JP2677742B2 - 自動制御装置 - Google Patents

自動制御装置

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JP2677742B2
JP2677742B2 JP4268089A JP26808992A JP2677742B2 JP 2677742 B2 JP2677742 B2 JP 2677742B2 JP 4268089 A JP4268089 A JP 4268089A JP 26808992 A JP26808992 A JP 26808992A JP 2677742 B2 JP2677742 B2 JP 2677742B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィードバック自動制
御を行っている広範囲な分野に適用し得る自動制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来技術】フィードバック自動制御系において、制御
量を目標値にすばやくオーバシュートなしに追従させる
ため、種々の提案がなされている。現代制御理論を応用
したものは、制御系が複雑になりがちであるが、ヒステ
リシス要素を介して制御系の一部を入力にフィードバッ
クする簡便な手法が、計測自動制御学会論文集、VOL24,
1988,No.3 、P249〜P254に示されている。
【0003】図3はこの手法による制御系を示したもの
であり、41は目標値となる入力信号、42は加減算器、4
3,44は制御対象とするプラントを表したものである。4
5はヒステリシス要素であり、例えば入力が正方向上昇
すると出力もそれに応じて上昇するが、入力が下降し始
めると出力は現在の値を保ち、入力が零となった時点で
出力も零となる。入力が負の場合も同様の特性となる。
46は出力信号であり、その出力信号46はヒステリシス要
素45出力とともに、加減算器42に負極性にてフィードバ
ックされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図4は入力信号41に対
する出力信号46のステップ応答を示したもので、CH1 ,
CH2 ,CH3 は応答線である。すなわち、応答線CH1 はプ
ラントの一次遅れ要素43の時定数Tが(T=1.0 )、ゲ
インKが(K=1.0 )の場合、ヒステリシス要素45の傾
きを適切に選ぶことにより、実線で示す如く最短でオー
バシュートなしに、出力信号46が目標値の入力信号41に
達する有限時間整定応答が得られる。なお、図3では、
一次遅れ要素43の出力をヒステリシス要素45を介して入
力側にフィードバックする場合を示したが、一次遅れ要
素43の入力をヒステリシス要素45を介して一次遅れ要素
43の出力側にフィードフォワードしても前記したような
有限時間整定応答が得られる。
【0005】しかし、プラントの定数、図3の例では一
次遅れ要素43の時定数やゲインが変化した場合には、
このような有限時間整定応答が得られなくなってしま
う。これは、応答線CH2,CH3 の如くである。応答線CH2,
CH3 はゲインKが変わらず、(T=1.0)から(T=
0.5)に変化した場合あるいは(T=1.0)から
(T=2.0)に変化した場合の出力信号46の応答を
示したものである。
【0006】この図から明らかなように、プラントの定
数が変化すると、整定に時間がかかったり、オーバシュ
ートが発生する現象が生ずる。ここで、プラント定数は
温度、経年などにより、しばしば変化することが多いた
め、問題となることが多い。本発明はこのような問題点
を解決するためになされたものであって、プラントの定
数が変化した場合にも、その変化前と同様な良好な応答
を得ることができる自動制御装置を提供せんとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の主旨とするとこ
ろは、実際の制御対象と等価な特性を備えた演算要素を
用意し、この演算要素に図3に示したものと同様のヒス
テリシスフィードバックもしくはヒステリシスフィード
フォワードを施して、規範モデルを構成し、実際の制御
対象の各作動値と、上記演算要素の対応する要素の演算
値とを比較し、それぞれ差に基づき、制御対象の修正信
号を発生させるようにしたものである。
【0008】
【作用】かようにして作られた修正信号を実際の制御対
象に入力することにより、制御対象の定数が変化しても
出力応答は変化しない作用効果を奏しうるものである。
すなわち、実際の制御対象と等価な特性を備えた演算要
素にヒステリシスフィードバックもしくはヒステリシス
フィードフォワードを施して、希望する制御特性を持つ
規範モデルを創成し、実際の制御対象の各作動値を、規
範モデルの演算要素の対応する要素の演算値に追従させ
るようにしたので、前記図3に示したもの比して制御対
象の定数が変化した場合にも、良好な応答を得ることが
可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例図面に基づき、さらに
詳述説明する。図1は本発明による自動制御系の一例の
要部構成を示すもので、1は規範モデル、2は制御装
置、3はプラント(制御対象)である。ここに、プラン
ト3は一次遅れ要素31と積分要素32からなり、これは図
3に示したものと同様であるが、ヒステリシス要素によ
るフィードバックは行っておらず、出力信号33からプラ
ント3の入力側へのフィードバックも省略している。な
お、プラント3の伝達関数は同図のような一次遅れと積
分要素に限定されるものではない。
【0010】規範モデル1において、11は目標値の入力
信号、12は加減算器、13,14 は実プラント3を模擬する
一次遅れ要素、積分要素である。その一次遅れ要素13の
時定数TMとゲインKMはプラント3の一次遅れ要素31の時
定数TとゲインKに一致していることが望ましいが、正
確に一致させる必要はない。また、15は図3に示したヒ
ステリシス要素45と同じヒステリシス要素でありその出
力は積分要素14の出力とともに負極性にて加減算器12へ
フィードバックされる。
【0011】制御装置2は実プラント3の修正信号を発
生させるためのものであり、21はプラント3と規範モデ
ル1の出力信号の差をとる加減算器、22 ,24はそれぞれ
ゲインK1,K2を有するゲイン要素、23はプラント3と規
範モデル1中の一次遅れ要素31,13の出力差をとるため
の加減算器、25はゲイン要素22,24の出力を加算する加
算器、26はゲインK1を有する積分器、27は加算器25と積
分器26の出力を加算する加算器である。その加算器27出
力はプラント3への修正信号となる。
【0012】4は規範モデル1の一次遅れ要素13への入
力とこの修正信号を加算する加算器であり、その加算器
4はプラント3へ入力される。制御装置2はプラント3
と規範モデル1の出力信号差を入力とするPID演算器
のようなものであってもよいが、上記出力信号差に加え
て、一次遅れ要素31,13 の出力差を用いることによりよ
り正確な制御を行うことができる。 上記のように、出力
信号差と積分要素14,32 の入力信号差に基づき修正信号
を発生することにより、プラント3と規範モデル1の出
力信号差に加えて、その微分成分により修正信号を得る
ことができ、プラント3の出力を規範モデル1の出力に
すばやく追従させ、より正確な制御を行うことができ
る。
【0013】なお、図1では、一次遅れ要素13の出力を
ヒステリシス要素15を介して入力側にフィードバックす
る例を示したが、上記ヒステリシス要素15によるフィー
ドバックの代わりに、一次遅れ要素13の入力をヒステリ
シス要素15を介して一次遅れ要素13の出力側にフィード
フォワードしても同様の効果を得ることができる。 すな
わち、前記したように、図3において一次遅れ要素43の
入力をヒステリシス要素45を介して一次遅れ要素43の出
力側にフィードフォワードしてもヒステリシスフィード
バックを施した場合と同様の有限時間整定応答を得るこ
とができるので、図1の規範モデル1 に上記フィードフ
ォワードを施すことにより、規範モデル1 を有限時間整
定応答させることができ、これに追従するプラントも同
様な応答にすることができる。
【0014】図2は、図1に示した自動制御系の入力信
号11に対する出力信号33のステップ応答を示すものであ
る。すなわち、この図から明らかなようにプラント3の
一次遅れ要素31の時定数Tが0.5 ,1.0 ,2.0 と変化し
ても、出力信号33は全く同一の応答を示している。(K
=1.0 )ゲインKが変化しても同様であり、変化幅が極
端に大きくない限り、変化前と同一の応答を得ることが
できる。
【0015】
【発明の効果】以上詳述した如く、実際の制御対象と等
価な特性を備えた演算要素を用意し、この演算要素に図
3に示したものと同様のヒステリシスフィードバックも
しくはヒステリシスフィードフォワードを施して、規範
モデルを構成し、実際の制御対象の各作動値と、上記演
算要素の対応する要素の演算値とを比較し、それぞれ差
に基づき、制御対象の修正信号を発生させるようにした
ので、実プラントの定数が変化した場合にも、変化前と
同一な良好な応答を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による自動制御系の一例を示す系
統図である。
【図2】図2は図1制御系の応答を示す。
【図3】図3は従来例の自動制御系を示す系統図であ
る。
【図4】図4は図3制御系の応答を示す系統図である。
【符号の説明】
1 規範モデル 2 制御装置 3 プラント 4 加算器 13 一次遅れ要素 14 積分要素 22 ゲイン要素 24 ゲイン要素 26 積分器 31 一次遅れ要素 32 積分要素 CH 応答線 CH1 応答線 CH2 応答線 CH3 応答線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−217304(JP,A) 中野道雄、外2名、「ヒステリシスフ ィードバックによる有限整定制御」、東 洋電機技報、東洋電機製造株式会社、平 成2年3月23日、第76号、P.2−9

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒステリシス要素を介したフィードバッ
    ク手段を具備し、実際の制御対象と等価な特性を備えた
    演算要素と、該演算要素の出力と目標値を比較しその偏
    差を上記演算要素に入力する手段とを備えた規範モデル
    と、 実際の制御対象の各作動値と、上記演算要素の対応する
    要素の演算値とを比較し、その偏差に所定の演算を施す
    演算手段と、 上記演算手段の出力と、上記実際の制御対象と等価な特
    性を備えた演算要素の入力信号を加算し、実際の制御対
    象に入力する手段とを備えたことを特徴とする自動制御
    装置。
  2. 【請求項2】 ヒステリシス要素を介したフィードフォ
    ワード手段を具備し、実際の制御対象と等価な特性を備
    えた演算要素と、該演算要素の出力と目標値を比較しそ
    の偏差を上記演算要素に入力する手段とを備えた規範モ
    デルと、 実際の制御対象の各作動値と、上記演算要素の対応する
    要素の演算値とを比較し、その偏差に所定の演算を施す
    演算手段と、 上記演算手段の出力と、上記実際の制御対象と等価な特
    性を備えた演算要素の入力信号を加算し、実際の制御対
    象に入力する手段とを備えたことを特徴とする自動制御
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0721724B2 (ja) * 1986-03-19 1995-03-08 株式会社日立製作所 自動制御装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
中野道雄、外2名、「ヒステリシスフィードバックによる有限整定制御」、東洋電機技報、東洋電機製造株式会社、平成2年3月23日、第76号、P.2−9

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