35の取り外しを行なうこ
とができず安全である。また、蓋35が散逸するおそれ
もない。さらに、蓋35が取り外されて地表が陥没した
状態になることがないため、安全である。
【0022】
【発明の効果】本発明は上述のように、地中に埋設され
たボックス本体と、蓋が開閉自在に取り付けられた内筒
とをネジ結合し、前記蓋に把手を上下動自在に取り付
け、この把手を水平面内の回動で前記突起の縁部に当接
させるようにしたので、蓋に設けられた把手を持って回
すことにより、その把手が内筒の突部に当接して内筒に
回転力を与えるため、蓋位置の上下動調整を簡単に行な
うことができ、また、ボックス本体の内周にネジ部を形
成し、内筒の外周に前記ネジ部と螺合するネジ部を形成
したので、回動する内筒が土壌に接触するボックス本体
の内部に存することからその回動を滑らかに行なわせる
ことができてその作業を容易に行なうことができ、さら
に、把手に前記突起を挿通する切欠を備えた抜け止め円
板を固定することにより、抜け止め円板の取付が容易で
あり、さらには、把手を用いて吊上げ、吊下げ等の荷役
作業を容易にし、据付け時における作業をも容易にする
ことができる等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示すもので、地中への
敷設状態を示す一部を切り欠いた縦断側面図である。
【図2】仕切弁ボックス部分の縦断側面図である。
【図3】内筒の平面図である。
【図4】蓋を取り外した状態の縦断側面図である。
【図5】内筒の高さ調節をしている状態の縦断側面図で
ある。
【図6】蓋の背面図である。
【図7】全体の平面図である。
【図8】本発明の第二の実施例を示すもので、仕切弁ボ
ックス部分の縦断側面図である。
【図9】抜け止め円板の平面図である。
【図10】蓋を取り付けた状態の設置時における抜け止
め円板と突起との関係を示す水平断平面図である。
【図11】蓋を着脱する場合の抜け止め円板と突起との
関係を示す水平断平面図である。
【図12】従来の一例を示す一部を切り欠いた側面図で
ある。
【図13】従来の平面図である。
【符号の説明】
12 ボックス本体 18 内筒 23 蓋 25 内面 30 表示体 31 表示部 32 選択体 33 ネジ孔 34 小ネジ 40 抜け止め円板 42 切欠

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に埋設されたボックス本体と、蓋が
    開閉自在に取り付けられた内筒とをネジ結合し、この内
    筒に内方へ突出する突起を形成し、前記蓋に把手を上下
    動自在に取り付け、この把手を水平面内の回動で前記突
    起の縁部に当接させるようにしたことを特徴とする仕切
    弁ボックス。
  2. 【請求項2】 ボックス本体の内周にネジ部を形成し、
    内筒の外周に前記ネジ部と螺合するネジ部を形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の仕切弁ボックス。
  3. 【請求項3】 地中に埋設されたボックス本体と、蓋が
    開閉自在に取り付けられた内筒とをネジ結合し、この内
    筒に内方へ突出する突起を形成し、前記蓋に把手を上下
    動自在に取り付け、この把手を水平面内の回動で前記突
    起の縁部に当接させるように位置決めするとともに前記
    把手に前記突起を挿通する切欠を備えた抜け止め円板を
    固定したことを特徴とする仕切弁ボックス。
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